リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第23話
1 :
名無し募集中。。。:
【今まで出てきた能力まとめ】
高橋愛:精神感応(リーディング) /瞬間移動(テレポーテーション)/光使い(フォトン・マニピュレート)
新垣里沙:精神干渉(マインドコントロール)
亀井絵里:傷の共有(インジュリー・シンクロナイズ) /風使い(ウィンド・マニピュレート)
道重さゆみ:治癒能力(ヒーリング)
さえみ(姉人格):物質崩壊(イクサシブ・ヒーリング)
田中れいな:共鳴増幅能力(リゾナント・アンプリファイア)
久住小春:念写能力(ソートグラフィー) /幻術(ハルシネーション)/発電(エレクトロキネシス)
光井愛佳:予知能力(プリコグニション)/心の浄化(ハート・プリフィケイション) /水守
リンリン:念動力(サイコキネシス)/発火能力(パイロキネシス) ※手で掴める物限定
ジュンジュン:念動力(サイコキネシス)/獣化(メタモルフォシス(トゥ・ビーストorパンダ))
詳しくはこちら
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/35.html ジュンジュン獣化参考画像
http://resonant.pockydiary.net/file/panda.jpg
【投稿日順に読む裏技】
まとめサイトの[検索]で「(1)」とか指定すると、第1話(1スレ目)の作品が投稿日順に並びます(降順)
(投稿日=まとめサイト掲載日時であり、スレ投下日時ではありません)
ただし、次回予告についてはシングルの順序と合わせるために
順番に並ぶように投稿日をいじってあるのでこの限りではありません
このスレに初めて来たから様子がわかんないよ、って人にはイイかも
※時々検索結果に違うスレの作品が混じりますが、本文中に張ったリンク(例:(1)123)を拾ってしまうためです
※※現在タグでスレごとの作品が読めるようになっています
【代理投稿を依頼するときのお願い】
したらば掲示板のアク禁スレに作品を上げるときは対処方法の指示も書いてください
例えば
・規制食らったので転載して欲しい
・レス数多いから掲載を手伝って欲しい
など
<<サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノからのお願い事>>
・作品投下と同時に作品タイトルも決めてあるよ!
→作品の中・前後に『 』でくくってくれたらわかりやすいよ!
・前に投下した作品の題名考えたよ!
→必ずしたらばの「題名スレ」に書いてね
・題名変えたいんだけど…
→それも「題名スレ」でおkだよ
・自分の作品に誤字脱字編集したいとこ見つけた
→したらばの「催促スレ」に書き込んでね
・編集したいとこがいっぱいありすぎて書けない
→テキストをメールで送ってね まとめサイトにメールフォームあるよ
・自分のあの作品とこの作品リンクさせてほしい
→「催促スレ」に書いてね
・その分類じゃなくて違う分類がいいんだけど…
→それも「催促スレ」でおk
・こらサボティ!直せって言ったとこ直ってない!
→「催促スレ」で教えてねゴメンネ
☆「催促スレ」「題名スレ」でお願い事した場合はageてね!
・何か企画とか考えたいんだけど
→したらばに自由にスレ立てて進めてくださいな
・とりあえず雑談したいんだけど
→「更新履歴とか雑談スレ」はみんなで使っていいスレだよ
・テンプレにあれこれ追加削除したい
→したらば「テンプレスレ」で話し合おうぜ
川*’ー’) < テンプレの設定やまとめサイトを参考にして自由に想像するがし
ノ|c| ・e・) < 登場人物の能力やストーリーの背景・設定は作者さんの自由なのだ
ノノ*^ー^) < シリアル路線でもコメディ路線でもお好きなものどうぞ
从*・ 。.・) < AAを使ったものや1レス完結ものでもOKなの
从*´ ヮ`) < 他の作者さんの設定を流用するのもありっちゃ
ノリo´ゥ`リ < 気に入った話の続きや繋ぎの話を書いてみるのもありカナ☆
川=´┴`) < プロットを書いて他の作者さんにストーリーを書いてっておねだりしてもええで
川*^A^) < アーでも書いてくれるかは作者さん次第ヨ
川´・_o・) < ソッカー
12 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 01:07:10.74 0
川=`┴´)<愛佳が立てたんやで!
13 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 01:17:49.08 0
みっつぃー乙
今スレはみっつぃーの話も一杯あるといいね
14 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 01:26:03.87 0
ヽ川=゚∀。)ノさん及びテンプレさん乙です!
23話も盛り上がっていきまっしょい!
15 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 01:38:04.13 0
新スレが立つと早速映像さんの作品を期待してしまう
16 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 01:43:50.24 0
>>ヽ川=゚∀。)ノ
ワロタ
キモキャワスw
17 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 01:55:05.34 0
>>15 映像作品作るのも時間食うもんだしまったり待とうぜ
さて今スレ一番乗りはどの作品だろうか
18 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 02:22:25.80 0
前スレの感想大会に乗り遅れてしまった
19 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 03:03:33.42 0
=ダクネチ;)<どうしよう わしが入院している間にもう23話まで来ちゃった!アウ・・アウ・・
ダクネチュ)<あっ!そうだ わしのクローンを8体作ったら何とかなるかも
ノ|c| ・e・) <・・・ダークネス様 私は今のダークネス様のチカラを信じております
ダクネチュ)<!! 里沙・・わし・・頑張る!
_, ,_
ノlc| ・e・)=3<ふう・・・(1人でも大変なのに9人の世話とか無理だから!!)とにかく新スレ乙なのだ
20 :
テンプレ:2009/02/11(水) 05:04:57.62 0
>>1 乙です
完全に寝落ちしてました
立てていただいてありがとうございます
21 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 06:04:53.58 0
川`・_o・)<光井、テンプレさん乙だ!
川`・_o・)<バナナケーキ、マダデスカ?
22 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 07:16:34.60 O
ダクネチュ様キタwww
幼児化が進んでおりますなw
23 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 07:26:41.26 O
ジュンジュン生日快楽!!
前スレ最後落ちてて読めなかったorz
>>19 ダクネチュ様が壊れていくwww
24 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 08:33:22.48 0
他に予定がなければジュンジュン誕生記念を9時頃に・・・(小説ではありません)
25 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 08:35:35.90 0
サボティ&テンプレさん&みっつぃー乙です
リゾスレ23話おめ!
>>18 自分もッス
過酷シリーズSPについて語りたかったorz
>>19 ワロタww
毎回、毎回、パターンが尽きないのが凄い!
26 :
名無し募集チュ。。。:2009/02/11(水) 08:40:43.31 0
ダクネチュ様は俺の嫁
27 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 09:02:13.71 0
娘 ○ 朝 ● 純 ○ 李 ●
想 ● 知 ○ 明 ○ 氏 ●
共 ● 陽 ○ 変 ● 為 ○
鳴 ○ 即 ● 駮 ● 人 ○
空 ◎ 闇 ● 熊 ◎ 虎 ●
<詩題> 想共鳴蒼空
<韻目> 「東」韻
<中国語読み>
li(3) shi(4) wei(4) ren(2) hu(3)
chun(2) ming(4) bian(4) bo(4) xiong(2)
zhao(1) zhi(1) lang(2) ji(2) an(4)
niang(4) xing(1) gong(4) ming(2) kong(1)
※( )内数字は現代中国語の四声であるので 平仄とは必ずしも一致していません
28 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 09:02:53.71 0
>>27 ジュンジュン誕生日記念詩(五言絶句) 『想いは蒼空に共鳴す』
平仄や押韻等 基本的規則には則って作ったつもりですが 詩と呼ぶにはあまりに拙ないものを失礼致しました
そして携帯で見られている方ごめんなさい
新垣さんのときと同様 「いい話」のアイディアがまとまらずお茶を濁しました
しかし今となっては道重さん久住さんのときに何もしなかったことが悔やまれます
・・・今年の誕生日までスレが続いてそうな勢いではありますが
さて本作ですが 各句の頭が「李純朝娘(ジュンジュンモーニング娘。)」になっています
(※実際の中国語ではご存知かと思いますがモーニング娘。は「早安少女組」です)
一応結句はダブルミーニングにしてあるつもりです
書き下しや訳等はあとがきスレに載せておきますのでもし興味があれば・・・
長々と失礼致しました
ジュンジュン21歳の誕生日おめでとう!
29 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 09:16:35.12 0
>>28 ジュンジュン誕生日記念作品一番乗り乙です!
なにやらカッコイイ漢詩?ですね
解説求む!w
30 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 10:44:24.48 0
リゾートディナーショーまでの時間潰しに作品カモン!
31 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 12:08:39.17 0
おお!したらばに漢詩の解説ktkr
32 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 12:18:04.15 0
23スレ目突入か
ついにマーサー王スレを抜いたな
33 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 12:28:52.22 O
そんなに必死に宣伝せんでも
34 :
名無し募集中。。:2009/02/11(水) 12:36:11.80 O
今日中に何か投下します
35 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/11(水) 12:59:49.80 0
>>16が川=´┴`)とのフュージョンだとわかっていても
むしろアヒャ美な紺野さんだと思ってしまった自分は極度の紺ヲタ
やースレ立て久々なんでビビった
よく話数間違えそうになるしテンプレすっ飛ばしたりしないかと不安になったw
ということで新スレ化作業
・まとめサイトへのテンプレ収録は、
>>1と○○が立てた だけ収録
>>2以降に変化があった場合は全収録します
・ダクネチュ収録/dat追加/現行スレ修正
・過去ログまとめがまだ20話までなので暫定で23chから21と22話を引っ張りました
今スレもよろ!
36 :
テンプレ:2009/02/11(水) 13:12:57.16 0
37 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 14:44:45.86 O
前にサボリンが立てた時うっかり名無し募集中。。。にし忘れたよねw
あれも良い思い出
38 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 16:06:07.58 O
今日も日替わりリゾナントコーヒー飲むか〜
今日は誰の写真かな・・・な なんだこのパンダは!
39 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 17:12:41.72 0
そそそそのパンダと全員ショット交換してくんないかな?
40 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 17:27:58.72 0
川*’ー’)<当店ではトレーディングスペースは設けておりません
41 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 17:49:31.35 O
パンダがほしいの?うーんすまん!
ちょとそのダークネュ写真とはかえられないわー
42 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 18:12:42.47 O
新作まだかな
43 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 18:58:55.33 0
>>19 ノ|c| ・e・) <…まあ、ダークネチュ様の「9人祭り」も面白いかも…
( ・e・ ) <…ね?
44 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 19:15:02.58 O
こっち見んなw
マジでw
45 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 19:17:17.23 0
誰に話しかけてんだよガキさんw
46 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 19:24:02.82 0
47 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 20:35:23.18 O
かわいいスパイだなあ
48 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 20:35:57.03 O
今、外で散歩してるけど今日は満月ですね
49 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 21:37:10.02 O
生誕記念作は無いのかな?
50 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 21:41:22.66 O
満月の夜にはパンダが出るって俺の婆ちゃんが言ってた
51 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 22:01:33.16 0
まとめサイト見てきたら
ジュンジュンって単独分類で4作品しか無いんだね
脇役では相当数の作品に出演してるから
リゾスレ的には大活躍してる印象があったけど、意外に少ないんで驚いた
52 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 22:37:14.14 0
狼で書き込めなくなるトラブルあったみたいだね
53 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 22:54:00.78 O
数分後に投下します
54 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 22:57:44.90 0
あたしのバイト先のおやっさんと女将さんが国内旅行に行きたいと言い出した
寒い時は人もツバメも南に行くのが日本の伝統だと言っていた。
わーい!お仕事お休みーなんて喜んでいたのもつかの間…あたしは重大な事実に直面する
―バイトがないと、賄いがないだ―
この国はおもしろい国だ
頭があまりよろしくないことや、
あるいはあまりお金を持っていないことをテレビで話すと
笑いが取れる…すなわちお金になるのだ
だとしたら、今の私はなかなかに金になる気がする
ご旅行三日目…朝起きると何かがグーグーと鳴っていた
うるさいなうるさいなと思って目覚まし時計を叩いたけど、音は消えない
それから気づいた、これは私のお腹の音だと
同居人はすでに家を出たらしく、綺麗に畳まれたパジャマが憎らしげに胸を張っている
冷蔵庫は空っぽ おやっさんに貰ったチャーハンも底をついていた
リンリンのういだーぜりーに手を伸ばしかけてその手を引っ込める
蛇口から出した水をごくごく飲んで、のそのそブーツを履いた
財布には、何枚か千円札がある…しかし今日はこれで参考書を買いたい。
これだけは…譲れない
そうだ、今日は絶対リゾナントに行こう 閉店後の時間を狙って
ご飯の事はなるべく考えないようにして駅まで猛然と走り出した
残念ながら間に合いそうもない、腹時計の鳴り響いた時には既に目覚まし時計は仕事を終えていたらしい
55 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 22:59:42.37 0
「すみません、もうきょ…あージュンジューン!」
いつものようにCLOSEの看板を無視してドアを開けると、ちょっと早すぎるからーなんて変なことを言われた
よく考えてみればなんか今日呼ばれてた気がする…好都合だ
テーブルの方を見ると、最後のお客さんがご飯を食べてる
あれは、うええおええ丼。空腹な今、あれでさえ極上の一品に見える
あの人が終わるまで賄いにはありつけそうもない
二階で待ってます、と高橋さんに言ったのに、それを制してテーブルに腰掛けさせられた。
拷問だ。良い匂いがするのに、あたしはコーヒーしか飲めない
あたしの願いが叶ったのか、最後の客は早々に食べ終わった
念力とも言います。睨むとも言います。ガンツケって言うって田中さん言ってた
「ジューンジュン!こんな早く来たらいろいろ出来んやん」
気持ちはわかるっちゃけどね、このこのー!なんてウインクしながら訳のわからないことを言う猫娘。
お前は摘もうと思えばいつでも食えるだろーが!この空腹知らず!
なんて失礼な言葉を言いそうになりましたですよ。
これも空腹のせい。全部空腹のせい。ジュンジュン悪くないですよ。
田中さんは道重さんに呼ばれて、二階に上がっていった
じゃあ、ジュンジュンもそろそろと思ったのに、高橋さんにダスターを渡される
働かざる者食うべからず、そういうことだろう。
鬼だ。羊の皮を被った悪魔だ。ん?サル?あ、狼だ。
しかし、ここで折れては、食料にありつけない。
パンダ化しそうな我が身を抑え、あたしは一心不乱に床を清掃したですよ。
56 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 23:02:25.35 0
したら、今度は高橋さんがクスミさんに呼ばれてました
んん?今日は久住さんも来てるのか…
久住さんが来ると毎回、テレビ局のいろんなものが食べれて便利…あ、ありがたいです
こないだは、きらりーちゃんの宣伝したカップラーメンを段ボールいっぱいに詰めて
リンリンと二人で持って帰りました
あの時の味を思い出したら、またお腹が鳴りました
もう、ダメ。死にます。皮と骨になります
あたしはぶるぶると震えながら、キッチンの中に進軍しました
そしてがしりと冷蔵庫の扉を掴んだ
後ろで、からんからんとあたしが捨てたモップの落ちる音がします
ジュンジュン、ダメー!そんな高橋さんの声が聞こえた気がしました
あたしはそんな現世のしがらみをかなぐり捨て、桃源郷の中に足を踏み入れたのです
おーぷん ざ りふりじーたー
57 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 23:04:54.38 0
どこかでかめーさの…いや、天使の声がしました
中は天国でした。まっしろなケーキ。みたこともないような大きさのケーキです
たぶん田中さん作の明日のランチのセットのケーキの一つのケーキ
やたらと『の』の多いこの文章…日本語のせんせに怒られますな
いけないいけないと思いつつも、震える脳と泣き叫ぶ胃袋が食べ物を求めます
一口だけ、一口だけ
本能の抗議デモに負けた屈強なはずの理性が、
指先でほんの少しつまめるだけにしなさいと妥協しました
あたしはそれに従いました
ごぼっ
指は脳の僕 忠実に一つまみだけ、あたしの口に運びました
ケーキはおよそ半分なくなりました
それはいつの間にか変化したパンダの手のひとつまみでした
高橋さんの慟哭によって、
わらわらとキッチンに集まったメンバーの非難を聞くことなく
あたしは数日ぶりの食べ物に、意識を手放しました
あたしは幸せでした
58 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 23:06:45.77 0
* * * *
「もう!ケーキをこんなぐっちゃぐちゃにしてー!」
事情を知った田中さんは笑いながらあたしを許してくれた
でも、半分になったケーキがまるでみせしめのように机の上に置かれています
もっと早くごはんのこと聞いてあげれば良かったねー。
高橋さんのその言葉に、そして自分の情けなさにジュンジュンなんか泣けましたですよ
「じゃー、まーシュヒンが見事にぶちこわしてくれましたけど、始めますか!」
新垣さんの言った「シュヒン」ってなんなのか光井さんに聞こうとしたのに、
急に電気が消されました
「フ・アイヤー!」
ご陽気なかけ声と共に、何かの火に照らされて、ぐちゃぐちゃになったケーキが浮かび上がります
ほら、なんて書いてある?なんて促されてケーキの前に立った瞬間に
今度は涙で文字が読めなくなりました
『ジュンジュンおたんじょうびおめでとう』
半分に挿すにはあんまりにも多い、21本のろうそく
そのゆらめきと8人の歌声を一心に感じながら
ぐしゃぐしゃのそれがさらに倒壊していくのも気にせず、一気に吹き消しました
みんなありがとー!
59 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 23:07:28.44 0
「ジュンジュンの、これだっけですか?」
他の8人のお皿にはそれなりの量なのに、ジュンジュンのお皿にはバナナ一欠片
もうホント笑ったですよ。みんなサイコー
それなのに、みんなからプレゼント貰った後に置いてた皿を見たら
ケーキのタワーみたいに、いっぱいいっぱいに盛ってた
みんながちょっとずつくれたから
あたしのお皿食べちゃったのよりいっぱいになりました
頭があんまりよろしくないの、幸せじゃないです
お金があんまりないの、幸せじゃないです
でも、こんな風に仲間のありがたさを感じれるなら、不幸なことじゃないです
この力も同じなのかもしれない
幸せじゃないかもしれないけど、これからもっと苦しいかもしれないけど
きっとそれでも、幸せだって最後には言える
この人たちがいれば…ジュンジュンはサイコーに幸せ者です
みんな大好き
60 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 23:09:17.28 0
川;’ー’)<ま、またきたんか…
川´・_o・)<ディナー余ってませんか?
以上
>>54-59です
突貫だったので不憫な子にしてごめんなさい…
ジュンジュンお誕生日おめでとう!
61 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 23:10:24.51 0
乙です
ジュンジュンかわええし
他のみんなもあったかい
ダニエル・キイスをちょっと思い出したw
62 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 23:12:54.51 0
乙です
ほんわかしました可愛らしいお話ですねー
確かにちょっとチャーリー・ゴードンを髣髴とさせる語り口ですな
63 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 23:15:10.46 0
>>60 いやぁ〜・・・何て言ったら良いんだろう?
凄く、好きでした。良かった!
>頭があんまりよろしくないの、幸せじゃないです
>お金があんまりないの、幸せじゃないです
>でも、こんな風に仲間のありがたさを感じれるなら、不幸なことじゃないです
ここを読んでて、何か込み上げてくるものがありました。
面白かったし、感動したし、上手いなぁ〜って感嘆もした。
さっそくですが、次回作も期待して待ってます。
64 :
名無し募集中。。。:2009/02/11(水) 23:26:37.33 0
>>60 ありがとう! かわいいジュンジュンがうれしいw
自分は何も思いつけなかった… 生誕話一度も間に合った事がない…orz
65 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 00:34:23.34 0
ジュンジュンらしい感じのする話でしたありがとう
>>60 色々面白かったです!笑いもあって、でも良い話で!
ジュンジュンヲタだけどますますジュンジュンが好きになった!
>あれは、うええおええ丼。空腹な今、あれでさえ極上の一品に見える
「さえ」とか言いなさんなw
>念力とも言います。睨むとも言います。ガンツケって言うって田中さん言ってた
れいな何教えてんだw
> おーぷん ざ りふりじーたー
カメ何教えてんだw
67 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 01:09:37.19 O
心暖まるお話でした
68 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 01:40:00.69 0
リフリジータ懐かしいw
69 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 02:01:05.19 O
えりりんだっけ
70 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 02:08:13.88 0
いつの間にかこんな毎日が幻になってしまうのだろうか。
あの日、傘を忘れた事を思い出した。
雨ざらしになって歩きながら、自分だけがこの世界で雨に
降られているんじゃないか、という気分になっていた。
空を睨んでみても、何も変わらない事に寂しさを感じて。
それでも。
灰色の雨雲がちょっとだけ、ちょっとだけでも気兼ねして
止んだり、弱まったりするんじゃないか。
そしたら、何かが小さくなった。
これ以上濡れたくなくて、傘を差していないのを笑われるのも怖くて。
でもそれは、間違っていた事なんだと思い出す。
最初から、傘なんて持ってなかった。
周りを見ると気付く。皆も同じだった。
両手に抱えきれないくらいの罪や夢や希望や後悔や思い出や。
ありったけの大切を抱えていて、最初から両手がふさがっていて傘なんて持てるはずもない。
皆雨ざらしだけれど、それでも歩いて、同じだと気付いた。
この雨もきっと、もうすぐ止む。
やがて、空が雨上がりに輝いて、未完成の虹を宿す。
―――それは、見た事のある虹の中で、一番綺麗なのかもしれない。
71 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 02:08:48.76 0
「ウヘヘ、ほら、ジュンジュンカンパーイカンパーイ」
完全に出来上がってしまった亀井絵里がグラスをガンガンぶつけてくる。
とは言うものの、中身は飲み干したあとだったのでこぼれる事はまず無いのだが。
二十歳になった事で気楽にお酒が飲めるようになったのは良いが
新垣里沙と同様、弱い上に甘え上戸な所がより増したように思えた。
だが嫌と言うより、逆に心地が良いのは事実だ。
ストッパー役として道重さゆみが背後から止めに掛かり
上機嫌のままふらふらと歩いていってしまう絵里を追う姿がどこか暢気でもあり
平和な一時なのだと感じさせる。
今度は田中れいなに絡みだした絵里は、先ほどまで撮影をしていたデジカメを
奪い取り、「はいチーズ」とパシャリ。
「亀井さんしか入ってないっ」と小春に一喝されながらもふにゃふにゃと笑い飛ばす。
一歳違いとは思えないほどの幼さに半ば呆れている面々だが、ジュンジュンと同様に
その姿を見て嫌な顔は誰もしなかった。
「何か最近、お祝いばっかりしとる気がするやよ。まぁでも、楽しいからいっか」
隣でバースディケーキを徐々に消化している高橋愛が呟いた。
喫茶『リゾナント』のマスターであり、『リゾナンター』のリーダーでもある。
二つの顔を持ち合わせてはいるが、彼女もまた、ジュンジュンと1歳しか違わない女性だ。
今日、ジュンジュンは21歳の誕生日を迎えた。
「あノ、アリガトございましタ」
「ええよ、丁度バナナも安売りしとったし。
小春も仕事やったけど休みとってくれたし、全員でお祝いできて良かったやざ」
72 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 02:11:47.63 0
そう、久住小春は今日の夕方から仕事が入っていた。
ドラマの収録があったらしく、泊り込みの為に前日から行く事になっていたのだが
小春がマネージャーや上の人間に掛け合ってくれたらしい。
いつもはぶっきら棒な態度に喧嘩へと発展するような間柄にもかかわらず、だ。
だがここでも"素直に祝う"という訳には行かなかったらしいが。
「変に恨まれでもしたら小春が面倒くさいの」
その小春というと、れいなのデジカメに自分のチカラを注ぎ込み
念写能力(ソートグラフィー)、自身の認識によって原風景を固定し、変容し続ける
イメージを二重、三重へと膨張し、合成していく。
余程驚愕な光景がそこにあったのか、れいなが笑っているのか怒っているのか分からない顔で
何かを訴えているものの、小春はそれを不敵な笑みで受け止めていた。
初めて会った時のあの鋭利な刃物のような気配は無い。
まるで両方から金槌か何かで徐々に砕き、壁を無くしているようだ。
少しでも分かり合おうと努力している姿が、其処にはあった。
「ジュンジュンがあーしと1歳しか違わんなんて思えんな。
明らかにジュンジュンの方がお姉さんやし」
「高橋サンの方が大人デス。私まだいろんな所が足りナイ」
「そんなのあーしだってそうやよ。いっつもガキさんに頼ってばっかりで…。
自分から何かしようって思わんのが悪いんやろうけど」
高橋愛は、どこか自分を過小評価している部分がある。
自分が思っている以上に、彼女はいろんな事に必死に取り組んでいるのだ。
だが、どこかで不安になるのかもしれない。
自分のような人間が、抱えている物全てを守りきれるのだろうか。
ずぶ濡れになった誰かに、傘を差し伸べられる事が出来るのか。
73 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 02:13:11.41 0
「ジュンジュンは高橋サンに感謝してマス。
皆に出会えタ。優しくしてくれタ。バナナだってくれタ」
「バナナはまぁ、ジュンジュンの大好物やし…」
「それダケで私は嬉しイ。この幸セが私の幸セダ」
「…なんか、ジュンジュンは照れることを率直に言うね」
お酒が入っているからなのか、薄く赤らめていた頬が濃くなったような気がした。
ジュンジュンは分かっているのか分かっていないのか、優しい微笑を浮かべている。
不意に、愛が話を逸らそうとして、皆から貰ったプレゼントの中に
一段と存在を知らしめているものに視線が向いた。
笹の葉にくるまれた花がメンバーカラーに合わせているのは彼女なりの洒落だろうか。
「ところでさ、その…笹って食べるん?」
「コレは習しデス。リンリンがくれマシタ」
「あー…なるほど、ね」
咄嗟の事ながら、ジュンジュンのチカラとその食欲を知っている愛は勘違いをしたのに
気付くとまた顔を真っ赤にさせた。
『リゾナンター』にはもう一人、愛と同じ二つの顔を持つメンバーが存在する。
テーブルのご飯を摘んでは光井愛佳とトランプをし、ババを引いて「アー!」と叫び声を上げた。
予知能力(プリコグニション)を持つ彼女にその手のゲームで勝てる相手など居るのだろうか。
そう思うと小春や愛にも同じ事が言えるのだが。
「リンリンにもここが安らぐ場所になってもらえてたらええんやけど」
「リンリンも凄く高橋サンに感謝してマス。私も、リンリンには感謝してマス」
74 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 02:15:01.74 0
国家機関刃千吏の護衛官銭琳の顔と、リゾナントグリーンのリンリンの顔。
どちらにしても彼女である事は変わりは無い。
初めにあった時は国家機関刃千吏としての責務を果たすためだったのかもしれないが
守るものが増えて尚も誰かを「守る」事を全うしている。
灰色の雨雲を察知し、いち早く傘を差し伸べてくれた彼女。
でも、最近は少しだけ、その手には多くのものを抱えすぎているように思えた。
「守る側」と「守られる側」
だが、それにどれくらいの違いがあるというのだろう?
「守られる」のであれば、「守られる」術を知っているのであれば方法はいくらでも思いつく。
例えばそれは、抱えきれないモノを変わりに持ってあげる事も出来るという事。
傘が落ちてしまえば、拾えば良いのだから。
「私、皆ノ事が大好キでースっ」
いきなり大声を出したジュンジュンにメンバーは振り返る。
その視線に応えるようにジュンジュンは満面な笑顔を浮かべていた。
―――いろいろが色彩に溢れながら透(す)ぎて行く。
例えばそれは穏やかな午後の木陰での居眠りだったり。
例えばそれは、夕暮れの中で揺れる海の波だったり。
例えばそれは、失くしてしまった笑顔を探す旅だったり。
空が雨上がりに輝いた時、未完成の虹は光を宿した。
額に入れられた写真に写る新しい虹を、ジュンジュンは幸せそうに見つめる。
紡いだ詩は、まだ小さかった自分が始めて得た始まりの唄。
歩き出した先に幸福があると信じ、また全てが始まった瞬間だった。
75 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 02:19:15.95 0
>>70-74 投下は以上です。
誕生日に間に合わずジュンさんごめんなさいorz
76 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 03:06:18.09 0
新垣里沙は寝込んでいた。原因は過労だ。スパイ生活は彼女の肉体と精神に多大な負担を与えていた。
ここ三日程自宅アパートのベッドに横たわって天井ばかり見つめている。
おかげで買い物にも食事にも行けず、殆ど碌な物を口にしていない。
愛や仲間達に何とかしてもらえばいいのだが、心配をかけたくないという気持ちの方が強く、
何となく言い出せないままずるずると時を過ごしていた。
「まいったなあ…」
思わず、口から声が漏れた。
体が弱ると心まで弱くなったような気がする。
いつまで続ければいいんだろう。いつまで秘密を抱えていればいいんだろう。
ずっとみんなを騙して、ずっと組織を誤魔化して、いつまでも狭間で生きていける筈なんてないのに。
いつかは、決断しなければならない。
分かってる。それは分かってるんだけどね…
じんわりと目頭に熱いものが満ちてくる。
仲間達の前ではしっかり者でいられても、組織内では優秀であり続けられても、
今は一人で涙をこらえるのが精一杯な自分が恨めしい。
「あー、ダメだ今こんな事考えてもしょうがない」
弱気な自分を片隅に追いやって、ベッドから体を起こす。
時間は真夜中をとっくに過ぎていた。点けっ放しのテレビから、深夜映画のくさい台詞が聞こえている。
頭がふらつくが、とにかく何か胃に入れないと体力が戻らない。
その時、携帯に着信があった。画面にジュンジュンの名前が表示されている。
―おい、ニーガキ。いるか?
「え?ジュンジュン、どうしたの?」
―今から行くから、チョット待ってろ
77 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 03:07:38.18 0
言うやいなや、そこで電話が切れた。
?が頭をよぎるよりも早く、玄関のチャイムがなった。
「え?何?」
ドアの向こうにスーパーの袋と荷物を抱えたジュンジュンが立っていた。
「オイ、生きてるか?」
「ど、どうしたのこんな時間に?」
「しばらくリゾナントに顔を見せなかったカラな、どうせ体でも壊してンだろうと思って来てやったゾ」
「何でまた急に…」
「連絡入れただろ」
そう言って、ジュンジュンはそのままキッチンへと向かっていった。
「ナカナカいい所に住んでるな」
「ねえ、ちょっと」
「まあいいから病人は寝てろ、今ゲンキになる物作るから、碌な物食べてないんだろ?」
全然状況を把握できないのは自分の頭が回らないせいなのか、ジュンジュンの唐突っぷりのせいなのか。
恐らく両方だろう。
里沙は仕方なくちょこんとベッドに腰掛けて、料理を始めたジュンジュンを見つめていた。
意外と手際がいい。中華料理店で働いているからなのだろう。
―ちょっとイメージと違うな…
自分の知らない一面を見たような気がしている。
なんとなくくすぐったいような気持ちがして、視線を深夜映画に移した。
別に内容が入ってくるわけでもないのだが、ぼんやりするのには丁度良かった。
しばらくして、テーブルの上にカセットコンロと土鍋が置かれた。
―ああ、荷物はコンロと鍋だったのか。
78 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 03:09:06.83 0
「へえ、鍋料理」
「ジュンジュン特製パンダ鍋だ」
「パンダ鍋?」
「そうだ私のスペシャルダゾ、食え」
パンダ鍋なんて聞いたことがない。オリジナルの料理なのだろう。
「安心しろ、パンダの肉は入ってないから」
「当たり前でしょうがもう」
蓋を開けると、表面に大根おろしが敷き詰められ、そこに黒ゴマがところどころに盛り付けてあり、
それが丁度パンダの顔のようになっている。
“みぞれ鍋の変形版”といった感じの見た目だ。
「あーおいしそうじゃないジュンジュン」
「当たり前だ」
そう言いつつもちょっと照れたような表情をしている。
「まあ、冬は寒いカラな。これを食ってせいぜい温まれ」
「ありがとう。ところで具は何が入ってるの?」
ジュンジュンは笑顔で言った。
「決まってるだろう。全部バナナだ」
「ふ、ふうん…」
「嘘だよ。突っ込みもサエなくなってるな、具材は普通だよ、白菜にネギに鶏肉、まあそんなとこだな」
「もう、好きで突っ込んでるんじゃないんだからね」
79 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 03:10:09.13 0
ジュンジュンはいたずらっ子のような笑みを浮かべて、具を器によそって里沙に渡す。
一口、口に運んでみた。大根おろしとゴマが絶妙なバランスと味付けで調和している。
失礼な話だが、里沙にとってかなり意外だった。
「あ、おいしいよジュンジュン」
「この料理はな、日本に来て覚えたんだ」
「へえ…」
「私も食うゾ」
二人で鍋をつついた。コトコトと、鍋が煮えている。
特にとりとめのない話をしながらゆったりと時間が流れていく。
「なあニーガキ」
「何?」
「ゲンキ出たか?」
「うん、ありがとう」
「…色々事情があるんだろうけど、あんまり一人で抱え込むなよ」
「え?」
「苦しい時はスグ私達に言え」
「うん…ごめんね心配かけて」
「心配なんかしていない。ニーガキは強いからな。でも、無理はしちゃいけない」
「――」
「ありのままがイチバンいいんだ、人間も、バナナも」
ふと、ジュンジュンは遠くを見つめるような目をした。
その横顔は普段の彼女とは少し違って、とても大人びたものに見える。
大人?
80 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 03:10:44.20 0
「あ、ジュンジュン…」
「何だ」
「誕生日…」
時計を見ると午前三時をとっくに過ぎている。
「ごめん…もう過ぎちゃったね…私うっかりしてて」
我ながら酷いと思った。
ジュンジュンの獣化状態の戦闘力や持続時間などの諸々のデータは把握しているくせに、
肝心な事をすっかり失念してしまっていた。
こんなことで仲間だって顔をしていていいのだろうか。
共に過ごした日々は所詮偽りのものでしかなかったのか。
「ごめんね、ダメな奴だよね私は」
情けなさがこみ上げてきて、不意に涙がこぼれる。
ジュンジュンはそっと里沙に語りかけた。その声が優しい。
「ニーガキ、私が日本に来た理由は知っているな?」
「え?うん…」
復讐である。
獣化能力を持つジュンジュンの一族は、
その力を我が物にしようとしたダークネスとたたかい、敗れ、幼いジュンジュンを残し全滅した。
一族の無念を晴らすため、ジュンジュンは日本にやって来たのだ。
「ダークネスの奴らを皆殺しにしてやるつもりだった」
その“奴ら”に自分も入っているなんて、口が裂けても言えない。
81 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 03:11:25.00 0
「でもな、ニーガキ。私は変わったよ」
「え?」
「ミンナに出会って、変わった。復讐は心を曇らせるだけだって教わったよ」
「ジュンジュン…」
「私のたたかいは復讐のためにあるんじゃない。正義のため、大事な人のためにあるんだ。
そう思えばこそ頑張れる、胸が高鳴る」
そこまで言って、ジュンジュンはじっと里沙を見つめた。
「ニーガキ、オマエが何を抱えているか、どんな事情がオマエを苦しめているか、今は聞かないでおくよ」
「――」
「でも、オマエもミンナに出会って変わったんだろう?」
「うん…」
「いつかきっと、答えは出る。その時が来るまで私はオマエのそばにいるよ」
「ありがとう…ジュンジュン」
そう言って里沙はジュンジュンの肩にことり、と寄り添った。
ぬくもりが、じんわりと心地いい。
82 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 03:11:56.40 0
「ちょっとだけ…甘えさせてね…」
「まあタカハシ達には黙っといてやるよ」
「もう」
「オマエや私だけじゃない、ミンナ毎日少しずつ変わっていくんだ。人も、バナナも」
「バナナも?」
「毎日ちょっとずつ生まれ変わっていくんだ。その一日、一日を大事にすればいい。
誕生日なんてただの節目だよ。気にするな」
「優しいねえ、ジュンジュンは」
「――でもな、誕生日おめでとうって言われるとやっぱり嬉しいものだ」
里沙はジュンジュンに向き直って、ぺこり、と頭を下げた。
「ジュンジュン、お誕生日おめでとうございます」
「ありがとう、ニーガキ」
顔を上げるとそこには照れくさそうな微笑をうかべている21歳のジュンジュンがいた。
夜明けはそう遠くはない。きっと、もうすぐだ。
83 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 03:18:15.90 0
>>76-82 以上です
かなり顔から火が出そうですごめんなさい
>>75 バッティングしてしまって申し訳ないです
一応話の中の時間と合わせたかったもので
ちょっとあがいてみたんですが眠気に負けました…
84 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 03:53:19.53 0
おろ、一気に2作品来たか
ダークネスにラリホーかけられたんで起きてから読みます〜
85 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 04:08:02.09 0
86 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 06:31:51.81 0
>>75 詩的で素敵なフレーズの宝庫ですね・・・乙です!
>>83 ジュンジュンの器の大きい感じ・・・大好き!
87 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 09:13:06.25 0
3作とも本当に素晴らしい!
感想を書く時間がないのが申し訳ない・・・
88 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 09:15:56.29 0
>>27 漢詩使いまで登場するとは!
リゾスレの幅の広さには驚かされます
訳を読ませてもらいました!とっても感動しました!
>>60 中華料理屋で働くジュンジュンに萌えました
冒頭と、最後の>頭があんまり〜お金があんまり〜が凄く見事で感動しました!
89 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 11:06:38.29 O
新作きてた
90 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 12:24:56.46 O
ほっしゅ
91 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 14:17:49.50 O
ジュンジュン生誕作たくさんきてたか
92 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 15:04:08.90 O
ズンズン良かったねズンズン
93 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 16:03:57.96 0
彼女は笑顔を絶やさない。
たとえ、どんな光も届かぬ新月の夜であろうと。
たとえ、吐息も凍てつく極寒の地にいようと。
たとえ、自らの命が危険に晒されようと。
いつでもどこでも何があっても、彼女は笑っていた。
素面とも仮面ともとれる完璧な笑顔だった。
彼女の笑顔。
それは、心満たされている者には天使の微笑と映るだろう。
だけど、絶望で満たされている者には悪魔の嘲笑と映るかもしれない。
その笑みにどんな意味が込められているかはわからない。
彼女は顔をほころばせるだけで、何も言おうとしないから。
94 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 16:05:00.13 0
誰に何を言われても貫き通せる想いがあるのなら
その想いは、きっと信念と呼べるはず。
私の為そうとしていることは誰の理解も得られない。
達成しても満足するのは自分だけ。
悲しむ人はいても、喜ぶ人は別にいない。
……そんなこと、客観的に考えればすぐわかる。
でも、だからといって断念も妥協もするものか。
絶対に想いを貫き通す。
それが私の信念だから。
せめて自分だけでも自分を信じていこうと、決めたんだから。
―――あなたは想いを貫くことができますか?そんな自分を信じ抜く強い覚悟はありますか?―――
95 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 16:06:47.17 0
ほのぼのした話が続いてたのに申し訳ないですが
>>93『喜色満面』(天使ありがとうな人)
>>94『随処為主』(完璧でーすな人)
「ずいしょいしゅ」…周囲の影響を受けず、常に主体性を持って生きること
みたいな解釈をしてます
これで5人分終了
ところで「ダークネスの主要メンバー」って何人くらいいるんでしょう?w
DDの自分としてはあと6人ほど書けたらいいな〜なんて思ってますが…
96 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 16:32:05.66 0
>>95 今回も見事ですね
個人的にはいつもイメージにピタリと嵌まります
特に今回の完璧でーすの人は思わず何か話を書きたくなるくらいでした
97 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 16:43:29.04 O
よく話に出てくる幹部はミティ様とRとマルシェと吉澤かな
98 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 16:57:39.40 0
中澤裕子・飯田圭織・保田圭・後藤真希・吉澤ひとみ・藤本美貴
・・・の6人でしょうね多分言っておられるのは
辻希美・加護亜依・小川麻琴
・・・は一応登場してはいますが「ダークネス幹部」という描かれ方をしたことはほぼないですよね
99 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 17:52:56.44 O
ちっちゃい人は幹部じゃないの?
100 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 18:26:09.11 O
>>99 ちっちゃい人?もっとヒントを、下さい。
ノドまで出かかってるんだけど、、、
101 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 18:37:15.80 O
>>99 矢口さん石川さん松浦さんは既に「出演」済なので残りのメンバーを挙げました
102 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 20:13:07.46 O
喫茶リゾナントは今日もアットホームですね
103 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 21:02:42.05 O
リゾナンターに再びスパイが入り込んでいるらしい
ヅュンヅュンとソンソン
104 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 21:30:11.33 0
ああヅュンソンか
105 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 22:12:44.76 0
ジェイソンみたいに言うなよ
106 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 22:22:14.06 0
そういや明日は13にちの金よ
107 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 22:37:59.99 0
>>95 毎回楽しみにしてるんよ!
今回のいっちゃん好きかも!
108 :
名無し募集中。。。:2009/02/12(木) 23:06:40.01 O
もうすぐリゾナンターがNHKで見れるな
109 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 00:02:47.62 O
もうすぐやよー
110 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 00:31:19.14 0
圧倒的だな我が軍は
111 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 01:37:31.45 0
ノリo`ゥ´リつ<しゅびしいっ!!とホゼナント!!
112 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 03:03:12.92 O
愛されてるなそのフレーズw
113 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 04:40:06.21 0
大変!もう行かなきゃ。(シンデレラ)
114 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 04:56:52.86 0
リゾナンター達がロスまで来るなんて
升天状態\(^0^)/
115 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 06:37:20.07 O
弁天?
116 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 07:13:41.82 O
昇天だw
117 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 07:20:12.69 0
ああ昇天だ! ちょっと恥ずかしいなぁw (/▽\*)
一応中国語も自分の母語の一つなのに漢字が...ww
118 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 08:04:35.58 0
この前のUSA支部の方ですか?
来歴が気になるw
しかしこういうときほんとネットっていいなと思います
119 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 08:09:32.23 0
LAって何の話かと思ったらアニメエクスポってやつに出演するのか
アメリカ進出?って言っていいのかなこれw
いやでも海外でも知られててなおかつ需要があるのはすごいねほんと
120 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 08:13:58.02 0
アメリカで戦うのか
がんばれリゾナンター
まけるなリゾナンター
121 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 10:06:25.90 0
Love fills all over the world. and Love will beat off the darkness of this world surely.
