女生主ってけしからんな その926

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「東京に五輪を招致すべきです。このグローバル時代に日本が発展していくためには、
東京が世界の核となる都市になることです。東京が世界の都市間競争に敗れれば、
日本全体が廃れてしまう恐れがある。世界中から人が集まる引力を持つ都市に東京を
作り直すことが必要です。それも急がれるんです。そこで一番効果的なのは、再び『東京五輪』を誘致、開催することです」
こう熱を込めて語っていたのは、先ごろ亡くなった森ビルの森稔社長だ。
六本木ヒルズなど“垂直の都市”のまちづくりを行い、民間企業として都市再開発に夢を描きチャレンジしてきた優れた事業家である。
森さんが力説するのは、一言でいえば「東京の大リニューアル」だ。例えば、前回の五輪
(1964年)の際に、慌てて河川の上につくった首都高速道路を、次の五輪を機に
地下化して、水のきれいな河川を復活させる。水と親しめる川辺を再生し、豊かな生活空間を取り戻す。
五輪で整備する競技施設も、五輪後に魅力あるコンテンツを生む場とする。スポーツの競技場としてだけでなく、オペラや歌舞伎、ミュージカルなど文化の発信基地にしていく。
そうして世界から人を引き寄せる魅力ある都市とすれば、滞在人口をいまの2〜3倍にすることは十分可能だ。
「新東京」のグランドデザインを描き、実現していけば「東京ひいては日本の将来は明るい」
と、森さんは確信をもって語っていた。もっとも、乗り越えるべき課題は少なくない。
都市問題に詳しい三菱総合研究所の峰尾学主席研究員によれば、これまでの夏季五輪を
経済的に大別すると、「新興国型」と「先進国型」に分けられるという。
開催する都市が属する国の経済情勢について、GDP(国内総生産)成長率が6%以上で
1人当たりGDP1万ドル未満が新興国型、成長率6%未満で1人当たりが1万ドル以上が先進国型と分類するわけだ。それでいくと、4年前の北京は新興国型であり、その前のアテネ、
シドニーは先進国型ということになる。
新興国型は、国威発揚に大義名分を置き、社会基盤整備の契機として国家資金をふんだんに
使い諸施設を建設していく。それにより国内景気は盛り上がりを見せ、国際的な信用力が増し、貿易量も増えて世界に存在感をアピールできる。
先進国型はこの逆で、新たな競技施設を大規模につくることはなく、交通や通信など都市機能
の高度化、充実が主題となる。いわば都市としてのソフトウエアの充実である。
それでも、「先進国でも五輪はやはり、若者が将来への“夢”を抱くきっかけとなる」と峰尾さん
は指摘する。今度のロンドンも先進国型に位置づけられるが、例えばヒースロー空港で駐車場と
ターミナルビルを結ぶ「自動運転システム」ができるとか、ロンドン市内での都市交通にいろいろ
な便利さが工夫されているとか、都市機能の向上が五輪開催を機会に、多岐にわたって進められてきた。
だが、「新興国型」の熱気をどう先進国にももたらすか。これは難しい。(※続く)
●人気グループ「EXILE(エグザイル)」のメンバーが写った、
 2020年夏季五輪の東京招致のポスター。五輪招致は世界の都市間競争に
 直結していると心得るべし
http://sankei.jp.msn.com/images/news/120702/clm12070207330000-p1.jpg
http://sankei.jp.msn.com/london2012/news/120702/clm12070207330000-n1.htm