1 :
名無し募集中。。。:
おれのいない間に落ちてた
2 :
名無し募集中。。。:2008/06/15(日) 22:10:08.31 0
mの、ゆめは、将来のうちに
fとかeと、いっしょに、連合組んで
モ板(狼)を統一することである。
スレ出たら、cんとこの溶接、手伝って
金ためてハンバーグか、干し芋を、迷ってるが買って、
お風呂も改造して、プリプリいいゼリーにして入る。
mは、ずっと将来現役で、食べ続ける事が、夢である。
r‐-、._ ,,. r─-、.,
/mmミミ/mmmmミ 生
xmmミ/mmmmミソ
トmmmmmmm彡゙i 涯
}ミ.i|トmmmmミノ/:|mイ
〈_|゙((mmmm/ i彡゙;) m
_ {,i ゙Yimmmソ ,. j彡ィ_
! .yi´``Vmmノ"ミ;=くィクf`l だ
\゙.| ゞィ>t(イヨ ●ヾ〕くi ゙i
ヽイ●ノ _| -、"'ーヘヽ.i|.-'/ も
じ.ヽ トYj^ \ l ,/|_/
ノi人‐゙・ ・'' ヽ ノ /从 ん
イリ|ト"'-三-''" ) /ミリ
ミリノi / iリミリリ で
リリリヽ-‐t" }リミリ
ミリ / / \_,-、_
,. -‐v ,/ ./、`´゙‐、
3 :
名無し募集中。。。:2008/06/15(日) 22:56:54.92 O
1乙
4 :
名無し募集中。。。:2008/06/15(日) 23:34:08.58 0
おつおつ
5 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 00:25:35.48 O
早速ほ
6 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 00:28:15.93 O
まとめ欲しいな
7 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 01:28:34.38 0
最後の方って上がってた?
ってことで
まとめ欲しいな
8 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 02:56:17.67 O
落ちたのか
続き見てぇー
9 :
作者2(代理):2008/06/16(月) 03:46:33.24 0
作者2ですが、規制に巻き込まれてしまい、続きを書くことができません。
前回の規制解除から数時間で、次の規制がはじまってしまったみたいです。
規制が解除されたら、書かせていただきたいと思っております。
10 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 05:31:44.26 O
ほ
11 :
名無し禁止:2008/06/16(月) 08:16:42.98 O
ふへへ
12 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 09:27:45.86 O
もう落とさない
13 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 09:33:51.34 0
test
14 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 10:01:35.26 O
Buono!
15 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 10:11:31.58 O
16 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 12:06:52.01 0
17 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 13:01:34.43 O
イヤッフーィ
18 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 14:31:08.20 O
ほぜん
19 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 16:38:37.78 0
v ・)<ほ
20 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 16:40:54.96 O
なにここ
21 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 17:52:34.77 O
州*‘ o‘リ
22 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 18:42:17.53 O
愛理が愛おしくてたまらない
23 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 19:59:40.55 O
落とさせるものか
24 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 20:52:52.54 O
いつまでもまってるぜ
25 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 21:13:03.58 O
毎度宗教染みてますね
26 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 22:17:13.88 O
保全
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ のにゅ?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
のにゅのにゅマン巡回中!
28 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 23:02:27.91 0
いつまでも待ちます
29 :
名無し募集中。。。:2008/06/16(月) 23:43:15.65 0
ほぜん
test
赤と白の水玉模様――遠くからだとチェック柄に見えるエプロンをつけた舞美ちゃんが、サラダを作りはじめた。
その後ろ姿を、4人掛けのソファーに座って見ている僕は、天国と地獄の狭間にいる。
『有原さ〜ん、これはなんですかぁ?』
「ザックルぅ」
『もう、ザックルでいいでーす』
『これわかる人?』
「はぁ〜い」
『じゃあ嗣永ちゃーん』
「葉っぱ」
小気味よいテンポに、吹き出してしまう僕。この先に待ち受けている運命を知らずに、栞菜と腕をからませている。
「そんなに、くっつくなよ…… テレビだぞ」
僕は僕に嫉妬して、リモコンの停止ボタンを押した。
真っ暗なテレビ画面が、僕の心を映し出す。
もしも願いが叶うなら、あのころの僕に教えてやりたい。選んではいけない選択肢と、今の僕の、正直な気持ちを伝えたかった。
栞菜……
君に会いたい。
もう一度、栞菜とやり直したい。
恋人じゃなくていいんだ。友達でも、出会ったばかりの2人に戻ったっていい。
ただ普通に、話がしたかった。
同じ景色を見て、泣いたり笑ったりしていたかった。
それが夢物語だということは、わかっている。
タイムマシンなんて、どこにもない。
レッスン室に呼び出された、あの日。
脅迫者が去って、僕が真っ先にとった行動は、携帯の画像を消すことだった。
震える指先でボタンを押して、忌まわしい記憶を消す。自分のなかに潜んでいた狂気を、画像もろとも捨ててしまいたかった。
データが消えたかどうか、何度も確認する。
これで全てなかったことになるなら、どれだけ救われるだろう。
でも現実はリアルで、リセットなんてできない。忘れてしまうには、僕の罪は重すぎる。
画像を消去した僕は、なっきぃにメールを書いた。
タイトルは3文字、本文は5文字。
「ごめん」
「消しました」
ただそれだけを打って、送信ボタンを押す。
返信はなかった。
当然だと思う。
僕は卑怯だ。直接、謝らなければならないのはわかっているのに……
でも、きっと、なっきぃを目の前にしたら言ってしまう。立場をわきまえず、なっきぃの気持ちも考えずに、「栞菜には黙っていて」と念を押すだろう。
これは、僕のわがままだ。
りーちゃんにバレるのは、かまわないと思う。僕は嫌われてしまうけど、きっとそれが、りーちゃんの背中を押すことになるから。
でも、栞菜にだけは、知られたくなかった。
「愛理とは、友達でも何でもないから」
別れ際の言葉が、今も胸に突き刺さる。
もう、これ以上、栞菜に嫌われたくない。
僕はベッドにもぐりこんで、頭からブランケットをかぶった。
メールを読んだなっきぃは、僕のことを栞菜に話しただろうか?
どうして、こんなことをしてしまったのだろう。僕はバカだ、バカすぎる……
後悔が、波のように押し寄せていた。
収録現場の控え室。その扉の前まで、僕はやってきた。
予定された入り時間よりも、かなり早い。
男になってから、僕はできるだけ早く楽屋に入るようにしていた。着替えているところを、他の誰かに見られたくなかったからだ。
そう言えば……
これも、栞菜のアドバイスだったっけ。
自分が、どれだけ栞菜に助けられてきたかということに、改めて気付かされる。
僕は沈んだ気持ちのまま、扉のノブに手をかけた。
℃-uteのメンバーは、全員が同じ楽屋を使う。最近はBuono!の活動が続いていたから、みんなと会うのは久しぶりだ。
僕は、栞菜やなっきぃに、何と話しかければいいのだろう。ずっと悩んできたけれど、答えは出てこなかった。
ため息をひとつ。重い扉を開けて、控え室に入る。
……先客がいた。
すでに着替えをすませ、「涙の色」の衣装に身を包んでいるメンバー。
栞菜だった。
まばゆい笑顔で迎えてくれたのは、ほんの一瞬。陽光はすぐに陰って、そっぽを向く。
大部屋に2人。
おはようも言えない僕は、うつむいたまま、対角線の反対側に移動する。
服を着替えながら、何度も目で栞菜を追う。
久し振りに見た栞菜は、前よりも痩せて、大人っぽくなっていた。
全身から、凛とした空気を感じる。
言葉を交わしたいと、心から願うけれど、僕は何も言い出すことができなかった。
あの日の脅迫者の言葉が、頭から離れない。
「簡単に言えば、二度と会ってほしくないのよ。栞菜ちゃんは、桃の恋人になるんだから」
「未練があるとか、言わないでよね。梨沙子と別れたから栞菜ちゃんとよりを戻そうなんて、そんな都合の良い話、あるわけないもの」
弱虫な僕は、栞菜に話しかけることもできなければ、沈黙に耐えることもできなかった。
着替えをすませると、逃げるように楽屋を飛び出す。収録がはじまる直前までどこかに隠れて、一人、時間をつぶそうと考えた。
「5秒前…… 3、2……」
スタッフさんが、指で数字を作る。
目の前のカメラに命が宿り、まばゆい光が僕らを包んだ。
今日収録する番組は、僕たち14人のレギュラー番組で、深夜に放送されている。1回の放送時間が短いから、まとめて撮る。
毎回、それぞれのグループから選抜されたメンバーが出てきて、クイズやゲーム、料理で対決する。
台本で今日のメンバーを知った僕は、ぎりぎりまでスタジオに入らないという選択をとった。
僕の横には、栞菜となっきぃが座っている。対戦相手――ベリーズの席には、桃がいた。
針のむしろの上で、僕はいつまでも集中できない。このままではダメだとわかっていても、ついつい、3人のことを見てしまう。
目の前では、ゲーム対決が繰り広げられていた。
コントローラーをもったなっきぃが、元気よく飛び跳ねる。対戦相手は熊井ちゃんだ。
「やった〜」
勝利したなっきぃに、舞ちゃんと栞菜が飛びつく。
躊躇した僕は、勝利の輪の中に入ることができなかった。
出遅れてしまったことを取り繕うように、ピースサインをしてごまかす。
隣にいたちっさーが、僕のほうを見て「大丈夫?」と首をかしげた。僕は手を出して、「気にしないで」とサインを送る。
次は栞菜の番だった。
栞菜は真剣な顔で、テレビゲームと格闘している。かたちの良い輪郭を眺めていたら、あっという間に時間が過ぎた。
『じゃあ、次は嗣永ちゃんと鈴木ちゃ〜ん』
進行に急かされて、僕は立ち上がる。
目の前には、コントローラーを持った栞菜。受け取ろうとしたら、目と目が合って、指と指がふれた。
35 :
名無し募集中。。。 ◆XSLqyoVAYc :2008/06/17(火) 00:18:16.30 0
「いきなり呼び出してどうしたんだよ愛理ぃ。」
「………。」
「そうかそうか。そんなに桃に会いたかったんだね。」
「…つき。」
「ん?」
「嘘吐き。梨沙子との協力するって言ったくせに。」
これは単なる八つ当たりでしかない。愛理はいつもはこんなくだらないことはしない。
きっと色んな意味で頭が追いつかないんだろう。
梨沙子のこと。自分のこと。雅のこと。そして、栞菜のこと。
悩めることは素晴らしいこと。
悩む前に全てを解決させようとする自分からしたらとても羨ましい。
「何か勘違いしてるかもしれないけどさ。ももは一度も『協力する』なんて言ったことないよ。」
「っ!!!」
「ももはさ、本当に梨沙子が幸せになってくれればそれでいいんだよ。」
相手が誰でも。梨沙子が幸せなら。ももは他に何も望まない。
ももの幸せは梨沙子の幸せだから。
彼女が笑顔で居てくれれば、それだけで十分なんだ。
36 :
名無し募集中。。。 ◆XSLqyoVAYc :2008/06/17(火) 00:18:59.64 0
「愛理でも、雅でも誰でもいい。梨沙子が幸せを感じられるなら。」
雅はずっと梨沙子のことなんて考えてなかったから、優しい愛理のほうが良いのかなとも思った。
優しい愛理と一緒なら梨沙子も辛い思いしなくても済むのかなとも思った。
でも選ぶのは他でもない梨沙子だから。
雅も愛理も梨沙子を選ぶことはできない。権利を握ってるのは梨沙子だけ。
梨沙子が愛理と一緒に居ても雅のことが忘れられないならそれも仕方の無いこと。
雅は気付いてないだけなんだ。心の奥底で梨沙子を求めていること。
愛理と梨沙子が近づくことでもしも気付くことができるなら、遅いかもしれないけどもしかしたら間に合うかもしれない。
きっと雅は気付いたと思う。自分が本当に大切だと思う人。
そしたら、愛理には悪いことをしたなって思うよ。でもそれも全ては梨沙子のため。許して欲しい。
「どうして?」
「え?」
「どうしてももは自分で梨沙子を幸せにしようとしないの?梨沙子のこと好きなんでしょ?」
「ももは…」
「ももは?」
「ももは汚れすぎたから。」
あまりにも自分が黒すぎて、それと対照的に梨沙子は真っ白で。
自分の手で汚したいという気持ちがなかったわけでもない。
ただ梨沙子が眩しすぎて、ももなんかが汚しちゃいけないって思っただけなんだ。
ただそれだけ。
梨沙子の幸せはももの幸せ。
もも自身はどうなったっていいんだよ。
37 :
名無し募集中。。。 ◆XSLqyoVAYc :2008/06/17(火) 00:19:43.18 0
もろ被ってしまって申し訳ないです。
久々に投下です。
お待たせしてしまってすみませんでした。
僕の全身を、何かが駆け抜ける。それは風のようであり、雷のようでもあった。
なんだか、不思議な気分だ。
指先が触れただけで、こんなにドキドキしている。栞菜とは、もっと深い関係だったこともあるのに……
頬に残る微熱。沸騰する血液。ふわふわと、宙に浮くような心地よさで、足が地面につかない。
もしかしたら、これが、恋というやつかもしれないと思った。
栞菜が、僕の手を握ってくる。
その温かさと、遠慮のない強さに、僕は心を奪われる。胸のドキドキが、スピードを増す。
栞菜は、何も言えない僕の目をじっと見て、
「がんばれ」
そう言ってくれた。
僕のなかから、いつもと違う力がわいてくる。栞菜に励まされた今なら、何だってできそうな気がした。
ギターの形をしたコントローラーを抱えて、僕は桃と対峙する。自分のなかにある思いを、この対決にぶつけようと決めた。
39 :
◆OwY68vAbck :2008/06/17(火) 00:42:56.57 0
以上で「愛理苦悩編」を終わります。
あまりにも長い規制だったので、
>>34と
>>38を付け加えて書いてしまいました。
次は、同じ日の出来事を栞菜の視点から書いたものを上げさせていただきます。
>>37 乙です。お待ちしておりました。
こちらこそ、申し訳ありません。また規制に巻き込まれるといけないので、あわてて書いております。
両先生乙であります
41 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 01:42:18.16 0
いっぺんにキテターーーーーーーーー!!!!
乙です
42 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 03:02:00.45 0
保全
43 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 04:01:26.23 O
寝る前保
44 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 04:41:25.99 O
楽しいねぇ楽しい
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ のにゅ?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
のにゅのにゅマン巡回中!
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::::::.\:★ノノハ のにゅ?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
のにゅのにゅマン巡回中!
47 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 08:22:20.00 O
ほ
48 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 11:26:27.95 0
も
49 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 13:22:15.19 O
保全
50 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 13:22:18.53 O
リl|*´∀`l|人ノノl∂_∂'ル
51 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 15:24:48.15 O
保全
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::::::.\:★ノノハ のにゅ?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
のにゅのにゅマン巡回中!
53 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 17:58:16.81 O
ほぜん
54 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 19:18:27.43 0
州´・ v ・)
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::::::.\:★ノノハ のにゅ?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
のにゅのにゅマン巡回中!
あたしが愛理に別れを告げてから、しばらくの時が流れた。
その間、愛理はBuono!のお仕事で忙しかったから、あたしたちは顔をあわせずにすんだ。
もちろん、会いたくなかったわけじゃない。
愛理のことは今でも好きだし、会いたいと思う。
でも、それを口に出してはいけなかった。心に秘めておかなければならなかった。
この状態は、きっと、良くないことだ。
終わってしまった恋愛に身を焦がすのは、大人の女じゃない。
そう思ったあたしは、愛理のいない世界に慣れようと努力した。
でも、無理だった。
学校の友達や家族といる時、レッスンや勉強に集中している時、ふとしたきっかけで、愛理のことを思い出してしまう。
一番やっかいなのは、夜、部屋ですごす時間。1人には慣れているはずなのに、なかなか寝つけなかったりする。
今夜もそうだった。
誰もいない部屋。
ベッドのなかにいるのは、大人になりきれないあたし。
羊を数えることにも、飽きてしまった。
小さな明かりを見つめながら、愛理を想う。
梨沙子ちゃんとは、うまくいっているのかな?
うまくいっていると……いいな。
キスとか、したのかな……
クッションを抱いて、ごろごろと転がる。
こんな時、姉妹(きょうだい)でもいれば、少しは気もまぎれるのに……
あたしは、部屋に飾ってあるカレンダーに目をとどめた。×が並ぶ日付の先に、燦然と輝く○印。
明日は「ベリキュー!」の収録日。
何の気兼ねもなく、愛理と会える。
そう思ったら、少しだけ元気が出た。
想像しただけでこうなのだから、実際に愛理と会ったら、もっと元気になるだろう。
あたしは愛理から元気をもらって、一人で頑張っていく。
こぼれた水は元には戻らないけど、愛理の幸せそうな顔を見れば、救われるような気がしていた。
「5秒前…… 3、2……」
スタッフさんが、指で数字を作る。
それは、ついさっきまで騒いでいた中高生が、プロになる瞬間。
そして、あたしが「ホントのじぶん」をさらけ出す合図だった。
控え室に、愛理が入ってきたとき――
久しぶりの再会に、思わず頬がゆるんだ。
あたしはあわてて、横を向いた。
冷たい仮面をかぶって、気のないそぶり。涙の色の女の子になりきる。
愛理は、部屋の隅っこで着替えをはじめた。
心の中にいる甘えん坊が「おはようの挨拶ぐらい、いいじゃん」と誘ってくる。
あたしは、自分自身の心の声にあらがった。
沈黙が続く。
たまに目と目が合うのは、あたしの気のせいだろうか? 自意識過剰?
そんなことを考えていたら、着替えをすませた愛理が部屋から出ていった。
正直、ホッとしている自分がいる。
冷めたフリを続けるのは、苦しい。
思ったよりも、疲れるんだ……
60 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 21:00:05.66 0
更新乙!愛栞の行方が気になってしかたない
61 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 21:15:46.64 O
終わったのか?
なんか規制か何かに引っ掛かったかと思った
>>56-59の続き。
収録がはじまると、あたしは素顔をさらす。
愛理との時間を楽しむ。
あたしは愛理と手をつなぐ。ぎゅっと力がこもったのは、秘めた想いが強すぎるから。
控え室と違う別人のあたしに、愛理は驚いていた。
でも、言葉にできない素直な気持ちを伝えられるのは、今しかない。
「がんばれ」
あたしは、愛理を励ました。
控え室にいるときから、ずっと気になっていたことがある。
今日の愛理は、少し変。全くといっていいほど、元気がない。
梨沙子ちゃんと、ケンカでもしたのだろうか?
