1 :
名無し募集中。。。:
2 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 20:55:06.51 0
3 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 20:55:28.24 0
4 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 20:55:45.17 0
5 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 20:56:03.44 0
6 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 20:56:29.44 0
テンプレ以上です
スレ立て遅くなってすみません
7 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 20:58:13.19 0
落としてゴメンナサイ
8 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 21:12:07.51 O
9 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 21:36:38.61 0
直近の作品だけ転載しとくか
10 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 21:38:12.47 0
ツインテールを束ねるリボンの大きさが変わるとともに、私の“ももち”っぷりはエスカレートしていった。
「かりんー、この前嗣永さんが持ってたバッグってさー」
「んふふ、あれはねぇ、駅ビルの・・・」
準構成員にもかかわらず、私は誰よりも嗣永先輩を上手にやりきっていた。
嗣永先輩の新情報を仕入れるときは、私から。
嗣永先輩の新しい仕草を取り入れるときも、私から。
いつの間にか、私は小もぉ軍団の中心人物となっていた。
正直、こうなるのは当然だと思った。
だって、私は誰よりも嗣永さんのことをよく観察して、その動きや口調を真似するために、努力をしたから。
時間があれば高等部の校舎を覗きに行ったし、こっそり帰り道をつけていったこともある。
そんなにももち先輩のこと好きだったの?何て言われると、返答に困る部分はあったけど・・・まあ、模倣に対する情熱はみんなよりもあったはずだ。
「もー、かりんったら、5分遅刻ぅ」
「許してにゃん♪」
「・・・しょうがないな、可愛いから許す!」
そして、私が嗣永先輩になりきればなりきるほど、クラスのみんなから慕われるような気がした。
多少のことは笑って許されるっていうか、いろいろとお得なことが増えたように感じる。
今までだって、決して嫌われていたわけじゃないと思う。
だけど、私たちのグループはどっちかっていうと、マジメで目立たない存在だった。
それが、一気に人気者ポジションへとステップアップして、華やかなグループの子たちとも交流が生まれた。
自分の望み以上のものを手に入れた私は、すっかり舞い上がってしまっていた。
11 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 21:38:32.89 0
それは、私が6年生に進学してからも、変わらなかった。
そんなある日。
「かりん」
「はぁい?」
廊下で名前を呼ばれ、いつもどおりももち口調でニッコリ振り向くと、「キモッ」と思いっきり舌打ちをくらってしまった。
「もぉー、遥ちゃんキッツイなぁ」
そこにいたのは、1学年下の友達の、遥ちゃんだった。
「久しぶりじゃない?元気ー?ウフッ」
「・・・それ、やめてくんない」
遥ちゃんは心底嫌そうに言い捨てた。
それで、私は一旦ももち状態を封印して、久しぶりに“素”の状態に戻った。
「何怒ってるのよ。怖いなあ」
「別に。これがあたしの普通だから。かりんだって、そんなキモイ行動してないで、普通にしてればいいのに」
「だって、楽しいんだもん。ももちごっこ。最近は軍団員も増えてきたしね」
そう。
日が経つにつれ、小もぉ軍団は、勢力をどんどん拡大していった。
クラスの大半が私たちに肩入れし、いまや初等部の3分の1が、小もぉ軍団という情況になっていた。
私は・・・その中でも、特に嗣永先輩を上手にやりきる(準)軍団員として、結構名の知れた存在にまで上り詰めていた。
見知らぬ子に話しかけられたり、ファンですなんて言われちゃったり。
そういう私の現状、遥ちゃんは知らないわけないのに、全然、ほかの子みたいにおだてたりチヤホヤしたりしてくれなかった。
12 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 21:38:49.26 0
「真似するやつが増えたって、別にかりんが偉くなったわけじゃないじゃん。くっだらない」
一体、何だっていうんだろう。
遥ちゃんはものすごく不機嫌そうで、私はすごく不安な気持ちになった。
いつも口調はキツイし、乱暴ものでやんちゃな子だけれど、遥ちゃんは筋の通らないことは絶対に言わない。
物事の道理のわかっている、とても賢い子だから。
その遥ちゃんが、こうまで私の行動を非難するんだから、これはただ事じゃない気がする。
だけど、私にだってプライドはある。
ここまで自分を殺して、他人を演じて、みんなに慕ってもらえて、・・・もしかしたら、“あの人”にも覚えてもらえたかもしれなくて。
なのに、何も知らない遥ちゃんに、頭ごなしに非難されるのは納得がいかなかった。
「遥ちゃんも、もぉ軍団入る?一緒にやったら、楽しくなるかもよ?今人数いっぱいになっちゃってるけど、私の友達だし、入れてあげてもいいよ」
遥ちゃんの性格上、こういう言い方をすれば、どういう反応が返ってくるかは想像できた。
暴言でも、暴力でもかまわない。ストレートな彼女に思いっきり感情をぶつけられて、私も久しぶりに、黒い感情を出し切りたかった。
「・・・かりんさぁ」
だけど、返ってきたのは、意外なほど醒めた声だった。
「んなことやってると、マジで嫌われるよ」
「どういう意味、それ」
「わかんないならいいよ。
その遊び、やらなくなったらまた遊ぼーぜ」
13 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 21:39:05.76 0
じゃ、と遥ちゃんは、私の横をすり抜けて、5年生の教室に戻ろうとした。
「ちょっと待ってよ、何でそんなこと言われなきゃいけないの」
私の声に、足を止めた遥ちゃん。
黙っていれば、初等部で一番可愛いんじゃないかってぐらい、整った顔立ち。
たれ気味で、二重の幅の広い色っぽい目が、私を小馬鹿にするように細められる。
「・・・かりん、ホントはそのももナントカって人のこと、どーでもいいと思ってるくせに」
*****
「え・・・また体育、見学?」
「そ。マラソンとか、髪がグシャグシャになったら困るぅ!」
数日後の休み時間。
運動着に着替えもせずに、みんなはあっけらかんと言い放った。
「かりん、走るのぉ?うちらとおサボりコースでいいじゃーん」
「だって、授業は出るのが普通でしょ?」
「ほらぁ、また口調が戻ってるぅ。もぉ軍団なんだからさぁ」
――ああ、何だろう、この気持ち。
私はみんなに見えないよう、密かに深いため息を漏らした。
小もぉ軍団は、段々とおかしな方向へ突き進んでいる。
授業中に騒ぐ、校内に小さな落書きを残す、校則ギリギリの範囲でやっていたはずの制服改造もエスカレートしている・・・。
14 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 21:39:23.42 0
準構成員の位置から、動かなくてよかった。
みんなには悪いけれど、私はそう感じていた。
そうでなくても、遥ちゃんと話したあの日から、私は迷っていた。・・・嗣永さんを演じていても、以前のような楽しい気持ちにはなれなくなってしまっていたから。
多分、当の遥ちゃんは、私の本当の目的自体は知らない。・・・あの子は、学園の先輩なんて全く興味がないから。
だけど、彼女の指摘自体は全く持って正しく、・・・私の心の中で密かにくすぶっていた感情を、見事に言い当ててしまった。
「かりん?」
「あ・・・ウフフ、私、長距離走好きだからぁ、とりあえず先に行ってるにゃん♪」
まだ、演じること自体は容易い。
そう、これはいわば・・・社交術というやつだから。
みんなと仲良くするための、そして・・・
「・・・おじゃましまーす」
グラウンドに行く前、私はこっそり、中等部の校舎へ向かった。
昇降口には、誰もいない。
私は迷わず右端の下駄箱へ赴き、少し目線より上の位置にある、個人用の靴入れを開けた。
“出席番号が若い数字だから、靴入れの位置が高くて困るわ”
少し困ったような笑顔で、・・・千聖お嬢様は、靴を取ってあげていたとても背の高い人(よく嗣永さんとも一緒にいる・・・)に話していたのを見たことがある。
15 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 21:39:41.49 0
「ふふ」
まさか、毎日毎時間、あの大きな背の人に、靴を取ってもらっているわけでもあるまい。
あの小さな体で精いっぱい背伸びして、一生懸命靴に手を伸ばしている姿を想像すると、何だかくすぐったいような気持ちになる。
せめてすぐ目に止まるようにと、私は持参した手紙を下駄箱の手前に入れた。
その時。
「あれー?ちさとのげたばこなのぉ?ウフフ、もぉじゃなくてぇ?」
私の手から、青い便箋がひらりと落ちた。
16 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 23:21:53.02 0
とりあえず乙です
17 :
名無し募集中。。。:2012/03/27(火) 23:34:18.78 0
リ*・一・リ<おつかれさま
18 :
名無し募集中。。。:2012/03/28(水) 00:58:30.16 0
お嬢様おやすみなさいませ
19 :
名無し募集中。。。:2012/03/28(水) 02:00:17.03 0
落ちたの全然気づいてなかった・・・
20 :
名無し募集中。。。:2012/03/28(水) 07:05:22.98 0
お嬢様いってまいります
21 :
名無し募集中。。。:2012/03/28(水) 08:01:43.39 0
リ*・一・リノシ
22 :
名無し募集中。。。:2012/03/28(水) 12:01:24.81 O
お昼ですわ
23 :
名無し募集中。。。:2012/03/28(水) 14:55:56.09 O
おやつ間近
24 :
名無し募集中。。。:2012/03/28(水) 17:01:49.83 O
晩飯直前でございますお嬢様
25 :
名無し募集中。。。:2012/03/28(水) 18:11:23.16 0
晩飯は夕餉のあとで
26 :
名無し募集中。。。:2012/03/28(水) 19:17:03.72 0
それは夜食
27 :
名無し募集中。。。:2012/03/28(水) 20:39:24.42 O
もりもり食べてすくすく育つお嬢様
28 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 85.3 %】 :2012/03/28(水) 20:54:10.04 P BE:16061647-PLT(12001)
そしてまた舞様に地獄のダイエットを課せられるお嬢様
29 :
名無し募集中。。。:2012/03/28(水) 22:39:24.29 0
ハワイでも寒天か
30 :
名無し募集中。。。:2012/03/29(木) 00:16:23.36 0
この時間が毎日の一番の楽しみだかんなグヒョヒョ
31 :
名無し募集中。。。:2012/03/29(木) 01:20:28.75 0
,、!'i^i^i,
ノノノハヽ
ノハヽヽ リ|+‘ヮ‘)|
(‘−‘;|k/(ニl]つ) })
(三三) ム,._,l.___._j,.ゝ
,,,,,,ととノ `~し'~し'~
32 :
名無し募集中。。。:2012/03/29(木) 06:13:32.78 0
リ*-一・リ<んぅ・・・栞菜は?
33 :
名無し募集中。。。:2012/03/29(木) 07:04:30.53 0
お嬢さまいってまいります
34 :
名無し募集中。。。:2012/03/29(木) 07:59:04.73 0
リ*・一・リノシ
お昼ですけどダイエットなので抜きですよ
36 :
名無し募集中。。。:2012/03/29(木) 14:08:07.34 0
あぶのおまっせ
37 :
名無し募集中。。。:2012/03/29(木) 14:44:36.31 0
若執事さんのプロフィールください
38 :
名無し募集中。。。:2012/03/29(木) 17:33:10.80 0
こんばんは作者です
スレ立てありがとうございます!
今週かなり忙しく明日ちょろりと更新する予定です!申し訳ないです
>>37 では保全がわりに・・
(執△事)
・20代半ば・転職して執事に・メガネ・ヒョロッとしてる・大体いつも胃が痛い・上品な子が好き・愛理ちゃんハァハァ
・っていうかちさあいハァハァ・お嬢様の胸のことはあまり考えないようにしている・萩有のサンドバック・手先が器用・料理が上手
・ならず者からお嬢様をお守りするスーパー執事な俺みたいな妄想が好き・りーちゃんのボーノメルマガを購読している
・常にかわいそう(なっきぃ談)・あれは腹黒(めぐぅ談)・新しいあだ名は煮過ぎたヒジキでしゅ(舞様談)
・オメーの脳内妄想は亨ちんに報告済みだかんな(有原談)
という感じでいかがでしょうか!表向きは植物的な感じの人ということで・・・
39 :
名無し募集中。。。:2012/03/29(木) 18:33:25.12 O
作者さん乙です
聞いていますと桜田通くんっぽいな・・・
40 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 82.5 %】 :2012/03/29(木) 21:02:51.21 P BE:3442032-PLT(12001)
表向きだけじゃなくともまあ色々と…w
41 :
名無し募集中。。。:2012/03/29(木) 22:51:34.70 0
忙しいところ乙です
42 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 00:13:06.91 0
おやすみなさいお嬢様
43 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 07:01:03.98 0
お嬢様いってまいります
44 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 82.3 %】 :2012/03/30(金) 12:07:20.73 P BE:20650166-PLT(12001)
お嬢様お昼にございます
45 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 12:58:51.49 0
>>38 ありがとうございます
まさかこんなに書いてもらえるとは
若執事さんのキャラ好きです
46 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 13:14:04.03 O
>>45 州´・ v ・)<若執事さん(のキャラ)好きです
Σ(執д事*) !!
(執д事;*)<わ…わたくしもす鈴木さああんのことがs
47 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 16:05:01.71 O
おやつのデザートのお時間でございますお嬢様
48 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 17:33:44.94 0
「あー、ほらほら。千聖への大事なお手紙なんでしょー?」
凍りついた私には特に構わず、その声の主・・・嗣永先輩は、風でふわりと飛んだ手紙を追いかけてくれた。
間近で見た嗣永さんは、表現しようのない独特の存在感がある。
スカートの後ろにまで、たっぷりとレースが縫いつけられていて、芸が細かい。
背中で括られた、大きなリボンがひらひらと舞って、綺麗な言い方をするならば、まるで蝶の羽みたいだった。
「はい、これ♪」
「あ・・・ありがとうございます」
もはや、模倣も忘れて、私は目の前の“お手本”にまじまじと見入ってしまった。
そう大した美人でもない、なんていうのは、大きな間違いだった。
メイクなんてほとんどしてないのに、パッチリしているキラキラな目。赤ちゃんみたいな薄い唇。独特の可愛らしい声。キャラクターはさておき、まるで、可愛い女の子の見本のようなルックスだ。
ああ、これはとてもかなわない、と思った。
自分なりに完璧に真似をしていたつもりだったのに、本能で、全く歯が立たないとわかった。
一体、私のやってきたことは何だったのだろう。こんな中途半端な真似っこ人間を、あの人が覚えてくれるはずもない。
「ウフフ」
そんな私の心情を知ってか知らずか、嗣永先輩は飄々とした感じで笑った。
そして、涼しい顔のまま続けた。
「かりんちゃんはぁ、千聖のこと、好きなんだ」
49 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 17:34:03.08 0
その言葉に、心臓をわしづかみにされたような、衝撃が走った。
「な、何で私の名前を」
「もぉの友達は、事情通が多いからね。それに、一番お上手な子には目が行くでしょ?かりんちゃんはバツグンだもん」
何のことかなんて、聞くまでもなかった。
「でもぉ、皮肉なもんだよね。
一番できる子は、もぉのことを一番好きなわけじゃないって」
「あ・・・」
その言葉に、どれほどの思いがあったのかはわからないけれど、私はそれで、自分がかなり無礼なことをしていたと気がついてしまった。
「ごめんなさい!」
私は頭を下げた。
「あの・・・失礼な事をしてしまって」
「ああ、いいからいいから。
ねえ、それより千聖のどこが好きなの?」
だけど意外なことに、嗣永先輩はあっさりと私の謝罪を受け流した。
いつものぶりぶりピンク色のキャラクターで責め立てられるのかと思ったのに。あるいは、わざとらしく慰められるとか。
よくわかんないけど、男の子っぽいなあと思った。非常にあっさりばっさりしている。
きっと、これがこの人の本質なのだろう。
50 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 17:34:20.69 0
「ねー、もぉの話聞いてるぅ?」
「あ、はい。お嬢様の、好きなところ・・・ですか」
私は軽く目を閉じて、千聖お嬢様のことを思い浮かべた。
「私・・・正直、まだ、千聖お嬢様とお話したこともないんです」
「おいおい」
「でも、目がとても綺麗で・・・あと、あんまり笑った顔をみたことがなかったんですが、もも・・嗣永先輩と一緒にいる時はいつもニコニコしてて、可愛らしくて・・・」
こう言葉に出すと、私って全然、お嬢様のことを知らないんだなあと改めて思う。
まあ、ほとんど一目ぼれみたいなものだし、仕方ないんだけれど。
「・・・千聖の目はねぇ、あれは魔女の目だって梨沙子も言ってたなあ」
「あ、もぉ軍団の菅谷先輩ですか?」
「えー、ホントにもぉのことよく調べてるんだ!しかも、もぉのためじゃなく、千聖のために。あはは、すごいね、キミは!」
なぜか大笑いしながら、背中をバンバンと叩かれる。
「な、なんか、失礼連発で、すみません・・・」
「ん?何のこと?」
本当に気づいていないのか、気を使ってくれているのか。
とにかく、嗣永先輩は、私を責めようとはしなかった。
51 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 17:34:44.31 0
「まあ、千聖はねぇ、あの子はボケーッとしてるから。
自分が後輩から慕われたり、憧れられたりするなんて、ありえないと思ってるみたい。
ま、もぉみたいなスーパーアイドルが近くにいたら、そう思っちゃうのも仕方ないんだけどね!」
「・・・ははは」
「いや、笑うとこじゃないから!」
少し話してみれば、単なるイロモノぶりぶりキャラじゃないのもよくわかった。
そういえば、勉強はものすごいできるんだって、みんなが言ってたっけ。ぽんぽんと話が弾むし、ずいぶん引き出しの多い人だ。
「千聖に手紙出すのは、今回が初めて?」
「いえ、今までにも何度か。お返事をいただいたこともあります。
いつも、自分の日常をとりとめなく書いているだけなんで、御負担になってないか心配ですが」
「ああ、それなら大丈夫。千聖は手紙大好きだし、返事が定型文じゃないなら、ちゃんと読んでるでしょ」
「定型文・・・ではないと思います。千聖お嬢様のプライベートのお話も書かれていますし」
「ウフフ、それは何よりです」
嗣永さんは満足そうにうなずくと、おもむろに私のツインテールに手をやった。
そのまま、手をほっぺ、襟元のリボン、二の腕とどんどん移動させていく。
キャラと違って、その手はやたらひんやりしていてゾクゾクする。
「あ、あのー、なにか」
「ほーんとにもぉのコスプレ、上手だねぇ。もぉの次ぐらいには可愛いし、こりゃ小もぉちゃんたちの中じゃ、エースだね。センターポジ。ウフフフ」
何がそんなに面白いのか、嗣永先輩は機嫌よさげに笑い続けている。
最近の軍団の行いを考えれば、睨み付けられたり、怒られたりすることも覚悟していたんだけれど・・・予想外の反応に、どう応対していいかわからず、とりあえず笑ってみせるも、ほっぺが引きつっているのが自分でもわかる。
52 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 17:35:03.33 0
「ウフフ、じゃあ、そんなももちポイントの高いかりんちゃんに、特別な情報を提供しましょう!」
嗣永先輩は、ずいっと顔を近づけてきた。
「もぉはねー、千聖の事が大好きなの」
「・・・それは知ってます」
「それでね、千聖ももぉのことが大好き。ウフッ」
――一体、何が言いたいんだろう、この人は。
ファンでもないのに、自分を真似る私を皮肉っているのか。あるいは、千聖お嬢様に憧れている私を牽制しているのか。
まるで、推理小説のようだ。じっくり観察して、考察して、このつかみ所のない人の真意を読み解いていく。
「千聖はね、もぉが急に優等生になったとしても、バリバリ体育会系女子になったとしても、突然変異で男の子になっちゃったとしても、それでも今までどおり、もぉと友達でいてくれると思うんだ。
だって、千聖が好きなのは、もぉだから。もぉがもぉだから、千聖は私を見つけてくれた」
「・・・そう、ですか。」
嗣永先輩が、嗣永先輩だから・・・か。
頭の中で、嗣永先輩の言葉を反芻するたび、私に伝えようとしている事が、少しずつ胸に入り込んでくるようだ。
姿形を真似したって、何の意味もない、と。
千聖お嬢様は、そんな表面的な理由で、嗣永さんと友達になったわけじゃない、と。
そして、2人の絆を、見くびってもらっちゃ困る、と。
多分、これはただの忠告ではなく、・・・その先を自分で考えるよう、促しているんだろう。
53 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 17:35:19.72 0
「・・・もぉの言いたいこと、伝わったかな?」
「はい。非常に参考になりました」
そう答えると、嗣永先輩は満足げに笑った。
「あ、でもね、誤解しないで。もぉは千聖に、新しい仲良しさんが増えるのは大歓迎だから。
あの子、自分からぐいぐい行くタイプじゃないからねぇ。きっかけ作りも大変かもしんないけど、手紙はこれからも
出してあげて。きっと楽しみにしてると思うし」
「はい、そうします」
「ん。素直でよろしい。じゃあ、そろそろ」
行こ、と嗣永先輩は、私に手を差し出してくれた。
不思議なことに、さっきと違って、つないだその手はとても温かく感じられた。
「・・・最初に話した小もぉ軍団の子が、かりんちゃんでよかった。ウフフ」
「えっ、そうなんですか?」
「んー、だってぇ、イマイチもぉの理念を理解してくれてないのかな?とか思っちゃってぇ。なーんか話しかけそびれてたんだよねぇ。
もぉのカッコ、真似してくれるのは嬉しいんだけどね。でもその中で一番可愛いかりんちゃんは千聖(ry」
――結構引っ張るんだな、この人。
「・・・あ、ここまでで大丈夫です。次体育なので」
マラソントラックのある、広いグラウンドの前で、私は嗣永さんに一礼をいた。
「そう?わかった。お気をつけて〜。ウフッ」
引き返していく後ろ姿も、スキップ交じりの内股クネクネ。まったくブレない、すごい人だと改めて思う。
54 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 17:35:36.29 0
「あっ、かりんー!いたいた、ねー、本当にマラソンやるのぉ?こっちで遊んでようよぉ」
「今さ、教室のはじっこに小もぉ軍団だけのスペースを作ろうかなって相談しててぇ」
小走りにグラウンドに向かう私を、小もぉの幹部・・・仲良しグループの子たちが呼び止める。
また、そういう話か。
さぼりに、教室占拠・・・。一体、みんなはどこへ向かおうとしてるんだろう。
たった今、本家と話してきたからなのか、率直に言って、私はすっかり醒めてしまっていた。
そして、悟った。
嗣永さんと話したときに芽生えた、自分の“ある決断”を話すのは、今なんだと。
「ううん、授業には出るよ」
「ねー、言葉遣い」
「あと、私もう、辞めるから。
小もぉ軍団、退団します」
55 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 17:36:20.19 0
今日はここまで
過去回想は次回で終わりです
並行して久しぶりに階段行きたいなと思ってます
シリアスか軽いエロネタかどっちかで行こうかと
もし御要望があればお願いします!
