リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第73話
リゾスレ初心者向けQ&A
Q.このスレについて教えて!
A.このスレはモーニング娘。36thシングル「リゾナント ブルー」のPV(Another ver.)から想像に想像を膨らませて生まれたスレです
作者一人ひとりによって設定は異なりますが、大まかに共通している設定は
【超能力を持つ「リゾナンター」を名乗る少女たちが仲間同士心を通わせつつ「ダークネス」を名乗る敵の組織と戦う】といった感じです
Q.どの話から読めばわかりやすい?
A.テンプレ
>>1 の過去ログまとめで第1話(第1スレ)に目を通すことを推奨。
スレの雑談では『蒼の共鳴』
http://resonant.pockydiary.net/index.cgi?field=44の名がよく上がります 。但し一大長編ですけどねw
2周年を記念してスレの住人が色んな質問に答えているスレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/22534/1271246993/も参考になるかと Q.メンバーのキャラ設定は?
A.作者個々によって違うが多くの作品で共有している設定は以下の通り
高橋愛…………リゾナンターのリーダーで戦闘も強い実力者。喫茶店のマスターをしている
新垣里沙………リゾナンターのまとめ役?だがその正体は「ダークネス」から放たれたスパイ。後に真の仲間となる
亀井絵里………心臓病を患っておりよく入院している。さゆみと親友
道重さゆみ……絵里と親友。心の奥には「さゆみの姉・さえみ」という別人格が眠っている
田中れいな……喧嘩最強でリゾナンター屈指の武闘派。愛の喫茶店で住み込み店員をしている
久住小春………売れっ子芸能人。何も考えていないように見えて案外熱血だったりするかも
光井愛佳………家庭の内外で孤独を感じていたところを愛に救われた。リゾナンター随一の常識人
ジュンジュン…パンダに変身する一族の生まれ。変身が解けると裸になる
リンリン………パンダ一族を守る組織「刃千吏(バッチリ)」の一員。ギャグセンス以外はエリート
譜久村聖………出てきた設定は、能力複写、サイコメトリー、譜久村財閥のお嬢さん、未来から来た24歳など
生田衣梨奈……出てきた設定は、無感情、植物と会話できる、KYの空気感染など
鈴木香音………出てきた設定は、物体をすり抜ける、すごい聴力など
鞘師里保………出てきた設定は、水軍の家系の末裔、御神刀使い、念動力(水限定)など
飯窪春菜………出てきた設定は、はう、ラブベリーナ魔法学院最終学年、ジョジョバカ
石田亜佑美……出てきた設定は、幻獣使役、蒼の剣士、ぺったん、貧しさが憎い
佐藤優樹………出てきた設定は、ちょっと不思議
工藤遥…………出てきた設定は、強いリーダー志向、千里眼(クレヤボヤンス)
<よくわかる!? リゾナントスレの世界観図説> リゾナンター派(多数派)─┬─ダークネスと闘う超能力少女たちだよ派(鉄板路線派) │ ├ダークネスは悪の組織の名前だよ派(暗闇=敵だよ派) │ │ └ラスボスの名前でもあるよ派(ダクネチュ様派) │ ├実は前身となる正義の組織があったんだよ派(OGメンはかつての味方だよ派) │ │ ├方針転換して悪の組織になったので新組織を立ち上げたよ派(見解の相違派) │ │ └組織はつぶされ現メン(の一部)が生き残ったんだよ派(正義の組織再興派) │ └前身はなく愛ちゃんが一から始めたんだよ派(OGメンは最初から敵だよ派) │ ├最初に見つけた仲間はれいなだよ派(同居人優先派) │ ├最初に見つけた仲間はガキさんだよ派(娘。加入順優先派) │ ├最初に見つけた仲間はガキれな以外の子だよ派(基本にとらわれないよ派) │ └愛ちゃんは美少女コレクターだよ派(百合愛好派) │ ├─モーニング娘。をやりつつ敵と闘うよ派(鉄板路線派「かなしみ戦隊」系) │ ├─政府直属の能力者集団だよ派(独自路線派「共鳴者」系) │ └─その他(各種独自路線派) リゾナンダー派(少数派)─┬─戦隊モノのヒーローなんだよ派(特撮愛好派) │ ├各自のイメージカラーが個人の戦隊カラーになってるよ派(LLはどうなったの派) │ └リゾナンカーとセットで使いたいよ派(とことん特撮派) │ ├─スレが始まった時はこっちだったんだよ派(原理主義) │ └─その他(各種独自路線派) “ター”でも“ダー”でもどっちでも派(穏健派) ─┬─面白ければなんでもいいよ派(内容重視派) │ └─シリアスとギャグで使い分けるよ派(こだわり作者派)
【今まで出てきた能力まとめ】 高橋愛:精神感応(リーディング) /瞬間移動(テレポーテーション)/光使い(フォトン・マニピュレート) 新垣里沙:精神干渉(マインドコントロール) 亀井絵里:傷の共有(インジュリー・シンクロナイズ) /風使い(ウィンド・マニピュレート) 道重さゆみ:治癒能力(ヒーリング) さえみ(姉人格):物質崩壊(イクサシブ・ヒーリング) 田中れいな:共鳴増幅能力(リゾナント・アンプリファイア) 久住小春:念写能力(ソートグラフィー) /幻術(ハルシネーション)/発電(エレクトロキネシス) 光井愛佳:予知能力(プリコグニション)/心の浄化(ハート・プリフィケイション) /水守(みまもり) リンリン:念動力(サイコキネシス)/発火能力(パイロキネシス) ジュンジュン:念動力(サイコキネシス)/獣化(メタモルフォシス(トゥ・ビーストorパンダ)) 譜久村聖 :能力複写(リプロデュスエディション) /残留思念感知(サイコメトラー・オブジェクトリーディング)/液状化(リキュエファクション) 生田衣梨奈:精神妨害(マインドジャミング)/精神破壊(マインドデストロイ)/植物と会話(スピリチュアル・トーキング) 鞘師里保 :水限定念動力(アクアキネシス)/水軍流の達人 鈴木香音 :非物質化(ディマテリアリゼーション)・物質透過(ペネトレイト)/超聴覚(ハイパー・ヒアリング) 飯窪春菜:五感共鳴(センス・リゾナント)/魔術(マジック) 石田亜佑美:幻獣召喚(イリュージョナル・ビースト) 佐藤優樹:瞬間移動(テレポーテーション)/死霊魔術(ネクロマンシー) 工藤遥:千里眼(クレヤボンス)/精神??(マインド・ブラスト)
【初代まとめサイトで投稿日順に読む裏技】 まとめサイトの[検索]で「(1)」とか指定すると、第1話(1スレ目)の作品が投稿日順に並びます(降順) (投稿日=まとめサイト掲載日時であり、スレ投下日時ではありません) ただし、次回予告についてはシングルの順序と合わせるために 順番に並ぶように投稿日をいじってあるのでこの限りではありません このスレに初めて来たから様子がわかんないよ、って人にはイイかも ※時々検索結果に違うスレの作品が混じりますが、本文中に張ったリンク(例:(01)123)を拾ってしまうためです 【まとめサイトVer.2で投稿日順に読むには】 タグでスレごと(第○話)の作品群を見ることができます。 登録日の順になっているのでそこからたどっていけばおk 【代理投稿を依頼するときのお願い】 したらば掲示板のアク禁スレに作品を上げるときは対処方法の指示も書いてください 例えば ・規制食らったので転載してほしい ・レス数多いから掲載を手伝ってほしい など 転載する人は必ず投下する旨をアク禁スレに宣言していってください (投下かぶり防止のため。宣言が同タイミングなこともあるのでリロード&しばらく待つのも大事)
川*’ー’) < テンプレの設定やまとめサイトを参考にして自由に想像するやよ
ノ|c| ・e・) < 登場人物の能力やストーリーの背景・設定は作者さんの自由なのだ
ノノ*^ー^) < シリアル路線でもコメディ路線でもお好きなものどうぞ
从*・ 。.・) < AAを使ったものや1レス完結ものでもOKなの
从*´ ヮ`) < 他の作者さんの設定を流用するのもありっちゃ
ノリo´ゥ`リ < 気に入った話の続きや繋ぎの話を書いてみるのもありカナ☆
川=´┴`) < プロットを書いて他の作者さんにストーリーを書いてっておねだりしてもええで
川*^A^) < アーでも書いてくれるかは作者さん次第ヨ
川´・_o・) < ソッカー
作品投稿の際、10レスを越える場合は連続投稿規制(バイバイさるさん)がかかるので注意。
それから1レス当たり最大32行までしか入らないのでそれも注意。
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_coming.jpg 君の作品を待ってる
<※初めてスレを訪れた方へ>
お勧めの作品やわからない用語については遠慮なく質問してみてください
スレに何人もいるであろう「生き字引」が24時間以内に答えてくれるでしょう(多分)
テンプレ以上 できれば新しいスレは現行スレの残ってるうちに立てた方がいいのカナ
10 :
名無し募集中。。。 :2012/09/28(金) 12:19:34.70 0
スレ立て乙です! 夜中だったからスレ立てられなかったのは仕方ないかもですね…w
11 :
名無し募集中。。。 :2012/09/28(金) 12:50:36.41 0
12 :
名無し募集中。。。 :2012/09/28(金) 13:22:57.36 0
おつおつー
13 :
名無し募集中。。。 :2012/09/28(金) 13:27:06.72 0
14 :
名無し募集中。。。 :2012/09/28(金) 14:08:10.18 0
>>1 乙
あせって夜中にたてなくてもいいんじゃないかな?
このスレらしくのんびりいきましょう
15 :
名無し募集中。。。 :2012/09/28(金) 15:06:55.65 0
さて今スレもがんばるかな
16 :
名無し募集中。。。 :2012/09/28(金) 17:06:51.32 O
口火を切るのはどの作品だろう
17 :
名無し募集中。。。 :2012/09/28(金) 18:25:05.96 0
慌てない慌てない
18 :
名無し募集中。。。 :2012/09/28(金) 19:23:15.49 0
リゾナント リゾナント
19 :
名無し募集中。。。 :2012/09/28(金) 20:46:22.80 0
これ夜中に立ってたらそのまま落ちてたりしてw
20 :
名無し募集中。。。 :2012/09/28(金) 21:25:39.11 O
不吉なこと言うなよw
21 :
名無し募集中。。。 :2012/09/28(金) 22:39:13.65 0
風邪気味ホゼナンター参上
22 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 00:09:22.49 O
コーヒー飲みながら、ほぜな〜んと♪
23 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 00:48:11.53 0
今到着です。
>>1 さん乙です!
規制解除されたのにレベルが足りなくてあまり
役に立てませんが、今スレでもよろしくです。
24 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 02:43:21.66 0
寝るのだよ
25 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 05:33:56.57 0
大変遅ればせながら
>>1 おつ
そして
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/684.html#id_2acbe337 の続き
最凶の一撃を受けた倒れ伏した愛を守ろうと躍起する愛佳。 一方後藤真希はというと…。
―― 愛ちゃんでもわたしをとめられないんだね。
最強の孤独を噛みしめながら、愛に止めを刺そうと動く。
「んぁ? 君まだいたんだ。 ちょっとそこ退いてくれるかな」
「なんで、あんたはそんなことするんや。 敵味方関係なく誰彼構わず潰してしまおうとする?」
「確かめようとしただけさ。 ここがわたしの居るべき世界なのか」
後藤真希は自分の存在を受け止めることのできる者を捜していた。
だが誰も最強のGを止めることはできなかった。
銀翼の天使。 永遠殺し。 氷雪の魔女。
「呪われた生体兵器i914が私にとって最後の希望だったんだけど、とんだ期待はずれだったよ」
「高橋さんは兵器なんかやない」
「スペック的には愛ちゃんは最強のはずなのに、つまらないきみたちなんかと仲間ごっこをやってるから、愛ちゃんまでつまらなくなっちゃった」
「違うっ! 私たち一人一人は不完全で弱っちいかもしれんけど、お互いの足らないところを補い合って、助け合える私たちは最強やっ!!」
26 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 05:35:29.14 0
愛佳の悲痛な叫びを耳にした後藤の顔に妖しい笑みが浮かぶ。 「じゃあ守ってみなよ。 きみたちの絆ってやつで大事な愛ちゃんを、かけがえのない世界を守り通してみな」 後藤の掌の上に小型のブラックホールが形成され始めていた。 「あんた、アホか。そんなものを創ったらあんたもただじゃすまへんで」 「わかってる」 重力を歪めることで創り出されたブラックホールは、ある規模を越えるとその創造者である後藤ですら制御不可能になる。 「ブラックホールに吸い込まれた私はワームホールを通ってまた時間を一周するのさ。 そして今度こそ自分の世界を見つけるんだ」 次回、暁の戦隊 第36話「Going On!」 後藤と戦って時間稼ぎをしていたジュンジュンたちは疲労困憊して戦える状態ではない。 離れた場所にいるダークネスの幹部チームはもっとボロボロになっている。 特大の稲妻を起こすために別行動を取っていたれいなや小春達が合流してくるまでには時間がかかる。 今、後藤真希に立ち向かえるのは光井愛佳一人だけ。 ―― 叶うはずがないなんて言わへん。 この女はうちらの絆を、正義を侮辱した。だったら… 俯きそうになる顔を上げ、明日へ向かってGoing On! ―― 諦めない限り、朝はやって来る
27 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 07:45:59.18 0
やばい光井好きになりそうw
28 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 07:47:00.27 0
愛佳の決起はやっぱり胸が熱くなるなあ
29 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 09:34:35.62 0
まさかのデカイちゃんが救援に…!? …なわけないw
30 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 12:17:20.78 0
未来はどんな色になるの?