それとも…… 少しは、あたしのことを気にかけてくれたのかな。
昔みたいに、相談にのることはできないけれど、愛理には幸せになってほしい。
いつまでも、笑っていてほしい。
せっかく、好きな人と一緒になれたのだから、あたしのことなんか忘れて、前を向いて歩いてほしいんだ。
……嘘。
そう、あたしはズルい。悪い子だ。
別れの言葉のなかに、トリックを忍ばせた。
「お仕事の現場では変わらないけど、もう、終わりにしよう、あたしたち」
お仕事の現場では、変わらない。
この一言に、あたしは逃げ道をつくった。
ゲーム対決を終えた愛理に、あたしは抱きつきにいく。チームが勝てば、一緒になって喜ぶ。
梨沙子ちゃんには申し訳ないと思う。でも、この短い収録の間だけは許してほしい。
束の間の恋人気分。
それはとても楽しくて、哀しい時間だった。
「はい、OKでーす」
スタッフさんの声が、スタジオに響く。
あたしは、愛理への想いを断ち切るように、つないでいた手を放した。
周囲の人に「ありがとうございました」と挨拶をしながら、冷たい仮面をつける。
愛理の顔を見ないようにして、スタスタと、控え室に向かって歩きはじめた。
心の真ん中に、ぽっかりと穴があいている。
この穴を埋められるのは、一人しかいないけど、それを望むことは許されなかった。
次のお仕事がはじまるまで、あたしは愛理を無視するだろう。
しかし、どれだけ心を凍らせても、手のひらに残る温もりは、簡単には消えそうになかった。
以上です。愛理苦悩編(
>>31-34 >>38)を、栞菜の視点から書いてみました。
整合性をあわせるのに苦労しました。変なところがあっても、どうかお許しください。
次回は「桃子暴走?編」です(視点は栞菜の予定)
それでは、おやすみなさいませ。
65 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 21:32:54.23 0
おつです!
乙です
67 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 21:37:06.23 0
間に割って入ってすまんかった
乙でした
68 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 22:14:47.02 0
69 :
名無し募集中。。。:2008/06/17(火) 23:12:41.02 O
ほ
70 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 00:12:14.52 O
寝るほ
71 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 00:27:46.73 0
72 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 01:50:29.69 O
ほ
73 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 03:37:49.21 O
寝る前ほっ
74 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 04:57:27.34 O
あげ
75 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 08:18:20.48 O
落ちちゃうよ
76 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 10:28:24.07 O
あげとくか
77 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 12:20:55.56 O
あげ
78 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 13:05:23.45 O
おらおらおら
79 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 13:51:40.00 O
保全
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ NO乳?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
NO乳NO乳マン巡回中!
81 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 15:20:36.39 O
ほ
82 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 16:46:52.30 0
Bo
83 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 18:26:21.39 0
HZN
84 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 19:28:01.43 O
ほっぜん
85 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 20:40:49.83 0
hozen
86 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 21:47:21.72 0
ほしゅ
87 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/06/18(水) 22:45:31.47 0
今夜は書けそうにありません。
申し訳ありません。
88 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 23:26:01.54 0
89 :
名無し募集中。。。:2008/06/18(水) 23:51:40.38 O
待ってます
90 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 00:22:47.89 0
いつまでも待ちます ho
91 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 01:33:18.12 0
hzn
92 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 03:50:29.19 O
保全
93 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 04:30:12.38 O
保全
94 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 05:24:10.53 Q
つまんね
95 :
名無し募集中。。。 :2008/06/19(木) 07:28:01.98 0
age
96 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 08:33:42.54 O
ほ
97 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 09:50:03.16 O
の
98 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 11:52:23.00 O
ま
99 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 12:51:25.94 0
ら
100 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 15:13:53.54 0
ノノl∂_∂'ル
101 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 15:27:23.04 O
愛栞すっげードキドキしながら読みました
栞菜視点すごい気になる
102 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 15:28:38.79 O
>>101 あ、栞菜視点もう投下されてたw
今から読みます
103 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 17:36:24.68 O
あげとくわ
104 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 19:02:30.30 0
おちる
「今日はウチのおごりだから、何でも頼んで」
「え、いいの?」
「いいっていいって、ど〜んと任せなさい」
とある昼下がり。
あたしは、あたしのおねえちゃん――えりかちゃんと一緒に、横浜まで遊びにきていた。
買い物をしたり、プリクラをとったりしたあとで、えりかちゃんオススメの、タピオカジュースのお店に来ている。
タピオカというと、ココナッツミルクのかかった小さな粒粒を思い出す。
好き嫌いの多いあたしは、テレビで見たカエルの卵を連想してしまって、食べることができない。
えりかちゃんに「この店のタピオカなら、絶対食べられる。本当に美味しいんだから」と誘われて、連れてきてもらった。
「じゃあ…… これにしようかな」
メニューのなかから、無難なものを選ぶ。
「え〜 それだけでいいの?」
「うん」
しばらく待っていたら、注文した飲み物がやってきた。
あたしたちは席にすわって、おしゃべりをはじめる。
「ん〜 おいしー」
「でしょ」
この店のタピオカは、一粒一粒が本当に大きい。ビー玉ぐらいの大きさの粒が、普通のストローの5倍はありそうな空洞を通って、口に入ってくる。
大粒のタピオカはもちもちとしていて、甘いアイスミルクティーによくあった。
タピオカの美味しさについて語り合っても、おしゃべりは終わらない。
例えるなら、歌を歌う前の発声練習をすませただけ。
お気に入りのアーティスト、最近ハマっているドラマ、学校であった面白い話、買ったばかりの服や小物の話…… 次々と話題を変えながら、あたしたちは話し続ける。
女の子のおしゃべりは、たぶん、男の子には理解できない。ついていけない世界だろう。
それにしても……
今日のえりかちゃんは、上機嫌だ。
「それでね、舞美がさぁ〜」
その原因は、さっきから、何度も出ている固有名詞。
えりかちゃんの話には、必ずと言っていいほど、あたしのもう一人のおねえちゃん――舞美ちゃんの名前が出てくる。
もともと仲が良くて、いろいろな伝説を持つ2人だけど、ここにきて、その関係がさらに進展したような気がする。
2人のアツアツぶりは、失恋したばかりのあたしには毒そのもの。
これじゃあ、まるで、新婚さんのノロケを聞かされる会社の同僚だ。
テンション↑↑のえりかちゃんと、↓↓のあたし。今の状況は正反対だけど、↑↑のえりかちゃんを見るのは、悪くなかったりする。
「……というわけよ。って、聞いてた?」
「うん、聞いてない」
「なにそれ〜」
「ふは」
「もー」
えりかちゃんが、頬をふくらませる。
なんだか楽しい。
落ち込んでいたあたしを気遣って、こういう時間を作ってくれたえりかちゃんの優しさが、心にしみた。
あたしは、残り少なくなってきたミルクティーで、喉を潤す。
「ごめんね、ちょっと考え事しちゃった」
「ほほう、やはりそうですか」
えりかちゃんは、テレビドラマに出てくる警部補のような体勢で、ニヤニヤとほほえむ。
「ウチにはわかる。栞菜が何を考えているか」
「何? 当ててみてよ」
軽い気持ちで、そう返してしまった。
神秘的な瞳で、あたしを見つめてくるえりかちゃん。
「じゃあ、当ててみせるね」
その口調は、まるで占い師のようだった。
「……愛理のことでしょ」
「な、何を――」
いきなり愛理の名前がでてきたので、あたしは言葉に詰まってしまう。
思いっきり勘違いしているえりかちゃんは、満足そうにうなずくと、アドバイスを始めた。
「いいかげん、愛理と仲直りしたら?」
「別に、ケンカとかしてないし……」
「嘘だね」
「嘘じゃないよ」
「嘘。だって二人、お仕事の時しか喋らないじゃん。楽屋ではお互い無視してるし…… そういうの、良くないと思うよ」
「……」
「でさ、これは舞美が言っていたんだけど」
「また舞美ちゃん?」
「いや、これは真面目な話。ちゃんと聞いて」
「はいハイ」
あたしは、ほとんど融けかけている氷に、ストローで息を吹きかけた。
えりかちゃんが、コップをとりあげて言う。
「栞菜は…… 無理してるよね」
「え?」
「収録中とか、いろいろ見てたらさ。自然に腕組んだり、抱き合ったりするじゃん」
「それは、ほら、変な噂とか流れたら嫌だし」
「舞美は『本当に嫌っていたら、栞菜はあんなことできない』ってさ。ウチは、舞美の言うとおりだと思う。本当は愛理と仲直りしたいのに、意地をはっているんでしょ?」
あたしは、何も言い返すことができなかった。
舞美ちゃんは、よく見ているなあと思う。
天然とか言われていても、やっぱりリーダー。しっかりしているんだ。
108 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 19:56:00.41 0
沈黙を、図星と受け取ったのだろう。
えりかちゃんの攻撃は、激しさを増していった。
「自分の気持ちに嘘をつくのは、良くないよ」
「お互い素直になって、仲直りするのがいいと思うよ」
「仲直りって、意外と簡単にできるんだから」
「ウチと舞美が喧嘩したときは……」
「それでね、舞美が……」
「だからウチは……」
「ウチと舞美は……」
「それでさ、仲直りしたあとは、今まで以上にイチャイチャするんだよ」
一方的に、しゃべり続けるえりかちゃん。
ふつふつと、怒りに似た感情がわいてくる。
不機嫌が、表に出てしまったのだろう、
「そんな顔しちゃダメだって、ほらほら」
えりかちゃんは冷やかしまじりに、あたしの頬をつんつんと突いてくる。
いつもなら笑ってすませられることなのに、このときのあたしは、変なスイッチが入ってしまった。
「そんなこと…… 言われたくない!」
「えっ?」
「えりかちゃんに、そこまで言われたくない。あたしたちのこと、何にも知らないくせに」
「ちょ、ちょっと」
「だいたいあたし、愛理のこと考えていたわけじゃないし」
「そうなの?」
「さっきから舞美ちゃん舞美ちゃんってさ。『そんなに舞美ちゃんがいいなら、2人でいれば良いじゃん』って思ってただけだよ」
「か、栞菜……」
「まだ時間あるしさ、電話でもメールでもして、これから遊べばいいじゃん。お邪魔虫のあたしは帰るからさ」
あたしは、えりかちゃんの手を振り払った。
勢いのまま立ち上がり、表に飛び出してしまう。
えりかちゃんを店に残したまま、感情のおもむくままに走り続けた。
あたしは街を駆け抜ける。
走っているうちに、少しずつ、熱がひいていくのを感じる。
そこに待っていたのは、後悔だった。
周囲を見回すと、知らない道。
どうやって帰ればいいのかも、わからない。
途方に暮れていると……
「栞菜ちゃん?」
後ろから、声をかけられた。
ドギマギして、つい、身構えてしまう。
「もぉだよ、もぉ」
そこにいたのは、桃子ちゃんだった。
111 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 20:04:25.24 P
ボーノメンがしこめばベリキューメンも
エロエロになるよ
112 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/06/19(木) 20:06:46.02 0
「桃子暴走?編」の、前半部分を書かせていただきました。ここまでで、1/2か1/3です。
あたたかいお言葉や保全をしてくださっている皆様、感謝しております。ありがとうございます。
リl|*´∀`l|<でも、これじゃあ、栞菜疾走なんだよ
ル*´ー`リ<BROに連絡しなきゃ
113 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 20:15:02.11 0
乙でした
栞菜の苦悩は深いな…
でもひそかにやじうめも気にな(ry
114 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 21:06:25.03 0
hzn
115 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 21:40:33.77 O
おつおつ
116 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 22:22:04.31 0
117 :
名無し募集中。。。:2008/06/19(木) 23:04:42.63 0
ho
118 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 00:06:41.52 0
保全
119 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 00:34:35.65 0
いつまでも待ちます
120 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 00:50:38.47 O
これは一体なんという宗教ですか
121 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 01:06:28.76 O
栞菜頑張れ
122 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 03:15:35.96 O
深夜の保
123 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 05:23:41.80 0
やじうめ優しいな
124 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 06:45:19.84 O
あげ
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ NO乳?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
NO乳NO乳マン巡回中!
126 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 08:35:18.17 O
ほぜん
127 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 10:37:50.77 O
ho
128 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 11:27:55.65 O
ze
129 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 13:01:45.75 0
nn
130 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 14:07:40.33 O
ほ
131 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 14:45:41.98 O
┐('〜`;)┌
132 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 16:19:57.98 O
保全なのです
133 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 16:20:25.84 0
hzn
134 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 18:17:23.23 0
イ呆
>>105-107 >>109-110 の続き。
カランカランコロンと、耳心地の良い金属音が響く。
レンガ造りの小さな喫茶店は、ほの暗くて落ち着いた雰囲気。
お客さんは少ない。
「こっちよ」
店の人が来るのも待たずに歩きだしたのは、桃子ちゃん。横浜の見知らぬ通りで、偶然出会った。
えりかちゃんとケンカをして、飛び出してしまったあたしとしては、今さら戻ることなんてできないし、帰る道もわからない。
そのままの流れで、桃子ちゃんいきつけの、この喫茶店に来ている。
桃子ちゃんが「いつもの席」に座ると、寡黙なウエイトレスさんが音も立てずにやってきて、そっと寄り添った。
桃子ちゃんはウエイトレスさんの肩を抱き、何やら耳打ちする。ウエイトレスさんが下がると、いつもと少し違う、大人びた表情で、あたしを見つめた。
「ここは、桃に任せてもらってもいい?」
その場の空気に圧されたあたしは、ただただうなずくのみ。
ウエイトレスさんが持ってきたお水を一口、ごくりと飲み込んだ。
うっすらと、舌に残る酸味。
「レモン……ですか?」
「そう、細かいところに気が利くんだぁ〜、ここ。だから、もぉ大好き」
あたしの質問にこたえる桃子ちゃんは、いつもの、かわいらしい桃子ちゃんに戻っている。
「栞ちゃんはどう? 気に入ってくれた?」
「ええ、なんだかホッとします」
「でしょでしょ! 良かったぁ〜」
桃子ちゃんが、手を叩いて喜ぶ。
ホッとしたのは、お店の雰囲気がどうこうというよりは、桃子ちゃんがいつもの調子に戻ったからというのが大きい。
一息ついたあたしは、店内にながれる、古そうな洋楽に耳を傾けた。
指でリズムをとりながら、話をつづける。
「でも、想像していたお店とは、だいぶ違いますね」
「そう?」
「桃子ちゃんだから、もっとかわいい感じのカフェなのかなって…… ドーナッツとカフェラッテ、チョコミントアイスみたいな」
「フフ、ありがと。ナポリタンはあるよ」
あたしの言いたいことを理解してくれたのだろう。
桃子ちゃんは笑って、少し歌ってくれた。
ほんわかとした、楽しい時間がながれる。
会話を遮るように、カウンターのほうから、ガリガリゴリと、氷の砕ける音が聞こえた。
何を作っているのだろう?
少し気になった。
「あれはね、ミックスジュースを作っているの」
「ミックスジュース?」
「果物がいろいろ入ったジュースでね、とろっとしてて、おいし〜よぉ〜」
「へぇ」
「もともとは、関西のほうの飲み物なんだって。ほら、栞ちゃんって大阪が好きでしょ? それで、用意してもらったの」
「そうなんですか……」
「楽しみにしててね」
「ありがとうございます」
お礼を言いながら、少し、ひっかかるものを感じる。
でも、それが何かということまでは、ハッキリと説明できなかった。
「ほら、来たよ」
桃子ちゃんのひと声で、あたしは考え事をやめる。
寡黙なウエイトレスさんが、ジュースを運んできたところだった。
コースターの上にのった、スタイリッシュなグラス。むぎわら色の液体が入っている。
「飲んでみて」
「じゃあ、いただきます」
あたしは、ストローに口をつけた。
どろっとしたジュースが、口一杯に広がる。
フルーツの甘味や酸味、ミルクのまろやかな味わいと、舌に残る氷の結晶。
ピンと一本、匂いたつような香りがして、鼻から抜けていった。
「どう?」
「お、おいしいです」
「おいしいじゃなくて……」
頬に指を当てて、いつものポーズをする桃子ちゃん。
「Buono!でしょ〜」
「あ、はい。Buono!です」
「それは良かった」
すすめられるままに、もう一口。
「タピオカもいいけど、これもいいでしょ?」
桃子ちゃんにそう言われて、また、何かがひっかかった。
「ほら、栞ちゃんって大阪が好きでしょ? それで、用意してもらったの」
「タピオカもいいけど、これもいいでしょ?」
おかしい……と思ったのは、最初だけ。
何かつかみかけていたはずなのに、それは、どんどん遠ざかっていく。
考えることが、おっくうになってくる。
変だ。
頭が、くらくらする。
目の前の桃子ちゃんが、ぼやけて見える。
「店を飛び出したのは、栞ちゃんが悪いと思うなぁ。きっと今頃、えりかちゃん、心配してるよ〜」
「そ…ぅ……です……ね」
何の疑いも持てずに、うなずくあたし。
別れ際に見た、えりかちゃんの悲しそうな顔が、脳裏に浮かんだ。
「ぃま…きゃ…りゃ……メール…して……」
ちゃんとしゃべっているつもりなのに、言葉にならない。
体のなかにあるパワー、活力みたいなものが、急激に失われていくのを感じた。
「あひ…た……にても…ぁゃみゃ…らゃ…にゃぃ…と……」
目の前が、真っ暗になる。
それが、あたしの限界だった。
139 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/06/20(金) 19:21:32.18 0
「桃子暴走?編」の、中盤部分を書かせていただきました。
ありがとうございました。
明日はJリーグの試合があるので、続きは日曜日になると思います。
140 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 19:36:22.27 0
かんにゃああああああああああああああああ
141 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 19:39:59.58 0
盛りやがったな桃子ぉ!!
142 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 20:22:38.33 0
143 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 21:39:49.85 O
乙です
144 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 21:40:32.66 O
かんにゃああぁああああああ逃げてえええええ
145 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 22:11:34.60 0
いつまでも待ちます
146 :
名無し募集中。。。:2008/06/20(金) 23:20:23.01 0
あげ
147 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 00:02:00.87 0
age 流れはやい
148 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 00:38:48.18 O
栞菜やられたな
149 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 01:27:50.46 O
hz
150 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 02:58:21.16 O
何を馬鹿みたいに保全とかしちゃってんだよ
151 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 03:03:59.39 0
桃子謀ったな
152 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 05:58:37.07 O
ノ|k|‘ー‘)<ほ
153 :
名無し募集中。。。 :2008/06/21(土) 07:13:55.80 0
ho
154 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 08:50:45.98 O
おはほ
155 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 09:06:24.98 O
栞菜ぁ
156 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 10:39:18.58 0
hzn
157 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 10:59:21.62 O
何したんだよももこおおおおお!!!!!
作者さん乙でし
158 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 12:43:40.59 O
あげとく
159 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 14:18:45.09 0
hzn
160 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 15:31:03.00 0
hzn
161 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 16:46:07.55 0
ho
162 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 17:45:06.21 0
zeZ
163 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 19:16:34.70 O
保全
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ NO乳?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
NO乳NO乳マン巡回中!
