フィアット・オートとマツダは、マツダMX-5をベースとする車両開発に
サインをした。そして、それに基づいてアルファ・ロメオ・スパイダーは
2015年にデビューすることとなる。
既に知られている通り、マツダMX-5とアルファ・ロメオ・スパイダーは、
後輪駆動の同じシャシーを持つものの、異なるボディ・デザインと異なる
エンジンを搭載することなっている。そして、共にマツダの広島工場で
生産が行われる。
不調のアルファ・ロメオ・ブランドを手放すのではないかという噂に対して、
フィアットのCEO、セルジオ・マッキオーネは反論する。「この合意は、
アルファ・ロメオを本当に世界的なブランドとするための決心と関与を
しめしている」と。
今年後半から、3年半後のアルファ・ロメオ・スパイダーの投入まで、
生産されるクルマの情報は少ない。しかし、アルファ・ロメオの新しい
1750ccターボ・エンジンのお陰で、新しいモデルは軽くしあがりそうだ。
新しいエンジンは296bhpを発揮するアルミニウム・ブロックで、高圧のフューエル・インジェクションを備える。
まず、このエンジンは、2014年にデビューするミドシップ・ベビー・スーパーカー、アルファ4Cにも搭載されることになる。
2台のロードスターは、既にCX-5に用いられているマツダのスカイアクティブ
・ライトウエイト・スチール・スペースフレーム・テクノロジーが採用される。
しかし、そのプラットフォームは後輪駆動のスパイダーのための新設計だ。
MX-5のデビューが2年後ということで、アルファのエンジニアもこの新しいプラットフォームに、初期段階から関与できるというのは大きい。
新しいマツダMX-5は1989年にデビューした原点に戻り、1000kg以内のモデル
とすることを目指している。対照的にアルファ・ロメオは高級市場への投入を目指し、より広いトレッドと官能的なスタイルを持つことが目標とされるだろう。
そのスタイルには、北米市場で好評だったクラシカルなボート・テールが必須となる。映画「卒業」で人々が受けたイメージは大きいのだ。
「われわれはマツダとのこの協業で、多くの実りが生まれ、関係を維持することを
楽しみにしている」とマッキオーネ。一方、マツダも「テクノロジーの共有と生産の一本化が、今回の合意の目的の一つ」と述べている。
主に円高による厳しい決算を迎えたマツダだが、将来はメキシコに新しい工場を
作りたいと考えている。それは、今年2月の新株式の発行で12億ポンド(1400億円)を確保することに成功している。マツダやアルファ・ロメオのような比較的小規模
の会社にとって、スカイアクティブ・エンジンとプラットフォームの技術を共有することは、必須なことと考えられる。
●
http://www.autocar.jp/wp-content/uploads/2012/06/alfa_Spyder_001.jpg ◎
http://www.autocar.jp/news/2012/06/02/7220/