ロスって聞いたらこれ思い出すよね
ぺっぱあさんにはまさかこの未来も映像として見えていたんでしょうか?w
122 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 10:53:08.55 0
とろろだ閉鎖したからテンプレ大幅変更必要になるね
123 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 12:33:13.19 0
124 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/13(金) 12:37:01.56 O
>>122 あれくらいの内容ならたぶん容量もそこまで食わないし
こっちの鯖から表示させちゃおうか?
h抜きでいけば転送量オーバーになることもなかろう…
と、数も確認せずに言ってみる
問題は作業できるまでに画像が揃うかどうかだが
125 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 13:57:30.60 0
126 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 14:02:38.89 0
過去ログまとめから画像をDLすればいいんじゃね?
あれに使われてる画像とろろだ直リンじゃないし
127 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 14:44:06.65 O
とろろだが潰されたのもダークネスの仕業かね
128 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 14:48:49.24 0
一応ほとんどの画像はJaneで開いた時に保存してるので
もし無いやつがあれば言ってもらえれば探します
129 :
126:2009/02/13(金) 15:06:09.34 0
リゾナントロボ以外の画像は確保したよ
しかしとろろだ消えたのは痛い…
130 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 16:22:00.69 0
自分もロボを含めてjaneに保存されていますので
しかし参りましたね
そろそろリゾスレ専用ろだを作らないとですかねw
131 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 17:47:28.78 0
あーあ マジでビルゲイツさんこのスレ見てないかなあ
132 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 18:07:40.97 0
>>126 さぼりぎみの過去ログまとめ人ですが
その場で確保しそこねたもの以外はほぼ保存してますよ
だいたい74MBになります
133 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 18:19:13.05 O
流れ豚切だが
リゾナンターのバレンタインはどうなるのかねぇ??
134 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 18:31:51.89 0
バレンタイン…みんなでチョコ交換会みたいなノリなんじゃない?
135 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 19:02:43.30 O
リゾナンターからホゼナンターへ配られたら嬉しくて食えねー♪
チョコも永久ホゼナントするよ
136 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/13(金) 19:14:09.11 O
カメがヒャークマーミピートゥパーて唱えてるとしか思えない
なんなのこの風は
>>132 うげ、そんなに容量あるスか
縮小サイズ版ならすでに鯖の中にあるんだよなぁ
作中挿入用にリサイズしたやつ
137 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 19:14:55.70 O
おまいかっこいいな!しかしホゼナントするのは
9個のチョコをめぐる壮絶な戦いを勝利してからだぜ!
138 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 19:54:11.43 0
誰のチョコが一番人気になるかなー
139 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 20:41:57.89 O
亀のは俺がもらう
140 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 20:44:58.84 0
141 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 21:07:00.13 0
その日、高橋愛は一人で動物園に散歩に出かけていた
すると突然キャーという悲鳴が園内を鳴り響く
男A「誰か助けてくれええ」
高橋「どうしました?」
男A「何か変な奴が暴れてるんだ!あんたも早くここから逃げろ〜」
KEN「ふっふっふ。こんなとこで会うとははリゾナンダー」
高橋「き、貴様はダークネスの手下か?」
KEN「お前をぶっ潰す!うおおお」
高橋「仕方ない。相手になってやるわ」
Ready Go!!
http://www.youtube.com/watch?v=XDEIImsESuk&feature KEN「ぐああああぁ」
高橋「ったく、私を怒らせるからよ」
142 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/13(金) 22:24:58.24 0
マルシェリポートを読むたびにイベ行けなくて涙目
でもマルシェたんのバレンタインのチョコをもらうのはこのサボティだ!!!
143 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 22:26:56.11 0
チョコレートはいらんけどリゾナンター達が交換会してキャッキャしてる画を遠くから眺めたい…
( `.∀´)<よかったらチョコレート作ってあげるわよ、グフフ
144 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 23:23:12.03 0
ノリo`ゥ´リつ<しゅびしいっ!! …とホゼナントしているのは実は同一人物ダ!
145 :
名無し募集中。。。:2009/02/13(金) 23:50:24.59 0
146 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 00:19:14.04 O
リーダーつええ
147 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 01:07:34.24 O
リゾナントファイターかよ!ケンフルボッコじゃないかw
148 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 01:31:18.86 O
是非ともリーダーとお手合わせしたい
149 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 01:51:03.65 0
150 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 01:53:37.25 O
愛チョコ:あなたの心を読んだかのような好みのおいしさ
里沙チョコ:味覚を支配されてるんじゃないかというくらいのおいしさ
さゆみチョコ:いつの間にか怪我が治ってしまうくらいのおいしさ
リンリンチョコ:口の中が燃えてるんじゃないかってくらいの辛さ
151 :
名無しじゃないやい:2009/02/14(土) 02:03:16.28 0
きっかけは、ほんの些細なことだった。
うだるように暑い夏の昼下がり、ほんの少しでもいいから涼しい場所へ。
まるで猫のように亀井絵里は涼を求めて木陰を探す。
遠く離れた、緑豊かな田舎町。
都会にいるよりは涼しいかもしれない、などと思って鈍行列車に乗ってきた亀井絵里は、
その認識が間違いであったことを知る。
暑い、ジリジリと肌を焼く日差しは強烈すぎて、目眩を起こしてしまいそうだ。
空調の効いた設備は近くになく、また、次の電車が来るのは二時間後。
数十年は経過してるであろう、ろくな日よけもないホームに居ては熱中症になりかねない。
そのため、亀井絵里はせめて日陰を探そうと歩き出したのだが。
行けども行けども、目の前に広がるのは田んぼばかり。
このまま進もうか、それとも大人しくホームに戻って電車を待とうか。
ただ一つ言えることは、どっちにしろ、既に消費の激しい体力をさらに消費しかねない行為であるということ。
「皆、今頃、リゾナントでアイスティーとか飲んでゆっくりしてるんだろうなぁ。
…あー、絵里に風を吹かす“能力”があったらなぁ…」
呟きながら、亀井絵里はひたすら祈る。
ほんの少しでいい、微風でいいから吹いてくれれば。
強く、強く。
バカみたいに祈る絵里の体を薙いだのは、一陣の風。
―――それが、自身の能力によるものだと亀井絵里が知るのは、もう少し先の未来のことだった。
152 :
名無しじゃないやい:2009/02/14(土) 02:04:50.84 0
不完全な1レス作品をあげてみる
そのうち、これをもう少しきちんとした形で物語にしようと思います
蒼の共鳴内では、未だ亀井絵里が何故風使いの能力を得たのか描写していなかったので
さて寝よう、そうしよう
153 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 02:41:52.51 O
おやすみなさい
本編の続編も期待してますよ
154 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 05:22:19.89 0
155 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 06:47:42.93 0
>>152 + +
∋oノハヽ +
+ 从*・ 。.・) エリノハナシハダイコウブツナノ
⊂ (0゚∪ ∪。⊃ +
⊂ ゚̄ と_u_)__)゚  ̄⊃ +
⊂_。+ ゚+_⊃
⊂__⊃.
156 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 07:27:51.34 O
>>150 > リンリンチョコ:口の中が燃えてるんじゃないかってくらいの辛さ
ハバネロでも入ってるのか?w
>>152 wktkしてまってます!
157 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 08:13:45.72 O
人を助けるのに理由がいるのかい?
158 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 09:49:44.20 0
春一番が過ぎ去って外は少しずついい天気
ノノ*^ー^)<昨日のは絵里の仕業じゃないですからね
159 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 10:58:33.32 0
ぽかぽか陽気
160 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 11:43:08.43 0
(#・e・)<コラーカメー!!起きなさーい!!
161 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 12:33:46.08 0
アメーバ楽しかったねw
162 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 13:29:24.13 O
見られんやったと…
163 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 13:40:15.62 0
うわぁーかわいそか人のおるぅ
164 :
名無し募集中。。。 :2009/02/14(土) 13:55:05.05 0
もうあがってるよ
165 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 14:28:30.63 0
新作待ち
166 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 15:38:26.05 O
ノノ*^ー^)<ぽかぽかしてて、お昼ねしょっかなー♪
167 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 15:57:02.50 O
アメーバは最初裏にいたときのこはみつにめっちゃ萌えた
168 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 17:32:15.23 0
小春がジュンジュンに仲良くストップウォッチの使い方教えてるところに萌えた
169 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 17:32:57.18 O
川*'ー')<みんな寝てるんか〜
川=´┴`)<あいか起きてます♪
川*'ー')<じゃ、あたし寝てこよーよろしくー
川ノ´┴`)<はいはい店番しときます
170 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 19:03:53.04 0
落ちたら泣いちゃうかも
171 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 19:05:59.27 O
危なかったな
172 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 20:06:56.53 O
マジでえりりんが眠ってたみたいだねw
173 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 20:28:06.44 O
もうすぐ関西のラジオに新垣田中久住が出撃します
174 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/14(土) 21:10:06.29 0
保全がてら報告
・テンプレの各画像類は確保に成功しました
・へるみー&ロボのgif系はすでに鯖にありました(ローカルにもありました
・今から既存テンプレ書き換えしてみます あとはテンプレスレでご報告します
175 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/14(土) 21:19:37.64 0
ってテンプレスレ見てなかったよ
テンプレさんがやってくれてたのかぁ
…どうしようかな、って思ったけどFC2のブログって画像直リン弾かれるんじゃないかな
今やってみたら見れなかったし他の人の環境だとどうだろう?
求むテスター ノ
176 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 21:28:19.28 0
ロボありました?
見つけられなかったのでロボは修正してないです
177 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 22:01:10.90 0
178 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 22:25:56.52 O
悲しみが木霊する
179 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/14(土) 22:28:04.67 0
テンプレスレに全画像まとめ鯖から引っ張ったパターン書いておいたよ
どちらを使うかはお任せします
ひとつのパターンってことで見てもらえればいいかなと
180 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 22:55:20.61 0
地道な作業乙です
…でもそろそろ新しい作品が読みたいものです
181 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 23:05:19.94 0
182 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 23:09:28.62 0
空気を読まずに投下予告をしにやってきました
注意事項は下記の通りです
・こんなのリゾナンターじゃないやい
・蒼の共鳴本編
・超王道的展開なので王道嫌いは要回避
・熱さ200%超え
今回、約27レス分になってしまいました
ですので午前0時と午前2時と計二回に分けて投下したいと思います
よろしくお願いします
183 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 23:21:56.50 O
きたああああ期待して待ってますよ?
184 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 23:27:36.98 0
>>182に追記
出来るならば蒼の共鳴本編だけでもざっと斜め読み推奨なんですが…
とりあえず、今までの話を何となく思い浮かべておくだけでも随分違うかと
後…熱いBGMを用意して聴きながら読むのも今回はお勧めかもw
185 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 23:33:11.60 0
>出来るならば蒼の共鳴本編だけでもざっと斜め読み推奨なんですが…
もう心の中に染み付いていますからねえ
BGMに何かゲームの音楽でも探しておきましょうw
186 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 23:33:44.20 O
予習しとくか
187 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 23:37:38.36 0
ないやいさんくるぅー!
>・熱さ200%超え
これ!これは!!!楽しみに待ってます!
188 :
名無し募集中。。。:2009/02/14(土) 23:43:31.73 0
映像の魔術師さんの新作みたいな
189 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:00:03.62 0
いつもあなたは優しい微笑みを絶やすことなく、あたしのことを見守ってくれていた。
“共鳴”が分からないと言った時、そっと手をとって教えてくれた時のことを今でも覚えている。
あなたは決して、自分が役立たずではないと言ってくれました。
私にも出来ることがあると、真っ直ぐな瞳を向けてくれたこと、今でも忘れません。
いつもアナタはたどたどしい日本語で紡ぐ私の話を根気よく聞いてくれました。
時に茶化しながら、時に真剣に頷きながら、いつも真っ直ぐに向き合ってくれたこと、今もずっと大切に思っています。
すごいじゃん、と言って褒めてくれた時の笑顔が忘れられない。
アナタに認めてもらえたことは、今の私を支える大切な宝物の一つだ。
どうしていいか分からずに、うじうじしていた背中を後押しして貰った。
不器用だけどさゆみのことを真摯に思ってくれてるのが伝わって、すごく嬉しかった。
そのままの自分でいいよと言ってくれた、あの日。
柔らかい声に胸が温かくなって、絵里、これからも頑張ろうって思ったことを覚えてる。
一緒に見た朝焼けの眩しさ、覚えとー?
あの日、今までよりももっと近づけた気がして、すごく嬉しかったっちゃ。
いつも、いつも、ずっと傍で支えてくれてありがとう。
あの日あなたと出会えたから、今あーしはここにいる、生きている。
―――私達は、あなたを助けるためにここまで来た。
190 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:00:48.51 0
『そうそう、ゲーム、と言えば制限時間がつきものですね。
緊張感がある方があなた達ももっと真剣になれるでしょうし。
―――制限時間内に刺客を倒せなければ新垣里沙のいる部屋を爆破する…これでいきましょうか』
“紺野あさ美”の声が長く暗い廊下を駆け抜ける二人の脳裏に木霊する。
紺野あさ美は勝手にゲームにルールを追加してしまった。
強力な敵と戦闘し勝利するという試練に加え、制限時間内にそれを成さねば―――“新垣里沙”の命を奪う、と。
長く暗い廊下を駆け抜ける二つの足音。
いつになったら、この廊下を抜け“刺客”が待ち受ける部屋に到達するのか。
残された時間は少ない―――強制爆破まで、残り15分。
募る焦燥感に歯噛みしながら、二人は出口を目指してひたすら急ぐ。
早く、早く、早く、急がなければ―――!
「…久住さん、多分、この廊下…フェイクや」
「―――確かに、何かおかしい気がする。
ひょっとしたら、何かの装置であたし達に幻を見せてるのかもしれない。
あたし達が無駄に時間を消耗するように…!」
二人―――“光井愛佳”と“久住小春”は一旦その場に足を留める。
数分以上全力疾走しているのにも関わらず、一向に出口が見えてくる気配すらない。
海上の牢獄の大きさ、そして自分達の身体能力を考慮してもおかしい事態だった。
二人は目を伏せて聴覚を研ぎ澄ます。
どこかにきっと、この幻を作り出している装置があると信じて。
191 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:01:53.54 0
「…あった、久住さん!」
「オッケー!」
二人の聴覚は同時に、暗い廊下に微かに鳴っている機械の作動音を察知した。
小春が愛佳の声に返事をするのと、その掌から紅い“電撃”を放つのはほぼ同時だった。
激しい音と共に電撃を受けた装置は半壊し―――暗闇が晴れていく。
目の前に広がっていたのは、巨大な闇色の結界。
二人は視線を合わせて頷くと、その結界に手を突き刺し無理矢理引き裂いていく。
「…遅かったじゃない、待ちくたびれたわ本当。
他の連中は既に交戦開始してるわよ」
その、鋭く凍てついた氷のような声に、小春と愛佳の心は激しく波打ち“共鳴”する。
二人の目の前で微笑むのは、かつて二人の心と体を激しく切り裂く所業を行った黒衣の女性だった。
沸々と、二人の心に熱く滾る感情は―――憤怒。
その感情のままに、二人は体からオーラを解き放つ。
鮮やかな紅と紫の光が結界内に満ちていった。
* * *
―――強制爆破まで残り12分。
数メートルはあろうかという、巨大な“念動刃”を“ジュンジュン”と“リンリン”は華麗に回避する。
二人が避けた念動刃は周囲の壁に新たな傷を生み出して消失した。
戦闘開始から僅か数分足らずの間に数多の傷が壁に床にと生み出され、部屋は最早その原型を留めてはいない。
192 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:02:53.78 0
「ほらほら、避けてばっかいないで反撃してきなよー。
それともあたしの攻撃にビビってるのかなー?」
この部屋を破壊し続ける“主”の甲高い声に、ジュンジュンとリンリンは視線を交わすと一気に距離を詰めていく。
敵の生み出す念動刃を相殺してもよかったが、その場合消耗戦になる。
捕らわれている里沙がいると言う部屋に里沙がいる保証はない。
今対峙している敵以上の難敵が待ち受けている可能性がある以上、ここで過度に消耗するわけにはいかなかった。
華麗なコンビネーションで、ジュンジュンとリンリンは敵に攻撃を繰り出していく。
常人では視認不可能な速度で繰り出される拳と鋭く重い蹴り、
一発でも当たればそれだけで形勢を自分達の方に手繰ることが出来るはずだ。
だが、敵は二人の攻撃を軽くいなしていく。
先程まで戦っていた構成員のように圧倒することが出来ない事実は、まだ想定の範囲だ。
「ふーん、前と比べたらかなり強くなったみたいね。
だけど、そんな調子じゃ間に合わないんじゃない?」
声と共に、ジュンジュンの腹部に強烈な蹴りがめり込む。
カハッという声と共にジュンジュンの動きが一瞬止まる、その隙を敵が見逃すはずがなかった。
ジュンジュンを沈めてしまおうと追撃の手が伸びる。
「ヤらせナイ!」
ジュンジュンの前に回り込んだリンリンは、敵の繰り出す蹴りを両腕で防御する。
腕に集中した念動力が生み出した小さな障壁が、その蹴りからのダメージを軽減した。
それでも、敵の蹴りの威力に小柄なリンリンの体は宙を舞う。
193 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:03:53.35 0
リンリンは空中でクルンと後転しながら敵目がけて複数の念動刃を放つ。
敵がその念動刃を相殺する隙に、ジュンジュンは一旦距離を置いて体勢を立て直す。
身を包んだ“戦闘服”のおかげで、受けたダメージがジワジワと回復しているのが分かる。
ジュンジュンは軽く吠えると、再び敵に向かって走り出した。
* * *
―――強制爆破まで残り10分。
敵の放った念動刃を避けきれず“道重さゆみ”は床を転がった。
切り裂かれた右腕に意識を集中して、さゆみはその傷を軽く“塞ぐ”。
戦闘服に織り込まれた治癒能力、そのおかげで余計な消耗を軽減できるのが救いだった。
「もっと頑張ってよねー、こんなんじゃ肩慣らしにもなんないよ。
もっとも、あんた達運が悪いけどね…“粛正人A−あたし−”、久々の戦いにテンションあがっちゃってるし」
「っ…まだまだ!」
「さゆみ達は絶対に負けないの!」
Aの挑発に、さゆみと“亀井絵里”はゆっくりとその場に立ち上がる。
体のあちこちに刻まれた傷、目に見えぬダメージの蓄積…僅か数分間の交戦で、
二人は随分消耗を強いられていた。
194 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:05:01.02 0
さゆみの持つ治癒能力は後のことを考慮すると、そう何度も行使するわけにはいかない。
そのため、絵里もさゆみも自分の受けた傷に最低限の治癒しか施していなかった。
出血しないようにと塞いだだけの傷は痛み、拳や蹴りを受けた体は悲鳴を上げている。
だが、二人の瞳から戦意は喪失していない。
捕らわれた里沙を助け出す、その強い想いが強大な敵に立ち向かわせる。
「絵里…いくわよ」
その冷たい声音に、絵里の瞳が鋭くなる―――さゆみが“さえみ”へと人格を切り替えたのだ。
先程までさゆみは能力の消耗を防ぐために、腕に付けたデバイスによる能力攻撃は一切行わず、
身体能力だけで戦っていた。
さゆみが自身からさえみに切り替わったということは、短期決戦を挑むつもりなのだろう。
さゆみのままでは、傷付く度に少しずつ治癒能力を消費することになる。
どうせ消費するなら敵を早く撃ち倒す方がいい、その判断に普段はさゆみの意識下にいるさえみが応えたのだ。
195 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:06:01.03 0
「お、ようやく本気モード?
そうこなくっちゃねー、ほら、早く来なさいよ。
あんた達の大事な里沙ちゃん、早くしないと死んじゃうわよ」
その言葉に二人の体からオーラが吹き出す。
叫び声と共に絵里とさえみはAに向かって飛びかかっていった。
* * *
―――強制爆破まで残り9分。
「…あああっ!!!」
「れいな!
っ、あああ!!!」
冷たい床の上をほぼ同時に転がる“田中れいな”と“高橋愛”。
蹴り上げられた腹部を押さえて呻くれいなと愛を嘲笑うような声が響く。
「さっきまでの威勢のよさはどこにいった?
そんなんじゃ間に合わねえよ」
金髪の女性の紡いだ言葉に、二人はゆっくりと立ち上がる。
激しい攻撃に二人の体は既にボロボロだった。
196 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:06:46.48 0
戦闘服に織り込まれた治癒能力では到底追いつかない程、ダメージは蓄積されている。
鋭く重い拳と蹴りが、戦闘服を着ていなければ骨折、内臓破壊に至っていてもおかしくないくらい、
二人の体に何度も叩き込まれていた。
れいなが飛び出したのと同時に、愛は“瞬間移動−テレポーテーション−”で金髪の女性の背後を取る。
前後からの挟み撃ち、“リゾナンター”屈指の身体能力を誇る二人の波状攻撃は並の能力者であれば
数秒足らずで地面に崩れ落ちるほど素早く、重い攻撃だった。
だが、金髪の女性はその波状攻撃を無駄のない動きで避けていく。
もう何度、こうした展開を繰り返しただろうか。
れいなと愛の胸の内に生まれるのは激しい焦燥と疑問だった。
“保田圭”のおかげで、以前とは比較にならない力を得たはずなのに。
何故自分達の攻撃は避けられるのか、何故向こうの攻撃を避けることが出来ないのか。
強くなったはずなのに、まだダークネスの幹部とやり合えるだけのレベルには到達していないというのか。
焦りは攻撃に現れる。
単調になってきた攻撃の隙を縫うように、金髪の女性はれいなに向かって拳を繰り出して吹き飛ばす。
背後にいる愛には強烈な回し蹴りを放ち、女性は軽く溜息を付いた。
「…何でお前達の攻撃があたしに通じないか教えてやるよ。
お前達は確かに以前とは比較にならないような力を得た、だけど、それだけなんだよ。
今まで100の力しか使えなかったお前達は、いきなり10000の力まで出せるようになった。
でも、今まで100しか使ったことのない人間に10000の力の使い方は分からない、上手く扱うことなんてすぐには出来ない。
焦ってここにすぐ乗り込んだ時点でお前達は負けなんだよ、せめて後数日、
その力の使い方を彼女に教わることが出来ていたら…もう少し違った結果になっただろうけどな」
女性の言葉に二人は歯噛みしながら、ゆっくりと立ち上がる。
突きつけられた事実に打ち拉がれることなく、二人は今まで以上に体からオーラを解き放った。
197 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:07:51.32 0
二人の体から吹き出した強いエネルギーを見ても、女性は顔色一つ変えることはない。
むしろ、ようやく本気になったかと言わんばかりの視線を二人に向ける。
「…やる気満々だな、でも、残り数分の間にお前達がその力の使い方をマスターし、
最大限に発揮出来るなんてことはまずありえねぇよ。
ここをお前達と…新垣の墓場にしてやる、かかってきな」
金髪の女性の挑発に二人は一斉に飛びかかる。
二人の双眸に宿るのは、里沙を絶対に助け出すという強い意志だった。
* * *
「まだまだ…こんなものじゃないでしょう、あなた達は」
ダークネス内部、監視室。
巨大なモニターに映った映像を見つめながら“紺野あさ美”は小さく呟いた。
四分割されたモニターには、四つのチームに分かれたリゾナンター達が映し出されている。
紺野あさ美の手によって生み出されたダークネス幹部の劣化コピー、
劣化とは言えど本体の八割程度の力を持ったコピーが相手とあってか、リゾナンター達は随分苦戦しているようだ。
以前とは確かに比較にならない。
だが、金髪の女性―――“吉澤ひとみ”の言うように、リゾナンター達は未だ己の力を上手く制御出来ていない。
潜在的能力値を考慮すれば、おそらく今のリゾナンター達と劣化コピーの力の差は殆どないはずなのだが。
198 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:08:54.32 0
見る見るうちに傷が増え、動きが鈍くなっていくリゾナンター達。
傷が増え、地に転がる回数が増えるにつれ紺野あさ美の苛立ちは大きくなっていく。
「この戦いが終わるまでに自分達の能力を上手く制御出来るのか、
あるいは…何も出来ずに海上の牢獄ごと爆破されて終わってしまうのか…そんなことじゃ困るんですけどね。
ここで終わるようなら、この数年間私が過ごしてきた時間は無駄になってしまう」
刻一刻と過ぎていく時間。
紺野あさ美は小さく溜息をつく。
リゾナンター達は既に、満身創痍と言っても過言ではないくらいの傷を負っている。
ここまでなのか。
否、そうであってはならない、断じてならないのだ。
もしそうであるならば、何のために研究に邁進してきたのかということになる。
「さぁ、そろそろ本気になっていただかないと…里沙ちゃん、死んじゃいますよ?」
紺野あさ美の冷たい声音が監視室に融けていく。
華麗にキーボードを叩き爆破装置のタイマーを作動させた紺野あさ美は、
海上の牢獄にいるリゾナンター達に向かってアナウンスする。
199 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:09:54.20 0
「―――強制爆破まで残り、3分」
* * *
「もう立てないの?」
「所詮、あんた達はその程度だったってことよ」
「よく頑張った方だけど、結局あんた達はあたし達には勝てない」
「ここで、お前達も新垣の命も終わりだ」
それぞれの場所に響くのは、どこまでも冷たく鋭い声。
地面に伏し、殆ど動かないリゾナンター達に向けて紡がれた声。
ここまでなのか。
全員の脳裏に同じ考えが過ぎる。
過ぎる、けど、何故だろう。
この身体はまだ動こうと、立ち上がろうとしつこく粘る。
身体は、脳は、先程からずっと限界を告げている。
それでも尚、別の何かがリゾナンター達を突き動かす。
何か―――全員の胸中に、心に渦巻く、共通の“記憶”。
それはあの日の。
―――ようやく心が通じ合ったのに、離れ離れになることになったあの日の。
200 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:10:54.36 0
とどめを刺そうと迫った刺客達の動きが、得体の知れない寒気によって急制動を強いられる。
おかしい。
彼女達が違和感に気づいた時にはもう、すべてが手遅れだった。
「…今も、頭に焼き付いて離れんと」
田中れいなの拳が吉澤ひとみの腹部にめり込む。
「あの日の」
「あの時の」
久住小春、光井愛佳の拳がほぼ同時に黒衣の女性の腹部と顔面を捉え、吹き飛ばした。
「新垣サンの」
「泣キながラ」
ジュンジュン、リンリンが放った蹴りが甲高い声の“主”の足を刈り、首を刈る。
201 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:11:51.47 0
「一生懸命に」
「笑っていた」
亀井絵里が繰り出す蹴りが、道重さゆみの放った拳がAの右腹、顎を薙いでいく。
「あの笑顔が」
胸を逆巻く激情をのせた高橋愛の拳が、吉澤ひとみの左頬にねじ込まれた。
『だから、私達はここに来た!!!!!!!!』
八人の叫び声は空間を超え、場所を超え、一つの声となる。
共鳴因子が暴れ出す。
激しい感情はうねりを伴いながら、強く熱く重なり合う。
―――海上の牢獄に、八つにして同一の強大なエネルギーが解き放たれた。
* * *
右頬と腹部を押さえながら、黒衣の女性はゆっくりと立ち上がった。
口の中に広がる血の味、腹部に広がる激しい苦痛。
唾を地面に吐き、女性は眼前に立つ久住小春と光井愛佳を睨み付ける。
202 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:12:56.03 0
>>189-201 とりあえずここまで
続きは午前2時より再開します
生殺しみたいで申し訳ないですが約27レス分もある以上は仕方のないことだとご理解ください
203 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:24:53.97 0
>>202 とりあえず乙でした
今夜は眠れそうにないですね
続きを楽しみにしています
204 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:25:02.23 0
>>202 良い所で終わるなぁ〜!
二時まで起きて待ってます!
205 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:39:16.19 O
乙です!
自分の限界まで待ってます!
206 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 00:56:27.65 O
じらすねえ
207 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 01:37:15.39 O
ワクワク
208 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:00:08.00 0
二人の方が余程自分よりも満身創痍だというのに。
背筋に走る得体の知れない寒気は強さを増し、女性の動きを鈍らせる。
冗談じゃない。
氷を統べる最強の“魔女”である自分が、ここで破れ去ることなどあってはならないのだ。
解き放たれる、闇色のオーラ。
女性は鋭く尖った氷塊を無数に生み出すと、目の前の二人を屠るべく一気に放った。
だが、氷塊は二人の体に届く前に霧散していく。
「くそ!」
焦る女性は、ひたすら氷塊を生み出し二人へ放ち続ける。
氷塊の雨が何度も何度も二人を屠ろうと降り注ぎ、その度に霧散していく。
一歩、一歩。
普通の能力者であれば既に死に至っているであろう“雨”の中を、二人は女性に向かって歩み寄る。
20メートル程離れていた両者の距離は、数メートルにまで詰まっていた。
女性は氷塊の雨を生み出すことを止め、両手にエネルギーを集中させていく。
瞬時に生み出されたのは、白く輝く氷の“剣”だった。
「この私を本気にさせたことを、あの世で後悔するがいい…」
言葉と共に、女性は一気に二人に向かって飛び出す。
剣は空を裂くと同時に、無数の氷塊をその場に生み出した。
209 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:01:11.39 0
至近距離で放たれる高速の斬撃、そしてそれと同時に放たれる氷塊。
例え斬撃を避けたとしても、0距離で放たれる氷塊まで回避するのはほぼ不可能だ。
斬撃、氷塊、斬撃、氷塊。
一閃する毎に生み出される氷塊が二人に襲いかかる。
今までこの剣を見て生き残ることが出来た能力者はいない。
氷の魔女の奥の手がついに二人を捉えたかに思えた、その瞬間だった。
「―――!」
氷の魔女は剣を振るおうと構えた姿のまま、その場に固まった。
否、正確には―――固められた。
女性の体に絡みつくのは、紫の“鎖”。
その鎖が動きを、能力を封じている。
鎖を断ち切ろうと全身に力を籠める度に、鎖はキツくキツく女性を封じる。
「外敵からの干渉を防ぐために張るのが結界なのは、あんたも知ってるやろ。
じゃあ―――その結界のベクトルを変えたらどうなると思う?」
光井愛佳の淡々とした声が女性の鼓膜を震わせる。
翳された手から伸びている紫の鎖が、より一層女性を締め上げていく。
光井愛佳がこの土壇場で生み出したのは―――“逆結界”。
本来、結界は外敵からの干渉を防ぐために張る、不可視の障壁である。
能力者であれば、強度や範囲の違いはあれど誰にでも張ることが出来る結界、
光井愛佳はその結界を生み出す力のベクトルを変え、能力者の行動、能力を封じる、本来の結界とは真逆の結界を生み出したのだ。
210 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:02:11.99 0
無理矢理ベクトルをねじ曲げている為、結界のように一定の範囲を覆うことは出来ない。
だが、これで充分だった。
光井愛佳は腕に力を籠め、しっかりと女性の動きを止める。
「ひっ!」
女性の視界が捉えたのは、その手に紅い“刀”を生み出した久住小春だった。
鋭く女性を睨み付ける瞳から一筋の涙が伝い、頬を濡らしていく。
ゆらり、久住小春が“二人”になる。
ゆらり、久住小春が“三人”に増える。
ゆらり―――久住小春は本体を含めて、“四人”となった。
“幻術−ハルシネーション−”を行使し、久住小春は己の分身を作り出したのだった。
本来、自分の幻影を作り出す能力でしかない能力、だが…分身達が持つ刀は決して幻影ではない。
女性の心を恐怖が支配する。
やめろ、やめろ、やめろ―――!
四人は女性へと駆け出す。
その攻撃から逃れようと、鎖を引き千切る勢いで力を籠める女性、だが。
斬撃と同時に女性の体を焼く、紅い電撃。
全身の血が沸き立ち、内側から肉を焼かれる苦痛に女性の口から絶叫が放たれる。
211 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:03:13.28 0
最後の一太刀が女性の体を薙ぐ。
女性が最後に見た光景は、轟音と共に自分目がけて落ちてくる巨大な“雷”だった。
* * *
「このあたしに膝を付かせるなんて…あんた達、絶対許さない。
この拳で、あんた達を殴り殺してあげる…」
宣言と共に、黒のボンテージスーツに身を包んだ女性は体から闇色のオーラを解き放つ。
拳に力を籠め、女性は一気にジュンジュンとリンリンの方へと駆けだした。
数秒にも満たない時間でジュンジュンの傍へと距離を詰めた女性は、
雄叫びを上げながら拳を繰り出す。
先程よりも明らかに速く鋭い拳が幾重にもなってジュンジュンを襲う。
だが、ジュンジュンはその攻撃を全て回避すると同時に、女性の顎先を不可視の速度で蹴り上げる。
強力な蹴りに女性の体は吹き飛ばされ、地面をゴロゴロと転がる。
「っ…の野郎!!!」
視界が歪む。
脳を揺らされた女性は、吐き気を堪えながらその場に立ち上がる。
まるで自分の体が自分の物ではないかのような、覚束ない感覚を覚える。
再びジュンジュンに向かって飛びかかろうと思った女性は、
何が起こったのか理解するよりも早く地面を転がっていた。
212 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:04:15.58 0
全身くまなくハンマーで殴られたかのような衝撃と苦痛が、女性の体を苛む。
一体何が起こったのかと、首の痛みを度外視して女性はジュンジュンの方へと視線を向けて絶句した。
鋭い視線を向けるジュンジュン。
その両腕は黒い剛毛に覆われ、成人男性の腰ほどはあろうかというくらい巨大化している。
“部分獣化−パーシャル・メタモルフォシス・トゥ・ビースト−”。
元々、獣化能力の使い手であるジュンジュンだからこそ可能だった、
肉体の一部分のみを獣化させる技は通常の獣化とは異なり、能力者の自我が保たれる。
一度獣化したら、最初の数十秒こそ人としての意識を保てるものの、
さらに時間が経過すると完全に獣と化し、本能のままに暴れ回るというのが獣化能力の難点。
だが、部分獣化であれば自我を保ったまま、それでいて人間では考えられない身体能力を得ることが出来るのだ。
ジュンジュンは一気に距離を詰めると、女性の体を蹴り上げる。
空に浮いた女性の体は次の瞬間、獣化したジュンジュンの両腕から放たれる波状攻撃によって吹き飛ばされた。
地面を何度もバウンドしながら転がる女性。
全身を苛む苦痛は今までに体験したことがないレベルに達していた。
だが、ここで終わるわけにはいかない。
絶対に二人を血祭りにあげるのだ、そう決意した女性はふと、違和感に気がつく。
―――もう一人は一体、どこにいった?
砕けそうなほど歯を食いしばりながら、女性は震える両腕に力を籠め上半身を起こしていく。
白く濁り歪んだ視界に突如広がる、黒。
黒、黒―――視界が晴れていく。
213 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:05:20.03 0
「!!!」
女性の目の前に立つのは、鋭い光を双眸から放つリンリンだった。
リンリンはその小柄な体からは想像もつかないような力で、女性の体を片手で持ち上げる。
「待って、ねぇ、まっ」
女性の制止を聞くことなく、リンリンはその手に力を籠める。
深緑色のオーラがゆらゆらと揺れながら、女性の体を包んでいく。
何が行われようとしているのか察知した女性は、念動刃でリンリンの体を切り裂こうと
肉体の痛みを度外視して力を放とうとする、だが。
214 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:06:34.65 0
「…消失(消エろ)」
感情のこもらない声が女性の鼓膜を震わせると同時に、その視界を埋め尽くすのは深緑の光。
―――深緑色の“火柱”が、捩れながら結界を突き破った。
* * *
「…あったまきたわ…あんた達全員、ぶっ殺してやる!」
右腹に手を当てながらAは亀井絵里と道重さゆみの方を睨み付ける。
双眸に宿る禍々しい光は、常人であれば恐怖に震え腰を抜かしてもおかしくはない。
叫び声を上げたAの体から闇色のオーラが吹き出す。
次の瞬間、闇色のオーラは無数の念動刃と化して二人の方へと放たれた。
だが、二人は顔色一つ変えることはなかった。
道重さゆみを庇うように、一歩前に出た亀井絵里はAの方に手を翳す。
刹那、無数の“鎌鼬”が生まれ念動刃を次々に相殺していく。
力と力のぶつかり合い。
先程までならAが圧倒していただろう、だが、絵里の放つ鎌鼬は本気になったAの念動刃を相殺し、
むしろ押し切ろうと勢いを増していく。
215 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:07:35.32 0
「冗談じゃない、こんな死に損ないにやられたら粛正人Aの名がすたるわ…!」
ダークネスへとスカウトされた天才超能力者として。
一度戦いの場に出れば、ダークネス幹部も舌を巻く程の戦果をあげる最凶の能力者として。
粛正人Aが破れ去ることはあってはならない、断じてならないのだ。
体が発する危険信号に耳を傾けることなく、Aはその体からより強いオーラを放つ。
その体から放たれるエネルギーが、Aの周りの地面に亀裂を生み出していく。
威力、勢い共に今までの比ではない念動刃が竜巻のようにうねりを伴い、二人の方へと飛来する。
その勢いは凄まじく、鎌鼬での相殺が追いつかなくなる。
亀井絵里は軽く息を吐くと同時に、今まで以上に力を放出する。
押し切られるものか。
むしろ、こっちが押し切ってやる、その意思に体が呼応する。
強大なエネルギー同士のぶつかり合い。
辺りの空間は放たれるエネルギーによって歪み、軋み、結界は崩壊寸前である。
その様子を静観していた道重さゆみは一歩前に出ると、絵里の隣に立つ。
Aの方に向かって翳されている手に、そっと己の手を重ねる。
揺らめくのは、宵闇に咲き誇る桜が如く淡く儚い薄紅色のオーラ。
光は伸び、絵里が放つ橙の光と絡み合い、混ざり合っていく。
「一人で足りないなら、二人ならどうかしら?」
冷たい声音。
何の感情もこもっていない、機械のような声。
216 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:09:42.00 0
だが、その声はAの背筋に走る得体の知れない寒気を増進するには充分過ぎた。
鎌鼬が次々と念動刃を相殺し、やがてAの方に一つ、また一つと飛来するようになる。
鎌鼬が触れた地面に傷は生まれず、代わりに当たった箇所が“崩壊”していく。
絵里の放つ鎌鼬にさゆみ、否さえみがのせているのは“物質崩壊−イクサシブ・ヒーリング−”。
生物、無機物問わず、全ての物質の分子間の鎖を断ち切り崩壊させる能力を伴った鎌鼬は、
Aが放つ無数の念動刃を相殺しながら徐々にその勢いを増していく。
言うなれば“消失の嵐”。
その嵐はまさに今、Aを飲み込もうと激しさを増しながら、辺り一帯を崩壊させながら、
少しずつ少しずつ確かに突き進む。
「来るな、来るなあああああああああ!!!」
叫び声と共に、Aは狂ったように念動刃を生み出し続ける。
だが、その叫びすら消し去ってしまうかのように、消失の嵐はAに迫る。
「…絵里達は、絶対に負けない…ガキさんを、絶対に取り戻すんだから!」
「新垣里沙は私達にとってなくてはならない“一部”、
それを奪おうとする者は―――全て消すわ」
決意と共に、より一層勢いを増す消失の嵐。
腕が、足が、消失していく。
217 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:10:46.58 0
Aが最後に記憶したのは、その双眸から涙を流す二人の姿だった。
* * *
吉澤ひとみは、今自分の身に何が起こったのかを反芻していた。
強制爆破まで残り3分、という紺野あさ美のアナウンスが入った、
その直後だ、いきなり目の前の二人の戦闘力が膨れ上がったのは。
否、膨れ上がる、という表現では追いつかない。
今まで戦っていた二人とは全く違う人物になったかのように、
その攻撃を視認することすら敵わず地面に転がる羽目になった。
殴られた頬と腹部を押さえる。
頬骨、肋骨ともにぐちゃぐちゃに砕けているのが分かって、思わず舌打ちした。
能力を制御出来るようになったのか。
あるいは“共鳴因子”というものの作用か。
吉澤ひとみは四肢に力をこめ、立ち上がる。
今までと同じ認識では、やられるのは自分の方であることを吉澤ひとみは誰よりも理解していた。
まずは、一人一人潰す必要がある。
どちらから先に仕留めるか、それを見定めようとした吉澤ひとみの視界は“蒼”に染まる。
瞬時に吉澤ひとみの体に走る、複数の打撃。
視認できぬ速度で、ありえない程の重みを伴った打撃が吉澤ひとみの体を撃ち抜いていく。
田中れいなの拳は、足は蒼く輝く。
“共鳴増幅能力−リゾナント・アンプリファイヤ−”、田中れいなはその能力のベクトルを変化させ、
一つの“エネルギー”へと変えたのだった。
218 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:11:47.55 0
エネルギー、言い換えれば純粋な“力”。
力を帯びた拳、蹴りは、一撃で岩をも粉砕する程の威力を持つ。そして、それらが超高速の“連撃−ラッシュ−”として襲いかかるのだ。
重機で殴られたかのような、有り得ない衝撃が数秒にも満たない時間で波のように打ち寄せる。
防御する両腕を貫通するかのような衝撃に、腕の骨は砕け、だらりと垂れ下がる。
がら空きになった上半身に拳がめり込む。
かろうじて直立姿勢を保とうとする両足を打ち砕こうと、蒼の光に包まれた鋭く重い蹴りが炸裂する。
その衝撃に、ついに吉澤ひとみの体は宙を舞い、地面を転がる。
硬い床に打ち付けられ、一瞬呼吸が出来なくなる。
だが、吉澤ひとみは諦めない。
砕かれた両腕の痛みを無視し、力の入らない両肢の感覚を度外視し、
再び立ち上がろうとする。
瞬間、吉澤ひとみの体は自分の意思とは無関係に立たされる、
否、立たされるのではなく―――持ち上げられる。
田中れいなにコートの襟元を掴まれた吉澤ひとみの体は、風が吹くだけで揺らいでしまいそうな程頼りない。
「…分から、ないな、何であいつのために、お前達はそこまで出来る?
