1 :
名無し募集中。。。:
長門「…」ペラ
長門「…」ペラ
長門「…」ペラ
ガチャ
キョン「よう長門。調子はどうだ?良くなったか」
長門「…ない」
キョン「そうかい…ハルヒの奴が今週の探索はまた長門の見舞いに来るって騒いでたぞ」
長門「…」
キョン「アイツ、病院を何だと思ってるんだか…」
長門「…ケン、ケン」
キョン「っと、大丈夫か長門」さすさす
長門「大丈…ケン、げほ、げほ」
キョン「…」さすさす
長門「げほ、げほ!!かはっ…ヒュ…ヒュウ…ケン…げほ」
キョン「…ここ最近、ひどいな」
長門「ごめん…なさい」
キョン「謝る必要なんかないさ。早く治しちまおうぜ」
長門「そう…また、図書館に」
キョン「あぁ。いくらでも付き合うぜ。じゃあそろそろ帰るよ。元気でな」
長門「…そう」
バタン
長門「治らないのは彼が1番よく知っているのに……優しい人」
2 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:00:55.17 0
3 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:01:47.93 0
このスレたてたのはキチガイ
4 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:02:17.80 0
キョン「長門の為に…なにか出来る事はないのか」
キョン「はぁ…散々助けられて、いざ長門が大変な時に何をしてんだよ俺は…」
キョン「明日からはずっと長門の傍に居てやろう…」
カチカチカチ
『おやすみ長門』
キョン「っと…送信」
キョン「おやすみ長門」
長門「げほ、げほっ!う…ウエエ…!!」ビシャビシャビシャ
長門「はぁ、はぁ…うぇほっ、えほっ、げほ!…ヒュウ…ヒュウ…」
trrrrr
長門「…!ぜぃ…ぜぃ…」
『おやすみ長門』
長門「…おやすみ…なさい…」ケンケン
5 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:04:29.31 0
スレの趣旨はよくわからないけど
>>2の画像可愛いじゃん
6 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:05:51.89 0
ガチャ
キョン「おはよう長門」
長門「…」スー…ヒュウ…
キョン「…寝てるのか」
長門「…」スー…ヒュウ…
キョン「こうして見ると…本当に可愛い顔してるんだな」
キョン「あと3日で居なくなっちまうなんて…信じられないな」
シャリシャリ
シャリシャリ
長門「…」パチ
キョン「…」シャリシャリ
長門「…」ボー…
キョン「…」シャリシャリ
長門(…彼…?)
7 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:06:21.86 0
キョン「…よし、と」
長門(…彼が来てくれている…)
キョン「起きたら食べさせてやるか。なんだかちっこいリンゴになっちまったな」
長門(……うれしいのに…恥ずかしくて起きられない)
キョン「…まだ起きないか…もう昼前なのに」
長門(……寝たフリをしておく)
長門「…」
キョン「…長門、ごめんな…なんにもしてやれなくて……」
長門「…」
キョン「あとちょっと…一緒に居るだけしかしてやれないけど」
長門「…」
キョン「せめて一緒に居させてくれ」
8 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:07:11.25 0
ちょっと探りを入れてやろうか。
「なぁ長門…起きてるだろ」
「…」
ほお、あくまで寝たフリを続けると言うんだな。
「寝てるか…」
「…」
「昨日な、部室のPCに気になるフォルダを見つけたんだ」
「…」ピク
数ミクロンだけ眉が上がった。確定だな…ちょっと意地悪してやろうか。
「確かフォルダ名がkだったかな」
「……」
ここまでは本当だ。kフォルダの存在は天涯領域の件以前から知っていた。
起きないならここからは可哀相だが嘘を聞いてもらう事になるぜ?