選択小説もやりたいですが・・・なかなか時間が
前スレ
>>430 少年作者さん乙です!wikipediaフクちゃんキタコレw
少年と対峙させるとまるで少年がお子ちゃまメンタルのようですが実はそんなことはなく
フクちゃんがどっしり構えすぎなんでしょうねwなっきぃの口撃も遥ちゃんの攻撃も余裕で受けてしまうふわふわのスポンジのようなフクちゃんが恐ろし可愛いです!
校内にもぉさんを追っていったりするのでしょうか・・・続きお待ちしてます!
キャラは本当に勝手に動きますよね!かんちゃんとかそもそも普通の子から見た寮生みたいな位置づけだったんですが・・・今や℃変態・・・
また少年が舞様と向き合うときどんな変化があるのか本当に楽しみです
>>46 オメー亨(ry
56 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 18:49:26.90 O
作者さん乙です
軍団長カッコイイ!シャキーン!
57 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 20:24:41.65 O
作者さんおつであります♪
エロネタ楽しみにしてますムフフ
58 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 22:42:57.55 0
久しぶりにエロいの読みたいですねw
軽くなくてもいいですy
59 :
名無し募集中。。。:2012/03/30(金) 23:31:50.72 0
桃ちゃん何気にかりんちゃんが千聖推しにショックだったり?w
60 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 65.6 %】 :2012/03/31(土) 02:05:47.31 P BE:14340555-PLT(12001)
桃ちゃんの心の中にお嬢様が住んでいるのか
お嬢様の心の中に桃ちゃんが住んでいるのか
きっと両方なんでしょうな
61 :
名無し募集中。。。:2012/03/31(土) 08:18:37.40 O
おはようございますお嬢様
62 :
名無し募集中。。。:2012/03/31(土) 12:13:09.54 0
もうランチの時間
63 :
名無し募集中。。。:2012/03/31(土) 14:51:55.72 0
64 :
名無し募集中。。。:2012/03/31(土) 16:54:29.28 O
これはまた可愛いお嬢様ですな
65 :
名無し募集中。。。:2012/03/31(土) 19:12:06.74 O
夕食にございますお嬢様
66 :
名無し募集中。。。:2012/03/31(土) 21:32:08.72 0
早く寝るかんなお嬢様
67 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 74.9 %】 :2012/03/31(土) 23:53:39.66 P BE:41299889-PLT(12001)
>>63 才色兼備と言う言葉が
ピッタリでございますお嬢様
68 :
【大吉】 :2012/04/01(日) 00:43:56.16 0
大吉ならお嬢様独占だかんな
69 :
名無し募集中。。。:2012/04/01(日) 02:17:28.16 0
576 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2012/03/31(土) 20:52:01.44 0
あこがれの先輩は
金子 石川梨華
宮本 新垣・岡井
高木 田中れいな
田辺 鈴木愛理
吉橋 和田・道重
浜浦 矢口真里
田口 鈴木・道重
大塚 岡井千聖
茂木 矢口真里
小川 菅谷理沙子
山賀 真野恵里菜
小田 中島早貴
小数賀 和田彩花
植村 高橋愛
70 :
【大凶】 :2012/04/01(日) 08:17:50.31 0
今月の若執事の運勢
71 :
【末吉】 :2012/04/01(日) 10:32:43.03 O
今年度の3バカ運
72 :
名無し募集中。。。:2012/04/01(日) 12:53:55.74 O
73 :
名無し募集中。。。:2012/04/01(日) 14:38:58.13 O
そろそろおやつのお時間でごさいますお嬢様
74 :
名無し募集中。。。:2012/04/01(日) 17:34:39.74 0
前スレ
>>429 給水塔のハシゴ。
わたしみたいなかよわい女の子は、こういうの苦手だにゃん。
でも、もぉ頑張って昇ってみるね。
もう少しで屋上に出るというところで、不意に歌声が聞こえてきた。
♪元気だよ〜 今は〜すっかり元気だよ
あのころは〜 ま ちょっぴり心配かけた〜♪
このちょっとクセのある歌声。
舞ちゃんが歌ってる。
思わず、ハシゴの途中で止まって聞き入ってしまう。
舞ちゃんがこんな風に心をこめて歌っているのを聴けるなんて。
その歌声からは伝わってくるものが感じられる。
なかなか上手いな。
まぁ、このわたしの可愛らしい歌声にはかなわないまでも。
なんて思いながら聞き入っていたら歌声が止まってしまった。
そして、頭上から声が降ってきた。
「ももちゃん。ハシゴから小指が見えてるよ」
75 :
名無し募集中。。。:2012/04/01(日) 17:36:07.20 0
>>74 見つかっちゃったか。
ひょこっと顔を半分だけ出したら、こっちを見ていた舞ちゃんと目が合った。
「やっぱりここにいるんだ」
「桃ちゃん。部外者が学園に入ってきていいの?」
「もぉはいいんですぅ。舞ちゃんこそ授業はいいの?」
「舞はいいの。一時間目は出なくてもいい授業だから」
「相変わらずだねぇ。でも、そんな生活態度じゃいいんちょさんに怒られちゃうよ」
「桃ちゃんにだけは言われたくないよ!」
その反応が面白くて。
舞ちゃんをからかうのは楽しいね。
だから、「だいたい風紀チェックやってたはずなのに、どうやってすり抜けたんでしゅか」なんて呟いてる舞ちゃんをはぐらかして、話題を変えて更にいじってみる。
「聞いてたよ。やっぱり舞ちゃん歌うまいじゃん」
もぉが褒めてあげたというのに、そっぽを向いてしまった舞ちゃんからの返事は無い。
ありゃ・・ さっきからの流れがもぉ的に面白かったからって、ちょっとからかいすぎちゃったかな。
でも、だからといって不貞腐れてるって感じではなかった。
そっか。
ここ給水塔だもんね。
あの舞ちゃんが歌を歌ったりするぐらい、舞ちゃんの心が落ち着く場所。
だからなのか、話しを再開してきたのは、ここの主である舞ちゃんの方からだった。
「この場所で桃ちゃんに会うなんて。久しぶりのことでしゅね」
「そうだっけ? 前はいつ来たんだっけ」
「もう憶えてないよ、そんな昔のこと」
76 :
名無し募集中。。。:2012/04/01(日) 17:38:51.94 0
>>75 もぉが前にここに来たのっていつだったっけ?
そんな昔のことになるのかな。
でも、それよりもいま舞ちゃんに聞きたいのは、昔のことじゃなくて今現在のこと。
「舞ちゃん、最近はどうなってるの?」
「ふん。ちしゃとの奴、姉にしてくれっていう申し出があったからって、はしゃいじゃったりしてさ。全くガキっぽいんだから」
「いや、ちさとのことじゃなくてさ。舞ちゃんにちさとのこといちいち聞いたりしないから」
「?? じゃあ、何のことでしゅか」
その問いには何も答えず、黙って舞ちゃんの顔をじっと見つめる。
もぉのカワイイ顔に見つめられると、あの舞ちゃんでさえ心の平静を保っていられないようだ。
うん。まぁ当然のことだと思うけど。
こんなカワイイ子に見つめられたりしたら、そりゃあ誰だって、ねぇ?
そんな、もぉの可愛らしさに圧倒された舞ちゃんは、この桃色の空気に飲まれたのか自ら話しを切り出してきた。
「やっぱりあいつ、桃ちゃんの軍団の人間だったんだ」
「え? なんの話し?」
もちろん、いま舞ちゃんが言った言葉の意味ぐらい、ちゃんと分かってた。
いきなり話しを切り出して、何を言ってくるのかと思えば、それなんだ。
舞ちゃんは人の考えを先読みできちゃうから、そうやってもぉの先手を取ったつもりなんだろうけどね。
でも、いま舞ちゃんが切り出したこと、それって明らかに自爆でしょ。
ウフフ、舞ちゃんって、本当にかわいいな。
天才さんの、このアンバランスなところが、もうね。ホント、もぉにはツボだよ。
そんなこと思ってるのがバレたら舞ちゃん怒っちゃいそうだから、上から目線はほどほどにしておこうかな。
77 :
名無し募集中。。。:2012/04/01(日) 17:43:45.57 0
>>76 でも、そうか。
だいぶ落ち着いたって聞いてたけど、それなりに消化しきれてはいないんだな。
まぁ、そりゃそうだよね。
だから、舞ちゃんはあの少年の行動に対して、別の理由付けをしておきたいのかもしれないな。
あの少年がチョロチョロしてるのは「もぉ軍団の関係者」だからであって、自分に関係していることではないと。そう思いたいのか。
なら、そういうことにしておいても構わないけど。
それで舞ちゃんが自分の気持ちに折り合いをつけることが出来るのなら、それでもいいけどね。
私って本当に大人だなあ。
自分で自分のことを褒めてあげたくなる。
ま、実際は「面白いから」なんだけどねw
くまいちょーほどじゃないけど、こんな面白いこと、もうちょっと楽しませてもらいたいから。ウフフフ。
でも、もぉが聞いた最初の質問に対して舞ちゃんが思い浮かべたのは、やっぱり千聖のことか。
そりゃ当然だね。だって、舞ちゃんだもん。
この舞ちゃんに振り向いてもらうってのは・・・ よりによってまあ一番難しい相手を選んだものだね少年。
そのあたりのことはもう彼も分かりきってるみたいだし、是非あきらめないで頑張って欲しいゾ。ウフッ。
そんなことを考えていると、舞ちゃんはじっと、わたしのことを見てきた。
人の考えていることを探るような、心の中を見抜こうとする、その舞ちゃんの表情。
でもね、舞ちゃん。もぉはその辺の普通の人とは違うからね。
そう簡単には、もぉの考えていること読ませてあげたりしませんから。
ウフフ、舞ちゃん、お口が尖ってきちゃってるよ。
せっかくのカワイイお顔が台無しだよ。
78 :
名無し募集中。。。:2012/04/01(日) 17:44:49.75 0
>>77 「ふん、わざとらしい。やっぱり、もぉ軍団に関係してるんでしょ」
「え?関係してるのかなぁ。本人は必死に否定してるけど」
「だってそうじゃん。桃ちゃんがそんな面倒見るなんてさ」
「面倒見てなんかいないよ。もぉは人のことには干渉しない主義だし」
「じゃあ、なんで?」
「ウフフ・・・分からない?」
「な、なんだよ・・・」
「このもぉに興味を持ってもらえるなんてぇ、さすが舞ちゃんだねってこと」
「なんだよもう、そうやって舞のことをからかって。桃ちゃんってさあ・・・」
「ウフフフ」
舞ちゃんとお話しをするのは楽しい。
一から十まで言わなくても、言葉の断片で言わんとすることを察してくれる。
そんな高度なレベルでのやり取りが楽しめるから。
「もぉはね、舞ちゃんがいま何を思ってるのか、それを知りたかったの。だから、今日まず最初にここに来てみたの」
「舞のことを? 桃ちゃんが?」
「そうだよ。で、それを聞くこともできたことだし、そろそろ学園の偵察の続きに出発しようかな」
「は? 聞くことができたって、大して話しなんかしてないじゃん」
「もう十分だよ。しっかりと感じることが出来たから」
「これだけの会話でもう十分わかったとか、桃ちゃん怖いよ」
サトリの舞ちゃんにそんなこと言われるなんて光栄だにゃん。
79 :
名無し募集中。。。:2012/04/01(日) 17:45:49.62 0
>>78 さて、そろそろ行くとするか。
その前に、舞ちゃんにはひとつだけお願いしておこうかな。
「いい、舞ちゃん? この学園の未来は舞ちゃんにかかってるから。頼んだよ、しっかりね」
「桃ちゃんにお願いされてもなあ・・・」
舞ちゃんは頭の後ろで手を組んで空を見上げた。
もぉが今舞ちゃんにそんなことを言ったのは、ちさとがこんなこと言ってたのを思い出したから。
(最近、舞は生徒会のこと色々と考えてるみたいなの。疲れてなければいいのだけれど)
あの舞ちゃんが生徒会に入ったと聞いたときは驚いた(しかもくまいちょーと同じ部署なんだってw)
頭のいい舞ちゃんのことだ。いろいろなことに気付いてそれを自分なりのやり方で改善しようと考えているんだろう。
過保護だね、ちさとは。
舞ちゃんみたいな子は多少の負荷がかかっている方がやる気も出してくれるってもんだよ。
だから、舞ちゃんにハッパをかけてみたってわけ。
「さて、もう行かなくちゃ」
「え? 行くってどこへ?」
「あれ? もっと一緒にいて欲しかった?」
「違うよ! このあとも学園の中をうろつくつもりなのかってこと」
「もぉは行くところが一杯あるんだよ。視察しなきゃならないところが多くてね。人気者だから忙しいのはしょうがないかぁ」
80 :
名無し募集中。。。:2012/04/01(日) 17:47:09.89 0
>>79 舞ちゃんが何か思案顔になった。
真顔になってもぉのことを見つめてくる。
何か言おうかどうしようか迷ってる感じ。舞ちゃんにしては珍しいな。
「ももちゃん、あのさ・・・初等部のね・・・」
「ん? なに?」
「・・・あ、いや、何でもない。舞のひとりごと。気にしないで」
「そう? なら聞かなかったことにするけど」
ま、舞ちゃんが言おうとしたこと、実はそれとなく分かるんだけどね。
・・・初等部、か。
この学校は相変わらず面白い事が一杯だね。
卒業してもこんなに楽しませてくれるなんて。本当に素晴らしい学校だ。
入ったばかりの頃は、そんなこと全く思わなかったのにね。
今となってはちょっと勿体無かったかな。
「じゃあね、舞ちゃん! 授業もちゃんと受けるんだよ」
「桃ちゃんこそ問題起こさないでよね。生徒会の仕事を増やしたりしないでよ」
「舞ちゃんの口からそんな言葉が出てくるなんて、もぉは嬉しいよ」
「まったく・・・ この後はどこに行くつもりなの?」
81 :
名無し募集中。。。:2012/04/01(日) 17:48:48.20 0
>>80 「まずはちさとの授業風景でも見学してこようかな。ちゃんと授業についていけてるのか確かめなきゃ」
「部外者が教室に入れるわけ無いでしょ」
「選択科目の授業なら一人くらい潜り込んでも分からないんじゃない。もぉならまだまだ高校1年生でも通用するほどピチピチしてるし」
「よく自分でそんなこと言えるね」
「ウフフ。じゃあね、舞ちゃん」
舞ちゃんが苦虫を噛み潰したような顔で見送ってくれる。
久しぶりに舞ちゃんとお話しができて楽しかった。
舞ちゃん、まだ中学3年生なんだよね。
改めてそう考えると、この子の凄さがよく分かる気がした。
だって、もぉの得意とする心理戦で対等にやりあってくる中学生なんて舞ちゃんぐらいだ。
この子が高等部を卒業するまで、まだあと4年もあるのか。末恐ろしいな。
その頃にはどんな子になってるのだろう。
まぁ? かわいさでは相手が中学生だろうともぉの方が全然負けてないし、4年後だって負けないけどね、うふっ。
さて、じゃあ次はちさとの教室にでも行ってみるか。
ちゃんとまじめに授業受けてるのかな。相変わらず窓から外ばかり見てるんじゃないでしょうね。
桃ねぇちゃん、しっかり確かめさせてもらうからね。ウフッ。
82 :
名無し募集中。。。:2012/04/01(日) 18:22:29.35 0
リ;・一・リ州;‘ -‘リ<な、なんでももちゃん(もも)がここに・・・
ル*’ー’リ<一緒にいても全く違和感が無いね。さすがもぉだにゃん!
桃子さん目線を一話だけ
チンプイさんのお話しの桃ちゃんがとてもいい!と思って影響されちゃいました
その結果、桃ちゃん話しで丸被りになっちゃってますけど・・
>>10 チンプイさんお忙しいところ乙です!
ちゃんさんと遥ちゃんが対峙するシーン緊張感ハンパないです
かりんちゃんのお嬢様への思いつめた行動の結果の小もぉと
そしてかりんちゃんのその思いが分からないだろう遥ちゃんは当然その行動が全く理解できない
切ないですねー・・・
初等部の両エースが再び笑い会える日が来ますことを祈りつつ、この先の展開はどうなるのか非常に楽しみです
>>48 ついに小もぉお手本の軍団長登場!