あいつは、お前、達をずっと裏切、っていたスパイ、だぞ。
それとも、これが“共鳴”って、やつなの、か…」
「―――あんた達にはどうやっても理解出来んよ。
この胸を締め付ける想いは、今もずっとあーし達の胸に渦巻く悲しみは」
高橋愛は吉澤ひとみを一瞥しながら、その両腕にエネルギーを収束していく。
鮮やかな黄色のオーラが腕に絡みつき、強大なエネルギーが一点に凝縮する。
219 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:12:47.86 0
この絶対的不利な状況から反撃するべく、吉澤ひとみが全身に走る痛みを堪えてエネルギーを解き放とうとした、その時だった。
吉澤ひとみを持ち上げていた田中れいながその場から“消える”。
支えを失った体が地面に崩れ落ちるよりも早く、鮮やかな閃光が吉澤ひとみの全身を貫いた。
* * *
跡形もなく消え去った黒衣の女性。
久住小春は肩で息をしながら、ゆっくりと歩き出す。
だが、その方向はまるで見当違いの方だった。
異なる能力の同時行使、それが久住小春の身体に及ぼした影響。
失明。
今の小春の視界を埋め尽くすのは、何処までも深い黒。
光井愛佳は何も言わずに、久住小春の手を取る。
何かを言いかけて、言いよどんだ久住小春の耳に届く、柔らかな声。
「大丈夫です、愛佳が久住さんの“目”になりますから。
いきましょう、皆、待ってる」
泣きたくなる程優しい声に、久住小春は小さく微笑む。
目が見えない恐怖は大きいが、それでもきっと大丈夫だと思えるのは、
彼女が傍にいてくれるからだと思い識る。
久住小春が戸惑わない程度の速度で光井愛佳は歩き出す。
敵を撃破すると同時に現れた、暗く長い廊下。
220 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:13:50.38 0
数十秒だったかもしれない、否、数分だったかもしれない。
ゆっくりとした足取りで出口を目指す二人の前に差し込んだ、小さな光。
「もう少しです、久住さん」
「ありがと、みっつぃー。
あの、ね」
「…分かってます、出る時になったら手を離しますから。
その代わり、これ」
光井愛佳が久住小春の服のポケットに滑り込ませたのは、自身が身につけていたデバイスだった。
そのデバイスから放たれる微かなエネルギーは、光井愛佳と同じもの。
光井愛佳から微かに放たれるエネルギーが、デバイスと呼応する。
これを“道標”にしろということだろう。
久住小春はポケットに手をつっこむと、そのデバイスをしっかりと握りしめる。
いつまで続くか分からないが、この失明状態は一時的なものだと信じて、
久住小春は光井愛佳と手を繋ぎながら出口へと向かう。
やがて、手を離される感覚。
そして、次々に上がる声に―――久住小春は、全員“ゲーム”に勝利したのだと言うことを識る。
221 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:14:50.00 0
「…これで、全員やね。
あ、さゆ、分かってると思うけど」
「全員、最低限の治療、ですよね。
大丈夫です、分かってますから」
久住小春の身を包む、温かな光。
全身を苛んでいた苦痛が和らいでいくのが分かる。
道重さゆみは光井愛佳にも治癒を施す。
全員、全快とまではいかないものの、それなりに戦えるだけの状態になった。
『おめでとうございます、では、約束通り、新垣里沙が居る部屋へとご案内しましょう』
抑揚のないアナウンスと共に、八人のリゾナンターの前に現れた新たなる通路。
八人は視線を交わすと、ゆっくりとした足取りで通路へと足を踏み入れる。
この先に、きっと。
里沙も、そして―――今まで以上の難敵も待ち受けているに違いない。
だが、八人の誰一人として、引き返そうとはしない。
新垣里沙を取り戻す、そのためにここまで来た。
八人は知る由もない。
―――この先に待ち構えている“試練”は、先程の死闘を上回る程過酷なものであることを。
222 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:16:59.41 0
>208-221
後半投下完了、そして蒼の共鳴本編第1部最終話へと続く
まとめちゃんへ
>>189-201及び
>>208-221を一つにまとめて収録をお願いします
さて、タイトルどないしよ…とか思いながら寝ます、皆さんオヤスミヒャハー
223 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:19:46.64 O
224 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:27:45.35 0
>>222 決して巧みな描写じゃないんですけど、胸が熱くなりました
王道に勝る道は無い
渾身の力を込めて大上段から振り下ろす一撃を防ぐ術は無い
そのことを思い知らされた今回の更新でした
最終話は来て欲しくありませんが、やっぱり待ち遠しいです
225 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 02:36:54.48 O
クライマックスが近づいてきたあああああああ
226 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 05:15:46.85 O
この先もすごく楽しみ
227 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 05:42:36.19 0
小春の幻術がかっこよくって自分の好みでした!
ゆらり、四人の小春!カッコイイ!
力強い物語乙です!
228 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 07:18:17.94 O
大作乙!やっぱこのスレスゲーなおい!
229 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 08:53:58.02 O
どこか懐かしささえ覚える王道っぷり
意外とこういうのは今までなかったですよね
大作お疲れ様です
230 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 10:40:59.49 0
日曜の朝
231 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 11:26:35.45 0
目覚めよ、共鳴因子
232 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 12:25:33.70 0
naiyaiでっす昨晩は遅くまでお付き合いいただいた方も
今朝起きて読んだという方もありがとうございまーす
各チーム毎に1話ずつだと絶対中だるみするよなと思ったので
今回はこういう切り替わり形式でお届けしました
その結果が約27レス…先日のヴァリアントハンターなみじゃねぇかよとorz
今までに奪還物は数多く書かれてきましたがその多くが愛ガキを軸にしてるんですよね
自分は愛ガキ本スレを覗いたりするくらい愛ガキのことは大好きだし
物語として登場人物の一部にスポットを当てる方が書きやすいっていうのも
(わずか半年強だけど)経験上分かるんですが
DDとしての意地で半年前から描いていた光景を書き切りました
新垣里沙はリゾナンター、リゾナンターは九人、だからみんなで取り返そう!
単純な発想ですがバトル描写の苦手な私には今回の作品は本当試練試練試練orz
でもこの更新分に籠めた“熱”が上手く伝達されたようで何よりです
ありふれた王道的作品でも頑張れば伝わるはずだと信じて頑張った甲斐がありました
蒼の共鳴本編“第1部”は次の更新で終わりですが番外編とか
SIDE Darkness編と称したダークネス側の物語を少し書きたいなとか色々考えております
リゾスレと共に歩み続ける物語、これからもよろしくお願いします
233 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 12:51:26.17 0
>>232 乙です。
次回はとうとう囚われのガキさんのもとへと八人が辿り着くんですね!
ワクテカで待ってます!
いつもながらにnaiyaiさんの創作のパワーには驚かされます。
圧倒的な執筆量!It is wonderful!
naiyaiさんから受けた刺激で自分自身も絵なり文なりで、何か出来たらなぁと奮い立ちました。Thank you.
234 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 13:03:55.13 0
235 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 13:51:03.65 0
236 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 14:58:02.70 O
237 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 15:51:58.92 0
アイスラッガーを投げてると見た
238 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 16:16:00.24 0
れいなはショートパンツのイメージが強すぎて
フレアスカートは違和感あるなあ
239 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 16:36:09.05 0
240 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 16:38:51.39 0
>>234 服の隙間かられいなの豊かな胸を覗こうとしても無駄やけんね!
こうやって手で隠すけんね!
241 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 16:41:18.04 0
242 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 17:33:25.03 O
どんだけ盛り上がってるんだよw
243 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 18:18:41.78 0
ここに居ないってことは・・・・・・・リゾナントだっ!
244 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 19:12:19.91 O
ほっしゅ
245 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 20:31:05.63 0
リーダーサブリーダーが金髪さんの舞台に忍び込んだとか何とか
246 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 20:48:52.54 O
潜入捜査か
247 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 21:52:42.04 O
金髪さんのお国にダークネスが!?
248 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 21:56:05.48 0
249 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 21:57:36.09 0
すっごい地味な能力にワロタw
250 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 22:59:57.35 0
明日もまだあったかいみたいだな
ミティはお休み中かな
251 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 23:14:23.11 0
そろそろ春で暖かくなればミティの天下も終末だ
暖かくなれば戦闘力も弱まるはず
252 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 23:23:17.33 0
向日葵を守る話があったよね
暖かいのも平気なんじゃ?
253 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 23:29:10.48 0
>>251 認識が甘すぎる
「この炎天下では自慢の能力も威力を発揮できまい!」とか得意げに言った瞬間に凍ってるぞお前
254 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 23:35:02.34 0
元々4月に雪を降らせたりしてるしね
さえみさんに消された話でのことだけど
255 :
名無し募集中。。。:2009/02/15(日) 23:53:41.25 0
夏は冷気で体全身を覆って真空状態を作り出してるから太陽光線を浴びても平気というからくり
256 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 00:13:03.98 0
真空状態って・・・死にますやんw
257 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 00:45:38.68 0
あーそっかw
ジョジョでDIOがそんな感じのをやってたから真似してみたw
258 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 00:51:24.09 0
じゃああれじゃないか冷気のスーツで全身をガードしてるんだ
それで空気穴が弱点だったりする
259 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 00:56:28.76 0
それなんてホワイトアルバムw
260 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 01:43:48.03 O
(信者・ω・)ゞ<<ミティ様、おやすみてぃ♪であります。
261 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 02:59:46.28 0
ミティ4ちゃい
今日はお散歩なのら
でもミティちゃんは太陽の光が苦手なのら
だからママに外に出る時は絶対に黒のマントを被るように言われてるのら
ん?んぅ?
なんか庭に小鳥さんが倒れてるろ
小鳥さんどこか痛いのかなぁ。ミティが助けてあげるね
んしょんしょ・・・ピューー
あっっマントが風で飛んでっちゃった
うぅ暑いよぉ苦しいよぉ
でも早く小鳥さんを家に入れなきゃ死んじゃうよぉ
ハァハァ・・ごめん小鳥さん待っててね・・ハァ・・ミティ家から新しいマント取ってくるね・・・
それまで・・我慢しててね・・ハァ・・すぐ帰ってくるから・・
ドタドタドタ
ミティ戻ってきたよおお小鳥さーん大丈夫ぅ?
あっ
バオンバオン!ガルルルッ!!グジュゥ!クチャクチャ!ウヒヒバウワウ!!
・・・
・・・
よくも小鳥さんをおおぉ・・・
くああああああヒュウウウウ!!!!!!!
262 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 04:40:20.00 0
ノリo`ゥ´リ <オマイラまたジョジョネタか!? お前は今まで食べた梅干の数を覚えているのか?
ノリo`ゥ´リ <さ〜て、Wiki掲載記念! 行くぜ行くぜ行くぜエェェ〜ッ!!
川=`┴´)つ <しゅびしィィィぃっ!! …とホゼナントやッ!!
ノリo ゜ゥ゜リ <アレ…
263 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 05:32:17.98 0
しゅびしィィィぃっ!! Wikiの項目ワロタw
264 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 06:58:48.32 O
愛佳はしゅびしィィィぃっ!!を唱えた
2の精神的ダメージをあたえた
265 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 07:40:33.01 O
266 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 10:05:20.13 O
睡魔を招く能力使いに襲われているようだ
ひどく眠い
267 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 10:30:40.97 0
花粉使いが現れたようだ
268 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 10:35:36.06 0
目がかゆ〜い><
えりりんに吹き飛ばしてもらいたい
269 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 10:45:19.00 0
>>268 ノノ*^ー^)<目を吹き飛ばせばいいんですね?りょーかいです!
270 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 11:45:54.94 0
「う……ぅ………」
地下室の冷たい床に転がったまま、亀井絵里は小さく呻き声をあげた。
背中にまわされた両手にも、揃えられた両足にも、相変わらず痛いほどにロープが食い込んでいる。
あれから一体どれくらい経ったのだろう。
今ではロープを解こうともがく気力すらない。
思い出したように呻き声を出すくらいしか、今の絵里に出来ることはなかった。
(まさかこんなことになるなんて…)
朦朧とする頭に、何度となく後悔が去来する。
そう、こんなことになるなんて思いもしていなかった。
まさか「あの人」がこんなことをするなんて……
ガチャリ
そのとき、入り口のドアが不吉な音を立てて開き、絵里はビクリと体を震わせた。
「どう?反省してる?」
地下室に響くその冷ややかな声の方に、絵里は必死で顔を向ける。
「お願い…もう…許して……許してください……」
だが、その絵里の憐れな懇願にも「声」の温度が変わることはない。
それどころか、一段と冷酷さを増した「声」が惨めに横たわる絵里に容赦なく投げ下ろされる。
「許して?まだそんなふざけたこと言えるんか。もう少し痛い目みんと自分の罪が理解できんみたいやね」
「お願い…お願いします……愛ちゃん……もう許してください……助けて……いや……いやぁぁぁぁっっ!!!」
271 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 11:47:10.44 0
# # #
「ウソ…だよね?ねえ、ウソだよねみっつぃー?いくらなんでも愛ちゃんがそんな…あは、あはは…」
手を伸ばしかけた姿勢で固まったまま、絵里は光井愛佳に引き攣った笑顔を向けた。
「愛佳は“視”えたこと言うただけですよ。ウソや思うんやったら食べてみはったらどうですか?あんまりお勧めしませんけど」
そう応える愛佳の真顔に、絵里の手が弾かれたように引っ込められる。
その手がほぼ触れかけていたチョコレートの箱が、いつの間にか沸騰しているやかんになっていたかのように。
「そう、それがええ思いますよ。触らぬ神に祟りなしです」
ニコリと笑う愛佳に、もはや笑みになっていない笑みを返しながら、絵里は慌てて席を立った。
「え、絵里急に用事を思い出したから帰るね」
そう言い残してバタバタと喫茶リゾナントを出てゆく絵里の背中を見送りながら、愛佳はニヤリと笑った。
次いで、その視線はカウンターの上に置かれたチョコレートの箱へと移る。
先日14日―聖バレンタインデーに新垣里沙から高橋愛へと贈られた高級チョコレートの箱へと。
「ただいまー。…なあ、絵里どうかしたん?今そこですれ違ったとき、なんか変やったんやけど」
ちょうどそこに買い物袋を提げて戻ってきた愛が、ドアを開けると同時に首を傾げながら愛佳に尋ねる。
「さあ…なんか急に用事思い出したとか言ってはりましたけど…亀井さんのことやからどうせ大したことやない思いますよー」
「んー…まあそれもそやね」
「そんなことより高橋さん、愛佳にもこのチョコ1つくださいよー」
「ん?ああ、それ?んじゃ確かあと2つ残ってたから1つずつ食べよっか」
やったーめっちゃ嬉しーいありがとうございまーす――そうにこやかに言いながら、愛佳は薄く微笑んだ。
272 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 11:47:56.88 0
273 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 11:56:24.05 0
おもしろい!
274 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 12:46:52.15 0
みっつぃ策士ww
275 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 13:47:46.63 O
みっつぃ実は視てないだろwww
276 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 13:50:19.08 0
黒光井いいなw
みっつぃがチョコ嫌いなことは内緒にしとくか
277 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 15:33:46.98 0
リゾリゾ
278 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 15:47:17.86 O
アロハロでケーキがチョコたっぷりってわかったときの
一気に地獄に突き落とされたような表情はちょっとおもしろかったw
279 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 17:23:31.14 0
>>276 見破られましたか
そう 実はあれは久住さんが念写で光井さんに化けてるんです
チョコを食べたいが為に
・・・すみません本当はチョコ嫌いを完全に失念していました
その情報聞いたことはあったんですけどねえw
280 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 17:38:06.70 0
むしろ黒光井さんはその手でチョコゲット→小春にあげる
でこはみつうはうはと思ったんだけど…ヒドい妄想なのは認める
ともあれ保全作乙でした
>>279さん
281 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 18:11:44.42 0
みっつぃチョコゲット→れいなにあげる→田中会安泰 とかもアリかと(ry
282 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 19:13:38.58 0
ノノ*^ー^)<ホはアホのホですよぉ?
283 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 20:33:08.57 O
| 。.・)<なんとかして、みっついからチョコをゲット→エリに高値で売る→高級脂身を買うなの
284 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 21:13:07.03 0
「RとR」から続くお話の第二章を投下します
ダークネスサイドの内容なのでリゾナンターは出てきません
ごめんなさい
285 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 21:13:40.47 0
黒い、部屋だった。調度品の全てが黒で統一されている。
黒革のソファーに黒檀のテーブル。壁や天井までもが光沢のある黒に染められていた。
黒のドレスに身を包んだ女が無造作にソファーに体重をあずけている。
ドレスの胸元が赤い。
高橋愛によって重傷を負わされた粛清人Aを抱き上げたときに付着した血だ。
その赤が黒のドレスの女――後藤真希を包み込む静謐な空間の中で、
燻る炎のようにたたかいの熱を想起させている。
後藤は胸元の血を気だるそうに一瞥すると、軽くため息をついた。
ゆるゆると吐息と共に倦怠感が部屋中に漂っていく。
その姿に得も言われぬ気品が満ちている。倦怠感ですら美しい、それが、後藤真希であった。
「後藤」
背後から、氷のような声が彼女に向けられた。
後藤真希はダークネスの最高幹部の一人であるから、
極めて限られた人間しかその私室に足を踏み入れることは出来ない。
「なんか用?」
振り向いた視線の先にいたのは女だった。
黒の後藤とは対照的に白いカーディガンを羽織り、常にやわらかい日の光の中にいるような雰囲気を纏っている。
もし天が、春の訪れを知らせる精霊を地上に送るとすればこのような姿をとらせるのではないだろうか。
その微笑みは、見た者の心に決して枯れない花を咲かせるであろう。
しかし今は、この天の使い――安倍なつみの頬にはひとひらの雪ほどの微笑みも浮かんではいない。
凝縮された闇色の瞳で、後藤を見据えていた。
286 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 21:14:38.87 0
「珍しいね、なっちが私の部屋にわざわざ来るなんて」
「用件は、分かってるでしょ?」
安倍なつみは後藤の胸元に視線を移した。
血を見ている。
「あんた何を考えてるの」
「仲間を助けようとしたのがいけない?」
「他にいくらでもやりようがあったでしょ。腕を引きちぎるなんて、無茶苦茶よ」
「我が組織が誇る粛清人Aの命よりも共鳴者高橋愛の方が心配?」
後藤の言葉と呼応して、安倍なつみの瞳に宿る闇の色がぐうっと、その濃さを増していく。
後藤真希と、安倍なつみの間の空間が、
何か目に見えない力によって、ぎりぎりと悲鳴を上げているようだ。
「後藤真希なら、私に賛同してくれると思ったんだけどね」
「私は誰の賛同者にもならない」
「そう…それは残念ね」
そう静かに呟くと、安倍なつみは己の右手を雪を思わせる白い光で包み込んだ。
『ホワイトスノー』と呼ばれる破壊エネルギーの結晶である。
安倍なつみをダークネスの頂点に君臨さしめるこの力と、
後藤真希の圧倒的な念動力は、未だかつて一度もぶつかり合ったことはない。
後藤は唇をわずかに吊り上げて、言った。
287 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 21:15:29.89 0
「でもね、私は安倍なつみとやり合って無事で済むと思うほど間抜けでも自信家でもないわ」
「だったら邪魔をしないでもらえる?」
「邪魔をしているつもりはないんだけど、まあ気をつけるわ」
安倍なつみの手に宿った光から、小さな花びらを二枚あわせたような白い蝶が飛び立った。
蝶はひらひらと黒檀のテーブルの上にとまると同時に、パン!と弾けた。
テーブルの三分の一程が綺麗に抉れている。
安倍なつみは『ホワイトスノー』を行使するとき
力の強さに合わせた生き物の姿をとらせることが多い。
小さな蝶でこの威力。その気になれば虎や熊などの猛獣の姿をとらせる。
「このテーブル、結構するんだけど」
「そう、次から気をつけるわ」
視線が絡み合う。
やれやれ、といった表情で視線をはずしたのは後藤の方だった。
「いい加減この血まみれの服着替えたいんだけど、いいかな?」
「意外と似合ってるわよ、それ」
にこりともせず安倍なつみは踵を返し、出口へと歩き出した。
「そういえばお気に入りの新垣は勝ったってね。Rは残念だったけど」
後藤の言葉に一瞬ドアノブを掴む手が止まったが、そのまま何も言わず
安倍なつみは後藤真希の部屋から姿を消した。
「あの優しいなっちは、どこに行っちゃったんだろうねえ…」
288 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 21:16:52.66 0
―粛清人?私が?冗談だろ。
吉澤ひとみは一人、自分の部屋で先ほど交わされた会話を反芻していた。
飾りっ気のない部屋である。シンプルなデスクの他、必要最小限のものしか置かれていない。
魔女にやらせろよ、とその時は答えた。そういうのが好きな質なのは魔女ミティの方だろう。
「上層部の決定ですから、私に言われましても…」
デスクの上に琥珀色の液体が入った瓶と、氷を入れたグラスが置いてある。
自分は石川ほど強くはないという自覚があった。
粛清人に要求されるものは一つ、圧倒的な戦力だ。
それが無くては恐怖の象徴にはなれない。
「詳しいことは聞かされておりませんがこの度、戦獣部隊と呼ばれる
粛清人直属の精鋭部隊が組織されるそうです」
随分と用意がいい。まるで粛清人Rが新垣里沙に敗北するのを織り込み済みだったようではないか。
上の連中は何を考えているのか、吉澤の心にはそういった不信感がわだかまっている。
グラスに液体を注いだ。
カラン、と音を立てて氷が傾いた。
「あの…差し出がましいようですが、
自分は石川さんの後任は吉澤さんしかいないと思っています。
是非、仇を討ってください」
289 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 21:17:30.65 0
グラスをじっと見つめたまま、コロコロと転がす。
中の液体は酒だ。
酒と、無言で会話している。
仇、仇か…と、酒と、会話している。
石川を殺った新垣は、吉澤にとって諜報機関に所属していた直属の部下だった。
新垣の性格上、スパイ任務というものが彼女に与える負担は並大抵のものではない事も察していた。
組織の中で、新垣里沙の苦悩を一番よく分かっていたのは恐らく吉澤ひとみだったであろう。
その吉澤だからこそ、共鳴者になびいた新垣を責める気になれない。仇として憎む気持ちが湧き上がらない。
「ひとつだけ、条件がある。
石川が梅酒をな、漬けていたらしいんだ。それをもらえるかな」
その梅酒が今、吉澤の手の中にある。
―私さ、梅酒をね、漬けてたの。任務が終わったら余裕が出来るから、一緒に飲もう。
ふと、石川の甲高い声が頭の中に響いた気がした。
梅酒を一口、口の中に放り込んだ。
まずい。
甘さがどぎつい。容赦のない甘さだ。
あいつ、砂糖の分量間違えやがったな…と、苦笑いを浮かべてぽつりと呟いた。
―ま、味は保障しないわよ。
そう言ってたたかいに赴いた石川の微笑が、ひどく透き通ったものだった事を思い出す。
ぐいっと一気に飲み干した。
胸の奥からふつふつと、何かがこみ上げてくる。
この程度の量で酒が回ることはない。
しかし、確かに昂ぶってくるものがある。
このまずい酒が気付かせてくれたものがある。
それは――
290 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 21:18:04.26 0
―石川梨華は紛れもなく、私の友だった。
鮮やかな驚きがあった。
粛清人Rとは、石川梨華とは何者だったのか、それがやっと分かった。
「友か…」
そう口にした瞬間、吉澤の中ではっきりと目覚めた。
粛清人なんてガラじゃない。
仇が憎いわけじゃない。
でも、あいつの無念は、私が晴らしてやろう。
他の誰にも、それは譲らない。
復讐者は静かに誓う。
共鳴者どもの血で、新垣里沙の頬を真紅に染めてやろう。
恐怖と絶望と悔恨で、新垣里沙の心を闇に染めてやろう。
――新たなるたたかいは、一杯の梅酒によってその産声を上げた。
291 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 21:23:53.81 0
>>285-290 以上ですお目汚しでございました
結構話が長引きそうです
なんとかします
292 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 21:26:35.02 0
よっちーがガキさん狩にくるのか
えぐい追いつめかたするんだろうな
293 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 21:40:35.06 O
ダークネス側にも人間模様があるからまた物語が深まるんですよねぇ。
>―石川梨華は紛れもなく、私の友だった。
>粛清人なんてガラじゃない。
仇が憎いわけじゃない。
でも、あいつの無念は、私が晴らしてやろう。
他の誰にも、それは譲らない。
この部分が好きです
梅酒によって着火された炎が静かに燃え盛る業火へと変わっていく様にえも言わぬ恐ろしさを感じました。
294 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 22:28:01.26 0
ミティ寒くするなよミティ
295 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 22:31:58.26 0
>>291 面白かったです
ダークネスの面々も各々思惑がありそうで、
それが今後の展開にどう影響を与えるか、楽しみです
296 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 23:04:09.89 O
>>291 面白い展開でした 次がわくわくさんだね!
297 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 23:09:49.09 0
>>291 戦闘描写もいつも素晴らしいですが こういった内面描写はそれに輪をかけて素晴らしいですね
ダークネスの内情については23話に至っても掘り下げて書いた作品は少ないので 今後広がっていくと面白いなと思っています
以前から張られていた“梅酒”の伏線が見事な形で回収されたことに痺れました
本当に見事な小道具だと思います
やたらと甘ったるい“まずさ”で石川梨華という人物を見事に描き出し 同時にその死をより一層印象付けていて――
吉澤ひとみに“らしくない”酒を飲ませることで2人の絆を描写し 今話におけるクライマックスを演出するとともに以後の展開を想像させる――
どちらのサイドにも人間としての“物語”があるのだということをこの小道具を用いることで端的に・・・それでいて完璧に表現していると感じました
続きを期待しています
298 :
名無し募集中。。。:2009/02/16(月) 23:43:15.56 0
>>291 いやぁ、凄く面白いです!
こりゃ続きが楽しみだわい!
299 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 00:27:56.25 0
凄く楽しみ
300 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 00:28:03.91 0
続きが楽しみ!
301 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 01:01:20.94 0
今日は「泣いちゃうかも」が届く!
楽しみすぎる!
302 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 01:45:38.30 0
いつの間にかフラゲ
303 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 02:46:17.13 0
サエミサマサエミサマオシオキキボンヌ
304 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 03:58:02.92 O
アナザーVerはシングルVだっけ?
305 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 05:22:13.84 O
>>291 吉澤とガキさんの対決楽しみ
あと安倍さんの「邪魔をしないで」の意味が気になる
306 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 06:30:41.26 0
307 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 07:47:16.42 O
308 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 08:53:47.47 0
おはよう!
309 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 10:30:01.51 0
川=`┴´) <Wikiの21話総括にも「こはみつ参上」って書いてますからな!!
川=`┴´) <今回もウチがしゅびし!っとキメますわ!! 行きまっせぇぇぇぇぇ〜!!
ノノ*^ー^)つ <じゃ〜んちょっぴしいぃ〜♪ …みたいな? …ねえこんな? …みたいな?
川= ゜┴゜) <・・・
ノリo ゜ゥ゜リ <・・・
310 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 11:38:33.10 0
>>309 絵里やっちゃったなwww
しかしここにきて絵里参戦ということは…将来的には…w
311 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 13:01:29.43 0
オムライス食べたよー
312 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 14:41:34.54 O
今日は外が冷たいね
313 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 15:35:03.03 0
>>304 初回盤Aはあなざー 初回盤Bはくろーずあっぷ
314 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 16:47:22.90 0
ノ|c| ・e・) <コラー!! あんたたち遊んでないでちゃんと保全しなさい!!
ノ|c| ・e・)つ <しゅびしぃーーーーーーーーーーーーーーーーーームッと!!
川= ゜┴゜) <・・・
ノリo ゜ゥ゜リ <・・・
ノノ* ゜ー゜) <・・・
ノ|c| ・e・) <見てるアンタたちもちゃんと保全してよ…
クル( ・e・ )9m <ね?
315 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 17:00:12.02 0
こっち見んなw
リアクションに困るw
316 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 17:01:48.39 0
ガキさんw
317 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 18:25:32.81 O
ノノ*^ー^)<はいママ♪
318 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 19:22:05.50 O
泣いちゃうかもアナザーVer.ってこういう意味かあ
割と好きだけどこのスレ的には少し残念w
319 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 20:10:06.17 O
これから見てみる
320 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 21:09:23.61 0
表情がいいなぁ
321 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 21:09:58.19 0
322 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 21:40:36.66 0
もう完全にリゾナンターとしてしか見れないどうしようw
323 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 21:51:53.94 0
324 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 22:02:34.07 0
リゾナンターじゃなかったら何なのかと
325 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 22:05:36.98 0
あの映像でみんな泣いてるのは新垣がスパイであることに気付いてしまったからか
その切なさで
326 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 22:06:49.82 0
327 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 22:09:54.69 0
リゾスレ病の蔓延具合に吹いたw
そういう自分ももはやマリコの彼氏とか知ったこっちゃない感じなのでメンバーのコメントに毎回違和感を感じますw
328 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 22:42:55.90 0
もう皆さんアナザーバージョン観たんですね
329 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 22:48:21.48 0
今日のフラゲには失敗したけど一時つべにうpられてたからね
330 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 22:52:00.77 0
331 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 22:53:20.34 O
自分と同じ見方の人がいてよかったー
なんかもう末期かと思ってたw
332 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 22:54:35.74 0
最近はすぐうpられちゃうからねぇ
こないだガキハロ2がフラゲ日前にも関わらず全編うpられてたのはさすがにどうかと思ったけど
333 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 22:57:47.86 0
>>331 いや、末期患者なのは間違いないよw
ここには末期患者がウヨウヨいるってだけでw そのネタの作品も多いじゃんw
334 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 22:58:50.90 0
発売前にして何作も上がってたもんなあ
335 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 23:17:20.92 0
336 :
名無し募集中。。。:2009/02/17(火) 23:57:41.32 0
さえみさんにちゃん付けする勇気のある人は初めて見た気がする
337 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 00:05:58.95 0
わ・・・悪気はなかったの
ちょっ、そんなに怖い顔しないで!うわぁあああ
338 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 00:34:25.21 O
可哀想に…
339 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 01:21:48.97 0
泣いちゃうかも明日買う!俺、明日、買う。
340 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 01:32:40.10 0
341 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 01:52:00.07 O
ガキママがスパイである事を知ったメンバーはそれぞれに
喫茶リゾナントを飛び出してゆく
夜の外はメンバーの心の悲しみに共鳴したのか
雨が降り出しはじめていた
ザー
「大好きな新垣さん、お母さんの用に暖かい
一緒にいると心がおちつく
それでも、、、売ったの?私達を」
あー妄想がふくらむーw
342 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 02:56:12.38 0
>>341 作品化希望・・・いや、キボンヌ・・・激しくキボン。Please.
343 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 05:02:53.43 0
>>341 その妄想
20レスくらいに膨らませて貰えませんでしょうか?
344 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 07:11:35.40 O
今日はとうとう発売中だなおまいら
345 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 07:14:13.64 0
最近3パターンのストーリーが平行して浮かんでて辛い・・・
時間が欲しい・・・
346 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 08:08:13.01 0
すごいなー
1つ分けて欲しいよw
347 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 08:17:13.94 O
作品のアイデア出すから代筆してくださいスレとかそんなのあればいいね
348 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 08:57:09.27 O
349 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 09:49:44.79 0
週末にリゾナンダーと握手できるかもしれんと思うとワクワクが止まらないw
350 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 09:57:30.25 0
リゾブルの発売記念イベント行きたかったなぁ…
結局あの白黒衣装を生で見れてないんだよな
351 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 10:28:44.40 O
リンリンと握手したら燃やされたりしませんか?
352 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 10:29:27.64 0
353 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 12:17:17.48 0
「ぐわっ」
「李純さん、何度やっても同じ事です。 貴方にはそのシールドは破れません」
「その人ヲ、マスターを放せ」
「おやおや、あなたが仰る人というのは、この実験体i914のことでしょうかね。
このi914はダークネスが作りだした最兇にして災厄の生体兵器。 その呪われた力の一端は貴方もご覧になったばかりでしょう」
「違ウ、呪ワレテなんかイナイ」
「何が違うと?」
「この人は守ルべき人たちヲ守レルなら、自分は闇に堕チテモイイと思ッテル。 そう信ジテ戦イ続ケテル」
「ふっ、馬鹿な事を」
「アナタたちはコノ人の笑顔ヲ見タことが無イでしょう。 とっても素敵な笑顔ヲ。 私ハ人類ノ未来も世界の平和も興味ナイ。
デモこの人ガ、人類ヲ、世界ヲ守る為に戦ウなら、ワタシはこの人ヲ守ル為、戦ウ。 変身!!」
Transformation Giant panda Form
「お、お前は仮面ライダー熊二郎」
♪うおぉおおおおおおお、じゃあすてぃいいいいいいいいす!
ときはなてよ ばーにんはあああああああああと!!
新番組 仮面ライダー熊二郎DX 次週スタート するあてもなく
354 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 12:18:18.59 0
悪ふざけです
ないやいさんには申し訳ないことですw
355 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 12:41:12.99 0
川*’ー’)<リゾマンコブルー
356 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 13:55:39.94 0
なるほど愛ちゃんが「おやっさん」役的な感じですかw
357 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 14:55:14.02 0
_, ,_
ノlc| ・e・) <…こうして、悪の組織「ソッカー」の野望は潰えた。しかし、「ソッカー」はこれからも
地球征服の為の陰謀をめぐらせて来るに違いない。
人類の自由と平和のために、戦え!仮面ファイター熊二郎DX!!
川*’ー’)<…里沙ちゃん…? 何ブツブツ言うとるの…?
ビクンッ!
Σノ|c|;・e・) <…な、なんでもないよお…
川´・_o・) <フンガー!!
川*’ー’)<…ジュンジュン…?
ノ|c| ・e・) <見てるアンタたちも内緒だから…
クル( ・e・ ) <ね?
358 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 14:56:42.37 0
ガキさんwww
もうやめてwww こっち見んな!ww
359 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 15:01:43.53 0
>>357 川´・_o・)<ソッカー
||c| ・e・)|<コラー!人ごとみたいに言わなーい!
クル(´・_o・ )←どや顔
クル( ・e・ )
360 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 16:05:12.88 0
保全代わりに質問!
ここの作者さんや、作者さんじゃなくてもこのスレに関連した内容のあるブログやHP
持ってる方って多いよね?
問題なければ、ぜひ教えてくれませんか? よかったらしたらばの『用語wiki議論スレ』
へ書き込んで下さい
お願いできるなら、Wikiナンターの方に『作者』のところにリンクしてもらうのもアリかと
361 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 17:02:18.55 0
そんなに多いの!?
2人しか知らないわ・・・
362 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 17:18:07.16 O
>>360 あんまり書いてくれる人いないと思うけどね
ブログとリゾスレは切り離して考えてそう
363 :
名無しじゃないやい:2009/02/18(水) 18:34:32.98 0
ノリo´ゥ`リ川*^A^)<エビナイトブルー
…すいませんだじゃれ保全でorz
364 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 19:48:37.33 0
泣いちゃうかも買ってきたぞー やっぱし画像いいわw(当たり前
あのロケ地はどこなんだろ?
365 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 19:51:43.19 O
だじゃれ…?
366 :
名無しじゃないやい:2009/02/18(水) 19:57:52.02 0
>>365 小春とリンリンはエビ仲間(参考:久住小春日記メール)
というネタから何故か思いついたのがエビナイトブルー
リゾナントブルーの替え歌でエビがないと悲しい、みたいな内容かもしれない
…いい保全が思いつかなくてついやってしまった
後悔は大いにしている、が、スパイの憂鬱辺りに取り込めそうなネタだなと自分で自分を慰めてみる
367 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 20:28:02.14 0
シングル発売記念新シリーズ予告
三度 闇は襲い掛かる
組織を率いるは 一度共鳴の戦士達に敗れし将軍アヤ
主を喪い復讐に染まりし悪鬼羅刹
アヤの口から語られる事実 その言葉はあまりにも衝撃的だった
ttp://resonant.web.fc2.com/data/toro1931.jpg 「あの御方の娘がリゾナンター・・お前達の中にいるのだ!」
そんな衝撃の後 再び戦いと日常とが交錯して行くが・・・
その頃を境にあるメンバーに謎の声が訴え掛け始めるのだった
そして起こる失踪事件 届けられる招待状
暗い東京の地下 リゾナンターを乗せた列車が奈落へと突き進む
ttp://resonant.web.fc2.com/data/toro17096.jpg 「その暗闇・・私達が照らしに行く!」
今 かなしみとカナシミが衝突する・・
次回新シリーズ「かなしみ戦隊リゾナンターSS」
会場に立つ闇の娘が流した涙・・彼女が見た人々の姿とは・・・?
※尚 番組の内容はリゾスレの流れ・娘。の状態によって大きく
左右する可能性がありますので あらかじめご了承ください
368 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 20:28:36.25 0
かなしみの者です
新曲発売おめでとう!ということで なんか予告編がちょっと前流行っていた?
みたいですので自分も予告の予告を書いてみました
1作目の悲しみをもう一度表現できたらいいナと思います
最初と最後ぐらいしかまだ考えていませんが・・
できればこのスレが終わるまでには開始したいです
ところでコンサで売ってるトレ物写真に付いている厚紙の
使い道が分かりました!予告1話分が丁度その1枚に書き収まるですよw
使える!!(違
369 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 20:33:28.46 0
かなしみさんおかえり!
またかなしみさんの作品が見れる…楽しみです!
370 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 20:58:55.01 0
かなしみさんの新シリーズ!
こいつは嬉しいニュースですね!
本当にマジで楽しみです!待ってます!
371 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 21:22:40.39 0
>>368 かなしみさんキター――――――!!!!
待ってましたよ!早く読みたくてウズウズしてます!
372 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 22:07:11.83 0
>>368 ウレシイ悲鳴キャァー!
おかえり!超楽しみッス
373 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 22:55:13.61 O
かなしみよこんにちは!
374 :
名無し募集中。。。 :2009/02/18(水) 22:58:22.93 0
○藤○貴がいるな
375 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 23:24:27.80 0
川VvV) ←かとおもった
376 :
名無し募集中。。。:2009/02/18(水) 23:41:47.89 0
( ´ Д `) ←かとも思った
377 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 00:00:29.25 0
378 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 00:37:22.76 0
ちょいと予告
何時になるかわからないけど
今日の午後の人稲な時間に
「JJがメインのちょっぴり最終決戦テイストなバトルもの?」
をうpします
(要するにガキさん奪還とは違うけどみんなで敵地に乗り込んだよ的な話…の一部分)
379 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 00:48:57.05 0
ok
380 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 00:51:27.98 0
こちら関西支部ホゼナンダー
近所のCD基地がいくつもダークネスによって破壊されてました
この分だとCDを手に入れられません
明日何とか生き残りを探してみます
381 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 01:30:21.02 O
( `.∀´)つ<光の指す方へCDをシュビシィイィィ♪っとかざすがヨイ!
382 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 01:50:43.73 0
>>381 しゅびしい軍団増殖中だな…
>>380 関西地区ホゼナンター、報告は聞いている…
関東の某基地ではA部隊全滅かと思われたが基地の倉庫で生き残りを発見
また、ダークネス「G」のプロジェクトの証拠品も押収した…
ただしコードネーム「aiko」の証拠品には注意が必要だ 決して手を出さぬよう
注意して欲しい 以上だ
383 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 01:59:13.42 0
aikoか。あれはいいものだ
ん?リゾナンターのCD入手したかって?・・・あ、当たり前だろハハハ・・・
384 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 02:08:18.13 0
385 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 04:45:36.84 0
386 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 05:28:49.74 O
387 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 07:42:29.82 O
おはようリゾナンター達
388 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 09:44:00.25 0
フライフライエビフライ〜♪ 私が大好きなの〜♪
Tonight Tonight 食べたい〜♪ 遊びじゃ食べれない〜♪
389 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 11:50:20.65 0
語呂わるっw
390 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 12:56:09.66 0
そろそろ喫茶リゾナントの春メニュー会議も始まってる頃かなあ
391 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 13:39:26.77 0
足音が誰もいない回廊に反響する。
辺りは何の気配も感じられず、自らの呼吸音すら意識できるほどに静まり返っていた。
時折、ジュンジュンはその左肩にかかるボストンバッグをずりあげる。
バッグが肩にくい込んで痛い。邪魔な荷物だ。
だが、放り投げるわけにもいかなかった。
この中には替えの服と非常食が詰まっている。
楽にしたいからといって、今この荷物を捨てることはできない。
「・・・・・・お」
突然、代わり映えのしない退屈な光景が色を変える。
回廊の先に扉が現れたのだ。
ジュンジュンは迷わず駆けて、その扉を開ける。
扉の向こうは薄暗かった。
ホールと呼ぶには小さくて、ルームと呼ぶにはやや大きい。
“なんとかの間”、とでも呼ぶのがぴったりの空間。
それにしても。
392 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 13:40:29.34 0
「・・・さムい」
さっきまでいた場所と比べて、ここでは明らかに気温が下がっている。
吐く息が白くなり、刺すような冷気が体を包んだ。
冷房の効きすぎではないか。スイッチはどこだろう。
ジュンジュンは周囲を見渡す。
すると。
「ア?」
奇妙な何かが目に入った。
近くに行って調べてみたい衝動に駆られる。
罠かもしれない。
湧き起こる警戒心。
・・・それをほんの少し上回る、好奇心。
ジュンジュンはソレに近づいた。
そして目を疑う。思わず手を伸ばす。指先が痛くなる。
まるで何かの展覧会のようだった。
いくつか並べられた縦長のガラスケース。
それぞれのケースの中には白いオブジェが一つずつ。
弱々しい照明に照らされてそれらが妖しく浮かび上がる。
オブジェはその目を閉じていた。
いや、オブジェなどといって自分をごまかすのはやめろ。本当はソレがなんなのか、わかっているくせに。
ソレの正体は、四角い氷の中に閉じ込められた人間だった。
393 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 13:41:46.82 0
「・・・・・・美しいだろう?」
突然、背後から聞き慣れない声。
この“間”の主に違いない。
素早く荷物を放り投げ、体を反転して戦闘態勢をとった。
立っていたのは、黒衣を纏い不敵な笑みをたたえた一人の女。
「美しいだろう。永遠を待つ卵たちだ」
女は同じ台詞をゆっくりと繰り返す。
陶酔しきったそのねっとりした声が・・・たまらなく不愉快だった。
「オマエ誰だ?この人たちドウした?なんデこんなことする?」
「あのさ、質問多すぎ。一つずつにしてくんない?」
「む」
「ま、いいや。気分いいから答えてやるよ」
この女はどうも気まぐれな性格のようだ。
ころころと態度を変えるので、ついていくのに苦労する。
「私が誰かって?私は私だ、他の誰でもない。しかし、人は私を魔女と呼ぶ」
「意味わカんない」
「あと、こいつらは死んじゃいない。氷漬けになって仮死状態を保っているだけだ。
・・・コールドスリープ、だっけ?まあそんな感じ」
女は、なおも続けた。
394 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 13:43:03.45 0
「永遠を前に命は儚い。人の命などたった数十年で朽ち果てる。そう、所詮そこまでが
人の限界。愛した者と永遠を共にするなど人の身には不可能なことだ。・・・・・・だから、
私は人を超える。人を超えて魔女となり、愛した人と共に生きるため、永遠を可能にして
みせる。私に与えられた、この“凍結の力”で!」
拳をつくり、女は高々とそう宣言した。
演説、といってもいいかもしれない。
聴衆でもいれば歓声が沸きあがっているところだろう。
しかし、この場の観客はジュンジュン一人。
歓声はおろか、拍手の一つすら起こらなかった。
「・・・何か、言うことはあるか?」
「ナイよ。言うこと何もナイ。でも・・・・・・気に入らナイ!」
次に拳をつくったのは、ジュンジュンのほうだった。
ただし、その拳は突き上げるためでなく敵にくらわすためのもの。
二人の間合いが、一気に縮まる。
「そーゆーのは一人デやれ!他の人巻き込むナ!」
ジュンジュンが、拳を繰り出す。
「言ったろ?愛した人と共に生きたいって。こいつらもその一部なんだよ。いつかその日が来たら
こいつらにも、氷漬けなんて仮初めじゃない真の永遠を与えてやるんだ」
顔が歪む。
ジュンジュンの顔だけが、痛みで歪む。
「ぐぁ!?」
395 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 13:44:15.02 0
一方で女は涼しい顔をしている。
当然だ。なんのダメージも受けていないのだから。
「言い忘れてたけど、ここは透明な氷の壁を張り巡らせてミラーハウスみたいにしてある。
進むときは注意しろよ」
女がにやにやと口角を上げる。
先に言え、と悪態をつきそうになるのを我慢し、頭の中で今の女の言葉を反芻する。
ミラーハウス。
ということは、さっき自分は壁を殴ってしまったのか。痛いわけだ。
では、どうすればこっちの攻撃が相手に届く?