165 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 20:29:05.71 0
hzn
166 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 21:33:17.20 O
ほ
167 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 22:35:05.80 O
何が「ほ」だよ
なんで保全してんだよ
168 :
名無し募集中。。。:2008/06/21(土) 22:36:40.90 O
いやああああ栞菜どうなるんだ
169 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 00:07:47.47 O
落ちるぞ
170 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 00:26:48.29 O
hz
171 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 01:00:44.28 0
age
172 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 02:27:00.38 0
あげ
173 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 05:13:18.00 O
ぁげ
174 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 06:35:57.75 O
ふ
175 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 09:14:56.51 O
朝ほ
176 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 10:43:46.77 O
ほ
光の顆粒が、ぐるぐるとまわっている。
頭が痛い。
ここは…… どこだろう?
とりあえず起きようとしたけれど、身動きがとれなかった。
かろうじて動く首を使って、まわりを確認する。
手首と足首に1つずつ、合計4つの枷(かせ)がはめられていた。枷には鎖がつながれて、それぞれが、ベッドの四方にのびている。
あたしは大の字、仰向けになって、寝かされていた。
「おはよ」
光をさえぎる人影は、あたしを縛りつけた張本人――桃子さん。
黒を基調にしたドレスに、黒いレース。ワンポイントのシルバーアクセと、飴細工のような髪飾りがよく似合っている。
その姿は、挿し絵に出てくる堕天使そのものだった。
「気分はどう?」
「いいわけ……ないじゃないですか」
あたしは、口をとがらせる。
非難の目で、桃子さんをにらみつけた。
「そうね」
桃子さんは、意に介さない。
冷たい表情と白い肌が、黒い衣装に映える。
「まあ、いいじゃない。これでおあいこだし」
「おあいこ?」
「ほら。栞ちゃんは桃に目隠しをして、両手しばって、逃げられなくしたでしょ?」
「そんなこと、してません!」
「したよぉ〜 夢の中で」
「夢って……」
この人は、何を言っているのだろう。
怖くなった。
恐怖を押し殺して、桃子さんにたずねる。
「どうして、こんなことするんですか?」
「しかえし。かなぁ」
「しかえし?」
「栞ちゃんは、桃のプライドを傷つけたから」
あたしは考える。
何か、気に障ることをしただろうか?
したとして、ここまで遣るものなの?
わからない。
桃子さんは嬉しそうに、
「ところで、とっておきのニュースがあるんだけど…… 良いニュースと悪いニュース、どっちから聞きたい?」
そんなことを聞いてくる。
あたしが答えないでいると、
「3、2、1、ブー」
胸のところで、×印をつくった。
「時間切れぇ〜 じゃあ、良いニュースから話すね」
桃子さんはそう言うと、ベッドに片膝をついて、携帯電話を差し出した。
待ち受け画面に映っていたのは、頬と頬をよせあってほほえむ2人――雅ちゃんと梨沙子ちゃんの姿。
「梨沙子がね、もぉにはじめてメールをくれたの。『ありがとう』って…… 『もものおかげで、みやと恋人になることができました』って……」
「で、でも、梨沙子ちゃんには愛理が――」
「愛理は、梨沙子と別れたよ」
「えっ?」
「愛理は、栞ちゃんのことが好きになっちゃったんだって。失ってはじめて、大切な人の存在に気付いたみたい」
愛理が?
あたしのことを?
好き?
信じられなかった。
「うれしそうね」
桃子さんの声は、今までに聞いたことがないほど冷ややかで、たんたんとしている。
「悪いニュースがあることも、忘れないで欲しいな」
その手には、1枚のポラロイド写真が握られていた。
「栞ちゃんは、桃のものになりました。はい、これがその証拠」
桃子さんが、写真をひらひらと泳がせる。
そこには、あたしの下着姿――ベッドの上で眠っているところが映っていた。
「撮っちゃった。このまま、窓から投げ捨ててもいいのよ。誰か拾ってくれるかな?」
「ひ、ひどい……」
涙がこみあげてくる。
羞恥にふるえるあたしに、桃子さんは追い討ちをかけた。
「これはね、桃のアイデアじゃないの。もっともっと前に、これとよく似たことをした子がいたのよ。誰だか……知りたい?」
知りたくなかった。
とてつもなく、嫌な予感がしたから。
「栞菜ちゃん。これを見ても、まだ、愛理が好きって言えるかな?」
見せられたのは、愛理が桃子さんに送ったメール。
なっきぃが――
愛理に――
あたしの頭の中は、真っ白になっていた。
熱い息が、頬にかかる。
我に返ると、桃子さんが、身を乗り出しているところだった。
「秘密を守るために、愛理はこんなことをしていたの。誰だってそう。みんな、自分のことしか考えない。だから……」
桃子さんは、あたしの耳にキスをする。
「一緒に、堕ちよう」
桃子さんの舌が、あたしの耳の穴でのたうちまわった。
「やめ…て…くだ……さい」
おそろしくて歯の根が合わないあたしは、足の指を曲げて、精一杯の抵抗をする。
桃子さんが、ドレスの裾をまくりあげた。
「見て。いびつよね。汚らしい。写真を撮っているだけで、こんなになっちゃったのよ」
その声は、とても悲しそうだった。
「でもね…… 今のもぉには、どんな男の子も勝てない。女の子の心と男の子の体をもっていて、女の子の体も知っているんだから」
そう言いながら、あたしを攻め続ける。
なめくじのように、頬を、首筋を、鎖骨を、おへそを這いずる舌。
ゾクゾクとした寒気のようなものが、頭から足のつま先に駆け抜ける。
「ぃ…や……」
あたしは、赤ん坊のように、駄々をこねることしかできない。
「嫌だ、嫌だよぉ」
「そうやって嫌がっていても、堕としてみせる。もぉなしでは生きていけない体にしてあげる」
桃子さんは、そう言うと――
だめ……
嫌……
こんなこと、したくないよ。
お願い……
助けて……
あいり……
愛理、助けて!
181 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/06/22(日) 12:14:13.79 0
以上で、桃子暴走?編を終わります。
お昼の保全がわりに、早めにあげさせていただきました。
残り2話、最後まで頑張って書かせていただきたいと思います。
183 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 12:18:36.56 0
かんにゃああああああああああああああああああ
184 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 12:18:55.58 0
暗い
185 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 12:34:31.11 0
桃子黒すぎてこえー
乙でした!!
186 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 12:44:08.43 0
趣味は置いといて明るい子なのにね
187 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 13:52:13.85 O
かんにゃああああああ
>>184 >>186 申し訳ありません。
暗い展開ですが、ちゃんと「?」の意味が出るような話にしたいと思っているので、お許しください。
189 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 14:48:40.89 O
損な役回りだとは思う
190 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 15:22:38.88 0
でも最後まで俺たちは何も言えないからな
作者さん頑張って下さい
191 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 15:47:43.73 0
だんだんつまんなくなってきたな・・・
192 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 16:17:14.85 O
俺は楽しんでるぞ
193 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 16:33:38.01 O
やべえ気になるうううう
194 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 17:55:11.14 0
hzn
195 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 18:27:08.32 O
こんな時間に作者が
乙です
196 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 19:24:34.75 0
hzn
197 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 20:13:53.18 0
hzn
198 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 20:59:27.92 0
ho
199 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 21:54:16.47 0
ze
200 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 23:02:58.37 O
ん
201 :
名無し募集中。。。:2008/06/22(日) 23:23:07.71 O
先生乙です!
いや〜桃の鬼畜ぶりには興奮しますわ
202 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 00:32:21.76 O
へるつ
203 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 01:39:40.73 0
hozen
204 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 04:57:55.78 O
あぶね
おはようございます
206 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 06:24:00.24 O
栞菜おはよう
207 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 07:43:34.30 0
イ呆
208 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 08:33:09.33 O
ほ
209 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 09:51:21.43 O
アレキサンドリア
210 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 11:06:04.40 O
ho
211 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 12:38:55.99 0
昼保全
212 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 12:43:18.95 0
ze
213 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 13:50:09.91 O
気になる
214 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 14:11:29.29 0
ワッフリング
215 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 15:29:27.37 0
wktk
216 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 16:29:58.64 O
ほ
217 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 17:33:04.09 0
ぜ
218 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 18:55:17.15 0
む
219 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 20:20:02.27 0
保
220 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 21:19:00.82 O
ほ
221 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 22:24:56.84 O
ほ
222 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 22:53:53.78 0
w
僕のところに、舞美ちゃんからの電話がかかってきたのは、いつもより早い夕食を食べ終えて、部屋でくつろいでいるときだった。
「愛理、今どこ?」
「家だよ」
「そっか、そっちに栞菜が来てない?」
「来てないけど……」
栞菜の名前が出て、僕の心はざわめく。
もしも栞菜が隣にいたら、「うん、いるよ」と答えられたら、どれだけ嬉しいだろう。
でも、現実は違った。
落ち込みそうになるけれど、その前に、聞いておかなければならないことがある。
「栞菜が、どうかした?」
「まだ、帰ってきてないらしいの」
舞美ちゃんの声に、いつもの明るさはない。
「門限はとっくに過ぎているのに…… 今までこんなことなかったから、みんな心配してる」
憂いと戸惑いが、僕の背中にのしかかった。
一人っ子で真面目な栞菜が、連絡もいれずに、外をうろつくことなんてあるだろうか?
嫌な予感がする。
「事務所とか、警察には…… 電話したの?」
「まだ。でも、このまま見つからなかったら話すことになると思う。とりあえず、みんなに連絡したら、あたしは栞菜を捜すつもり」
「僕も行くよ! どこ?」
反射的に、そう叫んでいた。
224 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 23:02:06.36 O
キュフフ
待ち合わせ場所には、舞美ちゃんとえりかちゃんの姿があった。
連絡を入れたメンバーは、みんな、ここに来たがったらしい。でも、このままだと夜遅くなってしまうから、高校生だけで捜すことにしたのだという。
2人の顔には、疲労の色が浮かんでいた。
「ウチが悪いんだ。全部、ウチが……」
今にも倒れそうなえりかちゃんを、舞美ちゃんが支える。
えりかちゃんは栞菜と最後に会っていたから、余計に責任を感じていた。昼間にケンカ別れした店を中心に、ずっと捜し続けている。
僕たちは、バラバラに別れて捜すことにした。
栞菜が行きそうなところ。行きそうにないところ。
なかなか暗くならない街を、思いつくままにさまよい歩く。
見つからない。
焦る気持ちだけが、どんどん先走る。
ポケットのなかで、ふるえる携帯。
一件の着信が、飛び込んできた。
(栞菜が見つかったのか?)
(いや、もしかしたら、栞菜かも)
淡い期待を抱いて、携帯を取り出す。
しかしそれは、脅迫者――桃からだった。
タイトルは「いただきま〜す」
震える手で、メールを開く。
うつっていたのは、栞菜。
外国の昔話にでてきそうな、天蓋のついた真紅のダブルベッドの真ん中で、ぐったりとしている。
服を脱がされて、下着姿になっていた。
僕は頭をかかえる。
足元をじっと見る。
(このままでいいのか?)
何度も、自分に問いかけた。
答えは決まっている。
(いい、わけがない)
僕は、舞美ちゃんとえりかちゃんに連絡をとった。
2人を待っている時間が、長く感じられる。
すべてを話すと決めたはずなのに、心臓がおかしい。体はガタガタと落ち着きがないし、指先の感覚もなかった。
きっと僕は、℃-uteにいられなくなるだろう。
怖い。
でも、栞菜が助かるなら、僕はどうなってもかまわない。レッスン室で桃に言った言葉を、実践する時がきたんだ。
息を切らしながら、2人がやってきた。
「大事な話って、何?」
「栞菜がどこにいるか、わかったの?」
2人の呼びかけに、ゆっくりとうなずく。
「ず、ずっと だ、黙っ…て い、いた…んだけど、実は……」
緊張で、うまく話せない。
僕は、言葉を力に変える。この前の収録で栞菜が言ってくれた「がんばれ」を思い出しながら、告白した。
「僕、男なんだ」
「冗談はやめて! こんなときに!」
えりかちゃんが怒る。
それを制したのは、舞美ちゃんだ。
「えり、ちょっと待って」
「だって!」
舞美ちゃんにうながされて、僕は懺悔する。
男の子になった僕が、大切な仲間に何をしてきたのか。
そのことを知った桃と交わした、あの約束。
そして、今、桃から届いたメール。
すべてを話した。
待っていたのは―― 舞美ちゃんの、平手打ちだった。
「愛理は男の子なんだから、これぐらい、我慢できるよね」
もう一度、引っ叩かれる。
耳がキーンと鳴る。
腰がくだけそうになるのを、必死で耐えた。
「最初は、栞菜の分。次はなっきぃの分よ」
舞美ちゃんが、泣いている。
僕は、みんなを傷つけてしまった。
最低だ。
こんな奴は、いなくなってしまえばいい。
「だから、僕は、℃-uteをやめ――」
「バカ!」
舞美ちゃんの怒声。
張り飛ばされると思って、僕は目をつぶった。
痛く……ない。
体を包むのは、人のぬくもり。鼻をくすぐる薫香。
僕は、舞美ちゃんに抱きしめられていた。
「やめるなんて、簡単に言わないで」
舞美ちゃんの涙が、僕の肩にこぼれ落ちる。
「愛理がやめたからといって、すべてが解決するわけじゃないもの」
「……」
「愛理は償わなければならない。最初は許してもらえないと思う。だけど、みんなで乗り越えていこう。悲しむ人がいなくなるまで」
「……ぅん」
「話してくれて、ありがとう」
そう言って、強く抱きしめてくれた舞美ちゃんは、頼もしくて―― 僕は泣いてしまった。
オホン
えりかちゃんのせきばらいが、耳に届く。
「そんなことしている場合じゃないでしょ。今はとにかく、栞菜を捜さないと」
「そ、そうだね。愛理、その携帯を見せて」
「うん」
携帯のボタンを押しながら、何も解決していないことに気がついた。
「これだけじゃあ、どこにいるか……」
僕は、携帯の画像を見せる。
「あ、知ってる!」
「そうだよね、わからないよね…… って、えっ!?」
僕は、舞美ちゃんを二度見してしまった。
黒のスーツに、白いシャツ。黒いパンプスに、伊達メガネ。
舞美ちゃんの私服が、いつもと違う。
栞菜のことと、僕の秘密を話すことで頭が一杯だったから、気付かなかった。
そこにいたのは、さっきまでの、かっこよくて凛々しいリーダーではなくて……
ひとりの女の子だった。
頬どころか、耳たぶまで真っ赤にしている。
(い、いつの間に?)
気まずくなった僕は、えりかちゃんに視線をうつした。
えりかちゃんは、これもまた顔を真っ赤に染めていて、あさっての方向を向く。
唇が、かすかに動いている。
声にならない声で「あそこか」とつぶやいたのを、僕は見逃さなかった。
「も、もしかして……」
「ま、まあ、いいじゃない。行こう!」
えりかちゃんに無理やりうながされて、僕たちは走り出す。
大通りに出たところで、舞美ちゃんが手をあげた。
停まっていたタクシーが、ドアを開ける。
「これは、乗れってことだ!」
舞美ちゃんはそう言って、タクシーに乗り込む。
僕たちも、後に続いた。
229 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/06/23(月) 23:25:24.63 0
以上で「愛理決断編」を終わります。
残り1話となりました。最終回は、3人の視点で書くつもりです。
長くなると思いますが、もうしばらく、お付き合いくださいませ。
ありがとうございました。
230 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 23:28:18.87 0
231 :
名無し募集中。。。:2008/06/23(月) 23:30:32.67 0
乙!
もしかしてやじうめ…w
232 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 00:05:20.53 O
毎度乙です!
桃はどこにいるんだろうかw
栞菜返してくれ><
233 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 00:34:44.06 O
乙です
wktk
234 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 00:36:56.18 O
ちょwやじうめヤリやがったなwww
キュフフって保全しようと思って書いたんだが間に入ってすまん。
235 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 00:46:17.87 0
ノソ*^ o゚) <キュフフ
236 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 01:41:34.53 0
hzn
237 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 01:48:03.38 0
待ってるかんな
238 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 02:12:52.15 O
間にキュフフとか不気味で何かと思ってたわw
239 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 04:22:37.34 O
ケッケッケ
240 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 06:36:54.00 O
キュフフ
241 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 08:13:29.68 O
キュフ?
242 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 11:04:27.92 0
3人ってやっぱボーn(ry
とりあえず保
243 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 12:47:10.20 0
kyufufu
244 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 13:59:16.68 O
ほ
最後気になるがやじうめ・・あるいみ乙
246 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 15:08:31.72 O
ほぜん
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ NO乳?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
NO乳NO乳マン巡回中!
248 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 17:35:38.21 O
ほ
249 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 17:37:01.44 0
| v ・)<ホ
250 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 18:43:06.03 0
復活してたのかwほ
251 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 20:06:00.94 O
ホァーッ
252 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 20:06:55.67 O
v ・)<も
253 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 20:32:37.90 O
ノソ*^ o゚)キュフ?
254 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 21:25:09.42 O
ほ
僕たち3人がたどり着いたのは、歓楽街から遠く離れたところにある、レンガ造りのホテルだった。
ホテルと言っても、派手なネオンサインも、出入り口を隠すように配置された障害物もない。
表向きは、喫茶店ということになっているらしい。実際に営業しているから、知らずにお茶を飲んだ人もいるだろう。
町の風景に溶け込んでいて、いかがわしい雰囲気は全くなかった。
タクシーを降りた僕たちは、CLOSEの看板がかかった扉を通り過ぎて、ホテルに入る。
フロントには、誰もいない。
呼びかけても、物音ひとつしなかった。
古めかしいランプが、通路にそって等間隔に並んでいる。
普段はこのランプが、部屋までの道筋を教えてくれるそうだ。
僕の目的地、栞菜がつかまっている部屋は、すでに使われている。
ランプが光ることはないから、仲間を頼るしかなかった。
「ちょっと、そっちじゃないよ」
「なんか、すごい、暗くない? もう迷路みたい。もう、何か」
「いいから、ウチについてきて」
夫婦喧嘩をする2人の背中を見ながら、僕は急ぐ。
方向音痴のリーダーに、少しいらついた。
えりかちゃんの案内で、僕は目的の部屋の前まで行き着いた。
(この扉の向こうに、栞菜がいる)
そう思ったら、いてもたってもいられなかった。
「栞菜! 栞菜!」
ガンガンと、ドアを叩く。
「栞菜! 返事してよ! 栞菜!」
「ちょっと、待って」
えりかちゃんに、引きはがされた。
「他の部屋の人が出てきたらどうするの? フロントに言って、事情を話してくるから」
「誰もいなかったよ」
「いないように見えて、いるんじゃないかな」
「でも、こんなことしている間に栞菜が!」
僕たちの言い合いにしびれをきらしたのは、舞美ちゃん。
「こんなとき、ドラマだとダーンってやるよね」
そんなことを言い出す。
「できるわけないじゃん。舞美が怪我でもしたら……」
「やってみなくちゃ、わからないじゃない」
えりかちゃんに言われてムキになった舞美ちゃんは、ドアノブを握ると、
「ほら、こうやってガーッと」
思いきり振りまわす。
ドアは、僕とえりかちゃんを嘲笑うかのように…… 開いた。
舞美ちゃんを先頭に、僕たちは部屋に突入する。
室内のまぶしさに、僕は手をかざした。
指の間から見る世界は、メールで見た光景とほとんど同じ。違うのは、その送り主――桃がいないことだった。
出遅れた僕は、えりかちゃんに先を越される。えりかちゃんはベッドの横まで走ると、
「栞菜! 大丈夫? 栞菜? ウチがわかる?」
何度も呼びかけた。
呼びかけながら、えりかちゃんは栞菜の顔を見たり、手首をとったりしている。
「大丈夫、眠らされているだけみたい」
栞菜の無事を確認した僕は、ホッと息をついた。
舞美ちゃんは、完全に怒っている。
「桃ちゃん! ちょっと悪戯が過ぎるんじゃない?」
大声を上げて、桃を捜しはじめた。
「どこ? どこにいるの? 出てきなさい!」
クローゼットに、バスルーム。見つからないみたいだけど…… さすがに、冷蔵庫の中にはいないと思うよ、舞美ちゃん。
落ち着きを取り戻した僕は、部屋の真ん中、ぽっかりと空いたスペースに目をとめた。
そこには、見つけてくれと言わんばかりに、机が置かれている。
机の上には、何かを燃やした跡のある灰皿と、子どもが砂場で使っていそうな白いバケツがのっていた。
バケツのなかには、ひび割れた桃の携帯電話が入っていて、水に浸かっている。
眠らされている栞菜。
壊された携帯。
消えた脅迫者。
僕は、桃が何を考えているかわからなかった。
「ちょっと、愛理」
えりかちゃんに、声をかけられる。
「こんなのが、置いてあったんだけど……」
それは、1枚のメッセージカード。
表に「愛理へ」と書かれてあった。
258 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/06/24(火) 22:33:40.88 0
最終回(愛理編)を半分ほど書かせていただきました。
続きですが、明日はJリーグの試合があるので、書けないと思います。
申し訳ありません。
259 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 22:35:01.75 O
ど、どうなる!?