何というか、さすがですね軍団長は。かりんちゃんを一発で改心させるその影響力
ここぞという局面で桃子さんがいつもキーパーソンになるのは、いつも見せる彼女のその素晴らしい洞察力
そしてそれが全く押し付けがましくないのも彼女の人徳によるんでしょうね
桃子さん、素晴らしすぎてもう本当に尊敬します!! (こんなもんでいいですか嗣永さん)
小もぉNO.1のかりんちゃんが実はお嬢様ファンだったということをやたら引っ張る軍団長が地味にかわいいですw
>>55 そうでしたね。かんちゃんに関しては普通の女の子として出す予定だったと
でもそのキャラはやっぱり無理でしたねw
やっぱりどうしても本性が出ちゃいますからうわなにをする有原やめ
83 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 82.9 %】 :2012/04/01(日) 20:44:36.63 P BE:13766764-PLT(12001)
少年作者さん乙です
両方とも℃S属性の二人だけども不思議と心が通うのは
やはりお嬢様と言う共通のパートナーの存在が大きいからでしょうな
84 :
名無し募集中。。。:2012/04/01(日) 23:38:44.88 0
お嬢様保全しておきます
85 :
名無し募集中。。。:2012/04/02(月) 00:11:40.73 0
おやすみなさいお嬢様
86 :
名無し募集中。。。:2012/04/02(月) 04:14:18.35 O
作者さんおつであります♪
87 :
名無し募集中。。。:2012/04/02(月) 07:11:29.06 0
お嬢様いってまいります
88 :
名無し募集中。。。:2012/04/02(月) 07:52:27.65 O
お嬢様職に就いて本日初出勤でございます
89 :
名無し募集中。。。:2012/04/02(月) 13:34:21.54 O
昼下がりの団地妻保全
90 :
名無し募集中。。。:2012/04/02(月) 15:46:55.08 O
トワイライトお嬢さま
91 :
名無し募集中。。。:2012/04/02(月) 19:07:33.32 O
晩御飯のお時間ですお嬢さま
92 :
名無し募集中。。。:2012/04/02(月) 19:07:44.59 O
イブニングでしゅ
93 :
名無し募集中。。。:2012/04/02(月) 22:00:57.24 0
この時間で3時間放置とは
94 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 00:07:38.46 0
ほら寝ますよ
インフルエンザに気を付けましょう
95 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 70.7 %】 :2012/04/03(火) 01:20:46.13 P BE:18356148-PLT(12001)
96 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 07:11:00.96 0
お嬢様いってまいります
97 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 11:48:12.82 O
早弁する遥ちゃん
98 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 15:26:14.45 O
おやつタイムですお嬢さま
99 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 15:44:44.70 0
「もぉ軍団、退団します」
私の言葉に、場の空気が凍りついたのがわかった。
「ごめん、私には合わないみたい」
「は・・・何で今更?ここまで軍団大きくなって、抜けられるわけないじゃん」
「かりんに憧れてる子が一番多いんだよ、知ってるでしょ?」
みんな、嗣永さんのまねっこも忘れて、口々に私を責め立ててくる。
だけど、もう私の心は動かなかった。
だって、私は当のご本人から直々に忠告を受けたわけで。意味のないこと・・・それから、迷惑行為をやめるようにと。
その言葉が私にとって、どれだけ大きな意味を持っているかなんて、みんなにはわからないだろう。
どれだけ周りの人が認めてくれて、褒めてくれたって、正直、もう軍団に未練はない。
だって、私の目的は・・・
「私は準軍団員でしょ?お試し期間でやってるって、最初に言ったじゃない」
「まだそんなこと言ってたの。誰もかりんがサブメンだなんて思ってないから」
「思ってなくたって、実際には・・・」
「わかった、かりん。とりあえず、体育、出るんでしょ?」
言い争う私たちを、黙ってみていた友達が、ふいに口を挟んだ。
「ちょっと、まだ話が」
「今話したって、まとまらないでしょ」
100 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 15:45:07.31 0
「・・・ありがと」
「遅刻しちゃうよ。行きなって」
庇ってくれてるのかと思ったけれど、彼女は私と目をあわそうとはしてくれなかった。
気まずくなって、すぐに踵を返して、グラウンドに向かう。
退団するという結論は変わらない。
だけど、鮮やかな赤やピンクのリボン。
それに似つかわしくない、みんなの戸惑いと憤りの入り混じった顔が頭をちらつく。
傷つけてしまったかもしれないけど、ちゃんと謝れば、思いは伝わるはず。
だって私たちは、もぉ軍団だから友達になったわけじゃなくて、友達がたまたまハマッたのが、嗣永先輩だったってだけの話。
私一人、もとに戻ってみんなと接すればいいだけだ。何も、私に付き合って、みんなにもやめてもらおうってわけではないし。
そう、楽観的に考えていたのだけれど。
「・・・かりん、そこ座って」
授業の後、教室に戻った私を、険しい顔のみんなが迎え入れた。
「急に勝手なこというから、うちら戸惑ってるんだけど」
「勝手って。別に一生続けるわけでもないんだから、いつ辞めるかは自分で決めたっていいじゃない」
もぉ軍団に関心を持っている、周りのクラスメートもチラチラと私たちを気にしている。
引くに引けない、とはまさにこのことだ。人の目がある今のうちに、片をつけたかった。
101 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 15:45:25.97 0
「かりん、だったら理由言ってよ」
「だから、私には合わないかなって」
「そんなことで辞めたら、ももち先輩に失礼すぎるじゃん」
――失礼すぎる、って。
思わず苦笑してしまった私を、怒り心頭のみんなが見逃すはずもない。
「何でこの状況で笑ってんの。信じらないんだけど」
「だって、嗣永先輩の名前使って迷惑行為やってんのって、みんなのほうじゃん。どっちが失礼なことしてると思う?私のせいにしないでよ」
思いがけず、強い口調になってしまった。
だけどもう、フォローをする気にはなれなかった。
むきになっている、っていうのもあるけれど・・・友達だから。たまには怒りをぶつけ合ったっていいんじゃないかっていう思いもまたあって。
「・・・わかった、もういい」
でも、返ってきたのはひどく冷めた声だった。
さっきも冷静だった、背の高い友達が、笑っていない目で私を見ている。
「かりん、もともとももち先輩のファンじゃなかったもんね」
「う・・・うん、」
「付き合わせちゃって、ごめんね。もういいからね。でもね、かりん。私、見ちゃったんだ」
全身が心臓になったみたいに、体の中でドクンドクンと音が鳴り響く。
彼女が次に言い出すであろう言葉を、私はもう予感していた。
102 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 15:45:41.56 0
「かりん、さっきももち先輩と一緒にいたでしょ」
――ああ、やっぱり。
「・・・はあ!?何で!」
「興味ないって言ってたじゃん!ずるいよ!」
案の定、抗議の声が次から次へと上がった。
うかつだった。
未だ先輩に話しかけることも、話しかけられることも叶わないみんなの、一番もやもやした部分を突いてしまったのは間違いない。
「それは・・・こういう格好してるから、声かけてくれたんじゃないかな・・・たいした話はしてないよ」
「じゃあ、何喋ったか教えてよ」
そう詰め寄られて、言葉に詰まる。
だって、千聖お嬢様の話は・・・まだ嗣永先輩以外、誰にもしたことがない。
普通の感情じゃないのは自覚しているし、正直、わかってもらえるとも思っていない。
「・・・わかった。うちらのこと、悪く言ってたんでしょ」
「かりんって、ずるい。いっつも先生に褒められるのはかりんばっかだし」
「小もぉ軍団だってさ、準軍団員のくせに、一番人気になっちゃうし。簡単になんでもできちゃう人はいいよね」
「はいはい、かりんは正しいよ。授業サボったりする私たちが悪かったですよ」
これは、大変な事態だ。誤解をとこうにも、言葉が見つからない。結果、黙ってみんなの言葉を受け止めることしかできない。
沈黙は、悪い妄想を生み出す。
昔読んだ本に、そんなことが書いてあったのをぼんやり思い出した。
103 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 15:46:01.08 0
「だいたいねぇ」
尚も詰め寄られかけたところで、授業開始のチャイムが鳴る。
少し空気が緩んだところで、私はどうしても言わなければと椅子から立った。
「みんな、ごめんね。でも、私軍団は抜けるけど、これからも・・・」
「いや、だからもういいよ。無理させて、どうもすみませんでした」
頭が真っ白になる。
私の声が、友達の誰にも届かない。ちゃんと思ったことを伝えたはずなのに、拒絶されてしまった。
「・・・友達だと、思ってたのに。」
すれ違いざまつぶやかれたその声が、いつまでも頭の中で反響し続けていた。
*****
「・・・かりん」
お姉様の優しい声で、ハッと我に返った。・・・長い夢でもみていたように、あの日の出来事を思い出していた。
そう、あの後からだ。
私が大きなリボンを外し、制服の着方を改め、図書館の本に、休み時間の友達になってもらうようになったのは。
「御心配なく、お姉様」
平常心で、答えたつもりだった。
でも、私の声は震えていて・・・それは、お姉様にも伝わってしまったようだった。
104 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 15:46:22.45 0
「かりん。私では、かりんの力にはなれないのかしら」
深い悲しみを滲ませた瞳。きっとこの鳶色の瞳は、鏡のように、見つめている相手の気持ちを映し出してしまうのだろう。
私が何も言わなくても、どうごまかそうとしても、心をむき出しにされてしまう。
「おねえさま、私・・・私ね」
作り笑いが綻んで、ほっぺたが濡れていくのを感じた。
「私、友達がいなくなってしまいました」
どこから話したらいいのかわからないけれど、もう、あふれ出した言葉は止まらなかった。
「私が悪いんです。だって、みんなを利用したから。
遥ちゃんも、会いに来てくれなくなっちゃった。どうしよう、お姉様」
「かりん、いいのよ。もっと話してちょうだい。誰があなたを責めても、千聖がずっとそばにいるから」
白いハンカチが、私の目じりから雫を掬う。
お姉様のバニラの香りが私を包んで、少しずつだけれど、落ち着きを取り戻してきた。
「・・・ちしゃと」
ちょうど、そのタイミングで、独特の声色がお姉さまのお名前をつぶやいた。
萩原さん、だ。いつもお姉様のそばにいて、お姉様を大きな目でじっと見つめている・・・
105 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 15:46:39.78 0
「泣いてるの、ちしゃと」
今も、私のことなんか全く見もせずに、萩原さんはお姉さまを凝視している。
「いいえ。大丈夫よ、舞」
「ならいいけど」
それで、やっと萩原さんはこっちを見てくれた。
そして、観察するように私のことを数秒かけて眺めたあと、「そうだ」とつぶやいた。
「来たいっていうから、つれてきたよ」
チラッと後ろに目をやった萩原さんは、うながすようにアゴでジェスチャーを送った。
「あ・・・」
赤やピンクのリボン。短く改造したスカート。
5年生のときの自分だったら、きっとまだ、そっち側にいさせてもらえていた――
「・・・かりん」
小もぉ軍団。
私の退団を機に、なんとなく盛り下がってしまい、団員が減ってしまったその軍団を、守り続けている私の・・・元、友達が、萩原さんの後ろから姿を現した。
106 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 15:46:57.69 0
「・・・舞が連れてきたんじゃないからね。ただ、話したいっていうから」
一体、何を言うつもりなんだろう。
私が嗣永先輩を利用して、千聖お姉さまに近づこうとしたことだろうか。
その上、自分勝手な理由で、みんなの輪を乱した話だろうか。
でも、それならそれで構わない。
なぜならこれは――報いだ。もしお姉さまに嫌われたとしても、私は誰をうらむつもりもない。
「かりん、私たちね・・・」
「何しに来たんだよ」
その時。
私のものでも、お姉様のものでも、萩原さんのものでもない声が、狭い礼拝堂を突き抜けた。
「・・・なんで」
「つーかどのツラさげて、ここきたんだよ」
正面のパイプオルガンの真下、小さな譜面台の下から出てきたのは、小柄で華奢で、友達の誰よりも華やかな顔立ちの・・・
「遥ちゃん、だめよ」
107 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 15:47:12.62 0
続いて這いでてきたのは、私の中等部の友達、聖ちゃん。
一体、いつから。
どこまで聞かれていたというんだ。
いや、そもそも、何でこんなところに・・・・
「おい、だまってねーで答えろよ」
疑問点だらけで、頭がパンクしそうになる私を置いて、遥ちゃんが直も声を張り上げる。
「お前ら、顔覚えたからな。あたしの友達、いじめやがって。
絶対許さねえぞ」
「もう、遥ちゃんたら・・・」
「止めるなよ、みずきちゃん。あたしは怒ってんだ。
かりんを傷つける奴はあたしが許さないからな」
厳かな礼拝堂に、遥ちゃんの声がいつまでも響き渡っていた。
108 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 15:47:31.29 0
今日はここまで
レスは明日以降で!すみません
109 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 17:44:03.83 O
作者さんおつであります♪
強風に気をつけてね
110 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 18:59:53.98 O
萌ゆる展開だわぁ♪
111 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 20:50:31.49 O
強風警報でございますお嬢さま
112 :
名無し募集中。。。:2012/04/03(火) 23:09:32.01 O
チンさんおつですー
舞様とくどぅーが一緒の場にいるのは初めてかな
両者コンタクトがあるのか続きが気になる
113 :
名無し募集中。。。:2012/04/04(水) 00:02:36.69 0
すぎゃさんが18歳になった!おめでとう!!
114 :
名無し募集中。。。:2012/04/04(水) 01:46:51.90 0
おやすみなさいお嬢様
115 :
名無し募集中。。。:2012/04/04(水) 07:10:55.25 0
お嬢様いってまいります
菅谷さんおめでとうございます
116 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 64.2 %】 :2012/04/04(水) 07:19:45.07 P BE:8031427-PLT(12001)
チン師匠乙です
遥ちゃんがえらく力強いですな
もしかしたら舞様でも負けるかも
時系列的には遥ちゃんが幽霊となった後だと記憶してますが
お嬢様は幽霊の正体に気が付いていたりするのかなあ
すぎゃさん18歳おめでとうございます
117 :
名無し募集中。。。:2012/04/04(水) 11:25:49.61 O
男らしい大学に進学する大きな熊さんさすがだわw
118 :
名無し募集中。。。:2012/04/04(水) 15:07:55.15 O
たしかにw
119 :
名無し募集中。。。:2012/04/04(水) 16:54:42.26 O
お嬢様と夕方
120 :
名無し募集中。。。:2012/04/04(水) 19:09:44.60 O
晩御飯のお時間でございますお嬢様
121 :
名無し募集中。。。:2012/04/04(水) 20:48:09.89 0
台の下から這い出てくる聖ちゃんってのが何かワロタww
122 :
名無し募集中。。。:2012/04/04(水) 21:18:39.85 0
123 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 81.1 %】 :2012/04/05(木) 00:10:23.10 P BE:18355384-PLT(12001)
>>117-118 そういえば風紀委員長によると
大きな熊さんは学ランで登校した事もあったとか
大学で応援団でもやるつもりなんでしょうか
124 :
名無し募集中。。。:2012/04/05(木) 00:10:58.23 O
現実は小説より奇なり
125 :
名無し募集中。。。:2012/04/05(木) 00:46:51.78 0
126 :
名無し募集中。。。:2012/04/05(木) 02:04:49.17 0
お嬢様おやすみなさい
127 :
名無し募集中。。。:2012/04/05(木) 07:14:48.28 0
お嬢様いってまいります
128 :
名無し募集中。。。:2012/04/05(木) 11:30:58.43 O
ノシ
129 :
名無し募集中。。。:2012/04/05(木) 15:05:06.64 0
130 :
名無し募集中。。。:2012/04/05(木) 17:40:08.64 O
チンプイさんは超能力をもってるなw
131 :
名無し募集中。。。:2012/04/05(木) 19:35:06.04 0
690 :名無し募集中。。。 :2012/04/05(木) 02:23:25.85 O
あーうぉーうぃろーで通過ー
が好きw
このレス、チンプイさんかなと思ったw
132 :
名無し募集中。。。:2012/04/05(木) 22:10:49.46 0
舞様とまさきちゃんの絡みが新鮮ですよw
133 :
名無し募集中。。。:2012/04/05(木) 23:23:57.42 0
優樹ちゃんが馬術大会に出るようなお嬢様だと聞いて
134 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 00:37:36.56 0
姉妹校のりなぷーおたおめ
135 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 02:51:55.27 O
おやすみなさいませお嬢様
136 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 07:11:37.33 0
お嬢様いってまいります
137 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 10:43:10.45 O
リ*・一・リノシ
138 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 13:07:49.84 O
昼ご飯のお時間でございますお嬢様
139 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 16:13:04.74 O
お嬢様とおやつについて考える
140 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 17:36:43.14 0
今晩は作者です
かりんちゃん編区切りがいいので本日はちさまいエロネタです
といっても導入部です
少々ご協力いただきたいことが・・・まずは本編を
141 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 17:37:37.35 0
「遅っ!なっきぃ、遅っ!」
私たち2人の“いつものカフェ”の“うちらの席”で、お行儀悪くストローを噛んだままの千聖が、大げさに手招きをしてきた。
今日は、明るい方の千聖か。服装はバッチリ女の子っぽいし、もしかしたら途中で入れ替わったんかもしれない。
「ちょっとちょっと岡さーん。まだ5分前だし。いつも私を待たせてるのは誰だっけー?」
「え?何?聞こえない。それよりほら、早く座れよ。そんなとこ立ってると、お店の人通れないじゃん」
――もう、アイドルなのに、何て言葉遣い!
でも、髪をばっさり切ってイケメン度が増した今の千聖には妙にハマッていて・・・得意げなその顔に、注意をする気も失せてしまう。
「メープルラテでいいんでしょ?もう頼んだから」
「あいよ。どうもね」
せわしなくテーブルの上を拭いたり、私のお水を寄越してきたり。
相変わらず、暴君なんだかお姉ちゃんなんだかよくわからない。
何年もそばにいるのに、その毎日くるくると変化するキャラクターは見飽きる事がない。
「よかった、なっきぃ暇してて。
もう家出ちゃった後にさ、マネージャーさんから電話来てさ、打ち合わせの時間少し遅くなるっていうから」
「キュフフ、まー、今日はたまたま空いてたけどぉ。さきも結構忙しいんだよねぇ」
「嘘付け。お前仕事ないとき、いっつもめちゃくちゃ暇してんだろ」
・・・ま、それはおっしゃるとおりなんですけど。どうせ友達いない芸人ですよ、私なんて!