31 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 13:56:18.87 0
色は全て混ざったら黒 光は白
32 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 15:29:40.39 0
次はどのような色が重ねられてゆくのだろう
33 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 17:19:17.81 0
ホゼナント
34 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 17:31:27.55 0
重なり合えば九路
35 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 17:57:13.78 0
九つそれぞれの路を歩む初期リゾナンター
36 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 18:53:21.06 0
もう交わる事はないと思っていたその先が再び重なる時 また物語が始まる
37 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 20:17:42.15 0
ほぜ
38 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 21:13:49.37 0
岩手県九戸郡山形村の民間信仰における怪異。 十円硬貨ほどの大きさの光体が空中を舞うもので人妻が見るという。 これを目にするのは自分が妊娠している証といい、光体が人妻の体内に入ると胎児の命の源になるといわれる。 ホゼとは魂とは異なり人間が死ねばホゼも消えるのだという。
39 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 21:22:43.06 0
映画を見たうえでの保全。 もしも世界に危機が訪れたとして、ヒーローが集まるアベンジャーズにリゾナンターは 呼ばれることはあるのだろうか?
40 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 22:50:35.91 0
表立って活躍するかは別として呼ばれるんじゃないかな?
41 :
名無し募集中。。。 :2012/09/29(土) 23:01:51.33 0
>>39 リゾナンター呼ぶならX-MEN呼びそうな気がするw
42 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 00:19:07.82 0
ねるまえほ
43 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 01:12:37.15 0
はいおやすみんと
44 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 02:51:46.77 0
>>38 どうしてもフクちゃんしか浮かんでこないw
45 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 06:03:29.31 O
台風くるかな
46 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 07:57:40.05 0
かめちゃんが寝ぼけてると思おう
47 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 08:34:11.03 0
夕方に上陸するらしいですね。 空が灰色に荒れてるよえりりん。
48 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 08:35:38.33 0
風が呼んでいるからと言って屋上に上がらないでくれよカメ
49 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 10:00:36.82 0
ズン子の屁で追い返せばよい
50 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 11:15:07.30 0
亀井絵里さんはとてもかわいいです
51 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 12:51:42.89 0
52 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 12:52:53.02 0
川;*’ー’)<ダークネスの生物兵器かっ!? ↓ 純子でした
53 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 13:57:43.80 0
もはや最強だなw
54 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 15:24:02.09 0
>>48 その時はまた愛佳が傘をさしてやれば良い
とか思ってたのにお前らは…w
55 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 15:24:35.68 0
最強にして最恐で最狂の・・・・誰だ?
56 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 16:05:00.71 0
57 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 17:46:08.59 0
台風ほぜ
58 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 19:24:38.52 0
うちの方は過ぎてくれたけどこれからの進路に住んでる人 気をつけてねん
59 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 20:20:18.99 0
これからの進路上にリゾナンターと帰宅難民ターが
60 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 21:16:58.70 0
小春もカメも暴れすぎだぞw
61 :
名無し募集中。。。 :2012/09/30(日) 22:50:48.40 0
三 三 | | 三 三 ゴー 三 三 三 | |ゴー 三 三 ゴー ∋oノハヽ| 三 三 三 ⊂ ̄ハ;´ 。`ルと)<うぉぉぉ〜〜! ⊂____つ| 三 三ゴー 三 | | 三 ゴー三  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
62 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 00:08:11.90 O
どぅーしっかり!w
63 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 00:09:00.96 0
どぅーした?どぅー
64 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 01:58:25.91 0
川* ^_〉^)<どぅ〜をた〜すけにきました〜w
65 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 02:17:18.84 0
从*´◇`)くどぅ!
66 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 04:53:57.67 O
ハ;´ 。`;ル<怖かった……
67 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 06:35:51.07 0
たい……フゥ!
68 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 08:15:51.07 0
>>25-26 “予知能力者”光井愛佳は傷ついた愛を守るため、単身で最強のGに立ち向かった。
妖しく光る後藤の目に射すくめられて、心が折れそうになりながらも、思いを込めた拳を繰り出す。
―― えっ、嘘やろ
後藤の端正な鼻筋から血が流れている。
幻でない証拠に、力一杯握りしめていた拳が痛む。
戦士とは認識していなかった愛佳の一撃を食らった後藤は唖然とした表情だ。
愛佳は辺りに転がっている瓦礫の中から、片手で持てる程度の大きさのコンクリートの破片を拾い上げて…。
「待ちぃ、愛佳」
息絶え絶えの様子の愛が制止した。
愛佳の手は人の命を奪うためにあるのではなく、人を導き、救うためにあるのだと。
「でも、この人をこのままにしておいたら、取り返しのつかないことに」
「手を汚すなら、わたしが…」
ふらつく体で立ち上がろうとする愛だが、後藤に与えられたダメージは大きくて…。
「ちっ、テメーら正義の味方は使えねえな」
69 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 08:18:32.21 0
愛の元に駆け寄った愛佳は、背の低いシルエットの女が自分たちを窺っていることに気づいた。 西部劇に出てくるガンマンのようなテンガロンハットを頭に乗せ、腰につけたガンベルトには銀色の銃。 「せっかく、オイラがそいつの能力を【阻害】してやったのに、モタモタしやがってよー」 次回、暁の戦隊 第37話「時間よ止まれ」 女は銃を構えながら歩み寄ってくる。 「【阻害】の射程に入ったからには、テメーの好きにはさせねえ。」 銃声が響き、後藤の肩から血が流れ出し…。 「いつまでもこうして、テメーと時を過ごしたいところだがそういうわけにもいかねえ」 再び、鳴り響く銃声。 「空に流れる星に何か願い事でもしてみろよ。 もう一度時間よ止まれとでも祈ってみろよ?」 ピースメーカーの撃鉄を引き起こした矢口真里は宣告する。 「ラストキッスだ」 ------------------------------------------------------------------------------------- 「時間よとまれ」が「ラストキッス」のカップリング曲だということに気づいてくれる人が何人いるやらw
70 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 08:31:38.26 0
すみません気付きませんでしたというか知りませんでしたw そしてここは矢口りませんでしたと書くべきでした まさに総力戦なバトルの行く末がどうなるのか 『黒い羊』へのオマージュが随所に見られるところも楽しみつつ期待してます
71 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 11:29:33.17 0
次から次へと目まぐるしい展開ですこと
72 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 12:13:57.05 0
矢口においしいとこもっていかれたままじゃダメだリゾナンターw
73 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 15:07:50.75 O
あげなんと
74 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 15:55:55.52 0
だからパッパヤパヤパッパッパだろ
75 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 16:50:21.35 0
わかってらっしゃる
76 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 18:41:42.88 0
台風一過
77 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 18:42:47.96 0
?
78 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 20:09:19.31 0
夜が始まる
79 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 21:02:32.77 0
帰ったら廊下が小枝で埋め尽くされていた ホゼナントの仕業か!
80 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 22:07:21.36 0
どういう状況だよw
81 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 22:21:32.78 0
「今回は小枝だが次は…」
82 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 22:31:37.86 0
たけのこの里だな
83 :
名無し募集中。。。 :2012/10/01(月) 23:35:32.06 0
きのこの山は?
84 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 00:09:54.14 0
年下メンが喜びそうな能力だなw
85 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 00:18:47.96 0
うおおおおおおおおおおおおおおおお このスレまだあるwwwwww 狼いつもいるのに全く見かけないから消えたのかと思ってたわw
86 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 00:24:00.34 0
お帰りなさいw
87 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 00:46:45.88 0
88 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 02:51:21.68 0
寝るのだよ
89 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 05:17:35.71 O
二度寝なんと
90 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 05:17:36.34 0
>>68-69 「地を這う虫に悪魔は殺せないよ」
自らが噛み切った手首、矢口真里に撃たれた肩口から出血しているにもかかわらず、後藤の表情には余裕があった。
虫呼ばわりされて息巻く矢口に向かって、ニヤリと笑いかける。
「裕ちゃんたちが戦っている間、虫ケラみたくこそこそ隠れてた知が、ごとーのことを殺せるわけないじゃん」
矢口は自分の別行動は、中澤の了承があってのことだと言った。
「テメーとの戦いが乱戦に陥ったら、オイラの【能力阻害】は仲間の能力も打ち消す諸刃の剣になりかねないからな」
「それは違うね。 アンタは怖かったんだ」
【能力阻害】は能力者の異能の発動を阻害する能力だ。
対能力者との戦闘では最強の武器となりうるが、異能によって引き起こされた現象を打ち消すことは出来ない。
「アンタはごとーの【重力操作】で押し潰されることも、流れ弾に当たることも怖かったんだ」
矢口は自分の身の安全を図る為、【能力阻害】の波動の有効範囲と【重力操作】の射程距離を見極めようとした。
だからダークネスの幹部チームの戦闘にも加わらず、後藤が敢えて光井愛佳に仕掛けさせる状況に隙を見出して【阻害】の波動を撃ち出した。
「【もしも能力阻害】を発動させたアンタが決死の覚悟で突っ込んできてたら、さっきの戦いもどうなってたかわかんないよ」
「うるせえよ。 オイラが虫なら、その虫に殺されるテメーは何なんだ」
僅か、数メートルの隔たりから発射された銃弾が空を切った。
後藤が驚異的な身体能力で回避したのだ。
91 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 05:18:26.73 0
「もっと落ち着かなきゃ、やぐっつあん。 表情の変化や筋肉の動きでどこを狙ってるか丸わかりなんだけど」 「うるせえ、うるせえ」 冷静さを失った矢口が立て続けに放つ銃弾を後藤は華麗な動きで回避してゆく。 その様子はまるでガラスのパンプスを履いたダンサーのようだ。 「もっと装弾数の多い銃を選ばなきゃ。 西部劇のカウボーイにでもなったつもり」 弾丸を打ち尽くした矢口の頸部を鷲掴みにした後藤は一気に握りつぶして…。 【能力阻害】者の口から吹き出した漆黒の血で手が汚れた後藤は顔をしかめる。 ―― やっぱ、虫だ。 血の色も黒・・・黒・黒・黒 掌を汚した黒色はどんどん大きくなっていく。 ―― この攻撃は・・ガキさんか。 いつの間にガキさんの創った幻の中に取り込まれたんだろう 腕から身体へと侵食を止めない黒色はやがて後藤の顔をも覆い…。 ―― っていうかいつの間にガキさんは私の死角に回り込んで…。 ああ、そうか。かのんちゃんが連れてきたのか 次回、暁の戦隊 第38話「ガラスのパンプス」 後藤の目が最後に捉えたのは自分の足先。 ガラスのパンプスは履いていない。 ―― あっけないなあ。 どうせなら、もっと華々しく戦って散りたかったけど・・まっ・い・いか・・・・・・
92 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 07:05:16.64 0
かのん!
93 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 08:20:03.54 0
ガキさんがしとめたのか
94 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 10:02:03.16 0
さてどうなのか
95 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 12:05:22.97 0
時を感じないくらいゆっくり素早くね…ってやつですね それにしてもガキさんの攻撃……ひぃ
96 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 12:57:00.24 0
誰と誰がやってどちらが勝つかとかは相性とかもあるな
97 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 14:08:14.53 0
うむ ごとーさんとやっていい勝負になるのはふくちゃんかのんくらいでは
98 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 15:02:08.19 0
何十スレぶりに来たらどういう展開になってるのか全然分からんねw 910期がメインになってるのかそれとも卒業者がまだメインになってるのか
99 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 15:05:57.08 0
>>98 どっちとも言えない
そしてそういうフリーダムところは昔から変わってないと思うw
100 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 17:12:20.67 0
ガキさんのシナリオ怖すぎ
101 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 19:11:42.97 0
ウィキの作者の説明・・・おもしろいな
102 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 20:55:27.78 O
急遽ほぜ
103 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 20:56:21.65 0
小田さんはまだ登場してないよ
104 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 20:58:32.33 0
>>98 Wikiでは9,10期メインが多いかもね
『愛ガキと6期以降のモーニング娘。はリゾナンター』これが唯一のルールかも
105 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 21:01:54.66 0
Wikiって保管庫のことか 元々のWikiはもう存在知らない人も多そう
106 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 21:31:33.17 0
107 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 21:46:01.39 0
108 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 22:17:58.96 0
>>107 ありがとうございます!
最近の作者さんのはないのかぁ…w
109 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 22:28:30.34 0
ウィキ編集する人いなくなっちゃったからねえ
110 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 22:42:33.48 0
wikiの編集は誰でもできるんじゃないの? 興味ある人書いてみれば?
111 :
名無し募集中。。。 :2012/10/02(火) 23:16:03.18 0
ニコ生ただいま2週目 リゾナントオンエア中
112 :
名無し募集中。。。 :2012/10/03(水) 00:33:53.72 0
おっとと
113 :
名無し募集中。。。 :2012/10/03(水) 02:01:19.45 0
ネタはあるのに書く時間がないのだよほぜなんと
114 :
名無し募集中。。。 :2012/10/03(水) 03:25:16.52 0
おやりぞ
115 :
名無し募集中。。。 :2012/10/03(水) 06:49:11.22 0
とーのリゾナント
116 :
名無し募集中。。。 :2012/10/03(水) 08:12:39.48 0
アサナント
117 :
名無し募集中。。。 :2012/10/03(水) 11:00:23.19 0
ブランチト
118 :
名無し募集中。。。 :2012/10/03(水) 11:39:42.76 0
ブランチってよぉ ランチの方に重きを置いてるのが気に食わねぇ ブレックファンチならいい
119 :
名無し募集中。。。 :2012/10/03(水) 14:18:01.62 0
ポ
120 :
名無し募集中。。。 :2012/10/03(水) 16:23:07.98 O
ニ
121 :
名無し募集中。。。 :2012/10/03(水) 17:14:39.01 0
子
122 :
名無し募集中。。。 :2012/10/03(水) 19:39:34.38 0
ハイハイ
123 :
名無し募集中。。。 :2012/10/03(水) 21:03:35.04 O
ハo´ 。`ル<ほぜホゼほぜな〜ん♪
124 :
名無し募集中。。。 :2012/10/03(水) 22:17:53.28 0
うええおええ丼特盛
125 :
名無し募集中。。。 :2012/10/03(水) 23:25:24.39 0
完食できたら無料
126 :
名無し募集中。。。 :2012/10/03(水) 23:45:28.12 0
できなかったら………フフフ
127 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 00:51:26.74 0
代わりに40年タダ働きっちゃ!
