プラチナでも不安? ソフトバンク見限った大口顧客
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO43905510Z10C12A7000000/?n_cid=DSTPCS001 ソフトバンク社長、孫正義の悲願だった新サービスが25日始まる。携帯電話がつながりやすくなるという周波数帯「プラチナバンド」でのサービス。
ソフトバンクモバイルはこれを機に契約の大幅積み増しをもくろむが、足元では先行きへの不安を抱かざるを得ない事態が起こっている。
ライバル、KDDIへの大口顧客の流出だ。
、そんなソフトバンクの出ばなをくじくような出来事がごく最近あった。2000台もの大口の解約だ。
iPhoneを配備していた製薬業界の最大手、武田薬品工業がiPhoneの契約をKDDIに全面的に乗り換えたのだ。
医薬業界でもIT(情報技術)の利用に積極的な先端ユーザーとして知られる武田。
iPhoneも2010年9月、いちはやくソフトバンクから導入した。ところが2年契約の終わりを待つことなく、MNP(番号持ち運び制度)を使い、KDDIに移行してしまった。
移行完了は6月。ソフトバンクによるプラチナバンドのサービス開始が目前に迫るタイミングだった。
「iPhoneをソフトバンクからKDDIの端末に機種変更します」。全国に総勢2000人いる「MR」と呼ぶ医薬情報担当者に武田本社から送られたメールには、
異例の措置の理由についてこう書き記してあった。「電波状況が悪いため」――。
武田に契約を打ち切られた「事件」は、ソフトバンクの今後の成長期待に暗い影を落とす。製薬トップ企業に見限られた痛手は小さくなく、じわじわと影響が広がっている。
ソフトバンクのiPhoneを3350台導入している第一三共の担当者がささやく。「武田さんの件は聞いている。
プラチナバンドでつながりやすくならなければ、他社に乗り換えるかもしれない」。
6月にソフトバンクからKDDIのiPhoneに乗り換えたMR業務受託会社アポプラスステーション(東京・千代田)のように、武田に追随する動きも出てきた。