260 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 22:37:02.76 0
ももこ・・・
続きが伸びたと嘆くべきか
楽しみにワクテカしてられる時間が増えたと喜ぶべきか
>>242 そうなると良かったのですが、愛理編→栞菜編→桃子編の予定です。
私が書き始めたきっかけが、作者1さんの書かれた栞菜がかわいそう(誉め言葉)だったからというのもありまして……
雅君と梨沙子さんは、すでに幸せになったという設定(
>>178で桃に届いたメールより)です。
263 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 22:47:27.15 0
乙です
栞菜の可哀想さ加減は代わりに守ってやりたくなるくらいだ
264 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 23:02:08.50 O
乙
桃子ぉ〜
どこいったんだよ桃子ぉ!!!
265 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 23:09:51.20 O
乙栞菜!最近の小説の中で一番キテるよ
266 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 23:51:56.85 0
保全
267 :
名無し募集中。。。:2008/06/24(火) 23:52:09.49 0
乙です
268 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 01:10:40.25 0
あげ
269 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 01:38:51.78 0
いろいろあるけど
栞菜と愛理は救われるよう願ってる
270 :
名無し募集中。。。 ◆XSLqyoVAYc :2008/06/25(水) 01:42:44.34 0
作者2さん乙栞菜です
明日はちょっと亜弥コンに行ってくるんですが帰ったらあげたいなと思います
予告
自分の気持ちに気付いた雅
でも梨沙子は…
素直な気持ち。伝えたい。
271 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 03:04:59.76 O
ほ
272 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 04:43:11.52 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ NO乳?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
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NO乳NO乳マン巡回中!
273 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 05:37:16.39 0
あさほぜん
274 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 07:06:46.16 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ NO乳?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
NO乳NO乳マン巡回中!
275 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 08:21:27.62 O
おはよう
276 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 10:00:05.57 0
おはようございます
277 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 11:15:31.29 O
昼前保全
278 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 12:01:01.49 O
昼保全
279 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 12:59:08.84 0
280 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 14:29:42.02 O
ほぜん
281 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 14:35:21.76 0
落とすまじ
ほ
283 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 16:08:28.59 O
あげ
284 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 17:02:38.48 O
フォ
285 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 18:30:13.92 0
hzn
286 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 18:30:21.53 O
キュフッフッフ
287 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 19:28:10.62 0
hzn
288 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 20:21:24.67 0
州´ ̄ v  ̄)<ンー
289 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 20:35:16.17 0
美味しい顔してますね
290 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 21:29:29.14 0
hzn
291 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 22:22:38.60 0
hzn
292 :
名無し募集中。。。:2008/06/25(水) 23:00:16.29 0
いつまでも待っています
293 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 00:05:28.54 O
ほ
294 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 01:17:18.78 0
ze
295 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 02:16:58.75 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ NO乳?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
NO乳NO乳マン巡回中!
296 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 03:25:08.47 O
保全
297 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 04:30:53.61 O
クックック
298 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 06:54:30.94 O
愛理
299 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 08:25:16.51 O
キュフフ
300 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 11:12:42.01 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ NO乳?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
NO乳NO乳マン巡回中!
301 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 13:07:35.85 O
あげとく
302 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 14:22:05.85 0
州´ ̄― ̄)<・・・ン
303 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 15:25:16.87 O
ほ
304 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 16:45:02.70 O
从*´∇`)
305 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 18:11:58.89 O
保全
306 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 19:31:16.13 0
ho
307 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 20:49:44.66 O
ほ
>>257 訂正
(誤)それは、1枚のメッセージカード。
(正)それは、桃からの手紙。
>>255-257の続き
愛理へ
茨姫を、王子様にお返しします。
役目を終えた魔法使いは、帰るね。
愛理が心配するようなことはなかったから、安心して。
でも、栞菜ちゃんには、すべてを話したよ。
約束を破ってしまったけれど、愛理もこの部屋に来ているわけだから、おあいこだね。
もしも愛理が、栞菜ちゃんに嫌われることをおそれて、自分の殻に閉じこもってしまうのなら、黙ってここから立ち去りなさい。
愛理の気持ちが本物で、栞菜ちゃんと共に歩いていきたいと願うなら、栞菜ちゃんが起きるのを待って、今の気持ちを伝えなさい。
あやまってつぐなって、許してもらうまでがんばって、最初からやり直すの。
大丈夫。
愛理は、まだ間に合うから。
ここまで来たということは、きっと、℃-uteのおねえさんズが一緒だと思う。もしも一人で来たのなら、赤い糸のしわざかな。
どちらにしても、困ったことがあったら、2人に相談するといい。あの2人なら、きっと、愛理の力になってくれるはず。
何でも一人で抱えこんでしまうのは、愛理の悪いクセだよ。
そんなことだから、悪い魔法使いにつけ込まれてしまうんだ……
長い間苦しめて、ごめんなさい。
愛理に「あやまりなさい」「つぐないなさい」なんて、ももが言える立場じゃないよね。
栞菜ちゃんにも、あやまっておいてください。
信じてもらえないと思うけど、こんなこと、するつもりなかったんだ。
いつか話せるときがきたら、話すね。
僕は、桃からのメッセージを受け取った。
表に「愛理へ」と書かれてあったから、他の人に見せることは、はばかられる。
でも、このままだと、舞美ちゃんが誤解してしまう可能性があった。
だから僕は、2人に桃の手紙を渡した。
「読んで……いいの?」
「うん。読まないと、わかってもらえないと思うし」
「そっか」
右端をえりかちゃん、左端を舞美ちゃん。
℃-uteのおねえさんズは、1枚の便箋を分け合うように持って、桃の言葉をたどり読む。
えりかちゃんが、ため息をついた。
「なんだか、手のひらの上で踊らされた気分」
舞美ちゃんは、携帯を取り出す。
「よし、桃ちゃんにメールしよっと」
「それは無理なんだよ」
「なんでよ〜」
「ほらほら、あれ」
えりかちゃんは、机の上の白いバケツを指さした。
「舞美って、ほんとに……」
「ひどいよ、えりぃ」
「ごめんごめん」
「もう!」
目の前で繰り広げられる夫婦漫才を眺めながら、僕は桃のことを考える。
桃は、桃なりのやり方――かなりわかりにくい方法で、僕の背中を押してくれた。
この手紙も、あえて2択にしてあるけど、選択肢が1つしかないのは明らかだ。
でも、気になることもあった。
愛理は、まだ間に合うから。
この一言が、引っかかる。
桃は、間に合わなかったのだろうか?
僕の目の前では、作戦会議が行われている。
「ところで…… どうしよう、栞菜」
「無理に動かすより、自然に起きるのを待ったほうが良いと思う」
「なかなか、起きそうにないけど」
「朝まで起きないかも…… 困ったな、時間も時間だし」
結論は出ない。
桃の手紙を思い出しながら、僕は言った。
「僕、ここに残ってもいいかな」
「愛理……」
「栞菜が目覚めるまで、ずっとそばにいたい。栞菜を待っていたいんだ」
「いいんじゃない」
あっさりと、即答するリーダー。
拍子抜けする僕と、あわてるえりかちゃん。
「ちょっと、舞美!」
「お金は桃ちゃんが払っているみたいだし、内側から鍵をかければ大丈夫……とか言って」
「家の人には、どう説明するつもり?」
「う〜ん。えり考えて」
舞美ちゃんに丸投げされたえりかちゃんは、こめかみに手をおいて、崩れそうになる頭を支える。
しばし考えると、
「あ〜、よし。2人は、あたしの家に泊まりにきたことにすればいいよ」
そう言ってくれた。
「ありがとう、えりかちゃん」
「いいって、気にしないで。そんなことより、もう、傷つけちゃダメよ。ちゃんと大事にすること」
「はい」
「頑張ってね」
「ありがとう、舞美ちゃん」
「うん。栞菜によろしくね」
僕はベッドに背中をつけて、膝を抱えて、栞菜が起きるのを待っている。
舞美ちゃんとえりかちゃんは、帰ってしまった。
部屋にいるのは、僕たち2人だけ。
夜も更けて、物音ひとつしない。
(栞菜が起きたら、何と声をかけよう)
さっきから、そのことばかり考えている。
茨姫は百年眠っていたけど、助けにきた王子様と結ばれて、幸せに暮らした。
でも、童話に出てくる王子様には、後ろめたい秘密なんてなかっただろう。
そこが、僕と違うところだった。
桃は、栞菜にすべてを話したと言っていた。
きっと栞菜は、僕に幻滅しただろう。もっと嫌いになったに違いない。目覚めたときに僕がいたら、声をあげて拒絶するかもしれない。
それは、仕方のないことだと思う。
それでも、僕は栞菜が好きだ。
謝って償って、いつか許してもらえたら、そのことを伝えたい。
「んぅん」
背後から、栞菜の声が聞こえた。
寝返りをうったみたいで、指が僕の背中に触れる。
電流が体中を駆け巡り、心臓をわしづかみにされたような感覚が残った。
ドキドキしながら、僕はシーツをかけ直す。
ベッドに肘をついて、栞菜の寝顔を見る。
小さな明かりの下、すやすやと眠っている栞菜は、本物のお姫様に見えた。
「ぁぃ…り……」
栞菜が、僕の名前を呼ぶ。
それだけで、僕は有頂天になった。
(ただの寝言なのに……)
嬉しさのせいで、それまで張り詰めていた糸がゆるみはじめる。今日は走りまわったから、かなり疲れていた。
僕の意識はまどろんでいった。
その後のことを、少し説明しておこう。
知らないうちに眠ってしまった僕は、栞菜のキスで起こされた。
どうしてこういうことになったのか…… それは、栞菜の勘違いが原因だった。
どうやら桃は、桃なりのやり方――かなりわかりにくい方法で、栞菜の背中も押していたらしい。
お姫様のキスで王子が目覚めるなんて、話が逆じゃないかと思ったけど…… 正直、嬉しかった。
栞菜と仲直りした僕は、一人でなっきぃのところに行った。
栞菜は自分のことのように心配してくれて、ついてきてくれそうだったけど、僕が断った。
これは、僕の問題だ。顔を合わせるのが怖くて、メールで謝っただけだった。
どんなことをしてでも、償わなければならない。
待ち合わせの場所で僕を待っていたのは、殺し屋の目をした熊井ちゃんと、不動明王とかした茉麻さんだった。
二人が僕にしたことの内容は、ここでは詳しく言えないけど…… なっきぃはひいていた。
なっきぃは許してくれたけど、これで僕の罪が消えたわけではない。
この罪を背負って、生き続けていかなければならないと思った。
そして、今……
僕の隣には、栞菜がいる。
移動中の車内。みんなからは見えないように、下のほうで手をつないでいた。
僕たちは土曜日のイベントを終えて、次の会場に向かっている。今夜は現地泊だ。
舞美ちゃんの粋な計らいで、僕と栞菜は同じ部屋に泊まることになった。
ずっと前から、気になっていたことがある。
僕は今夜、そのことを聞こうと決めていた。
314 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/06/26(木) 21:49:11.63 0
以上で、最終回(愛理編)を終わります。
桃からの手紙、もっと上手に書ければ良かったのですが……
次回は、最終回(栞菜編)を書く予定です。
すいません、訂正です。
>>309 (誤)許してもらうまでがんばって
(正)許してもらえるまでがんばって
>>311 (誤)あたしの家
(正)ウチの家
316 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 22:35:53.61 0
乙です
今から読ませていただきます
317 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 22:46:05.99 0
乙でした
愛栞修復で嬉しいです
318 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 22:58:25.60 O
うわあああああ
よかった愛理と栞菜よかったね
319 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 22:59:30.61 0
乙です
栞菜はどんな思いだろう
よろしくお願いしますね
320 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 22:59:48.19 O
愛栞よかったけどくまぁず…最強です
321 :
名無し募集中。。。:2008/06/26(木) 23:58:47.39 O
ケッケッケ
322 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 01:07:34.97 0
河童愛理
323 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 02:21:22.46 0
nkskの後日談も気になるな
324 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 02:36:42.10 0
一体くまぁずにどんなお仕置きをされたのか想像して寝る
作者さん乙です!
325 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 03:41:38.51 O
作者さんお疲れ!
いい作品です
326 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 05:21:07.34 O
あげ
327 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 07:33:22.90 0
おつです
328 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 09:06:08.68 O
ほ
329 :
1:2008/06/27(金) 09:06:46.45 0
1
330 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 10:37:27.77 O
ほ
331 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 12:31:12.39 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ NO乳?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
NO乳NO乳マン巡回中!
332 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 12:32:02.39 O
昼ほ
333 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 13:54:01.02 O
ほ
334 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 15:34:30.03 0
ぜ
335 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 17:04:14.66 0
ん
336 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 18:24:33.78 0
キュフフ
337 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 19:58:01.79 0
あげ
338 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 20:55:25.32 0
age
339 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 21:33:22.86 0
ho
最終回(栞菜編)
あたしが目覚めたとき。
むき出しの体はブランケットにくるまれて、その上から、あたしを守るように、シルクのシーツがかけられていた。
手足の枷も、はずれている。
ベッドに備え付けられたデジタル時計は、朝がきたことを教えてくれた。
薄明かりのなかで、ぬくもりを感じる。
かたわらにいたのは、愛理。
ベッドに上半身を乗り上げたまま、あたしの手を握って、スヤスヤと寝息を立てている。
「……来ちゃった」
あたしは、ゲームに勝ったことを知った。
勝ちたくはなかった。
「嫌がっていても、堕としてみせる。もぉなしでは生きていけない体にしてあげる」
その宣戦は、恐怖でしかなかった。
桃子さんの指、唇と舌が、体中を這いずりまわる感覚。
あたしは、必死に抵抗した。
声を出さないように唇を閉じ、歯を食いしばる。呼吸は鼻で。足は限界まで伸ばして、指先を丸めた。
そんなあたしの反応を楽しむかのように、桃子さんは攻め続ける。それはとても執拗で、容赦のかけらもなかった。
あたしのなかで、様々な感情が、らせん階段のようにぐるぐるとまわる。
あたしは自我を失わないために、最も強い感情にすがりついた。
「あきれた」
桃子さんの声が木霊する。
「あんなものを見せられても、まだ、愛理なんだ」
あたしは、自分でも気がつかないうちに、愛理の名前を叫んでいたらしい。
ベッドからおりた桃子さんは、
「人が生きていく上で、大切なことって何かわかる?」
そんなことを聞いてきた。
あたしは小さく息を吐いて、静かにしている。
変なことを言って、行為が再開されたらと思うと、怖くて何も言えなかった。
「いつ勇気を出すか、どこで頑張るか、どうやって休むか、誰と勝負するか、タイミングや、時には運」
すらすらと出てくる言の葉は、桃子さんの実感というよりは、どこか別の、用意されたセリフのように聞こえる。
「ここで一つ、ゲームをしてみない?」
「ゲーム?」
「愛理がここに来るか、それとも来ないか、賭けるの」
そう言うと、桃子さんは携帯電話を取り出した。
「これ、きれいに撮れてるでしょ」
携帯の画面には、さっき見せられたポラロイド写真と同じもの――あたしの下着姿が映っている。
「愛理に送るね」
「や、やめてください」
「タイトルは、何にしよっかなぁ〜 そうだ、『いただきま〜す』なんていうのはどう?」
あたしの制止を無視して、桃子さんは話を続ける。
「メールを見た愛理が、この部屋に来れば、栞菜ちゃんの勝ち。来なければ、もぉの勝ち」
制限時間は明日の朝、日が昇るまでねと付け加えて、桃子さんはウインクした。
「実はね、もぉ、愛理と約束していたの」
「約束?」
「栞菜ちゃんと仲良くしちゃダメって。仲良くしたら、なかさきちゃんの画像をばらまくぞって」
それは、約束と言わない。
自分だけならともかく、なっきぃまで巻き込まれたら、言うことを聞くしかないじゃない。
あたしは、逃げるように控え室から出ていく愛理の姿を思い出していた。
「なっきぃは、関係ないじゃないですか!」
「だよねー だから、今回は別の条件を出そうと思うの」
桃子さんは、ベッドのまわりを歩きながら鼻歌を歌う。
悪戯を思いついた子供のような笑顔で、あたしに言った。
「栞菜ちゃんか、歌か。愛理に、どちらかをあきらめてもらうっていうのはどう?」
「な、何を言って――」
「愛理が来なければ、栞菜ちゃんはもぉが美味しくいただく。愛理が来たら、栞菜ちゃんは無事だけど、愛理には歌をやめてもらう。どんな方法を使ってでもね」
楽しそうにメールを打つ桃子。
この人は、本気だ。
本気で、楽しんでいる。
あたしは、そう思った。
「お願い、そんなことしないで」
「やめな〜い」
「そ、そうだ、続きをしましょうよ」
「続き?」
「あたし、桃子さんのことが好きです。だから続きを…… それで、いいじゃないですか」
「ダ〜メ」
桃子さんは×印を作って、クスクスと笑う。
「もぉを欲しがる栞菜ちゃんを見てみたい気もするけど、心の底から言ってもらわないとね。それは、後のお楽しみにとっておきたいな」
「お願い、あたしはどうなっても構わない。愛理から歌を奪わないで!」
「はぁ? また?」
桃子さんは肩をすくめる。
「そういうのは、聞き飽きてるの」
はじめて言ったはずなのに、そんなことを言った。
「栞菜ちゃんに、選択肢はないのよ。この賭けにのらなければ、栞菜ちゃんの負けは決定。もぉは今すぐさっきの続きをしちゃうし、愛理の秘密もばらす」
「そ、そんな……」
「なかさきちゃんのためにも、栞菜ちゃんは、この賭けを受け入れるしかないの」
桃子さんはそう言うと、なにかの粉薬と、ペットボトルを取り出した。
「はい、いい子だから…… これを飲んで」
「これは?」
「ちょっとした、眠り薬みたいなものよ」
桃子さんが、あたしの背中に手をまわす。
少しだけ体を起すと、鼻先に粉薬をちらつかせた。
「さ、早く。あまり嫌がるなら、口うつしで飲ませるよ」
あたしは口を開けて、すべてを受け入れるしかなかった。
「楽しみだね」
「愛理、来ると思う?」
「来なかったら、その時は……」
桃子さんの声が、どんどん遠くなる。
時間の経過とともに、意識が朦朧となっていく。
とろんとした目で最後に見たのは、メールを送信する桃子さんの姿だった。
344 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/06/27(金) 22:05:57.21 0
最終回(栞菜編)の、前半部分を書かせていただきました。
>>341-343の回想シーンは、桃子暴走?編の直後の話になります。
明日はJリーグの試合があるので、後半部分(
>>340の続き)を書くのは日曜日になると思います。
あたたかいお言葉や保全など、まことにありがとうございます。
それでは、おやすみなさいませ。
345 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 22:18:40.38 0
乙でした
後ほど読ませて頂きます
346 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 22:24:56.73 0
ももこ・・・(´;ω;`)
347 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 22:26:58.37 0
乙です
ここの小説が一番心理描写が細かくて引き込まれる
348 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 22:45:02.42 0
349 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 23:28:59.09 0
フィナーレを予想しつつ保全
350 :
名無し募集中。。。:2008/06/27(金) 23:55:19.33 0
作者さん1も待ちつつ
保全
351 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 00:10:10.35 O
なんていうか言葉にならないから
保全
352 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 01:04:49.48 0
ほ
353 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 02:13:00.59 0
ぜ
354 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 02:59:26.09 0
ん
355 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 03:33:21.43 O
おやすみ保全
356 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 05:22:09.66 O
ほ
357 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 07:14:36.21 0
も
358 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 09:15:33.98 O
る
359 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 10:45:32.41 0
アッー!!