128 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 01:28:11.42 0
俺が死ぬのが先か 喫茶リゾナントが潰れるのが先か
129 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 04:07:27.90 0
130 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 07:11:20.78 0
ホゼバイト
131 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 08:54:51.63 0
今日こそつづき投下するぞと意気込んで行ってきますほぜなんと
132 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 11:26:01.33 0
でもそうはならなかった …って言いたかったのごめん待ってるよ
133 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 12:59:49.48 0
昼休みホゼナント
134 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 15:14:07.62 0
昼休憩に喫茶リゾナントへやって来た 店員さんは……相変わらず怖い顔してる
135 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 17:55:59.24 0
ねえ笑って? って言ってみて
136 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 19:03:42.07 0
ウヘヘヘ〜アヒャヒャヒャヒャー
137 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 20:39:47.31 0
新たな能力か?!
138 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 21:14:32.62 0
<あはははは いひひひひ うふふふふ えへへへへ おほほほほ
139 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 21:15:31.01 0
ニアデスハピネス……
140 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 22:08:43.48 0
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/677.htmlつづきです れいなは勢いをつけてぐっと体を起こした。
もうずいぶん夜も深まったんだなと感じながら立ち上がる。
そのとき、背後に気配を感じた。
振り返らなくても、そこに立っているのがだれであるか、れいなは知っている。
「どうしたと?」
振り返らずにそう訊ねるが、彼女は答えようとはしなかった。
やれやれ、相変わらずのだんまりかと肩を竦めた。
「考えてたの」
ふいに彼女がそう呟いた。
「なにを?」
「どうして、こんなことになったんだろうって」
彼女はゆっくりと言葉を紡ぐ。
れいなが振り返ると、彼女は床の一点を見つめていた。
暗いその瞳はなにを映しているのだろうと、れいなはぼんやり思った。
141 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 22:09:22.49 0
------- “あの日”から既に3ヶ月が経過していた。 それが長いのか短いのか、れいなにはもう時間の感覚すらなくなっていた。 どうしてかと考えたときに思い当るのは、すぐ横にいた、だらしない笑顔がないからだった。 「………あほ」 亀井絵里という存在は、あまりにも大きかった。それはれいなだけでなく、メンバー全員に言えることだった。 それを「好意」や「愛情」と言うべきかは分からない。しかし、彼女は間違いなく、“調整者”であった。 絵里という歯車はリゾナンターの中枢に位置し、常にメンバーと噛み合って動いていた。 その分、彼女が戦線を離脱したことは、あまりにも大きな痛手だった。 「やっぱ此処にいたんですね」 屋上に入ってくるや否や、彼女―――愛佳はそう苦笑したので、れいなは大袈裟に肩を竦めてみせる。 3ヶ月前、絵里と愛佳の入院する病院で起きた立てこもり事件の後、絵里も愛佳も重傷を負い、一時戦線を離れることとなった。 愛佳は車椅子、または松葉杖による生活を余儀なくされ、絵里は未だに、リゾナント統制部の管理下にある病院で治療中だった。 もっとも、その間、絵里と面会の機会を統制部は与えてくれなかったが。 「好きですね、空見るの」 愛佳にそう言われ、れいなは素直に頷いた。 いつからだろう、れいなはなにかあるたびにリゾナントの屋上に上がっては空を見た。 晴れの日も曇りの日も雨の日も、その日その瞬間で変わる空の色を、その瞳で、その耳で、その肌で感じていた。
142 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 22:09:54.60 0
「なんか、好きっちゃん、そういうのが」 「そういうの?」 「んー…なんて言うとかいな……悩みなんて飛んでく、みたいな?」 相変わらず、れいなは感性の人だと愛佳は思う。100の言葉をもってしても、彼女の胸の内を掴めることはない。 自分の中に浮かんでいる感情を素直に表象するれいなが、羨ましくも思う。 「……もう3ヶ月なんですね、あの日から」 だから、愛佳の決断を口にすれば、彼女がどういう反応をするか、愛佳は知っていた。 「……一戦を、退こうと思ってます」 たっぷりと10秒の沈黙のあと、れいなは眉を顰め、愛佳を睨む。 元来目つきの悪いれいなは、睨んだつもりなどないと言うかもしれないが、確実にこれは睨んでいると愛佳は思う。 「道重さんにも診てもらったんですけど、治らんのです」 「………なんで?」 「あの男に斬られたんは事実ですけど、それより前から脚は弱ってたんです。黙っててごめんなさい」 愛佳の告白にれいなはただ耳を傾けるしかない。 どうして、どうしてそんな大事なことを……
143 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 22:10:47.45 0
「戦闘での傷は癒せても、それ以外の傷は癒せない…だから道重さんには亀井さんの心臓も治せんのかもしれないですね」 「そんなんどうだってよか!愛佳は…いまは愛佳のことが!」 「歩けるようにはなるとお医者さんは話してます。ただ、あの戦場に戻るんは……」 「認めんっちゃ!」 れいなは大声を張り上げた。町中に響くようなその声に愛佳は思わず目を見開く。 肩で息を整えながらも、彼女は言葉を紡ぐ。 「そんなん…認めんっちゃ……愛佳が…愛佳までが……」 拳が震える。脚までも震えた。 なんでなんでなんでなんで―――と答えの出ない問題を呟き続ける。 どうしたって戻ることはできない。時間は刻一刻と進み続け、れいなの日常を破壊し、再構築していく。 突然現れた男。久住小春の大怪我と離脱。李純、銭琳と立て続けに男に襲われ、そして亀井絵里の長期療養。 さらに、いま、光井愛佳までもリゾナンターから離れようとしている。 これではまるで…… まるで―――? 「……聞かんかったことにするけん」 れいなは頭をかきむしり、逃げるように屋上を後にした。 現実から逃げ、あり得た未来、いままでの日常を胸に思い描く。失くしたくなかった世界が、そこには広がっている。 だれもが、信じていた、その笑顔の咲く明日を、願ってなにが悪い? 「……なんでよ……」 れいなは目頭を押さえた。 熱いものが体の奥底から湧き上がって瞳に溢れた。 先ほどまで見ていた冬の空が、遠く、遠く、感じた。
144 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 22:11:23.06 0
------- 会議室の外が騒がしくなった。 なにやら空気が変わったなと感じたとき、扉が勢い良く開かれた。 「会議中だ!」 「だれだ侵入を許可したのは!」 罵声が飛び交うなか、ひとりの少女に視線は向けられる。 彼女は真っ直ぐに、会議室にいる中心人物を見据え、口を開いた。 「……どういう意味ですか、この辞令は」 静かに、だが滾るような思いを携え、高橋愛は管理官へと言葉を発した。 刃は鋭く胸を貫こうとしたが、彼はそれを一笑に伏して振り払った。 「文字通りだ。本日23時59分を以ってリゾナンター統制リーダーより外れてもらう」 「なんの説明にもなっていません!」 「思ったより時が早く来たのだよ。必要なんだ、この辞令は」 すべての言葉が終わる前に、愛は左手に宿した光を管理官へと放った。 彼へ衝突する直前に光球は破裂し、空気がざわりと変わった。 だが、一瞬にして沸騰した彼女の想いは、そう簡単には解けない。
145 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 22:12:27.54 0
「貴様、管理官に対して―――!」 「こいつを追い出せ!査問委員会にかけて処分を!」 様々な罵声を無視し、愛は地面に左手を叩きつけた。 ぐらりと地が揺れ、会議室にいる全員が騒ぎ出す。まるで戦争の始まりのようだとぼんやり思う。 「奴を捕えろ!」 声が響いた直後、周囲の男たちが愛に飛びかかってきた。 この男たちは愛たちを管理する側に居ながら、大した能力は保持していない。まさに赤子の手を捻るようなものだと愛は一閃を引いた。 一瞬にして部屋に光が満ち溢れ、男たちは後退する。強い光線を目に浴びたせいか、視力を一時的に失ったようだ。 「き、貴様ッ―――」 部屋が揺れる。 狙いは最初から管理官ただひとり。愛は彼を睨み付けながら、右手の中に光りを宿す。 彼は黙ってこちらを見ていた。距離はさほど遠くはないが彼の表情を垣間見ることはできない。 「………きみは、詩は好きかね?」 低く呟かれた言葉に眉を顰めたが、彼の問いかけには答えずに、頭を働かせる。 前回のように“能力制御(リゾナント・フォビット)”を使われてしまっては成す術はない。それを発動される前にこちらが仕掛ける必要がある。 しかし、発動のタイミングも条件も分からない状況では圧倒的に不利だ。 此処は先手を打つべきか、しかし一撃で斃すことは絶対条件だ。長引かせると後がない。
146 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 22:13:04.41 0
「諸君はこの颯爽たる 諸君の未来圏から吹いて来る 透明な清潔な風を感じないのか」 それは何処かで聞いたことのあるものだった。 記憶を紐解く必要はなかった。それは前回、彼と対峙したときに放たれた言葉だ。 「それは一つの送られた光線であり 決せられた南の風である―――宮沢賢治を知っていますか?」 応えるつもりはなかったので黙ったままでいるが、思わず彼の名を頭の中で巡らせた。 宮沢賢治という名に聞き覚えはある。確か、「注文の多い料理店」という話を学校で習った気がする。 どんな内容の話だったかは、思い出せないのだけれど。 「彼は童話作家として有名です。「銀河鉄道の夜」や「セロ弾きのゴーシュ」などは代表です。でも、彼は詩人なんですよ」 「詩人……」 「先ほどの詩は「生徒諸君に寄せる」というものです。中学生に送った言葉ですよ。実に、透明で清涼なものだと思いませんか?」 光りを宿したまま、彼の言葉を黙って享受する。どういう真意があるのか、愛にはその意図が読めない。 「―――“重力閉鎖(グラヴィディ・クローズ)”」 その言葉が発せられた瞬間、愛の手の中にあった光が弾け飛んだ。 消えたのではない、弾け飛んだのだ。 なにが起きたのか分からずに眉を顰めたが、即座にその双肩に感じたことのない重さが圧し掛かった。 「がぐん」という音のあと、情けないほどに無様に地面に伏した。
147 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 22:14:26.68 0
>>140-146 ひとまず此処までです
ペースが上がらないです…w
いつ着地できるかも謎ですがお暇な方はお付き合い下さいm(__)m
148 :
名無し募集中。。。 :2012/10/04(木) 23:08:39.32 0
おつかれいな 誰が去って行くかという展開は読めても結末は予想できないこの話が好き 続き待っとるけん
149 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 00:00:54.56 0
思いも話もたくさん行き交うこのスレが好きだ
150 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 01:55:23.51 0
敵が誰なのか読めんな
151 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 01:58:50.29 0
>>147 乙
管理官が底知れないキャラですな
一連の異動の謎が解き明かされる日が待ち遠しい
152 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 02:42:54.67 0
寝る前ホ
153 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 04:41:01.51 0
>>90-91 新垣里沙は後藤真希の精神を掌握することに成功した。
巧妙に作り上げた幻覚の中に閉じ込めた後藤の精神に、心臓が止まるイメージを送り込めば戦いは終わる…
「モタモタしないでさっさとケリをつけちまえ」
里沙を急き立てるのは、銀色に光るコルトピースメーカーを手にした矢口真里。
この能力者殺と戦っている隙を突いて、後藤の精神に干渉することができた。
しかし、もう一人。 【物質透過】能力者である鈴木香音の協力なくしては後藤の死角に回ることはできなかったが…。
「嘘つき。 ケンカを止めて後藤さんを助けるって言ったのに」
五感を遮断され、動きが停止した後藤の傍らに蹲り、その手を握っている。
対後藤戦に臨む直前の作戦会議で、愛は後藤を撃ち落とすと力強く言った。
しかしその言葉の裏に潜む不安を感じ取った里沙は自分も戦場に向かうことを決めた。
後藤真希の【重力操作】の前には、里沙の【精神干渉】はちっぽけな力だ。
しかし後藤真希の死角に周り、その懐に飛び込むことが出来れば勝機を見い出せると思った里沙は鈴木香音の力を借りた。
香音が後藤に対して複雑な感情を抱いているらしいことを見て取り、それを利用したのだ。
「聞いて、香音ちゃん。 こうするしか仕方なかったの」
結果的に香音に嘘をついてしまったことを里沙は詫びた。
154 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 04:42:56.88 0
「いや。 お前の言ったことはまんざら嘘じゃねえ」 矢口によれば後藤真希が常に戦いを望んだのは、自分自身の命を奪ってくれる存在を求め続けてきたからだという 「そんなこいつの願いを叶えてやったわけだから、こいつを助けてやったってことに違いはねえ」 したり顔で話す矢口は里沙に決断を促す。 「【能力阻害】の波動をぶち込んだ時の手応えで思ったんだが、こいつが強いのはこいつの存在自体が一周前と現在を繋ぐゲートだからだ」 後藤という異界の門を破壊しない限り、世界の危機は免れないという。 「違うっ。 この人は私に優しくしてくれたんんだよ」 「それは気まぐれだ。 そいつは気まぐれで人を救えるが、気まぐれで世界を壊せる悪魔だ」 「悪魔なんかじゃないよ。 こんなに苦しそうにしてる人にそんなひどいことなんてできっこない」 「それは能力で精神に干渉しているからだ。 干渉を止めて目覚めればそいつはまた同じことをする」 「そんなことない。 わたしにはわかる。この人は、この人は…」 次回、暁の戦隊 第39話「手を握って歩きたい」 「この人は友達と手をつなぎたいだけなんだ」 香音の訴えに心が張り裂けそうな里沙は天を仰ぐ。 暁の明星を己の道しるべにしようと…。
155 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 07:19:07.21 0
胸に響く作品が続くぜ
156 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 09:48:06.97 0
それは恋という名の重力
157 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 09:48:45.43 0
>>153-154 「矢口さん。 今の状態をキープして後藤さんを救う方法を見つけられませんか」
「温いぜ。 何人の人間が死んでると思う。 それにこいつは圭織を手にかけてんだぞ」
暗い情念を燃え上がらせる矢口に里沙は訴える。
「無力化されて無防備な状態の今の後藤さんの命を奪えるんですか」
「くだらねえ。正義の味方ってのはホントにくだらねえなあ」
吐き捨てた矢口は手にした拳銃の撃鉄を起こす。
「オイラは殺せる。 仲間を殺した奴なら、それが誰であろうと殺せる」
躊躇いもなく後藤に銃口を向けると、その傍にいる香音に警告する。
「さっさと退きな。 そいつを庇うならガキだって容赦しねえ」
香音の答えは両手を広げて、銃口の前に立ちはだかることだった。
158 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 09:50:36.94 0
「テメーは【物質透過】能力者だそうだが、オイラの前じゃそんなチカラ、屁でもねえ」 「最初からチカラを使うつもりなんてないんだから。 だって使ったらこの人を守れないから」 「世界の敵をどうあっても守るって…」 矢口が言いよどんだのは、後藤を守る壁に新手が加わったからだ。 「わしは世界の敵を守るつもりなんかない。 でも香音ちゃんが世界の敵を守るなら、わしは世界の敵を守る香音ちゃんを守る」 「フォーゼの弦太郎は自分を殺そうとした流星も、親友の賢吾を殺した我望のことも許してダチになったけん。衣梨奈もこの人とダチになるっちゃ」 苛立ちを隠せない矢口は【能力阻害】の波動を香音たちに向けて放出した。 最強のGと命懸けで対峙したことで強化された負の波動を浴びても三人は揺ぎもしなかった。 「オイラの前じゃお前たちのチカラなんて何の意味もない。 なのになんで歯向かう?」 「チカラの有る無しじゃないんです」 大人びた風貌の少女が香音たち三人の仲間に加わった。 次回、暁の戦隊 第40話「Be Alive」 「守りたいものがあるなら人は誰だって戦士になれる。 わたしは仲間たちと生きる今を守って明日に繋げたい」
159 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 09:54:48.26 0
ヤバい超熱い!
