二度あることは三度ある。ようやく民主党の小沢一郎元代表が離党を決断し、
新党結成に動き出したようだ。彼が子分を率いて与党を飛び出すのは、19年前に自民党を離党して
新生党を立ち上げて以来3度目だが、野党時代にも党首だった新進党を解党している。
▼壊し屋の面目躍如たるものがあるが、本当に離党届を執行部にたたきつけ、
新党をつくるのなら小沢嫌いの小欄もしぶしぶながら拍手せざるを得ない。
3年前の国民との約束を守ろうという小沢氏の方が、野田佳彦首相よりよほどスジが通っているからだ。
▼前回総選挙で民主党は、できもしないマニフェスト(政権公約)を掲げて政権を奪取した。
いわく、高速道を無料にしてガソリン税を下げます、子ども手当を1人月2万6千円払います、などなど。
▼極め付きは、国には莫大(ばくだい)な埋蔵金があり、無駄な予算を削れば財政は大丈夫。
消費税は次の衆院選まで上げません、との大見えだ。
すべては嘘八百で、民主党代表だった鳩山由紀夫元首相が詐欺罪で逮捕されても誰も怪しむまい。
▼それでも野田首相を含め、国民に心からおわびし公約を撤回します、と明言した幹部は誰一人いない。
民主党議員の大多数は、総選挙を先送りし、与党の座に一日でも長く居座りたいだけに見える。
▼増税法案の採決はもう間近だ。国民の負託を受けた国会議員たるもの、本会議での棄権や欠席は許されない。
古希を迎えた小沢氏の男の花道は、選挙で国民をだまし、原発事故処理に失敗した民主党をぶっ壊すことだ。
さすれば、東日本大震災直後、放射能をこわがって地元・岩手に寄りつかなかったと
奥方に暴露された汚名はたちどころに消え、永久に名を残すことだろう。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120623/stt12062303070001-n1.htm