私がかつて所属していたアクセンチュア(外資系のコンサルティングファーム)から、
アルムナイパーティーのお知らせがあった。
前進のアーサー・アンダーセンが日本に進出してからちょうど50周年にあたる今年、
盛大なパーティーを催すという。ちなみに毎年開催されている。
アルムナイ、というのはあまり聞きなれない言葉かもしれない。 アルムナイというのは
同窓会という意味である。
つまり、企業の同窓会である。
アクセンチュアを退職したひとが大勢あつまって、現在の社長や役員と交えてパーティーを
するのである。 しかも、これ、会社側が主催する。退職者を会社が招待するというのが、
理解できない人もいるかもしれない。
同窓会といっても、いわゆる同期会や、退職者の同窓会ではない。 現役の20代、30代、
40代が集まる。 定年退職者の集まりではなく、現役のひとの集まりなのである。20代で
辞めたひとも、またここに招待する。同期の私的な集まりではなく、会社がそれを招待する。一部の企業では考えられないことかもしれない。
なのでアルムナイパーティーでは、壮大なビジネス交流会の場となる。お互いのビジネスに
ついて情報交換したり、提携の話がまとまったり、下手な話、アクセンチュアに営業する
ひともいる(アポをとりつけたり)。 自分が辞めた会社に提案しにいくアポを、退職者
パーティーで取り付ける、そんなカオスな・・とおもうかもしれないが本当である。
どうして、このようなことが起こるかというと、会社という枠組みへの認識の違いだ。
そもそもコンサルティングの業界では、会社のことをファームと呼ぶ。これはローファーム
(法律事務所)などと一緒で、プロフェッショナルの集まりのことを指す。
つまり、就社したのではなく、ひとりのコンサルタントとして、ファームに属しているという
意識なのだ。なので、人生の一時期をその会社に在籍していたというくらいで捉えている。
はじめから定年までお世話になろうとは誰も考えてはいないのだ。
退職する理由はさまざまだが、あまりネガティブなものはない。 ・独立する ・他の面白い
ことをみつけた(転職) ・向いていなかった など、いくつかあるが、陰湿に会社を追い出さ
れるという感はない。みなさっぱり清々しく辞めていくことが多かった。
送り出すほうも、「やめるの?残念だけど、じゃまた、今度どこかで仕事することもあると
思うからよろしく!」といった感じである。 なにしろ、コンサルティングファームは人材の
流動性が高い。残っている側も、いつ辞めるかわからないので、辞めた人を敵視してもしかた
がない。自分が辞めた時に、どこかで出会う良きビジネスパートナーとなるかもしれないと
思うのだ。(※続く)
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