360 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 12:20:35.77 O
ほ
361 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 13:04:29.18 0
なぁんかこのスレも終っちゃったな・・・
362 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 14:47:27.10 0
ぜ
363 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 15:24:08.31 O
あげとくか
364 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 16:25:48.92 0
age
カラオケボックスでのボーノ会議はもう恒例行事と化していた。
この話し合いの議長は自称リーダー・嗣永桃子ちゃん。
しかし話を進めるのはほとんど、平メンバーである夏焼雅ちゃんだった。
「とりあえずさ、パーッとヤリたくない?」
そう言ったのも雅ちゃんだった。
「ヤリたいヤリたい!」ハイテンションに桃子ちゃんがのってくる。
「パーッと、って?」首をかしげた鈴木愛理ちゃんが言う。
「パーッとは、パーッとだよ!」雅ちゃんは勢い任せに叫ぶ。
3人とも女の子らしい可愛い顔をしているけれど、実は男の子。
奇妙なことにある日突然性別が変わってしまった、悲運のアイドルたちなのである。
誰にも言えない秘密を抱えて、悶々とした日々が続いていた。
唯一このボーノ会議だけが、心のより所となっていた。
「最近さー、正直チョームラムラするんだよねー」
雅ちゃんが言うと、桃子ちゃんがビシッと指差して「わかる!」と同調した。
愛理ちゃんはとぼけたフリをして、くねくねしている。
「愛理さ、ムショーにエッチしたいときとかないの?」
「ええ、ないよ。そんなの」
「ありえない!」「ね。考えられない」
雅ちゃんと桃子ちゃんが顔を見合わせている。
「ていうかさ、無意識に立ってたりしない?」
「何が?」
「ナニが」ケタケタ笑う雅ちゃん。桃子ちゃんも手を叩いてウケている。
愛理ちゃんは困った顔になった。
「こないだ、目の前で梨沙子が着替えてるとこ見てたら、立ってたんだよね」
「それ桃も。りーちゃん見てたらなぜかムラムラする」
「そんな!りーちゃんで変なこと考えちゃだめだよ」
「とかいって、愛理がいちばん変なこと考えてたりねー」「ねー」
顔を真っ赤にしてうつむいた愛理ちゃん。どうやら図星を突かれたようだった。
ニヤーっとした他の2人は、愛理ちゃんを間に挟んで座る。
「ねぇ、愛理。パーッとヤろうよ」雅ちゃんが愛理ちゃんの肩を抱く。
「そうだよ愛理。パーッとヤッちゃおうよ」桃子ちゃんは彼女の頭を撫でる。
黙り込んだ愛理ちゃんを見て、議長は決定する。
「よーし。りーちゃん呼び出しちゃお!」
368 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 17:25:13.55 0
梨沙子がピンチだ!
369 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 17:34:43.14 0
新wktk
370 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 18:01:39.83 0
新シリーズ楽しみにしてます!
そういえば桃子ってりーちゃんって呼ぶっけ?
371 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 18:02:52.03 0
>>370 みやびちゃんのことを、「みーやん」とか「みや」って適当に使い分けてるのと同じ感じ
372 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 18:07:03.39 0
そっかぁ、梨沙子って言ってるのしか聞いたことなかったよ
確かにみやとみーやんはどっちも言ってるね
373 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 18:44:16.96 0
パーッと何が起こるんだ
期待age
374 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 19:29:52.91 0
パーッとガーッと
375 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 21:06:58.87 0
ho
376 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 22:02:37.90 O
はっぴいえんど
377 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 23:01:16.02 O
ほ
378 :
名無し募集中。。。:2008/06/28(土) 23:29:51.57 0
379 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 00:31:26.96 0
保全
380 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 01:38:23.57 0
hzn
381 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 02:14:49.22 O
新シリーズ期待
382 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 05:33:16.72 0
あげ
383 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 07:00:43.06 O
ほ
384 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 08:30:39.91 0
も
385 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 10:07:58.56 0
せ
386 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 11:31:39.85 O
くろ
387 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 12:21:09.17 0
す
388 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 12:27:50.72 0
梨沙子来なかったら3人で発散するのか?
389 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 13:53:05.09 0
ほ
390 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 15:10:28.48 O
キュフフ
391 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 16:20:24.32 0
ほぜん
392 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 17:24:45.92 O
保
393 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 17:28:55.53 0
雅と愛理が居るから絶対来るっしょ
394 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 18:44:30.78 O
ほ
395 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 19:54:37.93 0
あげます
396 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 20:50:16.82 0
今夜誓うよ
397 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 21:48:40.63 O
何を
398 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 22:04:37.29 0
多分きっと
>>340-343の続き
澄みきった朝の静寂が、ゆっくりと腰をおろす、かわたれ時。
ゲームに勝ったあたしは、ベッドの上から、かたちの良い瓜実顔をながめている。
何度まぶたを閉じても、目の前の愛理が消えることはない。それは嬉しくもあり、悲しくもあった。
よほど疲れていたのだろう。愛理は座ったまま、小さく寝息をたてている。
遠慮がちにのせられた手のひらから、温もりを感じた。
あたしは愛里の手をとって、両手で包みこむ。
あたしの手のなかにある、白いかたまり。今にも手折れそうで、守ってあげたくなる。
しかし、実際に守ってもらったのは、あたしのほうだった。
「愛理が来なければ、栞菜ちゃんはもぉが美味しくいただく。愛理が来たら、栞菜ちゃんは無事だけど、愛理には歌をやめてもらう。どんな方法を使ってでもね」
呪いの言葉が、何度もリフレインする。
愛理はバカだ。
どうして、あたしなんかのために、夢をあきらめてしまったのだろう。
大好きな歌が歌えなくなって、いいわけがないじゃない。愛理の歌は、愛理だけのものじゃないんだよ。
でも……
愛理は、あたしを助けてくれた。
「愛理は、梨沙子と別れたよ」
「愛理は、栞ちゃんのことが好きになっちゃったんだって。失ってはじめて、大切な人の存在に気付いたみたい」
あの話は、嘘じゃなかった。
あたしたちは、両想いになれたんだ。
愛理が好きという気持ち。
愛理の夢を壊してしまったという悲しみ。
2つの想いが、あたしの心を埋め尽くす。
それはすぐにあふれ出して、涙となった。
あたしは、眠っている愛理をかき抱く。
抱きながら、愛理との時間を思い返す。
遠くから見ているだけだった、あのころ。
友達になった日、はじめて交わした言葉。
メジャーデビューの笑顔に、新人賞の涙。
秘密を打ち明けてくれた、ロッカールーム。
ソファの上で、ひざを抱えた夜。
男の子の愛理を受け入れた、あの日――別れ。
逃げるように、楽屋を飛び出した後ろ姿。
いろいろな愛理が、浮かんでは消えていく。
愛理……
大好きだよ。
もう二度と、一人にしないから。
あたしは、わななく唇を押しあてていった。
あたしの唇が離れたとき。
目の前の愛理の瞳は、大きく見開かれていた。
体中の血液が、頬に集まる。
あたしは、なんて、大胆なことをしてしまったんだろう。
恥ずかしさで、前を見ることができない。
「か、栞菜……」
愛理の驚いた声だけが、耳に届く。
何か言わないと気まずい。
混乱する頭で、あたしは、
「おはよう」
「お、はよ」
ぎこちない挨拶を交わした。
「栞菜?」
「な、なに?」
「どうして……」
「……」
「どうして、泣いているの? やっぱり、僕が……」
心もとない表情で、うつむく愛理。
白い肌が涙でうるんで、ぼやけてしまう。
「あたしがいるから!」
答えにならない言葉が、口をついて出た。
「世界中の誰に嫌われても、見捨てられても、愛理には……あたしがいるから」
頭で考えたことじゃない。
考えるよりも先に、心が叫んでいた。
あたしは、愛理の胸に顔をうずめる。
二度と離れないようにと、腕に力をこめた。
あたしが真実を知るまでには、しばらくの時間がかかった。
愛理から手紙を見せられて、なんとなくだけど、桃子さんの考えていることがわかった。
こんな事件がなかったら、あたしたちは、なっきぃのこともあって、素直になれなかったと思う。
桃子さんには、感謝しないといけない。
桃子さんは、あたしたちのCupidだ。
だけど……
手紙のなかの「愛理が心配するようなことはなかったから、安心して」という部分は、ちょっと都合が良すぎるんじゃないかなあ。
あんなこと、したくせに。
でも、愛理に言えるわけがない。
時が流れて――
「お誕生日、おめでとう」
「ありがと」
あたしは、15歳になる瞬間を、愛理と共に祝っていた。
ホテルの部屋に2人。ベッドは2つあるのに、片方だけを使っている。
あたしたちは、ひとつの枕で寝ていた。
鼻と鼻が、くっつきそうになる距離。
昔、一度だけチャレンジしたけれど、その時は恥ずかしくて、すぐにやめてしまった。
今はもう、恥ずかしくなんかない。
みんなの前ではいちゃいちゃしないようにしてきたから、この時間を楽しんでいる。
それなのに、愛理は、何もしてこなかった。
見つめ合って、手をつないだまま、何時間もしゃべり続けている。
「体と体がつながるより、心と心がつながるほうが、何倍も気持ちがいいんだね」
そんなことを言う。
愛理がこんな調子だから、あたしから動くこともできなかった。
あたしの誕生日だし、男の子なんだから、愛理から来てもらわないと困る。
(頭に、リボンでもつけてくれればいいのに)
そんなことを考えていたら、
「そういえば……さ。ずっと、気になっていたことがあったんだ」
愛理の語りがはじまった。
「なあに?」
「僕が男だって告白したとき、栞菜言ったよね。『あたしの悩みも聞いて欲しい』って」
「そう? 言ったかなあ?」
「言ったよ!」
「うんうん、それで?」
「僕、自分のことに必死で、聞いてあげられなかったなと思って……」
あたしは、愛理の顔をまじまじと見た。
頬か額に「律儀者」とか「生真面目」と書かれているかもしれないと思ったからだ。
もちろん、そんな文字は書かれていないのだけど……
覚えていてくれて、嬉しかった。
「そんなこと、いいのに」
「よくないよ」
頬をふくらませる愛理。
「今度は僕が栞菜の力になりたいんだ。だからさ、教えてよ」
愛おしくて、たまらない。
「じゃあ、言うね」
あたしはわざともったいぶって、恥ずかしそうに、声をひそめる。
罠にかかった愛理が、身を乗り出してきた。
こんなに近くに、顔がある。
心も、近くにあった。
「こんなに愛理が好きすぎて、どうしようってこと」
あたしは、ほんの少しだけ前に出る。
そう、ほんの少しだけ。
鼻先で会話をしながら、あたしたちはキスをする。
それは初めてのキスに似ていて、サクランボの甘酸っぱさが、頭の中ではじけた。
あたしたちは、いつまでも手をつなぐ。
かわいい恋をする。
これからもずっと、愛理を見ていたい。
いつまでも、すぐそばで……
405 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/06/29(日) 22:39:32.18 0
以上で、最終回(栞菜編)を終わります。
長文失礼いたしました、ありがとうございました。
次回は最終回(桃子編)です。これがラストになります。
406 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 22:41:47.26 0
栞菜・・・よかった(´;ω;`)
乙です
407 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 22:43:35.39 0
目から汗が止まらん…
何回も読み直したくなる
栞菜編お疲れ様でした
408 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 22:51:30.43 O
あああああ°・(ノД`)・°・
乙です
409 :
名無し募集中。。。:2008/06/29(日) 23:19:26.48 O
乙でしたああああああ
よかった栞菜と愛理ラブラブだぁ°・(ノД`)・°・
410 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 00:05:38.64 0
まだ読めない
とりあえず保全
411 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 00:29:21.01 O
ももこおおおおおおおおお。・゚・(ノД`)・゚・。
乙でした
misonoの二人三脚聴きながら読んでたら感動倍増だわ
412 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 00:59:52.66 0
ラストに桜チラリの歌詞を入れてるのもセンスいいなあ
作者さん乙!!
413 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 01:55:55.95 0
もう一度読み返してから寝よっと
作者さん桃子編も頑張って下さい!
414 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 02:21:59.01 0
桜チラリの歌詞が
頭の中で曲じゃなく朗読のように
それがすごく良かった涙出た
415 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 04:39:06.24 0
保全
416 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 06:14:42.32 O
あげます
417 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 08:20:31.06 O
ほ
418 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 09:30:04.52 O
クックック
419 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 10:54:15.97 0
ho
420 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 12:12:08.25 0
no
421 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 13:07:41.55 O
MA
422 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 14:25:14.44 0
La
423 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 15:39:06.30 0
!
424 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 17:19:15.87 0
hzn
425 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 18:43:17.48 0
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NO乳NO乳マン巡回中!
426 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 19:48:24.36 0
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427 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 20:29:30.58 0
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428 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 21:15:05.60 0
hnmr
429 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 21:54:25.52 O
ボーノの三人が突然男に・・・シリーズのまとめって誰かURL知りませんか?
よければ今までの板全てお願いします
430 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 23:08:10.59 0
ほぜん
431 :
名無し募集中。。。:2008/06/30(月) 23:50:21.49 0
はっぴいえんどで泥だらけ
432 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 00:28:13.71 O
保
433 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 01:26:01.32 0
田
434 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 01:36:27.13 O
隆
435 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 02:02:41.18 O
リl|*´∀`l|<愛理今度は私の…
436 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 04:21:41.34 O
なんか聞こえたか?
437 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 05:34:04.64 O
朝ですケッケッケ
438 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 07:37:18.62 O
あげてく
439 :
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愛理のチンコ暴れてほしい
440 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 09:52:49.72 0
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441 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 11:40:24.50 O
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名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 12:44:19.93 0
の
443 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 14:32:54.75 O
ぼ
444 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 15:46:20.62 0
の
445 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 16:57:17.06 0
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::::::.\:★ノノハ NO乳?
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NO乳NO乳マン巡回中!
446 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 17:52:24.44 0
ho
447 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 18:56:19.33 O
no
448 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 20:00:08.69 0
bo
叶えたい夢が、2つあった。
アイドルになること。
大好きなあの子「と」両想いになること。
初めのうちは、2つの夢がどちらも叶うと、無邪気に信じていた。
しかし、時を重ねるにしたがって、2つ目の夢が叶わないと知った。
相手が、自分と同じ女の子だったからだ。
告白をしても、気持ち悪がられるだけだろう。
もしそうなったら、友達に戻ることさえできない。下手に迫れば、辞めてしまう可能性だってあった。
もう二度と、あんな思いはしたくない。
だから、ももは、2つの夢の片方を捨てた。
あの子への想いをひた隠しにして、仲間の一人として付き合ってきた。
それなのに……
ある日突然、ももは男の子になってしまった。
性の隔たりはなくなった。
だからと言って、失った夢が蘇るわけじゃない。一度捨てた夢は、やっぱり、拾うことができなかった。
大好きなあの子には、すでに、片想いの相手――みやがいたから。
ももは、夢を書き換える。
大好きなあの子「が」両想いになるために、その身を捧げた。
後悔はしないと、自分に言い聞かせて……
桃の計画「愛理と栞菜のよりを戻しちゃおう大作戦」は、最終段階に入っていた。
眠っている栞菜に「ごめんね」と声をかけながら、枷を1つずつ取り付けていく。
携帯とポラロイドカメラで、写真を撮った。
今回の計画のために作らせた、ダブルベッド。その意匠をフレームにおさめる。
この部屋がどこなのか、1度でも来た人なら、誰でもわかるようにした。そのために、わざわざ、あの2人にも使ってもらったのだ。
栞菜がいなくなったことを知れば、2人は栞菜を捜すだろう。メールを見た愛理が勇気を出せば、ここにたどり着くことができる。
そうなれば、あとはタネ明かしの時間。
椅子に座って、手紙を書く。
説教臭くならないように、気をつける。
手紙を書き終えて、一息ついた。
そろそろ、栞菜ちゃんが起きるころだ。
演技プランを練っていたら……
机の上に置いた携帯が、カタカタと音をたてた。
1件の着信。
相手は、大好きなあの子――梨沙子だった。
タイトルは「ありがとう」
もものおかげで、みやと恋人になることができました
それは、はじめてもらったメールだった。
「ももは、仕事とプライベートをわけるたちなの」
こんな嘘をついてまで、かたくなにメールをしてこなかったのは、大好きな梨沙子を避けるため。
メールを交わしていけば、いつか指が勝手に動いて「好き」と打ってしまう。
黙ったまま、添付された画像を開く。
頬と頬を寄せ合って、ほほえむ梨沙子。
それは、今までに見た梨沙子のなかで、一番の笑顔だった。
目の前の景色から、色が失われる。
いつかこの日がくることは、わかっていた。むしろ積極的に動いてきたはずなのに、いざ実際にきてしまうと、震えが止まらない。
なにも知らない梨沙子は、素直に、感謝の気持ちを伝えたかったのだろう。
しかしそれは、幼い子供が、罪悪感もなく昆虫の羽や足をもぎとる行為に似ていた。
灰色の世界に残されたのは、どす黒い感情。
気がつくと、桃は栞菜を責め立てていた。
452 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/07/01(火) 20:31:19.57 0
最終回(桃子編)の、前半部分を書かせていただきました。
続きですが、ラストのところで少し迷っていることがあり、少し遅れるかもしれません。
今週末までには書かせていただきたいと思っております。
あたたかいお言葉をいただき、まことにありがとうございました。
栞菜編のラストの部分は、栞菜愛理編(別れのシーン)を書いているときに完成しておりました。
ようやくここまでこれたと、少しホッとしています。
453 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 20:33:49.70 0
桃子・・・(´;ω;`)
おつです
454 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 21:29:00.45 0
hzn
455 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 21:47:10.49 O
ドキドキ
456 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 22:26:23.79 0
乙です
桃子は我慢の子か
457 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 23:07:58.55 O
乙
御主なかなかやるな
458 :
名無し募集中。。。:2008/07/01(火) 23:59:43.19 0
ほす
459 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 00:49:28.59 O
桃子にもカタルシス感じさせたいよね乙
460 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 01:37:32.36 O
あげとく
461 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 04:11:03.16 O
ほ
462 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 06:09:16.48 0
乙です
463 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 07:27:59.92 O
ほ
464 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 09:46:42.29 0
ほっ
465 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 11:03:48.75 O
ほっっ
466 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 12:50:59.38 O
ほっっっ
467 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 14:07:26.08 O
ほっっっっ
468 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 15:39:05.19 0
ほっっっっっ
469 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 16:37:19.35 O
「っ」打つの面倒くせぇ!!!
