各省庁が「事業仕分け」の手法を使って、事業にむだがないかを検証する「行政事業
レビュー」が7日から経済産業省で始まり、経営が悪化した中小企業に対する融資を
全額、保証する制度は抜本的に改善すべきだと結論づけられました。
また、日本のアニメなどの海外展開を支援する「クール・ジャパン」事業については、
「国の役割が明確でない」などと厳しい意見が相次ぎ、事業の内容を抜本的に見直す
べきと結論づけられました。
「行政事業レビュー」は、国が行うおよそ5000のすべての事業を対象にして、
各省庁が昨年度行った事業にムダがなかったかを検証し、このうち90の事業は、
仕分けの作業が公開されます。
初日の7日、経済産業省では、経営が悪化した中小企業に対する融資を信用保証協会を
通じて、全額保証する制度が取り上げられました。
この制度は、4年前のリーマンショックを契機に対象が拡大され、原則すべての業種が
対象になっていますが、有識者からは「全額保証によって金融機関がリスクを取らずに
融資できることになり、モラルハザードにつながるのではないか」とか「中小企業が
融資のあと、自立しているかを追跡調査すべきだ」などと指摘されました。その結果、
この制度は対象となる業種を早期に見直すなど、抜本的に改善すべきだと結論づけられ
ました。
このほか、地域の活性化を図るため商業施設などに補助金を出す事業については
「経済効果が出ていない」などとして、廃止にすべきと結論づけられました。
また、日本のアニメなどの海外展開を支援する「クール・ジャパン」事業については、
有識者から「民間だけでも海外展開しており、国の役割が明確でない」などという
厳しい意見が相次ぎ、事業の内容を抜本的に見直すべき、と結論づけられました。
各省庁は、行政事業レビューの結果を来年度予算案の概算要求にいかに反映できるかが課題となります。
◎経済産業省--行政事業レビュー「公開プロセス」-開催通知
http://www.meti.go.jp/committee/notice/2012a/20120525005 ◎
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120607/t10015672151000