次期衆院選を目指す地域政党「大阪維新の会」が、年金制度について現役世代の保険料で
給付を賄う現行の賦課(ふか)方式から、自ら納めた保険料を将来年金として受け取る
積み立て方式に移行させるため、300兆円ともされる移行による財源不足を相続税率の
引き上げで年3兆〜5兆円程度確保し、100年単位で清算する構想を検討していることが
16日、分かった。構想は公約集「維新八策」に盛り込む方向で、17日に開く所属地方
議員の全体会議などで協議する。
維新は3月に発表した維新八策原案で、現行の年金制度を清算、一元化した上で積み立て
方式へ移行することや、高所得層を対象に年金を支給しない保険料の掛け捨て方式導入
などを提示。世代間格差の是正などを図る基本方針を示した。
現行の賦課方式は、少子高齢化で現役世代の負担が今後増え続け、世代間格差も拡大し
続けるのに対し、積み立て方式は支払った保険料が将来確実に本人に戻るというメリット
がある。
しかし、現役世代は自分のために積み立ててはおらず、移行には保険料と積み立ての
「二重の負担」が生じる。岡田克也副総理は12日の衆院予算委員会で、二重負担の
問題解消には300兆〜500兆円が必要との見方を示している。
関係者によると、維新内の協議では、不動産や貯蓄など資産がある年金受給者と、
将来年金を受け取る現役世代との格差が大きいため、相続税率アップによる財源調達が
妥当とする案が浮上。約1兆1700億円(平成22年)だった税額を年3兆〜5兆円
程度確保し、100年がかりで清算するプランを検討している。一方、高所得層を対象
とする保険料の掛け捨て方式についても、緩和措置として掛け捨てを基礎年金部分のみ
とすることも検討している。
ただ、相続税をめぐっては社会保障・税一体改革の議論では年末の税制改正協議に先送り
される方向となったものの、格差是正の観点から最高税率引き上げなどの増税方針が示さ
れており、維新のプランは高所得層のさらなる負担増につながるため論議を呼びそうだ。
●次期衆院選を見据えた公約集「維新八策」の詰めの協議が17日行われる。
橋下徹氏らは描く国家像は?
http://sankei.jp.msn.com/images/news/120617/wlf12061713060010-p1.jpg ◎
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