高橋愛なら、こんな壁は瞬間移動で通り抜けるだろう。
銭琳なら、こんな壁は燃やし尽くしてしまうだろう。
しかし、李純にはそれができない。
そういった意味では、自分がこの場に来てしまったのは運がなかったと言える。
選べる道は二つに一つ。
手探りで抜け道を探すか、強行突破。
だったら。
「ハアッ!!」
獣化によって己の破壊力を極限まで高め、壁を壊す。
選んだ道は強行突破。
そのほうが自分らしい。
396 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 13:45:09.14 0
「そうだよそれそれ!それが見たかった!」
嬉々とした声があがる。
見れば、女は手を叩いて喜んでいた。
緊張感のかけらもない腑抜けた面。
闘いの最中にそんな顔をするなんて。
不快指数が頂点に達する。
壁など気にせず、全速力で突き進む。
割れて降り注ぐ破片は気にしない。
目指すは黒衣の女の懐、ただ一点。
最後の一歩で跳びかかり、あと一伸びで前足が届く。
はずだった。
突然、体に奇妙な重量感。
体が重い。落下する。
限りなく敵に近づけたというのに。
その不愉快な笑みが、徐々に遠ざかってしまう。
大熊猫の姿のまま、ジュンジュンは大の字になって床に沈みこんだ。
「私のコレクションは人ばかりだからな。ここらでパンダでも加えて、彩りを添えるとしよう」
397 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 13:46:23.53 0
思い通りに体が動かせない。
いったい何が起こったというのか。
冷ややかな笑い声を聞きながら、状況を整理しようと必死に頭を働かす。
体が急激に冷えていくのがわかった。
それも周囲の温度が下がっているというような間接的な理由ではなく、もっと直接的に。
そう。
体のところどころに厚い氷が張っているのだ。
突然体が重くなったのも、これのせいに違いない。
しかもその氷は、体全体を侵食しようと自主的に成長を続けている。
「ゼロから氷を作り出すより今ある氷を成長させるほうが楽なんだよ。おまえもさ、
かかったかけらを振り払う余裕くらいあってもよかったかもな」
氷壁を突き破った際に降り注いだかけらが、女の力によって大きくなったらしい。
避ける隙を与えないための素早い攻撃がかえって仇になった。
ジュンジュンは唇を噛みしめる。
この状況では、それくらいのことしかできなかった。
398 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 13:47:32.61 0
寒い冷たい痛い、寒い冷たい痛い、寒い冷たい痛い―――
身体の表面の氷がその範囲を広げるにつれて、思考の凍結も始まっていく。
それはつまり、“抵抗”という意思を奪われることに等しい。
さっき見た人々も、氷漬けにされるときはこんな感じだったのだろうか。
こんな風に、自身のすべてを失っていく思いだったのだろうか。
いやだ。
失いたくない。体も心も能力も思い出も、何一つ。
体がないと、バナナが食べられない。
心がないと、楽しいことがわからない。
能力がないと、大切な人たちを守れない。
思い出がないと――この先みんなと笑い合えない!
「ウゥー・・・・・・・・・ヤアッ!!」
「は?・・・ちょ、えっ?・・・うわ!?」
突如として氷の破片が女のほう目掛けて飛んでくる。
ほんの一瞬前まではジュンジュンの体を覆っていた氷だ。
その破片がひび割れて、今や四方八方に飛び散っている。
399 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 13:48:46.93 0
飛び散っているのはそのかけらだけではない。
張り巡らされた氷壁や人々を閉じ込めていた氷も同じようにひび割れ、細かい破片となって飛んでいる。
一種の賭けだった。
獣化に使っていたエネルギーのすべてを念動力に上乗せして、一気に放つ。
同時行使とも違う、フルパワーによる能力の開放。
できるかどうかは未知数だった。
失敗すれば自我を失っていたかもしれないし、体が粉々に吹き飛んでいたかもしれない。
でも、粉々に吹き飛んだのは氷のほうだった。
見れば、この空間にあった氷のほとんどが砕け散っているのがわかる。
原型を留めているものを探すほうが難しい。
これだけの衝撃でよく建物が壊れなかったな、と感心するくらいだ。
閉じ込められていた人たちはどうだろう。
暗がりで見た感じだとひどい外傷はないが、身動ぎする気配もない。
すでに息はないのか、それとも心の“凍結”がまだ融けていないのか。
確認する気には、なれなかった。
そして。
400 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 13:49:55.14 0
「・・・おまえ、ゼロから氷作ルの大変て言ってた。壁作ル暇もなかたか」
黒衣の女はその場に倒れていた。
息はあるが意識はない。
いくつかの氷塊の直撃にあったのだろう。
しかも、至近距離であの力をくらったのだ。
生きているだけで充分奇跡的だった。
今のうちにとどめを刺すか。
体は立っているだけで精一杯なほどガタガタだが、
鋭利な破片を探してこの女の喉に突き刺すくらいはできる。
でも。
「かわいソなヒト・・・」
できなかった。
勝者としての余裕からなのか、それとも本当に彼女に同情してしまったからなのかはわからない。
ただ、彼女を哀れに思うこの気持ちだけは確かだった。
永遠に固執するあまり人の心を見失ってしまった彼女を、とても寂しいと思った。
401 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 13:55:50.78 O
一旦切るよ
あとでまた来るよ
402 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 14:36:01.39 O
おおおおおおおおお続きが気になる…
403 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 15:04:04.17 O
>>390 「鳴いちゃう鴨とかどうやろ?」
「コラー冬メニューになってんでしょうがー」
404 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 15:56:00.70 O
春大全集・夏避暑地・シンデレラ・秋リゾ紺のリゾナントブルーlive verを見てたんだけど
共鳴の形とか一人一人のストーリーとか意志とかどの紺でも表されているものが違ってて
でもその全ての形に強い共鳴を感じ過ぎて好き過ぎて・・・泣いちゃう‘かも’どころじゃないってゆー重症ホゼナント
405 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 16:30:45.66 0
考えながら、闘いの前に放り投げた荷物を見つけて手をかける。
どうなっているかと心配したが、幸いなことに被害は最小限で済んだようだった。
服の何枚かは破片が刺さったりして穴が開いているが、無傷のものもある。
そして何より大事な黄色い非常食も、バッグの中心に配置したおかげで無事だった。
永遠なんて、きっとこの世にはないだろう。
形あるものは、どんなに強固なものでもいずれ消えていく。
形ないものは、脆くて弱いからもっと早くに消えていく。
人と人との結びつきだって、例外じゃない。
だから、このまま9人で過ごす時間が永遠に続けばいいと思う反面
―――いつまでも9人一緒ではいられない
いつかは9人が離れ離れになるときが来ることも覚悟していた。
自分も琳も、いずれは祖国に帰らなくてはいけなくなるだろう。
仲間の誰かが夢や目標を見つけて旅立つ日だって遠くないかもしれない。
幸せな時間は、永遠には続かないのだ。
そこまで考えて、ふと我に返る。
そして、両頬を両手でバチンと叩いた。
このまま感傷に浸っていたら、やがて訪れる未来が今日訪れることになりかねない。
早く態勢を整えなければ。
406 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 16:31:38.74 0
服を着て、体力回復のためにと非常食に手を伸ばす。
そういえば仲間たちはどうなっただろう。順調に先へ進んでいるだろうか。
仲間たちの顔を思い浮かべたその時。
バッグの中の違和感に気がついた。
黄色いゾーンに、何か白っぽいものが混じっている。
手に取ってみると、それは封筒であることがわかった。
こんなものいれた覚えないのに。
訝りながらも、とりあえず封を開いて中身を見る。
「・・・え」
中身は、一枚の写真だった。
9人全員が写っている。
確か、以前みんなで遊びに行ったときに撮ったものだ。
この写真を見た道重さゆみと久住小春が、「写りが悪いから撮り直したい」と騒いでいたのを覚えている。
なんでこんなものが。
首を傾げながら写真を裏返すと、見慣れた筆跡がそこにあった。
“あとでみんなの写りがいい写真をとり直そう!!”
“ジュンジュンへ バナナの食べすぎに注意!”
それは、リーダーからのメッセージ。
407 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 16:32:47.41 0
いつの間に紛れ込ませたのか、とか。
他の仲間はどんなコメントなんだろう、とか。
戦いを終えたあとの約束ってなんだか縁起が悪くないか、とか。
言いたいことがたくさんあった。
だけど言葉にならず、また伝える相手もそばにおらず、
溢れ出した感情は自身の頬を濡らすことしかできなかった。
永遠なんて、きっとこの世にはないだろう。
そう思っていた。
だけど今ならわかる。信じられる。
細くて弱い糸を、切れないように強く強く結びつけるみたいに
人と人との結びつきが、絆と呼べるくらいに強くなったら
どんなに遠く離れていても、違う方向を向いていても
その結びつきは、永遠に消えたりしないのだと。
この先で、共に永遠を生きる人たちが待っている。
ジュンジュンは氷の残骸の中を歩き始めた。
銀色に輝く氷の破片が、やたらと綺麗に見えた。
408 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 16:34:58.62 0
>>391-400,
>>405-407『Silver Eternity』
やっぱ10レス規制っぽいですね
代理投稿を頼もうかとも思いましたが
ちょうどいいところだったので自分でやりました
そして考えていた話のメインがちょうどJJと魔女様だったことからの
「二人の誕生日の真ん中らへんにあげる」という自己満足を達成できました
ありがとうございます
そしておめでとうございます
409 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 16:57:27.38 O
>>408 乙です!
ジュンジュンとミティ様とはなかなか無い組み合わせで新鮮でした
410 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 17:52:57.53 0
>>408 「真ん中らへん」笑いましたw
素敵なお話でした
ミティの望む「永遠」の虚しさと物悲しさ
「永遠なんて、きっとこの世にはないだろう」というジュンジュンの思い
それが最後にああいう形で収束して・・・そして『Silver Eternity』
痺れました めっちゃカッケーです
・・・自分のも誕生日とかにこだわらずさっさと上げとけばよかった
上げる自信が減退していく一方ですw
411 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 19:23:57.25 O
ガタガタ言わずあげちまいな!
って誰かが言ってた
412 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 20:27:37.34 0
ジュンジュンの作品が増えてきて嬉しいな
413 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 21:14:34.57 O
川´・_o・)つ <ガタガタ言わず、しゅビしぃいト♪あげちまいナ〜!
414 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 22:22:16.51 0
ノリo`ゥ´リ <説明しよう! しゅびしいっ! とは!
ノリo`ゥ´リ <まず鋭い指差しの初速が重要だ! その後にびしいっ! っと決め付ける!
ノリo`ゥ´リ⊇〃<しゅっ!! …そしてその後
ノリo`ゥ´リつ=Σ<びしいっ!! と決める!!
ノリo`ゥ´リ <さあ! りぴいと あふたあ みい!
415 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 22:22:25.01 0
しゅびしっとすべりこみ
416 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 22:32:17.97 0
川VvV)<そんな恥ずかしいことするわけないし
(VvV)川VvV)キョロキョロ
川VvV)<しゅびしいっ!
川VvV)<!!!
川VvV)9m<・・・・・・・・・みたな?
417 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 22:33:56.59 O
>>414 試したら、横の本棚に手が当たって凄く痛かった件。
418 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 22:45:25.08 0
419 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 22:51:57.44 0
420 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 22:54:10.39 0
何でaikoのCDってあんなに店頭にズラーって並べられてんだろな
娘とそんなめちゃくちゃ枚数離れてるわけじゃないのに
娘のCDは数枚が並べられてるだけ
421 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 22:59:34.00 0
422 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 23:04:59.27 0
>>419 ノリo`ゥ´リ <素晴らしい!! …つーかオマイラ盛り上がりすぎだ!!
ノリo`ゥ´リ <ぴょん吉さんのブログで共鳴者作者さんとの座談会の質問を募集してるぞ!
ノリo`ゥ´リ <詳しくはしたらばのWikiスレを参考にたどり着きやがれ!
ノリo`ゥ´リ <ベ、べつにぴょん吉のために言ってるんじゃないんだかんね!
423 :
名無し募集中。。。:2009/02/19(木) 23:55:53.55 O
もうすぐミティ様がドラマ出演
424 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 01:08:09.87 0
wikiにもっとしょうもないような細かい項目作りたいなー
かといって用語が思いつかないんだけどなw
425 :
名無しじゃないやい:2009/02/20(金) 02:27:11.21 0
>>422 どこのどなた様か分かりませんが…わざわざありがとうございます
ってぴょん吉のためじゃないならお礼言わなくてもいいのかw
近日中に何か投下したいなと思ってます
投下出来る段階になったら予告しますー
426 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 04:19:00.18 O
なんだか今夜は眠れない
427 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 07:08:47.52 O
喫茶リゾナントのメニューは網羅したいなwiki
428 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 07:42:25.95 O
このスレの魅力は超能力だけではなく 料理のメニューの面白さもあるねぇ
429 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 08:30:34.74 0
STAY WITH ME
永遠に STAY WITH ME
あなたの胸で夢を抱く
430 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 08:48:58.10 O
今度の終末こそきっと...
神様どうかかき揚げる気力をください
431 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 09:03:03.80 0
川*’ー’)<かき揚げはメニューにないやよ
||c| ・e・)|<愛ちゃん・・・空気を・・・ね?
432 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/20(金) 10:37:09.81 O
保全がてらみんなに質問
まとめサイトにアクセスしたときのレスポンスってどんな感じ?
快適?ややもっさり?
というのは、登録にはやたら時間がかかるのです
登録ボタン押してから完了まで2〜30秒とかかかる
たぶんテキスト容量が増えてプログラム側の処理がもたついてるんだと思うけどね
移行するとかはよさげなプログラムも見つかってないし考えてないけど
現状だけ把握しておきたいので教えてくださいな
433 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 11:46:17.65 0
時間にもよるかもしんないけど夜間はややもっさりかも
表示されるまで少し時間が掛かる
あれだけの分量のテキストをcgiで処理してるから仕方ないのかも
434 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 11:56:25.41 0
自分はほぼ快適です
ものすごくサクサク表示される訳じゃないけど
「レスポンス遅いな〜」とストレス感じたこともない
435 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 11:58:11.51 0
自分も同じくです
ほぼ快適と言っていい感じです
436 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 12:11:00.02 0
いよいよ今日はリゾナンダーとの握手会当落発表
頼む神様!!!
437 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 12:13:30.54 0
待て!それは泣いちゃうかも隊だ!
438 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 13:00:53.49 0
メール届き始めてるみたいだね
439 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 14:50:46.89 O
決起集会のメール来た
嬉しくて泣いちゃうかも
440 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 15:19:59.88 0
俺も来たよwすごい楽しみ
441 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 16:50:54.27 O
横浜当たってほしいぜ
442 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 16:51:22.50 O
来ました!
しかし行けるのかな…
443 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 17:04:41.64 0
いいなぁ私は夏までリソナンター達に会えないよ(´;ω;`)
みんなレポよろしくねm(__)m
444 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 17:09:58.91 0
自分が理解できるのは自分だけ。
強くないと解っているのも自分だけ。
強がって、自分と言う弱い人間を隠し続けて生きてきた。
夜、部屋に居るのは一人だけ。
誰かに慰めてほしいのに、存在する人間は一人しか居ない。
見もしないのにテレビをつけたまま寝る。
寂しさを紛らわせたくて、ただその音のみを聞いて眠るのだ。
放送を終了して画面がノイズのみを映し出す。
ザーザーザー、耳障りな音はそれでも心を少しでも満たしてくれる。
砂嵐が起こっているかのよう。
何もかもを巻き込んで、全てを"無"にしてくれるかもしれない。
全てを。全てを。
この、新垣里沙の全てを消してほしい。
思い出も、存在も。
プツン。
テレビを消せば、其処は静寂の闇の中。
「孤独が似合うタイプだよね」
何て言われ、冗談でも確かにそうだと笑って頷く。
誰にも頼らない、そのしっかりした姿が、そう思わせてしまったのだろうか。
誰も、理解してくれないのか。
自分だけが居る世界。自分だけが存在し、生きる世界。
静かで、悲しくて、苦しい世界。
携帯を取り出す。
画面を開き、メンバーとは違う欄に記された電話番号を見つめる。
445 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 17:10:38.56 0
「辛くなったら電話するんだよ?」
そう言ってくれた人物の顔は、少し切ないながらも笑顔だった。
だが、あの人もまた、組織の上層部にとって欠ける事は許されない立場の人。
邪魔になるかもしれない。
自分自身の私事で迷惑を掛ける事は絶対にしてはいけないのだ。
我慢。我慢。我慢。
そんな日々が、後どれくらい続くのだろう?
全てを隠して、隠して、隠して。
震える手は震える瞼を隠し、小さく涙を流した。
そんな時に、あの出来事が起こる。
喫茶『リゾナント』には「今日は行けない」と連絡をした後。
タクシーの窓から見えた光景に目を疑った。
「停めてくださいっ」
気付けば、タクシーから飛び降りていた。
雨がぱらついたかと思うと、それはバケツを引っくり返した様に酷くなる。
視界が曖昧で、電灯や住宅の光さえもぼやけて上手く見えない。
そんな所に、道重さゆみが居た。
全身をずぶ濡れにし、ただただ何も無い道のど真ん中に佇んだ状態で。
傍に駆け寄る人影を見た途端、その表情は驚愕で色褪せる。
446 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 17:11:35.04 0
「さゆみんっ、何やってるのっ!?」
「新垣さん…?」
「とにかくほら、乗ってっ」
「でも…」
「良いからっ」
無理やり腕を引っ掴み、タクシーへとさゆみを乗せた。
喫茶『リゾナント』に連れて行くと色々と厄介になりそうだった為
とりあえず里沙の家にへと行こうと提案したがさゆみが少し考え、言った。
「良かったら、さゆみの家に来ませんか?」
さゆみが住んでいるマンションは『リゾナント』からもそう近くない場所にあった。
亀井絵里が通院している病院からも徒歩で10分程度の場所と言う事もあって
いつも何処かで待ち合わせをしてからお店にやってくるのだろうとぼんやりと考える。
鍵でドアを開け、玄関の明りをつけると視界が一気に晴れた。
「ただいま」と誰に言うでも無く呟いて、「どうぞ」と里沙を出迎える
廊下を渡ると、其処はリビングへと繋がっていた。
ソファとテレビ、そしてキッチンと簡素なモノだが、その中には彼女が選んだのだろう
と思われる家具と小物がそこかしこに乱立している。
まるでオモチャ箱を連想させ、だがどこか寂しさを感じた。
「はい、新垣さん」
「あ、ありがと…」
寄越されたタオルで濡れた所を拭い、里沙はソファに座って辺りを見渡す。
さゆみはいつの間に着替えたのか、新しい服に身を包んでキッチンの方で何かを準備をしていた。
手伝おうとしたが、その場で待っているように言われてやむ終えず座り直す。
447 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 17:14:28.95 0
現れたのはインスタントのココアが入れられたマグカップ。
色違いなだけで柄は同じなのを見ると、どうやらペア仕様らしい。
「それ、新しく買い換えたんですよ。意味は無いんですけど、何だか欲しくなっちゃって」
そういえば先月の週末に亀井絵里と買い物をするのだと話していた事がある。
いかにも彼女らしいセンスが伺えたが、飲み心地は悪くない。
タオルを頭に被せながらさゆみは笑って里沙を見ていた。
不意に、誰かのお腹が鳴った。
グゥーッといういかにもな空腹の合図に二人して苦笑いを浮かべる。
「何か作ります?一応材料はあるんですけど」
「じゃあ、さゆみんが好きなので良いよ、何が良い?」
「えーと、シチュー…とか?ほら、愛ちゃんが試食品で作ってた」
「あーあれ?でもさゆみん、作れる?」
「…そこは新垣さんの腕を信用しての提案という事で」
「はいはい、じゃあさゆみんは調味料とか、味見してくれるだけで良いから」
さゆみが言うのは冬の時期だからと新メニューで提案されていたモノだ。
現在も考案中との事だが、何度も作った事でレシピも覚えている。
冷蔵庫の中に入っていた具材を取り出し、里沙とさゆみは調理を始めた。
「…何も聞かないんですね」
「聞くのなんて、これを食べてからでも十分だしね」
無理に問い詰めても、それは相手にとっては重い言葉でしかない。
何があったのかを聞いても、その答えを里沙は持ち合わせていないのだから。
自分が理解できるのは自分だけ。
強くないと解っているのも自分だけ。
448 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 17:15:14.16 0
だからこそ、里沙は何も言わないし聞く事はしない。
鍋の中にある野菜達のように少しずつ、その冷たくなった気持ちを溶かしてあげるだけ。
そうすれば、少しでも温かさが生まれるかもしれない。
「最近、ちょっといろいろありすぎて消化できないって言うか。
何をやっても上手くいかないっていうか…」
「時々、絵里が凄く羨ましく思えるんですよね」と、さゆみは苦笑を浮かべて言った。
テーブルに置かれたパンを齧り、シチューをスプーンで掬い上げ、野菜サラダに箸を入れる。
久しぶりに自分ではない誰かと食べる夕食。
いつもは味がしない料理は、まるで嘘のように美味しさを口に広げていた。
「いろんな所に行ったり来たりする毎日を過ごしてると、見る夢もリアルに見えてきて。
頼られているのは凄く嬉しいのに、時々それが、凄く重いんです。
たくさん人が居る中で、まるで自分だけが解ってもらえないような…そんなカンジが凄く辛い」
誰かと分かり合えないのに臆病になる自分。
誰かに分かってほしいのに弱気になる自分。
なんて弱虫な自分。誰にも伝えられない思いを抱いたまま、ただただ涙を流すことしか出来ない。
「…全部を受けるっていうのは難しいかもしれない。
私はさゆみんじゃないから、それがどれくらいのモノなのか分からない。
それでも、話してくれてありがとね。ほんの少しでも、気持ちが聴けて良かったよ」
「新垣さんも、何かあったんですね」
「うん。でも、ね、自分だけじゃないって思ったら少しだけ楽になったから」
弱虫な自分。
弱い自分を隠し続けながら、それでも同じ人間であればどこかで同じ気持ちに会う事もある。
存在、想い、価値、理由、記憶、世界。
全てとはいかないけれど、出会う事が出来たらその中の1つでも伝わるかもしれない。
『共鳴』という繋がりは、だからこそ存在するのではないか。
449 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 17:15:59.09 0
「…それって、喜んで良いんですか?」
「何でよー、少しでも解り合えた気がしない?」
「私は絵里や新垣さんみたいに単純じゃないんです」
「うわー、カメと同じ立場とか複雑だわ…」
居場所というのは、誰にでもあるものらしい。
何処にでも、例えば道端に落ちている石ころにも。
どちらが先なのか分からないくらいに、二人は笑った。
弱虫な二人。消えない傷を抱えて、それでも今は、今だけは幸福を感じよう。
不器用な自分達にとって、それが一番重要な事だから。
今夜はあの耳障りな音は無い。
静寂の闇の中で、それでも一人じゃないと感じる人の温かさ。
ソッと、携帯を取り出して電話帳を開き、指は其処で止まった。
既に深夜を回っている時間に、あの人を起こすのはあまりにも酷な事だ。
「―――おやすみなさい」
あの人に届くように願いながら、里沙は眠りに落ちた。
翌日。
喫茶『リゾナント』に立ち寄るといつもの様に二人の姿が伺える。
里沙の姿を見つけた此処のマスター、高橋愛は「いらっしゃい」といつもの調子で出迎えてくれた。
ポケットから取り出した紙を差し出すと、愛はキョトンとそれを見つめる。
450 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 17:16:44.35 0
「ねぇ、愛ちゃん。これで新メニュー作ってくれない?」
「へぇ?珍しいやんか。ガキさんがそんなこと言うん」
「まぁ、たまにはお客様のリクエストにお答えするのも良いじゃん」
「言うねー。えっと…あれ?これって…」
数日後、喫茶『リゾナント』には新たな看板メニューが追加された。
"弱虫シチュー"と呼ばれるそれは、特殊な圧力鍋によって調理時間を短縮させ
なおかつ和洋中のどんな料理にも合うようにした当店オリジナル料理。
その完成に至ったのは、二人の常連客によるリクエストから生まれ、後に
"泣いちゃうかもオムライス"と並ぶ強力メニューになるのは、まだ誰も知らない近未来のお話。
451 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 17:21:37.75 0
>>444-450 以上です。
自分の作品ながらやってしまった感があり過ぎるモノに
なってしまい、少し落ち込んでますorz
テーマはc/wの「弱虫」
新メニューという事でないやいさんが考案したモノにリゾナント。
後は泣いちゃうかもイベントに参加出来ない事実によって撃沈(汗)
お目汚し失礼しました。
452 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 17:47:08.50 0
>>451 すごい孤独感ですね。
雨のせいかな、テーマは弱虫だけど、泣いちゃうかものイメージも結構強いじゃないかなって思いました。
>>誰にも伝えられない思いを抱いたまま、ただただ涙を流すことしか出来ない。
ここ大好き。
寝る前こんな良い作品を読めるなんて、本当に幸せです。 ありがとう。
今更気付いたが、ガキさゆって意外と少ないね。
453 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 17:49:52.79 O
支離滅裂
454 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 18:06:41.99 O
>>451 面白かったです、最初のテレビのシーンいいですね!
「弱虫シチュー」おー新しいメニューキタ!
455 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 19:04:44.40 0
456 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 19:52:24.19 O
弱虫にチューしたい!
や、やさしく…やさしくだよ!
457 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 20:35:32.91 0
>>451 弱虫シチューいいなぁ…
晩御飯食べたばかりだけど、シチューが食べたくてしょうがないw
弱虫聞きながらまた読み返してみます乙でした!!
458 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 21:11:56.04 O
うーん…
459 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 21:26:55.34 0
雨----
雨が降っている−−−−
460 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 21:27:27.25 0
なつみは呟いた。
その呟きを聞く者は誰もいなかった。
けれど、なつみは湧き上がる笑みをこぼさずにはいられなかった。
「どうした、なっち?」
裕子が問う。
目には不安が宿っている。
ここにいる全員の目に不安が宿っている。
なつみはそれを知りながら、意にも介さずに答えた。
まるで盲目の少女が見えぬ恋人に語るように。
「ねぇ裕ちゃん、雨だよ」
その声はとても穏やかで、まさか今から死にに行くなんて誰もが感じなかった。
みんなの心に少しだけ優しい光がさした。
絶えず、雨は窓を強く叩きつけているのにも関わらず、状況も決して変わってもいないのに。
なつみは目を閉じ、息を大きく吸い込み吐き出す。
たっぷりの時間をかけて。
目が見開かれたときなつみの目に迷いはなく、曇りもなかった。
それを見たみんなの目にも迷いは浮かばなかった。
461 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 21:27:50.52 0
最悪の想定をしながらも、恐怖はない。
思えば以前は恐怖が体をまとわりついて離れなかった。
そう、なつみが現場に出なくなってからは。
そんなに強い敵がいたわけでもなく、なにもかもが順風満帆に行っていたのに、
いつ失脚するかどうかもわからず、見通しさえ明るくはない。
言いようのない「恐怖」。
それは幼少の頃からの習性かもしれなかった。
「わくわくしてきた」
グループ内のムードメーカー真里が言うと、あちこちで賛同の頷きがあがる。
そう、わくわくする。
全身の血液が沸騰しかけているようだ。
なのに、なぜか心臓だけは驚くくらい平常で。
騒がしくてもおかしくはない、この時。
あたりはただ「静か」だった。
462 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 21:29:33.90 O
「行くで」
裕子の掛け声と共にその場にいるみんなが一瞬にして消えた。
463 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 21:29:49.71 0
テレポートしたのは無人島。
誰もいない、なにもない。
「来るよ」
圭織が口にした直後、姿を現したのはリゾナンターだった。
横一列に並び、5mほど離れたところで互いに睨みあっている。
口には出さないが、みんなが思っていた。
次はない。
「未来は決まっているのよ。死に急ぐなんてあんまりだわ」
圭織が口火を切る。
「違います。未来はうちらの手の中にあるんです。うちらがいくらでも変えられるんです」
愛佳が確固たる思いを込め、返した。
雨が止んだ。
変わらず雲は厚く、風も吹いているが雨は止んだ。
まるで、神がこの戦いのために雨を止めさせたみたいに。
風が落ち葉を舞い上がらせた。
それが落ちる瞬間、両者は4つの塊になって方々へと飛び散る。
464 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 21:30:17.13 0
今、最後の戦いが始まる−−−−−−
465 :
118-87-219-20.htoj.j-cnet.jp:2009/02/20(金) 21:32:30.92 0
>>451 個人的には凄く好みのお話です
しっとりした話・・・乙でした
466 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 21:34:12.54 0
>>459−464
「終わる為の始まり」
流れとか全然考えず(汗)申し訳ないです。
勝手に「青い争い」シリーズ最終章プロローグです。
パラレルだと思ってください。
頭とか中途とか最後とか飛ばしまくりますが、
お付き合いくださいませ。
467 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 21:35:51.97 0
>>465
ありがとうございます。
けれどハダカですよーーー(叫)
自分が最後の最後にいたしてしまったのかと思いました(テヘッ
468 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 21:57:18.82 0
>>467 たぶんレスの相手間違えてる
そしてアンカの張り方も間違えてる
469 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 22:12:32.73 0
>>466 すごっくカッコイイ!!!!
続きが超楽しみ!
470 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 22:36:42.38 0
>>463 対峙するリゾナンターとダークネスの面々
映像が目に浮かびます
メッチャ絵になるね!
471 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 23:35:30.45 O
新作きてた
472 :
名無し募集中。。。:2009/02/20(金) 23:59:20.51 0
>>466 続きが楽しみです!
四散した能力者たち!カッケェぇ!
473 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 00:19:18.90 O
>>472 うわっ、恥ずかし(゜∀゜;ノ)ノ
レスアンはわざとですがどんだけ自意識過剰orz
レスくれた皆さん、ありがとうございますm(_ _)m
また明日〜
474 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 00:26:16.11 0
>>473 ちょ何もかも間違ってるけどもちつけ
>>472にレスしてどーする
あとレスアンカ間違ってるって意味わかってる? ハイフン全角だと認識されないよ
475 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 00:54:55.32 0
Janeなら全角でも認識されるので問題ない
さて共鳴戦士たちが出演する音楽戦士が始まるよ〜
476 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 01:00:47.55 0
放送がやっていません_| ̄|○
477 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 01:05:55.76 0
478 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 01:52:41.64 0
娘。達面白かった
パフォーマンスもよかった
479 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 02:19:19.54 O
川*^A^)<金髪ブタヤローは黒コゲチリチリにスルヨー
480 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 03:40:04.76 0
中澤欲子・・・アップフロント会長さま・・・
みんなきちんと笑いを取ってくるな・・・さすがだ
481 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 06:18:53.12 O
リンリンには笑わして頂きました!さすがアルネ!
482 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 07:11:05.95 O
>>473 うわwwwwなんか自分死んじゃえですねorz
申し訳ないです。
483 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 07:44:34.92 O
今から会場に向けて出発します
参加する方々一緒に楽しみましょう
参加できない方々…皆さんの思いを代表して伝えてきます!
484 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 08:14:27.18 0
大阪先発隊よろしく頼んだ
横浜抽選待機隊は見守ることにする
485 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 09:50:32.13 O
かなしみ戦隊三重支部隊長 かなり久しぶりにイベントに出動がかかったので
大阪支部の支援に出発
486 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 11:07:55.43 0
自分も大阪行ってきます!
緊張してますであります!
487 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 12:26:23.72 0
午後2時までに何か作品投下したいと思いつつ
大阪の皆さん楽しんできてくださいなー
488 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 12:29:06.72 O
おーかなしみさんだ!
第1話のスレ立てた者も今着きました
489 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 12:48:26.80 O
>>451 こと異能力の人です。
ご感想ありがとうございました(平伏)
どうやらミティに操られたようで、現在京都に移動中(涙)
リゾナンターに会ったらよろしくお伝えください。
490 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 13:02:28.44 0
>>487ことないやいとかいう人です
午後1時半より1本投下したいと思います注意事項は下記の通り
・こんなの絵里じゃないやい
・蒼の共鳴番外編
・絵里が風の能力を得た理由が明らかに
また舞台は架空のものであることを先に明言しておきます
それでは後ほど
491 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 13:09:36.35 0
492 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 13:13:45.65 0
>>490 >絵里が風の能力を得た理由が明らかに
わーい!凄い面白そう!!楽しみっ!
>>485 >>486 >>488 みんなイベに行けるんだ!ウラヤマ〜!!
現場で落ち合うのかな?リゾスレ話で盛り上がってね!
ワシの分まで楽しんできてくれよォー!!!
493 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 13:28:16.10 O
494 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 13:30:02.71 0
「ここ、何処?」
亀井絵里は降り立ったホームで思わずそう呟いた。
台風が来たら半壊しかねないような、古びた駅舎…否、駅舎と呼べるような立派な建物ではない。
申し訳程度の日除け兼雨除け、色あせた木製のベンチは座ったらギシッと嫌な音を立てそうだ。
当然、自動販売機なんてものはなく、駅員も存在しない―――所謂、無人駅。
ホームでしばし呆然とした表情を浮かべた絵里は、とりあえず、といった感じでベンチに座る。
「あっつ!
何これ…」
座って数秒もしないうちに、亀井絵里はその場に立ち上がる羽目になる。
申し訳程度の日除けでは、日差しが高い時間はベンチに直接日の光が当たる、
すなわち、熱されたベンチに絵里は座ったのだ。
とんでもないところまでやってきてしまった、と今更のように後悔しても遅い。
強烈な日差しが降り注ぐホームで、亀井絵里は何故こんなことになったのか反芻する。
きっかけは、些細なことだった。
亀井絵里が住む賃貸マンションのエアコンが壊れてしまった、さぁ、これから寝ようという時間に。
防犯という観点から窓を開けて寝るわけにもいかず、亀井絵里は非常に寝苦しい夜を過ごした。
よく眠れないまま朝を向かえた亀井絵里は、早速管理会社に連絡した。
そこで、備え付けのエアコン自体がかなり古い物であったため、どうせなら新しいのに取り替えようという話になる。
難しい話はよく分からなかったが、新しいエアコンの代金や業者へ支払うお金は大家持ちで、
亀井絵里は一銭も払わなくていいらしい。
495 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 13:31:03.14 0
新しい物になるのは嬉しい、しかもタダだと喜んだのも束の間。
業者の手配、エアコンの取り外し及び設置作業に丸一日かかるという。
そんなに長い間、暑い部屋で見知らぬ業者と過ごすのは耐え難い、
亀井絵里の心情を酌んだのか、管理会社の人間が代わりに見てくれると言ってくれた。
おそらく、エアコンついでに部屋の状態を見ておこうということだろう。
その言葉に甘え、亀井絵里は家を出てきた。
最初は、“仲間達”の集う喫茶リゾナントに行こうかと、そう思っていたのだ。
だが、そうしなかったのは…向かう途中に見た広告が原因だった。
“避暑地で過ごす、快適な夏!”というキャッチフレーズに、亀井絵里の心は高鳴った。
空調の効いた部屋で過ごすのもよいが、たまにはこうした所で過ごすのも悪くはない。
患っていた病気もほぼ完治し、普通の人のように過ごせるようになった亀井絵里はその思いつきのままに駅に向かう。
そこまではまだ、よかったのだ。
亀井絵里はかなりルーズな性分だ。
ちゃんと調べてから行動に移す、という概念が皆無と言ってもいい。
待ち合わせ時間には平気で遅れてくるし、適当というのが座右の銘ではないかと仲間達には言われる始末。
そんな亀井絵里が最初から避暑地に向かえるわけがなかったのだ。
大して考えもせずに切符を買い、二度乗り換え、約三時間半。
その結果が、辺り一面田んぼが広がり、遙か遠くの方にポツンポツンと民家があるような田舎だった。
亀井絵里は溜息を付くと、一旦ホームから出て反対側のホームへと向かう。
反対側のホームは若干影こそあるものの、やはり暑かった。
額から伝う汗をハンドタオルで拭きながら、亀井絵里は時刻表を確認する。
496 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 13:32:04.20 0
「ちょ、次の電車来るまで二時間とかありえないんですけど…。
こんなとこいたら絵里干からびちゃうよー」
情けない声を上げながら、亀井絵里はしばし考え込む。
このまま、ここでじっとしているか、涼を求めて僅かながらに見える民家の方へと行ってみようか。
まだまだ日は高く、微風一つ吹かないこの状況。
迷う亀井絵里を後押ししたのは、折角ここまで来たのだから何か収穫がなければという“焦り”。
亀井絵里はよし、と一言気を吐くと炎天下の畦道を歩き出す。
所々に小石が転がる畦道は真っ直ぐ民家のある辺りまで伸びているようだ。
遠く見えるけど、歩いてみたら案外近いに違いない。
あの辺りまで行けば、自動販売機とか商店とかあるかもしれない。
都会じゃ見れないような、珍しいものもあるかも。
色んな想いを胸に歩き出した亀井絵里の足取りは、
五分、十分と時間が経過するうちにどんどん鈍くなってくる。
期待していた風が吹く気配はなく、空は雲一つない快晴。
ジワジワと亀井絵里の体力が奪われていく。
無理もなかった。
最初、喫茶リゾナントに行くつもりで帽子の一つすら被らずに出てきたのだ。
気休めにハンドタオルを頭の上に乗せてみたものの、
小さなハンドタオルでは保護できる範囲が狭く、まさに焼け石に水とはこのことである。
容赦なく照りつける日差しが恨めしい、と思う気力すら奪われるほど暑い。
出発する際に購入した500ミリリットルのペットボトルの中身は、残り僅かとなった。
もう随分歩いてきたというのに、まだまだ民家や緑の見える場所は遠く、
亀井絵里は再び決断を迫られる。
497 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 13:33:04.21 0
このまま民家の方まで歩き続けるか、大人しくホームまで引き返すか。
迷いながらも、分かっていることが一つあった。
どっちにしたって、もの凄く体力を消耗する。
「皆、今頃、リゾナントでアイスティーとか飲んでゆっくりしてるんだろうなぁ。
…あー、絵里に風を吹かす“能力”があったらなぁ…」
愚痴と共に亀井絵里は立ち止まり、どうしようか考え込む。
そうしている間も、日差しに体力を奪われ、
余りの暑さに目眩すら覚え始める。
睡眠不足、それに加えてうだるような暑さ、
すなわち…熱中症になりやすい条件がしっかり揃っている。
亀井絵里の世界が歪む。
ゆらゆら、ゆらゆら。
世界が揺れる、輪郭がぼやけていく。
朦朧とする頭、あ、ヤバいなという危機意識とは裏腹に、体はまるで他人の物のように思うようにならない。
(…こんな所で倒れたらマジヤバイよ…携帯は…あ、リゾナントだから置いてきたんだっけ…
あー…マジ、どうしよ…)
歩かなければ、このままでは崩れ落ちてしまう。
分かっているのに、体は自分の意思とは無関係にゆっくりと崩れ落ちていこうとしていた。
498 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 13:34:02.76 0
微風でいい、吹いてくれれば。
亀井絵里の“祈り”は何処にも届かず、その世界が闇に包まれていこうとしたその刹那。
ゴウッという音と共に、亀井絵里の体を突風が薙いだ。
突然の風に、堕ちかけていた亀井絵里の意識が覚醒する。
世界が色を取り戻し、ぼやけた視界がはっきりとしてくる。
涼しい。
気持ちいい。
突風の後、辺り一帯に吹き始めたのは柔らかな微風だった。
気温が高いため、けして涼しいとは言えない微風ですらも今の亀井絵里は心地よい。
その風は消耗していた亀井絵里の体力を、再び歩き出そうと思えるくらいまで回復させる。
サァ…サァ…と、亀井絵里の耳に届くのは風に吹かれた稲穂が奏でる音。
その音に耳を傾けながら、亀井絵里は天を仰ぐ。
眩しい太陽の日差しを遮るように、雲が少しずつ少しずつ風に流れて広がってきた。
* * *
あの後、亀井絵里は結局ホームまで引き返した。
風と、空を覆い始めた雲のおかげで随分楽になったとはいえ、いつまた風が止むかも分からない。
手持ちの飲み物の残量もないことから、今回は大人しく戻ることにしたのだった。
僅かな影に身を置き、電車が来るのを待つ亀井絵里。
何も考えずに適当に乗り継いでやってきたおかげで、帰り着く頃には夕食の時間になっていることだろう。
食欲はあまりないが、とりあえず今一番やりたいことは…思う存分涼しい部屋で水分を取って横たわりたい、それだけだ。
499 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 13:35:02.11 0
よく考えないで行動に移す癖を直さないとな、と思いながら亀井絵里は小さく微笑む。
散々だったけど、でも、悪くない。
普通、幾ら自分が悪いとはいえ、見知らぬ田舎で行き倒れそうになって
そのように思える人間は、ごく少数派だろう。
亀井絵里はかなりルーズで、適当が服を着て歩いているような奴だと周りから評される。
だが、普通の人間なら嘆くような場面でも前向きに物事を捉え、
事態を打開するために力強く前進していこう、そう思えるタイプだ。
病気で入院していた頃は、前向きとは程遠い暗い少女だった亀井絵里。
亀井絵里が今こうして明るく前向きな性格になれたのは、仲間達と出会い、
本来の自分を取り戻すことが出来たからだろう。
ぼーっとしている亀井絵里の視界に、ようやく電車が現れた。
ゆっくりとホームに進入してきた電車に乗り込んだ亀井絵里は、窓際の席へと陣取って車窓を開ける。
動き出した電車の車窓から入ってくる風が心地よい。
目を細めながら景色を見つめる亀井絵里の意識は、少しずつ少しずつ微睡んでいく。
亀井絵里はついに気付くことはなかった。
あの時、突如吹いた突風、そしてホームに向かうまでの間もずっと吹いていた微風、
それは己が新たに得た“超能力”によるものだということを。
強烈な日差しに崩れ落ちていく刹那、亀井絵里は無意識のうちに、
己の脳にある“超能力を司る領域”に新たなチャンネルを加えた。
今まで“傷の共有−インジュリー・シンクロナイズ−”以外の能力を有していなかった亀井絵里が、
危機的状況下で得た能力は―――“風使い−ウィンド・マニピュレート”。
自らの能力で危機的状況を切り抜けたことに気付くことなく、亀井絵里は眠りの淵に沈む。
500 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 13:36:01.46 0
亀井絵里が再び覚醒したのは、乗換駅兼この路線の始発駅。
駅員に起こされた亀井絵里は寝惚け眼をこすりながら、再び路線を乗り換える。
家に帰り着いた頃には、夕食を取るには少々遅い時間だった。
とりあえず、何か食べようと思いながら亀井絵里は、
あ、と大きな呟きと共にベッドの脇へと駆け寄る。
置いていった携帯電話に残る着信履歴、メールの山。
疲れた亀井絵里は休息を取るよりも先に、仲間達への連絡に忙殺される。
皆、もの凄く怒っていた。
でも、その感情は絵里に対する心配からくるものだと分かるから、亀井絵里は何度も謝る。
亀井絵里が最後の仲間と話し終える頃には、すっかり日付も変わっていた。
シャワーを浴び、亀井絵里はようやく長い一日を終える。
新しいエアコンの効き具合は上々で、布団に横たわった亀井絵里は小さく微笑んだ。
(今度また行く時は…ちゃんと準備してから行こうっと)
瞼を閉じても、今も尚鮮明に思い出せる。
抜けるような青空と、広がる水田の緑が眩しかったことを。
そよぐ風の心地よさと、あの場所に漂っていた、都会にはない温かな雰囲気を。
今度は皆で行きたいな。
それが、亀井絵里が眠りに落ちる寸前に思ったことだった。
―――己が得た新たな能力に亀井絵里が気付くのは、もう少し先の未来のことである。
501 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 13:37:26.17 0
>>494-500 更新は以上になります
季節…そんなの関係ねぇという感じで思いついたものを書かせてもらいました
特に捻りも何もない話ですが本人は気に入ってたり
502 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 13:55:30.64 0
>>501 素敵な小編乙です。
これはもう、映像にして観たいお話ですね。
広がる田園…空…そよぐ風…稲のざわめき
この牧歌的風景に、一人の美少女を配置すると・・・
途端にファンタジーな光景に変わるというマジック・・・素敵
503 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 14:12:02.43 O
>>501 絵里の準備不足から生まれた新たなチカラ 全ての行動には何らかの意味があると聞いたことがあります
まさにこの事ですね!絵里の帰りを心配するメンバーの思いも携帯電話のシーンで凄く伝わって来ました
自分は田舎に住んでいるので つい探検と意気込んで森に迷い込み
絵里の様に喉カラカラで干からびそう(三重で言うとカンピンタン)になった事を思いだしたよw 素敵な作品でした!