470 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 17:27:28.14 O
ほ っ×6
471 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 19:40:59.99 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ っはCTRL+V?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
NO乳NO乳マン巡回中!
472 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 20:04:56.74 O
【リク】
涙が止まらない放課後 絵里ソロ。 2008春音源
なければ絵里の100キス
473 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 20:06:29.55 O
474 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 20:11:43.83 0
ここでは配信やってません><
475 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 21:06:21.45 O
ほ
476 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 21:58:42.27 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ NO乳?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
NO乳NO乳マン巡回中!
477 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 22:32:07.47 0
今夜も待ってます
478 :
名無し募集中。。。:2008/07/02(水) 23:24:38.50 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ NO乳?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
NO乳NO乳マン巡回中!
479 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 00:12:37.40 0
HO
480 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 01:04:27.10 0
mo
481 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 01:59:25.86 O
ほっっ
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
のにゅのにゅマン巡回中!
483 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 06:07:42.73 O
あげ
484 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 07:24:48.79 O
ほ
485 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 08:30:31.60 O
ほっ
486 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 08:31:44.24 O
ほっ
487 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 10:35:59.72 O
あげとくか
488 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 11:30:45.88 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ NO乳?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
NO乳NO乳マン巡回中!
489 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 13:10:46.11 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ NO乳?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
NO乳NO乳マン巡回中!
490 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 14:23:29.52 0
ほっ
491 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 15:24:21.99 0
もっ
492 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 17:14:27.66 O
さっ
493 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 18:58:02.69 O
ぴっ
494 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 20:28:40.80 0
えっ
495 :
作者2(代理) :2008/07/03(木) 20:58:00.93 0
規制に巻き込まれてしまい、
>>449-451の続きを書くことができません。
解除されたら、書かせていただきたいと思います。
496 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 21:48:22.83 O
保全して待つよ
497 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 21:56:38.70 0
いつまでも待ちます
498 :
名無し募集中。。。:2008/07/03(木) 23:03:34.92 0
ほぜん
499 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 00:15:31.73 0
ほしゅ
500 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 01:32:50.53 O
保全
501 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 02:32:28.14 0
寝る
502 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 03:17:41.35 O
ねるほ
503 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 04:24:30.57 0
晴れ雨のちスキ(ハロ10のベリVer)聴きながら桃子のとこ読み返してたらすげぇ泣けるわ
寝る前ほ
504 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 04:26:30.26 0
505 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 06:25:19.11 O
おはよう
506 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 08:11:49.16 O
あげとく
507 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 10:15:42.07 O
あげ
508 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 12:20:44.96 O
ho
509 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 13:41:33.76 O
no
510 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 15:08:33.53 0
ほ
511 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 15:29:25.67 O
の
512 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 16:12:55.80 O
ま
513 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 17:26:58.44 0
ら
514 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 17:40:26.19 0
ス
515 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 18:26:03.06 0
ッ
516 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 18:33:42.26 0
ペ
517 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 18:57:37.72 0
ッ
シ
519 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 19:40:51.50 0
ャ
520 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 20:28:33.83 0
ル
521 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 21:20:38.41 0
ジェ
522 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 21:38:12.36 O
ho
523 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 22:09:27.97 O
仏陀切ったなお前SUN
524 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 22:32:53.54 O
スマン
改めて
スッ
525 :
名無し募集中。。。:2008/07/04(金) 23:29:31.32 0
ポン
526 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 00:41:01.02 0
鍋
527 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 00:50:17.09 0
う
528 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 01:11:08.57 0
スッ
529 :
223.19.102.121.dy.bbexcite.jp:2008/07/05(土) 02:02:15.91 0
ぺ
530 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 02:03:38.15 O
ぇ
531 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 03:29:53.36 O
梅田
532 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 03:32:05.63 0
寝る
533 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 03:32:42.85 O
でも嘘なんだよ
534 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 05:50:03.43 O
っていうのも嘘なんだよ
535 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 07:31:57.66 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ NO乳?
::::::.ミゝ从*´∇`)つ
::::::⊂__つノ
NO乳NO乳マン巡回中!
536 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 09:13:48.73 O
朝ほ
537 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 10:14:00.06 O
ほ
538 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 11:38:13.05 0
ぜ
539 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 12:44:43.38 O
んんんー
540 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 13:46:12.46 0
541 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 14:46:18.80 O
保全
542 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 15:56:15.96 0
保守
543 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 15:59:05.04 0
544 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 17:22:01.52 0
暑い
545 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 18:31:29.99 0
あげ
546 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 19:40:17.34 0
ほ
547 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 20:36:34.03 0
ぜ
548 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 21:54:26.53 0
ん
549 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 22:33:55.19 0
死守
550 :
名無し募集中。。。:2008/07/05(土) 23:37:57.33 O
ほ
551 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 00:33:24.14 O
ほ
552 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 01:25:34.50 O
ほ
553 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 02:53:05.40 0
寝る
554 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 04:27:37.33 0
おや
555 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 06:55:08.27 O
すみ
556 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 09:07:52.71 O
愛理
557 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 11:09:38.96 0
桃子
558 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 12:39:25.03 0
みやび
559 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 14:16:41.09 0
あげ
560 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 15:17:02.57 O
ほ
561 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 16:55:03.35 0
の
562 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 18:03:28.77 0
ま
563 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 19:19:09.02 0
ら
564 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 20:33:16.38 0
ス
565 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 20:54:01.92 0
565
566 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 21:29:05.09 0
あげ
567 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 22:05:22.09 0
まん
568 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 22:53:55.89 0
ちょ
569 :
名無し募集中。。。:2008/07/06(日) 23:39:42.32 0
hozen
570 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 01:24:18.43 O
ほ
571 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 04:17:39.65 O
ほほ
572 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 07:00:07.58 O
ほほほ
573 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 09:16:01.68 O
ほほほほ
574 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 09:25:50.95 O
>>367 桃の最終回も気になるが、この続きも実は楽しみにしてる
575 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 10:39:55.49 0
576 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 12:09:29.38 O
ケッケッケ
577 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 13:25:28.40 O
あげ
578 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 15:41:53.89 O
保全
579 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 17:27:41.08 0
ほ
580 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 17:28:51.65 0
も
581 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 19:23:51.06 0
さ
582 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 20:20:46.89 O
ぴ
583 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 21:13:44.66 0
え
584 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 21:46:25.46 0
ん
585 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 22:43:07.07 0
ぽ
586 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 23:31:40.51 O
っ
587 :
名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 23:37:11.55 0
ぽ
588 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 00:27:19.57 0
ぽ
589 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 01:01:56.05 O
ぽ
590 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 02:14:30.68 0
ももち
591 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 04:30:54.99 0
寝る前ほ
592 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 06:27:18.25 O
おはよう
593 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 06:27:36.98 O
あげ
594 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 07:35:20.51 O
おはよう
595 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 08:36:21.53 O
ハイおはよう
596 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 10:51:56.12 O
おは保
597 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 12:23:04.66 O
ほ
598 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 13:28:54.46 O
も
599 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 14:54:39.05 O
ん
600 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 16:15:58.11 0
?
601 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 17:58:45.12 0
ス
602 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 18:00:03.24 O
ボ
603 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 19:50:04.29 0
あげ
604 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 20:41:03.60 0
待ちます
605 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 21:23:32.59 0
?
606 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 22:19:06.26 0
なぁ・・・もう・・・こないんじゃないか・・・?
607 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 22:29:26.39 0
来るさ
保全して待つぞ
608 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 22:42:58.13 0
生存報告してくれるとありがたい
609 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 22:45:41.26 0
>>607 俺だってそう思いたいけど・・・せめて携帯からでも一言言葉が聞きたい・・・
あの素晴らしい小説が未完のまま終わるのは悔しすぎる
610 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 22:47:31.18 O
十分楽しませてもらったし来ないなら来ないでも良いが保全したい気持ち
611 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 23:03:18.42 0
楽しませてもらったからこそ最後まで楽しみたいわ
で 最後に作者にちゃんと感謝の気持ちを述べたい
保全
612 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 23:09:56.05 O
規制に引っ掛かったって言ってなかったっけ?
613 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 23:10:09.94 0
ル ’‐’リ人ノノl∂_∂'ル<夏桃チュ!
614 :
作者2(代理):2008/07/08(火) 23:11:16.48 0
ご心配と、ご迷惑をおかけしております。保全をしてくださっている皆様に、心から感謝を申し上げます。
現在、私はeonetの全鯖規制に巻き込まれております。週明けには解除されると期待していたのですが、その気配すらありません。
規制が解除されたら、必ず書かせていただきたいと思います。
(代理レスはここへその51より)
615 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 23:12:39.39 0
616 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 23:13:07.45 0
しっかり保全して待ってるからそんなに焦らなくてもいいですよ
617 :
名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 23:44:38.96 0
あー生存確認して貰っただけでも嬉しいっす
618 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 00:41:41.08 0
ほ
619 :
名無し募集中。。。 ◆XSLqyoVAYc :2008/07/09(水) 01:53:24.11 0
携帯が震えた。同時に華やかなメロディーも流れ出す。
この着信音は一人だけ。あなただけの特別な音。
「もしもし…」
『………』
「もしもし?…みや…?」
『……たぃ…』
新しく買った白いバッグに携帯を放り投げる。
夏用に買った白いバッグはまだそんなに時間が経っていないのに、汚れが目立っていた。
スニーカーだったら良かったな、なんて走りながら思う。
暑いからヒールのあるサンダルにしたんだ。失敗だった。
レッスン室に急いで向かう。今だったらあたし、オリンピックで金メダル取れちゃうかも。
――――梨沙子に会いたい…――――
いつものみやからは想像できない、搾り出したような本当に小さな小さな声だった。
それでもあたしの耳には届いたから。
もしかしたらいつものようにただ抱きたくて呼んでるのかもしれない。
でも、少しだけ期待したい。みやのことが好きだから。
レッスン室に着く。まだベリーズのメンバーは来ていないみたいだった。
レッスン着を着たみやがドアのガラスから見えた。
足を抱えて座り込んでいて、すごく小さく見えた。
620 :
名無し募集中。。。 ◆XSLqyoVAYc :2008/07/09(水) 01:53:44.69 0
大きなドアだから開けると音がしてすぐに分かる。
みやは勢いよく振り向いた。まるで仔犬がお母さん犬を見つけたような、そんな表情だった。
「梨沙子…」
「みや…」
「梨沙子…」
「み――」
ぎゅっと強く抱きしめられた。あまりにも急だったのでびっくりして目が点になるくらい。
「ごめん!ごめん!ごめん…」
「みや…」
ずっと梨沙子の気持ちを考えずに酷いことしてきた。本当に許されないことだと思ってる。
抱きしめたままみやはそう言った。
「でも、それでも…梨沙子が好きだよ…もう一度、やり直したい…」
ようやく解放されて、お互い見つめあう形に落ち着く。
イエスオアノー。答えは一つ。そんなの最初から決まってる。
「やだ。」
621 :
名無し募集中。。。 ◆XSLqyoVAYc :2008/07/09(水) 01:54:05.83 0
「みや、あたしのこと何にも分かってない!」
あたしがどれだけ辛い想いをしてきたか。どれだけ周りを傷つけてきたか。
どれだけみやのことを想ってるか、みやは全然分かってない。
「あたしのこと抱いて、期待持たせたくせに他に彼女居て!みやは勝手すぎるよ!
すごく悲しかったんだから!またそうやって期待持たせるだけでしょ!もうあんな想いするのや―――」
もう一度強く抱きしめられた。涙が止まらない。
「ごめん!本当にごめん!…俺どうすればいい?どうしたら許してくれる?」
「…いっぱい好きって言って。いっぱいぎゅってして。」
「うん。好きだよ。梨沙子が好きだ。」
ずっと願っていた言葉。ずっと聞きたかった言葉。
みやの腕の中でその言葉を聞けるあたしは世界一の幸せ者だと思う。
汚れたバッグは洗えばいい。そしたらまた同じように白くなるから。
だからね、みや。もっとあたしのこと愛して欲しい。
そしたらきっと、今までのこと、まるっきり綺麗にじゃないけど忘れることができると思うから。
「みや。」
「ん?」
「すき。」
「俺も好き。」
キスをしよう。とろける様な甘いキスを。トッピングには甘い言葉を添えて。
622 :
名無し募集中。。。 ◆XSLqyoVAYc :2008/07/09(水) 01:59:49.04 0
遅くなって申し訳ございません
これからまたバイトと前期試験と忙しくなる時期ですが、それを越えれば夏休みなので
書けるだけ書きたいなと思っております
何かリクエストなどがあれば言ってください
では、また少し間が開いてしまうかもしれませんがよろしくお願いします
623 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 02:06:24.23 0
おつです
待ってました!
梨沙子をこれ以上ないくらいに幸せにしてやって!
test
>>449-451の続き。
「嫌だ、嫌だよぉ」
目に涙をためて、駄々をこねる栞菜。
必死に逃れようともがいているけど、4つの枷と4本の鎖で、身動きがとれない。
それはどこか、蜘蛛の巣にかかった蝶を思い起こさせた。
哀願の声を無視して、桃は作業をつづける。
蘇る記憶は、少し前の出来事。
「愛理は、梨沙子と別れたよ」
「えっ?」
「愛理は、栞ちゃんのことが好きになっちゃったんだって。失ってはじめて、大事な人に気付いたみたい」
桃が、愛理の気持ちを伝えたとき……
囚われの身のあの子は、たしかにほほ笑んだ。
それが許せなかった。
(どうして栞菜は、すべてを手に入れるの? ももの夢は、絶たれてしまったというのに)
あのほほ笑みを、曇らせてやろうと思った。
蜘蛛の巣に捕まった蝶の運命は、決まっている。もう一度飛び立とうなんて、そんなこと、できやしない。
「そうやって嫌がっていても、堕としてみせる。もぉなしでは生きていけない体にしてあげる」
栞菜を責めながら、どんどん汚れていく自分を感じた。
心の中の天使は霞んで、悪魔が好き勝手に暴れまわっている。
「だ…め……です、も…もこ……さんっ……」
栞菜の抵抗が、弱まっていく。
「こん…な…っ…こと……しちゃ…ぁ…あぁ」
息も絶え絶え。目はうつろで、焦点もあっていなかった。
そろそろ、いいだろう。
桃は、押してはいけないスイッチに触れる。
刹那――
栞菜の口から、愛理の名前がこぼれ落ちた。
うわ言のように、何度も繰り出される言葉。その声は華奢で繊弱、細くてよわよわしい。
ほとんど聞きとれないはずなのに、なぜか耳に残った。
(愛理のことが、好きなんだね)
栞菜が愛理を求めるたびに、桃の心は揺れる。
何があっても、何を聞かされても、変わらなかった栞菜ちゃん。
それはとても率直で、純粋で、まぶしい。
そんな栞菜ちゃんが、うらやましかった。
(桃だって、昔は……)
どす黒い感情に、ヒビが入る。
久しく忘れていた――忘れようとしてきた、幼いころの思い出があふれだす。
(いつから、こうなってしまったんだろう)
うなだれた桃は、最後の一線を踏み越えることができなかった。
「あきれた」
その言葉は、真下の少女に向けられたものなのか、それとも、自分自身の魔性――夢魔に向けられたものか。
わからないまま、桃はベッドからおりる。
栞菜ちゃんに背を向けて、涙をぬぐった。
脳裏に浮かんだのは、出会ったころの梨沙子。
そして……
雨の日の、キャプテンだった。
薬を飲んだ栞菜ちゃんのまぶたが、ゆっくりと閉じられる。
粉薬にして、正解だった。
おそらくは、もう、何も聞こえないだろう。
そう思った桃は、
「自分がどれだけ愛されているか、知りたくはない?」
栞菜ちゃんの寝顔に、そっと語りかけた。
反応がないのを確かめてから、蝶にかかった蜘蛛の巣を、ひとつずつ取り除いていく。
時間はかからなかった。
桃は携帯電話を手に、最後の仕上げに入る。
愛理にメールを出し、なかさきちゃんの画像を消す。
残ったのは、梨沙子からのメールだけだ。
椅子に座った桃は、画面のなかの梨沙子の笑顔を、じっと見つめる。
机の上には、水の入った、子ども用の白いバケツ。役目を終えた携帯電話の、棺桶だ。
桃の携帯が水に浸かっていたら、愛理も安心するだろう。そう思って、用意しておいた。
台本では、もう、沈んでいなければならない時刻。
梨沙子のメールが、命を長らえさせている。
どれだけの時間がたっただろうか?
