ソースは
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120529/biz12052907540026-n1 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120529/biz12052907540026-n2 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120529/biz12052907540026-n3 国産初の小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」が、
産みの苦しみを味わっている。機体開発の遅れや部品検査工程の不備が響き、
納入時期の2度目となる大幅な延期に追い込まれたからだ。
海外のライバルとの実績の差はさらに広がり、これ以上の遅延は許されない。
世界屈指の低燃費を売り物に市場の席巻を目指す「日の丸ジェット」が、最大の試練に直面している。
■購入は実物見てから
「大型案件なので、さすがに立ち上げに苦労している」。三菱重工業の大宮英明社長は4月27日の会見で、こう説明した。三菱重工傘下でMRJを開発している三菱航空機(名古屋市港区)は4月25日、
14年1〜3月としていた初納入の時期を、15年度半ばから後半に延期すると発表。
「製造工程の見直しや開発段階でのさまざまな技術検討に多大な時間を要している」
(同社)ためといい、今年6月に予定していた試験機の初飛行も13年10〜12月に延ばした。
一般的に部品点数が自動車の100倍と多く、高い安全性が求められる航空機では
開発の遅れは珍しくはない。米ボーイングの中型機「787」は設計変更などで予定より3年以上も遅れ、仏エアバスの「350XWB」も開発がずれ込んでいる。
他社の例も踏まえて、大宮社長は「さまざまなリスクを織り込んだ上で、初納入時期を
1〜2年延ばした」とし、延期は今回を最後にする決意を示した。
しかし、2009年に続く2度目の延期が商談に与える影響は「小さくない」
(アナリスト)。70〜90席程度の座席数を計画するMRJの実機を披露する時期が、さらに遅れるからだ。
三菱航空機は08年11月に米国、11年5月にオランダで販売会社の営業活動を
始めるとともに、世界各地の国際航空ショーに出展し、売り込みを強化。
しかし、MRJの受注数は合計130機にとどまり、採算ラインとされる
350〜400機に遠く及ばない。「実際の飛行を見てから購入を判断する企業が多い」
(三菱重工幹部)ため、成約までにはなかなか至らない。
実際、11年6月に香港の航空機リース会社から受注した5機を最後に、
ぼ1年経っても新たな顧客を獲得していない。
客席数50〜100席の小型ジェット機は、中大型機よりも運航効率が格段に
高いことから世界的に需要が伸びており、今後20年間で約5000機が新たに
就航すると予測されている。
-続きます-