キャナァーリ倶楽部 PART127

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128名無し募集中。。。
おがまなの日記。
ttp://plaza.rakuten.co.jp/canariaclub/diary/200807130000/
>夏になると暑くなるからもし線路が区切られていなかったら形が変形してしまうんだって!!
>区切られていれば曲がることはないのさ♪線路は短く区切られていたほうが曲がりにくいってわけです。
>凄いなあ!
>鉄でできてるから暑くなるととけちゃうんだわー!!

いいかい、おがまな。
まず、鉄道レールの材料を調べてみよう。少し調べるとこんなものが出てくる。

ttp://www.railway-museum.jp/exhibition/129.html
>現在では[中略]高強度の粘りのある高炭素鋼が使われています。その成分は、一般的な50Nレールの場合、炭素0.60〜0.75%

さて、炭素以外の微量添加物や不純物はここでは無視しよう。

ここで僕たちが関心をもつのは、「炭素0.60〜0.75%を含む鉄は何℃で溶けるか」だ。
どうしたらそれがわかるだろうか。
129名無し募集中。。。:2009/05/07(木) 15:36:55.65 0
幸いにも、先人の知恵により、僕たちは「状態図」というデータベースを参照することができる。
これによると、組成と温度が分かれば、ものの状態が予測できる(対象とする成分が2種類で、濃縮相の蒸気圧を無視した場合だけどまぁ細かいことはいい)。
組成とは、たとえばここでは炭素と鉄の量の比のことね。

では、鉄-炭素二元系状態図を見てみよう。
ttp://www.jfe-21st-cf.or.jp/jpn/chapter_3/images/a_02_ph2.jpg

見えるかな、おがまな。左上のグラフに注目してくれ。
炭素が0.75mass%の場合を考えよう(レールが100kgあったすると、その中に炭素が0.75kg含まれているということ)。これは、グラフの下の目盛を見ればいい。
見つけられたかい、おがまな。下の目盛の0.75を見るんだよ。いま、僕たちはグラフの底辺の0.75の点にいるんだよ。

そこから、上に辿っていこう。上へ辿ることは、温度を上げることを意味する。
1本目の赤い線にぶつかったはずだね。もう少し上へいこう。「γ+L」のラベルがあるね。
これは、炭素0.75mass%の組成にある炭素と鉄が、γとLという二つの状態にあることを意味する。γとは固体(複数ある固体の状態のうちのひとつ)、Lとは液体を意味する。つまり、ここではレールが溶けているということだ。

注意して見たらわかると思うが、グラフを辿る前、つまりさっき赤線を超える前までは、γという状態だけだった。赤い線は状態の範囲を意味する。γより下にあるものは(右のグラフ参照)、すべて固体の状態だ。

つまり、さっき赤線を超えたとき、はじめてレールが溶けたことになる。
この温度は何℃だろうか。さっきを超えた赤線の、そのまま左の目盛を読んでごらん。
だいたい1,660くらいだね。これは、換算すると、だいたい1,950℃を意味する。
1,950℃で、はじめてレールが溶けるということだ。いいかい、おがまな。

ここで、キミの書いたブログに戻ってみよう。
>鉄でできてるから暑くなるととけちゃうんだわー!!
鉄道のレールが、普段の状態で1,950℃まで加熱されることがあると思うかい? 重たい電車に毎日踏みつけられてるにしても、そこまで温度は上がらないよね。
つまり、ふつうにしてる限り、レールが溶けることはないってことだ。いいかい。

じゃあどうしてレールは細かく分かれてるんだろうか。それはおがまな、自分で調べてみなさい。
ヒントは、男の人の体にも、もしかすると関係があることかもしれないってこと。比喩的に、ね。

考えたら、ちゃんとブログで報告してくれよ。お兄ちゃん待ってるぞ。