160 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 11:05:30.82 0
>>157-158 決戦の場に能力者達が集まってきた。
リゾナンターとダークネス、どちらの陣営に属する者も激戦で傷つき疲弊している。
矢口と香音たちの対峙を目の当たりにした彼らは、たちどころに状況を理解したようだった。
その一人、ダークネス幹部チームの中澤裕子が、矢口の元へ…。
「なあ矢口、ここはひとつ矛を収めてくれへんか」
リゾナンターと限定的な休戦をした上で、双方の空間系能力者で創造した亜空間に、一時的に後藤真希を隔離するという。
本当に後藤真希が一周前の世界と現在を繋ぐゲートの役割を果たしているなら、その謎を解明してから処置を決める必要があるという。
「問題の先送りと言われればそうかもしれんけどな」
銃声が響き、矢口に脚を撃たれた中澤の体が崩れ落ちる。
「はぁ? 寝言は寝てから言えよ、裕子。 こいつは圭織の命を奪ってんだぞ」
「しゃあけど、それは」
能力を阻害されているとはいえ、歴戦の強者達が動けずにいるのは、目にうっすらと涙さえ湛えている矢口の決意が伝わったからだ。
「お前らは許せんのか。 こいつは仲間を手にかけた奴なんだぞ」
「しかし、それは後藤が自分のチカラが強化されていることに気づかなかったから…」
「黙れよ、圭ちゃん。 そんな世迷いごと信じるのかよ。 いや、それが事実でもオイラは許せねえ」
矢口はこれから自分がしようとすることを邪魔されないように、極限までに強化した負の波動を一斉に放出した。
「お前らにとっちゃ圭織はもういない人間なのかもしれねえけど、オイラは違う。 オイラの胸の中じゃ、今も圭織が仇を討ってくれって…」
161 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 11:07:02.41 0
不意の強風が矢口を見舞う。 【風使い】亀井絵里の攻撃だと思ったが、【能力阻害】の効果は破られてはいない。 目を開けているのがやっとの状態の矢口に誰かが囁く…。 …何、熱くなってんのよ。 矢口のくせに。 バカじゃないの? ―お前の仇を討ってやろうとしてるんだぞ。バカとは何だ。 …圭織、そんなこと頼んでないけど。 それに私、あんたのことを仲間だと思ったこと一度も無いわ ―そりゃないぜ。 オイラ何のためにこんなに必死こいてよ 声が途絶えた。 もう一度、その声が聞きたい矢口は風をさがした。 次回、暁の戦隊 第41話「風をさがして」 …あんたは友達よ。 腐れ縁の悪友だけどね… ―くそっ、この風はオイラの涙を乾かせるどころか、逆にあふれさせちまう。 「ちくしょーーーっ!!」 矢口真里が天に向けて放った銃声が、激戦の終わりを告げる号砲となった。
162 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 11:09:30.22 0
「風をさがして」は厳密にはハローの楽曲やありませんが矢口のシングルということでここは一つ
163 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 11:45:31.44 0
遂に決着…?でしょうか 「Be Alive」はあの場面で流れてきたら泣けるだろうなあ…… 「風をさがして」も………ごめん知らないけど曲名も初めて聞いたけどでも感動したよほんとだよ!
164 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 12:10:54.64 0
>.>160-161 戦いは終わった。 新垣里沙の【精神干渉】で幻の中に精神を閉じ込められた後藤真希の身柄はダークネスが預かることになった。 「暫くは鎮静剤と筋弛緩剤を常時投与しながら、チカラの根源の解明に務める。 その上で後藤の精神とコンタクトを取りたいんやが」 「その点については私と里沙ちゃんで協力します」 「亜空間の創造についても考えておいて欲しい。 あっ、そや。 何やったらこれを機会に合流せえへんか」 何気ない態度で為された中澤の提案を愛はきっぱりと拒絶する。 「私たちが決して一つにはなれないことはあなたもわかっているでしょう」 「そうは思わへんけどな。 うちらが目指すものはそんなに違ってへん。 ただそこに至るまでのやり方が違うだけや」 「あなたたちがかなしみを利用して人の心を一つにしようとするなら、私たちはかなしみの連鎖を断つ」 愛の宣言を聞いた中澤は不敵な笑いを浮かべた。 最初から愛の答えはわかっていたと言いたげに。 「おい、人型松葉杖」 慌てて駆け寄った矢口真里に肩を預け、愛たちに背を向ける。 「そやっ、これを渡しておく」 中澤はボロボロの布を残していった。 それはMの隊旗だった。 かつて中澤たちが掲げ、愛や里沙が夜を徹して嵐から守った旗には、暁の明星・【モーニング・スター】が、天に向けて突き上げられた拳の如く染め抜かれていた。 一方、安倍なつみは… 自分の手首に話しかけている。 まるで通信機を装着しているかのようなその姿を、ドクターマルシェこと紺野あさ美が気遣わしげに見守っている。
165 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 12:12:22.00 0
…ずいぶん、無茶したわよね。 私の未来視無しで【シャイニングバタフライ】を発動するなんて ―後藤のチカラの所為で発生する被害を抑えるためにはああするしかなかったんだよ …こっちに来ない? 一人じゃ寂しいんだけど ―もうちょっとこっちにいさせてよ。 そしてあの子たちの描く未来の続きを視させて欲しい 安倍なつみの脳裏に一つの光景が浮かんだ。 厳重に封鎖された施設の一室。 ベッドの上で様々な計器を取り付けられ、鎮静剤と筋弛緩剤の点滴を受けながら長い眠りにつく後藤真希の姿。 厳重なセキュリティが施されたその部屋に一人の人間が侵入する。 壁を潜り抜けてきた制服姿の女子学生は固く目を閉ざした後藤真希に、私立中学への編入が決まったことを報告すると小さなクマのぬいぐるみを後藤の顔の傍に置く。 警報が鳴り響く中、舌を出しながら壁を潜り戻っていく少女。 後藤の口元がほんのわずかだけ緩み… …これは私が視た未来の可能性の一つ。 訪れるかもしれないし、訪れないかもしれない ―ねえ、圭織。 私たちはいつまでこんな戦いを続けなきゃならないの …永遠によ。 私たちのどちらか一方が正しくて、どちらか一方が間違ってるなら戦う必要なんてないわ ―でも、辛すぎるよ …私たちはどちらも間違ってるかもしれない。 どちらも正しい道を歩んでるかもしれない。 だから永遠に戦い続けるのよ、でも… ―でも? …また共に戦う可能性も存在する。 光と闇の境目、暁の刻に ―ありがとう、圭織 圭織からは返事の代わりに、外国語の歌曲がなつみの心に響いた。 L'alba separa dalla luce l'ombra, 夜明けは 光から暗闇を分ける E la mia volutta dal mio desire. そして私の欲求から 逸楽を分かつ O dolce stelle,e l'ora di morire ああ 愛しい星よ いまが滅び行く時 Un piu divino amor dal ciel vi sgombra. さらに神聖な愛が空からお前たちを取り除く 次回、暁の戦隊 第42話「暁は光と闇とを分かつ」
166 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 12:13:12.37 0
ハローの楽曲もしくはハロメンの関係する楽曲名をタイトルにしてきたのですが、今回は唯一の例外 作曲者は没後百年近く経ってるので権利上の問題は発生しないと考えて、詞をそのまま使用させてもらいました まだ最終回ではないです
167 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 12:20:25.64 0
>>153-154 第39話「手を握って歩きたい」
>>157-158 第40話「Be Alive」
>>160-161 第41話「風をさがして」
>>164-165 第42話「暁は光と闇とを分かつ」
ラストバトルのバランスが悪くなったこととか間隔が空いたこととか言いわけをすればその方が面白いんでしょうけどねw
あとはいわゆる冗長すぎる後日譚を明日明後日で集中投下して終わりです
この後のスレの保全をばよろしくデス
168 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 13:23:48.83 0
壮大な戦いもいよいよ終幕ですね よくまあこれだけの人数を全員に見せ場を与えつつ動かしたものだと感心します
169 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 15:53:50.03 0
>>167 乙です
最後の歌曲とか綺麗にまとめたもんだ
完走を心待ちにしてます
170 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 17:41:27.43 0
>>167 改めて素晴らしい構成とストーリーだなと思います
矢口とQ期のいいとこ取りでリゾオリメンが霞んでしまった感もありますがw
後日譚がどのような形で描かれるのかも楽しみ
171 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 19:20:22.16 O
上昇!
172 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 20:29:15.66 0
気流
173 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 22:11:31.03 O
台風
174 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 22:39:30.70 0
純純瓦斯
175 :
名無し募集中。。。 :2012/10/05(金) 23:55:49.44 0
ネルナント
176 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 01:43:56.69 O
从*` ロ´)はっ
177 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 03:15:53.49 0
ネルマエナント
178 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 05:46:43.33 0
目がさえナント
179 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 09:21:40.25 0
うええおええ丼メガ盛り
180 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 11:40:48.93 O
ほう
181 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 13:54:39.58 0
はう
182 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 16:02:58.31 O
ゥ ゚)
183 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 17:08:11.11 0
>>167 東京都庁一帯を壊乱状態に陥れた戦いは、耐震検査の不正と建築業者の手抜き施工によって起きた不幸な人災として処理された。
その強引とも思える情報操作の裏に、政府に侵食している闇の存在を意識する者もいたが、今のところ打つ手はない。
首都の人的、物的な象徴を同時に失ったことによる日本への悲観的な観測は、株価や為替の全面安という現象をもたらした。
しかし命を落とした犠牲者の数が二桁に留まったことや、テロの可能性が否定されたことで、社会に広がる自粛ムードは最小限に抑えられた。
失ったものを取り戻そうという心理が働いたのか、経済活動は反発の動向を示し、その一環として各種イベントも活発に執り行われる傾向にあった。
『日本に元気を』というスローガンや、都庁の崩落事故の犠牲者への黙祷はついて回ったが。
そして、今日も…。
― やれやれだぜ
ティーンズ向けファッションショー『青春コレクションin神戸』の楽屋で、久住小春は一人ため息を吐いた。
一連の戦いに参加した代償として、モデルとしてのスキルが明確に退行しているのだ。
リゾナンターの一員として戦うことに何のためらいもない。
もしも今、この瞬間、喫茶リゾナントに集う仲間の身に危険が及んだら、仕事に穴を空けても駆けつけるだろう。
だが…
「さっきからため息ばっかりついてますよ、久住さん」
小春に声をかけてきたのは、イベントに参加しているモデルの一人。
名前は聞いたはずだが…覚えてはいない。
他人に弱気なところを見せたくはない小春だが、今目の前にいるほとんど初対面に近い相手。
一連のイベントが終了すれば顔を合わすこともない彼女になら、少しぐらい話しても差し支えないだろう。
モデルとして大成したいという望みと仲間を守りたいという思い。
リゾナンターのことは伏せた上で今の自分の心の内を明かす。
184 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 17:09:42.60 0
「任務は遂行する。 仲間も守る。 両方やらなくっちゃあならないってのが、幹部のつらいところだな」 話口調や立ち居振る舞いが急変した様子に目を丸くしていると…。 「私の好きなマンガの登場人物のセリフなんです〜」 ― まっ、こんな年下の子に話してみてもしょうがないよね、実際 結局は自分のことだ。 モデルとしてのスキルが退行したなら、進歩すべくレッスンに励むしかない。 二つのことを同時に極めることは大変なことだろうがやってやる。 それにはまず、今、やるべきことをやりきるだけだ。 覚悟ができたら、背筋が伸びてきた。 次回、暁の戦隊 第43話「女が目立って なぜイケナイ」 そうと決めたなら目の前のこの子にも、あの子にも差をつけよう。 ショーという戦場に赴く前に携帯の新しくした待受画面を眺める。 そこにいるのは自分を除いた12人のリゾナンター。 小春にとってかけがえのない青春コレクション。 ― 離れていたって一人じゃない。 私には仲間がいる。
185 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 17:59:34.58 0
>>183-184 その日のランチタイム、喫茶リゾナントは貸切だった。
“ディフェンダー・オブ・ア・フラッグ” ―― 街の守護者を詐称する無法者たちからリゾナントを守ったヒーローへ、マスターの愛から感謝の気持ちが込められたランチが振舞われたのだ。
ヒーローの一人、タクシーの運転手が早々に業務に戻ったため、店内は間賀時夫と愛の二人きり。
間賀の心臓は期待で高鳴るが…。
「今回は本当に助かりました。 リゾナントがこうして無事なのも、間賀さんたちのおかげです」
「いやあ、マスターの笑顔を守るためなら、この間賀時夫33歳、地球の果てでも駆けつけるつもりです」
愛の口からは新たに加わった仲間が一人前に育つまで、今まで以上に自分は頑張らなければならないという決意が語られた。
今回の事件でも自分は助けられてばかりで、他の仲間に負担をかけた分も含めて頑張るという愛の言葉を耳にした間賀の顔が曇る。
「またそうやって他の人のために頑張るわけですか。 自分のことは放っておいて」
「他の人だなんて。 わたしにとってはみんなかけがえのない家族のような存在なんです」
「確かに家族は他人ではありませんが、それでも別々の人格ですよ」
一人一人に別々の人格があるように、それぞれが自分の夢を追い求めるべきだと間賀は語るのだが…。
「あーしの夢は、みんなの夢を守ることで…」
「それは違うと思いますよ」
間賀たち常連客は知っていた。
愛は舞台に立ち、歌い、踊り、演じるという夢があるということを。
「それはあれだけ宝塚とかミュージカルの話を楽しそうにされてるんですから、わかりますよね」
「だって、わたしもう二十代の半ばなんですよ。 こんなオバサンが舞台に立つ夢なんてちゃんちゃらおかしくて」
「おかしくなんてない!!」
186 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 18:00:25.92 0