たわむれに、桃は返信ボタンを押した。
しえん
メールありがとう
幸せになってね
ありきたりの言葉で空白を埋めようとしたら、指が勝手に動いた。
ずっと前から、梨沙子のことが好きでした
それは、長い間、秘めてきた想い。
送信ボタンを押せば、梨沙子に届く。
『それが一体、何になるの?』
自分の気持ちに、区切りがつくかもしれない。
『でも、梨沙子を困らせるだけじゃない?』
そうかもしれない。
『梨沙子、泣いちゃうかもしれないよ』
自問自答を繰り返す。
もっと早く、好きと言えば良かった。
男の子になったとき、ももは自分の気持ちに正直になって、真正面からぶつかるべきだったんだ。
『そう、気づくのが遅すぎた』
試合終了の笛は、吹かれてしまっている。
ロスタイムは、ない。
「梨沙子」
桃は、携帯の画面に話しかけた。
目の前の笑顔が、涙でにじむ。
「悔しいよ」
それは、嘘いつわりのない本心だった。
時計の針が、戻ることはない。
「りさこぉ……」
桃は、手のひらの梨沙子に、そっと唇を落とした。
631 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/07/09(水) 03:03:15.40 0
最終回(桃子編)の、中盤部分です。
規制解除がきたので、あわてて書かせていただきました(過去に、数時間で次の規制がきたことがあります)
それでは、おやすみなさいませ。
作者1さん、お待ち申しあげておりました。
作者3さんの続きも気になっております。
632 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 03:11:17.29 0
保全してた甲斐があったよ・・・(つд;)
お二人とも乙です
今から読ませていただきます
633 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 05:39:43.07 0
桃子も幸せになってくれぇぇぇぇぇ(´;ω;`)
おつです
634 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 05:53:35.36 O
二人も来てるぅうううおつおつ後でゆっくり読ませてもらいます
635 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 09:03:52.91 O
ほ
636 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 10:04:13.53 O
朝から泣かせないでくれ
良作を投下し続けてくれる作者さん達に感謝
637 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 10:24:17.77 0
大変乙です
待ってた甲斐がありました ありがとう
638 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 12:24:39.79 O
ほ
639 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 13:51:13.91 0
乙です
作者1さんの今後も作者2さんのラストも
気になる
もち作者3の続きも
640 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 15:28:11.08 O
ho
641 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 15:39:21.23 O
まじで泣きました
しかも仕事場で
642 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 17:12:09.22 0
きたあ!これから読んでくる
643 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 18:26:17.77 0
hzn
644 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 19:16:46.41 O
あげとくわ
645 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 20:11:15.74 0
hzn
646 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 21:02:11.07 0
hnmr
647 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 22:04:14.13 O
wktk
648 :
名無し募集中。。。:2008/07/09(水) 23:15:29.48 O
落ちる
649 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 00:09:13.61 0
落ちた
650 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 00:50:48.91 O
落とさせん
651 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 01:28:27.92 O
ごめん寝る
652 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 02:40:11.96 O
俺も寝る 後は頼んだ
653 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 03:17:33.72 0
とりあえず
ここは俺が保全しとく
保全しながら寝る
655 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 07:05:21.99 O
おはぼーの
656 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 08:17:42.44 O
保全
657 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 10:17:49.02 O
保全
658 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 12:01:38.29 0
hzn
659 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 13:15:33.33 O
ho
660 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 14:58:41.80 0
ze
661 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 16:28:11.54 0
nn
662 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 17:43:09.17 0
hzn
663 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 18:54:06.57 0
664 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 20:12:35.42 0
hzn
665 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 20:12:39.15 0
ほ
666 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 20:54:52.59 0
hzn
>>626-628 >>630の続き
電車に揺られ、駅を出て、とぼとぼと歩く。
家に帰ろうとしていたのに、なぜか反対の方向に進んでいた。
足が勝手に動く。どこか、別の場所を目指している。
(なるほど……ね。そういうことか)
そろそろ、時間切れらしい。
すべてを悟った桃は、
「これで良かったの?」
ひとりつぶやいた。
『うん』
言葉を返すのは、心の牢獄に閉じ込めておいた、ホントのじぶん――桃子。
男の子になった自分を受け入れられずに、泣いてばかりいた女の子だ。
その意思の力が、桃の足を動かしている。
「もう、泣かないんだね」
『涙は、ぜんぶ出しちゃった』
「そっか」
『ありがと』
桃子にお礼を言われて、桃は顔を赤らめた。
「別に、あんたのためにやったわけじゃない」
強がりを言ってみる。
「梨沙子のために、愛理や栞菜のためにやったんだ」
『わかってるよ、もぉはもぉだもん』
「へ?」
『桃のことは、もぉが一番わかってる』
そりゃそうだ。
桃は、桃子の心の一部にすぎない。
肥大化した、心の欠片が夢魔――桃となり、宿主である桃子の体を支配した。
そんなことができたのは、桃子に隙があったからだ。
2つの夢の片方を捨てた桃子は、残された夢――アイドルの道に邁進した。
それはあまりにも完璧で、いつしか彼女は「プロ」と呼ばれる存在になった。
その精神が、男の子になった自分を拒絶したのだ。
自分自身を否定する人間ほど、つけ込みやすいものはない。桃は梨沙子への想いを呼び起こして、桃子と入れ替わることに成功した。
『だから、桃の聞きたいこともわかるよ。だってそれは、もぉの想いでもあるんだから』
「じゃあ、教えてもらおうかな」
きっと桃子は、桃が何を言いたいか、すべてお見通しだろう。
それでも、口を出さずにはいられなかった。
「桃は、あんたの気持ちがわからない。なぜ、桃の邪魔をする? どうして、梨沙子に告白させてくれなかったの?」
勝手に歩く足にいらだちながら、抗議する。
ホテルで、桃が梨沙子にメールを打っていたとき。送信ボタンを押す指を止めたのは、内なる声――桃子だった。
『それは……』
「それは?」
『梨沙子の笑顔が、可愛かったから』
桃子の回答に、桃は反す言葉を持たなかった。
『梨沙子には、いつも笑っていてほしいの。それに、もぉは、自分がどれだけ愛されていたのか、知ってしまった』
「佐紀ちゃん?」
『そう』
心の牢獄――暗闇のなかで、桃子がうなずいた。
あの雨の日。
佐紀ちゃんは「大好きだよ」と言ってくれた。
桃の気持ちには、気づいていたと思う。
梨沙子が好きなこと。
梨沙子が雅と両想いになるために、雅から遠ざけるために、佐紀ちゃんを口説いたこと。
桃は、佐紀ちゃんの心を踏みにじってきた。
それなのに、好きと言ってくれたんだ。
『佐紀ちゃんの気持ちに、応えられるかどうかはわからない。もぉは、辛い失恋をしたばかりだから。でも……』
「これ以上、裏切りたくはなかった」
『うん』
「梨沙子の困った顔も、佐紀ちゃんの涙も――」
「『見たくなかった』」
ふたつの心の声が、ひとつになった。
「損な性格だね」
『かもしれない』
桃子と笑い合いながら、桃は空を見上げる。
夜だと言うのに、やけに明るい。たくさんの星々が、キラキラと瞬いていた。
桃は最後の質問をする。
「これで、満足?」
満足と言うよりは、納得と言ったほうが正しいかもしれない。
それでも、桃は、満足という言葉を選んだ。
夢魔を縛る、2つのルール。
・夢魔は、宿主が全く望んでいない行動をとることはできない。
・宿主が満足すれば、夢魔は役目を終える。
その2つ目を確認する。
「それは良かった」
桃子の声を聞いた桃は、ゆっくりと目を閉じた。
まぶたに残るのは、満天の星空。
とてもキレイ。
「ツカレタナァ……」
役目を終えた夢魔は、最期の瞬間を迎えた。
670 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/07/10(木) 21:34:40.77 0
最終回(桃子編)です、もう少しだけ続きます。
今日中に終わらせるつもりだったのですが、延びてしまいました。
申し訳ありません。
それにしても、夢魔はややこしい設定でしたね。
誰か一人を悪役にしたくなかったので、こういう形にしてしまいました。
671 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 22:42:16.21 O
乙です
夢魔ってのがよく分からない・・・だいたいのイメージは掴めてるけどそれで正しいのか
672 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/07/10(木) 22:48:17.95 0
わかりにくいですよね。
ただ、序盤から何度か夢魔編を書いていたのに、最後にきてスルーするのもどうかと思ったもので……
ラストは、
>>667-669を無視しても、話がつながるように書きたいと思います。
673 :
名無し募集中。。。:2008/07/10(木) 23:50:29.11 0
すばらしすぐる
674 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 00:01:38.57 0
更新乙です
深いなぁ…
675 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 01:15:01.66 0
まず保全
676 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 02:05:28.82 O
続いて保全
ももの家から遠く離れたところに、その公園はあった。
ブランコに、苦手な鉄棒。ジャングルジムとすべり台、足もとに広がる砂場。
昼間は子供たちの歓声であふれるこの場所も、夜になれば、とても静かだ。
3年ぶりに見る、懐かしい風景。
小さな公園には、たくさんの思い出がつまっている。
学校の帰りや、レッスンの帰り。幼いころのももは、嫌なことがあると、きまってこの公園にやってきた。
すべり台やブランコで、少しだけ遊ぶ。
そうやって、辛さや悲しみを捨ててから、笑顔で家に帰った。
大人になったら、もう二度と、来ることはないと思っていたけれど……
来てしまった。
昔を思い出しながら、すべり台に登る。
頂上に立って、夜空を眺めた。
月が出ている。
光がにじんで、渦になる。
頬を涙が伝う。
「情けないなぁ」
ももは、思わずつぶやいた。
梨沙子の笑顔が、頭にちらつく。
泣いて、泣いて、泣きつくして、全部出したと思っていたのに、まだ残っている。
結局、メールは出さなかった。
たとえ「好き」と伝えなくても、ありきたりの言葉だったとしても、一度返事を出してしまえば、次のメールを待ちわびてしまう。
そんな状態では、計画を進めることなんてできなかった。愛理たちと、顔を合わせるわけにはいかない。
ももの携帯電話は、まっさらの状態で、バケツの水に芯まで浸かった。
きっと今頃は、愛理の目に届いただろう。
ももは、二人の幸せを星に願った。
いつまでも、ウジウジしてはいられない。
こんなことじゃいけないと、頭を振る。
「よぉ〜し、やりますかぁ」
久し振りに遊んでみようと、ももは思った。
すべり台の頂上に座り、足をおろす。
下を見ないようにしながら、
「それっ」
勢いをつけて、一気にすべり降りた。
背中に残る摩擦熱と、つま先の砂の感触。
子ども用のすべり台が普通に使えたことに、少しだけ落ち込む。
「もう少し、背が伸びるといいな」
できれば足が……なんてことを考えながら、ももは、スカートについた砂を払おうとした。
すると――
「うぃ〜」
いきなり、おしりをさわられた。
「キャッ」
反射的に飛び上がった、もも。
前のめりに、転がるように逃げ出す。
「あっ、ちょ、ちょっと待って!」
あわてたチカンさんが、声をかけてきた。
(女の人?)
おそるおそる、後ろを振り返る。
そこにいたのは、ベリーズのキャプテン――佐紀ちゃんだった。
679 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/07/11(金) 05:09:33.48 0
おはようございます。
保全がわりに投下させていただきました、続きは夜に書ければと思います。
それでは……
680 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 06:24:13.55 O
乙!
うぃ〜ワロタ
681 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 07:16:36.23 0
おは保
後で読ませてもらうよ
682 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 08:29:36.67 0
キャプテン痴漢w
683 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 09:38:44.40 0
さすが尻フェチw
684 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 10:45:47.65 O
あげとくわ
685 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 12:09:59.37 0
ho
686 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 13:47:21.78 0
687 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 15:23:12.46 0
ほ
688 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 16:37:40.40 0
の
689 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 17:42:52.83 O
ま
690 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 18:52:34.31 0
ら
691 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 19:45:30.88 0
hzn
692 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 20:34:42.64 0
hzn
693 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 21:56:50.70 O
保全
694 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 22:44:35.61 0
hzn
695 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 23:15:38.51 0
たのしみすぐる
>>677-678の続き。
「キャプテ〜ン」
緊張と恐怖がゆるんで、ももは、その場にへたりこんだ。
「びっくりした……じゃ…ない」
雨の日の出来事を思い出して、声が小さくなる。
「ごめん」
キャプテンは謝ってくれたけど、心ここにあらずといった様子。自分の手のひらを見つめたまま、何度も首をかしげている。
「どうかした?」
「あ、いや、なんかさ」
「うん」
「さわり心地っていうの? 感触がなんか、その、こう……」
キャプテンは手首を回転させながら、手のひらでおしりの形を描いた。
やけに生々しくて、恥ずかしくなる。
「な、何?」
「いや、違うな」
キャプテンの疑問はつきない。空中に浮かぶ、妄想のおしりを揉みながら、
「もう一度、触らせてくんない?」
そんなことを言った。
「やだよっ」
「ね、お願いだから」
「やだやだやだ」
「お願いお願いお願い」
ゆっくりと近づいてくる、チカンさん。ワキワキと、指を動かしている。
「その指、やめて」
「やめるやめる、だからさ」
キャプテンはピッと指を立てて、両手を合わせた。
どうして、こんな展開になってしまったのだろう? キャプテンには、聞きたいことが山ほどあるのに……
逃れられない雰囲気を感じとったももは、
「もう、しょうがないなぁ」
小さくつぶやいた。
目を閉じて、背中を向ける。
風をまとった手が、スッと忍び寄った。
「ふむ、どれどれ」
キャプテンの息が、耳にかかる。
ちょっとふざけて、軽く触れるだけかと思っていたのに、けっこう踏み込んできた。
手つきがいやらしい。
「ちょ、ちょっと!」
「ほほう。なるほど、いいねえ」
その口調は、骨董品の鑑定士のよう。
「もぅいいでしょ? 恥ずかしいよぉ」
耐えられなくなって、座りこんでしまった。
「へへっ」
悪びれる様子もなく、笑っているキャプテン。
「やっぱり、桃のおしりが一番だなあ…… 硬くて」
「それ、ほめてない」
「いやいや、プリプリだよ!? プリプリ!」
「なに言ってんの」
「やっぱり、桃はこうでなくっちゃ」
キャプテンは握りこぶしをつくると、わけのわからない価値観を、強硬に主張する。
「最近の桃は、ベストじゃなかったんだよね。今日は昔に戻ったというか、なんか懐かしくてさ…… うれしくなっちゃった」
「えっ?」
「あ。変なこと言って、ごめんね」
「ううん」
生返事になったのは、考え事をしてしまったから。
キャプテンの言葉が、妙に引っかかる。
(昔に戻った?)
そう言えば、さっきから、うまくバランスがとれない。
最初におしりを触られたとき、逃げ出そうとしてこけたのも、そのせいだった。
(もしかしたら……)
まわりに誰もいないか、何度も確認する。
「ちょっとゴメン、そこに立ってて」
ももは、キャプテンに壁になってもらうと、おそるおそる、手を下のほうに伸ばした。
そこにあるはずの――もともとはなかった、男の子の象徴。
それがとれて、なくなっている。
ももは、女の子に戻っていた。
「な、ない……」
「どうしたの?」
「ない! ないよ!」
キャプテンの顔色が変わる。
「財布でもなくした? もしそうだったら、早く探さないと!」
「違う、違うの」
あわてて否定する。
「大丈夫?」
「いや、あの、その…… 大丈夫」
ももは、さっきまでの興奮が引いていくのを感じた。
スカートや足についた砂を払う。
「座ろっか」
そう言って、ブランコを指さした。
699 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/07/11(金) 23:56:15.08 0
最終回(桃子編)ですが、もう少しだけ続きます。
長くなってしまって、申し訳ありません。
次で、なんとか終わらせたいと思います。
700 :
名無し募集中。。。:2008/07/11(金) 23:58:42.69 0
まってる
>>698の訂正
×財布でもなくした?
○携帯でもなくした? でお願いします。
702 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 00:10:20.47 0
携帯の方がごまかしきくもんな
>>696-698の続き
夜の公園を照らすのは、月の光と、うす暗い外灯の明かり。
2×2の人影が、小さく揺れている。
ブランコに乗った2人。
佐紀ちゃんが、ちょこちょこと足を動かす。
かわいらしい仕草は、森から迷い出てきた小動物のようだった。
「ねえ、キャプテン」
「なに?」
「もぉのこと、何か聞いてる?」
ももは、心の内にある不安をぶつける。
「舞美ちゃんから、連絡があってさ」
佐紀ちゃんの声と入れ替わるように、靴と砂のこすれる音が止んだ。
「桃を捜しているって言うから、それで――」
「捕まえに?」
「違う! あたしは、桃が心配で……」
佐紀ちゃんは、ブランコの鎖をぎゅっと握った。
「嘘じゃないよ」
真っ直ぐな瞳で、見つめられる。
「わかってる。心配かけてゴメンね」
「そんなこと…… いいよ」
「嫌いにならないで」
「バカ」
ひとつ言葉を交わすたびに、沈黙が続いた。
「ねえ、佐紀ちゃん」
「な、なに?」
「よくここがわかったね。ももの家からは、けっこう離れているのに」
それは、最大の謎だった。
佐紀ちゃんの口から、ため息がもれる。
(聞いちゃいけなかったかな?)
後悔の念が、ももを包む。
佐紀ちゃんはうつむいたまま、話し始めた。
「まだ、ちっちゃかったころにさ…… まあ、今でも小さいんだけど」
冗談めかした笑い声。
ももは黙って、次の言葉を待つ。
「一度だけ、桃に連れて来てもらったんだ」
「エッ!?」
「手をひかれてね…… 『秘密の場所だよ』『佐紀ちゃんは、桃たちのキャプテンになったから、特別に教えてあげる』『辛いことがあったら、ここに捨てに来るといいよ』『もぉも、よく来るんだ』って」
懐かしそうに、ぽつりぽつりと、紡がれていく言の葉。一枚一枚が、心に降り積もっていく。
「その時に思ったんだ。桃は強い子だけど、弱いところもある。だから……」
「だから?」
「桃が本当に苦しくなったときは、あたしが支える。守ってあげるんだって」
気持ちだけで、ちゃんとできたかどうかは怪しいけど……と、ほほ笑む佐紀ちゃん。
「頼りないキャプテンで、ごめんね」
月の光に照らされた横顔には、天の川が流れて、青白く光っていた。
ももは、何も言えない。
申し訳ない気持ちで、いっぱいになる。
もものことを心配して、愛してくれた人が、こんなに近くにいる。
それなのに、ももは、何もわかっていなかった。
すべてを一人で背負い込んで、一人で頑張らないといけないと思い込んでいた自分が、情けなくなる。
「泣かないでよ。桃は、泣き虫だなあ」
「ゴメン」
「謝らないでよ」
「ゴメン」
「だからぁ」
佐紀ちゃんに、頭をポンポンと叩かれる。
それがスイッチだった。
「だって、佐紀ちゃんがあぁ――」
最後のほうは、言葉にならなかった。
705 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 03:28:20.29 0
hzn
キテル!
