-続きです-
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「出世するより好きな仕事ができればそれでいい」「自分の気持ちに正直に生きたい」
とやってきた自分が、社長になるとは。
でも運に逆らわず、責任をかぶって仕事に邁進(まいしん)してみようと引き受けたのです。
その後、海外進出に向けたブランド戦略の一環で、社名をテコット(TECOT)に変更。
日本の白物家電を、ブラジルや中国など新興国の中間所得層に浸透させたい。ビートルズが
登場したときのように、世間をあっと言わせる革新的商品を創って、巻き返しを図りたいのです。
さらに、環境や介護などへの「異業種参入」も課題です。
日本が誇る技術を進化させ、日本らしい「何か」を編み出したいと思っています。
これまでの会社人生は、日本経済の歩みとともに紆余曲折を経験した「ザ・ロング・アンド・
ワインディング・ロード」。米国や中国の海外勤務、地方の販売センター、関連会社への出向など
典型的なサラリーマン生活を送ってきました。
僕も「ホエン・アイム・シックスティー・フォー」(64歳になったら)を超え、
人生を振り返ることが増えました。久しぶりに故郷の山口県岩国市に帰って同窓会に出席したら、
同級生たちの人生は悲喜こもごもで「楽しくもあり楽しくもなし」。
でも、いまの自分の発想は課長・部長時代と変わりません。アグレッシブでいたいし
「シニア」とは呼ばれたくない。ポール、リンゴは70歳を越えても現役で格好いい。
社長に就任して5年目、そろそろ後継者を考える時期に来ました。退任後は「日本の国益」を
意識して活動することが目標です。
電機業界では日本を抜いた韓国は中国に抜かれつつあり、その中国も、インドやブラジルの後塵を
拝する日が来るでしょう。そういう諸行無常の業界を「経団連会長」のような立場から
見てみたいですね。
(注)文中の社名は漫画「島耕作シリーズ」に登場する架空の企業です。
-以上です-
テコットの社長となった島耕作
http://www.sankeibiz.jp/images/news/120720/cpd1207201118004-p1.jpg インタビューに応じる漫画家の弘兼憲史氏
http://www.sankeibiz.jp/images/news/120720/cpd1207201118004-p2.jpg