つい言葉を荒げてしまったことを詫びた間賀は愛に語りかける。 「心に夢を抱く限り、人には羽ばたく翼があるんだ」 「でもわたし、ほんとにそんな夢を語る資格なんてないんです」 「私はあなたにどんな過去があるなんて知らない。 でも未来を見つめるあなたの横顔がキラキラ輝いていることを私は知っている」 「でも私がいなくなったら、新しい子たちに負担がかかりすぎて。 あの子達ホントにまだひよっ子だから」 「あなただってそんなひよっ子だったでしょう。 信じてあげましょうよ、ひよっ子たちを」 立ち上がった間賀は店の一角にあるマガジンラックから1冊の雑誌を手にとった。 それは演劇の専門誌で、ある舞台のオーディションの告知を空き時間に愛が熱心に見ていたことを間賀は知っている。 「自分の夢を諦めたあなたに守られて、あなたの仲間は喜ぶでしょうか。 でも自分の夢に向かって飛び立つあなたを仲間のみんなが祝福すると思いますよ」 「間賀さん…」 「今回の事件だってそうです。 離れていたって、久住さんや中国のお仲間は駆けつけたじゃないですか。 あなただってそうすればいい。 羽ばたきなさい、高橋愛さん」 次回、暁の戦隊 第44話「ピョコピョコ ウルトラ」 諦めかけていた夢に向かって、勇気を振り絞って愛がジャンプする。 そんな愛を見て笑う者は、誰もいない。
187 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 19:55:13.71 0
はるなん(多分)キター! まがりんキター! 間賀さん歳が色々変わってる気がするw
188 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 21:17:50.14 0
>>185-186 高橋愛が喫茶リゾナントを出ていくことになった。
そのことを愛の口から聞いたれいなは冷静に受け止めて、愛に自分の夢を掴んで欲しいと笑顔で告げた。
れいなの猛反対を予想していた愛は少し拍子抜けした様子だったが、リゾナンターは新垣里沙が率いて、リゾナントはれいなが引き継ぐことになった。
身寄りのない鞘師里保と鈴木香音は当面、リゾナントに住みながら学校に通うことになる。
色んな準備が進められていくある日、れいなは里沙にリゾナントの地下のトレーニングルームに呼び出された。
「まだ誰にも話してないけど、愛ちゃんのいない体制が固まったら、私も第一線から退こうと思う」
亀井絵里が次期リーダーになるべきだが、病気を抱えていることを考えると道重さゆみとれいなの二人でリゾナンターを率いて欲しいという里沙の言葉はれいなの怒号で遮られた。
「そんなん、勝手やろ。 愛ちゃんが出ていって、またすぐガキさんまで辞めるなんて言い出すなんて」
愛がリゾナントを出ていくことを笑顔で受け止めたれいなが、自分の脱退を聞いて怒りを露わにしている。
そのことに里沙は驚きながらも、第一線を引くといってもリゾナンターを見捨てたわけではなく、リゾナンターを守る為なのだと言葉を尽くした。
「今回の都庁の一件の処理のされ方から考えても、ダークネスの勢力が公権力に影響力を持ってるってことは田中っちもわかるよね」
「やけど、後藤さんの件であいつらとは協定を結んだんじゃなか?」
「それで油断しちゃいけないよ。 あいつらは私たちを統合することを諦めたわけじゃない」
強いチカラを求めることで心を焼き尽くし闇に堕ちたダークネスにとって、リゾナンターを闇に引き入れることが、自分たちの正当さを証明する唯一の手段なのだ。
「あの人たちはこれからもリゾナンターを襲ってくる。 そのことによってリゾナンターが強いチカラを手にしたら、普通の人たちがリゾナンターを恐れ、拒絶すると考えてる」
189 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 21:19:16.09 0
単なる力攻めではない狡猾な手段を用いてくるだろうダークネスに対抗する手段として、里沙は戦いの表舞台から去って、側面から援護に徹する。 「どうやらそういう戦い方の方が私には合ってるみたいだからね」 「もしかして後藤さんを倒した時に、香音ちゃんに言われたことを気にしとう? でもそれならもう」 「香音ちゃんが許してくれても、私が私のことを許せない」 里沙の強い口調にその決心が揺るがないことをれいなは悟った。 「悩んでないで話してくれてうれしかったっちゃ。ガキさんのいなくなった分もれいながカバーするけん」 次回、暁の戦隊 第45話「涙一筋」 れいなの頬を一筋の涙が走っていることに気づいた里沙だったが、そのことには触れない。 「れいながだらしなければ退くのも止めるかもしんないけど」 「いや。 ガキさんなんか今すぐやめてもいいっちゃ」
190 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 21:46:06.07 0
ジュンジュンとリンリンが日本を離れる前日、光井愛佳は二人を伴い大阪にやってきていた。 「ほら、見てみ。 あれが通天閣や」 「何ダ低いナ。 東京タワーの足元にすら及ばナイ」 「あれが大阪城や。 太閤秀吉はんが建てたお城やで」 「今の大阪城の天守閣は鉄筋コンクリートで建てらてマスガ」 「ほらこれが道頓堀や。 タイガースが優勝した時、大阪の人間はみんなこの川に飛び込むんや」 「汚いナ。 大阪の人間は命知らずですナ」 「ちょお前ら、せっかく案内してやってるのに何ケチつけてばっか」 息巻く愛佳だが、今日は離日する二人をもてなすことに徹すると決めている。 たこ焼きに始まり、イカ焼き、キャベツ焼きを歩きながら食すると、古ぼけた看板のお好み焼き屋に入る。 「意外とこういう店の方が美味いねん」 「何ダ、このメニュー。 大阪の人間はお好み焼きをおかずにご飯を食うのカ」 「当たり前やがな。 あと大阪ではどこの家でもたこ焼き器を持ってるんやで」 粉物文化の奥深さについて語り始めた愛佳にリンリンが指摘する。 「デモ、光井さんは滋賀出身ですよネ。 そんなに大阪を自分のホームグラウンドのように語らなくても…」 「ええねん。 大阪で作る粉もんは本を正せば琵琶湖の水で練っとるからええねん。 止めよか、何やったら琵琶湖の水止めよか」 次回、暁の戦隊 第46話「大阪 美味しいねん」 「そうダナ。 すべての水は海に注グ。 そして海は繋がってル」 「私たちも同じように繋がってマス」
191 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 22:44:41.40 0
>>186 ほんと間賀さんはいろんなことを知ってるなw
ガキれなの和解あり仲の悪い8期あり盛りだくさんな後日譚乙
192 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 22:55:52.25 0
琵琶湖の水ネタwww 共鳴修学旅行を思い出すなあ
193 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 23:55:01.35 0
「ふ〜ぅ。この丘に来るのも久しぶりだね」 亀井絵里は田中れいなと連れ立って、隣町の見える小高い丘にやってきていた。 愛や里沙がリゾナンターを離脱することが決まってから、気落ちしているように見えるれいなを励ますためだ。 道重さゆみも呼んだのだが、急な思いつきだったので予定が合わず断られてしまった。 絵里にしてみれば、れいなの今の気持ちは手に取るように判る。 共鳴という絆で結ばれた九人が形の上ではバラバラになってしまうのだ。 不安にもなるだろう。 「あの頃は時間が空いたら、ここにやって来たよねえ。 世界の人に幸せを届けられたらいいねって言いながら」 「あの頃は若かったっちゃ。 ていうか子供だった。 自分たちならできるって信じてた」 その丘は絵里やさゆみ、れいなにとって思い出のある場所だった。 さゆみの癒しの力を絵里が吹かせる風に乗せて世界中に届けられるように、れいなが増幅する。 戦いとは違うやり方で世界を救えないかという絵里の思いつきをカタチにする為の場所だった。 「でも何も変わらんかったっちゃ。 世界から争いはなくならんかった。 不幸な人は今でも世界中におる」 「れいな!!」 抑えきれない感情を、それでも抑えているれいなに絵里は何も言えなかった。 その時…。 「さゆ、さゆじゃない?」 予定が合わないからといって、絵里からの誘いを断ったさゆみの姿がそこにあった。 リゾナンターの中でも特別な三人だけの絆を確認できたと思った絵里は嬉しかったが、さゆの様子がすこしおかしくて…。 「りほりほと香音ちゃんを追っかけてきたら、こんなところに来たの。 絵里、さゆのりほりほを見なかった?」 バカ負けしてれいなと顔を見合わせた次の瞬間、絵里の瞳がそこにありえない物を捉えた。 「ちょっと、あれ虹だよね」
194 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 23:56:56.92 0
晴れ渡った空に、少し歪な形の虹が架かっている。 晴れ続きの天候下ではプリズムとなる水滴が空中に漂っているとも思えないのだが…。 何気に周囲を見回した三人は小さな池の辺に三人の少女が佇んでいるのを見つけた。 それが譜久村聖、生田衣梨奈、鈴木香音の三人だと判り、駆け寄ろうとするさゆみの腕を絵里は掴む。 目を閉じていつになく真剣に考え込んでいる。 「鞘師もおるよ。 池に入って何かしとる」 「水遊びなんかしたらわたしのりほりほが風邪をひいちゃうの。 でもつきっきりで看病したあげられるからそれはそれでいいか」 絵里の瞳が大きく見開かれた。 「あの虹は鞘師が架けたんじゃないの」 池の水を【アクアキネシス】で空気中に漂わせて、虹を作ったのかもしれないという絵里の言葉を聞いたれいなの表情が少し険しくなる。 「チカラはそんな風にひけらかすもんやないとガキさんも言うた筈やのに」 「違うよ、れいな。 私たちと一緒なんだ。 あの時の私たちと同じことをしようとしてるんだよ、あの子達」 池に腰まで浸かり、チカラを発動している鞘師に自分たちのチカラを注ぎ込もうとしている譜久村たちの姿はまるで祈っているようにも映る。 その虹を見た人の心が少しでも幸せになるようにと願っているように…。 次回、暁の戦隊 第47話「大きい瞳」 「変わったよ。 世界はほんのちょっとだけ変わったよ。 私たちの思いをあの子達が受け継いでくれるんだ。 終わらないよ。 私たちは続いていくんだ」 熱にうなされたような絵里を気遣いながら、さゆみとれいなは肩を組む。 そして三人でチカラを発動させた。 世界中の人に笑顔が届くように。
195 :
名無し募集中。。。 :2012/10/06(土) 23:57:34.41 0
196 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 00:04:04.80 0
197 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 00:47:03.99 0
怒濤の更新ラッシュぅううううううう!
198 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 01:37:02.71 0
乙です! ここで大きい瞳とか。・゚・(ノД`)・゚・。 読み返してみます
199 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 05:20:45.46 0
お早う諸君
200 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 05:24:57.19 0
おいおまいら 鞘師ちゃんが歌ってすっかりお子ちゃまソングになったリゾとか今更だろ
201 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 07:06:39.75 0
>>195 両作へのリゾナントだというのはすぐ分かりました
あの2作あればこそでもありスレがこれだけ長く続いているからこそでもありますね
途切れない共鳴とか明日に繋ぐ…なんてことよく言っていましたがそれが実際に形になった気が強くしました
202 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 08:05:02.24 0
>>196 「じゃあ行ってくるよれいな」
「店があるから見送らんけん」
舞台のオーディションの書類審査を突破した愛は香港へ旅立つことになった。
彼の地に滞在してレッスンを受けながら、数次に渡る審査に勝ち残る可能性は極めて少ないが、決してゼロではない。
永久の別れではないのだからと、れいなもあっさりしたものだ。
何があっても愛が最後に帰ってくる場所はリゾナントなのだという思いがそこにある。
「戦闘員の皆さん、ご苦労様。 今日はリゾナンターの新メンバーの戦力を探るための威力偵察を行います」
「キィィィィ(マルシェは天使)」
ダークネスの本拠で戦闘員を前に出撃前のブリーフィングを行っているのは、ドクターマルシェこと紺野あさ美だ。
後藤真希との戦いで深手の傷を負った二つ名持ちの幹部連に代わって、指揮を取ることになった。
暴力的だった魔女とは異なる理知的な話しぶりに、戦闘員たちの心も弾む。
「あっ、すいません」
「ごめんださい、ごちらこそ」
空港に向かうために駅に着いた愛は一人の少女とぶつかった。
何か響き合うものを感じた愛は確かめようとするが、待ち合わせ相手が来たらしい少女は笑顔を残し去って行った。
「ミキティーーーーー」 「俺ーーーーーーー」
街の外れのいつもの廃工場でリゾナンターとダークネスが対峙している。
前衛にして先鋒を務めるれいなに、科学者に戦闘の指揮が出来るのか揶揄されたマルシェは、意味ありげに笑うとタブレット型の情報端末を操作した。
すると二人の戦闘員が合体した(華奢な体つきの戦闘員がもう一人の戦闘員に正面から抱きつき、腰の辺りで密着した)
203 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 08:06:02.01 0
「説明しよう。 これぞ合体魔人エキベーン。 死線を越えた者同士に芽生えたラブラブパワーで固く結びついた二人で一人の合体魔人」 「アホか、テメー。 治療と称して人の体に何してくれてんだ」 藤本美貴は治療の為にマルシェが投与したナノマシンに体の自由を奪われているのだ。 一方、リゾナンター側では駅弁って何?という香音の疑問に律儀に里沙が答えていた。その頃、街の外れの小高い丘に… 「いない…ね。 だ〜いし」 愛とぶつかった少女とその待ち合わせ相手の年下の少女が顔を見合わせている。 心細げな年下の友人を励ましていると、そこにもうひとり…。 「お前らもそうなのか」 少し乱暴な男の子っぽい口調で話すその少女は、風に乗って飛んできた何かを掴んだらこの場所で笑っている三人の女の姿が見えたという。 自分たちは気配を辿ってきたと答えただ〜いしと呼ばれた少女に、少年っぽい少女はある方向を指差した。 「この指の先を真っ直ぐにこの街の反対側の外れの廃工場で戦っている」 「ま〜ちゃん、こわい」 「大丈夫、自信持って、勇気出して。 ま〜ちゃんならできる」 あなたも来る?と少年っぽい少女を誘うが…。 「どうやら、もう一人ばかりおっちょこちょいなやつがここにやって来るっぽいんで待っててやるぜ」
204 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 08:06:43.93 0
廃工場ではエキベーンの毒気に当てられたのか、ダークネス軍が優勢に戦いを進めていた。 「来週から新番組、「科学少女マルシェ」が始まりそうだね」 「けっ、少女って歳かよ。 そもそもそういうのは死亡フラグといってだなあ」 「エキベーン!! ハードグラインドモード!!!」 「もうやめてっ。 わたしのHPはもうゼロよ」 その時、その場所に居合わせた者全てが感じた。 それは空間が歪む感覚。 「これは、まさか愛ちゃんか」 「いやっ、違うね。 愛ちゃんだったらもっと安定してるはずだ」 空間の歪みから二人の少女が現れた。 華麗に着地しただ〜いしがフラフラ目を回しているま〜ちゃんの体を支える。 「美貴ちゃん、テレポーターだよ」 「ああ。 高橋のヤローにくらべたら、まだ使いこなせてねえがな」 次回、暁の戦隊 最終話「自信持って 夢持って 飛び立つから」 「カムオン!リオン!バトルモード!」 彼女たちの戦いは続く…
205 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 08:14:33.99 0
>>202-204 暁の戦隊はこれにて終了
いいわけとかボツにした話とかたくさんありますがそんなものを書いてる暇はないですw
次回作があるとしたらまったく需要のない( `.∀´)が主役の単発です
題名は「黄金の魂」
その前にもう一つ放ったらかしにしてたのを終わらせておくべきかw
206 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 09:01:34.35 0
>>205 完結お疲れさまーちゃん!