>>488 1スレ主さんもやってキターー!
504 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 15:06:54.02 0
>>501の話があまりに素敵だったので、勝手に妄想リゾナントさせてもらいました
*************
暑さで、頭がやられちまったかな。
俺はトラクターの上で、麦わら帽子のひさしを上げ、目を細めた。
烈日に焼かれた水田の向こう。
陽炎ゆれる田舎道。
白いワンピースを着た少女がひとり。
稲穂が、ワンピースが、風に揺れていた。
トラクターの上で思わず、自分の周りを見回す。「あそこだけ風が吹いてる?」
俺は“まぼろし”を見ているのだろうか?
それとも……いや、考えるのは止そう。どうせ頭が回らない。
少女が“まぼろし”で無いとしたら、きっとあの風はここまで来る。
俺はトラクターのエンジンを止め。 風を待った。
505 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 16:37:10.51 O
集会隊はどうだったのかな
506 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 16:41:47.10 O
507 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 17:52:07.97 0
リゾナンター達の魅力にやられたホゼナンター多数か
ここは関東勢が踏ん張らないとな…
508 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 18:06:27.65 O
そうか参加者はリゾナンターにヤラレテ連絡が途絶えているのか
509 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 18:24:47.15 O
いやいやリゾナンターとメッセンジャー、ホゼナンターの合同集会開催中・・・
と言うことだよw
510 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 19:15:51.08 O
大阪でリゾナンターに会ってきたがオーラが凄かった…
511 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 19:22:17.26 O
握手で「いつもホゼナントありがとう!」
ってガキさんが言ってくれた気がする
512 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 19:59:11.96 0
リゾナンターちゃいこぉ
513 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 20:43:04.45 O
一人目のガキさんに「また5期メンバーで写真撮ってくださいね!」って言ったら
「はい!ありがとうございますぅ」って微笑まれてすっかり脳をやられました
我ながらリゾスレ住人の風上にもおけないw
514 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 21:30:13.91 0
横浜に行けたら…メンバー頼むぜってリーダーに言うんだ…
515 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 21:41:22.75 O
516 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 22:15:13.42 0
生ナンターと握手か・・・ウラヤマ!
517 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 23:10:21.70 0
関西支部ホゼナンターBただいま帰宅
最高でした感無量
一生娘ヲタを続けようと誓いました
518 :
名無し募集中。。。:2009/02/21(土) 23:10:47.28 0
>>501 上手く言えませんがすごく味のある作品ですね
物語自体にさしたる起伏があるわけではないのに引き込まれます
亀井さんと田園風景・・・
>>502さんの感想に同感すぎます
519 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 00:13:14.48 0
どうもお久しぶりです、◇◆の人です
これから短編を投下していきたいと思いマス
久しぶりすぎて文法等が変でも気にしないでください。
だって指摘されたら恥ずかしいかも
520 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 00:14:58.79 0
自分の出身にある湖よりも小さく、けれど湖と言えるぐらいの大きさのモノを頭の中に浮かべる。
それは次第に心の中で形成をし、その湖は森で囲まれるようになった。
その湖の中心に立てるのは、自分がその場所の支配主であるから。
湖に浮かぶ波紋を消すかのように静め、まったく風も吹かないようにする。
心を穏やかにさせ、安定させる。 目を閉じ、視覚以外の感覚で周囲を感じる。
そして揺らめき立ち始めるのは、湖の奥底に眠る蒼き龍。
その瞳は自分を捕らえ、その口は自分に問いかける。
心よりも奥深い底で伝えられる言葉は、自分の眠れぬ能力を目覚めさせた――――
521 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 00:16:12.02 0
**
昨日は変な夢を見てしまい、充分に寝ることができなかった。
そのせいかその日の学校での授業は特に眠気に誘われてしまい、あまり身に入らなかった。
それでも喫茶リゾナントに通ってしまうのは、あの雰囲気が好きだから。彼女たちが好きだから。
「ココアくださーい」
店の扉を開けて真っ先に言う言葉は、いつも決まっている。
そしていつもの定位置に向かう途中、店の中から言われる挨拶。
「おはよう、みっつぃ」
「おはようございます、高橋さん」
「今日もいつものでいい?」
「はい、お願いします」
笑顔で問いかけられ、笑顔で応える。
待っている間、テーブルの上に置いた鞄から教科書を取り出し、今日出た宿題を始める。
そしてペンを握る前に、愛が持ってきたココアを受け取る。
「はい、今日も甘めやよ」
「ありがとうございます」
「いつも宿題大変やね、がんばってな」
「はいっ」
そう言われて、愛の後姿を少しだけ見た後、温かいココアを手に取り口へと運ぶ。
そうそう、この甘さがたまらない。
口の中に広がるココアの味を堪能してから、宿題に取りかかった。
522 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 00:17:25.81 0
**
蒼き龍は問いかける。
『 お前は、誰が為に戦うのか? 』
『 戦いは命を消耗させる 』
『 いずれお前は早死にするだろう 』
『 お前はまだ、選べる。 』
『 このままでは、この先の未来は闇しか存在しない。 』
告げられた言葉の数々が、心に響いてくる。
どれもすべて、正解のようなもの。けれど、正解ではない。
自分の答えはすでに出ている。
蒼き龍の言葉は現実を見せるけれど、どれもが魅力的ではない。
自分で出した確かな答えを、蒼き龍に告げよう。
523 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 00:19:58.71 0
**
「……っい……つい…みつぃ…」
「……ん…?」
「ミツイ、大丈夫カ?」
「え…?今、何時…?」
「もう8時ネ」
「…え!?もう8時なん!?」
起きたアルねー、とのん気に隣で言っているジュンジュンをほっといて、すばやく時計に目をやった。
時間は8時を少し過ぎた辺りで、相当な間を自分は睡眠に使っていたらしい。
宿題ができなくてガッカリを通り越して、自分で自分に呆れてしまった。
それもこれも、やけに夢を見てしまうせいで身体が休めていないのかどうか。
とにかく、呆れてしまった。
「ぐっすり寝てたねー?」
「あ、亀井さん…」
「絵里でもあんなに寝れないよぉ」
「…愛佳、どんだけ寝てはりました?」
「4時間くらいじゃない?」
「えっ、そんなにですか?」
「だっていつのまにか寝てたのに気付いて、時計見たら4時過ぎだったから」
本当に自分はぐっすりと寝ていたらしく、誰か起こしてくれよと思ってしまった。
けれど自分は後輩で、そんなこと言えることもなく。ふと、夕飯を食べていないことに気付いた。
ここの人たちは夕飯時でさえも起こしてくれないのかと思ってしまったが、そこは自重。
そんなことを思っていたら、愛が何やらプレートを持ってきた。
それを愛佳の目の前に置き、見るとそこにはサンドイッチがあった。
524 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 00:21:13.83 0
「これは…?」
「みっつぃの夕飯、かな」
「え、いいんですか?」
「いいもなにも、夕飯の時間になっても起きなかったから。
あーしたちはさっきみんなで食べたし、後はみっつぃだけ。
もっと夕飯らしいもん作りたかったけど、余りの材料が残ってなかったから」
「あ、ありがとうございます!」
「あと、飲み物も作るけど、何がええ?」
「あ、えと、ココアでお願いします!」
「了解っ」
何とも優しい店長なんだろう。
今の愛佳には料理を出されただけで誰もが天使に見えてしまう気がした。
いつのまにか隣からいなくなったジュンジュンは、これまたいつのまにかいなくなった絵里と
他のテーブルに座っているさゆみと一緒に話していた。
愛が持ってきてくれたココアを受け取り、彼女たちの話し声をBGMにサンドイッチを頬張り始めた。
少ししてから、カウンターに戻っていた愛が自分専用のマグカップを持って愛佳のもとへとやってきた。
そのことに不思議に思いながらも、愛佳はサンドイッチを頬張る。
「今日はぐっすり眠っとったね?」
「え?あ、はい…なんか気付いたら眠ってはりまして…」
「途中起こそうとしたけど起きんから、しかも気持ち良さそうに眠っとるし」
少しだけ罪悪感を感じながら、愛の言うことに耳を傾ける。
525 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 00:22:47.30 0
「なんか、今日すごい眠くて…学校でも寝そうになっちゃいまして…」
「普段は寝ないんか?」
「寝ませんよ。でも、今日ばかりはどうしてもって感じで…」
どうしても眠たかったことを言うと、意外なことを愛から言われた。
「…実はな、みっつぃが寝てから微弱やけど能力の感知があってな」
「え、ほんまですか?どこですか?」
「あ、いや……みっつぃから感じたのやけどな」
「……へ?」
意外なことを言われ、目を点にしてしまった。
「て言っても、感知したのはたぶんあーしだけで。
他の子たちがちょうど外へ出かけに行ってた間やから、みっつぃとあーししかおらんのやったけど…
なんか、心当たりある?」
「…心当たりと言われても…」
そう言われて思い出すのは、先ほど見ていた夢であった。
けれどそれは能力と言うのだろうか?ただ龍と喋っていただけなのに…
「あ、でも勘違いやったかもしれんし。あんま気にせんでな?」
「え、あ、いや…あの、たぶん心当たりあります」
「ほんとか?」
「…夢を見てて、それが蒼い龍と話していた夢なんです」
526 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 00:26:06.96 0
愛佳は愛に先ほど見ていた夢の内容を教えた。
その話をしている間、愛は一回も目を逸らさずに聞き込んでいた。
そして愛佳が話し終わった頃、愛は何かを考えるように俯いた。
しばらくして俯いていた顔を上げると、愛佳に視線を合わせ話し始めた。
「たぶん、それしかないやろ。
その蒼い龍がみっつぃに何を伝えたいのか、本当のことは分からんけど。
…けど、その蒼い龍はみっつぃの未だ目覚めぬ新しい能力かもなっ」
「新しい、能力…」
「たぶん、それはみっつぃしか分からんやろ。
いつ能力が開花するのか、もしかしたら一生開花せんかもしれん。
みっつぃの心次第で、新しい能力を手に入れられるんやろな」
愛は静かに微笑みを浮かべて話し終わった。
そしてマグカップを手に取り立ち上がろうとするが、愛佳の方にもう一度視線を向けた。
「…みっつぃ」
「なんですか?」
「そんなに、難しく考えんでええと思うよ。新しい力は、自然と使えるようになるからのぉ」
今度は優しい笑顔な気がした。
そして愛は立ち上がり、カウンターの方へと戻っていく。
527 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 00:27:23.88 0
考えることは、蒼き龍のこと。それは新しい能力に関係していること。
いつ目覚めるのか、いつ使えるようになるのか。
なぜか、その新しい能力は絶対に使えるようになると、無意識に思ってしまうのは気のせいなのか。
すでに頭の中は、夢の中に出てきた蒼い龍のことでいっぱいで。
そして彼女-光井愛佳-が新しい能力を使えるようになるのは、また別の話である――――
528 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 00:32:49.18 0
>>520-527 以上、『水守の蒼き龍』でした。
いきなり登場のいきなり投下でしたー
実は前々から少しずつ書き溜めてはいたのですが、
話の展開的にあまり発展していかないということで出すのを迷っていました
しかし!おもいきって投下してみました!
というのも物は試しだということなんで…
この水守というのもリゾナントして書いたものです
作者様、リゾナントさせていただきました!
ではでは、失礼致しましたー
529 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 02:23:08.19 O
あぶない
530 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 02:28:15.88 0
乙!でも今日はイベ遠征でお疲れちゃんなので起きてから見まつ〜
531 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 04:16:50.29 O
俺も明日読ませてもらいますおやすみなさい
532 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 06:48:12.71 O
後ほど読みマス!
533 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 09:09:13.93 0
確かに大きな展開は無いですが、自然な会話の流れから情景が浮かんで気持ちよく
読めました
文体も少し変られたように思いますが、今は◇◆の人さんは大作を終えて試行錯誤
されているのかも知れませんね
ないやいさんの丁寧な書き込みに影響されてるのかな? と感じる点もありました
あまりいままで生かされていなかった『水守』設定の展開にも期待します
534 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 10:51:29.09 0
>>528 起きて見ましたよ〜
すごい情景が分かりやすかった
読んでて次が気になっていく
535 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 11:34:50.06 0
>>528 水守作者です。ありがとう!
新機軸に挑戦しようとして盛大に滑ったアレが……w
あなたの手で広げられたことで、生き延びました。
私もまた練ってみようと思います。
ブルードラゴン。また蒼を司るモノが増えましたね。
536 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 11:58:00.98 0
蒼龍降臨
537 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 13:10:40.32 O
ほっしゅ
538 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 14:09:54.32 O
午後のリゾナント
539 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 15:30:32.71 O
今更、音楽戦士みたけど
小春のノリo´ゥ`リつ<しゅびしぃ!がセンターで取られてる
すごいリゾナント!!
540 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 15:31:10.50 0
どんより曇り空のリゾナント
541 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 16:53:11.61 0
>>528 面白かったです!!
続き待ってます!!!!!
542 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 17:10:40.96 0
昨日の握手会で実際のリゾナンターたちに会った人達に問う
よくテレビで見るよりも3倍は美しかったと聞くが・・・
どうだったの?そこらへんのところ
543 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 17:25:57.15 0
>>542 いやいやそんなわけないですよw
・・・・・・3倍どころじゃないです
心臓わしづかみにされて呼吸困難に陥りかけるレベルでした
だって全員本当にめっちゃめちゃかわいいんだもの
売店や受付のお姉さんたちもかわいかったのですがやっぱりケタが違いました
544 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 18:00:00.94 O
確かに昨日の受付や売り場のお姉さんきれいだったねw
545 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 18:00:51.87 0
浮気ものめw
546 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 18:03:32.62 0
>>542 3倍どころか実物であんなに可愛いな子なんて今後2度と見ることないだろなというレベルだったよ
2年前よりもみんな予想以上に綺麗になってた
547 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 18:50:40.19 O
>>542 マジで正直に言って、最初のガキさんの笑顔でノックアウトだった
引き込まれたよ・・・これは能力なのか?
548 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 18:52:48.14 O
ギラギラしてました
549 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 19:05:51.73 0
>>543 ああ!握手し終わった後、しゃがみこんでハァハァ言ってたのは
あなたでしたか!!なんだ、リゾスレの人だったのか
声をかければ良かったなぁ・・・・・・・・・・
なにか、不審がられずにそれとなくリゾスレ住人だと伝えるすべが無いものか・・・
550 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 19:12:21.43 0
551 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 19:18:31.85 0
このあいだ立ってた手芸スレみたいにお守りを自作
552 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 19:32:13.12 O
だれかmixiにリゾスレコミュ作ってくれよw
553 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 19:33:22.54 0
554 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 19:39:08.03 O
誰かメンバーへのプレゼントとしてこのスレの小説ピックアップして印刷したの持っていってよw
555 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 19:46:02.38 0
>>554 一度ジャニ系の小説や絵の世界の厳しさを見てきた方がいいぞ
ハローは緩いけどあちらは事務所までが目を光らせてるらしいからな
ここでやってることがわざわざ本人の目に留まるようにするとかマジで御法度だよ
556 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 19:48:55.44 0
うm
ちょくちょくそういう話あるけどそこまではしないほうがいいね
557 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 20:07:27.80 0
昨日トワイライトよりもリゾブル歌ってほしかったなぁ
558 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 20:09:56.60 O
>>550 合い言葉ワロタw「胸の高鳴る方へ」とかか
559 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 20:10:47.18 0
でも相手に「はぁ?」とか言われたら死んじゃいそうだw
560 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 20:30:26.01 0
川*^A^)ノ(’ー’*川<…
Σ川;^A^)(’Д’*川<ハァ!?
561 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/22(日) 20:31:53.67 0
562 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 20:40:38.29 O
誕生日にジュンジュンにプレゼントするなら
1.バッグ
2.アクセサリー
3.笹に包んだ花
…的な3択クイズさりげない感じで出すとか
563 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 20:42:23.76 0
564 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 20:44:18.61 0
565 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 21:35:17.13 0
オリジTシャツ作っちゃえよ
566 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 21:48:43.59 0
「喰らってくたばれ!必殺!ヘルミー」って書かれたTシャツとかね
そんな人に声かける勇気出ないけどw
567 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 21:57:48.53 0
そっか昨日の大阪イベにこのスレの住人もいたのか
同じ場所に同士がいたと思うとちょっと嬉しいな
568 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 22:13:27.66 0
作者さんもいたみたいだね
何人くらい住人いたのかな
569 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 22:36:29.59 0
今度のイベントには胸に大きく"共鳴"と書かれたTシャツを着て行きますので
どうか恐れずに声を掛けて下さい
570 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 22:39:46.09 0
そばに近づいて、咳払いにまぎれて
「ゴホンッ、…ナント…ゴホンッ、リゾナんんんゴホンッ」みたいな
571 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 22:40:43.84 0
ダークネス邪鬼のトップク
572 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 22:53:25.30 0
黄色と黄緑とオレンジとピンクと青と赤と紺と緑の入った
色鉛筆を持って行く
573 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 22:54:06.80 0
紫を忘れておりました
愛佳様すみません
574 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 22:56:36.67 0
575 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 22:57:15.75 0
576 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 22:57:32.59 0
>>570 じゃあ返しの言葉はこれでおk
川*^A^)ノ(’ー’*川<…
Σ川;^A^)(’Д’*川<ハァ!?
577 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 22:59:45.12 0
578 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 23:00:47.03 0
w
579 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 23:04:36.03 O
これこれ!
>>563 キャプサンクスです♪
そのTシャツのはじっこに、顔文字で<しゅびしぃ!!も入れて♪
ノリつ´ゥ`リつ<ダブルしゅびしぃ!!
580 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 23:06:55.72 0
知らない人にとったら何故に今さらリゾナント?って感じだろうねw
581 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 23:48:27.45 O
懐中電灯と銅線とうちわと絆創膏とリポビタとバッテリーとスケジュール帳と笹の葉とライター持っていこうか
警察の人に声かけられそうだ
582 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 23:52:48.20 0
583 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 23:53:48.94 0
あれウチでは見られるね
584 :
名無し募集中。。。:2009/02/22(日) 23:59:35.31 0
あ、ごめん見れますた
585 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 00:02:11.45 0
586 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 01:15:59.92 O
小春さん今日もお疲れ山ですw
587 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 02:03:20.96 0
))))
ノリo`ゥ´リ<イェイイェイ!!
>>586 おやくすみん!!
588 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 02:39:30.91 O
( `.∀´)y-~~<はい、おやクスミン
589 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 04:59:18.69 O
なんだかうなされて起きた
ヤススのせいかチクショウ
590 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 06:51:53.65 O
今週も頑張りましょう
リゾナンターはそんなあなたと共に…!
591 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 08:55:30.13 0
ねむい
592 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 10:45:26.76 O
なんだかまだ夢の中だー
ガキさんにマインドコントロールされたままなのかな
593 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 11:10:05.01 0
俺もw
594 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 12:20:11.50 I
リゾリゾ
595 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 14:14:05.65 O
Close-Up Ver.見たけど愛ちゃんのマジ泣きっぷりにびっくりした
後から後から涙が出てくるんだもの
596 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 15:05:44.02 O
ウィキみたら増えてる
毎回ウィキスゲーって思うです
597 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 15:32:16.49 O
そろそろなんか書きたいものだ
ここでこう言うと浮かぶことがある
598 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 16:11:56.24 0
あるあるw
励ましの声もあったりするしね
というわけで
>>597さん期待して待ってます!
599 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 17:46:07.01 O
ついにアレの番外編を投下できるメドが立ちましたぜよ
長かったわぁ〜
600 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 18:55:39.70 O
シュビシィッと期待
601 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 19:31:19.27 O
楽しみっす
602 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 20:30:19.19 0
603 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 21:42:38.59 O
ほい
604 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 21:42:52.48 O
あぶないぜ!
605 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 22:36:22.67 O
ホゼナント
606 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 22:43:28.41 0
明日は「泣いちゃうかも」のシングルVが届く
607 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 23:26:35.30 O
川=´┴`)<シングルVかぁ〜愛佳のお小塚いじゃ、きびしいやしなー
どうしようかなー
608 :
名無し募集中。。。:2009/02/23(月) 23:44:00.51 0
さぁみっつぃ今すぐ喫茶『リゾナント』でバイトするんだ
そうすればバイト代が現物で(ry
609 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 00:06:28.88 O
( `.川=´┴`)<ほんまでっか〜バイト代はずんでくれまりまスス?∀
610 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 00:09:56.14 0
611 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 00:15:28.98 O
(;`.川=´┴`)y-~~<や、やだな〜プハプハ
あたいミッチーですやんwどう見ても
612 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 00:25:04.71 0
空気読まず改めて告知
アレ=『BLUE PROMISES』の番外編ができましたぜよ
本編8([5th](12)600)から分岐した話で、ダークネスサイドの話です
本編をざーっと読んでもらえれば流れはつかみやすいかもしれませぬ
総レス数29レス、なので3日に分けて更新します
24・25・26日の夜10〜0時くらいに投下すると思われます
どうぞよろしゅうたのんますです
613 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 00:52:17.43 0
>>612 このスレも後半に向けてまた盛り上がりが来そうですね!!
>>611 「さかなクンの顔の下にある顔のような物は一体なんですか?」と言うスレを思い出したw
614 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 00:54:38.11 0
ジュンジュンがパンダwww
615 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 01:09:18.34 0
なんか今さっきTVに出てたジュンジュンがパンダに見えたんだけど俺のリゾスレ病も末期かなぁ
616 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 01:18:42.48 0
末期すぎだろwww
だって俺と同じ症状だもん
617 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 01:29:16.05 O
( `.∀川=´┴`)y-~~。о〇ジュンジュンに合体した方が良いヤススか?
618 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 01:36:19.70 0
619 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 04:13:35.13 O
テンプレの獣化画像差し替えなきゃだなw
620 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 05:29:53.34 O
ズンズンがおいらのズンズンがー。
621 :
05001011961415_ah:2009/02/24(火) 06:54:31.54 O
ぱ、パンダがしゃべったーw(汗だく
622 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 07:33:32.32 O
落ち着け服着れw
623 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 08:34:22.80 O
「特に意味なく」パンダとは・・・ あきらかにスタッフは見てるなw
624 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 10:15:57.41 O
謎の半獣化状態・・・
いいネタ頂きましたよスタッフさん!
625 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 11:18:48.83 0
だいぶ前にもジュンジュンがパンダのヌイグルミ着た画像貼られてなかったっけ?
あれは何?
よろセンは昨日初めてだよね
626 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 11:25:14.51 O
あれは今回のよろセンの収録レポート だいぶ前だったけどね
627 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 12:40:41.38 0
628 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 12:44:18.74 0
よろセンは多分全員まとめて撮ってるよね
放送がとびとびになってるだけで
やっぱり「ジュンジュンがパンダになった夢を見ました」って言うべきだったかなw
629 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 13:06:54.18 0
ジュンジュンのパンダ画像ってB.L.T.のでしょ?
あれは娘のメンバー相手にやってお蔵入りになったやつ
630 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 13:32:37.95 0
>>629 やっぱそうなんだろうね
逆にB.L.T.で先行写真が出てしまったためにパンダジュンジュン先生の授業を撮り直さざるをえなくなったと
631 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 13:37:03.81 0
>>629 あ、そういうことか
娘相手にも授業してたんだ
632 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 13:42:29.36 0
娘。相手にやった本来の授業テーマが気になる
パンダになる必要性のあるテーマって何だ?
633 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 14:10:37.23 O
なんだ生徒は娘。じゃないのか…
634 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 16:27:47.46 0
>>632 多分だけど「刃千吏」についてだったんじゃないかな
で 圧力がかかったんだと思うよ
635 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 17:50:37.62 O
そんな授業…国際問題にまで発展するではないかっ!!!!!
636 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 18:09:21.12 O
おまいらの推理がリゾスレ病すぎるw
愛ちゃんこの謎 証明終了ですか?
637 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 19:16:07.53 O
おっと危ないがし
638 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 19:16:56.92 0
今日の10時から「蒼約束」のアナザーVer.だよね
楽しみ!!
639 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 19:34:38.54 O
>>638 どなたか知らぬがアリガトー
今日の投下は0時くらいの予定です
640 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 19:57:30.91 0
>>639 おお〜!楽しみだ!
保全代わりの質問を・・・
リゾナンターの中で車やバイクに乗れる人はいるのでしょうか?
そういったメカニック系のスキルを持った人物は?
641 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 20:00:28.82 O
>>640 素のレスでごめんだけど作者さん次第じゃない?
642 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 20:30:16.90 0
>>641さんの言うとおりだと思います
自分の個人的なイメージとしてはリンリンあたりかな
刃千吏で色々と仕込まれたんではないかと
643 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 21:02:20.66 O
Dance Shot Ver.がかっこよすぎるんだけど!
モーニング娘。ほんとすごいな
644 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 21:18:28.95 0
刃千吏のリンリンはカーチェイスやら銃撃戦やら
ハリウッド映画ばりの修羅場を潜り抜けて来ているイメージ
645 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 21:51:24.00 O
亀ちゃんが去年、車の免許取りに行ってなかった?
646 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 22:32:55.97 0
あったねぇ
ネタっぽかったけど
647 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 23:00:24.79 0
狼ソースでしかも1つのスレだけの話じゃなかったっけ?
どう考えても嘘だと思うなあw
648 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 23:04:43.62 O
このスレ的にものすごい違和感あるしね亀が運転とか
ジュンジュンはバイク乗ってそう
649 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 23:30:45.42 0
亀ちゃんは家業の手伝いのために大型取ったよ
そういうネタも面白いかも
650 :
名無し募集中。。。:2009/02/24(火) 23:47:24.86 0
予定通りに0時投下しまっす
タイトルはまぁ『〜番外編』でさらにサブタイトルもあるんだけどまだ出しません
作品のうpが全部終わったら初めてタイトル出したいと思います
651 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 00:00:11.68 0
自分のベッドでのんびりくつろいでいた昼下がり。
急に騒がしくなった部屋の外。ふざけんな。イラッとする。
「…んだよ、ったく」
ドアを開けると下級兵がどたばたと走り回っている。
何かめんどくさそうなことがあったんだろうなぁと、
他人事のように思って、いやたぶん実際他人事なんだからと、無視してベッドに戻った。
『緊急!緊急!』
『集合しろ! 広場へ集まれ!』
『遅れるな! 指令を下す! 警戒態勢だ!』
…っるせーよ!
下っ端が人サマをドタバタに巻き込むんじゃねーよ。
こっちは、昨日遅くまで寝てないっつーの。
だいたい下っ端が幹部サマの部屋の前通るんじゃねーよ。
お前らが通る通路ってのは別にあるだろうが。
もうちょい、幹部サマを敬え―――
ドンドンドン!
『ミティ様! ミティ様! お開けください!』
『緊急の指令の発令です! ご出席ください!』
げっ。何か来やがった。
カンベンしてくれよ、こんな騒動巻き込まれるのはゴメンだ。
お前たちだけで何とかしてくれよ。ミキはそんな性分じゃないんだよ。
ミキは部屋の窓を開けて、晴れた外へと飛び出した。
652 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 00:01:00.46 0
地上では混乱しまくりの下っ端が行き場を求めて右往左往してる。
アイツらほんとアホだよ。
あんなゴチャゴチャした群衆の中なんてやってられないっつーの。
だいたい緊急時にあんなにドタバタと集まって、何か指令聞かされて、
あの様子で冷静に対応できるワケないじゃん。
わーわーぎゃーぎゃーと集団でやるのなんて、ミキやっぱり得意じゃない。
こうやって、ひとりで空を飛んでる方が気楽だし。
気の向いた時にあちらさんにちょっかい出しに行って様子を探ってくる。
正直、組織の方針とは違っちゃうけど、部隊率いてリゾナンターに当たるとかめんどくさい。
ってか、まず組織率いるのがめんどくさくね?
地上でどっとわき上がる声。どうやらやっと指令が発表されたみたいだった。
―――監視対象者、新垣里沙の脱走。
ダークネスからの離脱、リゾナンターへの完全な転換を確認。
脱走者逮捕および処刑のため、精兵による出撃を決行。
指揮を執る幹部、動員する精兵の選定、決行は本日中―――
「へー、ガキんちょが脱走、ねぇ…」
とはいえ、別に驚きもしなかった。
そんなことは時間の問題だろうと思っていた。
どう考えたってヌルい監視しかしていなかったくせに、
いざ脱走したとなって大騒ぎするとか。
そんなに大事なお客様なら、もっと丁重におもてなししなきゃダメじゃね?
相変わらずこの組織は、どこかボケてるとしか思えない。
653 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 00:01:41.31 0
勢いだけは一人前の下っ端兵士の集団は、
脱走者の名前が明らかになった瞬間こそどよめきが起きたけど、
処刑の意向が伝えられると同時に雄叫びを上げて士気を高めていた。
正直、ウルサイ。ヤカマシイ。落ち着けよ。
いっちょ、根性入れ直してやろっかな。何か気にくわない。
お前らみたいなのがどうにかすればあの相手に勝てるって思ってるのがムカツク。
どいつもこいつも身の程知らずもいいとこだ。
どうせお前らが寄ってたかってかかっていって勝てるような、
そんな甘っちょろい組織じゃねーんだよね。あちらさんも。
相手、誰だと思ってんの?
お前らより相当強いよ? つーか、ゼッタイ勝てないよ?
ミキたちみたいな幹部クラスならまだ余裕で戦えるけど、
そこらの隊長クラスじゃ、あっという間に光の彼方に消えちゃうよ?
あ、それともカンタンに操られて発狂しちゃうかもよ?
「ま、せいぜいガンバレってことだ」
ミキは、まだ地上で吠えている下っ端どもと、
この下っ端を率いるであろうかわいそうな幹部に向けて呟いた。
空が青くてなんかムカついて、進むスピードを少し上げた。
654 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 00:02:24.71 0
* * * * *
「は?」
「と、ダークネス様のお達しですので…」
「もう一回言ってみろ」
「いや、ですから…」
ぐるりと空を飛んで帰ってきたミキを部屋の前で待っていたのは、
ダークネス様の伝言を伝えに来ていた、ダークネス様の側近。
「…新垣里沙処刑の指揮を、ミティ様にお任せすると…」
「はぁ?」
なぜか側近はますます怯えて一歩下がる。
あ、スイマセンね、この不機嫌な顔はいつものことですから。
「…ありえねー」
その仕事があり得ないんじゃない。
あのアホ下っ端どもをどうにかしなきゃいけないことが、頭痛い。
ミキは思わずこめかみの辺りをおさえていた。
ガキんちょの処刑くらい、ある程度簡単にできるだろう。
ただ、それはミキが好きなように動いて、が条件。
「それ、幹部、決定?」
「はい、命令書も実はこちらに…」
側近がもったいぶって取りだしたのは、
確かにミキを今回の指揮官に命じている文書。
そんなもんが出されてる以上、さすがに出動しなきゃいけない。
655 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 00:03:14.11 0
「ちなみに、動員する部隊は」
「第2部隊です」
「だいにっ…」
…よりにもよって一番筋肉バカの集団じゃねーの。
そんなヤツらじゃこのミティ様についてこれねーっつーの。
「それはムリ」
「いや、しかし…」
「動員するのは構わないけど、ミキそいつらのこと置いてくから」
「はぁ…」
「じゃないと、ミキ、この仕事お断りだから」
「いや、しかしミティ様…」
「ヤツら勝手について来りゃいいよ。ミキは空飛んで先行くし」
「これも決まってしまったこt…」
「あぁもうウルサイなっ!」
バカ正直な側近にいい加減うんざりして、
ミキは右腕を振りかざして、花瓶に刺さっていた花を氷漬けにした。
「お前もこうなりたいのか? あ?」
「あ、いえ、その…」
「じゃ、よろしく。ミキひとりで行くからね」
「は、はい、失礼し…」
言い終わるか終わらないかのうちに、逃げるようにして側近は帰った。
ミキは氷漬けの花を人差し指で弾く。
パリン、と乾いた音を立てて、花は跡形もなく砕け散った。
656 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 00:03:51.78 0
「マジありえねー…」
こういう仕事って、それこそ粛清人のキショいヤツの仕事じゃないの?
犯罪者を処罰するのがお得意な仕事でしょ?
何でミキなんかに回ってくるんだか。
この組織、対応もヌルいけど考えることもヌルいんだよマッタク。
粛清人の亜弥ちゃんと、マイペースなGと、銀翼の天使組ませたこともあったかな。
そんなことしたら上手く回ってくワケないじゃん。
内部でバチバチしてるに決まってんじゃん。
そこにキショいの入れたってどうにかなるはずないじゃん。
トップが考えてることは、やっぱどこかおかしい。
とはいえ、リゾナンターにちょっかいを出す程度だったミキの動きも、
今回はかなり本気でかかって、一気に仕留めて行かなきゃいけなくなる。
いつものように、お遊び気分で相手に向かってはいけない。
ガキんちょを、処刑するのがミキの仕事。
そう考えると、ミキですら自然と気合いが入る。
目を閉じて考える。
考えられるあらゆるパターンのヤツらの動きをイメージして、
自分の最大の攻撃チャンスを描き出していく。
闇色の氷で、串刺しにしてみせる瞬間を。
657 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 00:04:42.55 0
ミキの思考が、深く深くなった時だった。
「ミキちゃんっ!!!!!!!」
勢いよくドアの開く音ともに、大声で名前を呼ばれて目を開く。
声のした方には、息を切らせてミキを見つめている白衣の科学者。
「…なに、こん…」
「今日出た指令の…担当が…ミキちゃん、て、ホントなの…?」
ミキが何かを言うより前に走り寄ってきて、息も絶え絶えになりながら問いかけてくる。
その目は、とにかく必死だった。何かに怯えているようにも見えた。
実際、ミキの両肩をつかんだ手が小刻みに震えている。
じっとその目を見ていると、涙が浮かんでいた。
いったい、何?
正直、ダークネスにやってきてからしばらく経つけど、
いつだって冷静沈着なDr.マルシェがこんなに取り乱してる姿なんて、初めて見たかもしれない。
今日出された指令。新垣里沙の処刑指令。
それと、こうも怯えるマルシェをつなぐモノって、一体なに?
…ってか、そんなのは考えるまでもなくすぐに結びつく。
ガキんちょ。マルシェ。脱走。処刑。
そこに、今ではなく、昔を当てはめれば、答えなんて自ずと出てくる。
658 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 00:05:26.95 0
「…ガキんちょを殺してくるのは、ミキの役目だよ」
だから、まっすぐに言ってやった。
当然、マルシェの表情は一気に青ざめていった。
「それとも、ガキんちょが死んだら何か問題あんの?
もう、取るようなデータだってないんでしょ?
スパイ活動中のデータは記録済み、こっちへの帰還後は最終チェックとその後は処刑。
それが元々のあいつの運命でしょ? それがちょっと早まるだけじゃん」
「やめて…ミキちゃん…」
ガタガタと身体まで震わせて、マルシェはその場に膝をついて頭を抱える。
「…マルシェさんともあろうお方が、裏切り者の脱走を手助けですか?」
なんだよ。裏切り者が2人もいるなんてどれだけメデタい組織なんだよ。
マルシェはゆっくりとミキの顔を見上げる。
青ざめた顔は涙でぐちゃぐちゃだ。
「…別に、ミキはアンタをどうこうしようとか思ってもないけど」
少し開いた窓から入り込んだ風が、ミキの髪を、そしてマルシェの白衣を跳ね上げる。
「これは、“指令”ですので。
ダークネスの幹部として、これは守らなくてはなりませんから」
「やっ、ミキちゃ…っ!!!」
ローブの裾を引かれて歩き出そうとした足が止まる。
あのマルシェが、こんなにも必死な姿。それを冷たく見下ろす、ミキ。
659 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 00:06:23.00 0
「ミキちゃん…、ガキさんを、ガキさんに、何か、ないの…?」
「…はぁ?」
彼女の問いかけは、あまりにも漠然としていてまったくその意味が読めなかった。
「いくら、今、敵同士だといっても、あんなに一緒に―――」
「それが何だっつーの」
何? 敵の命乞い?
そんなお涙頂戴の話なんて聞きたくもない。
「だって! 処刑なんて…殺しちゃうなんて、そんな、あんまりだよ…!」
「…ガキんちょは殺されるに十分な理由がある」
「そんなの、組織としてでしょ…?
ミキちゃんに、ミキちゃんの中にはガキさんの思い出はないの…?」
「そんな思い出なんて、とっくに捨てたし」
「お願いだから、見逃してあげて…助けてあげて―――」
「問答無用」
ミキはローブにすがるマルシェを振り払って窓を開けた。
無様に床に伏せる格好になったマルシェ。
いったい、何がここまで彼女をそうさせる?
いや、きっと、そんなこと知ったところで得られるモノなんて何もない。
「…このことは他の誰にも報告はしないでおくよ。
だから、今回のことは、もう諦めな」
ミキの名を呼ぶ叫び声が聞こえた。けど、それにはもう耳を貸さない。
ミキにはミキの役目がある。私情は挟まないし、挟む必要もない。
660 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 00:07:13.08 0
けど、ミキは気づいていなかった。
マルシェがミキのことを、「ミキちゃん」と呼び続けていたことに。
すっかり、「ミティ」と呼ばれることに慣れていたというのに。
そして、もうひとつ。
マルシェのことを、「紺ちゃん」と、昔の呼び名で呼ぼうとしていたことに。
661 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 00:07:41.10 0
662 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 00:17:20.69 0
紺美貴ヲタで5期ヲタの身には
どストライクだったよちきしょうw
続きも期待してます
663 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 00:39:51.40 0
あなた様らしい人選ですねw
面白くなりそう
明日まで続き待ってます
664 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 01:10:51.48 O
なんかあまり気になる人ではなかったマルシェが好きになりそうです
665 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 02:41:04.85 O
これは続きが気になる気になる!