142 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 17:37:53.48 0
「いやー、本日はですねぇ、中島さんに見てもらいたいものがありまして」
運ばれてきたラテに口をつけていると、唐突に千聖はバッグの中をゴソゴソと漁りだした。
「なーに?誕生日プレゼントかな?」
「・・・すんません、まだ買ってないでおじゃる(3月現在)てか、そんなことよりほらこれ!」
私のかわゆいおねだりをバッサリ無視した岡井さん、取り出したデジカメを、ずいっと鼻先に突きつけてきた。
「・・・ん?何これ」
そこに写るのは、移動中の車内で眠りこける舞ちゃん。
ポッチャマのタオルを口元に押し当てて、実に気持ち良さそうだ。
「萩さんがどうかしたの?」
「超絶可愛いだろ、この舞ちゃん」
「・・・うん、可愛いね。いや、可愛いですけど」
ぷくぷくほっぺを軽く膨らませて、隣によりかかる舞は、赤ちゃんみたいで癒される。
だけど、真昼間のカフェで、目じりを下げて惚気るほどのことなのか?相変わらずよくわからん子だ、千聖ったら。
「てか、普通じゃない?」
「は?舞の可愛さ普通じゃねーし」
「じゃなくて、舞はいつも可愛いじゃん。この写真の舞だけが、飛びぬけて可愛いとは・・・」
「これさ、舞によっかかられてるの、千聖なんだよね」
「・・・ふーん」
143 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 17:38:09.79 0
別にそれぐらい、私だって・・・と思ったけれど、余計な事は言わぬが花。
顔を綻ばせる我が親友の、次の言動を待ってラテを啜る。
「これさ、あいりんが撮ってくれたんだよねぇ。
舞と千聖、お似合いだって言ってくれたよ!もう付き合っちゃえば?だってさ。てか付き合(ry」
それは・・・たぶん、舞美ちゃんと“そういうアレ”をするなという、黒愛理さんからの警告なのではないでしょうか。
2人ともバk・・・いや、天然気味なところがあるので、バレてないと思ってるみたいだけれど、結構スタッフさんたちへのフォローとか大変なんですよ、私たち。舞は拗ねて絶対協力してくれないし。
「千聖はどうしたいの?」
「ん?」
「舞と付き合うの?」
まあ、ちょうどいい機会だから、少し突っ込んだ話もしてみるか。
幸い、店内には私たち以外誰もいない。半個室みたいな構造の席だから、ナイショ話にはもってこいだ。
無邪気で隠し事のできないタイプ。
千聖はそんな風に思われがちだけれど、実際は少し違う気がする。
聞けば何でも答えてくれるタイプではあるけれど、・・・そもそも、聞かれたくないことは“質問させない”。
言葉を介さずに、そういう魔法のような事をやってのける。だから、聞きたいのに聞けないことって、何気にたくさんあったりする。
「舞と付き合うならさ、・・・舞美ちゃんの、あれはどうするの」
「あー・・・それ、聞いちゃうんだ」
案の定、そういう質問は受け付けていなかったらしい。
でも、怒るほどでもないと思ったのか、しばらく考えてから千聖は口を開いた。
144 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 17:38:26.21 0
「ぶっちゃけ、よくわかんない」
「そっか」
「千聖はさ、舞美ちゃんのこと好きだよ。
でも、お嬢様のときの自分が、舞美ちゃんを好きだって言うのとは違う意味だと思う。言ってることわかる?」
「うん。たぶん。」
そう答えると、千聖は少し安心したように笑った。
「もちろん、お嬢様のときの千聖も、自分自身には違いないし・・・そういうことしてる最中に、いきなりこっちの千聖に“戻った”時は、舞美ちゃんを見てると、嬉しいような泣きたいよう気持ちになるの。えりかのときもそうだった。
これは、お嬢様の千聖の気持ちが、千聖の中に残っているからなんだろうね」
「難しいね・・・」
「だけど、いつかはやめなきゃならないってわかってるし。舞美ちゃん優しいから、受け入れてくれてるけど、多分、千聖たちのやってることは間違ってる。
こういうのは、簡単にしていいことじゃない。んー、でも、お嬢様の千聖にとっては簡単じゃなかったのかな・・・いや、だけど・・・
あたしの言ってること、おかしいかな?なっきぃ」
千聖は黒目がちな目で、私をじっと見た。
今まであまり口にしていなかったことだから、その分思いは胸の中で燻っていたようで・・・千聖はほっぺたを紅潮させて、その気持ちを一気に放出してくれた。
「・・・ううん、おかしくないよ早貴もそれでいいと思う」
だから、私も千聖をまっすぐに見返した。
「本当?あー、なんかなっきぃがそう言ってくれると安心するわぁ」
途端に、褒められた犬みたいに表情を緩める千聖。・・・もう、この笑顔にだまされちゃうんだよなあ、しょうがない奴め。
「・・・舞のことなんだけどね」
145 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 17:38:44.28 0
飲みかけのスムージーをシャリシャリと崩しながら、千聖は唐突に話題を変えてきた。
「さっきも行ったけど、最近、舞が可愛くてたまらん」
「あー、ラブラブ期なんじゃね?ちさまい、いっつもラブラブとぎすぎす繰り返してんじゃん」
「ま、そうなんだけど。今までよりより可愛く感じるんだよね。何か、めっちゃ甘えてくる」
でへへと頭を掻く千聖。完全に彼女自慢じゃないですか。むしろ、え?付き合ってなかったんですか?という逆方向の疑問を持つ人まで出てきそうなノロケだ。
「レッスンの休憩中とかさ、千聖がちょっとどっか行って戻ってくると、怒るんだよ。舞に言わないでいなくなんないでよ!とかいって。
あと、お昼の買い物も絶対ついてくるし。あと、千聖のね・・・」
延々と続くノロケを聞き流しながら、私は昨日、舞に言われたことを思い出していた。
“最近、ちしゃとがかわいくてたまらんのよ”
――こぉんの、似た者コンビが!アホか!やってられんわ!仲間に入れろ!三馬鹿だろうが!
「きぃてんのかよ、ギョカイ!」
「へいへい、聞いてますって」
――そして、あのとき舞はこうも言っていた。
「舞はハワイで、大人になる予定でしゅ。なっちゃん、もちろん協力してくれるよね?」
146 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 17:38:59.76 0
そう。
数日後に控えた、ファンクラブイベント。その開催地であるハワイで、舞は何か恐ろしいことを考えているようなのだった。
大人になるって何?大人になるって、難しい!大人ならばジリリキテテも泣かないの?大人より率直にたくさん恋できちゃう感じ?
いつだったか、舞が千聖に手錠をかけて、わいせつな行為を働いた事件を思い出した。
恐らく、千聖は私がそのことを知っている、ということを知らないだろう。
だから今、舞の企みについて言及するのは難しいんだけれど・・・三馬鹿のリーダーとして、ノーモア痴漢行為は絶対的な目標なのである(ケロキュフッ)
これは、舞とも一度きっちり話さなければ・・・と、マシンガンのように語り続ける千聖を見ながら、ぼんやり思ったのだった。
147 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 17:39:14.25 0
今日はここまで
今回のは半選択小説のような形にしてみたいのですが
舞様のお望みになっている組み合わせを選んでいただけたらと思います
舞様のターゲットは
A.リ ・一・リ
B.リ*・一・リ
舞様のお望みは
1. まいがちしゃとをムフフフ
2. ちしゃとが舞をムフフフ
というわけでアルファベットと数字を組み合わせて御意見いただけるとうれしいです
レスのほう遅れててすみません・・・できたら今週末には!
148 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 81.9 %】 :2012/04/06(金) 18:42:41.97 P BE:3442032-PLT(12001)
チン師匠乙です
久しぶりに師匠の変態モード炸裂でせうかw
舞様としては3年前の誕生日の続きを何としてもと思っているでしょうから
ここはやはりB-1しかないかなあ
149 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 20:25:01.95 0
チンプイさんおつです
久しぶりの直球ちさまいの予感がいいですね
150 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 22:25:00.15 0
t
151 :
名無し募集中。。。:2012/04/06(金) 22:25:43.91 0
忙しそうですね乙です
A-1がいいかなあ
152 :
名無し募集中。。。:2012/04/07(土) 00:06:03.62 0
お嬢様おやすみなさい
153 :
名無し募集中。。。:2012/04/07(土) 01:40:02.70 O
A-2に1票
154 :
名無し募集中。。。:2012/04/07(土) 06:49:46.86 O
お嬢様おはようございます
155 :
名無し募集中。。。:2012/04/07(土) 08:17:19.00 0
156 :
名無し募集中。。。:2012/04/07(土) 11:10:35.74 0
B-2に1票
こっちのほうが想像がつかなくておもしろそう
157 :
名無し募集中。。。:2012/04/07(土) 14:53:15.31 O
いつもリクエストできない
どれでも面白そうだからw
158 :
名無し募集中。。。:2012/04/07(土) 14:53:31.32 O
昼下がりのお嬢様
159 :
名無し募集中。。。:2012/04/07(土) 17:25:34.87 0
160 :
名無し募集中。。。:2012/04/07(土) 19:30:45.24 0
ちさまい楽しみ
161 :
名無し募集中。。。:2012/04/07(土) 20:39:13.58 0
岡井ちゃん昨日舞美の部屋で寝たんか
このスレまた先行したな
162 :
名無し募集中。。。:2012/04/07(土) 22:28:03.74 O
予言者チンブイさん
163 :
名無し募集中。。。:2012/04/07(土) 22:48:08.47 0
从・ゥ・从<ぐひょひょ
164 :
名無し募集中。。。:2012/04/07(土) 22:58:48.63 0
舞様の怒りが有頂天に
165 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 83.8 %】 :2012/04/08(日) 00:23:08.91 P BE:16061647-PLT(12001)
今頃舞様はお嬢様に…
166 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 02:08:55.51 0
お嬢様おやすみなさい
167 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 08:40:41.99 0
おはようございますお嬢様
168 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 11:58:19.87 O
お嬢様お昼にございます
169 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 12:17:45.73 0
小説のリクエストが綺麗に割れてるな
全組み合わせに1票ずつとかw
170 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 14:06:15.41 0
いまさらだがAとBの違いはなに?
Aが通常ちさとでBがお嬢様ちさとで良いのかな
171 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 14:07:46.72 0
それでいいと思う
*が付くとそれがお嬢様千聖を表現しているはず
172 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 15:06:55.33 0
どうもありがとう
ではB-1に1票
ここは舞様にとことんがんばってもらおう
173 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 17:24:05.78 O
間もなくちびまる子のお時間でございますお嬢様
174 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 18:59:10.77 0
>>81 学校帰りの夕方。
僕の行く手の向こうから寮生の方が一人歩いてくるのが見えた。
やって来たのは、栞菜ちゃんだった。
またこの人か。
なんか絡まれたら嫌だから、関わらないようにしようっと。
その栞菜ちゃん、いい遊び相手を見つけたと言わんばかりの表情を浮かべている。
僕を見てニヤニヤするのはやめてくれとゆいたい。
そんな彼女と目線を合わさないように、僕はそのまま静かに通り過ぎようとした。
「おいおい、何だよ、そんな露骨に避けて行こうとするなよ、オメー」
本当にガラが悪いな。善良な一般生徒に絡んでくるヤンキーとしか思えない。
今日は何の用だって言うんだ。
また僕に何か難癖をつけてくるつもりなのだろうか。
「何だよ、その何か言いたそうな顔は」
「別に。何も思ったりしていないです」
つとめて頭と心を空っぽに保って、彼女に対応する。
そんな僕に栞菜ちゃんが苦笑する。
「そう警戒するなって。ちょっとからかってみただけだかんな」
栞菜ちゃん、かわいいのに。
どうしてその外見を素直に生かさないんだろう、この人は。
苦笑して僕を見る彼女に対して、ちょっと心を許しそうになるが、油断は禁物、馴れ合い厳禁だ。
栞菜ちゃんが一筋縄でいくような子ではないというのは、僕は嫌というほど思い知らされている。
175 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 19:02:15.85 0
>>174 栞菜ちゃんを前にして緊張を強いられていると、そこにまた学園生が2人歩いてきた。
他の人が来たことで栞菜ちゃんの僕いじりもひとまず終わりになったようだ。助かった。
やってきたのは、お嬢様となかさきちゃん。
その2人を見て、僕の心は一気に浮き立った。
「なんだオメー、急にウキウキとした様子になりやがって。失礼だろこの
「お嬢様、なかさきちゃん!こんにちは!!」
「ウフフ、ごきげんよう、ももちゃんさん」
いけね。つい高まってお嬢様にも声を掛けたりしてしまったが、まずかったかな。
お嬢様の横にいるのは規律を重んじる風紀委員長さんだもん。
そっとなかさきちゃんの様子を伺ってみる。
だが、僕がお嬢様に声を掛けたことに対して、なかさきちゃんの表情が特に険しくなるということはなかった。
周りにそれを見ている他の生徒などが誰もいないというのも僕に幸いしたようだ。
これは幸運の女神が僕に微笑んでくれたのだろうか。
176 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 19:04:06.02 0
>>175 さすがにまだにっこりとした笑顔を僕に向けてくれるってところまではいかないけれど。
でも、とりあえず今までのような露骨に嫌悪感を示されることはなくなったようだ。
ついになかさきちゃん、僕のことを認めてくれたのかな。とても嬉しい。
そんな彼女に、つい調子に乗って馴れ馴れしく話しかけたりしそうになるが、さすがにまだそれは控えないと。
うん、あまり調子に乗らないように、もうしばらくは注意しないとな。
優等生の彼女の確固たる信頼をもっと勝ち取るためにも。
そんななかさきちゃんに改めて会釈をすると、僕の会釈になかさきちゃんは軽く表情を緩めてくれた。
そのなかさきちゃんの表情!
いやー、かわいい。たまらないですね。
口角がキュッと上がったその表情。そしてまた、目がいいんだよな。この大きな黒目。
本当にかわいいなー、なかさきちゃん。
僕の目の前には2人の美少女。
僕はその2人、千聖お嬢様となかさきちゃんにすっかり見とれていた。 (おいコラ、テメーひとり忘れてるかんな)
変なテレパシーのようなものが感じられるが、いま僕はとても気力が充実した状態になっていたので、そんなものはサクッとシカトする。
177 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 19:05:01.55 0
>>176 そのときだった。
僕のケイタイがメロディーを奏でた。
♪なんか変だな 君ばっかり目で追ってる なんで なんだ♪
この着メロ、熊井ちゃんからの電話だ。
ケイタイを開くと、そこには“着信:熊井友理奈”の文字。
「あ、熊井ちゃんからだ」
・・・僕もバカだな。
かけてきた相手のその名前をわざわざ口に出すことは無かっただろ。
案の定、僕の前にいる3人の視線が一斉に僕のケイタイに注がれる。
そんなに注目されている前で通話するとか、これは何とも気恥ずかしい。
しかし、タイミング悪いなあ熊井ちゃん。
栞菜ちゃんやなかさきちゃんがいるこの瞬間に電話してくるなんて。
僕を窮地に陥れるために、わざとやってるんじゃないかと思うぐらいだよ。
178 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 19:06:06.41 0
>>177 なかさきちゃんも栞ちゃんも、そしてお嬢様も、僕のその電話に注目してしまっている。
そんな空気の中での、熊井ちゃんとの通話。これはさすがにちょっと恥ずかしい。
なんとなく、もう片方の手で口元を隠したりしてコソコソした感じになってしまう。
「もしもし、熊井ちゃん? え?何だって!?」 (あのね、下の弟がねー、リフティング本当に100回出来ちゃったんだよ)
「出来ちゃったって・・・ それ本当に間違いないの?」 (間違いないよ。うちがちゃんと数えてたもん)
「あのとき僕とした・・・あの1回だけで?」 (そうだよ。あのとき弟に教えてくれたあの1回だけで。うちの弟は覚えがいいみたい)
「まさか、そんな、信じられない・・・」 (それでさー、100回出来たらラーメンおごってあげるって言ってたよね。もちろんうちも行くからね)
「今の僕じゃあ、それは経済的に・・・ でも何とかするから!」 (もう弟がその気になって待ってるんだから。男に二言は無いよねー)
「僕はそんないい加減な男じゃないよ!責任はちゃんと取るから。あとで熊井ちゃんの家に伺います」 (OK。あと梨沙子も誘ってみようかー)
「うん、わかった。じゃあ、また後でね」
熊井ちゃんからの電話を切る。
・・・まいったな。
まさか本当にいきなりリフティング100回も出来るなんて。
今月は小遣いも残り少ないっていうのに・・・弟熊君とは約束だからもちろん奢ってあげるけどさ。
なんで熊井ちゃんや梨沙子ちゃんの分まで奢らされるんだよ・・・トホホ。
179 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 19:07:21.17 0
>>178 ため息をつきそうになってしまったが、かろうじてそれは抑えた。
それでも口から軽く息が漏れてしまった。
そして、思わず閉じたケイタイを見つめてしまう。
その時、僕に対する突き刺さるような鋭い視線を感じた。
ん?なんだ?
顔を上げると、なかさきちゃんと栞菜ちゃんがとても怖い表情で僕を見ているんだけど。
怖い表情っていうか、何そのとてつもないショックを受けたような驚愕の表情は?
場の雰囲気がさっきまでの柔らかな空気とは一変している。
2人とも急にどうしたっていうんだろう。
お嬢様だけは一人変わらず穏やかな微笑みを浮かべていらっしゃるけど。
「いつの間にそんな関係に・・・ 出来ちゃったって、どうするんだよオメー学校は辞めて働くのか?」
「ゆりなちゃん・・・ キュキュキュ・・・」
「ウフフ??」
「男って奴はこれだから。言いたいことはたくさんあるけど、もう今更言ってもしょうがない。こうなった以上は熊井ちゃんを幸せにしてやれよ」
栞菜ちゃんは意味不明のこと言ってるし、なかさきちゃんに至っては言葉にもなっていない。
お嬢様だけが穏やかな微笑みを静かに浮かべつつ、引きつった顔の2人を小首を傾げながら不思議そうに見ている。
なんだって言うんだ。
ああ、そうか。
ひょっとして、僕が熊井ちゃんと電話をするような仲だっていうことにそんなに驚いてるんじゃあるまいな。
おおげさだなあ、電話ぐらいで。
180 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 19:08:46.35 0
>>179 そんな僕に栞菜ちゃんが妙に真剣な顔つきで話しかけてきた。
その表情は、いつものあの人を小馬鹿にしたいやらしい感じではなく、栞菜ちゃんはこんな顔も出来るんだなと思うぐらいの真面目顔だった。無駄に凛々しいな。
「まあ、これからいろいろ大変だと思うけど、しっかりやれよ。もう一人だけのことじゃないんだから」
何を言っているのだろう?
状況が飲み込めない。
そこに今度はなかさきちゃんの搾り出すような声が僕の耳に入ってきた。
「よ、よ、よくもそんな・・・ 舞ちゃんのことは嘘だったの? さ、最低・・・」
「なっきぃ、気持ちは分かるけど今となっては過去よりも未来のことを考えるべきだかんな」
「栞ちゃん・・・」
「おい、これからはもう遊びじゃないんだ。何かあったら自分一人で悩まないで相談しろよ。出来る限りのことはしてやるかんな」
ますます意味不明。なんなんだ・・・?
でも、よくわからないが栞菜ちゃんには励まされているようだ。ありがとうございます。
なおも僕に何かを言いたそうにしているなかさきちゃん。
栞菜ちゃんが、そんななかさきちゃんの肩に手を掛けた。
そんな栞菜ちゃんは真剣な顔で僕を見ている。本当に無駄に凛々しい顔だ。
お嬢様だけはさっきから一人変わらず穏かな微笑み。
「はやく熊井ちゃんのところに行ってあげろよ。女子の方がずっと不安なんだろうから」
状況がつかめず唖然としている僕に対して、そういい残した栞菜ちゃん達は去っていった。
181 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 19:09:58.14 0
>>180 行ってしまった。
訳の分からない励まし(?)や忠告まで頂いて。
何だったんだろう。
訳が分からず彼女たちの後ろ姿を見つめていたら、なかさきちゃんがひとり戻ってきた。
彼女が一人で僕に?
わざわざ戻ってきたりして、いったい何だろう?
