343 :
名無し募集中。。。:
「あ、おかえり。」
「ふぅ、最近は少し蒸し暑くなってきたなぁ」
ネクタイを緩めながら冷蔵庫から飲み物を探す
「その姿も見慣れてきたね」
ソファに座ってこっちを見てる雅が言った
「就職活動なんて長引いちゃいけないんだけどな」
「でも今が大切な時でしょ」
「そうだな、頑張らないと・・・」
僕もソファに座りながらテレビを見ていると
「あ、この人って最近有名になってきたイラストレーターの人だよね」
「ん?あぁ、ネットで話題になって急激に人気が出てきたね。視点がちょっと違うから新鮮な感じでウケたんだろう」
「お兄ちゃんはもう描かないの?」
「ははは、僕のは仕事に出来るってレベルじゃ無いからね」
「そうかなぁ、私は好きだけどな」
「ありがと、雅がそう言ってくれるだけでも嬉しいよ。イラストはこれからも趣味で描いていくよ」
344 :
名無し募集中。。。:2008/06/08(日) 14:57:07.22 O
そのまま番組は進んで行った
「それでイイの?」
「え?」
「ホントにそれでイイの?お兄ちゃんは今でもイラストのお仕事をしたいんじゃ
ないの?」
「仕方ないさ、僕には才能ってのが・・・」
「そんなの関係無いじゃん!やりたい事があるならそれに向かって行けばイイじ
ゃない!」
「・・・」
「ホントのじぶんを隠す事なんて無いでしょ、じぶんの人生なんだからじぶんの道を突き進めばイイだけ」
「・・・・・」
「桃も愛理も私も応援するよ、だからお兄ちゃんには夢を追いかけて欲しいの」
「・・・わかったよ」
「大変な時もあるかもしれないけど、その時は私たちがついてるからね」
「うん、雅ありがとうな」
そう言うと雅はソファから立ち上がり自分の部屋へ向かった
「お兄ちゃん!」
後ろから声がして振り返ると、少しはにかみながら笑顔の雅が
「がんばれ!」