一人で行く劇団ゲキハロ第4回公演「携帯小説家」

このエントリーをはてなブックマークに追加
29101
ケータイ小説
「サムライ☆ベイビー」  夢野美鈴 著

☆ 九章

「ただいま〜」
その日、いつものようにキヨカが学校から帰ると、玄関に見慣れない靴があった。
大きくて、使い込まれボロボロになった登山靴だ。
ん??
キヨカは台所の母に聞いた。
「ねえ、誰か来てるの?」
「ケンちゃんが来てるのよ」
「うっそ、ケンちゃん!?」
ケンちゃんとは、
大阪に住んでる、キヨカの従兄弟のお兄ちゃんのことだ。
小さいころはよく遊んでもらった。
優しくて明るくて、キヨカはケンちゃんのことが大好きだった。
「ケ〜ンちゃん♪」
キヨカはカバンを持ったまま、居間でお父さんと話しているケンちゃんのところへ走った。
「よう、キヨちゃん。相変わらず元気そうやなあ」
ケンちゃんの生まれは関東だが、大学も会社もずっと大阪だったので、
今ではすっかり大阪弁が板についていた。
「ケンちゃんこそ、変わってないね〜」
「そうそう、まだ高校通っとんねん。って、なんでやねん」
大阪弁を使う人がみんな面白いとは限らない。
29202:2008/10/08(水) 19:39:00.83 O
ケンちゃんのギャグセンスはともかく、
その笑顔は相変わらず明るく爽やかで、キヨカをホッとさせた。
「また山に登ってきたの?」
「お。なんでわかったん?」
「そりゃわかるよ。玄関にきったない靴があったし、その大っきいカバン見れば」
「きったないは余計や」ケンちゃんの趣味は昔っから山登り。
今でも休みになると、全国の山を登りに出かけている。
「帰りにこの辺を通ったからな、キヨちゃんの顔でも見てったろ思うて」「お土産は?」
「あるで〜」
「やった〜♪♪♪」
ケンちゃんの前で珍しくはしゃぐキヨカを、
お父さんがたしなめる。
「ごめんなケンちゃん。キヨカのやつ、いつまでたっても子供で」
「いやいやおじさん。しばらく見ない間に、キヨちゃん、大人の顔になりましたよ」
「さっき相変わらずだって言ったじゃん」
キヨカが反論する。
「ホントや。ずいぶん顔つきが大人んなったで。なんかあったんとちゃうか〜?」
「それってセクハラだよ〜?」
「うそうそ。訴えんといて〜」
「ば〜か」
293名無し募集中。。。:2008/10/08(水) 19:39:05.77 0
サムライってのは7人の侍から来てるのか
じじくさいな
294名無し募集中。。。:2008/10/08(水) 19:39:54.57 P
転載しない方がいいと思うけどなあ
295名無し募集中。。。:2008/10/08(水) 19:41:17.31 O
有料サイトのコンテンツ貼るとかアホかよ
下手したらアレだぞ
29603:2008/10/08(水) 19:41:22.84 O
キヨカは確かに、自分は変わったと思う。
この夏、サムライ☆ベイビーのみんなと出会って、いろんなことがあって、少しは大人になったのかもしれない。
いつも会ってるお父さんやお母さんにはわからなくても、久々に会うケンちゃんにはわかるのだろう。
いろんなことがあった…たくさんの別れがあり、たくさん大切なことを学んだ。
そして、かけがえのない友達と出会った。
七人の侍が村を守ったように、私たちにも守るものがあった。
七人の侍は剣で戦ったが、私たちは携帯で戦った。
そして、自分たちはまだまだ未熟な子供だということを知った。
だから私たち7人は、自分たちのことをサムライ☆ベイビーと呼んだ。