10期もきっちり合流でポクポクしました
また次回作に期待してます!
207 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 10:18:29.27 0
>>205 おつかのん
後日譚もきれいにまとまったね
登場人物の誰もが救われている温かい作品だった
ただ最後の魔人ネタがw
208 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 12:20:20.58 0
>>205 おつカメちゃんでした
現実の積み重ねもこのスレの積み重ねもどちらも感じさせてくれる作品でした
パネェ構成力だなあと改めて感嘆します
最後の悪ふざけがアレですが…それもらしいといえばらしいかw
209 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 12:21:32.85 0
>>205 おつかれいな
最後の最後で最低な話www
210 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 13:51:01.93 0
お出かけ前の保
211 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 16:16:59.97 0
落ちるまで後少し
212 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 16:39:04.13 0
保全ついでに質問 『VariableBlade』は第4話で完了?
213 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 17:23:56.50 0
俺が踏み台になる!誰か答えてやれ
214 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 17:58:03.81 0
>>212 済まぬ・・・
書く暇が・・・
(今中野)
215 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 18:01:59.79 0
>>214 あんた・・・!
アタイずっと待ってるから、あんたが帰ってくるの待ってるからあぁぁぁぁぁぁぁ!!
216 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 18:02:04.29 O
>>214 作者さんおつw自分も中野にいるw
リゾナントブルー、フクちゃん推しじゃないのにガン見してしまった…
香音の「オリャー!」は衝撃w
217 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 19:19:41.12 0
うらやましいのう
218 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 20:11:11.72 0
途中で止まってる話ってどれくらいあるのかね
219 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 20:14:53.41 0
し・・・しらないよ
220 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 21:29:34.79 O
未完の大作多いからなw
221 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 22:40:14.10 0
ハハハ時間がないのさすまんな
222 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 23:33:23.95 0
223 :
名無し募集中。。。 :2012/10/07(日) 23:36:24.00 0
このスレのれいなからは程遠いへなちょこパンチだなw ネコパンチw
224 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 00:46:04.70 0
そりゃ本気出したら瞬殺だからなw
225 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 02:04:23.31 0
ヤラレナント
226 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 02:27:31.61 0
2枚目人差し指出てる? 目潰しするつもりだったんだろうか れいな恐ろしい子
227 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 02:44:59.08 0
228 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 07:06:58.23 0
さゆがかわいい
229 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 10:38:30.53 0
浮上
230 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 12:55:56.00 O
陽射しは暖かいが肌寒いな
231 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 15:00:05.47 0
一番過ごしやすい時期かな
232 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 17:33:53.38 0
過ごしやすしノリ*´ー´リ
233 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 18:45:31.73 0
日が落ちると寒い
234 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 19:18:09.22 0
小春ダッシュいきまーす!
235 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 21:08:24.00 0
夜のうええおええ
236 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 22:11:13.96 0
うええおええ丼の食材が知りたい
237 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 22:13:24.89 0
238 :
名無し募集中。 。 。 :2012/10/08(月) 22:46:25.32 O
うええおええ丼は赤字の原因の一つ。
239 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 22:48:40.47 0
売れないのかやっぱw
240 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 22:55:21.97 0
食玩が好きなあの子にサンプル作ってもらおう
241 :
名無し募集中。。。 :2012/10/08(月) 22:55:55.91 0
高級珍味が考え無しに盛りつけられてそうなイメージ
242 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 00:07:32.52 0
秋ツアーリゾナントを踊るフクちゃんは凄いな 自分は新参だからオリジナルを生で見たことはないけどフクちゃんの尊敬するカメが入り込んでるんじゃないかって勢い まあ賛否両論あるかと思うが…w そんなカメに憧れてたフクちゃんだけど11期の小田さくらちゃんはしゅごキャラが好きでハローを好きになったとか フクちゃんと握手してたけど娘。もリゾナントもこうやって魂が継承されていくんだなとしみじみ…… 保全代わりに語ってスマソ
243 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 00:09:44.91 0
現メンのカラッとしたリゾナントもいい感じだと思うよ うぇえおぇえ成分少なめでw
244 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 00:37:41.38 0
壁|…。 誰も待ってないシリーズを近々投下するかも、かも。 リゾナントブルーが今回披露されてるなんてちょっと見てみたい。
245 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 00:51:36.58 0
期待してるからがんばってw
246 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 02:38:31.11 0
寝るだよ
247 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 07:46:58.04 0
フクちゃんのリゾナントはさぞかし……いやなんでもない
248 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 09:51:06.16 0
バインバインどんくらい 的なね
249 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 12:14:18.79 O
バインバインより地団駄見なさいw
250 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 12:28:34.58 0
聖戦士団バイン
251 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 15:04:05.15 0
w
252 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 15:14:19.53 0
雷跳ねて ボインが揺れる〜♪ オ 川c ’∀’) オ ハo´ 。`ル オー 从*▼ ヮ▼) ゴメン、ここ貧乳スレじゃなかったね
253 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 17:32:25.84 0
オリジナルメンバーって貧乳率高い気がするw
254 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 17:55:21.28 0
今さら何をという感じだw
255 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 19:43:36.58 0
命知らずな奴
256 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 21:07:15.93 0
あげておきますねん
257 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 22:02:07.02 0
寄せてあげておきますわ
258 :
名無し募集中。。。 :2012/10/09(火) 23:06:27.26 0
天使のブラナント
259 :
名無し募集中。。。 :2012/10/10(水) 00:11:51.00 0
寄せきれずあげきれず
260 :
名無し募集中。。。 :2012/10/10(水) 00:17:11.42 0
寄せて上げるものがなし
261 :
名無し募集中。。。 :2012/10/10(水) 00:50:27.49 0
>>253 そもそも娘。に貧乳率が高くなかった時があったろうか
262 :
名無し募集中。。。 :2012/10/10(水) 01:09:41.96 0
……ないなw 今だってフクちゃんと香音しかいないもんなw
263 :
名無し募集中。。。 :2012/10/10(水) 04:35:43.92 0
寝るのだよ
264 :
名無し募集中。。。 :2012/10/10(水) 05:21:57.12 O
安倍石川後藤保田がいた時代はそれなりに…
265 :
名無し募集中。。。 :2012/10/10(水) 08:21:18.46 0
ジャンケンぬぅん!
266 :
名無し募集中。。。 :2012/10/10(水) 10:19:41.08 0
凡奇湯
267 :
名無し募集中。。。 :2012/10/10(水) 12:13:20.55 0
ぽん
268 :
名無し募集中。。。 :2012/10/10(水) 15:35:31.25 O
シャキーン
269 :
名無し募集中。。。 :2012/10/10(水) 17:47:18.96 0
にゃっ
270 :
名無し募集中。。。 :2012/10/10(水) 19:31:21.85 0
イヒヒ
271 :
名無し募集中。。。 :2012/10/10(水) 21:12:36.17 O
从*` ヮ´) <やんいおぅとや〜
272 :
名無し募集中。。。 :2012/10/10(水) 22:08:41.22 O
れーな酔ってる?w
273 :
名無し募集中。。。 :2012/10/10(水) 23:57:50.29 0
ふぅ
274 :
名無し募集中。。。 :2012/10/11(木) 01:54:08.91 O
从*- 。.-)
275 :
名無し募集中。。。 :2012/10/11(木) 05:26:19.95 0
起きるのだよ
276 :
名無し募集中。。。 :2012/10/11(木) 07:00:17.72 0
寝る子は育ちますよ?
277 :
名無し募集中。。。 :2012/10/11(木) 08:03:50.89 0
寝ても覚めても胸は膨らまず
278 :
名無し募集中。。。 :2012/10/11(木) 10:15:58.39 0
279 :
名無し募集中。。。 :2012/10/11(木) 11:57:52.04 0
お昼はリゾナントでスパゲッティを食べたいのですがかまいませんね!