まだ何かあるのかな。
僕の前まで戻ってきたなかさきちゃんは、キッとした目付きで真正面から僕を睨みつけて、こう言った。
「やっぱり許せない・・・ 絶対に許さないから!!」
何を言ってるんだろう。
許さない!って言われても、何のことだか僕にはさっぱり・・・
そんなことを言われてとまどっていたら、いきなり頬に衝撃を受けた。
ひっぱたかれた・・・ なかさきちゃんに。
・・・・・なんで?
182 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 19:11:05.93 0
>>181 目の前のなかさきちゃんは涙目だった。
「友理奈ちゃん・・・・」
そんな彼女がつぶやくように言った言葉。
僕にはその意味が全く分からなかった。
さっきからの突然の展開に、僕の心は混乱するばかり。
踵を返し足早に去っていく彼女。
それを見ながら、呆然と立ち尽くしてしまう。
打たれた頬が、ひたすら痛かった。
* * * *
翌日、登校したなっきぃと栞菜が教室で見たのは、お腹をさすっている熊井ちゃんの姿。
ますます引きつる2人の顔。
州*‘ o‘リ<昨日はよく食べたねー。熊井ちゃん替え玉頼みすぎだよ。
川*^∇^)||<だって梨沙子が次々替え玉頼むからさー、うちもつられて頼んじゃうんだよね。どうせ全部奢りだし。あははは
183 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 19:37:15.46 0
男はやっぱり不潔だケロ
前回せっかく聖ちゃんのお陰で風紀委員長から普通の目で見てもらえるようになるのかと思いきや
なっきぃと少年は、どうやら永遠に分かり合えない運命が定められているようですw
>>83 舞様と桃ちゃんの2人、お嬢様のことを思う気持ちに関してはお互いを認めてリスペクトしているんでしょう
この2人はお嬢様のことを思う気持ちに関しては、数多いるお嬢様思いの人達の中でも群を抜いているのでしょうから
しかし、この大物2人にそういう気持ちを抱かせるお嬢様!何と言うかさすが俺の嫁だかんな!
>>104 チンプイさん忙しいのに乙です!
かりんちゃんの告白に貰い泣きしてしまいます
自分を責めるかりんちゃんの言葉が涙腺を刺激してくる・・・
そしてそれを真正面から受け止めて包み込むお嬢様の愛情にまた
礼拝堂という場所で広がるそんなシーンが胸に響いて感動してしまいました
すると、舞様に、遥ちゃんに聖ちゃん(狭い譜面台の下で2人こもって聞いてたんだw)まで出てきていよいよクライマックスですか
結末がどうなるのか楽しみにしています
(少年)<僕もピーチベアーズから受けているいじめをお嬢様に告白してお嬢様から慰められたい
>>141 ちさまいエ○ネタキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
なっきぃが あ の ビデオを舞様に見せたりしなければ歴史は違うものになっていたかもしれないのに
今回もなっきぃは舞ちゃんから協力することを強制されるとは、今でもそのことで舞様に主導権を握られてるんですねw
連綿と続く壮大なストーリーに胸が熱くなります!
あとひとつ言っておくと、私は何がおころうとも舞様のなさることを全面的に支援します!手錠?置換?全然おk
熊井ちゃんの進学は驚きましたw
少年が進むような大学に大きな熊さんが進学されるとは
これは何か話しが作れるかなと思ってしまったり
184 :
名無し募集中。。。:2012/04/08(日) 22:14:13.87 O
少年作者さんおつですー
185 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 85.2 %】 :2012/04/08(日) 23:20:27.38 P BE:10325636-PLT(12001)
いやもう何か見事すぎる電話ですわ
熊井ちゃんって絶対色んな意味でわざとやってるんじゃなかろうかとw
186 :
名無し募集中。。。:2012/04/09(月) 00:58:50.83 0
お嬢様だけ分かってないんだw
187 :
名無し募集中。。。:2012/04/09(月) 07:10:52.22 0
お嬢様いってまいります
188 :
名無し募集中。。。:2012/04/09(月) 12:01:34.05 O
お昼は寒天でございます
189 :
名無し募集中。。。:2012/04/09(月) 15:20:22.98 O
作者さんおつであります♪
190 :
名無し募集中。。。:2012/04/09(月) 16:52:19.60 0
舞がご機嫌な様子で、ニコニコとメロンソーダに口をつける。
私はというと、今日2回目のメープルラテ。・・・あ、こっちのお店のほうが美味しい。後で、千聖にも教えて・・・
「なっちゃん、それでね、話っていうのは」
「あ、うん」
――最近、舞が可愛くてたまらない。
お昼頃、雑談と買い物のために私を呼び出した千聖から、そう告げられた。
それは別にいいんだけど、先日、舞も同じようなことを言っていたのを思い出した。
しかも、その可愛くてたまらない千聖をああしてこうして、舞は大人になりたいと。
果たして、大人になるというのはどういう意味なのか。そういう意味でいいのか。それってどうなのよ。
そんなわけで、舞から事情聴取をしようと思っていた矢先、当の本人から連絡が来た。
“なっちゃん、夜、ご飯食べない?”と。
そして、今こうして事務所の近くのカフェで顔を突き合わせている、というわけだ。
「なっちゃん。この前も言ったんだけど、舞はちょっと、ちしゃとに対してガチで攻めてくことにしたから」
「・・・そういうの、まだ早くない?舞ちゃんまだ16歳じゃん」
「ハッ。そんなのなっちゃんにだけは言われたくないんだけど。なっちゃんと舞の違いなんて、ソロプレイかダブルプレイかっていう」
「あーあーあー!私の話はいいから!」
誰がカリスマソロプレイヤーやねん!たしかに昨日も、15分以内に華麗なる3戦3勝を果たしたところやけども!
「うわ、3回とか。しかも早っ!舞そういうの何ていうか知ってるよ。そうろu」
「違うから!それ女の子に使う言葉じゃないし。っていうかなんで地の文読めるんですか・・・」
191 :
名無し募集中。。。:2012/04/09(月) 16:52:35.67 0
テンパる私を見てる舞ちゃんは、実に楽しそうだ。
さすが生粋の℃Sっ娘、喜んでいただけたなら何よりでキュフゥ・・・
「まー、もう千聖を怖がらせたりしないで、なんていうの?ちゃんと合意の上で、事に進みたいわけよ、舞としては」
「ふむ」
まあ、それ自体はいい心がけだ。
そういえば、千聖はさっき、舞と交際するのを前向きに考えるようなことを言っていた。
でも、舞が開口一番私に言わないところを見ると、どうやらまだ、千聖は舞本人にはその件について話していないようだ。
千聖は結構、思いつきとノリでとんでもないことを言うタイプだ。今頃はすっかり忘れている可能性もある。
大体、やじーとはもうアレはしないって言ってたけど、どうなんだろうね。
それはあくまで明るい方の千聖の見解であって、お嬢様のほうが、舞美ちゃんに恋心を抱いていたとしたら、かなり複雑な話になるんじゃないだろうか。
「・・・まだ、正式に付き合ってるんじゃないんでしょ?ハワイで大人にって、急ぎすぎじゃない?」
恐る恐る聞いてみると、舞は不思議そうな顔で私を見た。
「こんだけ一緒にいて、舞の気持ちも知ってて拒まないでいるんだから、付き合ってるとみなしていいと思うんだけど。
なっちゃんみたいなソロ活動のお盛んな方にはわからないかな?ふふん」
くっ・・・!
反論したいのはやまやまだけど、いかんせん、おっしゃるとおりでおじゃる。
形はどうであれ、舞は千聖を本気で好きなのはわかるし、千聖も(お嬢様のほうだけど)恋して傷つき、また愛を知り、精神的に成長しているのは間違いない。
192 :
名無し募集中。。。:2012/04/09(月) 16:52:59.08 0
かたや、私が成長してるのは・・・まあ、時間の短縮ですとか、各種器具、オカズのバリエーションなど・・・
キュフフ、みやニー(
http://www43.atwiki.jp/chisato_ojosama/pages/331.html)とか、千聖に知られたときは壊れかかったよね。友情が。
みやびちゃんでそういうのマジでやめてくれる?とかガチなトーンで言われたっけ。使うなら千聖を使えよギョカイ!とか言って、目のまえで豪快にワンピースを脱ぎ捨てたんだった。
でもね、さすがの私も、親友である明るい方の岡さんを単品で使用するのはハードルが高いケロ。ももニーぐらい厳しいものがあるケロ(なんだとー!いい?もぉはねぇ全人類の(ry)。・・・いや、脱線しすぎた。そんなことよりも
「・・・でも、舞って大人だよね。キュフフ」
「ん?」
今日のイジリは少々手荒すぎるだろ。
というわけで、私も微力ながら、反論させていただくことにした。
「だって、今後千聖とそういう関係になるってことはさ、確実に比べられるじゃん。前のオトコ(?)と」
舞の片眉が、ピクッと上がった。お、痛いトコ突かれたらしい。
珍しく主導権を握れそうな展開に、私の声も明るくなっていく。
「んとぉ、早貴の予想だとぉー、えりかちゃんとか超絶テクニシャンって感じだよね!顔からして。
みぃたんも、豪快そうだけど・・・あのイケメンフェイスがあればそのへんはどうにでもなるよね!顔って大事!」
「・・・ふん、舞がブサイクだっていいたいわけ」
「え、違うけどぉ。でも、舞は可愛い系じゃん。可愛がられる側じゃん。あの2人みたいに、お嬢様の千聖を夢中にさせる自信ある?」
少々カミカミながらも、早口でまくし立てると、舞は唇を尖らせた。
193 :
名無し募集中。。。:2012/04/09(月) 16:53:44.24 0
「・・・別に、舞は処○厨ではないので。過去よりも今が大事なんで」
「しょじy・・・舞ちゃん、それはアイドルが言う言葉じゃないケロ」
「おめーにだけは言われたくないけどな」
――ああ、なんてアイドル偏差値の低い会話だろう。いや、それ以前に女子としてどうなのか・・・
「てか、舞は比べられるのなんて、怖くないよ。
だって、好きなんだもん。しょうがないじゃん。惚れたもんの負けでしょ」
だけど、続けて舞の言った言葉はせつなさといじらしさを含んでいて、・・変態と紳士が交互に降臨する、不安定な恋心を感じさせた。
「まー・・・でも、なっちゃんの言ってることはわからなくもないでしゅ。
ちしゃまいはあまりにも距離が近すぎて、今から舞に溺れるっていうのは結構難しいものがあるかと」
「でしょー?大体、やじーやえりかちゃんは、生まれ持ったものが違うんだよ。あの長身に、あの美貌・・・」
「おっと、自虐は本人の前だけにしようぜ」
はー・・・。
私たちは同時にため息をつくと、一旦飲み物に口をつけた。
まあ、私のようなセルフ芸人には、完全に理解できるものではないんだけど・・・。
舞だって、じゅうぶん可愛くて魅力的な女の子だ。だけど、あの2人。長い手足と完璧に整った顔。千聖はおそらく、憧れも込みで恋に落ちていたんじゃないか。そういう観点でも、舞にはなかなか不利な状況と考えられる。
しばらくそのまま、ストローをがじがじ噛んでた舞ちゃんは、ふいに顔をあげてニヤリと笑った。
194 :
名無し募集中。。。:2012/04/09(月) 16:54:17.04 0
「・・・てか、顔でかなわないんだったら、あっちで頑張ればいいんじゃん。テクで」
「おい馬鹿やめろ、なんだその手の動きは」
「なっちゃん、お詳しいんでしょ?そっち系。もちろん、伝授してくれるんだよね?舞に」
お断りします(ケロキュフッ)といいたいところだけど、私も人の子、舞を開花させてしまった責任は感じているし、この眼力に抵抗できるメンタルは持ち合わせていない。
「どうなの、なっちゃん」
「キュフゥ・・・わかったよぅ。でも、本当に、千聖の気持ちを尊重してね。これは約束だよ」
「あったりまえでしょ。言っとくけどね、舞はそのへん、なっちゃんより経験値高いんだから。
なっちゃんは黙って、舞にちしゃとをめろめろにさせる技を教えればいいんでしゅ」
――もう、キュートな顔してなんてこと言うんだ、この覇王様は!
キャッキャと無邪気に舞のかわいさ自慢をしていた千聖と大違いじゃないか。
「ハワイ、楽しみだね、なっちゃん。くふふ。
あ、言っとくけど、あの変な器具(
http://www43.atwiki.jp/chisato_ojosama/pages/420.html)は使わないからね。
道具に頼るのは、2流のやることでしゅ」
へー、じゃあ、舞様は一流の℃変態なんスね。
などといえるはずもなく。
大きな瞳を鈍く光らせて笑う顔を見て、私はため息をつくことしかできなかった。
195 :
名無し募集中。。。:2012/04/09(月) 16:55:06.63 0
今日はここまで
御意見たくさんありがとうございました!
>>169 おっしゃるとおりばっちり割れていて
初の状況でびっくりでした
2票となった組み合わせがありましたので
そちらで今回はやってみようかと思います
ではざっくりですがレスを・・・
>>74 少年作者さん乙です!
ももちゃんの冷静だったり変人だったりのさじ加減が絶妙でw
お嬢様とは別のベクトルで舞様にフランクなんですよね
年下の子のコントロールが上手くて
でも下に見てるわけじゃなく自分も楽しんでいて
だから舞様も給水塔への来訪を許しているのでしょう
それにしても舞様のお心に少しでも少年のことがチラついていたなんて
彼が知ったらまためくるめく妄想ワールドにダイブしそうですねw
>>174 のっけからかんちゃんチンピラw
そして大いなる勘違いとはいえ熊井ちゃんと少年の未来を考え最善策を考えようとする優しさ
共学でもまれてるだけあって対応力を感じました
対照的になっきぃwかわいそうだけどかわゆすww
自分のキャパを超えた出来事で混乱して結果少年だけが悪者にw何もしてないのにw
また熊井ちゃんも処女受胎の神秘がどうのと余計なことを言い出しそうな泥沼感が・・・
舞様の耳に入らないといいですね少年!ぼんやりお嬢様も勘付かないとよいですが・・・続き楽しみにまっております
>>122 一足遅かった・・・!
196 :
名無し募集中。。。:2012/04/09(月) 16:55:25.88 0
>>125,
>>131 小心者なので狼ではここしか書き込まないのです
でもその箇所は好きですw
ちなみに2.26あたりでいつもの癖が出ている部分が一番好きです!ペロリンチョ!
あと今回は出だしからキリッと声が出ていて成長を感じました(上から目線で・・・)
いつも後半がぐいぐい良くなる印象だったので安定感があって染みるものがありました
お誕生日の皆様に熊井ちゃんまさかの進学先wもろもろおめでとうございます!
なんとなく学園的にも熊井ちゃんはよその大学へ進みそうだなあと思っていたところです
いつ何時も楽しそうな大きな熊さんが大学生活をエンジョイされますように・・・
197 :
名無し募集中。。。:2012/04/09(月) 17:15:29.77 0
書き忘れ・・・
>>125のちさとの歌に関して
何となくゴマキを思い出したのです
特に似てるわけではないのですが
それで最近ちさとのソロ楽曲に後藤さん曲が割り振られているわけが感覚的にわかったような
だからなんだというわけでもないのですがw何かを掴みかけたということでつぶやいてみました
198 :
名無し募集中。。。:2012/04/09(月) 19:20:49.58 O
少年って不潔だな
199 :
名無し募集中。。。:2012/04/09(月) 21:53:47.07 O
なっきぃって℃変態なのかもしれない
200 :
名無し募集中。。。:2012/04/09(月) 22:26:10.91 0
× なっきぃって℃変態なのかもしれない
○ なっきぃは℃変態です
201 :
名無し募集中。。。:2012/04/10(火) 00:28:35.78 O
そうなんだ・・
202 :
名無し募集中。。。:2012/04/10(火) 07:10:48.32 0
お嬢様いってまいります
203 :
名無し募集中。。。:2012/04/10(火) 11:37:39.11 O
今日は暑いくらいですねお嬢様
204 :
名無し募集中。。。:2012/04/10(火) 14:54:13.34 O
おやつのお時間ですお嬢様
205 :
名無し募集中。。。:2012/04/10(火) 17:54:25.09 O
舞様支援あげ
206 :
名無し募集中。。。:2012/04/10(火) 20:02:23.17 0
仮定の話しをしてもしょうがないが
今でも栞菜がいたらやっぱり℃変態さを競い合ってたんだろうか
207 :
名無し募集中。。。:2012/04/10(火) 21:58:19.84 O
多分そうだろうなw
208 :
名無し募集中。。。:2012/04/10(火) 23:23:04.31 0
209 :
名無し募集中。。。:2012/04/11(水) 00:14:12.26 O
姉妹校の前生徒会長の真野さんお誕生日おめでとうございます
210 :
名無し募集中。。。:2012/04/11(水) 05:16:44.58 0
t
211 :
名無し募集中。。。:2012/04/11(水) 07:14:17.38 0
お嬢様いってまいります
212 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 83.2 %】 :2012/04/11(水) 12:09:11.83 P BE:12046537-PLT(12001)
お嬢様
舞様の暴走には
くれぐれもお気を付けて
213 :
名無し募集中。。。:2012/04/11(水) 15:28:06.82 O
おやつにしましょうお嬢様
214 :
名無し募集中。。。:2012/04/11(水) 18:44:44.12 O
もう夕食時ですねお嬢様
215 :
名無し募集中。。。:2012/04/11(水) 19:55:39.76 O
デザートのお時間ですお時間
216 :
名無し募集中。。。:2012/04/11(水) 20:27:00.14 0
217 :
名無し募集中。。。:2012/04/11(水) 22:07:17.59 0
舞様期待あげ
218 :
名無し募集中。。。:2012/04/11(水) 22:48:24.78 0
岡井さんまた舞美の部屋へ・・・
219 :
名無し募集中。。。:2012/04/12(木) 00:05:20.87 0
あいりんおたおめ!!