666 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 02:47:04.19 0
川VvV)つ<しゅびしいっ!! …と…
川VvV)<さて… ガキんちょに一輪車を… いやもとい引導を渡しに行くか…
667 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 04:32:44.65 O
明日もう続きが読めるんですね楽しみです
668 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 06:29:07.46 0
オハ
669 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 07:22:50.02 O
なんだ感だでこのスレももうすぐ700いくね
コンスタントに作品もあっていい感じ!
670 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 09:32:55.53 O
ちゃんとスレを完走させたいね!
671 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 11:25:24.67 O
まだまだ
672 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 12:09:12.76 O
从*・ 。.・)<ごはん、お先でーす♪
673 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 13:23:07.27 O
川´・_o・)<ゴチソサマデシター!オイシカタヨー
674 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 14:55:25.11 0
一瞬屋根スレかと思ったわw
675 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 15:15:20.58 0
>>661 ミティ良いねぇ〜!!ミティ良いよ!
続き楽しみだ!
676 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 16:00:34.50 O
気がついたら今日はもう2月の25日ですよ!どうしましょ
678 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 17:23:04.92 O
どうって何を?w
679 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 18:12:19.16 O
みんないろいろ感想アリガトネ
今日はミティ違ったミキティバースデーにかかるとアレなので
早めの22時投下が目標だよよろしくね
680 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 18:50:08.22 O
こちらこそヨロシクお願いします!
681 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 19:06:16.90 0
>>679 楽しみにしてます!
なにぶん、規制巻き込まれ中なので感想は書き込めませんが・・・
楽しみに待ってます(これは他人のパソコンから書いてます)
682 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 19:31:17.97 0
683 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 20:34:28.77 0
魔女。古いヨーロッパの俗信では、悪霊と交わり魔力を得たという女性を指すらしい。
中世末から近世にかけては更にその存在は「厄災」とされ、魔女裁判を執り行った。
宗教信者に関してはその存在を掲げて戦争を起こす者も居たが、今でも
"魔を術る存在"を隠れて称え続けている人間は数知れない。
だが、魔女は魔法使いや魔術師とは違う存在として扱われてきた。
魔術師は主に魔術を研究することが最優先であり、滅多に魔術を行使しない。
己を神秘と人智の中間に位置する者と信じ、己を脅かすのは神以外には魔術師以外にはいないと疑わない。
魔術使いは研究対象としてではなく道具として魔術を行使する者。
そのためある意味では魔術師よりも効率的に魔術を運用することができ、此方は魔術師よりも奇跡に近い存在。
だがその純粋さ故に魔術師と同格視され、人類にとっては驚異の何者でもない。
では魔女と同一だと思われないその違いとは何か。
そもそも「魔」とは、自然の法則にありながら流れを歪めるモノとして必要とされなかった力。
謂わば歪みであり、自然の一部であるために自然と繋がり外界を変質させる。
さまざまな種と類があり、総じて正当な流れにあるものには邪に映るモノのこと。
キリスト教の教義でいう神と表裏一体。
聖堂教会でいう『受肉した魔』は生物である以前に『魔』として創造されたため、人間より高度な魔術を使う。
人間のような後付のチカラはなく、その生体機能のすべてが『魔』を呼び込むための機能である。
人間の想念を被って『固体名』になる偽物とはちがう、主が遣わした、人が名付ける前からそうであった本当の『悪魔』。
悪魔が宿りし女の"術るチカラ"は、鬼の住む樹海でも閻魔が居る地獄でも無い。
"人間"という殻を被った異端者に現存し、今も其処で生き続けている。
―――魔女は退屈だった、この世の全てを壊したいと願うほどに。
684 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 20:35:17.52 0
陰鬱な気分に拍車をかけるかのように小雨が降り出す。
参列者の中には列を抜け出し、木陰へと逃げ込む者もいる。聞こえ始める談笑。
彼らは人の死に慣れすぎているのだろう。それは自分も同じだが、同属だとは思われたくは無い。
下っ端の癖に自分達は強いのだと勘違いしている人間ほど殺したくなる。
雨の勢いと共に牧師の言葉が速まった気がした。
同じ気分なのは事実の為、それを卑下することはしない。
ふざけた茶番だ。理解する気が無い脳髄に言葉は一言も記憶しなかった。
右から左へと流れ、湿った空気に散ってゆく。
雨が十字に切り出された墓石の色を、灰色から黒へと変える。
「―――Armen」
胸の前で十字を切る牧師に冷たい視線を浴びせながら、女性も同じポーズを取った。
バカげている。本当に。
棺が土の中に入れられ、埋められる作業をただ淡々と見つめる。
魂はおろか、肉体の欠片さえも入っていない『空(から)』に。
何の世界も存在しない、何の生涯も死も苦痛も満たされていないその空間を。
喪服を纏った女は心の中で溜息を吐く。
"殺した人間の葬儀"な程、退屈なものは無い。
―――魔女は退屈だった、この世の全てを壊したいと願うほどに。
"氷使い"と称された女が"魔女"と呼ばれるようになるまでの時間は短い。
対集団・対遠距離戦闘に優れた"氷使い"は、単なる「面倒くさい」と言う理由から成り立った存在。
数え切れないほどの敵を物言わぬ結晶へと変えていったその姿は
"触れる事無く相手の命を奪う"事から戦場の悪魔とも呼ばれた。
呼吸するように死を撒き散らす、生粋の殺戮者。
685 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 20:36:06.23 0
自身の手を使うまでも無いとでも言うように、その存在は絶対的。
永遠の不死者とまで呼ばれた女は、だが想う。
嗚呼、退屈だ、と。
「じゃ、行こうか」
その言葉が合図かのように魔女の周囲の空間が揺らぐ。
まるで時空の歪に折り畳まれていたかのように出現したのは十二個もの透明な結晶体。
正八面型の其れは拳一つ分の範囲を持ち、水色に輝いて当然のように浮遊し続ける。
其れを手に取った瞬間、腕の付け根まで一瞬で凍結し、二度と動かす事は出来ない。
外からワゴン車の椅子に外套を放り投げ、漆黒のドレスで覆われた姿が現れた。
耐熱・耐刃加工をした特注品だが、女にそんな物は必要ない。
これまでも傷を付けられる事が無かったため、傷み一つ無い、新品同然なのだから。
気に入っている事で着続けているという単純な回答しか帰っては来ないだろう。
「アンタ達は周囲を見張るだけで良いから」
一人の武装した男にそう言い放つと、魔女は出入り口へと歩いていく。
男は指示通りに他の兵士を配置に付かせた。
認識阻害を施した箱を建物周辺の死角に置き、その時を待つ。
魔女が初出動時から共に行動している男は、命令違反だろうと何だろうと口答えをする事は無くなった。
男もまた、"魔を統べる存在"に崇拝する人間の一人に成り下がったのだろうか。
女には全く興味が無い事だったが。
―――出来事は一瞬。
686 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 20:37:23.16 0
爆発音と共に激しい銃撃の音が空に響き渡っていた。
出入り口からはまるでドライアイスの様に霧散する結晶体の煌きが溢れ出す。
中の様子は分からないが、悲鳴と現れた数名の人間達がのたうつ様に地面を転がる。
其れに向かって無機質に銃口を突きつけ、発砲した。
身体の所々を凍結させた死体は全部で5つ。
その中で拳銃を持った者が男達に銃口を構えたが、銃弾が撃ち出される事は無かった。
巻き起こった三度目の爆発は建物全体を激しく鳴動する。
本格的に崩れ始める天井から、鉄骨で支えきれないコンクリート塊が地面へ降り注ぐ。
激しい崩落の音が止んだ後、目映く輝き出した世界が水色に染まる。
結晶となった建物から温度が徐々に下がっていくのを肌で感じながら、男達は見た。
十二個もの透明な結晶体を掲げ、漆黒で覆われた闇の住人を。
魔女は呟いた。
嗚呼、退屈だ、と。
―――帰還した時、出迎えた人間を凍結させてやろうかとも考えていたが。
「ピリピリしてるねぇ、相変わらず」
「疲れてるんだけど」
「殺して殺してまた殺して。魔女っていうのはこうも戦争が好きなのかね」
「駆り出す人間も人間じゃないの?人選の文句はあっちに言って」
「別にアタシは何の不満もないよ。諜報専門なんで」
「思いっきり近距離・遠距離系戦闘異能力者のクセに」
「そっちなんて使いようによっては全方位系だろ?」
今回の出動も、はぐれ異能力者の除去の様なものだ。しかも異国まで逃亡した厄介な類のもの。
687 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 20:38:10.47 0
内部の反逆(トリーズン)によって粛清者(イレイザー)は不在しており、他の幹部も別の任務によって
出ている事で魔女へと命令が下されたが、不満は満たされることは無かった。
たった十数人では殺したのかさえも曖昧だというのに、その同業者らしき人間が集い
組織の存在を調査する為にわざわざ偽の葬儀まで参列したのにこの仕打ちとは。
「それにしてもまた1人で入って行ったんだろ?短命だなぁ」
「ゴミを拾い集めるのは性に合わないだけ。だったら掃除機で一気に片付けた方が楽じゃん」
「ミキ…ミティはそういう所が妙にアイツと似てるよ」
「止めてよ。あんなキショい女と一緒にするの」
彼女が言っている人物は一人しか居ない。
今頃何処に居るのか知らないが、どうせ反逆(トリーズン)を甚振り殺しているに違い。
嗚呼、何でアイツがそんな役回りなんだ。
同じ異能力者を相手にするならそちらの方が格段とレベルが上じゃないか。
頭の中が渦巻く、黒いモノが、足りない足りない足りない足りないと。
魔女―――ミキティは今度は大きく息を吐いた。
そして眼前に居る彼女―――吉澤ひとみに言った。
「ねぇ、今時間ある?」
「あ、悪い。今ガキさんから連絡があったんだよ」
「ガキさん?あぁ。あの監視者(デイウォッチ)?」
「"粛清"が終わったから帰還するだと。明日には"あっち"に行くらしいけど…」
「i914…ね」
新垣里沙という監視者(デイウォッチ)と、高橋愛という殺人兵器(デッドリィ・デバイス)
里沙は諜報員、スパイとしてダークネスでもブラックリストに載る程の最重要組織に侵入。
まさかそのリーダーがこの組織で製造された異能力者だったとは初めは驚いたものの
送られる情報を解析する事で垣間見た、その驚異的なチカラの数々。
688 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 20:39:34.38 0
敵を自身達の為に葬り去るあの信念と、仲間という共通した人間の間で発現する"共鳴"。
―――だが時々想う、その"共鳴"が懐かしいと感じるこの疑念。
思い出せないその欠片は、まだ何処かで息づいているかの様に鼓動し続ける。
鬱陶しい。まるで、"自分ではない自分が呼ばれているような"。
―――なら面白くしてやるよ。これ以上無いくだらない喜劇に。
「…ねぇ、また襲撃するんでしょ?」
「まだ決定はしてないよ。けど前よりもチカラを付けてるみたいだから幹部レベルの
派遣を検討してるっていう話だったっけな」
「じゃあさ、ミキに行かせてよ」
「はぁ?どういう風の吹き回し?」
「ミキ、良い事思いついちゃった。でも一つだけお願いがあるの」
ミティはこれ以上無いほど歓喜を含んだ言葉を紡ぎ、不敵に笑う。
だがその視線が否応を問わせないとでも言う様に不気味な光が宿る。
ひとみは背中に悪寒を感じていたが、一瞬で表情は嗜虐的なものへと変わった。
689 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 20:41:12.86 0
690 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 20:58:12.88 0
面白い
いくらでも読めるわ
もっとどんどん書いてほしい
691 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 21:06:42.11 O
いくらなんでももう少し考えて投下したらどうかなw
692 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 21:25:32.37 O
魔女、何か凄いかっこよかったわー。
693 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 21:32:42.62 0
694 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 21:49:19.94 0
では十数分後に会いませう
準備準備…
695 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 22:00:11.02 0
* * * * *
辺りはすっかり夜になっていた。
ミキはあのまま自分の部屋に帰る気にもなれず、ずっと空を飛び回っていた。
空高いところにある三日月。
空には他には小さな星しか見えないくせに、あの月だけは爛々と輝いている。
それが、なぜか憎たらしい。
その存在を見せつけているようで、憎い。
それなのにあまりにも美しくて、目が離せない。
あと少ししたら、ミキは敵地へと奇襲をかけに行く。
真夜中に。
ヤツらがいろんなことに備えていつでも警戒しているような戦士だとしても、
街も静まった夜中ならば、その意識も少しは薄れるだろう。
実際、昔の自分がそうだった。
警戒レベルがゼロになるわけじゃない。けど、100のままでいるわけでもない。
そんな時間帯は、やっぱり真夜中だった。
黒のローブで敵の目にも入りづらいだろう。その分、やりやすい。
…昔?
なに、ミキ、何でそんなこと思い出したんだろ。
696 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 22:01:05.80 0
「魔女さんでも月なんて見るんスか」
不意に近くから聞こえた声。返事はしない。
どうせあの目障りな金髪がニヤニヤしてるだけだ。
せっかくひとりで考えてた時間を壊されたのがあまりにも癪に障ったから、
思いっきりそいつの顔を睨み付けるようにして振り返ってやった。
案の定、隣に滑り込んできた大剣を提げた戦士は、こちらの顔を見てにやついていた。
「…そう怒ることないじゃないスか」
「月を見てて何が悪いっつーの」
「や、悪いとかじゃなくって」
単純に疑問に思っただけ、と彼女は続けた。
面白くない。
だいたい、アンタはいつまでどっちつかずの態度取ってんだよ。
ここはダークネス。アンタは明らかにリゾナンター寄り。
アンタの力が強すぎるからこうしてこっちで飼い殺してるけど。
いい加減どうにかしろよ。正直、メーワクなんだよ。
冷たい夜空に浮かぶ涼しい表情の月。
今のミキにはないモノばっかり持っているようで、尊いじゃないか。
「青い空なんて、ダークネスに、特にミキになんて似合わないんだよ。
真っ黒なローブで全てを隠すように、夜の闇が全てを覆う、その方がミキに合う」
金髪はその髪に月光を柔らかく反射させていた。
それが、妙に目に眩しい。
697 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 22:02:06.68 0
「で、指令の実行、行くんスか」
「今から行ってくる。
ってか、いいタイミングでアンタが来たからまだ行けないだけ」
「ありゃ、そらしっつれいしました」
わざとおどけてみせるこの態度が、今はものすごく気にくわない。
「あたしにそういう指令なんて来ることはないでしょうけど、
どちみちそういうのが来たところで自分の性に合わないんで」
自分の部屋から見守らせてもらいます、と金髪は言った。
マルシェとは違って妙に落ち着いた様子だ。
お前だって、あいつが殺されたとしたら悲しむこともあるだろうが。
「…じゃ、ミティ様、ご武運を。―――それから」
金髪は大きな剣を背中で揺らしながら、空中でミキに正対した。
「青空だってけっこういいもんスよ。今度、見てみてください。
あと、夜空で輝く月みたいに、ミティ様の中にも“光”ってあるんスよ。
きっと、気づいていない、見ようとしてないだけで」
「なっ…」
唐突な言葉にミキは言葉を失う。
気づいた時には、金髪はもうこの場にはいなかった。
…何が青空だ。何が光だ。そんなもの、昔にミキは捨てたんだ。
どいつもこいつも、なんで余計なことばっかり言いやがる。
ミキは、むしゃくしゃする想いを胸にしながら敵地に目を向けた。
698 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 22:03:36.10 0
* * * * *
上空から見下ろす喫茶店には、この時間には相応しくなく灯りがついていた。
ということは、ヤツらの拠点「リゾナント」に、ガキんちょは無事に戻ったということだろう。
夜遅くまで、一体どんな話をしているのやら。
とっとと寝静まってくれてた方が、こっちとしては都合もいいっつーのに。
冷たい風が肌を撫でる。
自分の魔力がその冷気に反応して疼くのがわかった。
今か今かと、その時を待つ。そのために最善の手段を頭に描きながら。
せっかく愛すべき場所に戻ったところで、本当に運のない女よ。
スパイとして育てられ、敵組織へ送り込まれて調査を命じられ、
けれどその組織に魅入られ、あげく寝返ってみせるとはね。
捕らわれ逃げ出して舞い戻ったところだが、今度はこのミティ様が命ごと奪ってやる。
いきなり乗り込んでいって血祭りに上げてやろうか。
それとも店の周りを凍らせて、逃げ道なくしてじわじわ追い込んでやろうか。
どちらも名案だ。
怯え、恐れるヤツらの顔を見ることが出来るだろう。
けど、せっかくここまで来たんだ。
一瞬でカタ付けて帰るのももったいない。
氷に囲まれて凍えるがいい。
永遠に溶けることなき絶望の柱の中で、苦しむがいい。
ミキは、右手にありったけの魔力を注ぎ込んだ。
周囲の温度が急激に下がって、風を切る音も強くなる。
十分な力を溜め込んだ右手を見て、―――ミキは絶句した。
699 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 22:04:22.31 0
「…なっ、なに、コレは…」
掲げた右手に集まった魔力は、三日月の光を透かして蒼色に輝いていた。
「ど、どうしてこんなことがッ…!」
蒼い氷塊。
それは、昔のミキの、必殺の能力で―――
―――フラッシュバックするのは、意志に反して昔の記憶ばかり。
蒼い氷の槍が彼女たちを救っていた
絶体絶命のピンチで、蒼い氷柱が相手を封じることもあった
『美貴ちゃん!後ろ任せたで!』
『ガキんちょあいつの動き止めといて!』
『愛ちゃん、ミキティ、攻撃はヨロシクね!』
手を取り合って戦った、あの日の“仲間”たち―――
「今さら…、昔が、昔が、何だって言うんだ…」
氷の蒼は月の明かりを受けて、より深く蒼く輝く。
ミキは、とっくの昔にその蒼き心なんて捨てたはずなのに。
今は闇に魅入られ、闇色の氷で相手を苦しめる。
それが、ダークネスの魔女・ミティ。それなのに…
700 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 22:05:11.23 0
『ミキちゃん!』
『処刑なんて』
『ガキさんを』
『助けてあげて』
『見逃してあげて』
『お願いだから』
『だって、元々は』
『一緒に過ごした仲間じゃない』
『ねぇ、ミキちゃん―――!』
目を閉じればさっきのマルシェの声がリフレインする。
あの金髪が言い残した、闇の中にある光ってこれだったのか?
あいつが、いったいミキの何を知っていたって言うんだ?
「…ちく…しょ……」
捨てたはずの記憶は、こんな肝心な時に頭の裏の方から這い出してきた。
ありえない。もう、ミキには闇しかないはずなんだ。
光にあこがれて光を求め、光に挑んで光に敗れたミキには、闇だけしか残っていないはずなんだ。
フラッシュバックしたもう一つの記憶。
それは、ミキがリゾナンターを離れるその日の朝だった。
誰にも言わずに離れたのに、ガキんちょは何かを悟ったのか、
わざわざミキを追いかけてきて、語りかけてきた。
味方としては、二度と会うことはないだろうと告げたミキに、
自分だってダークネスのスパイであることなんて延々と隠し通しておいたくせに、
あいつは微笑んで、こう言ったんだった―――
701 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 22:05:46.44 0
『ミキティと一緒に戦えて、ホント、楽しかったよ―――』
702 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 22:06:28.98 0
「う、う、うわああああああああああああああああっ!!!!!!!!」
ミキはその手に集まった魔力を一気に解放した。
氷同士がぶつかり合い、ミシミシと軋んだ音を立てながら空を駆ける。
月へ。
…ミキはその手を、月へとかざしていた。
標的に届くことのない氷塊たちは空中でゆっくりと消えていく。
そこに、うっすらと蒼い影を残しながら。
「どうして……」
ミキはぼんやりと虚空を見つめていた。
リゾナンターを仕留める千載一遇のチャンスだったのに。
まさか…まさか、自分がこんなことになるなんて、思ってもいなかった。
「ミキは…アイツらに…何の想いが…」
わからない。
何度考えても、わからない。
マルシェのことをさんざん言っておきながら、自分はいったいどんなザマなのかと…
ミキはよろよろと、その場を後にした。
三日月が、悲しいくらいにまばゆく輝いていた。
703 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 22:07:34.24 0
>>695-702 今日はここまで
前回好評だったマルシェが出なくてゴメンネ
また明日! 最終回ダヨ!
704 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 22:16:08.48 0
>>703 こ、これは・・・良いねぇ〜!
最終回、心待ちにしています!
705 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 23:14:09.71 0
うほっミティ様長編2連発ですね
>>689の方(異能力の人さん?)大丈夫ですか?
706 :
名無し募集中。。。:2009/02/25(水) 23:19:17.69 0
>>703 スゲェエ面白い!
明日が心底楽しみだ!
どういう終わり方するんだろう?wktk!dokimiki!
707 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 00:10:45.92 0
川VvV)9m<ちゃんと保全しろやオマイラ
( `.∀´)y-~~<ダークネス一同からお祝いするスス
(0^〜^) 从#~∀~#从川 `〜`)||(●´ー`) (〜^◇^)<ミーキティ!オイ!♪
( ´ Д `)( ^▽^)(0^〜^)川o・-・)∬´◇`∬从‘ 。‘)<オメデトー!
708 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/26(木) 00:15:39.22 0
みきにゃオタオメ!!!
凍らしちゃやーよ
709 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 01:03:07.25 0
みっちゃんオメ!
いっぱい不憫な目に遭わせてごめんなさい
リゾスレ一同
710 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 01:09:57.30 0
なんやら落ちが速いですな…
>>689さんも、規制ですか?
今日はさすがにミティ様に遠慮して自重しようと思っていたのですが、保全代わりに…。
もう忘れた方も多いと思いますが、
かなしみさんの
[S3.ペッパー警部](16)527 および
[S4.ロマンス](16)528 にリゾナントされた
[ MM。](16)538 に、さらに大リゾナントさせていただいた
[MM。](16)928 『コードネーム「pepper」−ガイノイドは父の夢を見るか?−』
[MM。](17)447 『コードネーム「pepper」−ガイノイドは父の夢を見るか?−2 』
[MM。](19)431 『コードネーム「pepper」− Inside story I』
[MM。](19)766 『コードネーム「pepper」− Inside story II』
[MM。](20)534 『コードネーム「pepper」−ガイノイドは父の夢を見るか?−3 』
の続きです。未読の方、もう忘れた方はぜひご一読を…
711 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 01:13:36.65 0
第13話 : Reborn
都倉博士が電話に出ると、久しぶりの阿久博士の声がびんびんと響いてくる。
「ああ、都倉か?俺だ、阿久だよ。元気か?」
…元気な訳がないだろう… そう思いながらも
「…ああ」
と都倉博士は生返事をする。
「宏美さんと愛ちゃんの事は聞いた。 許せん! 全く許せない話だ! おまえも悔しいだろう?」
「それでだな、早速だがおまえに頼みたい事がある! すぐに日本に戻ってきて、今俺が関わっているプロジェクトに参加してくれ! 絶対にお前の力がいるんだ!」
「そんな気になれない、と言うんだろ、わかるぞ!だがな、そういうときほど男は仕事をしたほうが良いんだ!俺もかみさんと離婚した時はそうだった」
「ああ、ああ、わかってるよ! 俺の場合は巨乳の姉ちゃんと浮気したから愛想をつかされただけで、お前とは違うと言うんだろ? それはその通りだよ!」
「だがな、俺やお前のような天才が仕事をしないというのは、全人類にとっての損失なんだぞ!?」
「考えても見ろ、お前が1年仕事をしなければ、たとえばたくさんの人の命を救う、バイオ新薬の開発が1年遅れるかも知れん…、そうしたらそれによって助かるはずだった何万人もの命が失われるかも知れないんだぞ!」
「俺たち天才には、全人類の為に働く義務があるんだ!辛いだろうが、お前の為だと思って言っているんだ。お前だって、一生そうやって塞ぎ込んでいるつもりじゃあ無いだろう?」
阿久博士は一気にまくしたてる。
712 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 01:15:56.91 0
「…相変わらずよくしゃべるな…、おまえ…」
やっと都倉博士が口をはさむ。
呆れながらも、阿久博士のあまりの活力に押され、少し身体が温かくなったような気がした。
霧がかかっていた様な頭も、スッキリしてきた様にも感じられる。
「すぐに動くんだ! 宏美さんや愛ちゃんの為にも、何が出来るかを考えろ!」
「…そこで話は戻ってだな、俺は今、警察庁科学技術局の局長として、対テロリスト用のガイノイドチームの開発を手掛けている。ベースになっているのは、『ダークネス』と言う『能力者』によるテロリスト集団の持っていたデータだ」
「…『darkness』…?」
都倉博士が聞き返す。
「お、お前さすがに発音がいいな。こいつらは『能力者の為の社会』実現の為に、世界各地であらゆるテロ行為やクーデターの煽動、国家間戦争の誘発を画策している」
「実は、まだ確証はないが、愛ちゃんたちが巻き込まれたLAでの連続ビル破壊テロも、実はダークネスの能力者が絡んでいたと言う見方が強いんだ」
「…!」
都倉博士の脳裏に、2週間前の病室での妻と娘の姿がフラッシュバックする。
「それでだな、正確に言えばこのデータと言うのは元々ダークネスの物ではなく、本来『ダークネスに対抗する部隊』のメンバーの、詳細な分析データが元になっているんだ」
713 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 01:17:47.04 0
「ま、簡単に言えば『正義の能力者集団』、ってとこだな。その名をリゾナンターと言う。もちろん非公式の組織だが、それなりに歴史はあるらしい」
「全員が若い女性で、現在のリーダーは高橋愛という… そう、愛ちゃんと同じ名前だ。しかも彼女がこの戦いに身を投じたのは8年前、まだ14歳のときだったそうだ」
「高橋… 愛…。幼き能力者の戦士…」
都倉博士は、幼き戦士であった未だ見ぬ高橋愛の姿を、14歳でこの世を去った娘の姿に重ね合わせた。
ふと、都倉博士は2週間前のハイラム刑事課長の別れ際の言葉を思い出す。
…Love will beat off the darkness of this world surely…
「…『愛』が『闇』を払う… か…」
高橋愛…。彼女が『ダークネス』と戦う戦士となったのは、ある意味『宿命』だったのかもしれない…。
ならば、私の娘は…? 愛は… どの様な『宿命』の元に生まれてきたのか…?
「それでだな、俺は彼女等の特殊な『能力』をそのまま再現するのではなく、ガイノイドとしての『能力』として、アレンジして再現しようとしているんだが、難しいのは『共鳴』と呼ばれる要素だ」
「これは彼女等に独特の現象でな…。要するに精神感応の一種だが、メンバー同士が意識を深層で連動させる事で、より高度な判断力を得たり、個人が通常以上の能力を発揮する…」
「こういった事象については、俺は専門外だ。ぜひお前の力を借りたい。愛ちゃんは、念動力のほかにも、強い精神感応の力があったんだろう?」
714 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 01:21:36.89 0
その時、都倉博士の中にひとつの発想が生まれた。それは、博士にとって『神の啓示』のようにも思えた。
もし…、我が娘『愛』の残された『生命の灯』がふたたび燃え上がり、その『生命』がこの世界を満たし、その『能力』が『闇』を撃ち払うのならば…!?
「おい、阿久よ、協力してやってもいいぞ。ただし、そのかわり、そのプロジェクト自体を俺が戴く事になるかも知れんぞ?」
「…お? やる気になったか? いいぞ、むしろ大歓迎だ。俺とお前がやる気になったらスゴイ事になる、間違いない!」
… … …
1ヵ月後、都倉博士は日本へと向かう機上の人となっていた。そして、機内に持ち込まれた特殊なスーツケースの中には、博士の娘、『都倉 愛』に由来する9体のクローンの初期『胚』が納められていた。
空港に着くと、さっそくタクシーで阿久博士に指定された場所へと向かう。近く開設されると言う、国立バイオテクノロジー研究所である。
「おう、よく来てくれた!ここが新しく作られた国立のバイオテクノロジー研究所だ。世界的に見ても、これだけの設備を持った施設はなかなかないはずだぞ!」
「素晴らしいじゃないか!…ここの所長は誰になるんだ?」
「…お前だよ」
「…!? …何いっ…!?」
「3日後には所長就任の記者会見もある…。何か言う事も考えておいてくれ」
阿久博士はあっさりと言い放つ。
715 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 01:27:59.82 0
「…おい…! おまえ、騙したな!?」
「いや、何にも騙してないぞ? 俺のプロジェクトを手伝ってもらうのは本当だし、それにはここの所長になってもらうのが1番都合がいい…。施設の面でも、立場の面でも、全ての面でね」
屈託なく笑いながら阿久博士は続ける。
「文部科学省の連中も大喜びだ。俺も『あの都倉博士を口説き落とした男』として、だいぶ感謝されたよ」
ニッコリと満面の笑みを浮かべた阿久博士の顔を見ながら、都倉博士は一瞬激しい脱力感に襲われた…が、既に後戻りはできない。
「まあ、いいだろう… とりあえずさっそく作業をさせてくれ!」
都倉博士は持参したスーツケースを取り出した。
… … …
卵細胞の『核』を、既に分化した生体細胞の『核』と入れかえる事により、『核』の元となる生体細胞と、完全に同一の遺伝子情報を持った『胚』ができる。
簡単に言えば、分化して成長した体細胞を、もう一度『受精卵』の状態に戻してやるようなものだ。
これがいわゆる『クローン』体の基となる。通常の出生でいう所の『受精卵』にあたる存在であり、これが増殖していく事により、新たな『クローン』の成体となる。
都倉博士が持参した、博士の娘『都倉 愛』に由来する『胚』をそのまま生育していけば、『都倉 愛』と同一の遺伝子情報を持ったもう一人の個体が生まれる事となる。
しかし、都倉博士はその方法を取らなかった。
もとより、娘の、『都倉 愛』のかわりを生み出すつもりなど無かった。
716 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 01:33:32.91 0
脳細胞、及び隣接する神経部分を優先し、人為的な刺激によって増殖を促進させていく。
…そして、約2年の生育期間をへて、レベルの差はあれど、ほぼ16歳〜成人レベルまで増殖させた脳細胞と、それに付随する神経節を、阿久博士がリゾナンターを模して造り上げた、最新鋭のガイノイドの頭脳部分として移植、統合させたのだった。
さらには、リゾナンターたちのデータにある、各人の『戦闘体験』および『生活体験』の記憶情報をも移植していく。
それによって、生育を促進されたとはいえ、実質は『2歳児レベル』にしか相当しないクローン体の頭脳の情報量を補完し、リゾナンターたちと同等レベルの思考力、判断力をあたえる事に成功したのだった。
帰国後、2年を過ぎたある日、覚醒を控えて眠る9体の『新たな生命体』を前に、都倉博士は高らかに宣言した。
「どうだ、阿久よ! これが俺の『娘』たちだ!!」
「…おいおい… “俺の”娘たちでもあるはずなんだがな…」
苦笑いをしながら阿久博士が言う。
「いや、“俺の”『娘』たちだよ、彼女らは」
にっこりと満面に笑みを浮かべながらも、都倉博士は譲らない。
「やれやれ… 本当におまえにこのプロジェクトを“乗っ取られる”とは思わなかったよ…」
「まあ、お母さん…って柄じゃないしな。…俺も『伯父さん』くらいにはしといてくれよ」
苦笑いをしながらも、阿久博士もうれしそうに都倉博士の肩を叩いた。
717 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 01:41:07.09 0
…それは『都倉 愛』の『クローン』とも言えたが、『都倉 愛』と『リゾナンター』から生まれた、『全く新しい生命体』とも言えた。
それぞれが『異なる成育情報』を移植された、『サイボーグ化されたクローン』。
あるいは、単なる『ガイノイド』ではない、生体とメカの複合体…、『ハイブリッド・バイオノイド』とでも呼ばれるべき存在…。
それが、後にコードネーム『pepper』で呼ばれる事となる、9人の誕生だった。
… … …
「しかし、ここで問題が起こった…」
リゾナンターたちと共に、『pepper』たちを追って国立バイオテクノロジー研究所へと向かうバスの中、説明を続けていた阿久博士はそう言葉を継いだ。
「実は、非常に恥ずかしい話なんだが…、日本では2000年に『ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律』というのが公布されていてね… 要するに簡単に言えば、日本国内では『ヒト』のクローンを作る事が禁じられていたんだ…。 我々はそれを知らなかった」
「ええっ!」
「そうなんですか?」
れいなと小春が声を上げる。
「まあ、私は門外漢だったし、アメリカではそういう規制は無いのでね…。都倉君もいきなり日本で研究所の所長にさせられて、不案内だった所もある」
718 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 01:46:39.99 0
「…それで…、どうなったんですか?」
愛が問い掛ける。
「文部科学省の指導として、彼女らは国外退去を命じられてしまった…。但し、この法律には若干の抜け道があってね。禁止しているのは『胚』を“胎内に戻して”育成、出産する事であり、厳密には彼女らはこの基準にはあてはまらない」
「だからまあ、裁判で争う、あるいはアメリカで国籍を取って再度来日するという方法もあったんだが、どちらもかなりの時間が掛かるし、日本での活動には制約が出てしまう…」
「そこで、私は第3の手法を採ってしまったんだ…。それが間違いの素だった」
「文科省のボンクラどもをごまかすことなんざ訳は無い…。私はいったん彼女等を国外退去させたと見せかけて、彼女等を改めて製作した『通常のガイノイド』として開発を進めたんだ」
「しかし、都倉君には、一時完全にプロジェクトから外れてもらうしかなかった…。残念だがね。その為に彼女等の『能力』についてはとりあえず完全に開発を凍結するしかなかった」
「彼女たちにも…、愛さんのような『能力』はあったんですか?」
さゆみが訊く。
「うむ、やはり強い『能力』は発現していた…。ただ、彼女らの、実際には2〜3年にしかならない経験では、『能力』のコントロールは非常に難しい。そこで、都倉君は最初から『意識下催眠法』により、能力の発現を制御しようとしていた」
719 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 01:48:45.04 0
「これは彼女らに『精神感応』の『能力』もあったからこそ可能な方法だったのだが、言葉がわからなくても、まず『能力』を制御するイメージを根気よく伝えていった…」
「そして言葉がわかる様になってからは、キーワードを用いた催眠暗示によって、メンバー間の微弱な『精神感応』を除き、今は『能力』は完全に封印してある」
「まあ、仮に今急に封印をといたとしても、制御ができない以上、使い物にはならないだろう…。なまじ強力なだけにね」
「彼女らは現場に投入されたなら、必ずや素晴らしい実績をあげる…、それは間違いない。その上で彼女らの素性を明かし、その存在を認めさせてしまおう、というのが私の目論見だった」
「『能力』の開発については、その後あらためて行っても遅くは無い…。そう考えていた。そう…、彼女らにはまだ無限の可能性があるんだよ…」
「しかし…」
と阿久博士は溜息をついた。
「それがまさかこんな事になるとはね…。寺田君の先走りといい、秋元の暴走といい、ダークネスまでが現われるとは…」
「まあ、それももうすぐ終わる…。彼女らも、そろそろ研究所に着いている頃だろう…」
「そういえば、ミッツィー、何か見えないの?」
ふと絵里が、思い出したように言う。
「無事に着くかどうかとか…、見えない?」
「いや、すんません…。それが、全然見えへんのですわ…。『pepper』の皆さんとは、お会いした事が無いからだと思うんですけどね…」
愛佳がすまなそうに答える。
720 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 01:59:40.57 0
「そっかー、知らない人の事は見えないデスネ?」
「きっと大丈夫デスヨ! 決まってマス!」
ジュンジュンとリンリンが元気に話すのを見ながら、愛はふと愛佳の表情が妙に暗い事に気が付いた。
そういえば、『pepper』のメンバーとは面識が無いとしても、里沙に関するビジョンは見えてもおかしくはない…。
(…もしかしたら…?)
愛はスッ… と意識の触手を伸ばし、愛佳の精神(こころ)に触れる。
(…愛佳…)
ハッとした様に愛を見る愛佳を目配せで制し、もう一度心に問い掛ける。
(…愛佳… もしかしたら何か“見えた”の…?)
愛佳は愛の方を見ない様にしながら、心の中で答えた。
(…泣いている里沙さんが見えました…。荒れ果てた場所で…、リンリンによく似た人を抱いてました…)
その時、愛もまた愛佳の精神を通じて、同じビジョンを見た。
瓦礫の中で、里沙が身動きしないLINLINの体を抱いて、号泣していた。
… … …
ちょうどその頃、国立バイオテクノロジー研究所を目前に、里沙とアイたちは、既にわずか20数機となったAK-B40の残存部隊と、三度対峙していた。
721 :
ぺっぱあ:2009/02/26(木) 02:03:07.70 0
>>711-720 以上です。
またしても地味ッ!地味いィィ!! とでも言いたくなるような展開、申し訳ございません。
次回から(少しは)動きのあるストーリーとなります。よろしくお付き合いください。
ミティ様生誕話書けなくてごめんなさい… 朝はあまり寒くしないでね。
722 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 03:17:04.01 0
>>689こと異能力の人です。
実は自分の不注意で残りのストックが全て消えましたorz
規制を防ぐ為に一旦止めたのですが、ショック過ぎる…。
という事で少しだけ間が空きますが、続きは必ず投下します。
ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。
>>710 ぺっぱぁさん
ご心配とご迷惑をお掛けしています。
後ほど拝見させてもらいたいと思います。
723 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 03:41:12.68 0
イパーイ来てるぅ
724 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 04:10:23.17 O
新作たくさんきてるじゃないですか
作者の皆さんお疲れいな
一眠りしてからじっくり読ませてもらいます
725 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 05:09:10.73 O
久しぶりに来たらまだ続いててうれしい
726 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 07:14:42.82 O
いらっしゃいおかえり!
727 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 07:42:04.97 O
( `.∀´)y-~~<はいどーも
728 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 08:51:10.45 0
帰ってきた!歴戦の勇者たちが帰ってきた!
新作乙です!仕事から帰ってきたら読ませていただきます!
729 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 08:53:43.66 O
ミティ様ミティ様おしお・・・ ちげーよ
Wikiにも素敵なプレゼントが!
730 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 09:01:44.83 O
>>721 地味って言わないでー面白いですよ!
最後愛佳の見た情景は信じたくないよぅーリンリーン!!
731 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 09:22:08.52 0
>>689 “魔女”の定義がおもしろいですね
相変わらずの独自路線の続き 楽しみにしています
消えてしまったのはショックでしょうけど それが結果的にいい方に作用することを願っています
>>721 こちらも相変わらずの独自の世界観が魅力的ですね
悲しい“未来”―――すでに胸が締め付けられる思いです
愛が闇を払う日が来るのか 楽しみに待ちたいと思います
732 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 10:39:57.71 O
今日は早く落ちやすくなるのかな?
733 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 11:03:35.45 0
wikiのミティ様の項目がすごすぎる
スレ総括とかもそうだがこういう解説書金出してでも読みたいわマジで
734 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 11:04:28.87 O
美貴誕話はあるのかな
735 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 11:53:04.91 0
wikiほんとすごい!
ただ 現実の情報はなくていい気がするなあ
あくまでこのスレの登場人物としてのwikiだと思うし
736 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 12:27:42.23 O
そうだね そこは自分もいらないと思う
現実話抜いても十分魅力的で厚みのある項目ってことでw
737 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 12:39:33.87 0
>>735 仰る事はわかるんですけど、虚実の兼合いが中々難しいものでして
勿論小説作品がリゾスレの命ではありますが、同時に雑談もスレの活力だと思うわけで
だから雑談で話題になる現実の情報も入れておいたわけです
ただ再読して不要かな?と思う部分は削除して、再編集しておきました
あとは今日中に登場作品の部分を充実させておきたいものです
738 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 12:52:44.84 O
でもこのスレに来る人はミキティ基本情報なんて知ってるでしょ
加入脱退時期とかは本物のWikiでわかるし
今までの人物情報もリゾスレ的情報だけだよ
739 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 13:11:57.31 0
有志で書いてくれてるウィキナンターに偉そうな態度を取る意味がわからん
あれほどの項目編集にどれだけ時間と労力を要するか考えた方がいい
740 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 13:18:57.61 O
>>737 なるほど再編された分を読んで言わんとすることはよく分かりました
難しいとこですね確かに
こういう部分もこのスレの魅力なのは間違いないわけですし
反面
>>738さんの意見も尤もだと思いますし…
741 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 13:30:17.76 O
偉そうではないと思うし
そこまで保護するのも変な話だ
みんなのものなんだから話し合うのは当然じゃないか
もう少しこう考えを柔らかくいけないかね
742 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 14:33:24.82 0
>>738 どうも737です
>でもこのスレに来る人はミキティ基本情報なんて知ってるでしょ
ごもっともです
自分の737での書き方もこれなら問題ないだろという独善的なものでした
反省しております
頂いたご意見を参考に再編集に努めたいと思います
ただ事実と虚構を行ったり来たりする書き方が自分の持ち味なので、
あるいはまた目に付く箇所があるかもしれません
その際にはまとめサイトのしたらば掲示板の方にご意見を戴ければと思います
743 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 14:45:43.61 0
いいね色々議論があって
744 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 14:49:26.07 0
>>739だが俺の考え方こそ独善的で甘かったということか
すまんかった
745 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 16:06:02.01 0
サボティの話の完結編も楽しみだけど
禍刻版のミティも今日投下の予定でしたね
読む側からすればラッシュは大歓迎だけど上げる方は大変でしょうね
746 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 16:54:26.66 O
>>745 おー 覚えていただいていてありがとうございます
ただ…同じ藤本さん視点のサボリンさんの話の間に割り込みたくないので
誕生日は過ぎちゃいますが明日の手が空いた時間帯にでも上げたいと思います
勝手言ってごめんなさい
747 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 17:53:30.05 0
私も藤本さん視点で書いてみたのですが
今日は楽しみがぎゅうぎゅう詰めみたいなので明日以降にしますw
投下ラッシュうれしすぎる!正座してまってます
美貴ちゃんハピバー!
748 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 18:15:57.48 0
人智を超えたものを望むのであれば、己が人であることを忘れねばならない。
得難きものを得るために、人の心を捨てた。
得難きものを得るために、人の温もりを消した。
得難きものを得るために、人を名乗るのを、やめた。
もはや体は抜け殻。
何より強い願望と誰より鋭い眼光だけが凍てついた。
他人にかける“情”なんて、これっぽっちも残っちゃいない。
業火に焼かれてのたうち回る者には、嘲りの声を。
濁流にのまれて手を伸ばす者には、蔑みの視線を。
その女、残忍にして無情。
749 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 18:16:52.73 0
>>748『冷酷無情』
1レスものだからいい…よね?
