音痴は脳神経の回線が理由〜最新調査から
脳神経回路の問題が音痴の原因であることが、最新調査で明らかになった。
USAトゥデイによると、ハーバード医科大学で音楽と脳を研究するサイキ・ルーイ氏らが
調査を実施、「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」誌上で報告した。
音痴とは、聴覚や会話には問題がないが、音程がわからない人々を指す。音痴は遺伝し、
全人口の4〜17%存在するとされる。
ルーイ氏らがボストンで、10人の音痴の人を含む20人を対象に脳スキャンを行ったところ、
特定部分の神経回路に違いがあることがわかった。音痴の人の場合、音声の受信や発信に
関連する、脳の前頭部と側頭部を結ぶ神経回路が、音痴でない人に比べ少なかった。
なかには神経回路がまったく見つからない人もいた。
ルーイ氏はこれを、脳内の2つの島を結ぶ高速道路にたとえて、音痴の人の場合「高速道路
の交通量が少ない」と表現している。
今回調べた神経回路は、言語能力に関係することが以前から知られている。ルーイ氏は
調査をさらに進めることで、音痴の人や、言語能力に障害がある人々の一助になる可能性
があると見る。
US Front Line
http://www.usfl.com/Daily/News/09/08/0819_033.asp?id=72467 Tone Deafness: A New Disconnection Syndrome?
The Journal of Neuroscience, August 19, 2009, 29(33):10215-10220; doi:10.1523/JNEUROSCI.1701-09.2009
http://www.jneurosci.org/cgi/content/abstract/29/33/10215