「真剣師小池重明」(団鬼六著)を読んでみた

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1 【中国電 60.3 %】
どんな世界でもプロとアマの差は大きい
その中でも差が最も大きい職業の1つが棋士と言われている
しかし、どんな世界にも例外は存在する

小池重明の強さは間違いなくプロレベルだった
本人もプロ入りを熱望しており、真剣師からのプロ転向も花村元司という前例があり、特例でのプロ入りが現実的になっていたこともあった
それを阻んだのは自らの素行の悪さであった

小池の人柄は最大限好意的に表現して「酒と女と金にだらしない典型的な破滅型」である
その破滅っぷりのスケールは表社会で許容されるレベルではなく、もともと真剣(賭け将棋)という裏社会で生きるしか無い人間だったのかもしれない
ただ、一方でこういう「将棋しか取り柄がない人間」を救ってやるのがプロ棋界なのではないかと言う思いもある

なにせ真剣師としての小池の欠点は「強すぎる」ことである
一般的な格言で「勝負事のコツは絶対に勝てる相手としか勝負しないこと」というのがある
確実に負かされると分かっている上に評判の悪い小池と真剣をやりたがる人間はいない
商売は上がったりである
逆にプロ棋界は勝てば勝つほど対局が組まれ、お金が入って来る世界である
プロであの破天荒な棋風のまま暴れまわる小池を見たかった

そんなプロアマ問わず将棋界を追放された小池の最期を看取ったのが著者の団鬼六である
「小池を潰して将棋界から完全に追放するため」と言いながらアマ強豪や奨励会員とのマッチメイクに奔走し、スポンサーとして賞金を出し、自宅を対局場として開放する
小池も凄いが、団の将棋に対する思い、そして異常とも言える小池に対する愛情の深さも凄いの一言である

人生で崖っぷちに立たされた破天荒な男が緊迫した真剣勝負を破竹の勢いで勝って行く描写はとにかくカッコ良く、心が踊る
小池にそういう舞台を用意した団は最高の名プロデューサーでもある
2 【中国電 60.3 %】 :2012/08/18(土) 08:22:55.89 0
484 名前:(O^〜^) ◆PC98xNYFTY[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 08:20:11
羽生対小池見たいね
羽生の勝ちはもちろん動かないんだろうけど
3名無し募集中。。。:2012/08/18(土) 08:28:22.45 0
とてつもないアマチュアだったし
プロレベルではあったけど
完全に無敵だったわけではない
4 【中国電 60.3 %】 :2012/08/18(土) 08:53:32.02 0
花村九段が、小池と対局して「終盤はA級八段」と言ったらしいです
序盤が下手で、多少不利になっても、終盤がA級八段並みなら
そりゃアマチュアじゃ勝てません
5 【中国電 60.3 %】 :2012/08/18(土) 09:01:19.69 0
専門的なことは分からないけど、棋譜を見ただけじゃ小池の強さは分からないらしいね
序盤にわざと作戦負けして、相手の緩手を誘うとか
終盤に粘りに粘って相手の悪手を誘うとか
実際に盤を挟まないと分からないタイプだったとか
6 【中国電 60.3 %】 :2012/08/18(土) 09:09:45.75 0
実際にプロになったら案外勝率は大したこと無いかもしれないね
勝てば金を手にし、負ければ失うと言う真剣だからこそ強かったのであって
勝っても負けても一定の保証があるプロだと小銭で満足して遊び歩いて堕落してしまうかも
7名無し募集中。。。:2012/08/18(土) 09:41:42.47 0
まるで漫画のキャラみたいな人だな
たいして長くなかったけどWikipedia読みごたえあった
8 【中国電 60.3 %】
まだこういう漫画のキャラみたいな人が存在を認められてた時代の話なんだな