ご生誕おめでとうございます
750 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 18:34:41.35 O
>>749 今回のもかっこいいですね!
同時に「得難きもの」を明確にしないことでどことなく悲しさも内包してるのが素敵です
あ 自分が割り込みたくないのは純然たる自分の都合ですのでー
751 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 19:18:38.84 0
サボちゃんは作品なんて書いていない
サボちゃんの中の人が書いてるんだ トイウコトニシトイテ
今日は早く帰ったんで20時半目標で行きますぜよ
752 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 19:47:33.70 O
753 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 19:49:25.27 0
ちょっと見ないうちに沢山来てるな
754 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 20:30:13.23 0
* * * * *
「ミティ様からこちらにいらっしゃるなんてめずらしーじゃないスか」
「…頼みがあって来た」
「へぇ?」
ミキは施設に戻ると、真っ先に金髪の部屋を訪れた。
そこには、なぜかマルシェも一緒にいた。
金髪は片方の眉を上げて面白そうにミキの顔を覗き込む。
マルシェはそれを見て、何か複雑そうに表情を変えたのがわかった。
「ミティ様からの頼みって、なんなんでしょーか」
金髪はゆっくりと立ち上がって、ミキの前にゆらりと歩み出た。
覚悟は、もう決めてある。
「斬ってくれ」
任務を放棄して逃げてきた哀れなこの魔女を、お前の手で斬ってくれ。
亡骸はどこへでも捨てておいてくれていい。
そう言うと、それまでヘラヘラしていた金髪はすっと表情を変えて、
背中の長剣を鞘から静かに抜き取ると、ミキの正面で構えた。
「…承知しました、お望みの通りに」
金髪は、静かに答えた。
755 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 20:30:57.25 0
金髪に刃先を向けられ、ミキは目を閉じた。
「吉澤さ…、やめてっ…、ミキちゃん…!!!!」
マルシェ、いや、紺ちゃんが泣き叫ぶ声が耳に届く。
紺ちゃん、あんたはこんなミキにいつも優しくしてくれてたね。
ミキもあんたのことは絶対に憎めなかった。
でも、なんかミキの変なプライドが邪魔してて、ここじゃうまく話もできなかった。
昔ほどかわいがってあげられなかったのは心残りだよ。
でも、早く弁当くらい、1人で決められるようになれよ。
金髪…、いや、よっちゃん。
まさか、あんたにこんな最期を見せるなんて思ってなかった。
何でも話せた親友。何でも分かち合えた戦友。
ダークネスに降り幹部になった自分と、
ダークネスに捕らわれながらも光を捨てなかったあんたと、
その違いがいつの間にかお互いの立場を崩して、壊して、
昔みたいにじゃれ合うこともできなかったけど、
今、この役目を頼んで、改めて気づかされた。
心のどこかで、ずっとずっとずっと頼りにしてたんだと…。
そして…
リゾナンターたち。
アイツらのせいで、いや、アイツらのおかげで、
きっと、ミキは今、忘れ去っていた正義のために死を迎えようとしている。
ミキの中に蒼き正義のカケラが残っていたのだとしたら、
きっとそれは、本当の蒼き正義を壊さないための正義なのかもしれない。
756 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 20:31:46.42 0
タッ、と短い音を床に残して、長剣の戦士は動いたようだった。
覚悟は決めたくせに、身体がこわばる。
鋭い刃先が空気と触れ合う音が、ミキの耳に微かに届いた。
そして、剣が空中を舞う音。
風が駆け抜けて、意識を手放す。
これで、終わりだと。
思い残すことなく、ミキは、魔女・ミティとして、ここで果てられると。
そう思った。
…思った? あれ?
757 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 20:32:52.48 0
長剣が鞘に吸い込まれる静かな音を聞いて、恐る恐る目を開いた。
辺りの様子は、さっき目を閉じる前と何ら変わりがない。
何これ? ミキ、もう死後の世界に来ちゃってる?
その割には空気とかえらいリアルなんだけど?
身体透けてないし、足もあるし…、って、これ…?
「…ミティ様は、理由はどうあれまだ死んじゃいけないんじゃないっスかねぇ」
見事なまでに黒いローブは切り裂かれ、痛みを感じない程度に皮膚に傷もついていた。
一見、激しい戦いを繰り広げた後のように。
ミキは、まだ生きている。ボロボロに姿を変えて、どうやら生きている。
金髪を揺らしながら、よっちゃんは振り返った。
そしてこの2年間、聞くことの出来なかった口調でまくし立ててきた。
「ってかさぁミキティ、アンタ別にリゾナンターに殺意は持ってないんだろ?
確かにあのメンバーは、お互いがお互いをライバルとして認めている。
そんなライバルを越えた関係に憧れてただけなんだろ?
ミキティはリゾナンターを愛しきれないことに負けただけなんじゃねーの?
ライバルに勝てない自分から逃げ出したかっただけなんじゃねーの?」
出会ってきたリゾナンターの顔が一瞬で頭に浮かんでは消え、ミキはぐっと拳を握りしめた。
言葉が出ない。悔しいけど、たぶん図星だった。
自覚なんてしてなかったけど、きっと、よっちゃんの言うとおりなんだ。
崩れた仲は、ミキに対してよっちゃんに敬語を使わせていた。
ダークネスの中で歪んだ上下関係が生まれていても、
よっちゃんは、対等な目線の親友のまま、的確にミキの心の中を見抜いていた。
758 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 20:33:35.83 0
「ダークネスの魔女であることも大事だけど、
ミキティがミキティであることももっと大事だと思うんだけどな」
「う、うるさいっ!
お前なんかに…なにがわかるっ!!!!」
プライドをズタズタにされて、ミキは部屋を飛び出した。
きっとそのプライドは、ミキがずっと目をそらしてきた部分で、
ずばり声に出して指摘されると、それはとんでもなくどうしようもないことだった。
ミキがミキでいること。そんなの、当たり前だ。
でも、ミティはダークネスの魔女。誰もが恐れる闇を纏う魔女。
誰よりも気高く、強く、美しく、そうあるべきだと思ってきた。
でも、そんな必要はどこにもなかったのかもしれない。
自分の部屋に戻ると、ミキはベッドに突っ伏した。
このままダークネスの幹部として、生き続けてもいいのだろうか?
それとも自ら命を絶って、逃げた罪を償わなければいけないだろうか?
窓の外にはまだ三日月があった。
さっきよりはだいぶ傾いているけど。光はまだ、失われない。
「闇の中に輝く光…、か」
よっちゃんの言葉が思い出される。
あの時は何を言ってやがると思ったのに、まったく、どうしてこんな…。
ミキは、ひとつの決心を胸に立ち上がった。
759 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 20:34:26.14 0
「…リゾナンターは、あまりにも強大な組織でした。
おそらく、私ひとりでなく隊員を引き連れたとしても、
今のままでは、結果は同じだったでしょう―――」
ミキは、そう報告した。
血だらけの右足を引きずりながら。
ダークネス様はそんな芝居に気づいていたのか、ただ見逃しているだけなのか、
何も言わずにその報告を聞いていた。
でも、その報告もたぶん、そこまで嘘じゃない。
きっと今のミキが飛び込んでいったところで、リゾナンターに勝てた気はしない。
心が、もう負けていたから。
あんな心理状態で、9人がそろって士気の上がる彼女ら相手に、勝算はない。
ただ何も得るモノもなく逃げ出して、なお無傷であることは恥ずかしかった。
だから自分への戒めのために、右足を魔力で打ち抜いた。
まだ、蒼い色の氷で。蒼き正義の色で。
蒼に傷つけられた足は、ひどく痛んだ。
朦朧とする意識の中で、これはミキが負わなきゃいけない罰であり試練だと思ってた。
この痛みを乗り越えれば、きっとミキをひとつ強くするのだろうと信じて…。
いろんな顔が思い浮かぶ。
なぜだろう。今日はずっと、こいつらの顔ばっかり頭の中で見てきた。
忘れていたようで忘れていなかった…、蒼き戦士たち。
ミキは、まだ、やっぱり、心の、どこか、で……
通路に血溜まりを作りながらやっとの思いで自分の部屋に戻り、
…ドアをくぐったところで、もう、意識が途絶えていた―――。
760 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 20:35:18.77 0
* * * * *
『あーし、美貴ちゃんにこんな力使いたくないんやで?』
愛ちゃんがミキに向けて、手のひらをかざしていた。
でも、攻撃を仕掛けてくる様子はない。
ミキは本気だった。愛ちゃんにその気がなくても、ミキは攻撃するつもりでいた。
勝てると思っていた。圧倒的な力の差があると思っていた。
名実ともにトップであることが、ミキをさらに強くするんだと。
『ミキは愛ちゃんに勝って、リゾナンターで一番の戦士になるっ…!』
ミキはありったけの力で、氷の槍を愛ちゃんに浴びせた。
小さな身体に次々に降り注ぐ刃物は、あっという間に彼女の姿を氷の中に閉じ込めていた。
味方を傷つけられない優しさは、時に脆さを生み出して人を弱くさせる。
その弱さを打ち破れない限り、戦士は、前に進むことなんてできない。
…ミキは、そう考えていた。
『…この、わからずやああああああああっ!!!!!!』
鼓膜を揺るがすような叫び声が上がり、
同時に生まれた光の束は、瞬く間にミキの氷を彼方へと消し去っていく。
まばゆい光を背負って現れた愛ちゃんは、
怒りとか、憎しみとか、あらゆる感情をその表情ににじませながら、
悲しげな視線と、光に包まれた右手をミキに向けた。
『…美貴ちゃん、アンタはリゾナンター失格や』
761 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 20:36:06.80 0
頬に熱い痛みを感じる。そっと触れると血がにじんでいた。
まさか、いつの間に、その光で…?
『…この光は、光の力は、誰かを傷つけるためのモンやない…。
大切な人を守り、助ける力なんやってあーしは信じとる』
愛ちゃんは一歩一歩、ミキに近づいてくる。
その瞬間、ミキは光の力の前に屈したと、この人には勝てないとハッキリと認識した。
『リゾナンターも同じや。
支え合いながら成長して、弱いところを補い合って強くなるんやと思っとる。
…決して、自分勝手な想いで、人のことを傷つけたりなんてせん!』
愛ちゃんが叫ぶとミキの足元が白く光り、次の瞬間には地面に大きな穴を開けていた。
『…もう、「リゾナント」に戻ってこんでや…』
彼女はその場から姿を消し、そこにはミキと瓦礫だけが残った。
…ミキは、高橋愛に、光の力に勝つことができなかった。
ただ、彼女に負けたくないという純粋だった想いは、
少しずつ歪んで、越えられない壁を見せつけられてねじれた想いに変わった。
自分がリゾナンターであることは、どうでも良くなっていた。
高橋愛に勝ちたいと、そればかりが頭を支配していた。
蒼が嫌いになった。蒼い戦士たちが嫌いになった。
気ままに動くことを好むミキには、元々共鳴なんて邪魔だったんだと、そう思うようになった。
全て、自分にそう言い聞かせるように―――
蒼の色なんて、何もなかったことにするために―――
762 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 20:36:52.41 0
* * * * *
「……ん……?」
目が覚めると、そこは相変わらずミキの部屋だった。
部屋にたどり着いた記憶はある。その先の記憶はない。
けど、ミキは今確かにベッドの上で、規則正しい向きで横になっている。
「…夢…?」
妙に懐かしい夢を見たような気がする。
懐かしくて、でも苦しくて切ない記憶。
ミキがリゾナンターを離れ、ダークネスに落ちるまでの過去。
ミキは、力だけで愛ちゃんを越えようと思っていた。
今のリゾナンターは、どうやらそうじゃないらしい。
力だけじゃなくて、揺るがない絆と想いと共鳴があって初めて、拳を交わせるらしい。
そんなようなことを、いつか紺ちゃんに聞かされたのを思い出した。
彼女なりの研究の成果だって言ってたかな。
きっと、そこには自分の体験も含まれているんだろう。
そう考えると紺ちゃんがあんなにも必死になってミキを止めたのもわかる気がする。
ダークネスの幹部になって、共鳴なんて力こそなくなってしまったとはいっても、
大切な絆ってのがきっと、残っていたんだろう。
そしてミキにも、ほんのわずかだけど残っていたからこそ…、
リゾナンターを殺すことなんてできなかった、と。
763 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 20:37:38.19 0
「…わっかんねーなー…」
いくら頭でいろんなことを考えていても、
自分の本当に本当の本音なんて、意外と身体の奥底に埋まってるのかもしれない。
それが何のきっかけで顔を出すのかなんて、わかんないもの。
寝返りをうったミキの目に留まったのはあの時手渡された指令書。
それで思い出した。
ミキ、自分の足を撃ち抜いたんじゃなかったっけ?
はっとして触れてみた右足には、痛みはまったく残っていなかった。
ベッドから抜け出して見てみると、包帯こそ巻かれていたけど、傷は残っていない。
立ち上がってみて、机の上に小さな手紙も置かれていたことに気づいた。
開けてみると、そこには懐かしい丸っこい文字。
“ミキちゃんのバカ!
ムチャなんてしないでよ!
ミキちゃんが死んじゃったら困るんだからね!
…でも、ワガママなお願い聞いてくれてありがとう。
そのケガは、ミキちゃんが目を覚ます頃には治るように、
私がちょっとおまじないをかけておきました。 Asami.Kon”
…ミキはこんなにも紺ちゃんに心配されてたのかと、ちょっと驚いた。
これもどこかに残ってた、蒼の絆と絆の生み出した何かなのかな。
そういえば、紺ちゃんに「ミキちゃん」なんて呼ばれてから何かが変わっていった。
たかが呼び方ひとつなのに、こんなにも人の心を揺さぶってしまうのか。
764 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 20:38:22.30 0
「…なんか、なんだかなぁ…」
それにしても、とミキは苦笑いするしかなかった。
共鳴することを忘れ、孤独であることに誇りさえ感じながら生きてきた。
正義なんてカッコイイ言葉は捨てて、邪悪な感情のままに生きようとしてきた。
なのに、やっぱりミキはどこか、そうはできないところがあるらしい。
「蒼き正義に共鳴せよ…、か」
ミキがまだリゾナンターだった頃、口にしていた言葉。
この言葉ひとつで、メンバーもひとつになれる。
自分のお守りのように繰り返してきたフレーズは、
今、ミキの中の何かを壊さないように、静かに守ってくれたみたいだ。
「もう、仲間ってわけじゃないけどね…」
ダークネスの幹部として、リゾナンターは倒さねばならない相手。
ミキにとっては、越えなければいけない相手。
ヤツらを越える前に、ヤツらに死なれても困るしこっちが死んでも困る。
指令を理由に殺すとか、意表を突いて殺すとか、そんな半端な動機はやめよう。
その時は、殺るか殺られるか。
ダークネスの魔女・ミティとしての威厳を胸に覚悟を決めて、
ミキはミキとして、正々堂々と手合わせしてみたい。その方がいい。
その方が、勝ったって負けたってきっと気分がいい。
ミキのプライドのひとつは、よっちゃんにボロボロにされた。それは、それでいい。
ミキのプライドのもうひとつは、悔しいけど蒼き正義に守られたんだ。
765 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 20:39:10.73 0
窓から見えた空は、雲ひとつなく晴れていた。
朝の太陽がミキの顔を照らす。
どこまでも続く青空に未来を託したこともあった。
今はその青さが過去を連想させるようで、もう見るのも嫌だって思ったりしてた。
「…くっそー、眩しいな」
太陽の光が、ミキの何かを照らしたような気がする。
まだまだ、ミキにはやらなきゃいけないことがたくさんある。
光に導かれようとしてるなんて、ミキも、まだまだ甘っちょろいな。
「…待ってやがれ、青空め」
真新しい黒のローブに着替えて、青空へと飛び出す。
何か、ミキ、ちょっとやる気出てきたみたい。
光も、蒼も、闇も、黒も、全てをミキの力に変えて。
いつか必ず、リゾナンターを越えてやる。
待ってやがれ、蒼き戦士たちよ。
―――『BLUE PROMISES 番外編 −Darkness has BLUE−』 Fin.
766 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 20:40:24.81 0
>>754-765 ということで『BLUE PROMISES 番外編 −Darkness has BLUE−』でした
なぜか超難産でしたけどもw
投下してから気づいたミスとかもあるんですけどw
楽しんでもらえたら幸いです
ダークネスにも正義はある、そんな想いを書きました
あとがきとかはまたどこかで書きたいと思います
どうもありがとうございました!
767 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 21:28:40.18 0
更新乙です
サボティさんらしいシリアスだけど温かい作品ですね
連日の更新お疲れ様です
768 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 21:51:04.50 0
>>766 いやぁ〜・・・凄く感動しました。
ミキが好きになりました。
正直、もっと読みたいって思いました。
なんか、また書いて欲しいなぁ〜・・・心底思うわ。
とにかく乙でした!
769 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 22:30:19.72 0
ダークネスが元リゾナンターって設定もなんか久しぶりだった気がするね
乙でしたー
770 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 22:39:33.98 0
>>766 何かすごく良かったです 面白かった
ダークネス側の見る目ががらんと変わりました
>待ってやがれ、蒼き戦士たちよ。
ここいいですなぁ
771 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 22:51:16.73 0
何でこんなにミティの作品が多いのかと思ったら
今日は中の人の誕生日だったわけか
772 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 22:53:51.06 0
>>771 _, ,_
川VvV)<あぁん?今さらだと?
773 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 23:08:05.10 0
>>770 乙でありますた
正直、序盤は無理をしてミティ様に乱暴な言葉遣いをさせてるかなと思いましたけど
最後の「…待ってやがれ、青空め」は何かこちらの心にすっと入り込んできました
愛ちゃんとの経緯とか結構斬新な設定で面白かったです
サボティの書く単発ものや1レスものも魅力的ですが、『BLUE PROMISES』の世界観の上に
成り立つ作品もそれ以上の魅力があります
書き手としての新作にも期待してますが、まずはまとめちゃんモードですねw
774 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 23:13:13.40 0
もはや誕生日にはそのメンバーの作品が投下されるのが慣例になりつつあるからね〜
次の誕生日が一番近いのは来月のリンリンだね
775 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 23:21:28.10 0
確かに「…待ってやがれ、青空め」には痺れたね
776 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 23:30:24.03 0
せっかく早めに上げていただいたので『禍刻』の藤本美貴Ver.を日付が変わる直前辺りから始めます
この注意書きを入れると10レスを越えてしまうので今のうちに予告だけすみません
※注意
・単発の読み切りです
・能力等の設定は踏襲していますが異質な世界での話です
・やや残酷な描写を含みます
・不快に思われる方はスルーをお願い致します
*ある作者さんの作品にリゾナントさせていただいています
777 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 23:49:04.37 0
778 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 23:55:20.08 0
没しかけた陽が妖しく彩る潤朱(うるみしゅ)の空に、糸のような繊月が浮かんでいる。
物憂げにその細い月を見上げながら、藤本美貴は深いため息をついた。
氷の魔女――しばしばそう呼称される美貴を指して、「月を統べる冥府の女神・ヘカテーを思い起こさせる」とかつて言った者がある。
青白く冷たい光を放つ月を司る冥府の女神――それが冷酷な氷の魔女のイメージと重なった故かもしれない。
そのこと自体は、別にどうでもよかった。
他人からどう思われていようと、自分にとって自分は自分でしかないのだから。
だが、冥府の女神を介してとはいえ、自らが月に擬えられたことには微かな心の揺れを感じずにはいられなかった。
美貴にとって月は、不思議なシンパシーを感じさせる存在であり、憧れであり――それらと同じくらいに嫉妬の対象でもあったから。
何故なら―――
「どこに行く気ですか?藤本さん」
不意に思索を遮る声が背後から聞こえ、美貴は緩慢な動作でその視線を空から自分の後方へと移す。
そこに立っていたのは見知った一人の女、そしてその部下と思しき銃を携えた十数人の姿だった。
「さあ?別にどことかは決めてないんだけど」
女が発した言葉の意味を十分に分かっていながら、美貴は質問されたことにそのまま答えた。
何かを言いかけた部下を制し、女は静かに質問を重ねる。
「あなたは組織を抜けるつもりなんですね?それが何を意味するかを知りながら」
先ほどの遠まわしな物言いから一転した直截的なその質問に、美貴は微かな笑みを浮かべながら肯いた。
「まあ――そういうことだよね」
779 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 23:56:56.49 0
美貴のその答えと同時に部下が一斉に銃を構え、照準を美貴に合わせる。
「理由を聞かせてもらえますか?」
一触即発の空気の中、冷静な口調で女がさらに質問を重ねる。
その有無を言わせぬ視線に対し、美貴は軽薄な笑みを湛えたまま答えた。
「あの組織は美貴の求めるものを与えてくれなかったから・・・ってことかな一言で言えば」
「充分すぎるほどの待遇だったと私は思いますが」
「待遇の話をしてんじゃないから。美貴が必要とするものがあそこでは得られなかったっつってんの」
「あなたが求めるものとは何なんですか?」
「あんたに言っても意味ないし」
「私にはあなたに答えてもらう必要があります」
表情一つ変えずに我慢強く質問を重ねる女に、美貴はやれやれと肩をすくめた。
女は黙って答えを待っている。
「仕方ないな」という表情を女に向け、美貴は言った。
「今日さ、美貴の誕生日なんだよね」
その巫山戯た答えを聞いて色めき立つ部下に黙るよう指示すると、女は無言で続きを促す。
「誰でも年に一度誕生日が来て――そして一つ齢をとるわけじゃん?美貴にはそれが耐えられないんだよね」
「・・・意味がよく分からないのですが。それは当たり前のことではないですか?」
「その当たり前に限りある命が我慢できないって言ってんの」
「つまり不老不死――それがあなたの望むもの・・・そういうことですか?」
「そう、美貴は永遠が欲しい。永遠の命が。いや、手に入れなくちゃならない。何に代えても」
一瞬どこか遠くを見るような目をした美貴に、女はほんの少し憐れむような表情を覗かせながら言った。
「・・・これが最後の質問です、藤本さん。組織に戻るつもりは?今ならまだ今回の件は不問にできますが」
780 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 23:58:30.57 0
いくつもの銃口が向けられる中、静かに発せられたその“最後通告”に、美貴はやや面倒そうに応じた。
「だからさっきから言ってんじゃん。美貴の欲しいものはあそこにはなかった。ただそれだけ。戻るも戻らないもない」
場の緊張感が急激に高まる。
「・・・分かりました。では残念ですが、私は命令を実行せねばなりません」
「ふ〜ん。命令って?」
返ってくる答えは分かりきっているにも関わらず、美貴は面白そうに問い返す。
「『連れ戻せ。それが不可能ならば殺せ』――私の受けた命令です」
女もまた、美貴が分かりきっていることを承知でそれを口にした。
冷静な表情や態度は変わらないが、先ほどまでとは明らかに纏う空気が違っている。
「何もそんなくだらない命令に従って死ぬことないと思うけどな」
揶揄するように、美貴は女に挑発の言葉を投げかける。
だが、女はあくまで冷静に言葉を投げ返してきた。
「死ぬのはあなたの方です。藤本さん」
「あっそう。一応忠告はしたからね」
「あなたは確かに優れた能力者です。ですが・・・能力には相性というものがあります」
「相性ねえ・・・あんたは“発火能力(パイロキネシス)”だったっけ」
「そうです。すなわちあなたの能力にとって最も相性が悪い相手・・・そうでしょう?」
「そうかな?美貴は別にそうは思わないけど。ってか大体美貴の能力をちゃんと知ってんの?」
「“氷使い”――でしょう?あなたほど有名な人もそうはいませんよ」
「それって“美貴の能力を知ってる”って言えんの?そんなアバウトな認識で本当にいいわけ?」
「十分です。あなたの戦い方のデータは収集済みですから。あなたの“氷”は私の“炎”には通用しません」
「なるほど。じゃお手並み拝見といきますか」
781 :
名無し募集中。。。:2009/02/26(木) 23:59:40.20 0
その言葉が終わらないうちに、空気を引き裂くような音を伴なって美貴の周囲に鋭く尖った氷柱が幾本も浮かぶ。
浮き足立ちかけた部下を一喝すると、女は美貴の方に半歩踏み出した。
「無駄ですよ、藤本さん」
一斉に飛来した氷の矢に相対した女の手元から、小さな火球がいくつも放たれる。
赤く燃え盛るその火球は正確に全ての“矢”を捕捉し、瞬時に蒸発させた。
「やるじゃん。じゃあこれはどう?」
ニヤリと笑った美貴の正面に、先ほどとは比べものにならない大きさの氷柱が現れる。
だが、その巨大な氷の槍を見ても女は顔色一つ変えなかった。
先ほどと同じように高速で飛来するそれに対し、女は素早く手をかざして炎を浴びせる。
二者が接触したと思った瞬間、“槍”は“矢”と同様激しい音と共に真っ白な蒸気と化した。
「・・・ふ〜ん、言うだけのことはあるね。じゃ、これなら?」
「今度は3本ですか?数が増えたって同じことですよ」
その言葉通り、飛んできた3本の“槍”を、女は先ほど同様一瞬でこともなげに蒸発させる。
「ぁあっ・・・・・・!」
「ぐぇ・・・・・・!」
だが――その瞬間、背後の部下たちから突然悲鳴が上がり、女は反射的に振り返る。
そこにあったのは惨状だった。
半数以上の部下が頭を・・・胸を・・・全身を撃ち抜かれ、色んなものを撒き散らしながら今しも倒れようとしている。
「どうして・・・!?」
信じ難いその光景に、女は自分の目を疑った。
782 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 00:01:32.33 0
一瞬後、自分が致命的な隙を見せたことに気付き、女は慌てて美貴の方に向き直った。
だが、美貴は隙を見せた間に攻撃することはせず、ただ悠然と笑みを浮かべて立っている。
背後で部下が倒れるドサリという音、粘り気のある液体が飛び散るビチャリという音がいくつも聞こえてくる。
「あれ?これはあんたの収集したデータとやらにはなかった?おかしいな」
嘲るような美貴の言葉に対し、女は黙って唇を噛んだ。
極小の氷の粒を無数に飛ばし、広範囲を攻撃する“氷の散弾銃”――当然知っていた。
だが――
「あんたは“槍”だけに気をとられてた。その前の攻撃を防御したときの水蒸気で視界が狭まってることにも気付なかった」
女がすでに嫌というほど理解していることを、美貴はわざわざ蔑むように口にする。
「初めから分かっていればあんな攻撃を防ぐくらい・・・・・・!」
「そっか、分かってなかったんだから仕方ないよね。そのせいで何人か部下が死んじゃったわけだけど」
「ぐっ・・・・・・」
「でも気にしなくていいよ。美貴に銃を向けて死なずに済むと思ってるヤツがバカなだけだから」
「貴様ぁっっ!!!」
「やめなさい!」
女の制止よりも一瞬早く、激昂した残りの部下が一斉に美貴に銃口を向けて引き金を引く。
制止が間に合わなかったことを知り、女は瞬間的に防御の体制をとった。
“氷の防弾壁”――美貴のそれは、ただ銃弾を弾くだけではなく、対象者に跳ね返すことができることも知っていたから。
「・・・・・・!?」
だが、跳弾は飛んではこなかった。
いや、それどころか―――
783 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 00:03:02.41 0
美貴は見下したような笑いを浮かべたまま、その場に悠然と立っていた。
防御することすらしていない。
「すり抜けた――?そんなバカな――」
信じられないが、そうとしか思えない。
一瞬、その姿が不自然に揺らめいた気がしたときには、すでに全ての弾は美貴の背後に飛び去っていた。
「これは一体・・・・・・?」
女が美貴を睨みつけたとき、またしても背後で断末魔の声があがる。
振り返った女が見たのは、寒気を禁じえない光景だった。
先ほどの“散弾銃”によってすでに絶命し、倒れ臥していた部下から溢れ出た鮮血――それが形作る無数の血だまり。
そこから幾本も伸びた“血氷の槍”が、銃を構えたままの残りの部下たちの全身を貫いている。
その凄惨な光景が、冷酷な氷の魔女によって作り出されたことは明白だった。
――藤本美貴は想像以上に手強い能力者だ―――
女は、自分が知らず油断していたことをようやく悟った。
相手は単に能力に任せて力押しするだけの単純な能力者ではない。
「氷の魔女」の異名に違わず、怜悧で、冷静で、そして冷徹―――
それに―――
まだ何か得体の知れない力を隠している。
先ほど銃弾がすり抜けたのは目の錯覚ではない。
何かある。まだ何か―――
背後で部下たちの倒れる音が聞こえたとき、すでに女は冷静さを取り戻していた。
そして、その冷静ささえ失わなければ、自分が負けるはずがないことを改めて確信していた。
784 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 00:04:35.96 0
「へえ。なんか雰囲気変わったじゃん。部下を全部殺されて頭にきた?最初からそうやって向かってくればあの人たちも死ななかったのに」
軽い口調ながら冷え冷えとした声で、美貴は女を嘲笑う。
「私が重大なミスを犯したのは確かです。でももう挑発には乗りません」
「なんだ残念。やりづらくなっちゃったな」
「私は少しあなたを見縊りすぎていました。ここからは・・・・・・全力でいきます。あの人たちの仇は取らせてもらう」
「全力かぁ・・・じゃあ面倒だけどこっちも本気出すしかないな」
「最初にも言いましたが、あなたの氷では私の炎は絶対に防げません。防御壁ごと一瞬で焼き尽くして差し上げます」
「ふ・・・・・・すごい自信じゃん。けど―――あんたの負けだよ」
美貴の顔に浮かんだその凄みのある笑顔に向け、女は自身の“発火能力”を全力で放った――――いや、放とうとした。
だが―――
「な・・・・・・っ!?」
――炎が出ない?―――能力が・・・発動しない!――何故――っ?
狼狽する女の周りで、ピシッピシッ――と空気が音を立てている。
その音に混じって美貴のどこまでも冷たい声が響く。
「『引火点』って言葉は知ってる?パイロキネシストさん」
「引火・・・点・・・・・・?」
笑顔のまま発せられる美貴の言葉を、女は呆然と繰り返す。
「まあものすごく乱暴に言うと、ある可燃物に着火できる最低温度のこと――って感じかな」
「最・・・低・・・温度・・・?」
「ま、要は物が発火して燃え続けるには一定の温度以上が必要になるってこと」
「一・・・定・・・温度・・・以上・・・・・・ま・・・さか!?」
「そう、あんたの能力の『引火点』をすでに下回ってるんだよ、周りの空気の温度がね」
785 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 00:06:31.67 0
言われて初めて、女は自分の体が異常なまでに震えていることに気付いた。
歯の根もまるで合っていない。体がいうことをきかない。
「本来、発火源も可燃物質もないところに火を熾すのが“発火能力”なわけだけど・・・・・・」
最早、喋ることすらままならなくなってきた女に対し、美貴は一人話し続ける。
物が燃えるには「可燃物質」「酸素」「発火源」の三要素が必要となる。
酸素は空気中にいくらでもあるから、その場にもし可燃物質があれば“発火能力者”はそれに“発火”するだけで炎が発生する。
だが、先ほどのように何もない空間に炎を継続的に発生させようとすれば、何らかの媒介が必要となる。
その際に“発火能力者”が媒介とするものは、言うまでもなく自身のエネルギー――すなわち“能力”そのもの。
故に、炎の強力さは“発火能力者”各個の資質に大きく左右される―――
「それと同時に、『引火点』みたいな“発火条件”も能力者の資質に大きく左右されるってわけ」
「引火点」は、エタノールなら約13℃、ガソリンなら約−45℃、キャノーラ油なら約300℃程度―――
空気と混合された揮発性の可燃液体に火をつけるためには、物質ごとに一定の温度以上が必要となる。
「まあそれとは若干意味合いが違うけど、要は自分の資質を越えた低温での“発火”はできないってこと。つまり簡単に言うと・・・」
美貴はいったん言葉を切ると、完全に体温を奪い尽くされて青白い無表情をさらす女に笑いかける。
「あんた程度の資質では、美貴の能力には遠く及ばないってことだね」
女の目がほんの微かに動く。
「まだ意識ある?あんた最初に相性がどうのこうの言ってたじゃん?あれは確かに正しいよ。だって・・・」
その目を覗き込むようにしながら、美貴は静かに頬笑んだ。
「あんたの能力にとって、美貴の“熱掌握能力(ヒート・ルーリング)”は相性最悪の相手だし」
786 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 00:08:06.17 0
そう言うと同時に、美貴は能力を完全に解き放つ。
美貴の言葉を聞いて僅かに目を見開いた表情のまま、女は文字通り完全に凍りついた――
「みんな勝手に美貴の能力を“氷使い”って思ってるけど、美貴はそんなこと一言も言ったことないよ」
微動すらできなくなった女に向かい、美貴は一人話し続ける。
美貴の能力である“熱掌握能力(ヒート・ルーリング)”――は、その名の通り大気中の“熱”を支配するチカラ。
それは、大気中の水蒸気を冷却して生み出した氷柱を、熱膨張させた空気の圧力により自在に飛ばすことのできる能力。
また、著しく温度の違う空気の層を発生させることで、鏡映蜃気楼を作り出して自身の虚像を映し出すことのできる能力。
そして・・・低温により対象者の生命活動を妨げ、氷にした水蒸気を一ヶ所に集めることで“氷の棺桶”に葬ることのできる能力―――
「美貴がいつも氷を使うのはね――美貴にとって“氷”が特別だから」
シベリアの永久凍土は、数万年前に生きていたマンモスの姿をそのまま現代に伝えている。
そう、氷は永遠を運んでくれる。
「氷の魔女」は、いつかその名の通り、本物の永遠を手にするのだ―――
今や完全に漆黒に覆われた空に浮かぶ極細の月を見上げ、美貴は改めてそう誓う。
数十億年の長きに渡ってこの地表に光を投げかけ続けているあの月のように、自分も永遠を手に入れる。
そして――“彼女”が生まれ変わって自分の前に現れる日を待つのだ。
ずっと――ずっと――――
視線を戻した美貴は、再び能力を解放する。
ガシャン―――
急激な温度変化に耐え切れず、“氷の棺桶”は中に入った人間ごと粉々に砕け散った。
人間の歴史(すべて)を見てきた空の月だけが、ただ静かにその光景を見下ろしていた―――
787 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 00:09:28.90 0
>>778-786 『禍刻X―Witch like an icicle―』 / featuring Miki Fujimoto ― Murderous Freezer(残忍な“冷凍者”)
以上です
注意書きのところで挙げた“ある作者さんのある作品”は すでにお分かりでしょうけれど [Darkness](21)186『叶わぬ願い』です
(※もちろんのこと“同一人物”というわけではなく あくまで設定やテーマをいただいただけです)
ないやいさん ありがとうございました
そして藤本美貴さんお誕生日おめでとうございま・・・したw
788 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 00:18:52.03 0
いやー面白かったです
相変わらず語彙が豊富でうらやましい
恐怖のミキティの本領が多彩な言葉で綴られ発揮されていく様がぐいぐい読み手を引き込みますねー
禍刻シリーズというダークな世界観が冷酷な氷の魔女に凄くマッチしていると感じました
789 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 00:27:33.58 0
>>787 色々な配慮があってこの投下時刻になったようですが
逢魔が刻の感じが出て結果オーライだった気がします
血氷の槍や砕け散る氷の棺桶という凄惨な光景と
ラストで描かれている月の静寂とが対照的で妖しくも美しかったです
ダークネスと禍刻の世界観は嵌りすぎて、却って逆効果になるかと思ってましたが
こうして形になったものを読ませていただくと、魅力的ですね
乙でした
790 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 00:32:53.57 0
>>787 ホント面白いね!禍刻シリーズ!
『引火点』・発火最低温度などの記述がすんごく面白かった!
この発火能力に対する理屈が妙に説得力があってアレコレ考えてしまった
例えばこの発火能力者の女と、リンリンとでは発火最低温度にどれぐらいの差があるのだろうか?とかネ!
とにかく色々楽しませてもらいました!乙!乙!
791 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 00:33:54.11 0
どの作品もボリュームたっぷりだな〜
いやほんと退屈しないわ
792 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 01:12:20.96 0
>>787 Miki Fujimoto ― M・F―Murderous Freezer
イニシャルをタイトルに重ね合わせてるのカッコイイ
793 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 02:11:45.42 0
ヘケートおめ!
794 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 03:24:04.66 0
ヘケおめ!おしキボ!
795 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 06:20:27.68 O
そういえばミティ様の能力にちゃんとした名前無かったんだね
796 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 08:22:38.33 0
どれが「ちゃんとした」能力名かってのも別に決まってるわけじゃないけどねw
797 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/27(金) 08:27:41.93 O
ミティお祝い嬉しいからって寒くしなくていいよミティ
いろんな感想アリガトでした
魔女って立ち位置のせいか完全な悪の方向で書かれることが多かったし
個人的にはリアルな本人が持ってる内面の優しさがすごく好きなので
ミティへのイメージをちょっとでも変えられたらと思って書きました
さてご指摘のとおりまとめモードに帰らなきゃw
新スレ化だけで止まってるのか…
でも作品という胸のつかえも取れたし週末で一気に進めるYO!
798 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 08:58:16.37 0
>>797 乙です!
まとめが終わったらすぐに
作者モードに戻ってきて下さい!次の作品を楽しみにしてます!
799 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 10:16:28.39 O
サボティまとめがんば!
おお!次でもう800か!
800 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 11:29:23.63 0
昨日のサボリンさんの作品は『Q.E.D.』の真っ只中に上げられたんだなって気付いたときに
「Queen of Eternal Darkness」略して「Q.E.D.」とかくだらんこと思いました
そんだけです800ゲットです
801 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 12:06:29.85 0
ミティ様活動するのが一日ずれてるよミティ様
802 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 12:15:23.11 O
(Τ⌒Τ)<怒りをお沈めくだしいミティさま〜電車が止まってしまいますぅー
803 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 12:28:38.02 0
今日も一つミティ様の作品上がるみたいだから張り切っちゃってるんじゃないですかね
804 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 13:25:29.27 O
うちの近くは晴れてるよ
所詮ミティなんてこんなもんだよね
やーいやーい!
805 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 14:03:21.91 O
>>804 気づいていないのか!?そうかあまりの低体温で・・・
おまい・・体がこおりついてるぞ!
806 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 14:08:40.46 O
マッチ売りの少女みたいに死ぬ直前に幻見てるんだろうな…
807 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 15:05:59.52 O
また一つ命の炎が消えようとしているよ
808 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 15:46:51.58 O
リゾスレ住人命がけすぎw
これまでに一体何人が犠牲になったことか
809 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 16:24:49.22 O
話ぶったぎるけど凍りたくない
20話記念で質問企画したよな?
またあんなのして欲しい
810 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 16:48:25.51 0
あんなのってまた違う質問考えてってことかい?
それともまた違う企画を考えるってこと?
811 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 18:30:40.03 O
1周年記念までもあと1月半だからねえ
812 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 19:10:24.69 0
えええ!もう一年経ったのかい?嘘だろォwオイ!
813 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 19:58:57.60 O
1スレ目…とは言わないまでも初期からいる住人さんは何人くらいいるのかな
もういなくなった作者さんも結構いるんだろうか
814 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 20:06:05.44 O
刻を忘れるほどの魔力を持つ処
それがリゾスレ
815 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 20:11:59.13 O
あと少しで一周年なのか…
一スレ目を見つけた時のあのドキドキは今でも感じ続けています
それもここの住人たちのお陰ですね
816 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 20:25:50.46 0
最近自分の日本語がだんだんうまくなった気がする
このスレのお陰でじゃないかと思いました
ありがとう。・゚・(ノ∀`)・゚・。 リゾスレのみんなさん最高!(^0^)
817 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 20:45:01.98 0
異国語で小説読んでる時点でめっちゃ尊敬しますよ
なんていうかこっちも本当に嬉しいです!
818 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 21:24:41.16 0
やあ!
>>816さん!こんばんわ!
どうやってこのスレを見つけたのですか?
819 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 22:03:58.69 0
>>818 こんばんわ!
どうやってって... 一応狼住人だからさー(´・ω・`)ウフフ
スレタイもね、面白いし、狼にはも久々の小説スレし
このスレと出会って本当に良かった:)
820 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 22:55:30.50 O
川*’ー’)<ようこそやよー
821 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/27(金) 23:10:04.64 0
822 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 23:21:57.60 O
>>809 1周年企画として何か出来たらいいね
作者さん達でリレー小説とか出来たら楽しそうだなって思うんだけど…
823 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 23:22:36.43 0
乙です!
いくつか1レスものが上がっていないのはそういう判断…かな?
824 :
名無し募集中。。。:2009/02/27(金) 23:24:07.92 O
>>821 やればできる子サボちゃん大量まとめ乙です!
ジュンジュン単体の話が少なかったから増えて嬉しいな
825 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/27(金) 23:28:09.72 0
>>823 どーしたらいいかわからないものが多かったのでそういうのは入ってません
これはここじゃね? って言ってくれればその通り収録します
826 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 00:02:19.67 0
827 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 00:31:58.37 0
828 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 00:36:58.68 0
作風も世界観も違うから難しそうだな
特に世界観が違うっていうのがいちばんのネックになると思う
829 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 00:39:42.58 0
リレー小説なんだから世界観は合わせればいいんじゃないかな
…いやだからと言って実現は難しいことに異論はないけど
830 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 00:58:35.58 0
個人的にはこれだけスレが長く続くとマンネリやネタ切れが心配なんだよね
幸いにもここは優秀な作者さん達がいるから今も存続し続けてる
この先どうなっていくのかが心配
スレが始まった時の高揚感みたいな感じがまた欲しい
その為には新曲のPVに期待してたんだけどな〜
作風の違いはそれがリレー小説の醍醐味でもあるしいいかなとは思うんだけど世界観の違いは難しいね
お題を決めといて順番に消化するとか?
それじゃリレーにならないか
832 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 01:47:18.41 0
前回は参加できなかったので
チャット大会をやって欲しいな
その時は
>>816さんも参加して欲しいな
833 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 01:48:42.89 0
やりたい人が予めしたらばのスレに立候補してその順番で
リレーしてけばいいんじゃない?
