■後浦なつみ “恋愛戦隊シツレンジャー”
今、最も、そうですねえ、人生の罰ゲームがあるとして「これからモーヲタになる(ならなければいけない)」というのは、かなりの強度でしょう。
また「デビュー当時から現在に至るまでモーヲタのままでいる」という、十字軍にも似た聖戦の騎士達はこの国に10万とも15万とも言われています。
はっきり言いってしまいましょう。僕は、zetima−UP-FRONT−ハロプロ帝国にルネサンスはある。と思います。
それにはまず、既にコンセプチュアル・アートと化してきたつんく♂サウンドから、科学調味料であり、既につんく♂にとってはドラッグでさえある「トータル・コンプ(トータル・コンプレッサー。の略。
音質を硬化させ、輪郭線をクッキリと立てることで、どんな再生機でも同じ音質で聴こえるようになる音質上の効果装置のこと)」
と「タイム・チェンジャー(簡単に言うと、早回ししたり、遅回ししたりする装置。ここでは早回しに使っている)」の使用を止めることです
(「つんく♂を(少なくとも)作詞・作曲から下ろせ」と言った方がルネサンス的には早いのですが、そんなドラマチックなことは起こる筈がないので)。
つんく♂はとうとう「パラパラまでをノスタルジーとしなければいけない」ほど「過去の楽しかった記憶」を食い荒らして来てしまったわけですが、今、パラパラ・ノスタルジー。というのは「これからモーヲタ」のキツさにシンクロしています。
しかし、元々はリップと同じ〈頭の切れるヤンキー〉だった筈のつんく♂が〈現代の没落貴族〉として、化学調味料まみれ、
トータル・コンプ、タイム・チェンジャー・ジャンキーとして神経症的なコンセプチュアル・アートを定期的に量産している孤高の姿。
というものは(これはあくまで僕の詩的な描写ですからね!関係者の皆様!)悪くない物があります。
当連載でも過去に書いたように、もしこの国にファシズムの恐怖が訪れるので有れば、それはモーニング娘。から。
などと、たった一年前は妄想していた僕の様な輩には、最早 CD再生機で聴いても何も感じない、
誰が歌っているかも解らないこのシングルがせめて10万枚売れることを祈るようになっている事に、安堵と悲しみ、そして何よりも、早く本当にプロレス団体にしてしまってくれ。という気持ちで一杯です。
http://tower.jp/article/series/2004/10/08/100045804