えりりんのことが大好きなのに素直になれないれいな君に萌える24

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いつもの様に2人で仲良く下校中のれいな君と亀井さん。
亀井さんが何かを見つけました。

「ねぇれーな。あれって変じゃない?」
「なん?」

路地を覗くと奥の方が歪んで見えます。

「ちょっと行ってみよ。」
「や、や、や、止めるったい。何かありそうやけん。」
「相変わらずへたれーななんだから!」
「そ、そんな事なかよ!でも、何かする時は慎重に行かんと。」
「何事もチャレンジですよ。」
「こう言うのをチャレンジとは言わんやろ。」
「いいからいいから。」

れいな君の腕をガッチリ抱えて引っ張って行く亀井さん。
さっきまで躊躇してたのに、何故か今は黙って引き摺られて行くれいな君。
腕に柔らかい物が当ってるからなんて口が裂けても言えません。

道のある場所に来たら何やら違和感が・・・。

「耳がキーンとした。」
「俺もしたと。」
「何だろうね?」
「あれ?さっきボーっとしとって見えんかったけど喫茶店があると。」
「ホントだぁ。この道に喫茶店なんてあったっけ?」
「最近出来たとかいな?」
「入ってみよ、れーな。」
「そーやね。」

店の扉を開け中に入る2人。
2802/7:2008/05/25(日) 01:59:28.48 0
「いらっしゃいませー。」

カウンターの中に居る小柄な女性の明るい声が響きます。
店内を見渡すと、もう1人店員らしき小柄な女性が立っていました。
そして、カウンターには女性のお客さんが2人座っています。
とりあえず窓際のテーブル席に座ったれいな君と亀井さん。
すると、すぐにトレイを持った店員さんがやって来ました。

「いらっしゃいませ。メニューはそちらにございますのでお決まりになりましたらお声をかけて下さい。」

水の入ったコップを置き若干ぎこちない喋り方でそう言うと、店員さんはまた元の位置に戻って行きました。

「ねぇねぇ、れーな。」
「なん?」
「今の店員さん何だかれーなに似て無い?」
「そうやろか?」
「そうだよー。レイカちゃんそっくりだし。」
「その名前は出して欲しくなか。」
「安心して。レイカちゃんの方が可愛いからウヘヘ」
「もーいいと!」

「ところで何頼む?」
「そーやねぇ。」

メニューを広げて考え込む2人。
しばらくして黙り込む2人。
飲み物のメニューはいいんですが、その他が・・・。
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悲しみハンバーグ定食 780円
クライクライエビフライ定食 950円
遊びじゃキスしないパスタ 690円
激辛ヘルプミーカレー 540円
誰かねえねえ誰かパフェ 880円
うええおええ丼 1580円

「うええおええ丼って何やろ?随分高かよ。」
「聞いてみる?」
「いや、ここは触れない方が良さそうったい。」

結局2人ともコーヒーを注文しました。

「お待たせしました。ごゆっくりどうぞ。」

コーヒーを置いて戻って行く店員さん。

「やっぱり似てる。しかも声も喋り方も。」

れいな君は亀井さんの話を全然聞かずにカウンターのお客さんを見つめています。

「ちょっと!れーな何見とれてるのよ!」
「ち、違うったい。カウンターに座ってる女の子が絵里にそっくりやけん。」
「え?うそ?」

亀井さんも思わず見つめます。

「絵里と違ってちょっとか弱そうやけど。」
「どーせ絵里は頑丈そうでがさつそうで片付けられない女ですよ!」
「そこまで言うとらんやろ!」
「どうせ言うんでしょ!」
「そんなこと言わんと!」
2824/7:2008/05/25(日) 02:01:07.85 0
2人が騒いでいると、お店に居る全員に恐い目で見られている事に気付きました。

「え、絵里。怒られるから静かにするったい。」
「そ、そうだね。れーな。」

黙って小さくなっている2人。
でも、お店に居る人達の目は更に鋭くなっている感じがします。

突然、カウンターの端に居て良く見え無かった女性が立ち上がり2人の方へ向って来ました。

「ど、ど、どうしよう?怒られるんやろか?」
「れーな男でしょ?しっかりしなさいよ!」

更に近付く女性。
れいな君が何かに気付きました。

「あ、あれ?いいんちょ何やっとーと?」
「え?」

近付いて来た女性はいいんちょ(ガキさん)にそっくりです。
でも、ものすごく不思議そうな顔をされたので人違いと気付くれいな君。

「ちょっといい?」
「何ですか?」
「2人は仲が良さそうだけど恋人同士?」
「ち、ち、ち、違うと!絵里と俺は付き合って無いけん。」
「そ、そ、そうです。れーなはただの友達で恋人じゃありません!」

