[マドリード 19日 ロイター] 経済の立て直しを図っているスペインで、
7月中旬からマドリード首都圏にある全ての店が日曜日も含む24時間営業が可能となるが、
その効果に疑問の声も上がっている。
現行法では、基本的に日曜日は営業が禁じられている。
今回の措置は、中道右派のラホイ首相が進める経済立て直し策の一環で、
約4人に1人が失業している同国の雇用促進につながると期待されている。ある調査によると、
スペイン全土で営業時間を緩和すると、向こう3年間で少なくとも2万人の雇用が創出されるという。
ただ、伝統的にキリスト教のカトリック信者が多い社会で、日曜日に働くことは大きな文化的変革となる。
日曜日に教会に行かないような、あまり敬虔(けいけん)ではない多くの信者ですら、
日曜日には買い物や仕事ではなく、家族や友人と過ごすものだと考えている。
また、今回の措置で恩恵を受けるのはデパートなどの大型店で、
小売店は打撃を受けるとの見方もある。多くの小売店は営業時間が変わることや、
日曜日に営業するために人件費を払うことには消極的だ。
マドリードで金物店を営むエウジェニア・サンチェスさんは
「小売業がスペインの活力源なのに、大型店が日曜日に営業するとなれば、
私たちのような店は打撃を被るだろう」と語った。
サンチェスさんは日曜日に営業するかまだ決めていないというが、
「すでに1日10―12時間働いている。日曜日は家族と過ごす時間」とあまり乗り気ではない様子だった。
同市の高級ショッピング街で働くフアナ・マリア・バッラさんは、
「週末になると、この辺りの人はいなくなってしまう。いるのは観光客だけ。
7―8月は、マドリードは閑散としている」と語った。
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPTYE85J05O20120620