K−POP、したたかな海外戦略
千葉・幕張で開かれた夏恒例のロックの祭典「サマーソニック2011」。国内外あまたの出演者の中、
今年のトリを務めたのは、韓国ポップス「K−POP」の女性9人組グループ「少女時代」だった。
文京区の女性看護師(23)は、初めて少女時代のライブを見た。もともと硬派系のバンドが好きで、当初は
K−POPを冷ややかにみていたが、高いレベルの歌とダンスに触れ「自分でも信じられないくらいハマった」という。
会場では途中、音楽が途切れるハプニングがあったが、音が止まっても歌っていたことで、
図らずも「口(くち)パク」でないことまで証明してみせた。「あれだけ激しい踊りをしながら歌うなんて…」。
期待通りのライブを堪能した女性は「K−POPには新鮮さ、芸術性を感じる。
今、あれだけのパフォーマンスができるアイドルは、日本にはいない」と言い切る。
一方、番組制作などで15年来、アジア音楽の発信を手がけるNHKエンタープライズの
エグゼクティブ・プロデューサー、山中宏之氏(43)は、日本の人気アイドル「AKB48」とK−POPグループとの
違いを、明確に見つめる。「K−POPは『完成されたもの』としてのあこがれの対象、
AKBは、親近感があり『一緒に育てていく』対象なのではないか」
「完成されたもの」の背後には、すさまじい淘汰(とうた)がある。オーディションをくぐり抜け、
養成所などで徹底的に鍛え上げられ、勝ち残った者だけがデビューできる。
その後も続く熾烈(しれつ)な競争の中で、生き残れるのはごくわずかでしかない。
メンバーたちは驚くほど語学を勉強する。おおむねコミュニケーションが取れるレベルで進出先の言葉をマスターし、
当地に一定期間滞在する。小池氏は日本での活躍について「素人っぽいアイドルが受けている中で、
圧倒的なパフォーマンスを見せ、しかも日本語が話せるとなれば、人気が出るのは必然だ」と語る。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110919/trd11091900100000-n1.htm