280 :
名無し募集中。。。 :2012/10/11(木) 13:45:05.48 0
・ ・ ・ ・ 「つうかバカ正直にリンク先に飛んだ連中はコーヒー吹いてるよな。 なんでよりによっていまさらこんな話の続きが来るんだってよぉ」 「そんなこと言うもんじゃないって」 「二月以上も音沙汰なしでどの面下げて戻ってきたって思ってるね。 同じ久しぶりなら『VariableBlade』 の続きコイって思ってるって」 「面白いね、『VariableBlade』。10期に比べて生田さんや香音ちゃんの能力が地味目な感は否めないけど、香音ちゃんの素晴らしさがそれを補って余りあるよね」 作品の枠を超えて雑談を始めた美貴に相づちを打ちながら、それでも紺野あさ美は正常な方向へ戻そうと努めている。 「でっ、あの話の中の”MAR-CHE”っつーのは何なんだ。 あの話の中ではお前死んでるの? 天才科学者が死の間際に自分の思考パターンをコンピューターに記憶させたってありがちなパターン?」 「そ、それは作者さんに訊かなけりゃわかんないし。 それよりもこの話の続きなんだけどさあ」 「あ〜あ、『VariableBlade』に出てくる魔女ってなんかヨクね? 永遠に生きることに飽きたアンニュイな感じがたまんねえよな。 それに比べて今ここにいるアタシの体たらくときたら」 いかにもうんざりだと肩をすくめる美貴の自堕落な態度をたしなめたのは闇の王その人だった。 「ボヤいたところで何も始まらないぞ、わが妹よ」 「はぁ?誰がテメーの妹だ、わけわかんねえこと言ってるとシバき倒すぞ」 王は凄んでみせる美貴の肩を分かってると言わんばかりに叩いてみせた。 「ワシに対するお前のこれまでの無礼な言動。 偉大なる兄に対する反発と思えばすべて納得いグッ」 それまで鷹揚に話していた闇の王がいきなり口ごもった。 美貴の拳の強烈列な一撃が闇の王の左胸に炸裂した上に、中指の第二関節をグリグリと心の臓の辺りに捻じ込んでいる。 最初はどうにか耐えていた闇の王だったが、無表情で心臓に圧迫を加える美貴の顔を見て悟った。 ―― こ、こいつマジで殺る気か
命の危険を感じた王は屈服の意志を伝えるために美貴の腕を軽く叩いた。 わずかに力は緩められたものの、相変わらず王の心の臓に中指第二関節が錐のように捩じこまれてくる。 「誰がお前の妹だ。 ふざけたことぬかしてんじゃねーぞ」 不機嫌がそうさせたのか、眼球の白い部分が広がって三白眼のようになっている。 目だけで今の美貴を判断するなら、人間の一人や二人は余裕で殺めている、そういう狂犬の目だ。 「だ、だってだな」 胸への圧力が少し弱まったことで口をきけるようになった闇の王は、例のスレで先日完結した予告編シリーズの設定を伝えた。 「何、他人様の設定にただ乗りしようとしてるんだ、テメー」 いや、もともと作品の間の壁を越えて雑談を始めたのはお前じゃないかという正論が通じるような相手ではない。 「悪かった」 「それだけか」 「少し調子に乗ってたよ。 悪かった」 「はぁ? それが人に謝る態度」 「この度は私めの配慮に欠けた発言であなた様及び、例のスレの皆様方を不快にさせて申し訳ありませんでした!」 勢い任せの謝罪が美貴の心に届いたのか、よしと呟くと闇の王の胸への圧迫は消えた。 但し、今度つまらねえことを言えばぶっ殺すぞという言葉が付け加えられてだが。 「はいはい、話を続けますよ」 ドクターマルシェはあくまでも事態の収拾に努めるようだ。
「ダークネス様はご自分が創り出すダークマターには能力者殺しの効果があると仰られている。 しかし美貴ちゃんはさんざんダークマターと接触した私たちに何の異変も生じないことからダークマターはただの白くてドロドロした物体に過ぎないと思ってる」 「だけどお前がアタシの言ってることを否定したんだよな。 かつての自分は道重さゆみ同様の治癒能力者だったけど、ダークネス入りしたことで癒しの光は失ったと」 「その通り。 今の私には異能の発現は見られない。 それはまあ他の作者さんの作品ではそうじゃないかもしれないけど、今この話のなかにおける紺野あさ美は異能力者ではないんだ」 だがよっ。 美貴は吠えた。 そんなことを認めれば、ようやく終わりの見えた話がまた続いてしまう。 いや、これが「RとR」のような手に汗握る作品だったらいくら長くなっても構わないさ。 というかその作品世界の中に存在できることを誇りにさえ思おう。 しかし、自分が今登場している話は論外だ。 それも白くてドロドロした液体を妙齢の女の顔にぶっかけて喜んでるサイテーの話だ。 コメディを志向しているくせに中途半端に設定にこだわったせいで笑いも不発に終わってる。 その不発ぶりたるやボストンレッドソックスとの来季の契約が絶望的な松坂大輔をすらはるかに上回る。 というかこの場合、下回るというべきなのか。 更に付け加えるなら仮面ライダーイクタSSスレに浮気してたりで、話の投下間隔がとんでもなく開いてしまった。 どんな内容だったか覚えている人間がいるかさえおぼつかないこんな話はとっとと強制終了させてしまうのがスレのためだろう。 っていうか、アタシって「RとR」シリーズに出てたっけ。 名前ぐらいは登場してたかしれないけどそれすら覚えてないぐらい印象が薄い。 「ねえねえ「RとR」の人〜」 どこへともなく美貴は媚を売る。 自分に利益の無い者は平気で無視するが、利をもたらす可能性のある者には平気で鼻を鳴らし、腰を振り、媚を売る。 それも大安売り大バーゲン特価セールだ。 要らないと言われても無理やりポケットにねじ込む。 藤本美貴とはそういう女だ。
ねえねえ「RとRの人」〜。 アンタのことだから今もどっかで最終章を書いているよね。 大風呂敷を広げたまま、諦めるなんてことアンタに限ってないよね。 だったらリゾナンターとダークネスの最終決戦にアタシも参戦してるよね。 べ、べ、べ、別に勝とうとなんか思ってないんだから。 カ、カッコ良く描いてくれとも思ってもないからね。 たとえ無様にやられたっていいからさ、アンタの筆で描かれてみたいの。 アンタの筆って言ったって変な意味じゃないからね。 アンタがアタシのことをどう表現するか見てみたいだけなんだから。 屍を野に晒すことになったって、読者の心に残る最期を迎えられたらそれで本望なの。 だから、お願い。ねっ、ねっ、ねっ。 「おい、大丈夫なのか。 いきなり独り言を言い出していったい」 闇の王は、いきなり虚空に向かって呟きだした美貴のことを気遣わしそうに見つめている。 「だがよっ!!」 「えぇっ、ガン無視なの。ワシの優しい心遣い完全スルーなの?」 「今も現役の魔女であるアタシがなんともないっていうのはどう説明するんだい。 天才科学者さんよぉ」 なんともないっていうのは事実とは異なる。 白くドロドロしたアレをぶっかけられた時は、正直心が折れかかったりもした。おちこんだりもしたけど、アタシはげんきです。 だが命に別状があるってわけじゃなかった。 闇の王が顕現させたダークマターとやらが最強最悪の能力者殺しだという仮説は破綻しているのだ。 確信を持って言い放つ美貴の目をまっすぐに見つめながら、マルシェは答えた。 「その点についてもある程度の説明はつくよ。 100%ってわけじゃないけどね」 「何だとゴルァ」
能力者とそうであらざる者の線引き。 そして能力者のレベルの高低の判定はデジタルとアナログの混合作業だ。 能力を発動した際の脳波の計測数値と、能力によってもたらせれた結果もしくは被害。 数値と事象の有無によってしかるべき人間が判定する。 ダークマターの実験台となって倒れた「俺」はレベル1未満。 より深刻な状態に陥った「髭」はレベル3という数字はそうした作業によって弾き出されたものだ。 「ダークネスで二つ名を名乗る幹部級のレベルは本来なら7ってところなんだけど、美貴ちゃんの場合は少し特殊なんだよね」 「何が特殊なんだよ」 問い詰める美貴を笑っていなしながら、マルシェは説明を続ける。 「藤本美貴という素体のレベルは「俺」さん以下。 極めてゼロに近いいわば無能力者だってこと」 m9(ネπス)<「プギャー 無能、無能」 「誰が無能じゃ、ゴルァァァ」 闇の王は美貴の剣幕に怯えることなく、揶揄するように指をさしてくる。 「あの今私が話しているのはあくまで「異能」という領域に関してですので」 天才科学者は話を続ける。 「藤本美貴は無能力者でありながら、異能を顕現する魔女でもある。 相反する二つの事象を結びつけるのが魔術というブラックボックスなんだよね」 マルシェによれば、異能とは先天的に人間に備わった特別な資質であるという。 つまり能力者は神によって与えられた異能を持つ者というわけだ。 能力者の対極に存在するのが無能力者だ。 彼らは異能を持たざる者である。 持たざる者が持つ者から奪う手段が魔術という術式であると説明しながらマルシェは付け加えた。
「神という言葉に抵抗を覚えるなら、自然の摂理や万物の法則と言い換えてもいい」 「いまいちわかんねえんだけども」 ああそうかと思案しながら言葉を選んでいるマルシェを見ながら美貴は思う。 …アタシが無能だって。ふざけんなよ。 「無能力者である美貴ちゃんはチカラを求めて魔術に手を染めた。 そんな人間は有史以来数え切れないぐらいいただろうけど実際に魔女として覚醒した人間はほんのひと握りに過ぎない」 墓場の土を掘り返す。 蜥蜴や毒蜘蛛を集める。 獣の生き血を煮詰める。 陰陰滅滅とするような儀式の数々。 まともな人間だったら二度としない、というよりも一度完遂することすら困難な魔術の儀式を何百回、あるいは千に届く回数行うだけの暗い情熱こそが魔女の資質。 「わかりやすく言えば持たざる者が持てる者に抱く嫉妬や憎悪といった本来はネガティブとされる感情が魔女には必要であり、美貴ちゃんにはそれがあった」 「えっと、アタシ今とてつもなく貶されたような気がするんですけど」 まあまあと宥めながら結論へと急ぐ。 「美貴ちゃんにとって魔術の儀式とは魔女という能力者になるためのブースター。 そして喪服のような漆黒のドレスはブースターキットであり、錬成した魔力をチャージしておくバッテリーのようなものなんだ、つまり…」 「つまり?」 「あの黒いドレスは決して勘違いした痛い女のコスプレなんかじゃないってこと」 痛い女言うな、コスプレとか言うな。 科学者の言説には感心させられる部分もあるが、納得できない部分も残っている。 「だけどアタシ別に…」 「そういったメカニズムを美貴ちゃんは完全に自覚してないんだろうね。 むしろその方がいいんだ」
ある種の思い込み、自己暗示、自分への確信ってやつが超常現象をカタチにする魔女には必要らしい。 マルシェの言っていることが正しいなら、こういう流れになる。 今日の藤本美貴は自分を魔女たらしめるために必要な漆黒のドレスを今日は着ていない、当たり前だ。 あんな仰々しい装束を平日の昼日中から身につけていたらかわいそうな人を見る目で街の人間に見られるだけだ。 しかし着用していなかったおかげでダークマターの能力者殺しの効果が発動しなかった…ということなのか? 「でも…」 悔しそうに科学者は言った。 「美貴ちゃんが二つ名持ちの中で特異な存在であるということは間違いないし、その特異な部分がダークマターの反応を妨げたかもしれないんだけども…」 「ここにきてえらく歯切れが悪くなったじゃんか」 「うん。 魔力を練りこんだドレスを身につけていない美貴ちゃんは魔女ではない無能力者であることは間違いないんだけど美貴ちゃんってさあ…」 「アタシがなんだって」 「方々で嫌われてるじゃん。っていうか顰蹙を買っているっていうか、たくさんの人に憎まれているっていうか、恨まれてるっていうか」 とんでもないことを言い出した科学者に食ってかかろうとする美貴だったが、相手に悪意はなさそうだ。 「だからどこで闇討ちや騙し討ちに遭うかもしれない美貴ちゃんが手ぶらで行動するってことは無いと思うんだ」 儀式によって錬成した魔術を最大限で発動するには漆黒のドレスが必要だ。 しかし魔力を練りこんだ魔装を身につけることである程度の魔術は使用可能でもあるとマルシェは言った。 「現に普段着の美貴ちゃんが魔術を使って誰かをいたぶっているのを私は何度も見てるし」 いたぶるとかまるで自分に嗜虐的な嗜好があるみたいじゃんという美貴の抗議はあっさりスルーされた。 「だから今日も魔装の一つや二つ携帯してるだろうし、だったらダークマターの能力者殺しの効果が発動するはずなんだけどねえ…」 マルシェの前に美貴はあるものを掲げた。 本格的な魔術の術式を展開する際に、霊脈や地脈を探査するのに用いるダウジング・ベンデュラム。 吸い込まれるようなアクアマリンの振り子を揺らしながらバツが悪そうな口ぶりで科学者に告げる。
「お前の言ってた魔装ってのはこれのことだと思うんだけども…」 「ああ、これこれ。儀式の際に使ってるやつでしょう。 だったら自然と魔力がチャージされてるはずだけど?」 「使っちまった」 「えっ」 「今日、ここに来る前に使っちまった」 「ええっ。 それってまさか襲撃を受けたってこと?」 「何をーーーっ!」 美貴が敵に襲撃されたのではないかというマルシェの推測を耳にしたダークネスはとってつけたように激昂した。 「ワシの! ワシの! ワシの可愛い部下を襲うとはその罪、万死に値する。断じて許せん。 藤本、誰に襲われたんだ」 どこにいようと見つけ出してダークマターをお見舞いしてやると言いだした。 手に入れたおもちゃで遊ばずにいられない子供のようなものだろう。 「いや。 襲われて身を守るために使ったとかじゃなく…これ…な」 美貴が掲げたコンビニのビニール袋の中には、色鮮やかな氷塊が詰め込まれていた。 よく見ると全国的に人気のアイスキャンディ、○リ○リ君が十数本分固められたものだった。 「いやぁ、ラッキーだったわ。いつも売り切れてんのが今日は補充してるところに出くわしたからさっ」 有無を言わせず大人買いしたところで、会議のあることを思い出した美貴は、出席している間に溶けてしまわないよう、魔術を行使したのだ。 「流石は魔術だよな。結構グダグダ時間を喰った割には、かちんこちんだぜ」 「何つまんないことに異能を使ってるんだよ、この牝豚がぁぁぁ」 いつにない強い口調で美貴を罵倒したドクターマルシェであった。
289 :
名無し募集中。。。 :2012/10/11(木) 13:57:32.33 0
290 :
名無し募集中。。。 :2012/10/11(木) 15:49:38.39 0
こんなに全力で他作品に媚び売ってるの初めて見ました(真顔 タイトル…w
291 :
名無し募集中。。。 :2012/10/11(木) 16:07:53.58 0
>>289 メタメタな話キタ━━━━━(((゚∀゚)))━━━━━!!!!
諦めていたというより忘れていた続きが読めるとはw
>仮面ライダーイクタSSスレに浮気してた
もしかして外伝書いてたの?
292 :
名無し募集中。。。 :2012/10/11(木) 18:31:05.02 0
仮面ライダーイクタSSスレもチェックしてみるホゼナント
293 :
名無し募集中。。。 :2012/10/11(木) 19:51:33.61 0
>>289 すげえw色々すげえw
何よりこれを改めて書こうとするところが一番すげえですw
言ったからには絶対完結させてくださいね
294 :
名無し募集中。。。 :2012/10/11(木) 21:18:12.11 O
>>289 コーヒーでも飲みながら待つとするか
期待してます
295 :
名無し募集中。。。 :2012/10/11(木) 23:12:55.53 0
296 :
名無し募集中。。。 :2012/10/11(木) 23:59:45.05 0
俺もだがイクタスレ見てたひと何人かいるんじゃない?
297 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 00:17:07.36 0
ここで紹介されて初めて覗いた人がノ ここまで自分を売り込んでスレ立てるとは作者、恐るべし…。
298 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 01:52:47.52 0
ライダースレマジで覗いてみて! もう本編終わっちゃって外伝も終わりそうだけど
299 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 02:04:51.92 0
>>298 そうだったのか、だいぶ出遅れたなあ…。
あっちがライダーならこっちはレンジャーって感じだと思ってる。
300 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 03:22:36.02 0
寝るのだよ
301 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 07:22:02.56 0
恋愛パンダー
302 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 08:24:21.41 0
おぱ
303 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 10:21:26.86 0
>>298 まとめサイト見たんだけどどこから読み始めたらいいのかな?で止まってしまった
スレチで申し訳
304 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 11:40:28.76 0
今日もリゾナントでスパゲッティを食べたいのですがかまいませんね!
305 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 12:35:29.56 0
>>303 そういうのは向こうのスレでw
どんな感じで始まったか知りたければまとめサイトの下の方の過去ログを読んでみる
それで面白そうだと思ったら「仮面ライダーイクタ」本編・目次を辿って読んでくでいいんじゃないかとホゼナント
306 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 14:27:11.40 O
307 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 14:50:11.15 0
>>305 こっちはそんなアドバイスすらできないよねもはやw
まとめサイトさえ複数あるという
308 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 15:24:52.39 0
作者の最後の外伝で光井が喫茶店の店長やってて面白かった(笑)
309 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 18:13:42.73 0
愛佳…
310 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 18:49:05.91 0
311 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 18:52:31.65 0
長期続いてて9、10期出てるシリーズってある? あったらそれ参考にして何か書きたいんだけど
312 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 20:32:24.92 O
313 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 20:36:08.17 0
314 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 21:33:14.42 0
315 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 23:03:31.21 0
新メンもいいがオリメン達の物語が途切れたままになっているのが心残り 作者さんたちまだいるのかー?