賛成か反対かは別としてやるとしたらの話ね
834 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 05:39:20.26 0
ホゼ
835 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 06:23:13.18 O
泣いちゃうかものメイキングでリンリンが瞬間移動してた
836 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 07:29:46.16 O
瞬間着替えもなw
837 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 08:08:13.04 O
チャット大会かー
前回参加してない人も多いだろうしねえ
前回は楽しみだなぁと思ってたら終わってたw
839 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 10:17:36.63 0
過去にチャット大会やったんですね
第何話の時にやったんですか?
どんなメンバーが参加してどんな話をしたんだろう?
840 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 10:34:57.41 0
>>839 話が出たのは11話 実際の開催は12話のときでした
まとめさんに会場設置をしていただき 3日間に渡って(夜のみですが)開催された感じでした
841 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 11:30:47.87 0
3日間も?
俺その頃ほとんどスレ覗いてたはずなのに全く知らなかったw
842 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 11:44:42.24 0
俺もいつやるんだろうって思ってたらいつの間にか終わってた
843 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 11:47:44.45 O
開催中はスレでの呼び掛けはしてなかったしね
馴れ合いを嫌う人もいるからってことで
作品も普通に上がってたし
844 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 12:19:17.34 O
案外参加したいのにできなかった人多かったんですね
845 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/28(土) 12:19:35.64 O
そういやチャットに参加しながら素知らぬ振りして上げてた作品が
青約束の本編だったなぁって思い出した
チャットについては極力したらばで詰めてたね
馴れ合い好まぬ狼ってことを考慮してました
チャットはお題は決めなきゃクロストークのオンパレードだし
決めたら決めたで発言が回らなかったりで
面白いけど全体まわすのがけっこう大変なのよねこれが
846 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 12:34:46.81 0
847 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 12:47:59.29 O
チャットすることで作者さんの創作意欲がかきたてられるなら…って気もするけどな
848 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 12:56:02.59 0
>>845 覚えてます
自分は、チャット大会を途中で退席して読みに行った
その頃は「蒼約束」を書いてるのが誰かなんて知らなかった
849 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 13:03:41.46 0
最近全然小説読むの追いついてないから
もし今チャットに参加してもきっと話に乗れないなorz
850 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 13:14:34.95 0
>>849 愛あらば it's all right
851 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 13:24:25.49 0
>>849 前回の時は誰が誰かも分からず参加してましたからね自分はww
ないやいさんだけは知ってるからまぁ大丈夫だろう・・・くらいのノリで
結局すごい無口になっちゃいましたけどw
852 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 13:30:18.43 0
誰が誰だか分かってる必要あるの?
853 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 13:37:03.93 O
誰が誰だかなんて誰も分からずに参加してましたよw
言いたくない人もいるだろうしということで
854 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/28(土) 13:41:20.22 O
>>848 お恥ずかしやw
まぁあのチャットの時にHNみたいなのがある人なんて少なかったし
読者の人にはそういうのがあるわけじゃないし
チャットその場限りのHNは必要だけどこだわりすぎる必要はないし
「誰が誰」に固執しすぎると結局作者重視のチャットになるってのは前回痛感した
作者と作品は結びつくからどうしても中心にはなるんだけどね
もっと誰でも参加しやすいチャットにしたかったけど
どうしてもROM専の人が入りづらそうでね、それが今進んで開催しない理由
855 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 14:44:41.54 O
新参なんで次やるんだったら是非参加してみたいです
856 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/02/28(土) 15:59:09.56 O
東京ドーム入場列からホゼナント
意外と並んでやがるぜ
857 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 16:05:17.16 O
誰でも参加しやすいチャットなんて難しいよねw
確かにそれならやらない方が良いって気持ちもわかる
先にテーマ決める議論しようとしても本スレほどしたらばって盛り上がらないのが事実だしね
858 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 16:49:08.54 O
初めっから全員が楽しめるかどうかを目標に掲げなくていいと思うけどなー
参加する人次第なんじゃないかな
無理強いして参加させるわけじゃないんだし
859 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 18:09:20.33 O
普通にやったら作者だけしか話しにくいなんてことになりかねないってこと?
860 :
nat3.fruits.ne.jp:2009/02/28(土) 18:14:35.65 0
作者以外も参加できるほうがいですね
861 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 19:24:54.60 0
>>291 の続きを21時に投下します
期待しないでください
862 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 19:30:14.51 0
>>861 ワーイ!楽しみに待ってます!
梅酒を口にした所まででしたよね
863 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 19:57:39.03 O
楽しみだから今のうち風呂入ってくる
864 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 20:27:42.87 0
どんな展開になるかな
865 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 21:00:58.51 0
吉澤は、薄暗いリングの上に立っていた。
普通のリングではない、ダークネス本部の地下闘技場だ。
四方をロープではなく金網で囲まれている。床はコンクリート。
主に、実戦の訓練や、造反者を見せしめとして血祭りにあげる際に使用される。
吉澤は黒の革ジャンに黒のレザーパンツといういでたちで、目の前の男をじっと見つめていた。
でかい。
吉澤より頭一つ分以上背が高い、身長は190センチを超えるだろう。
そして肉が分厚くがっしりとしている。プロレスラーか、重量級の柔道選手のようだ。
その男に常人と明らかに異なる点がある。目だ。
目がうつろというか、ただ目の前の光景を映すレンズとしてしか機能していないように見える。
表情というものがまるっきり欠落している。
「来い」
吉澤は短く言い切った。
その声に反応して、男が間合いをつめる。
ぶうん、と右の拳を吉澤の顔面めがけて繰り出した。
吉澤がそれを首を傾けかわした瞬間、男が左足を跳ね上げる。恐ろしく重そうな蹴りだ。
木製バットの二、三本軽くへし折ってしまいそうである。
蹴りが、吉澤の頭をすり抜けた。紙一重を見切って、吉澤がかわしたのだ。
同時に男の軸足を刈った。
どすん、と音を立てて男がしりもちをつく。
「立て」
866 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 21:01:43.02 0
男がのっそりと立ち上がろうとしたとき、吉澤の右膝が男の鼻にめり込んだ。
続けてこめかみに拳を叩きつけ、さらに回し蹴りがあごを貫く。
目にもとまらぬ連続技で男の巨体がどうっと吹っ飛んだ。
「おい」
吉澤は金網の向こうでたたかいを見つめる一人の男に声をかけた。
年は三十代の半ばを過ぎたくらいだろうか。痩せている。
黒縁の眼鏡によれた白衣、ネクタイはしていない。
眼鏡の奥から濁った水のような眼光を放っている。
ダークネス生物化学研究室、主任と呼ばれる男だ。本名は吉澤も知らない。
ただ、主任と呼ばれている。
「そろそろ本気で来させろ」
主任が合図を送ると、男が異様な咆哮を上げた。
人間の声帯から出る声ではない。獣が発するものだ。
ぐうっと男の口と鼻が前にせり出し、体中を黒い毛が覆っていく。
内側から溢れ出す力に押し出されるように男の肉体が一回り膨張した。
太く、鋭い二本の牙が顎から姿を覗かせている。
両手からぬらぬらと光るナイフのような鉤爪が飛び出した。自然界のどこにもこのような牙と爪を持った獣はいない。
異形である。
人を殺すために生み出された獣、という表現が最も似つかわしいであろう。
禍々しい殺気が獣の全身から放たれている。
吉澤は二歩下がって構え、深く息を吸った。
突風のように黒い塊が突進してきた、鉤爪が空気を切り裂いて吉澤に襲い掛かる。
―速い!
867 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 21:02:42.29 0
吉澤は空中に飛び上がって間一髪でそれをかわし、頭上から獣の後頭部へ蹴りを叩き込んだ。
凄まじく堅い。
右足に軽い痺れが走る。
岩を蹴ったような感覚だった。
着地して獣に向き直る。のっそりと、獣も吉澤の方を向いた。
見たところ、いささかもダメージは入ってないようだ。
―随分頑丈な奴だな…狙うならば目か。
すっと目を細め、腰を落としたところで「それまで」と、主任の声がした。
吉澤は不満そうな顔で、金網の外へ視線を向ける。
「もう少しやらせろ」
「十分性能は御覧頂けたと思いますが」
「やっと体がほぐれてきたところなんだ」
「せっかくの新兵器を壊されてはたまりませんよ。粛清人Hと、お呼びすればよろしいので?」
「吉澤でいい」
そう言いながら革のジャンパーを脱ぎ捨てた。胸のところがざっくりと切り裂かれている。
獣の爪がかすめたのだ。
獣は人間の姿に戻り、その場に突っ立っている。先ほどまで放っていた殺気は微塵も感じられない。
――戦獣部隊
粛清人の直属の部下として新たに結成される精鋭部隊の試作一号が、
吉澤の目の前に立っているこの男なのだ。
868 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 21:03:27.68 0
「いかがでしたか?ご感想は」
「まあ、大体分かった」
「では、詳しい説明をさせていただきます。ご覧の通り戦獣とは獣化能力を持つ兵士でありまして、
単純な腕力だけなら、獣化状態の共鳴者李純を凌駕しております」
「実際の戦力としてはあのパンダに劣るだろうな」
「あちらは天然物ですからな…こちらは言うなれば養殖物。人造兵士ですから」
「人造兵士?」
「まあ平たく言えば、たんぱく質で出来たロボットです」
「どうりで精神が空っぽなわけだ」
「触られたので?」
あの短い攻防の中で、
吉澤が精神干渉能力を発動し戦獣の心を覗いたという事に主任は驚きの色を隠さなかった。
確かに吉澤は粛清人AやRほどの身体能力は持っていないし、
安倍なつみや後藤真希のような他を圧倒する超能力があるわけではない。
しかし、身体能力と超能力のバランスという点では、彼女に並ぶものはいない。
だからこそ諜報機関の長から粛清人への転身という無茶な要求に答えられるのだ。
「数は揃えられるんだろうな?」
「十日もあれば十数体は可能です」
「一週間で用意しろ」
「かしこまりました」
主任は目を軽く伏せて言った。口元に歪んだ笑みが貼り付いている。
戦獣の力を吉澤が認めたと受け取ったのだろう。
事実、吉澤は認めていた。使える、と。
869 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 21:04:35.62 0
戦獣は単純な命令を実行する程度の知能しか持たない代わりに、自我も持たない。
新垣里沙の精神干渉能力も、干渉する対象がなければ全くの無意味だ。
戦獣の強靭な皮膚の前では粛清人Rの命を奪った鋼線も十分な効果は得られないだろう。
それを、十数体、かつて里沙の直接の上司だった自分が指揮する。
―負ける要素がない。
ふつふつと、どす黒い衝動が胸の奥から湧き上がってくる。
あいつの恨みを、新垣の精神と肉体に刻み付けてやる。
闇に歯向かった者がどのような悲惨な末路を辿るか、思い知らせてやろう。
いつの間にか、自分の頬に目の前の男と同じ歪んだ笑みが浮かんでいる事に、
吉澤ひとみは気が付かないでいた。
高橋愛が目覚めると、白い天井が見えた。
ベッドに横たわっている。病院だろうか。
開かれたカーテンの向こうから明るい午後の日差しが差し込んでいる。
随分長い間、眠っていたようだ。まだ頭がぼんやりとしている。
何故自分が病室のベッドに寝ているのか、
愛はゆっくりと己の身に起きた事を思い出す。
――町外れの工場跡での粛清人との決闘。
870 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 21:05:53.93 0
強い、敵だった。愛がこれまでたたかってきたどの相手よりも強かった。
ヨーヨー、体術、駆け引き、超能力。そのどれをとっても超一流の水準を誇っていた。
追い詰められた。死力を尽くしてなお、届かない相手だった。
そして、極限まで追い詰められた時、愛は『光』を発動したのだ。
獰猛な『光』によって粛清人に深手を負わせ、勝利をその手に掴みかけたその時、
後藤真希の強大な念動力が愛の右腕を引きちぎった。
そこで、意識が途絶えて、それから…それから、ん?右腕?
―そうだ、私の右腕…
左手で触ってみると、腕は何事もなかったかのように繋がっていた。
さゆみが治癒能力でやってくれたのだろうか。
右手を動かそうとしたとき、その手を誰かが握っている事に気が付いた。
視線を送ると、光井愛佳が愛の右手を握ったまま、ベッドの脇で眠っている。
ずっと付き添っていてくれたのだろう。
愛は、傍らで眠る少女に、優しく声をかけた。
「愛佳」
その声で少女は夢の世界から現実へと帰ってきたようだ。
目をこすりながら、辺りを見回す。
愛と眼が合った瞬間、あっ、と小さく声をあげて、その後、泣いているような、笑っているような表情になった。
「やっと、目が覚めたんですね…」
「ごめんなあ、心配かけて」
上体を起こそうとしたが、力が入らない。かなり衰弱しているようだ。
愛佳が、手を差し伸べて、愛を抱き起こす。
871 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 21:06:37.64 0
「何で体が動かんのやろ」
「一週間も眠ってたんですから、無理もないですよ」
「一週間…道理で」
「道理で?」
「お腹が空くわけや」
見つめ合ってふふっと笑った。
一応点滴は打ってあるが、それで空腹が満たされるはずもない。
「オムライス大盛りで食べたいなあ」
「いきなりそんなん食べたら胃がびっくりしますよ」
そう言って愛佳は鞄から魔法瓶を取り出した。
「田中さんがスープを作って持たせてくれましたから、これ飲んでください。まだ温かいですよ」
「れいなが?」
「来る途中にリゾナントに寄ってきたんで」
「あんた学校はどうしたの」
「重いインフルエンザにかかってる事になってます」
「いかんよそんなズル休みなんか」
「うちらに黙って危ないたたかいに行く方がもっとあきません」
「…」
「大馬鹿です。本当に」
真剣なまなざしで見つめる愛佳の瞳に、愛は胸を締め付けられた。
この少女にどれ程の心痛を与えたのか、仲間達にどれ程の心配をかけたのか…
愛も、そして里沙も、決して考え無しにたたかいに臨んだという訳ではないのだが、
それでも軽率と言われても仕方がないのかもしれない。
真っ直ぐな瞳に見つめられて何も言えなくなっていた所に、
愛佳がスッとスープの入ったカップを差し出した。
「早く元気になってください」
872 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 21:08:08.86 0
一口、口に含んだ。
美味しい。
心と体に温もりが染み渡るような、優しい味わいだった。
「れいな、いつの間にか料理の腕あげたなあ…」
ぽつりと、呟いた。
「お店は田中さんと道重さん、それに亀井さんの三人でちゃんと切り盛りしてますから、
心配せんで大丈夫ですよ」
愛ならば、きっと自分がいないからといって店を休んで欲しくないと言うだろうと、
れいな達は考えたのだ。
リゾナントを訪れる客達も、愛にとってはかけがえのない宝のはずだからである。
「ちゃんと、分かってくれてるんやなあ」
と、しみじみとした口調で言った。
仲間がいるということのありがたみと喜びが、弱りきった愛の肉体に力を与えてくれるようだ。
「そうだ、愛佳」
ふと、大事なことを思い出す。
873 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 21:08:35.59 0
「ガキさんは、どうしてる?」
「え?新垣さん、ですか…元気にしてますけど」
そう答える愛佳の顔に、一瞬暗い影が差したのを、愛は見逃さなかった。
「ガキさんに何があった?」
愛の声に張り詰めるような響きが宿る。
里沙は粛清人Rに勝利したはずだ。
ダークネス幹部後藤真希の口からそう聞いたのだ。間違いない。
なのに、何故愛佳の表情にかなしみの色が宿っているのか。
「それが…新垣さんは…」
愛佳は、ぽつりぽつりと、言葉を選びながら口を開く。
愛が眠っている間に里沙の身に何が起きていたのか、
その事を少女は愛の目を見つめながら静かに語りだした。
それは、何かとても脆いものを傷つけまいとするような口調だった。
874 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 21:14:09.68 0
>>865-873 以上『復讐と帰還(2) 目覚め』お目汚しでございました
あの…もうちょっとしたら面白くなると思いますので…
それまで見捨てないでやってくださいね
875 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 21:45:45.41 0
すでに面白いんですけど
876 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 21:49:26.00 0
>>874 これ以上面白くなったらどうなるですかー!?!ですか???
ストーリーの組み立てが本当に上手ですねえ
877 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 22:09:26.69 0
>>874 気になるところで切りますなあ
怒涛の展開の為の静かなる助走ってところでしょうか
読む側に情景が伝わってくる筆力は見事です
次の更新待ってます
878 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 22:11:18.38 0
ガキさんが気になる
早く続きを…
879 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 22:44:56.12 O
うん気になるねぇ続きが気になるねぇ!
880 :
名無し募集中。。。:2009/02/28(土) 23:37:12.06 O
世界観がまた独特になってきましたね パラレルな色んな世界での
リゾナンター、ダークネスの活躍が読める・・・ 幸せ・・・する・・・byジュンジュン
そしてこの世界を支えるまとめちゃん、Wikiナンターの皆さん、乙です!
いつもありがとう!楽しみにしてます!
881 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 00:00:12.15 0
>>874 今読んだが
本当におもしれえや!続きがすこぶる楽しみだわ
>>880 同意だわ
まとめ人、ウィキナンターのスレを盛り上げようという心意気に感激だわ
ありがとう
882 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/03/01(日) 00:51:50.46 0
まとめ人とはまた新たな人種みたいな呼び名をw
なんか青球団すごかったんで今年もリゾナンターは強いと思います
これ野球占いね
883 :
【大凶】 サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/03/01(日) 00:52:44.35 0
そういえばおみくじの季節でした
884 :
サボリン∞ヽ( ゚A。)ノ:2009/03/01(日) 00:54:00.31 0
orz
885 :
【大吉】 ←今月のリゾナンダー達の運勢:2009/03/01(日) 00:54:06.02 0
ちょwサボリンww
886 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 01:01:30.37 O
サボリン大吉続いてたのにw
こりゃぴょん吉さんも楽しみだw
887 :
【中吉】 じゃないやい:2009/03/01(日) 01:01:33.11 0
どんな結果が出るかwktk
888 :
名無しじゃないやい:2009/03/01(日) 01:02:42.04 0
…ツマンネ
こんな微妙な運勢…許されるわけがない!
後ほど引き直ししよっと
889 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 01:04:37.48 O
意外とフツーでリアクションに困るパターンとはw
また腕を上げましたね?w
890 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 01:22:03.96 0
声が、聞こえなくなった。
高橋愛が周囲の異変に気付いたのは、週に1度行っている夜の巡回時。
半径10メートル以内が何かに阻まれているように認識を遮断している。
しかもそれは"外部"ではなく"内部"から。
どうやら敵の"捕縛"に掛かってしまったらしい。
「…そこにおるのは分かっとるんやで?」
出来れば今日も、使わずに居たかった。
腰のホルスターに差し込んでいたナイフを取り出し、愛は片手で空を薙ぎる。
護身用にと巡回の際に居候の彼女から持たされる其れ。
体術とチカラだけでは忍びないだろうと気遣ってくれる彼女は今、お店の留守番をしてくれていた。
一刻も早く帰ろうと想っていた矢先に此れとは、それでも冷静にと迎撃に備える。
「さすがはリゾナンターのリーダー。じゃ、お手並み拝見と行こうか」
漆黒で覆われた人物の顔も視覚では確認できないが、女である事は分かった。
背後から放たれたであろうチカラに途惑い無くナイフを振るう。
ぶつかった瞬間、音と花火が散ったかと想うと、霧の様なものが霧散する。
「氷?」
途端、女の顔が至近距離に迫る。
布の様なもので覆っているのだろうか、表情が読み取れない。
思考を一気に戻し、ナイフの切っ先で心臓を狙う、が、女は身を捻ってかわし、遠心力で腕を振るう。
女の腕はまるで凍結したかの様に氷塊が存在していた。
僅かに屈んでそれをかわし、氷塊を持つ手を狙って斜め上へと振るう。
僅かに掠った、が、それは氷塊の表面。
数歩下がった女が何かを紡ぐと、その氷塊は粉砕し、霧散する。
「打撃系じゃダメか、なら今度は…」
891 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 01:23:43.65 0
女は浮遊していた透明な結晶体を握り、まるで浸食するように腕を凍結していく。
だがそれは先ほどの氷塊ではなく、槍のように鋭く、大剣を模した姿へと変貌する。
見ると、其処には拳大の正八面型の氷塊が十数個浮遊していた。
以前、道重さゆみが言っていた"氷使い"というのはこの女の事だろうか。
「とりあえず、その小さいナイフで耐えれるかな?」
氷の大剣が闇を裂いて迫る。受け止め、何とか弾き返しながら女の頭部を狙って突く。
それを潜り抜け、間合いに入ってきた女の大剣を片手で払い除ける。
が、直後に女のブーツが顎に辺り、揺すぶられた思考の中でよろりと一歩引く。
「チカラが使えなくて残念だねぇ」
クツクツと女が笑っているのが分かる。
口内に溜まった血を吐き、ナイフを握り直し、真っ直ぐに女を見据えた。
女の言うとおり、この"外界から遮断された空間"の中では愛のみがチカラを発現できない。
が、類稀な動体視力と瞬発力の持ち主である愛は何とか難を凌いではいる。
それも時間の問題だと思いながらも、愛は決して諦めることはしない。
「何だろうね、この、"懐かしい"って言う気持ちは」
女が呟いた言葉が愛に届くことは無い。再び打ち込んだナイフが空を斬った瞬間、右肩に鋭い痛みが走った。
だが構わずにナイフを真横に振り抜き、その切っ先が僅かに女の胸部を切り裂く。
しかし女は引かない。間合いに飛び込み、腕の氷塊で模した大剣を振り上げる。
脇腹に激痛が走った。返しで女の頭部を狙うものの、僅かに首を傾けて其れを避ける。
が、確かに手応えはあった。
「その反応、昔から何ひとつ変わらない」
「何変なこと言うとるんよ。今日初めて会ったクセに…」
「ああ、そうだな。確かにアタシは、アンタの事を"全くと言って良いほど知らない"」
892 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 01:24:51.30 0
頬から流れる赤い雫が流れ落ち、だが彼女は追撃を避けて壁を利用して宙を舞う。
大剣を振り上げ、愛の頭部へと振り下ろす。
ナイフの刀身で受け止めた瞬間、女の布がズレ落ち、空へと舞った。
「美貴…ちゃん…?」
ナイフと氷の大剣が花火を散らす。
互いに身体中が傷つき、衣服は破れ、全身を赤く染めていた。
手足の感覚が徐々に薄れていくのも理解している。
瞬間、女が手で顔を覆い、さも可笑しそうに笑い始めた。
「…なるほどね、そういう事だったのか……。
これなら説明が付くよ。嗚呼、全く、鬱陶しくて鬱陶しくて仕方が無かったけど、スッキリした」
因縁とでも言える、ダークネスとリゾナンターとの戦い。
異能力者だけが集まり、重要視されている組織の中で、その半分以上が女、子供で
結成されている以上、その才能と素質は幾らか劣る。
だがそれでも、彼女達は生き残っていた、この弱肉強食の中で。
その理由が今、対峙して戦って理解した。
「でも、だから何だっていうんだ」
例え自分達と"同じモノ"があるとして、対立しているのであればそれは紛れも無く"敵"だ。
過去に自分が彼女達と何があったかなど、"今の自分"には関係ない。
過去など不要、ただ己が歩む未来と、現在があれば良い。
―――ダークネスに人格ごと"調節"され続ける人間に、過去など足枷に過ぎない。
「今は藤本美貴じゃない、生粋の殺戮者、"氷使い"、悪魔に好かれた魔女、ミティ様だよ」
「あッ」
大剣が額を掠め、噴出した血液が片目に流れ込む。
瞬間、首筋に当てられた冷たい大剣が皮一枚を切ったまま静止する。
893 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 01:26:13.83 0
「皮肉だねぇ、リゾナントイエロー。まさか昔の知り合いに似た人間に殺されるなんてさ。
もしもミキが昔の事を知ってたとして、それが今何の役に立つんだ?
楽しい日々、辛かった日々を共に分ち合っていた仲間?じゃあ何で今、こうしてミキ達は対立している?」
「…それ、は……」
「"裏切り"って事はな、捉え方は違うが自分にも相手にも当てはまるんだよ。
自分の、相手の言動の無責任さから来るんだ。
信じるだの何だのと言うのは簡単だし、それで縛ることも出来る。が、それはその意味を理解している人間だけ。
良く知りもしない人間がその言葉を使ったって、裏切るように仕組んでいるのはそいつ自身なんだよ」
「何が、言いたいんやっ…」
「結局のところ、オマエが信じているモノって何なんだ?」
一瞬思考が止まった愛の口を手で塞ぎ、地面へと押し倒した。
体が軋み、息が詰り、苦痛で歪んだその表情を見下ろすようにミティが体の上に乗るような体勢になる。
息苦しさの中で意識が朦朧としている中、鼻先が付きそうな距離でミティが口を開く。
「仲間か?自分か?存在自体であればそれを背負える覚悟はあるのか?
違うな。何もかも他人に背負わせて、自分は逃げてるんだろ?
自分はそんな人間じゃないって、兵器として生まれた事に後ろめたさを感じてるんだろ。
何が信じるだ。自分の事さえもちゃんと出来てないバカに何が守れるんだ。
人間の思考を持っているってだけの兵器が、人間として解ってるフリしてるだけの茶番。反吐が出る」
口を塞ぐ手に力が入る。
瞬間、ヒヤリと冷たいものが気管に入るのを感じた。
「i914、オマエは逃げられないよ。逃げても逃げても、ミキ達は追いかけてやる。
そしてもがき苦しめ、どちらかの組織が消えるその時まで…何なら、今この場で固めてあげよっか?」
気管に入り込む何かが、内部に痛みを与えている。
まるで臓物が凍り付いているかのように、甚振るようにその何かが機能を停止させていたのだ。
もがけばもがくほど、何かが全身に回っていく。
限界が、近い。
894 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 01:27:09.44 0
遠のく意識、全身の力が抜けるような錯覚さえも感じている。
このまま死んでしまうのだろうか、愛がそう思った時。
――――――張り巡らせてあった結界が、消えた。
ミティが舌打ちをしたと同時に、愛が最期のチカラを振り絞るように発現する。
白い発光の世界の中で、ミティは片腕が消失したのを見つめていた。
自然と痛みを感じなかったのは、彼女が見せた最後の"優しさ"だろうか。
それとも、自身が最早痛覚も超越した存在になってしまったからなのか。
背後に足音が聞こえた。
冷静ながらも何処か怒気を含むその音は、静寂した世界の中では大きく反響する。
「……オマエが何をしたいのかなんてミキには関係無い。
でも、仮にもこっちの人間なら、今の光景、ちゃんと頭の中に刻み付けな」
監視者(デイウォッチ)は片腕を失くした魔女の後姿をジッと見つめる。
拳が震え、それは全身を覆い、目から溢れる涙を落とす。
それを見るまでも無いというように、ミキティは鼻で笑った。
「味方になるもよし、敵になるもよし。だが、どちらにしてもアイツと同じ。
オマエも闇からは逃げられないのさ、ガキんちょ」
監視者(デイウォッチ)―――新垣里沙は"粛清"を強制停止させた。
本来それはやってはいけない行動であり、"裏切り"行為に価する事だ。
だが、それを咎められるのはミティ以外に誰も居ない。
諜報員の彼女に頼んだ甲斐があったというモノだとほくそえむ。
「言った通り、ガキんちょが今の生活から解放されたいのであれば、あの組織を潰すか、こっちの組織を潰すかだ。
"裏切り者には粛清を"、まぁこちらは少しだけ油断しているだろうね。
"切り札"を持つ人間は間違いを犯したなどと言う認識は決して無いんだから。
戦いを終わらせたいなら、オマエ自身が選ぶんだな。アンタのそのチカラで、どんな未来でもしてみせなよ」
895 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 01:28:05.94 0
その方が面白い。ただその時が来るまで同じ日常など耐えられない。
選べ、選べれないのなら全てを消せ。世界を、存在を支配して見せろ。
背くも従うも自由。それで自身が滅んだとしても構わない。
ただ、永遠という名の自由に成れさえすればそれで良い。
そこで、"愛する人"の傍に居られる事がミキの……。
「アナタは、最低だっ……」
「…現実を知らない人間が何を抱えても、それはただの重荷に過ぎない。
ほら、アンタの出番でしょ?アイツ、そうとうミキのチカラを食らってるから何処かで倒れてるんじゃない?」
ハッと、里沙は駆け出したかと思うと、地面に放り投げられたナイフを取り、その姿は闇の中に消えた。
ミティは十二個の結晶体を掲げ、暗夜を眺める。
永遠に流れる刻の中に、ただ一人残された魔女。
この世の全てを壊したいと願った一人の人間。
その存在の未来を知るものは、未だ、存在しない。
896 :
【末吉】 !dama 異能力の人:2009/03/01(日) 01:33:17.48 0
>>890-895 以上です。書けたのは良いけれどごめんなさいミティ様orz
サボリンさん、
>>683-688とまとめてお願いします(汗)
本編のストックも全て消えてどうしようかと思う今日この頃…。
お目汚し失礼致しました。
897 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 01:59:05.87 0
なんか直近の作品の言い回しをそのまま使ってるよね
前作の「下っ端の癖に自分達は〜」とかガキんちょって呼び方はサボリンさんの作品からだし
リゾナントしたというよりも気に入った言葉いただいてるって印象
まぁそれはいいんだけどしばらく思ってたことをひとこと
漢字を使って言い回しを難しくしようとしてドツボハマってる気がする
「薙ぎる」「霧の様なものが霧散」「その存在の未来を知るものは、未だ、存在しない。」などなど
日本語としておかしいところちょっと多すぎるからもっと推敲した方がいいと思います
このスレってそういう指摘タブーなところあるけどちょっと言わせてもらった
気づいてもらわないと伸びていかないと思うし
898 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 02:02:37.39 0
うっぷん晴らし
899 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 02:36:43.38 O
面白かったです、バトルに引き込まれました。
また作品読みたいので待っております!
900 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 05:43:52.54 O
後で読みますー
901 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 07:38:32.60 O
パソコンが使えぬ
早く読みたいな
902 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 09:34:03.29 0
指摘がタブーってことはないと思います そんな不文律ありましたっけ?
その内容と表現が的確であれば 作者も住人も不快に思うことはないでしょうし
でも「うっぷん晴らし」なんて書くのは好ましくないですね
でも
>>897さんの言いたいことはよくわかります
「その存在の未来を知るものは、未だ、存在しない」って一文に関しては必ずしも日本語として正しい必要はないと思いますが
ただ「読みやすい文章」に重きを置いている読み手にとっては気になるでしょうね
そして確かに今回の分に関しては特にそういう部分が目立ちます
主語が分からなかったりと混乱する部分も多かったように思いますし
せっかく他者に読んでもらおうと思って上げるなら…ということですね
言い回しの件については…「それ黙って使うのかあ」って思ったことは自分も過去に何度かありますね
でも作者さんも気付かないうちのリゾナントなのかなと思うようにしています
それを言い始めたらこのスレ独特のよさも殺してしまいかねないですし…何より自分もやってる可能性高いので
…こういうこと書く者がいるから「指摘したらメンドクサイ」ってことなのかもしれませんねw
正直「うっぷん晴らし」って言葉に少しカチンときたから書いたのですが…よく考えるとご本人じゃないのかな
だとしたら申し訳ありません
ともあれ指摘の内容に関してはほぼ同感だということはご理解いただきたいです
それから作品が魅力的であるからこそですよということを作者さんに
903 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 10:03:45.83 O
さすがに本人じゃないでしょw
むしろ指摘をうっぷん晴らし呼ばわりした誰かでしょ
わかんないけど
904 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 10:08:31.33 0
まあいろんな人がいるということで
905 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 10:18:00.48 0
>>902 指摘はタブーではないと思いたい
まとめとして残るのであれば指摘したほうがいいとも思う
だがカチンとして書くことはそれこそ「うっぷん晴らし」と解釈されるではないかい
906 :
【凶】 じゃないやい:2009/03/01(日) 10:23:06.68 0
ここで空気を読まずに再挑戦
907 :
名無しじゃないやい:2009/03/01(日) 10:24:02.11 0
3月のないやいさんは微妙キャラということが確定しました
今日から微妙さんでいいよ…嘘です普通でいいです
908 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 10:31:54.82 0
流石にうざい
おみくじは来年まで自重してくれ
909 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 10:37:17.87 O
>>896 これまた手に汗握る闘いですな
異能力の人の描写好きですよ大剣のような物を使ってバトル所とか
是非またストック出来る位書いてくださいね楽しみです
910 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 11:26:35.55 0
今日もまた寒くしたねミティ
911 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 12:15:41.06 0
912 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 12:18:36.55 0
保全代わりになればと開始させて頂きました
今回はアルバム曲(ファースト・セカンド・3rd)+最新シングルで構成した
全33話になる予定でっす!よろしくお願いします!
と言うか昨日の夜開始しようとしたんですけど
なんか人いっぱい居てて保全にもならんねwと思ったんで今日にしました
あの時サブリーダーの昭和ラジオ聞いてる人多かったのかな?
昭和過ぎてヤバかったねww
(電波にガキさんの声を乗せて・・→マインドコントロールを電波で世界に・・
これはネタに使える・・・)
あ・横浜いく人楽しんできてね!
913 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 12:28:55.18 O
かなしみさん乙です! 新シリーズかなり大量なんですね楽しみです
914 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 12:36:11.68 0
>>912 おおおついに始まりましたね新シリーズ!
アヤの復讐から物語は加速していくのですか!この先も楽しみにしております!
915 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 13:29:01.32 O
>>912 に付け足し
+4th『いきまっしょい』もだったwすんません!
数合わないもんねw恥ずかしい〜
916 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 14:58:20.53 O
wktk
917 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 16:22:26.37 O
川´・_o・)<これはワクワクするだ
918 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 16:52:35.51 0
>>896 今読みました
面白かったです!
>戦いを終わらせたいなら、オマエ自身が選ぶんだな。アンタのそのチカラで、どんな未来でもしてみせなよ
カッコイイ台詞ですね!次の作品も楽しみにしてます!
>>912 すごく楽しみです!ウレシイ!
919 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 17:21:33.87 0
>>897 >>897 指摘なさるにしても、誤字脱字や、文法的な間違いだけにしたらいかがでしょうか?
>漢字を使って言い回しを難しくしようとしてドツボハマってる気がする
このように、書き手の内面を勘ぐって言及なさるのは、いささか過ぎた行為かと思われます。
伸びて欲しいがゆえの御指摘ということでしたら、なおさら配慮が必要かと・・・
自分なら投下直後にこのようなレスをつけられたら、確実に心折れます。
920 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 17:37:01.89 O
作者が神だからな
921 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 18:11:22.11 0
読みました
指摘した作者さんはご自身が文章の推敲に力を注いでいるからこそ言いたくなったのでしょうけど・・・
あまりに決め付けた感じであるように自分も感じます
「気づいてもらわないと伸びていかないと思う」というのはもちろん本心でしょうけれど
この指摘の仕方からは自分にはその気持ちがあまり伝わってきません(あくまで個人的にはです)
気持ちが「ない」と言っているのではなく「伝わらない」という話ですので誤解なさいませんように
こんなことを言い出したら結局指摘タブーなのと変わらないという話にもなって難しいところですが
難点を指摘すること自体はもちろん決して悪いわけではないと思います
>>912 こんな流れで申し訳なさすぎますが楽しみにしています!
922 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 18:24:02.93 O
そもそも指摘した人って作者なの?
923 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 18:32:36.82 O
指摘した人の追求はいいよ
分かる人には分かるんだろうしそれでいい
924 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 19:01:56.74 0
まぁあの指摘で読者って線は薄いよなぁw
925 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 19:10:46.44 0
指摘した人は
異能力の人の一番のファンってことで良いんじゃまいか
>>912 めっちゃ楽しみなんですけど
926 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 19:44:18.61 0
読み手の感想として批判的なことを書くのはいいと思うんだけど
作者目線で作品にレスをつける時はよっぽどの配慮がないといかんだろう
ああいう物言いをされたら俺だってカチンとくるよ
ここを小説家育成スレとでも思ってるのだろうかね
927 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 20:29:51.27 O
>>926 気持ちは分からなくもないけどそういう言い方もよくないよ
議論はいいけどあまり感情的なやりとりになるのは避けてほしいなあ
…って狼でこんな台詞吐いてるこっちがおかしいのかもしれないけど
でも ね
みんなで作ってるスレなんだし
928 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 20:45:16.98 0
>>927に同感
今回のは指摘の仕方が不味かっただけだし今後気をつければいい話だよ
そうこうしてるうちにもうすぐ次スレの季節だね
929 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 20:58:57.96 O
テンプレさんはすでに次スレの準備済 さすが!
…あとは寝落ちしないようにするだけですねw
930 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 21:17:58.42 0
931 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 21:40:02.94 0
明日平日だしちょうど夜に次スレになりそうだね
ドラマで言えば2クール目っていうの?第24話
932 :
異能力の人:2009/03/01(日) 21:42:18.07 0
妙な展開になっているみたいですね(汗)
誤字、日本語がおかしいというのは謝罪します。
申し訳ありませんでした。
ただ呼び方は人それぞれだと思いますが。
サボリンさん以外にも書かれている作品はあるので
一度確認してみては如何でしょう?
>>912 かなしみさん、お疲れ様です。
新シリーズ楽しみにしてます(笑)
933 :
テンプレの人:2009/03/01(日) 22:03:27.72 0
明日22時以降で980行ったら寝落ちした人が次スレ立てます
もし990まで行ってて日が変わってるのに次スレ立ってない場合おそらくトラブルで家に帰れてないです(最近多い)
その時は誰か立ててください
934 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 22:09:19.54 O
お!テンプレさんお疲れ様です!!
935 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 22:47:54.69 0
936 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 22:55:07.26 0
確かに2クール目のラストってことですね24話w すごいなあ
さすがに初期に比べて1000到達までの時間は長くなりましたがコンスタントに次スレに行きますね
色々ありながらもこうして愛されながら続いていることは何よりです
皆さん乙です!
937 :
名無し募集中。。。:2009/03/01(日) 23:53:50.18 0
938 :
サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2009/03/02(月) 00:08:52.46 0
そういえば昨日まとめサイトを何気なく見てたら
[分類]が抜けてるのとか(スレ数)が抜けてるのとかいくつか見つけたんで直しました
どうやら22話終盤に収録した分に頻発してたので見かけたら教えてね
あと専ブラのNG登録の関係でときどき話が抜けていることもあるようです…
これももし気づいたら教えてくださいな
939 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 00:19:20.64 0
>>938 OKです!サボリンさん
そして乙です!
940 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 00:33:05.76 O
サボティちゃん了解!いつも乙です
941 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 01:44:43.52 O
ε=ε=(;・e・)ヽ⊇ッサッ<コーラー23話も掃除しないと寝落ちしちゃうでしょーが
942 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 02:37:06.11 O
そういえば横浜でリゾナンターと握手した住人はいたのかな?
943 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 05:21:39.19 0
おはようございます
944 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 06:29:17.16 O
今日感想大会の流れかな
945 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 08:24:02.10 0
次回予告
『これでよかったのだ・・・マリコ』『1人にさせてすまんな・・・マリコ』
黒い影を揺らす男はそう赤子にやさしく囁く
『何も聞かずこの子を私が知らぬ土地へ・・・』
【闇の王は我が子にあの指輪を嵌めてしまったのだ・・・その時
指輪は青く輝いてしまった 世界を救う光へと・・・王は苦悩する
それは自分の野望を妨げる存在 この事が周りに知れれば
・・・・いずれこの子は我が部下達によって消されるだろう】
何処かへと運ばれていく我が子を見送る
-しかし運命は父と娘を引き寄せてしまう!-
何も知らぬ組織の能力者選抜計画により 里親に引き取られていた娘を
再び組織へと繋げてしまう 皮肉にも王の部下はこの娘を父の都合の良い人形へと
作り上げてしまうのだった・・・
そして・・・
次回かなしみ戦隊リゾナンターSS「パパに似ている彼」
ttp://resonant.web.fc2.com/data/toro17096.jpg 父と娘 2人は互いの関係に気づかぬまま 時は流れた・・・・
946 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 09:15:09.10 0
>>945 なんか凄い物語が始まりそう!ワクテカ!
947 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 11:03:35.53 O
>>945 これからどうなるんだろう…?
更新乙です!
948 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 12:10:17.19 O
王道感にワクワクします!
めっちゃ楽しみ!
949 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 14:27:21.94 0
次回予告懐かしいな
950 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 14:35:06.79 O
もう今日の夜には次スレなんだね
24話かいな!すごい続いてるねぇ
951 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 14:59:47.90 0
>>270-271 これが結構印象に残ってます
あとは蒼の共鳴の王道っぷりは好きですね
他にはおたおめ作品もよかったですね
ミティ作品も豊富でした
ミティといえば2/11に舞浜DS行ったけど30cm横を通ったとき顔ちっちぇえって思った
あとご機嫌だったためか舞浜は非常に寒かったですね
952 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 15:06:04.17 0
>>951 あーそれ私も印象に残ってます。面白かったもんね!
ミティ様はそんなに顔ちっちゃかったんだー。生ミティうらやましいなぁ
953 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 15:36:58.77 0
>>952 能力使ったコン・ゲームというかライアーゲームちっくなとこが好きでした
能力を使った小技で一つ一つ相手を上回って倒すとか誰か書いてくれませんかねwガキさん小春辺りで
ミティは本当顔小さいですよ
絢香の三日月歌ったけど本家のより好きですね
954 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 15:41:39.99 O
マジで〜!さらに生ミティを見たあなたがうらやましくなったよ
955 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 17:15:39.79 O
おなかすいたリゾナントでも行ってみるか
今日は何がオススメなのかな?
956 :
名無し募集中。。。:2009/03/02(月) 17:43:01.61 0
>>951-952 まさかのピックアップありがとうございます びっくりしましたw
余談ですが タイトルはいただいた「黒光井」というレスから思いついてチョコレートとかけました
悪ノリに対して楽しいレスを下さった方々 ありがとうございました
自分は『RとR』の作者さんの「第二章」―特に
>>285-290『産声』が印象に残っています
以前に張られていた「梅酒」の伏線がこのような形で描かれたことが特に
それから
>>444-450のガキさゆ話 テレビの比喩と雨に打たれる道重さんの姿が印象的です
四字熟語シリーズは毎回感心します リゾナンター編よりダークネス編の方が好きかもしれません
独自の世界の「pepper」と「かなしみ戦隊」の今後の展開もすごく楽しみです
957 :
名無し募集中。。。:
黒光井からチョコレート
おされですね!