220 :
名無し募集中。。。:2012/04/12(木) 03:56:00.41 0
t
221 :
名無し募集中。。。:2012/04/12(木) 07:19:44.08 0
お嬢様いってまいります
222 :
名無し募集中。。。:2012/04/12(木) 10:52:19.71 O
いいお天気ですお嬢様
223 :
名無し募集中。。。:2012/04/12(木) 12:24:54.06 0
おひるですよお嬢様
224 :
名無し募集中。。。:2012/04/12(木) 15:06:27.60 O
おやつのお時間ですお嬢様
225 :
名無し募集中。。。:2012/04/12(木) 17:52:43.37 O
冠二郎を久々に見ましたよお嬢様
226 :
名無し募集中。。。:2012/04/12(木) 18:52:51.12 0
こんばんは作者です
本日は時間が取れなかったため恒例保全ネタのあれです
227 :
名無し募集中。。。:2012/04/12(木) 18:53:14.30 0
5:00 「朝ですよぉ〜遅刻しちゃいますよぉ〜ケッケッケ」
僕の天使に耳元で愛を囁かれ、心臓と胃を抑えながら飛び起きる。・・・今日もありがとう、有萩特製・愛理ちゃん痛目覚まし時計。
使用しているのがバレたら、人生ごと終了が確定しているため、ずいぶんと寝起きがよくなった。
しかし・・・かわいらしいお声だ。せっかくなのでもう1回(ry
5:15
執事とメイド有志で結成した、筋トレ部の朝トレ。
腕立て6回でヘバる僕を横目に、夢羅神様が余裕の指立てふせ。
みやびを変なやつから守るためには、これぐらい余裕とのこと。
みやびさん?彼氏かな。守るってことは、きっと神とは対照的にガリ男くんなんだろうな。ぷぷっ
6:00
玄関を覗き込む不審者。
ロココ調豪華ドレスにママチャリ、ヘビを数匹首に巻きつけた色白の女性が、「散歩がてら、ちーちゃんに会いにきたの」などとのたまう。
丁重にお断りすると、僕のことをジロジロみて「んー、まあ、24点ぐらいかな」とつぶやいて去っていった。
リアルな採点にしばし胃痛。
7:30
朝食準備。
僕がふんわり焼き上げた玉子焼を、萩原さんがほめてくれた。
「ふん、これめっちゃおいしいでしゅよ。この(自主規制)が。おかわりあるの?あーがとごじゃいましゅ。この(自主規制)が」
褒めながら罵倒するという新しい技を会得なさったようで、天国と地獄を交互に味わう。
8:20
見てしまった・・・噂の中島さん一人ライブ。
「キュフフッ、パーティーはまだまだこれからだよぉっ(ケロキュフッ)」
青いミニハタキをふりかざし、なっきぃコールをするという自演っぷり・・・。
いたたまれず「青サイがいちばん多いですよぉお」と声援を送ると、露出魔でもみたかのような大絶叫。
なっきぃかわいそうでしゅー、あやまんなさいよー、なっきぃをいじめてはだめよ。
女子の一体感の恐ろしさを味わう。
228 :
名無し募集中。。。:2012/04/12(木) 18:53:44.51 0
10:30
休憩中。
ネットショップの購入履歴を確認したところ、“素人美少女写真集全12巻”“プレミア受注生産ポッチャマ特大ぬいぐるみ×20”との表示が・・・。
くっ・・・、やはり、パスワードがairichan-meccha-kawaiidesuじゃバレバレというわけか。
僕が注文した“初めての盆栽入門DVD”は、当然のようにキャンセルされていた。
11:40
カメラデータを整理していたところ、夏に撮った皆さんの水着写真が・・・。
鈴木さんのお写真は緊張でぶれてる上に、首から下しか撮れていないと言う盗撮犯仕様で、お嬢様のお写真は・・・あのそのそんなつもりはなかったのですが、つまり、ですから男というのはですね(ry
ちなみにはぐれ(ryのお二人の写真は、8割がたメンチ切っていて、モニター越しにすさまじい威圧感を感じた。
14:00
今日はさほど注意も受けず、概ね平和な時間が過ぎているなあ。
と思っていたら、臀部にものすごい衝撃。
「おい、遊ぼうぜショボメガネ!ねーちゃんいなくてつまんねーし!お前でいいや」
え?しょしょしょぼメガネって・・・それ僕のあだなですか?しどい!
空翼おぼっちゃまは“太鼓の達人”ごっこをやりたいらしい。
わかりました、それではゲーム機の準備を・・・
「は?俺がバチでショボメガネが太鼓本体だから。音楽はつえーメイドな。よっしゃいくぞ(ry」
ご指名を受けた神が、無駄にいい声で♪まっさらぴんの〜と歌いだす。
え?何だって?太鼓本体ってつまり僕がボコられうわやめろなにをする
15:40
よれよれになった僕を、あしょぼ、と引き止めたのはみおんお嬢様。
今度は何を・・・と身構えたところ、おままごとをしたい、とのこと。
平和キター!と喜んでいると、「みおんは、よめしゅうとめもんだいになやむしゅふ。めぐうは、おっとにいいよるみぼうじん。しつじたんは、おにわのき」
あ・・・庭の木、ですか。僕夫の役じゃないんですね。っていうか、何その泥沼設定。最近の幼稚園児ワロタw
ワロタ・・・
229 :
名無し募集中。。。:2012/04/12(木) 18:54:18.68 0
17:30
学校から帰ってきたお嬢様、ロビーのソファでお眠りになっている。
ぷくぷくのほっぺたと、よく動く口元が愛らしいフヒヒ
寝冷えしないよう、毛布をかけて差し上げたいが、若い執事は緊急自体以外はお嬢様に触れてはいけない。
どこにも触らず、うまく体をお包みしようと奮闘していると、全力疾走で後ろを通ろうとした矢島さんに思いっきりタックルを食らう。
不可抗力でお嬢様に覆いかぶさる僕。響き渡る悲鳴。集まるSPの皆さん。私がそそのかしたんです、と間違った言葉でかばってくれる矢島さん。そして、業務終了の時刻を告げるアラームが、むなしく鳴り響いた・・・
230 :
名無し募集中。。。:2012/04/12(木) 18:55:00.79 0
(執△事)<
今日はここまで
明日ちさまい進めます!
231 :
名無し募集中。。。:2012/04/12(木) 19:06:18.21 O
作者さんおつであります
ちさまい楽しみだー( ゚∀゚)o彡°
232 :
名無し募集中。。。:2012/04/12(木) 20:28:28.73 O
宵の口とお嬢さま
233 :
名無し募集中。。。:2012/04/12(木) 22:20:05.28 0
おつです
痛時計一個のために萩有にいったいいくら巻き上げられたんだろうw
愛しの愛理ちゃんの誕生日、執事さん今日は張り切ってお菓子でも手作りしたんでしょうか
234 :
名無し募集中。。。:2012/04/13(金) 00:22:37.05 O
作者さん乙です
面白過ぎるw
桜田通くん主演で映像化してほしいですw
235 :
名無し募集中。。。:2012/04/13(金) 01:55:58.02 O
おやすみなさいお嬢様
236 :
名無し募集中。。。:2012/04/13(金) 07:05:29.08 0
お嬢様いってまいります
237 :
名無し募集中。。。:2012/04/13(金) 10:29:52.87 0
お嬢様朝のおやつはいかがですか
238 :
名無し募集中。。。:2012/04/13(金) 15:17:10.77 O
鈴木さんには特製タルト執事スペシャルをどうぞ
239 :
名無し募集中。。。:2012/04/13(金) 15:21:27.13 0
ここちさまいスレより人いないんだw
もう避難所でやればいいのに
無理やり保全してるだけだろ
240 :
名無し募集中。。。:2012/04/13(金) 15:36:43.76 O
从・ゥ・从<首から下しか写ってなくても誰だかすぐわかるねw
241 :
名無し募集中。。。:2012/04/13(金) 18:19:58.15 O
晩御飯のお時間ですお嬢様
242 :
名無し募集中。。。:2012/04/13(金) 20:03:18.79 0
13日の金曜日ですねお嬢様
243 :
名無し募集中。。。:2012/04/13(金) 21:44:20.80 0
244 :
名無し募集中。。。:2012/04/13(金) 23:49:36.24 O
若執事大興奮
245 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 00:27:00.35 0
待ちに待った、ハワイ出発の日。
集合場所の、事務所の送迎バス乗り場へ駆け足で向かうと、そこにはすでに、人影があった。
「おはよー、ケッケッケ」
「あら、愛理。ごきげんよう。ウフフ」
つばの広い女優帽をかぶって、ノースリーブのワンピースの上にストールを合わせた千聖。帽子の上にはサングラス。
まだ寒い日本にいるっていうのに、その格好は完全にハワイセレブ仕様で・・・いかに、千聖がこのハワイでのイベントを心待ちにしていたかを現しているようだった。
「私、楽しみにしすぎていたのか、昨日はあまり寝られなかったの。
やっと寝付けたかと思ったら、今度は早くに目が覚めてしまって。
ウフフ、でも、遅刻をしなかったから、よかったのかもしれないわ」
「ケッケッケ、わかるよー。私もそうだよ。
小学生のときの、遠足のテンションだよねぇ」
嬉しそうに目を細める千聖。
なんだか久しぶりに、2人きりで話したような気がする。
明るい千聖は基本、舞やなっきぃと一緒にいることが多いし、お嬢様は舞ちゃんが独占しているか、なんとも言えない茫洋とした表情で、何かを考え込んでいることが多い。
私はお嬢様の千聖とは似たところがあるから、わかるけれど、千聖には一人になる時間が必要で、そういう時間を愛しているのだと思う。
だから、千聖が舞たちと思いっきり戯れたその後で、私がさらに絡んで行っていいものなのか、どうも躊躇してしまう。
明るい千聖相手だと、ついブラックちゃんを降臨させて接してしまうけれど、お嬢様なら優しくできる自信があるんだけどね。
それに、聞きたい事はやまほどある。
えりかちゃんのこと、舞美ちゃんのこと、舞とのこと。
こんな機会じゃなきゃ、聞けないのかもしれない。
246 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 00:28:21.69 0
「ねえ、ちさ・・・」
「おはよう、千聖。おはよう、愛理」
――だけど、神様はイジワルね。
私たちをそうそう2人きりにはさせてくれないようだった。
「おはよう、舞ちゃん」
「舞さん、ごきげんよう」
小走りでこちらへ向かってきて、ぴょんと足をそろえて着地したのは、ちょうど私の脳裏をよぎった張本人だった。
んー・・・なかなか上手くいかないものだ。
「今日の服、すごく可愛いよ、千聖」
「まあ、嬉しいわ。ありがとう、舞さん」
「サングラスも似合ってる。イヤリング、キラキラしてるね」
おお・・・なんか、舞ちゃんがかっこいい。
いつものキャッキャした感じじゃなくて、あえて落ち着いてみせているというか。
どうやら、作戦を変えてきたらしい。
「ケッケッケ」
「ん?どうしたのかな、愛理ちゃん」
「いえいえ、なんでもござらぬ」
舞ちゃんが最近、これまで以上に千聖に熱を上げているのは見ていてわかっていた。
焦っている。そういう風にも感じていた。
恐らく、私の勘が当たっていれば、ようするに、もう1歩進んだ関係になりたがっているのだと思う。
ふわふわとつかみ所のない、お嬢様の千聖の心をつなぎとめられるよう、今はいろいろ模索中なのかもしれない。
247 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 00:29:28.62 0
「荷物、もうバスに積んじゃおう?
ちしゃとのは舞がやるからね」
千聖の返事も待たずに、舞は2人分のカートをゴロゴロとひいていく。
ちょっとよろけ気味なのは御愛嬌。すました顔しちゃって、ついでに私のもお願いしたかったなー、なんて。ケッケッケ
「舞さんたら、そんなにお気遣いいただかなくても・・・ああ、それでは、愛理のは二人で運びましょう」
カートのレバーを握る私の手に、千聖の手が重なる。
「ウフフ、かえって動かしづらいかしら?」
「よーし、それじゃ、歩調をあわせよっか。せーの、1・2・1・2・・・」
荷物を挟んで手だけつないだまま、2人で号令を出し合って進む。
そうこうしているうちに、カートを積み終わった舞がこちらへ引き返してきて、私たちの姿を見るや、鬼のような形相に変わる。
――ケッケッケ、このお顔が見たかった、なんて言ったら怒られちゃうかな。
やきもちやいてる時の舞の顔って、ほんと可愛いんだもん。
「・・・あー、そっかそっか」
だけど、その恐ろしい表情も、そう長くは続かなかった。
目は恐ろしいまでに爛々と光らせつつも、舞は無理やりほっぺを歪ませて微笑を作った。
「どーも、舞気がきかなくて。
愛理ちゃんのお荷物も、持っていってあげるべきでしゅた」
私と千聖の手の上にガシッと手を置くと、丁寧に指を一本ずつ剥がしていく。
248 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 00:30:16.48 0
「これも舞が持っていくからね。ちさあいちゃんは、ハワイの話をしているといいと思いましゅ。
どうぞごゆっくり」
おお、頑張ってる頑張ってる。
ありがとう舞さん、何て言ってる千聖には極上スマイルで、私に対しては下唇を突き出して威嚇。
無言の中でも、伝わってくる。“おぼえてろよ、こんちくしょー”みたいな念が。
「・・・じゃ、せっかくだから、歌の練習でもしましょうかぁ」
そう言って、千聖の顔を覗き込むと、なぜかそのほっぺたは真っ赤になっていた。
「ほ?」
「・・・ウフフ、なんだか今日の舞さんは、とても凛々しくていらっしゃるのね」
そんなことをフガフガモゴモゴ言うと、パッとどこかへ走り去っていってしまった。
――これは、もしや効いてるんじゃないでしょうか、舞様。良かったじゃないの。
思えば、お嬢様の千聖はあの手のタイプに弱いんだった。
王子様のように、自分をエスコートしてくれるえりかちゃん。
いつも全力で向き合ってくれて、包み込んでくれる舞美ちゃん。
不安定に変化する心を受け止めてくれるような・・・少女漫画でいったら、完璧人間の生徒会長タイプ。
やんちゃな幼馴染ポジだった舞には、分が悪い状況だっただろうに、ここへ来て大きく前進したようにも思える。
恐らく、演技派のなっきぃあたりが知恵を貸したんだろう。キャラがえなら、あの子の得意分野のはず。
黒愛理?いえいえ、メンバーの幸せが一番ですよね、ケッケッケ
249 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 00:31:21.30 0
「あれー、ちしゃとは?」
ほどなくして、戻ってきた舞が私の服を引っ張る。
「もー、愛理がちしゃとにちょっかいだすから、舞余計な運動するハメになったじゃん」
こうやって口を尖らせる、素の小悪魔っぽい舞のほうが私は好きだけどな。無理がなくて。
まあ、色恋沙汰が絡むと、そう単純な話ではないんだろう。
とにかく、2人がくっつくことには、私は異論はないわけで。
あの、舞美ちゃんと千聖のあれ・・・あれを終了していただけると、とても助かりますし。
ホテルで隣の部屋になると、たまに聞こえるんですよ、あれ。勉強中とか、気が散るんでほんとやめてほしいんです、あれ。
また、舞美ちゃんが恐ろしいまでに全力だから・・・チープな雰囲気のホテルだと、ベッドがメリメリと謎の怪音を立てて、人事ながら恐ろしくなるんです、あれ。
「ねえ、ちしゃと知らない?」
「ケッケッケ、何かどっか走っていっちゃったみたいだけど?」
「ええ?もー、そういうの引き止めてよね。迷子になっちゃったらかわいそうじゃん」
――迷子も何も、勝手知ったる事務所の敷地内なんだけどな、萩ちゃん。
とはいえ、ちょっと意地悪しすぎちゃった感はあるので、とりあえず一緒に探すことにする。
駐車場の裏、クローク、表の出入り口としばらく探し回って、中庭の奥で、何やら頭をヒョコヒョコさせている人物を発見した。
「なっきぃ、おはよぉ〜」
「しっ!あいりんお口チャック。OK?」
眉をしかめたなっきぃ。
植え込みの影から、奥の方へ視線をやっている。
250 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 00:32:42.36 0
「荷物、置いてからにすればいいのに」
「それどころじゃないの。ちょっと見てあれ」
指さす方向には、白いベンチが置いてある休憩スペース。
そこに、千聖がいた。・・・いや、正確には、ちさまいがいた。
舞はご機嫌な様子で、何か語っている。
いつもみたいな無邪気な感じじゃなく、目なんか細めて脚組んで、右手は千聖の肩を抱いている。
一方、千聖はちょこんと膝に手を置いて、うつむいたまま舞の話に小さくうなずいたり、微笑んだり。
もじもじと恥ずかしそうな姿は、同性から見ても大変可愛らしい。守ってあげたくなっちゃう的な。
髪をショートにしたことで、逆に女性らしさというか、色っぽさが増したお嬢様の千聖。
その潤んだ瞳が、ふいに上へと向けられた。
「あっ」
舞の動きが止まる。ついでになっきぃの動きも。
あの、余裕のあるオトナな演技が鳴りを潜める。
千聖の肩に置かれた、その手に力が篭って――
2人の顔が近づき、唇と唇がくっついた。
「あっあっあっ」
・・・なっきぃ、変な声出さないでちょうだい。
突っ込みを入れてみたものの、私もまさかの光景に、かなり心臓の鼓動を早めていた。
251 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 00:33:42.52 0
キューティーガールズといわれ、年少トリオとして楽しくやってきたつもりだけど、2人はいつのまにか、1歩も2歩も先を歩いていた。
子供じみた戯れのキスじゃなくて、明確な意図のある、特別なキスをしている。
経験不足な私にも、それが伝わってくるぐらい、目のまえの光景にはフシギな説得力みたいなものがあった。
ずいぶん時間が経っても、まだ2人の顔は離れなかった。
最初は驚きに目を見開いていた千聖も、だんだんととろーんと瞼を落として、小さな手で、所在名さげに舞のスカートを辿っていた。
「・・・いや、だめだ。これはだめ。いかん」
突然、なっきぃが立ち上がると、弾かれたように駆け出した。
その勢いのまま、二人のもとへと突入していく。
「ストーップ!!」
その絶叫で、千聖がビクッとこちらを向いた。
「あ・・・」
「あ・・・な、なんか、ねえ?ケッケッケ」
何ていったらいいのかわからず、笑いでごまかすも、千聖は気まずそうに目をそらしてしまった。
「いや、全然!見事なキスで・・・・・・
いや、ごめん。何言ってんだろ。でも本当に気にしなくていいんだよ。別に、いつもしてるんだろうし。・・・いや、違う、もう、どうしよう。ケッケッケ・・・」
フォローしようとすればするほど、自分でも何を言ってるんだかわけがわからなくなってしまう。
252 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 00:34:35.24 0
「なっちゃん、慌てすぎだし」
一方の舞様、私たちに見られたことなんて、特にどうも思っていないらしく、むしろ邪魔された不愉快さでなっきぃをジロッとひと睨みしている。
「あのね、こんな誰でも見ているような」
「は?なっちゃんが順序を考えろっていったんじゃん。まずキスからでしょ?違うの?」
なっきぃのお小言なんて、気にもせず、舞は千聖の腰を優しく抱いて、「いこ。」と促した。
そして、私の横を通り過ぎる刹那、たしかにこんなことを言ったのだった。
「ハワイ着いたら、もっとすごいの、するからね、千聖」
253 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 00:35:25.45 0
今日はここまで
レスはお休みさせてください
いつも感想等書いていただきありがとうございます
なにより励みになっています
ではおやすみなさい!
254 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 06:16:34.59 0
作者さんおつ
いい感じでしゅね
255 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 64.8 %】 :2012/04/14(土) 07:37:53.40 P BE:8604735-PLT(12001)
舞様
決して暴走してはダメですぞ
256 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 10:29:35.85 O
お嬢様雨にございます
257 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 14:00:59.25 O
お嬢様がた頑張って
258 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 14:01:39.36 0
たしかにこれなら避難所でいいよなw
259 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 14:02:22.58 0
本人が携帯から毎日保全してるだけじゃん
感想ありがとうとか碌な感想ないのに何言ってるんですか?w
260 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 14:02:58.33 0
人がいないのは規制のせいじゃないよw自分でわかってるかw
261 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 14:03:41.08 0
毎日おやつですよとか基地外かよw会話してるwwwww
262 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 14:04:34.94 0
虚しいスレですねぇwww
感想ありがとうだってw馬鹿すぎww
263 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 14:06:12.99 0
235 :名無し募集中。。。:2012/04/13(金) 01:55:58.02 O
おやすみなさいお嬢様
236 :名無し募集中。。。:2012/04/13(金) 07:05:29.08 0
お嬢様いってまいります
237 :名無し募集中。。。:2012/04/13(金) 10:29:52.87 0
お嬢様朝のおやつはいかがですか
毎日毎日これだけのスレwなにここw
264 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 14:06:35.84 0
つまんないからみんないなくなったんだよ
265 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 14:07:17.61 0
自分で乙ですとか言っててむなしくない?