316 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 23:04:34.05 0
(〜^◇^)<おいらの物語は終わらないよ、キャハハハハハハ!
317 :
名無し募集中。 。 。 :2012/10/12(金) 23:10:23.04 O
カナリアの人です。 いますよ。ROMってますがw ゲームの中の話は放置してますが閃くのは最近は短編ばかりなのです。すいません。 また落ち着いて何か出来たら投下させてください。(覚えてる人いるのか不安ですが…)
318 :
名無し募集中。。。 :2012/10/12(金) 23:12:34.03 0
オリメンってのはスレタイのオリメンね
319 :
名無し募集中。 。 。 :2012/10/12(金) 23:22:16.44 O
ああ、なるほど。 そういやベリキューの話しはあまりないですね。
320 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 00:03:33.40 0
待ってる方いるか分からないですがあとで投下します
321 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 01:21:48.37 0
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/686.htmlつづきです 「なっ……?」
全身が上空から何らかの力によって押さえつけられていた。
いったいなにが起きているのか把握しようとするが、全く理解ができない。
まるで大きな手が捻り潰そうとしているようだと思ったとき、愛はそれが「重力」だと気付いた。
「明察。さすがはあの手練れのリゾナンターをまとめ上げる統制リーダーだ」
管理官は不敵な笑みを浮かべると指を弾いて音を鳴らした。
「ぱちん」と小気味良い音が鳴ったかと思うと、今度はその「手」によって愛は宙へふわりと持ち上げられた。
上下左右、方向感覚が全く失われ混乱する。無重力空間とは、こういうものなのだろうかと理解した。
「この閉鎖された空間内での重力は私の思うがままです。地球の2倍である木星の重力や、1/6である月の重力も味わえますよ」
「はは。此処なら宇宙遊泳の疑似体験が可能なんだ。そりゃ楽しそうだね」
そうしてからかうように返したが、次に指を鳴らされた瞬間、愛は激しく地面に叩きつけられた。
あまりの重力加速度に内臓を痛めてしまったようだ。腹部が破裂したような感覚に襲われ、思わず血を吐いた。
「現在、木星の2.3を体験中です。ちなみに太陽はどれくらいかご存知ですか?」
もういちど、指が鳴る。
押さえつける手はさらに勢いを増していく。
地面に体がめり込んでいき「ああああ゛あ゛!」と呻き声を上げた。
「太陽は実に23倍です。そんな重力空間では、人は生きていけません」
「なに、を……?」
「受け入れてくれませんか、この人事異動を」
322 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 01:22:55.66 0
受け入れなければこの場で愛を殺すことも辞さないという様子だった。それほどの重圧を、この男からは感じる。 だが、此処まで好き勝手で横柄なことばかりされて、退くわけにはいかない。 所詮は手駒だろうが、替えの利く兵隊だろうが、構わない。蒼い共鳴で結ばれたあの9人だからこそ、此処まで来れた。 「っ……ざけろ」 だから、その9人の誇りを護るためならば、どんな無様になろうと、立ち上がろう。 平伏すことも、斃れることも、負けることですら、恥ではない。そこから一歩踏み出せれば、また始められる。 「納得、いく……までは、退かない」 内臓が破裂しているのだろうか、尋常ではない痛みが走り、体の奥底が悲鳴を上げている。 だが、それでも愛は膝を手で叩き、必死に奮い立たせて立ち上がった。 「まさか……この重力空間で…」 地球上の重力のおよそ3倍はあろうという空間内では呼吸をすることさえ困難だ。 彼女たちがいくら常人離れした体力と能力を有しているとはいえ、この中で立つことは想定外だった。 しかもなにより、彼女のその瞳は、いまもなお光を宿し、退くことを知らない。闇夜を照らす、松明だ。 輝きを失わない愛に、管理官は目を見開いた。 「理由を、答えてもらう……なん、で、こんなっ―――!」 管理官の能力に真っ向から対抗する愛に、統制部が揺れた。まさか彼女がこんなにも力を持っているなど、だれも予想しえなかった。 彼は、震えながらも立つ愛を見据え、括目する。
323 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 01:24:59.31 0
静かな時が流れる。 互いに口を開かずに拮抗した。 どれくらいの時間が経っただろう、管理官は唐突に指を弾いた。 再び押さえつけられると覚悟した愛だったが、瞬間に空間が割れ、一定の重力が負荷された。 “重力閉鎖(グラヴィディ・クローズ)”が解除されたのだと気付いたのはそのときだ。 「あらゆるものが、一個の全体を織り成している―――」 管理官が再び声を発した。 それはまた詩的な言葉であり、愛は黙って受け入れる。 一歩ずつ彼は近づき、愛と正対した。 「そして、ひとつひとつが互いに生きて、働いている。一は他と響き合い、作用しあう」 その言葉を告げたかと思うと、彼は愛の前に跪いた。 突然の行動に、愛はもちろん、統制部全体がざわついた。 彼はそれらを意に介さずに静かに発した。 「命令、ではなく、願いとして、聞いてくれないだろうか」 「………え?」 「どうしても必要な、この異動を」 管理官は深く頭を下げ、重々しく言葉を吐いた。 口元から流れ出た血を拭うことも忘れ、愛は黙って彼を見つめる。 いったいなにが起きているのか、把握することは難しそうだった。
324 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 01:25:37.14 0
------- さゆみは喫茶リゾナントの地下にある鍛錬場で、ひとり、ルームランナーに乗って走っていた。 一定のリズムで走りながら汗を流す。耳にはいつも聴いていた音楽が流れる。 この曲は、絵里も好きだったっけ、と思った途端に、脚が止まってしまう。 「………」 器具から脚を下ろした。 未だにひとりで走り続ける機械を尻目に、さゆみはイヤホンを外した。 もう、涙も枯れ果てたと思っていたのに、ふとした瞬間に瞳は潤う。 まったく、感情というものは、いつの間にかスイッチが入ってしまうものだとさゆみは思う。 いっそのこと、完全に切れてしまえば、楽なのになと苦笑した。 瞬間、脳内に声が聞こえた。 正確に言えば、彼女の“気”、そして“想い”を感じた。 なにを感じ、なにを考えているのか、彼女の抱えているものを感じ取った。 「共鳴―――」 さゆみはそうして、蒼き9人の絆の名前を口にした。 バラバラで、夢も希望もなくただ惰性のままに毎日を生きてきた9人を繋いだそれは“希望”だった。 しかし、いま、その“希望”が重く圧し掛かる。 頭の中で感じ取った想いに、さゆみは天井を仰いだ。 「愛ちゃん……」
325 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 01:26:25.33 0
そのとき、喫茶リゾナントの気配が変わり、彼女が帰ってきたのだなと分かった。 ただし、彼女の纏う共鳴の色が、いつもよりも濃いことが気がかりだった。 ああ、やはりすべてが動き始めたのだなと、さゆみは汗を拭きながら上階へと急ぐ。 瞬間、激しい物音が響いた。 机や椅子の倒れる音、だれかの叫び声が耳にうるさい。 もう、止められないことは覚悟していた。しかし、さゆみはそれでも諦めないように自らを鼓舞してドアを開けた。 「だからいま説明を…」 「説明って、説明ってなによ!」 喫茶リゾナントでは、愛と里沙が、文字通り、取っ組み合いの喧嘩をしていた。 というよりも、里沙が愛に馬乗りになり、その胸倉を掴んで恫喝している。 いつも仲裁役に回り、先日も、一触即発だったれいなを止めた里沙が、これほど激昂しているのをさゆみは初めて見た。 いや、さゆみはおろか、此処にいるリゾナンター全員が、初めて目にした光景だろう。 おかげで瞬時に、ふたりを引き離すという任務を忘れていた。 「落ち着くっちゃガキさん!」 「田中っちは黙ってて!」 そうして里沙はれいなを振り払うと、彼女はまるで子どものように吹き飛んだ。 ここまで反抗されるとは思ってもみなかったのだろう。予想外の力にれいなは目を丸くした。 「愛ちゃんまで、離れるってどういうこと?あの管理官とかいう人となにを話したの?」 「ガキさん落ち着けって…」 「はぐらかさないで言いなさいよ!」
326 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 01:27:14.81 0
こんなにも熱く滾っている里沙をだれも見たことがなかった。 リゾナンターを後ろから支え、常に仲間たちと交流を取り、笑顔を絶やさない彼女の姿に眉を顰める。 だが、それ以上にれいなは「離れる」という言葉に意識を奪われた。 確かに先ほど、れいなたちは、愛の想いを“共鳴”した。しかし、しかしそれでも、信じたくはなかった。 「今日で、リゾナンターを離れる……あとは、ガキさんに任せる」 口をついた言葉は圧倒的な力を持ってれいなの心を射抜いた。 弾かれたように里沙は愛を組み伏せ、その拳を振り上げた。 だれかが「ガキさんッ!」と叫んだが、里沙は躊躇することなくその拳を振り下ろした。 鈍い音のあと、愛の口の端から血が流れた。 「なんで……なんでっ?!」 里沙は彼女の胸ぐらを掴み引き寄せた。詰め寄る姿は、到底普段の彼女からは考えられない。 悪い夢でも見ているようだと愛佳は思った。ああ、いつからこんな風になってしまったのだろうと頭を抱えた。 「あの男の迎撃に備え、特殊本部が設置されることになった」 「あの男…?」 「小春や愛佳、そしてジュンジュン、リンリンを傷つけたあいつの攻撃力は計り知れない。 この3ヶ月、目撃情報は得られてないにしろ、次に迎撃を受けたらその損傷は…」 「だからってなんで今日?もっと事前に連絡があるのが普通じゃないの?それに、こっちに何の相談もないって…」 愛と里沙の間で繰り広げられる会話にれいなはおろか、さゆみも愛佳もついていけなくなった。 いったいなにが起きているのか、だれも理解できていない。一瞬の沈黙のあと、れいなが漸く「……は?」と声を出した。
327 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 01:28:16.35 0
「なに、愛ちゃんはリゾナンター見捨てるわけ?」 「だれもそんなこと言っとらんやろ」 「そういうことだよね?今日って言ったってもう実質5時間くらいしかないけどさ。ねぇ、違うって言いきれないよね」 「落ち着けってガキさん……」 れいなは徐々に苛立ちを覚えていた。 話題に入り込めないことではなく、彼女たちの話題そのものに対してであった。 どう考えても、自分たちに利益のある内容ではないことは分かる。頭の中に浮かぶのは、久住小春から始まった“リゾナンター解体”のことだった。 頭の悪いれいなでも、それくらい分かる。ある意味で、高橋愛の異動も、覚悟していた部分があったのかもしれない。 不思議とれいなは、冷静でいられた。いや、苛立っている自分を客観視し、冷静であろうとしていた。 「時間がないんだって。いますぐ本部設置して、体制を整えんと、次に狙われたらあとがない。 内示が出たのは確かに急やけど、私はこれを受け入れる。だから皆にも、受け入れてほしい。リゾナンターのためにも」 愛の言葉が遠くに聞こえる。 言わんとすことが分からないわけではない。たぶん、理解はできていた。ただ、納得ができないだけだった。 ああ、そうかとれいなは思った。 これが俗に言う、理不尽なのかと―――
328 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 01:29:22.01 0
「……残り4人とか、笑わせるっちゃね」 まるで小馬鹿にしたようにれいなは笑い、リゾナントの空気が変わった。 「残り」というその言葉は、だれも言わずとも、心では思っていたことだった。 このままなにもできず、“上”の命令に従ってただ解体が進んでいく現状が、れいなには信じられなかった。 いくら愛が“上”に忠実だからとはいえ、自らの異動を受け入れるとは思えなかった。 挑発するように滑り出た言葉を受けても、彼女はなにも言わずに黙っていた。 馬乗りになっていた里沙は、彼女の表情を見てなにかを諦めたのか、その胸倉の手を離した。 彼女のシャツには微かに血が滲んでいた。赤ワインでも零したかのようなそれは、里沙の手の平から出血したものだった。 「……やってられん」 れいなはそれだけ言い残すと、外へと飛び出した。 先ほどまで広がっていた青空はいつの間にか黒雲に覆われていた。いまにも泣き出しそうな空に涙を拭い、れいなは歩き出す。 後ろでだれかの呼ぶ声がしたが、振り向こうとはしなかった。
329 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 01:30:49.73 0
>>321-328 とりあえず此処までです
ストックが足らないのでペースが落ちてしまい申し訳ない…がんばります
ではまたノシ
330 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 01:46:35.48 0
更新乙です あの頃感じた不安を彷彿させる内容だなあと 続きが気になります
331 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 01:53:26.60 0
「裏ではこんなことになってたのか・・・」とか思って現実と混同してしまう俺
332 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 03:37:37.08 0
ガキさんの静かな怒りがいい
333 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 08:30:48.21 0
謎めいた部分が引き込みますね
>>330 さんの「あの頃感じた不安を彷彿させる」という表現になるほどと思いました
それで余計に心に響くのかな
334 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 11:13:05.42 0
ホゼナント発動
335 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 13:28:47.49 0
愛のホゼナント
336 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 16:07:58.73 0
ほぜほぜ
337 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 18:26:25.58 0
夕飯前の保全
338 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 20:14:46.18 0
寝る前ホゼナント おやすみ
339 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 20:18:38.44 0
340 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 21:58:25.15 0
341 :
名無し募集中。。。 :2012/10/13(土) 23:24:38.23 O
342 :
名無し募集中。。。 :2012/10/14(日) 00:12:25.30 0
お休みなさい
343 :
名無し募集中。。。 :2012/10/14(日) 02:04:57.63 0
おやすみずき
344 :
名無し募集中。。。 :2012/10/14(日) 04:52:30.90 O
おやさゆみん
345 :
名無し募集中。。。 :2012/10/14(日) 07:15:10.50 0
喫茶リゾナントでモーニング注文 まだ開いてなかったorz
346 :
名無し募集中。。。 :2012/10/14(日) 10:31:36.39 0
次が347だドキドキ
347 :
名無し募集中。。。 :2012/10/14(日) 12:21:51.47 0
347もらいましたー
348 :
名無し募集中。。。 :
2012/10/14(日) 14:41:54.29 0 ホゼ