大阪府警淀川署刑事課に勤務していた男性警部補が昨年夏、恐喝事件で逮捕した容疑者の自宅から押収し、
証拠品として保管していた他人名義のキャッシュカードなど数十点を、故意に破棄していたことがわかった。
警部補は当時、カードの入手経緯や悪用の有無などを捜査する担当で、府警の事情聴取に
「仕事を終わらせたくて捨てた」と説明している。府警は、証拠隠滅と公用文書等毀棄(きき)の
両容疑で21日、警部補を書類送検、今後、懲戒処分を検討する。
捜査関係者によると、同署が押収した大量のカードは、複数の人物名義で、盗難品の可能性もあった。
そのため、他の署員とともに事件を担当していた警部補が、名義人に連絡を取ったり、
発行会社に使用状況を問い合わせたりする余罪捜査をしていた。
ところが、警部補は昨夏、途中で余罪捜査をやめ、段ボールなどに入れ署内に置いていた
カードをひそかにシュレッダーで裁断したという。
今年3月、他の警察署の署員が、関連事件の捜査で淀川署に証拠品の記録を照会。
書類に記載されているカードの現物が存在しないことがわかった。
警部補は、府警の事情聴取に対し、多忙などを理由に「捜査するのが大変で煩わしかった」という趣旨の
説明をしているという。問題発覚後、体調を崩して一時休職し、現在は同署地域課所属になっている。
(2012年6月21日16時04分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120621-OYT1T00806.htm