消費税増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」関連法案をめぐり、民主党内が大混乱し、
党分裂もあり得る事態となっている。3年前の政権交代総選挙で初当選した議員らは、現状をどう受け止めているのか。
小沢一郎元代表率いるグループと距離を置く山尾志桜里衆院議員(37)=愛知7区=に聞いた。
山尾志桜里衆院議員は20日、増税法案などをめぐる党混乱について、
「民主党が政権与党として決めることができるのか、そして、決めたことを
組織として支えることができるのかを、国民のみなさんが見ていると思う」といい、
「民主党は今回、国民の期待に応えるため、やれる限り丁寧な手続きを踏んできたと確信している」と語った。
確かに、増税法案などの修正合意をめぐっては、政調会合同会議が
2日間で計7時間、両院議員懇談会が20日に3時間も行われた。
山尾氏は「消費税増税についてはこれまで何度も議論を重ねてきたが、最後になって
ようやく多くの議員が『社会保障のための増税』ということを理解してくれるようになった」という。
ただし、これは「中間派」とされる議員らについてであって、
小沢グループは衆院採決での造反・離党も視野に徹底抗戦を続けている。
「それぞれの議員についていえば、社会保障よりも行政改革などにこだわりがある人もいる。
定数是正にこだわりのある人もいる。どれも正鵠(せいこく)を得ている。1人ひとりが政治家なのだから、
自己の責任で、これからも自分の主張を貫いていくことはいいことだと思う」
山尾氏は、一言一言慎重に言葉を選んで語った。その姿に、この政党の置かれた厳しさを感じた。(安積明子)
2012.06.21
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120621/plt1206211239005-n1.htm