「累犯障害者」（山本譲司著）を読んでみた

なぜ障害者は犯罪を繰り返し起こすのか
それはこの国の福祉行政が機能不全に陥っているからである

この国において「障害者」と「犯罪」と言う2つのワードを組み合わせることはタブーである
タブーとして存在しないとしている者には救いの手は差し伸べられない
刑期を終えても、身元引受人もいない障害者は社会に居場所を与えられない
ホームレス、ヤクザ、閉鎖病棟、そして、彼らは水が低きに流れるがごとく、また刑務所に戻って来る

「これまで生きてきた中で、ここが一番暮らしやすかった……」

現代社会は障害者にとって、刑務所よりも暮らしづらい空間である
知的障害者が生来的に凶悪な犯罪を起こしやすい性質を持っているわけではない
むしろ規則や習慣に極めて従順であり、他人との争いごとを好まない特徴を持っている
しかし、彼等は「善悪の判断を誤ることがある」「不利な立場に置かれた時に自らを守る言葉を持たない」と言う弱点を持っている
刑務所の外ではその弱点と従順な性格に付け込む犯罪者がたくさんおり、障害者はそれに巻き込まれ、搾取され、自らも犯罪者となってしまう
暴力団に金を搾取され、売春の元締めに性を搾取され、不法滞在外国人に偽装結婚と言う形で戸籍を搾取され
ついには検察と言う国家権力にまで未解決事件の犯人にでっち上げられることで人権を搾取される

本来、彼らは刑務所に行くべきではなかった
福祉行政施設や更生保護施設などで然るべき訓練を積み、社会で真っ当なレーゾンデートルを得られるはずであった
障害者にとって不公正な裁判と触法者を無視する福祉行政が彼らを累犯障害者へと仕立て上げてしまった
彼らにとっての最後のセーフティネットが刑務所となっていると言うアイロニカルで残酷な現実から目を反らすべきではない

獄窓記は読まなかったのか

そっちも読んでみようかな
しかし、この人は政治家にしては潔いね

保全

池沼の福祉と教育と社会参加が先進的な県のほうが
かえって池沼の犯罪者は多かったりするので
厳密な統計的な考察が必要なことだとは思う

だね