(23) 【 クリミナル・サーチ 】
グログロググログロ…
夏焼雅こと「みやび」のポコ腹が、やかましく鳴った。
反射的に手のひらで抑える。撮影中に!静まれ!静まれ!と祈っても生理現象には
勝てなかった。さらにゴゴグググゲゲゴーと響き続ける、下腹のバスドラム。
(はぅ!ほぉ!い、痛い……、お腹、痛いっ…)
みやびは、Berryz工房のPV撮影の為に、某スタジオに来ていた。
現在、午後2時半近く。宣材用のスチール撮影を、各個人ごとに順番でやっている。
「いいよー、みやびちゃん、ハイニッコリねー!」
カメラマンの声が飛ぶ。多彩なポーズのバリエーション+決して笑顔は絶やさない。
桃子から教わった、芸能界を生きるのに大切なことの一つだった。
だが現状、みやびの笑顔はひきつっていた。もともとそんな顔の写真が多かったので
カメラマンは気がつかなかったのだが。
さ、さっきお弁当、食べ過ぎたのがいけなかったのかしら…。
りさこが嫌いなもの残すから、ついそれも食べちゃったけど。エビフライ6本も…。
つぐさんの作った特製ジュース…あれかも?でも本人は全然大丈夫そうだし…。
う、うう…オナカ、ガスが溜まってパンパンだぁ…あ、また、また…波が来た!
「おっ、いいよー、みやびちゃん!その切ない表情、ハイ貰いました!」
焚かれるフラッシュ。薄笑いで眉間にしわを寄せるみやび。あ、おなら出そう…。
プシュー…ププッ…プス…
(え、ああっ、今の!……出ちゃった?やばい!やばい!やばい!!)
すかしっぺでとりあえずガスを排出し、流動物で満たされた腸内の容積を減らそうとする
みやびの涙ぐましい努力だったが、疑惑のアウトプットによって報われた。
もしかしたら、パンツに…実が…出たかも…ああああ、恥ずかしい、恥ずかしい!
「今日のみやびちゃん、最高!色っぽい&じれったい感じが良く出てるよ、ヒャッホウ!」
ハイテンションカメラマン死ね!次の茉麻と入れ替わる。
しばらく休憩となるみやびは、一目散に廊下へと駆け出した。
(トイレ、トイレ!…あっそうだ、パンツ汚れてるかもしれない!替えなきゃ!)
カバンの中には、もしもの時のための生理用ショーツを入れている。
楽屋の扉に手をかけた。「あれっ?」カギがかかっている。
「ちょっとっ!誰かいるでしょ、開けて!はーやーぐー!開けろ!」
下腹部が修羅場になっているみやび、思わず言葉も荒くなる。拳でドンドンとドアを叩いた。
たっぷり10を数えた頃、カギの外れる音がする。ノブを強く握り、押し込むように中へ。
部屋の中には、佐紀と友理奈のふたり。なぜか、ふたりとも息が荒い。
いつものことかもしれないが、それにしてもキャプテンは汗だくだった。
「もー、なんでカギかけてんのよ!」
ツカツカと自分のカバンへと歩み寄り、中身を探るみやび。
あれ?あれ?無い、生理用ポーチが…、あっそうだ…、学校カバンから移動するの忘れてた!
みやびは、テーブルの上のカバンに手を突っ込んだまま、呆然とした。
ああ、このままウンチに汚れたパンツで、一日過ごさないといけないの?
いやあ!ボーノのエースなのに!…愛理じゃないんだから!あたしだから!
でも待てよ、まだ漏らしたと決まったわけじゃない。さっきのはタダのオナラかもしれない。
「ん?」
あれ、なんかウンコ臭い?この部屋…。
みやびはあたりをクンカする。鼻をぷーんする臭気が微妙に感じられた。
まさか、佐紀と友理奈が、ここでウンチしたわけは…んなわけないわよ!
ということはやっぱり!
首を捻じ曲げ、自分のスカートを見るみやび。外見ではわからない。
グロ!グログログロ……
(おうっ…うっ、おふぅぅぅ、締めろ、締めるんだ、みやぁぁ!)
再び、便意の大波が来た。グロはみっつぃーだけでいい!とひどいことを考えながら
みやびは立ったままプルプル震えてテーブルに突っ伏す。
「み、みやどうしたの?」佐紀が声をかけると同時に、ドアが開いた。
梨沙子だ。後ろにコンビニの袋を手に提げた桃子が居る。珍しく金を使ったらしい。
「お菓子買って来たもーん!みんなで食べよう、…あれ?みやーどうしたの?」
そう言って近寄る梨沙子。足をピタリと止め、周囲を見渡しながら鼻をスンスンさせる。
(ま、まさか!?このアフォ、気づいたかぁぁぁぁ!)
「この部屋、ウンコくさーい!!やだー!誰か漏らしたのー!?」
王様が裸であることを指摘するのは、いつ時代もクソガキである。
あまりにもダイレクトテレショッピングなその声に、みやびは凍りついた。
実は佐紀も、流れ落ちる汗を30%増(UFA社比)していたのだが、その事実は
友理奈しか気がついていなかった。
桃子が楽屋に入ると、ドアを閉めた。みやびは内心舌打ちをした。
「臭い」と言ってるのだから換気して、このままうやむやにしてほしかったのだが。
桃子はテーブルにコンビニ袋を置くと、梨沙子に言った。
「梨沙子、まさか自分でお漏らししてて、気づいてない。とかじゃないよね?」
「むー!そんなこと言わないもん!」
ほっぺたを膨らませてムキーと怒る梨沙子。
さすがにそこまで行ったらひまわり学級レベルだろう、とみやびは思った。
「じゃあ梨沙子、お尻見せてごらん。してないなら見せられるよねえ?」
桃子のからかうような口調に、ひまわり学級はいきり立った。背を向けるとスカートをめくり
お尻を突き出す。そのままの姿勢で下着を下げた。白っぽいヒップがむき出しになった。
パンツの股当ての部分がかなり黄ばんでいたが、スッペシャルな物体は無い。
「ほらキレイだもーん…、犯人はりーじゃないよ!」
腕を組む桃子。「うーん」とひとつ唸るとスカートをめくった。水色のストライプの
パンティがあらわになる。人前であることを全く気にすることも無く、いとも自然に
それを膝までずり下げた。淡い陰毛の下腹部、プリプリとしたヒップを、身体を回転
させて見せつける。
「ほら一応、あたしでもないから、…じゃあ残りの3人ってことになるけど…ウフフ」
(も、桃子ぉぉぉ!なんてことを!お、追い込まれてる?このあたしがっ!)