266 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 14:10:11.53 0
自分で絶賛レス書けばいいのにw
前はそうだったんでしょ?w
267 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 14:11:41.43 0
狼で一番キモイスレだわwまた遊びに来ますねwwwww
感想ありがとうだってwwwwwwww何も書いてないじゃんwwwwwキチガイwww
268 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 16:01:39.74 O
小説スレにアンチがくるとは・・・
まぁ気にしないでまいりましょう
269 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 16:01:47.65 O
荒らすなよ
270 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 18:17:40.25 O
釣りロマンが放映中でございますお嬢様
271 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 20:28:42.32 O
転ばぬ先の保全
とかやってるとまた煽られるのかw
272 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 21:29:38.38 0
時々来る荒らしさんはただの保全替わり
273 :
名無し募集中。。。:2012/04/14(土) 22:36:28.53 0
ツアーも始まったことだしカリカリしないでまったりいきましょ
274 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 00:11:29.92 O
おやすみなさいませお嬢様
275 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 00:46:22.23 0
こんばんは作者です
このタイミングで申し訳ないのですが
本日部署変えがあり少しバタバタするので
来週も少し更新がまちまになるかもしれません
どういったらいいのかわかりませんが
階段スレのお話は仕事で書かせていただいてるわけではないですし
自分の書きたいものと楽しんでいただけるようなものを両立させたいとは考えいています
ただ最近はあまりうまくできていないとも思っています
その辺がご指摘の部分なのかなと
どのような方向性にしていったらいいのか少し考えさせてください
あっやめるわけではないです!時間が取れない間に見直しをしたいということで
いつもなにかとありがとうございます
ちょこちょこ顔だけでも出せたらと思いますので今後ともよろしくお願いします
276 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 00:46:25.16 0
保全
277 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 03:41:27.21 0
t
278 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 06:33:41.53 O
>>275 いつもおつであります♪
マイペースでまいりましょうお体気をつけて下さいね
279 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 07:56:06.43 0
おはようございます
少年編の続きです
今回の話は最初のシーンは若執事さんの目線から始まりまして
そして、その次から少年目線で話を展開していきます
280 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 08:30:14.91 O
すみません
なんかうまく書き込めなくて避難所にあげましたので、
お手数おかけしますがよかったら転載していただけると嬉しいです
281 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 09:06:09.49 0
>>182 駅前まで買い物に出られたお嬢様。
僕はその付き人として同行している。
本来ならこの役目はメイドさん(特に千聖お嬢様専従の村上さん)の仕事なのだが、今日は荷物が多くなるとのお話で僕に白羽の矢が立ったのだ。
荷物が多いなら、その役はそれこそ屈強な神が適任なのではと思ったが、お嬢様のお供をすることができるとは光栄な任務であることに違いない。
それに、たまには外に出てする仕事というのも、はぐれ(ryから開放されることが出来ていい気分転換になることだろう。
しかも、それがお嬢様のお供とあっては二重の喜びと言える。この任務に抜擢されたことを心から感謝します。
いろいろなお店をめぐり、楽しそうにお買い物をなさるお嬢様。
そんなお嬢様を見ているだけで、はぐれ(ryによって疲れきった僕の心が癒されていくのがわかる。
そのお嬢様の楽しそうなお姿を見ていると妄想が浮かんできたりしてしまう。
楽しそうにしているそんなお嬢様と、いま二人っきりで一緒にいるのは他でもないこの僕なんだ。
これって、まるでお嬢様とお買い物デートのような・・・
・・・ゴホン。
だが執事として優秀な僕は、この状況でも仕事中であることの緊張を決して解いたりはしなかった。
(いくら萩原さんや有原さんでも、まさかここまでは脳内を追ってこないだろう・・・とは思うけど、念には念を入れておかないと)
僕は今お嬢様の付き人として同行しているのだ、だからその職務を全うすることしか考えていなかった。
そして、そんな真面目な僕だからこそ、この任務に抜擢されたわけで。
まぁ、それも僕がお嬢様の信頼を勝ち得てる執事だからこそのこと(キリッ。
「このあとはどちらに参りますか、お嬢様」
「そうね、だいたいのものは買えたから、そろそろ帰りましょうか。車をまわしてちょうだい」
「かしこまりました」
僕が車の運転手に連絡をとっているあいだ、お嬢様は何かをじっと見つめているようだった。
そのことを深く気にも留めなかったが、電話が終わった僕にお嬢様はこう言ったのだ。
282 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 09:06:27.69 0
「ウフフフ、ごめんなさい。怒られるかもしれないけれど、許してちょうだい」
そう言い終るやいなや、いきなり全速力で駆け出したお嬢様。
さすが運動能力に長けるお嬢様だ。上品なそのお姿からは想像もできないぐらいのロケットスタート。
何が起きたのかすぐには事態が飲み込めず、他人事のようにそんなことを考えてしまうほどだった。
どんどん小さくなるお嬢様のその後ろ姿を呆然と眺めていた。
次の瞬間に、僕はハッと気付いた。
僕は付き人なのだ。いかなるときでもお嬢様から離されるわけにはいかない。
すぐにその後ろ姿を追いかけようとしたが、その時ちょうど信号が赤に変わった。
お嬢様、このタイミングも計算に入れていた? こういうときだけは悪知恵が働かれるんだから。
なんて呑気に考えている場合ではない。
事ここに至って、ようやく僕は気付いた。
僕はお嬢様から見事にまかれたのだ
た、た、た、大変だ!!
顔面蒼白でお屋敷に連絡する。
電話の向こうで村上さんが絶叫した。
「お嬢様にまかれた、だと!? バカヤロー!! 死ぬ気で探せ!!見つけるまで帰ってくるな」
283 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 09:06:52.06 0
* * *
いま僕は映画を見てきたその帰りの電車の中。
車窓の風景をぼんやりと眺めながら、僕はまた考えていた。
そう、あの時のことを。
あれ以来、僕は混乱していた。
女の子に頬を打たれるなんて、そんなの僕にとって初めてのことなんだ。
それにしても・・・
なかさきちゃんは何で僕を叩いたりしたんだろう。
この間までの僕のことを誤解していた彼女ならともかく、僕に理解を示してくれるようになった今、彼女からそんなことをされる心当たりが全く無い。
でも、そこには必ず理由があるはずだ。
何故そんなことをされたのか、原因をもっと多角的に考えてみよう。
あの時まで、なかさきちゃんは確かに僕に対してどちらかというと好意的な表情を向けてくれていた。
それが、あの時、そう、僕があの電話を受けた時、そのとたんに彼女の態度が豹変したのだ。
熊井ちゃんからのあの電話を受けたとき・・・
そのことを考え合わせると、ひとつの結論が導き出される。
あ・・・・
ひょっとして・・・・
なかさきちゃん、僕のことが好きなんじゃ・・・・
284 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 09:07:20.90 0
やきもち・・・ そういうことか。
僕に熊井ちゃんから電話がかかってきたことで、なかさきちゃん思わず嫉妬してしまったんだ。
そんな誤解がもとで感情を爆発させるなんて、しっかりもののなかさきちゃんらしくもない。
ひょっとして、彼女は思い込みの激しいタイプなのかもしれないな。今までも僕のことを勝手に変な風に誤解していたぐらいだし。
しかし、そうか、なかさきちゃんそんなにも僕のことを。
いや、でも待てよ?
僕の舞ちゃんへの気持ちは彼女も知ってるはずなのに。
そうか、逆にそれだからこそなのかも知れないな、彼女が爆発したのは。
僕の舞ちゃんへの気持ちを知っていたにも関わらず僕のことを好きになってしまったりして、なかさきちゃんは自分の親友との友情の狭間で実は葛藤していたのかも知れない。
そんなところへ、僕に舞ちゃんではなく熊井ちゃんという別の女の子からの電話が来たことで、混乱がピークになってしまい感情をコントロールできなかったのだろう。
それにしても、いつの間に僕のことをそんなに思っていてくれたんだろう。全く気付かなかった。
初めは僕のことを決して良くは思っていなかった彼女が、いつの間にかその僕に好意を抱いていたというのか。
最初がマイナスのイメージからスタートした分、いったん好意を抱くとそれは急激に加速してしまったのかもしれないな。
僕はそんな彼女の想いをどう受け止めればいいのだろう・・・
ちょうど、今見てきた映画のストーリーを思い出していた。
北海道の釧路を舞台にしたその映画は面白かった。
クラスの人気者で心に陰を持つ少年、そして彼と運命的に出会った少女の物語。
少女にとって初めはムカつく存在だった少年。だが、時々見せる彼の優しさと垣間見える物憂げな陰に徐々に惹かれていくのだった。
そこから始まる壮大なラブストーリー。
285 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 09:07:48.30 0
見ていて、スクリーンにぐいぐいと引き込まれ感情移入してしまった。
主役を演じていた役者さんが、とても良かったです。
この役者さん、魅せるなあ。
見終わったあと、僕はその演技に影響されてしまったみたいだ。
自分をちょっと陰のあるキャラなんだと思い込んで、表情を真似たりしてそれを演じてみたり。
そうやって、自分をその主人公に重ね合わせてしまったりする。(彼の雰囲気やカッコよさ僕とそっくりだし。とかいってw)
電車の窓から遠くを眺めながら、そんな妄想をしつつ映画のストーリーを思い返していた。
すると、僕はあることに気付いてしまった。そのストーリーが今の僕の現実と重なり合っていることに。
初めはムカつく存在だった少年に徐々に惹かれていくようになる少女・・・
これは・・・
僕となかさきちゃんの関係にそっくりじゃないか。
さっき思い当たったように、この間のなかさきちゃんの反応を見ると、どうやら彼女が僕に好意を抱いているのは間違いないようだ。
ひょっとして、僕ら2人のあいだにも、これからそのような物語が始まるのだろうか?
僕の運命的なラブストーリーは既に幕を開けていたってことなのか・・・
それに僕は全く気付いていなかった。
僕はなかさきちゃんとこれから数年にわたり壮大でドラマチックなラブストーリーを展開する運命だったのか・・・
でも、どうしたらいいんだ。
そういう運命だったとしても、それに身を任せてしまっていいのだろうか。
だって、僕が好きなのは、君の友達なんだ。
286 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 09:08:14.70 0
映画を見てきた帰りの道すがらずっとそんなことを考えていた。
考えていても答えが出るようなことじゃない。
そんなことより、腹が減った。
腹が減ってはいい知恵も浮かんでこない。地元の駅に着いたところで何か食べていこう。
落ち着いて食べる気分でも無かったので、手早く済ませようと立ち食いそばのカウンターに向かった。
この駅のこの立ち食いそばは結構好きなんだ。通学の時も無性に食べたくなってよく立ち寄るぐらいで。
てんぷらそばを注文する。
すぐに出てきたそば。湯気を立てているそばをすする。
やっぱり、この駅の立ち食いそばはうまいなあ。
そばを食べながら駅のコンコースをぼんやりと眺めていると、僕の意識がある一点に集中した。
何かその場所だけ特別にオーラのようなものがかかっていて、あたりとは空気の色が明らかに違っているような気がしたからだ。
そこには、僕の見覚えのある人が歩いていた。
そこを通りがかった小柄な少女。
お、お、お、お嬢様ではないですか!
287 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 09:08:47.10 0
なかさきちゃんとの関係を自ら泥沼化する
そんな少年の妄想力
ダメだこいつ・・・はやく何とかするケロ
>>185 (少△年)<熊井ちゃんは絶対わざとやってると思いますよ!
>>195 舞様、なっきぃにノロけるのが楽しくてしょうがないんですねw
なっきぃの千聖への想いも知っているだけに、それを踏まえた上でこのおノロけ
あと、お詳しいらいそっち系の手技についてもっと詳細をkwskなっきぃ!
千聖のなかのえりかちゃんに勝つのは相当難しいでしょうね・・・
今も付き合ってれば付け込む隙もあるでしょうが、思い出は永遠に美しいままでしょうから
でも、舞様がんばってくださいね、舞様のやることを全面に支援していますからね
>>227 (少△年)<完全にハーレムじゃないですか!!
288 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 09:09:34.79 0
>>245 テンションが高まりまくってる舞ちゃんw
ちさまいが(というより舞ちゃんが)ハワイで目論んでいることには
当然、まわりの人も巻き込まれるわけで、大変ですね愛理ちゃん
遠征先のホテルでそんな苦労をしているとは全く知りませんでした
いろいろ大変ですね
もしちさまいみの隣の部屋がなっきぃだったら・・・という妄想をしてたらすっかり夜更かししちゃいまいしたよ
おとなのきっすをするようになった2人、感慨深くて思わず目を細めて見守りたくなりましたよ
>>275 チンプイさんお忙しいところおつです
最近上手くいってないって思われるのは、たまたまその時の流れだと思いますよ
実際規制もあるでしょうし
でも、そういうところ真面目なチンプイさんが大しゅきです
あまり深く考えずに書いている私とは対照的ですからw
(というかチンプイさんがいるから私はそのように気楽に書けてるわけで、
このスレの主たるチンプイさんにいつも感謝しています←本当)
またお忙しい日々が続くとのこと御無理をなさらぬように(肉体的にも精神的にも)
自分がこの番外編を書き始めたのは忙しいチンプイさんを助けたくてすこしでも保全になるかと思ったからで
そういうときこそお力になりたいのですが、いかんせん筆が遅くて・・・
289 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 09:57:26.34 O
少年作者です
転載していただきましてありがとうございました
290 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 12:44:16.83 O
作者さんおつであります♪
291 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 13:52:49.10 O
昼公演行ってきます
292 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 15:39:33.25 O
そば屋の先が気になりすぎるw
293 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 17:59:03.58 O
夜公演はじまります
294 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 19:12:09.26 O
昼夜連チャン乙
295 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 21:05:24.58 0
現実問題ちょっと太ったよね
296 :
名無し募集中。。。:2012/04/15(日) 22:53:40.89 O
すぎゃさんの影響かな
297 :
名無し募集中。。。:2012/04/16(月) 00:28:49.70 O
お嬢様今晩は
298 :
名無し募集中。。。:2012/04/16(月) 04:46:19.67 0
お嬢様おはようございます
299 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 76.0 %】 :2012/04/16(月) 09:57:48.20 P BE:46462199-PLT(12001)
しかしお嬢様は何故に若執事をまいたのか…
ところで舞様の事はどっかに吹っ飛んだのか少年w
300 :
名無し募集中。。。:2012/04/16(月) 12:12:58.56 O
若執事さんのパニクるところを見たかったりしてw
301 :
名無し募集中。。。:2012/04/16(月) 15:21:26.73 O
おやつのお時間でございますお嬢様
302 :
名無し募集中。。。:2012/04/16(月) 17:20:17.68 0
保全とかいって
303 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 82.4 %】 :2012/04/16(月) 19:23:49.20 P BE:5736825-PLT(12001)
ああそうそう
お嬢様のお買い物の内容も気になるとか言ってw
304 :
名無し募集中。。。:2012/04/16(月) 19:24:09.01 O
岡井さん帰りに味噌ラーメン食べて行くゆー
305 :
名無し募集中。。。:2012/04/16(月) 21:19:43.37 0
また2人揃って寒天ダイエットでしゅ
306 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 78.8 %】 :2012/04/16(月) 23:11:58.46 P BE:18355384-PLT(12001)
まあすぎゃさんは一食で脱落するかとw
307 :
名無し募集中。。。:2012/04/17(火) 00:12:12.92 0
おやすみなさいお嬢様
308 :
名無し募集中。。。:2012/04/17(火) 03:41:17.34 0
t
309 :
名無し募集中。。。:2012/04/17(火) 07:12:49.77 0
お嬢様いってまいります
310 :
名無し募集中。。。:2012/04/17(火) 09:55:35.46 O
リ*・一・リノシ
311 :
名無し募集中。。。:2012/04/17(火) 13:38:25.76 O
お昼寝にございますかお嬢様
312 :
名無し募集中。。。:2012/04/17(火) 15:58:45.59 O
遅めのおやつタイムでございます嬢様
313 :
名無し募集中。。。:2012/04/17(火) 18:01:49.19 O
晩御飯のお時間でございますお嬢様
314 :
名無し募集中。。。:2012/04/17(火) 19:15:14.16 0
315 :
名無し募集中。。。:2012/04/17(火) 21:16:46.10 0
t
316 :
名無し募集中。。。:2012/04/17(火) 21:30:12.35 0
317 :
名無し募集中。。。:2012/04/17(火) 23:10:23.60 0
お嬢様にそんな見つめられたら
318 :
名無し募集中。。。:2012/04/17(火) 23:29:39.88 0
319 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 01:07:42.02 0
いい感じで寝てる今がチャンスだかんな
320 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 02:51:38.36 O
寝ぱい
321 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 07:10:49.19 0
お嬢様いってまいります
322 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 12:23:34.12 O
お嬢様の君チャリMVどれもいいね
毎日見てる
323 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 15:05:42.75 O
リ*>一<リ クシュン
324 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 17:52:11.16 O
今日は特攻服見に行こうよお嬢様
325 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 19:20:19.48 O
風紀委員長が黙ってませんよ
326 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 20:18:33.20 0
それにしても、同じ地球上の国だというのに、こうも違うものなのか、と私は感嘆した。