けどさすがに眠いので、一眠りしてすっきりしてから読みますよ
>>704の続き
小さな公園から、駅までの道。
おねえさんズは、手をつなぐ。
「うん。また、女の子になったみたい」
ももは、自分の性別が戻ったことを、正直に話した。
(佐紀ちゃんなら、きっと受け入れてくれる)
そんな信頼――安心感がある。
佐紀ちゃんは黙ったまま、ほほ笑みを返す。
つないだ指に、力がこもる。
それだけで、充分だった。
胸の奥が、じんわりと温かくなる。
わき上がる想いは、友情なのか、それとも愛情というべきものなのか……
今はわからない。
ただ、お互いを大切に思う気持ちがあふれていることだけは、確かだった。
この想いがあれば、足跡のついていない道だって、歩きだせる。
愛理のように強くなることも、栞菜ちゃんのように信じつづけることもできるだろう。
街灯の明かりが降りそそぐ、大通り。
佐紀ちゃんと2人、一歩ずつ歩きながら、ももは、そんなことを考えていた。
708 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/07/12(土) 05:13:40.42 0
以上で、最終回(桃子編)を終わります。
最初からラストを決めていた愛栞編と違い、桃子編は結末が二転三転※して、それが間延びの原因になってしまいました。
長文失礼いたしました。
※桃佐紀エンド(桃子は男のまま)→桃りしゃエンド→桃佐紀エンド(桃子が女の子に戻る)と変遷。
709 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 05:17:30.93 0
お疲れ様でした
おかげで長い間楽しめました
710 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 06:33:04.74 O
お疲れさまでした
マジでよかったです
作者に感謝!!
711 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 09:21:05.81 0
hzn
712 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 10:00:25.35 0
乙です
なんかいい意味で裏切られたラストでした
何度も涙したし楽しかった
ありがとう
713 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 10:13:45.14 O
楽しませてもらいました乙栞菜です
714 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 11:26:41.61 0
hzn
715 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 12:42:06.49 0
hz
716 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 13:44:44.45 0
hzn
717 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 15:09:30.88 O
あげあげ
718 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 16:49:03.15 0
hzn
719 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 18:06:27.75 0
あげ
720 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 19:17:47.96 0
hzn
721 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 19:26:25.31 0
hnmr
722 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 20:37:32.47 0
ほぜ
723 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 20:37:57.57 0
hzn
724 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 21:28:10.70 0
hzn
725 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 22:23:03.61 0
hzn
726 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 23:36:25.34 0
あげる
727 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 23:37:23.89 0
名無しに戻って、はじめての保全。
皆様、長い間ありがとうございました。
728 :
名無し募集中。。。:2008/07/12(土) 23:45:08.66 0
まとめがほしいね
729 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/07/13(日) 00:22:16.57 0
730 :
名無し募集中。。。 ◆XSLqyoVAYc :2008/07/13(日) 00:27:59.41 0
まるでドラマのワンシーンを見てるようだった。
お姫様は優しい優しい王子様、ではなく自分とは全く住む世界が違う別の国の王子様に恋をした。
障害もたくさんあったけど、紆余曲折を経てお姫様は大好きな人と結ばれた。パチパチ。
庶民の自分はそんな二人の愛の物語を見ていることしかできない。
だからこそ、お姫様が幸せならそれでいいんだ。
それにしても。いつメンバーが来るか分からないレッスン室の中心で愛を叫ぶなんてみーやんもやるなあ。
くっくっ、と小さく笑い声がこみ上げてくる。
体育座りで二人の愛の語り合いが終わるのを待っていると、ふと足元に別の誰かの足が見えた。
この靴は―――
「何してんの?もも。」
「――キャプテン。」
ドアのガラス部分を指差す。首を傾げながらキャプテンはそっと中を覗いた。
「あー…確かにこれじゃ入っていけないねえ。」
「でしょ?」
「すっごい甘いムードだしね。」
「妬けちゃう?」
「何で?」
「だってみーやんと付き合ってたから。」
「でも、もものことが好きだったもん。」
そういえば。自分でそんな風にけしかけたんだった。ダメだ。最近は頭が良く回らない。
731 :
名無し募集中。。。 ◆XSLqyoVAYc :2008/07/13(日) 00:28:20.11 0
「ももこそ。」
「ん?」
「いいの?」
心の奥のドアを急に叩かれてびっくりした。
ノックの音があまりにも大きくて、中にいたももはすっかり動揺してしまっている。
「な…にが?」
笑顔を取り繕って、本当の気持ちがばれないように。
大丈夫。ももの気持ちはばれない。そういう風に自分に言い聞かせて、落ち着かせる。
「梨沙子のこと、好きだったんでしょ?」
なのにキャプテンは難なくももの気持ちを当ててしまう。ずるい。
ももが一生懸命に隠していた気持ちをいとも簡単に見つけてしまう。
「何で…?」
「何でって。何年一緒にいると思ってんのさ。」
ももの気持ちなんか手に取るように分かるよ、って笑いながらキャプテンは言った。
だったらどうしてももと付き合おうと思ったんだろう?
732 :
名無し募集中。。。 ◆XSLqyoVAYc :2008/07/13(日) 00:28:41.19 0
「あたしはももとは別の意味で汚い人間だから。ももが梨沙子の幸せを願っているように
あたしは自分の幸せを願った。ももが好きだから、そばに居たかった。それだけだよ。」
ごめんね、って。
違うよキャプテン。キャプテンは汚くなんかない。汚いのはももだけだよ。
ももは梨沙子の幸せのため、とか言ってるけど、自分のお陰で梨沙子が幸せになったって自己満足したいだけなんだよ。
キャプテンみたいに、自分の気持ちを好きな人に伝えることなんかできない。
本当にそんなことが出来る人は強くて優しくて綺麗な人だけだから。
「もももさ、自分の気持ち打ち明けていいと思うよ。」
「自分の気持ち…?」
「そう。ももが素直になったって誰も怒らないよ。それに今ここにはあたししかいないしね。」
ねえ。いいのかな。本当に。
ずっと抱えてきた気持ちをぶちまけてもいいのかな。
「好き。」
「うん。」
「梨沙子が好き。好き。好き。」
好きっていう言葉を繰り返しているだけなのに、涙が止まらなかった。
キャプテンはそっとももを抱きしめて、ずっと相槌を打ってくれた。
733 :
名無し募集中。。。 ◆XSLqyoVAYc :2008/07/13(日) 00:29:01.95 0
時間的にはそれほど経っていないだろう。だけどももにはすごく長く感じた。
キャプテンの腕の中は温かくて、心地よかった。
何だか、許されているような気分になった。
「でも妬けちゃうなあ。」
静寂を保っていたキャプテンが口を開いた。
「誰に?」
くすっと笑いながら質問してみる。
分かってるくせに、と言いながらももの質問に答えてくれた。
「梨沙子に。」
「でも、ももキャプテンも好きだよ。」
素直な気持ち。ホントの自分の気持ち。
確かに梨沙子のことは好き。だけどキャプテンのこともちゃんと好きなんだよ。
まだ、梨沙子への『好き』とは違うかもしれないけれど。
「ありがと。」
「本当だからね!?」
「うん。期待して待ってる。」
そしてキャプテンはレッスン室のドアを開けた。
734 :
名無し募集中。。。 ◆XSLqyoVAYc :2008/07/13(日) 00:35:07.21 0
とりあえずこの二人もこれで終わりといったとこですかね
あと残すところは…
個人的にやじうめも好きなので書きたいところですが、どうしようか迷ってますw
作者2さん乙栞菜です
素敵な最終回愛理がとうございました
読者のみなさんへ
私の方も残りというか本編はあと少しになりました
作者2さんとはまた違ったラストになると思います
最後まで精一杯頑張りたいと思います
がんがん走っていけたらその方が楽しいじゃんな精神でいきたいと思います
よろしくお願いします
735 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 00:42:35.05 O
作者さん乙です
どんな作品も楽しみに待ってます
てかカラオケBOXの梨沙子呼ぶ話マダー?w
736 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 00:57:24.04 0
乙栞菜です
人を好きになるって切ないですね。・゚・(ノД`)・゚・。
737 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 01:47:45.75 0
>>734 乙です
違ったラスト大歓迎です
ゆっくり読ませていただきます
738 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/07/13(日) 03:38:53.24 0
>>686 ネタは思いついたものの、オチが見つかりません。
期待しないで待っていてください。
>>734 乙であります。
生みの苦しみがあると思いますが、頑張ってください。
739 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 06:35:43.31 O
おは保全
740 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 08:09:22.64 0
作者1さん乙です
ラストまで楽しみに待ってます
作者2さん
期待しないでって
それはムリですよw
741 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 09:45:50.43 0
良スレ保全
742 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 11:19:44.07 0
hzn
743 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 12:30:08.54 0
hzn
744 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 13:33:57.14 O
早めのほ
745 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 14:59:06.56 0
hnmr
746 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 16:44:57.78 0
ほ
747 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 18:24:39.00 0
hzn
748 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 19:13:51.81 0
hzn
749 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 20:06:06.97 0
hzn
750 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 21:20:37.63 0
保
751 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 22:07:24.49 0
hzn
752 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 22:42:28.12 0
hzn
753 :
名無し募集中。。。:2008/07/13(日) 23:32:01.84 0
hzn
754 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 00:39:51.52 0
ほ
755 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 00:57:02.08 0
もう一人の作者どこいった?
おれそっちのが好きなんだけど
756 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 01:53:30.75 0
hnmr
757 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 05:46:20.25 O
おはようあげ
758 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 07:29:21.76 0
おは保
759 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 09:17:17.40 O
悪鬼
760 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 10:23:14.92 O
ho
761 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 12:29:23.91 O
hzn
762 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 12:29:31.16 0
ze
763 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 13:51:22.35 0
nn
764 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 14:03:52.64 0
hnmr
765 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 15:49:12.59 0
ho
766 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 17:06:32.79 0
ze
767 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 18:31:50.11 0
nksk
768 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 19:32:41.45 0
hnmr
769 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 20:21:23.30 0
hzn
770 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 21:25:58.15 0
hzn
栞菜誘拐(?)事件から、しばらくの時が流れた。
あの日と同じような、昼下がり。
ウチは一人で、街をぶらぶらしている。
本当は、舞美とデートがしたくて、声をかけたのだけど、
「ごめん、その日は用事があるんだ」
断られてしまった。
用事が気になる。
でも、いちいち詮索して束縛していたら、ウザい女と思われてしまう。
せっかく付き合うことができたんだ。この幸せを、つまらないことで壊したくなんかない。
だから、何も言わなかった。
結局一人で出てきたけど、面白くはない。
冗談を思いついても、笑ってくれる人がいない。隣が空いているというのは、けっこう、寂しいもんだ。
こんなこと、以前は考えもしなかった。一人部屋も平気だったのになあ。
「やっぱり一人はつまらないな。舞ちゃんかなっきぃを誘えばよかったかな?」
でも、舞ちゃんは「舞美ちゃんをとられた」とふくれていたし、なっきぃには熊井ちゃんがいるし……
そんなことを考えていたら――
偶然、舞美を見かけた。
舞美は、ウチがここにいることを知らない。
デートには誘ったけど、どこに行くかなんて言わなかった。
デートが決まってから、一緒に「どこ行こっか?」なんて話し合う。それが2人のデートのはじまりで、長く楽しむ秘訣だ。
だから……
(これはやっぱり、「運命」ってやつでしょ)
自分のなかのテンション上げ子が、ドドンガドン音頭を踊り出す。
頭の中は、お祭り騒ぎだ。
(よーし決めた。よ〜し、き・め・たっ!)
ウチは、舞美の後を追いかけることにした。
テレビゲームか、スパイ映画の主人公になった気分で、人込みをかきわける。
必要以上の低い姿勢。まわりの人にじろじろ見られながら、尾行をはじめた。
この先には、たしか横断歩道があるはず。
信号が赤になったところで、後ろから目かくしをしてみよう。定番の「だ〜れだ?」をやったら、ちゃんと答えてくれるかな。
「えりの声を、忘れるわけないじゃん…… とか言って」
妄想の舞美にニヤニヤしていたら、目の前の舞美が、小走りに駆けだした。
あわてて追いかけるけど、引き離されてしまう。尾行していることも忘れて、必死になった。
横断歩道を渡りきった舞美と、赤信号に捕まったウチ。
近いようで遠い、二人の距離。
このまま舞美を見失ったら、追いかけた意味がない。驚かせることはできなかったけど、大声を出して呼び止めようと思った。
横断歩道の向こうで、舞美が手をあげる。
見つかったと思ったウチは、手を振った。
舞美は、こちらを向いていない。
さわやかな横顔。その視線の先にいたのは……
桃だった。
773 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/07/14(月) 21:44:07.59 0
>>738でお話しした、番外編の序盤になります。
保全がわりになればと思い、投下させていただきました。
それでは、失礼いたします。
774 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 21:48:24.39 0
保全も乙です
番外編も乙です
775 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 22:20:16.60 0
ここの小説でやじうめが気になり始めたから登場してうれしいw
むしろ今いちばん好きかも
776 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 22:51:30.35 0
hzn
777 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 22:54:29.76 0
やじうめ! と思いきややじもも!?
番外とはいえ続きが楽しみです
778 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 23:26:24.26 0
hzn
779 :
名無し募集中。。。:2008/07/14(月) 23:47:08.66 O
ソレー
>>365-367 ☆
☆ノハヽ /
ノノ*^ー^)つ ⌒☆
/つ| ̄ ̄| 、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ☆ ☆ ワーワー
. | \nn n nn nn/
言えない。言えるわけがないじゃないか。
ボーノメンバーでもあり、℃-uteメンバーでもある鈴木愛理ちゃんは、
携帯電話をぎゅっと握りしめて、眉毛を八の字にしていた。
この真ん中のボタンを押してしまったら、メールが送信されてしまう。
あの子に、あの、Berryz工房の菅谷梨沙子ちゃんに。
大好きすぎて悔しいくらいの、愛しのハニー・りーちゃんに。
「愛理、返事きたー?」
さっきからずっとマイクを離さない夏焼雅ちゃんが、曲の間奏で尋ねてくる。
まさか、まだ送ってすらないなんて言えないわ。愛理ちゃんはアハハと笑って
誤魔化しながら、首を横に振る。そしてふと思いつく。
そうだ。このまま返事が来ないことにすればいい。
そうすれば、大切なりーちゃんに被害が及ぶこともない。
素晴らしいグッド・アイデアだ。天才かもしれない。少し気が楽になってくる。
ある日突然男になってしまったことは、ボーノの中だけの秘密ということになっている。
誰にも言えない。言ってしまえば、ボーノどころかハロプロ自体辞めさせられてしまうからだ。
みんな、自ら希望して芸能界に入ったのだから、それを簡単に手放すようなことはしたくない。
何が何でもこの秘密を守り通そうじゃないか。3人はそう誓い合ったのだ。
このことは誰にも言わない。そう。たとえ相手がハロプロのメンバーであっても言わない。
一瞬の気の緩みが、これからの一生を決めてしまう。油断は禁物。油断は禁物。
だからこれは本当に3人だけの秘密。3人だけの、トップ・シークレットのはずだった。
でもね、でもね、だけど。愛理ちゃんは心の中でこっそり『都会っ子純情』という、
℃-ute・3rdシングルの1フレーズを歌う。
これは萩原舞ちゃん(または中島早貴ちゃん)のソロパートだ。自分のじゃない。
そんなことはどうでもいい。愛理ちゃんは携帯電話の画面とにらめっこをする。
りーちゃんは全てを知っている。りーちゃんをここに呼べば、それが2人にバレてしまう。
あの2人のことだから、約束を破ったのか、とネチネチいやらしく責めてくるだろう。
だいたい、淫らな行為をする目的で、りーちゃんをここに呼ぼうとしているのだ。
そんな状況になれば、りーちゃんが何されるかわかったもんじゃない。
大事な大事なりーちゃんの身体には指一本触れさせたくない。絶対に。何が何でも。
ということで、愛理ちゃんはますますメールを送りたくなくなってくる。
「あーいーりー」
「うわっ」
突然嗣永桃子ちゃんが肩を組んできてドキッとする愛理ちゃん。
慌てて携帯電話を閉じ、テーブルの上に投げ出す。
「なな、なに?」
桃子ちゃんはニコニコしながら「メール、返事きた?」と聞いてきた。
「いやぁ、まだだねぇ」
とまた誤魔化しながら、雅ちゃんの方を見る。無邪気に歌っている。
「梨沙子って今日何してんだろうね」
「さぁ」
本当は知ってるけど言えない。明日のスケジュールも、明後日のスケジュールも、
(実はひと月先のスケジュールまで)完璧に把握しているだなんて言えるわけない。
愛理ちゃんはポーカーフェイスで歌本を手に取る。その瞬間。
携帯電話が鳴り始めた。ビクッとして、愛理ちゃんはそれを見つめる。
まさかのまさかが起こってしまった。その小さなサブ・ディスプレイに、
”着信中”という文字が光っている。
そして、あろうことか”菅谷梨沙子”とハッキリ表示されてある。
愛理ちゃんの細い眉毛がピクリと動く。体温が少し上がってくる。
そうだ。ここは気づかないフリをしよう。じゃなきゃヤバイ。大ピンチだ。
愛理ちゃんは、再び歌本に視線を落とし、ページをぱらぱらとめくる。
ケータイ鳴ってるのに気づいてないですよーって顔をしながら。
姑息な演技だと誰かに罵られたっていい。何もかも、りーちゃんのためだ。
この2人の手から、りーちゃんのことを守らなきゃいけないっていう使命があるのだ。
うわ。自分かっこよすぎる。なんていう愛理ちゃんの自画自賛は、
目ざとい桃子ちゃんの甲高い一言によって空しく弾き飛ばされてしまう。
「みや!梨沙子から電話きたよ!」
ナクナッチャイマシタヨ?
☆ノハヽ
ノノ*^ー^)
/つ| ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
. | \nn n nn nn/
またいいところでっ!
787 :
名無し募集中。。。:2008/07/15(火) 00:27:37.50 0
hzn
788 :
名無し募集中。。。 ◆OwY68vAbck :2008/07/15(火) 00:39:19.51 0
絵里先生(作者3さん)乙です!
AAにほのぼのしてしまいました。
789 :
名無し募集中。。。:2008/07/15(火) 01:34:17.58 O
作者さん乙です!
いやー気になる!
790 :
名無し募集中。。。:2008/07/15(火) 01:39:08.93 O
乙。これはこれは面白い
791 :
名無し募集中。。。:2008/07/15(火) 02:01:25.15 0
すでに梨沙子が知っている・・
ここkwsk
もちろん次の展開も気になる
正直作者3さんが続きを投下してくれるとは思w(ry・・待ってました
792 :
名無し募集中。。。:2008/07/15(火) 06:49:40.71 O
作者陣乙
793 :
名無し募集中。。。:2008/07/15(火) 08:30:49.73 O
ほぜん
794 :
名無し募集中。。。:2008/07/15(火) 09:03:33.14 O
乙です!
まさか愛理ちゃんはりーちゃんともう・・・
795 :
名無し募集中。。。:2008/07/15(火) 11:35:24.73 0
昼ほぜん
796 :
名無し募集中。。。:2008/07/15(火) 13:12:43.98 0
ほぜ
州´ ̄ v  ̄)<ンンーーーーー
797 :
名無し募集中。。。:2008/07/15(火) 14:27:47.63 0
hzn
798 :
名無し募集中。。。:2008/07/15(火) 15:40:15.09 0
age
やっほー
800 :
名無し募集中。。。:
あげます