このいいんちょ似の人は突然何て事を聞いて来るのか。
焦りながらもいつも通りに答えるれいな君と亀井さん。
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「そう。エリちゃんとレイナ君かぁ。あんまり仲が良さそうだったんで勘違いしちゃった。ごめんなさいね。」

そう言って女性はカウンターに戻って行きました。
どうやらこの店に居るれいな君と亀井さん以外の人達は全員知り合いの様で、カウンターごしに4人で何やら話しています。

その内容は・・・。

「愛ちゃん。あの2人には能力無いね。」
「れいなもそう思うと。」
「でも、れーなと絵里にそっくりってどう考えても怪しいよ。」
「れいなには似とらんやろ!あのクネクネした女は絵里にそっくりやけど。」
「何よそれー。」
「あーそうそう。あの2人の名前もレイナとエリなのよ。」
「どう言う事?」
「能力者や無いなら問題は無いけど、何か気になるのぉ。ちょっとだけあーしが心を読んでみる。」

しばらくして突然笑い出す「愛ちゃん」。

「どうしたの?」
「いやーあの2人面白いわぁクックックックックックッ」
「あーこりゃハマっちゃったね。愛ちゃん沸点低いから。」

そうこうしている間にれいな君と亀井さんが帰ります。

「どうもごちそう様でした。」
「うるさくて申し訳なかったと。」

「全然気になさらないで下さクックックッ。あーすいませんすいません。また来て下さいねクックックッ」

2人とも不思議そうな顔で会計を済ませます。

「ありがとうございましたー!」
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外に出た2人。

「何か今の人って愛ちゃんに似てたよね。」
「絵里もそう思ったと?」
「うん。」
「何かあの店変やねぇ。今度みんなで来てみると。」
「そうだね。」

そんな事を話しながら歩いているとまた耳鳴りが・・・。

「何やろね?」
「ほんとにねー。」

大通りに出てふと路地を振り返ってみると、奥にあったはずの喫茶店がありません。

「あれ?何でぇ?」
「どこ行ったと?」

再び今来た道を戻るれいな君と亀井さん。
先程と違い耳鳴りはしませんでした。
そして、さっきまで2人が居たはずの『喫茶リゾナント』はもうどこにも無いのです。

「夢やろか?」
「夢じゃ無いよ。まだちゃんとコーヒーの香りが残ってるもん。」
「こんなの誰かに話しても信じてくれんやろね。」
「う、うん。」

何故こんな事が起きたのか分からないまま、この出来事は2人の胸の中にしまわれました。
2857/7:2008/05/25(日) 02:05:29.16 0
*** エピローグ ***

「ねぇ愛ちゃん。さっき何でウケてたの?」
「だって、あの2人お互い大好きでしょうがないのに相手にどうやって気持ちを伝えたらいいのか分からなくて右往左往してるんやもん。」
「へー。だから付き合って無いって必死に否定してたのかぁ。」
「何それー。あれで付き合って無いとかウケるぅ。」
「さっさと告白して付き合っちゃえばいいのにねぇ。」
「もし断られたらどうしようって言う恐怖があるんやざ。」
「随分と幸せそうな恐怖もあったもんやね。」
「そうだよねぇー。アッハッハッハッ」

楽しそうに笑う4人。
でも、そう長い時間も経たずに笑顔は消えた。

「うらやましいったい。」
「うん・・・絵里もうらやましい。」
「そうだね・・。」
「みんなごめんなぁ。」
「愛ちゃんが謝る事なんてなかよ。」
「ほいでもやっぱり・・・。」

明日をも知れない命の4人に可愛らしいカップルが届けてくれたささやかな幸せの時。
それは同時に悲しみを再確認させるものでもあった。
286名無し募集中。。。:2008/05/25(日) 02:06:25.75 0
お目汚し失礼しました
もう何ヶ月も読む専門でしたが某スレに作品投下しようと悩んでたらこのスレのネタ思いついちゃいましたw
萌え無しオチ無し某スレのネタパクった上に強引ですけど保全代わりと言う事で御容赦を
○○作目の作者さんも某スレで書いてらっしゃるので御存知の方も多いと思いますが某スレとはこのスレです

リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第6話
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1211540786/