日本とは違う気温。空気。土地のにおい。
ここ??ハワイを訪れるのは、初めてのことではないけれど、新鮮なドキドキやワクワグで、自然と心が綻んでいく。
ケータイの設定に手こずる舞美ちゃんや、なぞのドヤ顔のまま空港をセレブ歩きするなっきぃ。みんな一様にご機嫌だ。
この愛すべきメンバーと、これからしばらく非日常空間を満喫できるのかと思うと、私のケッケッケ笑いも5割り増し。
「ちしゃと、荷物持つよ」
「あ・・・でも、舞さんのが」
「いいから。舞のはなっちゃんが持つから」
「・・・おいっ!何勝手なこと言って」
・・・あ、そうそう。もちろん彼女たちも、ね。ケッケッケ
日本を発つ前に、待ち合わせ場所でイチャイチャを見せ付けてくださった、ちさまいコンビ。というか、舞。
あの調子じゃ、飛行機の中でもやらかすんじゃないかとワクワk・・・いや、ひやひやしていたけれど、そこは紳士モードの舞様、千聖と肩を寄せ合って、ホラーDVDを観るにとどまっていた。
怖がりな舞が、幽霊出現シーンでビクッてなるのを必死で抑えていたのは見なかったことにしましょう、ケッケッケ
「ハワイ、楽しみだね、ちしゃと」
「あ・・・えと、はい」
せっかくのハワイだというのに、千聖がこんな、ぽわーっとした顔をしているのにはわけがある。
“ハワイ着いたら、もっとすごいのするからね、千聖”
オトナのキッスをすませたあと、舞がそっとささやいた言葉。
あれが、まだ効いているのだろう。
327 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 20:19:05.44 0
夏は、人を解放的にする。
旅先では、人はチャレンジャーになる。
この常夏の楽園は、どちらの条件も満たしていて、舞が滞在中に何かやらかすのはもう間違いないだろう。
ケッケッケ・・・2人と同室になるなっきぃには申し訳ないけれど、それってすごく面白い。
なんなら、なっきぃの注意をひきつけて、舞の計画に肩入れしてあげても・・・なんて発想までうかんでくる。
私も私で、変にテンションがあがってるということだろうか。
「ケッケッケ」
「あれー?愛理ご機嫌?ねね、見て見て、あそこのヤシの木が・・・」
やっとこケータイの設定を変更させた舞美ちゃんが、データフォルダを見せ付けてくる。
こちらもはっちゃけているのか、空港内のオブジェやなんてことない木をバシバシ撮影しまくって、それを本当に楽しそうに説明してくれる。
「ケッケッケ、楽しい時間になりそうだね、舞美ちゃん」
「んん?そうだね、みんなで仲良くね!」
みんなで、か。さすがリーダー。そうしたいけどね、ちさまいちゃん(というか舞(ry)が仲間に入れてくれるなら。
「いい天気。愛理、外で写真撮らない?」
「いいね」
目に手を翳し、太陽の光を遮りながら笑う姿が美しい。
ケッケッケ、こんな綺麗な女性から、愛するカノジョ(?)を奪うのは至難の業ですぞ、舞様。
大きな手にガシッと肩を抱かれて、余計にそんなことを強く感じた。
328 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 20:19:37.31 0
*****
「・・・」
「・・・」
目のまえの千聖が、不機嫌そうにジュースを飲み干して私を睨んだ。
「・・・なんであーゆーことするかなあ」
「だから、謝ってんじゃん」
いつの間に、お嬢様からばかちしゃとに戻ったのか知らないけれど、ランチを終え、店内にて、自由行動の時間にデートに誘ったら、いきなり咎められたのだ。曰く、「舞、お嬢様のほうにべろちゅーしただろ。変態」と。
「何か、舞の味が残ってた。もー、強引なのはだめだって言ったじゃんか」
「・・・てか、歌もダンスもお嬢様でレッスンしたのはすぐ“覚えてない”とかいうくせに、そういうのは覚えてるんだね」
「しょうがないじゃん。ちさとが自分でコントロールしてるわけじゃないんだからねっ」
ごちそーさま、と席を立つ千聖。
「ちょっと待ってよ」
せっかく一緒に行動しようと思ったのに。
置いてかれちゃったら、どうしたらいいのかわからない。
なっちゃんや愛理たちのグループに混ぜてもらう事はできるだろうけど、でも・・・
「やだ、行かないで!舞と一緒にいてよ!」
ハァ?と片眉をあげて首をかしげる千聖。
結構な大声だったから、周りの人達も私たちをじろじろ見ている。
329 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 20:20:11.74 0
「喧嘩だめだよー、あはは」
さすがに、舞美ちゃんから注意が飛んでくる。
でも、今千聖を繋ぎ止めないと、またどこかへふわふわ飛んでいってしまうんじゃないかって、とても怖くて・・・。
なっちゃんに教わった“クールで優しい、リードしてあげるオトナなキャラ”なんて保っていられず、ランチプレートを持ったままの千聖に抱きつく。
「うお、こぼれる!」
「ねー、お願い。キスしたのがやだったのなら謝るから!舞のこと嫌いにならないで」
えー、違います違います!キスというのはほれなんだあの魚のてんぷらのえーと
なっちゃんが青い顔で、必死にスタッフさんたちに言い訳しているのが見える。・・・ごめん、尻拭いさせまくり。
一方、私となっちゃんと交互にじろじろ見ていた千聖は、「・・・ぷっ」とおもむろに吹きだした。
「・・・グフフフ、何そんな必死になってんの二人ともー?そんなにちさとのことが好きか!」
何がそんなにおかしいのか、爆笑しながらプレートを返却して、千聖は外のデッキにヘラヘラと出て行ってしまった。
「ちしゃと・・・」
追いかけていくと、振り向いた千聖は目を眇めた。
何度も何度も見飽きるほどに向き合ってきたはずなのに、この表情が私の胸をトクンと鳴らす。
お嬢様はしない、もとの千聖だけの、ちょびっと意地悪な余裕のある笑顔。
「・・・てか、舞はさぁ」
「はい」
330 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 20:21:03.42 0
反省してることもあり、しおらしく腕を絡めて甘えてみせる。
私よりも低い位置にあるはずの手が、男前にくしゃくしゃと髪を撫でてくれた。
「舞はそうやって、甘ったれちゃんのほうが絶対可愛いから。変なキャラなんてやめな?」
「・・・子供扱いしないでよ。1個しか違わないんだから」
はいはい、と私の抗議は簡単に流され、さらに頭をわっしゃわしゃにされる。
「ねー、ヘアスタイル乱れるから!」
「素直じゃないなぁ、舞は。まぁそこが可愛いんだけどねっ」
千聖はその手を私の手とつなぎなおして、「じゃ、どこいく?」と顔を覗き込んできた。
「え・・・いいの?」
「舞が誘ったんじゃん」
「怒ってない?キスしたの」
「・・・んふ」
バカちしゃとのくせに、お嬢様タイムのときみたく、読めない表情ではぐらかしてくる。
びみょーに腹が立つけど、舞が悪いのは明確だから、あまり強く抗議できないのがイタイところ。
「人前ではだめだよ、舞ちゃん」
「あー、はいはい。舞が悪かったですよ」
そんな会話をしながら、その後はいつものちさまいパターン、何もなかったかのように、ぺちゃぺちゃしゃべりながらの周辺散策に繰り出した。
ショッピングセンター見て、ジュエリーショップ見て・・・
言葉の通じない場所もあったけど、千聖の対応力とやらに大いに助けられて、おおむね順調に・・・
331 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 20:22:23.08 0
「えっ、てか!さっきの!」
千聖と2人ですごす時間。
そのめまぐるしく交わされる会話を反芻していた私は、いきなり“あること”に思い当たり、足を止めた。
「ん?なに?買い忘れ?」
「じゃなくて、だって、ちしゃと、」
“人前ではだめだよ、舞ちゃん”
「・・・じゃあさ、人前じゃなかったら、いいの?」
さすがに小声で問いかけると、千聖は一瞬首を捻ったあと、ニヤーッと笑った。
「遅っ!いつの会話だよ!てか舞、それずっと気にしてたんだー。えっろ」
「はあ?たまたま思い出しただけ!うぬぼれないでくださーい」
「あっそ。じゃあ答えませーん。べろべろー」
??うっわ、ムカつく。小学生かよ。
私のクールキャラ、少なくともお嬢様には好評のようだったんだけどな。
「舞はねー、ちさとに守られてるのがお似合いなんだよっ」
まるで、男の子だ。
言い切ったあと、にやりと上目づかいで笑う顔がたまらない。キュンキュンしてしまう。
私みたいに、にわかボーイじゃ全然太刀打ちできない、天性の少年らしさ。
お嬢様は髪を切って色っぽくなったのに、こっちはどんどんオトコオンナになるばかりだ。
332 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 20:22:57.82 0
「・・・でも、どっちのちしゃとでもいいんだ」
舞はここにいる間に、オトナになるって決めたんだから。
「んー?なに?」
「別に。それより、アイス食べに行こうよ。あの、マネージャーさんが言ってた・・・」
本当はなっちゃんのように、いかがわしい道具(made in hawaii)を購入することも検討したのでしゅが、それは2流の(ryというわけで、舞は触れ合いを重視しようと思うのでしゅ。
「千聖、手」
「はいはい、舞はあまえんぼうだなぁ」
??私の気持ちなんて、全然わかってないんだから。
握った千聖の手は、少しも汗ばんだりトクトクと緊張していたりもなくて、残念なような、安心したようなフシギな気持ちになった。
333 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 20:23:27.44 0
ノソ*^ o゚) <ハワイのオモチャ・・・
ノソ*// p //) <イイ・・・
ヒソヒソ(o・?・)リ・一・ リリ
今日はここまで
ちょっと長めにお休みいただきましてありがとうございます
階段エロネタのほうは少々趣向が変わります
舞様的には残念な方向に
また頃合をみて学園も進めます
ちょっと更新ペースを変えてみようかと思ってます
具体的には長めに書いて週2目安で投下していたものを週3?4ぐらいでちょこちょこ更新に切り替えるという形で
いつもありがとうございます
今後も御贔屓にしていただけたら嬉しいです!
>>281 少年作者さん乙です!
若執事安定のサンドバックwお嬢様はどちらに行かれたのでしょうか
続きが気になって気になって
少年の脳内妄想のつじつま合わせっぷりwなかさきちゃんが見たら卒倒しますねww
少年が観た映画・・・レイトショーで見ましたが・・・リア充すぎて目がチカチカしました
あのキラキラ全開のお話に自分となっきぃを投入(しかも全編妄想)するとは少年・・・あなたって子は・・・
そして唐突にそんなことより腹減ったとw脳内でも粗雑に扱われるなっきぃ
お嬢様は目的があって逃走したのか単なる冒険なのか
続きをお待ちしています!
いろいろお気づかいありがとうございます
私もかなり適当なタイプなのでしょっちゅう横道にそれてしまって
それでふと気がついたらこりゃあかんがなみたいなのばっかです
保全とおっしゃいますがいつも本当にとても楽しみに待っています!
334 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 22:04:56.68 O
取り急ぎ保全
あとでしっかりと
335 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 22:04:58.65 0
t
336 :
エレコマニア・マリオJ 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 【Dmorningcoffee1328364090003833】 【東電 81.4 %】 :2012/04/18(水) 22:05:25.29 P BE:20650649-PLT(12001)
元の千聖だと舞様には結構強いんですな
今後の展開が楽しみです
337 :
名無し募集中。。。:2012/04/18(水) 23:28:37.30 0
チンプイさんおつでーす
いろいろな人のいろいろな思惑が交錯して
そのなかでもなっきぃのヘタレキャラの磐石さw
お嬢様と明るいほうの千聖に翻弄されるマイマイがかわいくて
338 :
名無し募集中。。。:2012/04/19(木) 01:27:43.59 O
お嬢様お先に寝ませていただきます
339 :
名無し募集中。。。:2012/04/19(木) 06:21:37.37 O
おはようございますお嬢様
340 :
名無し募集中。。。:2012/04/19(木) 10:39:47.27 O
ノシ
341 :
名無し募集中。。。:2012/04/19(木) 13:45:33.68 O
作者さんおつであります♪
342 :
名無し募集中。。。:2012/04/19(木) 15:00:40.89 0
お嬢様ガッタス復帰ですか
343 :
名無し募集中。。。:2012/04/19(木) 17:46:11.42 O
全力リーダーは?
344 :
名無し募集中。。。:2012/04/19(木) 19:33:50.25 O
夕げは何にございますかお嬢様
345 :
名無し募集中。。。:2012/04/19(木) 20:57:40.80 O
リ*・一・リ<メガ盛りカレー
346 :
名無し募集中。。。:2012/04/19(木) 22:19:58.22 0
>>286 「千聖お嬢様じゃないですか!!」
思わずお嬢様に声をかける。
どんぶりと箸を持ったまま声をかけるなんて、お嬢様みたいな人に対してちょっと品が無かったかな。
名前を呼ばれちょっとびっくりした風のお嬢様だったが、僕を見るといつもの上品で柔らかい微笑みを向けてくれた。
「まぁ、ももちゃんさん! こんなところでお会いするなんて」
「お嬢様こそ、お一人でこんなところへ?」
僕のその質問には、お嬢様はただ笑みを浮かべるばかりだった。
「ウフフ、ここで何をなさっているの?」
「いや、まあ、見ての通りそばを食べているのですが」
「おそばを? あぁ、いい匂いね。あの、ご一緒してもよろしいですか?」
えっ!?僕と一緒に? お嬢様が僕と一緒にお食べになる!?
なんと、これは夢のような展開ではないですか!!
でもお嬢様、お嬢様が立ち食いそばをお食べになるんですか?
そんな予想外の展開に驚く僕とは対照的に、興味津々の体で店を眺め回すお嬢様。
「立ったまま食べるのね。ウフフフ、面白いわ」
「おすすめは何かしら。初めてなので分からないの」
「えっと、そうですね、初めてでしたら、やはりかけそばじゃないでしょうか。シンプルな味わいを楽しんでください」
「それじゃあ、それにしますわ」
「決まりましたかお嬢様? じゃあ、店の人に注文しちゃって下さい」
347 :
名無し募集中。。。:2012/04/19(木) 22:21:30.59 0
>>346 「すみません、かけそばをお願いします」
「あいよ、かけそばね。260万円!」
「あら、意外と高いのね。手持ちのお金では足りないわ。カードでもよろしいかしら」
「・・・お嬢様、それはオヤジギャグですよ。本当は260円です」
店のオヤジがよく言うこの手の寒いギャグ。
それを真に受けた人というのを僕は初めて見たよ。
そんなお嬢様が、そばの代金を支払おうと財布から取り出したのは一万円札。
万札とかフツーに財布に入ってるんだ・・・さすがお嬢様。
「お嬢さん、細かいの無いかなあ」
「ごめんなさい。これしか持ち合わせがないの」
「あ、いいです。ちょうど小銭あるから僕が払います」
「あら、そんな。ありがとうございます」
「こういう所では、忙しいときに大きいお札は嫌われるんですよ」
「そういうものなのね。私、本当に世間知らずで」
そう言って、その茶色の美しい瞳を伏し目がちにされた。
それはもう、叫びだしたくなるぐらいの可愛さだった・・・もちろんそんなことはしなかったけど。
「おいしいわ」
348 :
名無し募集中。。。:2012/04/19(木) 22:24:18.46 0
>>347 そうでしょう?
この駅の立ち食いそばは特にうまいんですよ。
この真っ黒いつゆ。カツオのダシをしっかりと取ってるから魚介の風味がよく利いてるでしょう。
それだけではありません。この味はどんなに美味い蕎麦屋に行っても味わえないんですよね。
何故かと言うとそれはですね、この雰囲気も味わいの中に含まれているからですよ。
やっぱりそばは立ち食いに限りますね。
見てください。ズンドウから立ち上る湯気。注文するやいなやそばをゆであげるオヤジの無駄の無い動き。
カウンターに無造作に置かれたどんぶり。そして、つゆの醸し出すこの魅力的な香り。
これらが複合的に味わいを醸し出しているからこそのこの雰囲気。日本の大衆文化が凝縮されているとは思いませんか。
やっぱりこだわりを感じるのは立ち食いそばですね。手軽に腹を満たすことができる学生の強い味方ですよ。
「細かいところにもこだわりがあるんですね」
「それがB級グルメの醍醐味です。あとは丼ものなんてのも捨てがたいですけど。牛丼とか」
「まぁ、牛丼。話しには聞いたことがあります。それも一度食べてみたいわ」
「やっぱりお嬢様はそういったお店には行かれたりしないんでしょうね」
「えぇ。行ったことは無いです。でも、話しを聞いていると行ってみたくなるわ」
「でも牛丼を食べに行くなんて難しいわね。そういうお店に行って食べるのは許してもらえないの。
すぎゃさんがよく話してくれるラーメン屋さんにも行ってみたいのに。すぎゃさんとてもお詳しいのよ。お店もたくさん知ってるみたい」
「食べに行くのは許してもらえないんですか? そんなにラーメンが好きなんだったら、○郎なんて一度は食べてみてほしいのに」
「二○? なんですか、それは?」
「そういうラーメン店があるんですよ。好きな人は何度も食べたくなるという」
「きっとすぎゃさんならご存知でしょうね。そういうお店に一度は行ってみたいものですけど、でも、やっぱりなっきぃが許してくれないわね」
349 :
名無し募集中。。。:2012/04/19(木) 22:25:51.57 0
>>348 お嬢様が口にしたその名前を聞いて、思わず固まってしまった。
なかさきちゃん・・・
お嬢様はそんな僕の狼狽にも気付かれなかったようだった。
だが僕はその名前を聞いて思わず自分の世界に入りこんでしまい、お嬢様への応対を忘れてしまった。
気付くと、お嬢様がそんな僕のことを見つめられていた。
下から見上げるようなその表情。
これをやらてしまうと、もうお嬢様から視線を外せなくなってしまう。
お嬢様のお顔は本当に気品に満ち溢れている。
そしてその表情は、まるで僕の心の底までお見通しのようなお顔に見えて。
これが、千聖お嬢様。
普通の人とは全く違う。
その瞳には、飲み込まれそうになる。
350 :
名無し募集中。。。:2012/04/19(木) 22:28:13.93 0
>>349 でも、僕の個人的な悩み事ごときでお嬢様を煩わせるなんて。
そんなことはさすがに自主規制せざるをえない。
だから、あわてて話を変える。
僕がさっきからとても気になっていたことをお嬢様に聞いてみた。
「あの、ところでお嬢様? 今お一人なんですか?」
「そうですが・・・?」
一人なのか。
誰かが付いていたりしてないんだ。
なんか違和感を感じるけど、いいのかな、それで。
「実はね、さっきまで執事と一緒だったけれど、行ってみたいところがあって。それに執事にいたずらもしてみたくなってしまったみたい。ウフフフ」
「そうですか。それでお嬢様お一人・・・」
「楽しいわ。街に出て自由に歩くことなんかないんだもの」
「いいんですか? 一人で」
「怒られるわね、たぶん。めぐは厳しいから。ウフフフ。でも、どうしてもそこに行きたかったの」
351 :
名無し募集中。。。:2012/04/19(木) 22:50:05.40 0
>>303 とあるユーストリーム番組に影響されてドラムセット一式お買い上げ
(執△事)<あ、あのお嬢様? これってお店に配送をお願いするようなモノではないでしょうか
リ*・一・リ<ダメよ、持ち帰るの! 帰ったらすぐに練習するんですもの
>>332 チンプイさん乙ですー!!
明るい千聖のなんと男らしいこと!!
お嬢様の千聖がひたすら女の子らしいのとあまりにも対照的で
相手がお嬢様のときは舞ちゃんが男らしく(>>250-)
明るい千聖には一方的に振り回される弱々しい舞ちゃん、と
千聖のキャラに合わせるように舞ちゃんまでもキャラが変わっていく(変わらされる?)のが
とても面白くて読み込んでしまいました
>舞の味が残ってた
この表現には興奮しましたw
明るい千聖がそれを言うのが余計にその興奮を後押ししたw
なんというか、さすがです
352 :
名無し募集中。。。:2012/04/20(金) 00:57:02.92 O
お嬢様お先に寝ませていただきます
353 :
名無し募集中。。。:2012/04/20(金) 03:29:15.33 O
作者さんおつです♪
354 :
名無し募集中。。。:2012/04/20(金) 07:12:15.99 0
お嬢様いってまいります
355 :
名無し募集中。。。:2012/04/20(金) 12:07:26.13 O
お嬢様お昼にございます
356 :
名無し募集中。。。:2012/04/20(金) 14:43:26.11 O
バカちしゃと
357 :
名無し募集中。。。:2012/04/20(金) 17:16:10.60 O
sokogaii
358 :
名無し募集中。。。:2012/04/20(金) 19:00:39.44 O
晩御飯の御用意ができましたお嬢様
359 :
名無し募集中。。。:2012/04/20(金) 19:01:25.35 O
変態中島
360 :
名無し募集中。。。:2012/04/20(金) 20:18:53.25 O
デザートのお時間ですお嬢様
361 :
名無し募集中。。。:2012/04/20(金) 20:48:16.02 0
ノーパン矢島
362 :
名無し募集中。。。:2012/04/20(金) 22:32:59.50 0
保全なんかしないからね
363 :
名無し募集中。。。:2012/04/20(金) 23:04:48.39 0
僕のみおんちゃんおたおめ
364 :
名無し募集中。。。:2012/04/20(金) 23:06:15.28 0
俺のあーちゃんおたおめ
365 :
名無し募集中。。。:2012/04/21(土) 00:23:08.16 0
おやすみなさいお嬢様方
366 :
名無し募集中。。。:2012/04/21(土) 03:39:00.46 0
t
367 :
名無し募集中。。。:
只今目覚めましたお嬢様