「昨日たまたまコンピ研の部長氏が部室に来てな。そのフォルダを開いてもらったんだが…」
「…」ムク
「おはよう長門」
「……おはよう」
9 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:10:03.13 O
長門裕之・南田洋子本スレ
10 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:12:13.06 0
「いつから起きてたんだ?」
「…貴方が、リンゴを剥いてくれている時…」
「寝たフリするなよ」
「ごめんなさい…」
「はは、リンゴ食べるか」
「…」コク
おはよう、と言い合うだけで、こんなに満たされる。
少しだけお茶目になった長門は正直可愛い。
本当に、こんなに他愛もない時間で幸せだと感じる。
残り時間が、もう少しだけでも長くなれば良いのに。
「…ごちそうさま。美味しかった…」
「ん?リンゴ苦手だったか?一口かじっただけじゃないか」
「…違う。食べられないだけ…顎や口腔に痛みが発生する」
11 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:13:04.41 0
「えっ?なに、ちょっと・・ンっ
あ、まつげ長っ・・男の子のシャンプーってこんな香りなんだ・・あたしのともパパのとも違う
・・なに考えてんだあたし、こんな時に」
「ためしてみるか?」
「えっ?」
「ずいぶんせまそうだな・・入るか?」
・・・・・
「・・ダメっ!こわい!」
「あーやっぱ入んねえ、鍵穴が塞がってる
・・なにあかくなってんだガキ」
「はっ、なってねぇーつーの、エロオヤジ!」
「・・・まだその時じゃないってことか
ふっ、じゃーなエロガキ」
12 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:14:20.62 0
あの長門が、リンゴのひとつも食べられない。
カレーが大好きで、見かけによらず大食いで、食べている時は俺じゃなくてもわかるくらいに
幸せそうな顔で、リスみたいに頬を膨らませて…
なんでもないような幸せだった時間がフラッシュバックする。
あの長門見る事は、もうないんだな…
「長門、口移しは嫌か?」
「口移し」
「口移し」
言葉を知らない子供のように俺の台詞を繰り返す。
「俺が噛んでからお前の口に移してやるよ。それなら食べられるだろ」
「…」
俯いてしまった。流石に嫌だったか…いや、残念とか思ってないぞ。断じて。
純粋に親切心で言っただけだ。
13 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:15:17.42 0
14 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:16:02.17 0
我ながら上手く出来たとは言い難いリンゴを口に含む。
これから長門と粘膜同士の接触があるってのに、不思議と性的な興奮や緊張は一切ない。
ただ静かに、長門のために。その思いだけが俺を動かしている
…少し、酸っぱいかな。
「長門、口開けてくれ」
「…」
いつもの無表情に少しだけ紅が差しているのは、体調のせいか、照れているのか。
小さい唇の間から覗く口内には、爛れて出血していたり無数の口内炎があったり…
確かにこれは、食べられないな。
15 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:16:24.09 O
久しぶりに長門の湯本温泉行きたくなった
16 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:17:16.78 0
音も無く口づける。
長門の体温と俺の体温、その少しの違いが愛しい。
お世辞にも柔らかいとは言えない、かさついてひび割れた唇の感触が愛しい。
舌で半固体状態になったリンゴを長門に移す。
…鉄の味がした。
「…」
そして音もなく唇を離す。名残惜しむ事もなく。
次のリンゴを口に含む。
長門に移す。
単調な作業の繰り返しなのに、会話は一切なかった。
もう何切めかわからないリンゴを移し終えた時、長門に変化が起こった。
17 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:19:12.94 0
「…う…」
長門の頬に一本の筋を作り、顎から雫が垂れていた。
「痛かったか?すまん」
「……」フルフル
ただ長門は首を振る。
涙を流しながらイヤイヤと首を振る姿は、どこか幼く見えた。
そういえば、長門はまだ4年しか生きてないんだよな…これが普通の反応なんだろう。
その姿が俺の胸を締め付けるには十分な威力を持っていたのは、言うまでもない。
「私の…願いが叶ったから…」
「長門…」
それはきっと、俺とキスをしたかった、と。そういう事なんだろう。
その願いが叶ったのが、こんな風になってしまってからだなんてな…
「ごめんな、長門」
「…貴方はさっきから…謝ってばかり。どうして」
「もっと早く叶えてやればよかったと…そう思ってな」
「…(フルフル)私は今、とても幸せ…ケホ…」
「…長門…」
お前があんまりにも幸せそうな顔でそんな事を言うから、俺は泣いちまったんだぞ。
「…泣かないで」
「…フ、グ…す、すまん…」
18 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:26:14.44 0
「長門」
「なに」
「何か…したいことはないのか。行きたい所、見たい物、なんでも良い」
「…」
このままここで終わりなんて、あんまりにもひど過ぎる。
きっと何か、俺が長門に恩返し出来る何かがあるはずだ。
なぁ長門。なんでも言ってくれ。
「ここに居て」
それで良いのかよ。どこか行きたい所は?
「良い。貴方の横がいい」
「長門…」
19 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:28:23.34 0
「…貴方の隣に居させてくれれば…それでいい」
「長門…」
「私は貴方の事が好きだから」
「…」
わかっていた。長門が俺を好いてくれちいる事。わかっていながら、気付かないフリを続けてきた。
別に彼女にしたくないとか、他の女の子の事を考えていたとかじゃない。
「知ってたよ」
「…え」
20 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:31:35.05 0
「俺も、長門が好きだ」
「…」
不思議と恥ずかしさや照れ臭さはなかった。素直に自分の気持ちをコイツに伝えたかった。
「…残り少ない時間だが、俺が隣に居ても良いか」
「…うれしい」
そうする事でしか、俺は許されない気がした。何度も助けてもらった恩人への、せめてもの恩返し。
そうする事でしか、コイツは救われないと思った。残り3日というあまりにも短い時間…
せめて、人並みの幸せを感じて欲しかった。
21 :
名無し募集中。。。:
こんな時間が、せめて一秒でも長く続けばいい。
そう思う俺を知ってか知らずか、長門は語り続ける。
「そろそろ帰るよ」
「…帰るの」
「もう追い出される時間だしな。明日も朝一で来るよ」
「…ありがとう。また明日」
これが、俺が見た元気に話せる長門の最後の姿だった。