「失敗の本質」(戸部良一他著)を読んでみた

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1 【中国電 82.1 %】
大東亜戦争における日本軍の各作戦における失敗の事例研究から日本軍の組織論を紐解いている
戦争ではその国の知力が結集されることにより、民族性、国民性が凝縮して現れる、よってその国を知るためには絶好の材料となる

事例に挙がっているのは以下の6件
ノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ沖海戦、沖縄戦
それぞれ状況はことなるが全てに共通する「失敗の本質」が見て取れる

・作戦目的の曖昧さ
大本営と各組織の考え方に統一性無く、作戦の目的を勝手に解釈し、行動する
結果、組織間(司令部と現場、陸軍と海軍、等々)での不信感が高まり、自らの組織にとって都合の悪い情報は隠し、無視することになる(意図的なミスコミュニケーション)
こうして出来上がった誤った情報により次の失敗の種が撒かれる

・不測の事態への備えが無い(短期決戦志向主義)
作戦失敗時の対応を考えることは「必勝主義」に反するため、情報と科学的な思考法を軽視し、楽観的な予測しかなされない

・戦略オプションの少なさ(過去の成功体験への固執)
日露戦争以前に成功を引き継ぎ、海軍は東郷平八郎による艦隊決戦主義、陸軍は乃木希典の白兵銃剣突撃主義を踏襲
第一次世界大戦を経験していないため、近代戦に対応するノウハウが無かった

果たして日本軍はこの戦争で何の為に、誰と戦っていたのだろうか?
彼らにとって守るべきは日本国ではなく、所属する組織だったのか?
彼らにとって打ち倒すべき相手は連合国ではなく、日本軍内の他組織だったのか?
本書では自らの保身と各組織のメンツのために非合理的な作戦を立て、
無為な失敗を無反省に繰り返し、無残な敗退を繰り返す様がありありと浮かび上がって来る

連合国とは物質的・技術的格差以前に組織的な構成力で敗戦していた
順風な時期には上記のような欠陥は見え辛い、しかし、一度逆風や不測の事態に陥ると組織的な欠陥が無様に露呈される

このような組織的特徴は敗戦から60年以上経っても日本政府や企業にしっかりと引き継がれ
政治的にも経済的に混乱の極みにある現代において敗戦を続けていることは残念なことである
2名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 09:42:33.98 0
今の官僚機構の組織と何ら変わってないな
3 【中国電 82.1 %】 :2012/03/11(日) 10:02:40.15 0
まさかこのまま落ちるってことはないよね
4名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 10:08:29.51 0
つまり遠回しな東日本大震災での政府批判なわけか
5 【中国電 82.1 %】 :2012/03/11(日) 10:12:23.30 0
もしくはもう少しで潰れる俺の会社批判ともとれるな
6 【中国電 82.1 %】 :2012/03/11(日) 10:17:09.25 0
全然関係ないんだけど
シャクレのことを靴べらと表現したのは松本人志がガキのトークで吉本でブサイクな芸人を挙げている時に
島田紳助のことを「あんなん靴べらやん」のが最初であることは有名だけど
靴べらって靴をスムーズに履くためのアレだよな
アレってシャクレに似てるかずっと疑問
もしかして靴の中敷のことを靴べらって言ってたのかな
7 【中国電 82.1 %】 :2012/03/11(日) 11:17:04.40 0
震災数日後の俺の書き込みだけど、結構良い線を突いてたな

http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1298209226/705

705 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/03/16(水) 21:23:36.12
TVを見ていると大げさかもしれないけど、日本国内だとここ10年で5本の指に入る大災害に発展する可能性もあるような気がしてくるな
悲観的すぎるかもしれないが、福島県が全て元に戻るには半年近くかかるかもしれない
8名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 11:21:09.49 0
第二次大戦敗退から一歩も進歩してないってこと?
さすがにそれはないだろ
9名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 11:22:54.33 0
逆に江戸時代の官僚主義に戻ってる
10名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 11:25:05.76 0
江戸時代の官僚て歴史的に見てもだんとつで無能らしいな
11名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 11:33:19.76 0
物量で負けてただけ!と言い張って敗戦に至った構造を温存してきたからな
12 【中国電 82.1 %】 :2012/03/11(日) 11:56:53.12 0
だよね
13 【中国電 82.1 %】 :2012/03/11(日) 12:54:18.86 0
うむ
14名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 12:56:37.35 0
今更読んだのか
ずっと昔の良著じゃん
15名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 13:06:18.25 0
でも日本軍は現場の指揮官が優秀で隊に団結力があったから戦略と物資が劣ってたけのに
米英軍と戦えてたわけでしょ
硫黄島とかそうじゃん
そういう強さって組織に対する帰属意識と無関係じゃないと思うんだよね
16 【中国電 82.1 %】 :2012/03/11(日) 13:25:00.14 0
そうだね
情緒的で非論理的な方法も偶然上手く行ってる時は上手く行くんだよ
でも、それは一時的な成功であって、普遍的に通用するわけじゃない
重要なのはいついかなる場合も適用できる普遍的な哲学
つまり科学的で合理的な思考法なんだよ
17名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 13:26:03.80 0
>>15
十分に戦えてた訳じゃ無いよ
18名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 13:27:15.64 0
科学的で合理的な思考法も原理主義化すると
一見そのようでも精神論になる点は注意した方が良いな
19名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 14:18:28.17 0
>>16
いつでもどこでも普遍的に通用する組織(論)は存在しない
というのが現代組織論の基本的考え
20 【中国電 82.1 %】 :2012/03/11(日) 14:20:01.91 0
論理的な思考が必要なのはどんな時も変わらないんじゃないかな?
21名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 14:29:42.50 0
論理的な思考は大切だけど政治とか経営とか軍事は結果が論理より大事
情報は常に不完全だし完全な情報が仮にあっても人間の知力では正解にたどりつけない
将棋とかオセロみたいなゲームを考えれば分かる
22名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 14:34:31.13 0
戦前の日本は軍国主義と言われるけど全然そうじゃない
総力戦に必要な軍事の論理が全く貫徹していない
アマリカの方がよっぽど総力戦体制ができてる
23名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 14:38:13.85 0
陸軍が銃剣突撃主義とかとんでもないステロタイプの見方で笑える
こんな奴が軍事板いったらフルボッコだろwwwww
24名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 15:38:03.84 0
当時の人も「竹槍訓練なんて無意味だ」と気づいてはいたが、
憲兵が監視する社会では、正論を口にすることもできなかった
「爆撃に竹槍で対抗することはできない。もっと飛行機を作れ」
と訴えた常識人も居たが、高齢なのに徴兵され激戦地に送られた
当時の人が恐れていたのは、つまりそういうこと
一事が万事で、当時の社会の病理を端的に示した事例だと思う

Wikipedia 竹槍事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%B9%E6%A7%8D%E4%BA%8B%E4%BB%B6
25名無し募集中。。。:2012/03/11(日) 16:16:07.66 0
個人個人は それなりに知的で物の判った人々が、
「空気読め」で相互に牽制しあった結果、
集団としては狂信者として行動する羽目になったという構造だな
26 【中国電 82.1 %】 :2012/03/11(日) 17:22:26.12 0
そうですね
27 【中国電 82.1 %】 :2012/03/11(日) 19:21:10.87 0
うむ
28 【中国電 82.1 %】 :2012/03/11(日) 20:06:13.69 0
だね
29 【中国電 82.1 %】 :2012/03/11(日) 20:58:27.22 0
ふ〜む・・
30名無し募集中。。。
『空気の研究』と同じような感じだろうか