これでは脱がないと「ウンコ漏らし犯人です」と言ってるようなものだ。
みやびは今にも脱糞してしまいそうな腹痛と戦いつつ、他のふたりを恨めしそうに見た。
それが「脱ぎなさいよ」というアイコンタクトと間違えられたのか、無言で友理奈は
トランクスを下げる。露茎したペニスがダラリと垂れ下がった。
「きゃあっ!ちょっ…熊井ちゃん、お尻だけでいいのよ!そんなもの見せないで!」
そんなもの、と言われ内心傷ついた友理奈。ご自慢の息子のご活躍ぶりを知れば、モノ扱いは
させないのに…、と思いつつもお尻を向ける。当然、キレイなものだった。
友理奈が目で合図すると、佐紀もまた、おずおずとパンツを下ろした。
さきほどまで「そんなもの」がバコバコと突き立っていた場所であったが、濡れタオルで
拭かれてキレイになっている。ただ、佐紀が生み出した放臭性廃棄物は袋に入ったまま
厳重に口を縛られ、部屋の端っこに置かれていたのだが。
「ちーも、まーさもいないから、あとはみーやんだけだね…フフ」
(…チェックメイト)
桃子の勝ち誇ったような顔。腹を抱え、脂汗を流し、上目遣いで見るみやび。
直腸から肛門へ、ズーン、ズーンと破壊槌が打ち込まれている。危険水域を超えた。
地域住民のみなさん、すみやかに退避してください…。
この際、正直に言ってしまったほうが楽かもしれない。
ようやくその、至極当たり前の結論に達したみやであった、がその時、
ドバァァァァァァァン!!
突然、部屋のロッカーが開いた!響く金属音。
「きゃあ!」「うわあっ!」「あばばばばっ!」一同の悲鳴。
都合30分近く、鉄製の監獄入りをしていた千奈美だった。もちろん全身汗だくである。
「もう我慢できない!みやを責めるのは、やめて!あたし真犯人を…」
ブボッ…
千奈美のセリフが、その音で止まった。
驚愕のあまり後ずさって、壁に背中をつけていたみやびの下半身から、響いた音。
ブッ、ブリュ、ブピッブシュッブピピ……、熱い粘液が股間に広がっていく。
青い顔をして、うつろな目で床を見つめるみやび。お腹を押さえたまま、全く動かない。
やがてその地獄からのBGMは、プス!プス!と乾いた音に変化し、終曲を迎えた。
へっぴり腰のような中途半端の姿勢のみやび。座り込むとパンツの中で便が潰れて、さらに
悲惨なことになるのはわかっていた。脂汗に変わり、涙がひとしずく頬を伝った。
「うっ、ううう…うぐっ…うええええええええん、うわあああああん!」
幼稚園児のように泣くみやび。
「みやー、あはは、ウンコ漏らしたー、みやが犯人!うんこ犯人!」
幼稚園児のように笑うひまわり学級。ここはひどいBerryz工房ですね。
泣き喚くみやびにそっと近づく桃子。頭をナデナデした。
「泣かないでみーやん。ウンコは誰でもする!舞美でも、キャプテンでも…恥ずかしくない!」
…この女は世の中の全てを見通しているのだろうか。千奈美に向き直った。
「ところで千奈美。何してたの?というか…真犯人とかなんとか…」
「あっ、そうそう、桃子、…あの、いや、…なんでもない」
友理奈の、刺し殺すような視線に気づいた千奈美。これは喋れない。喋ったら、死ぬ。
貝のように押し黙ってしまった千奈美。桃子はとりあえずみやびをなだめた。
「うえええん…、うう、うぐっ、ぐすっ…、ぐす…」
「ね、みーやん、とりあえずキレイにしよ。あ、くまいちょ、確か着替え持ってるよね?」
千奈美をにらみ続けていた友理奈は「へ?」という顔をした。
確かにカバンにはトランクスの替えを入れてある。なんで桃子が知ってるのかわからないが。
「じゃあ、くまいちょ、みーやんをよろしく、次、あたしが撮影だから」
「あ、う、うん。…ほら、みや、トイレ行くよ」
友理奈はカバンを手にした。ガニ股でヘコヘコ歩いてついて行く、情けないみやび。
スタジオの女子トイレ。個室が一つしかない小さいものだった。
友理奈は、扉に「清掃中」の札をかけると、ドアを閉めた。
掃除用具入れからバケツを取り出し、水を入れる。ふきんを幾つか並べた。
「ほら、みや、スカートつまんで持ちあげて。くっつくと汚れちゃうから」
「ううっ…、ひくっ…、やだっ、恥ずかしいっ、ひぐっ、じぶんでするっ」
「今更何恥ずかしがってるの、早くして、お仕事間に合わないよっ」
さすがにプロ、その言葉に反応し、みやびは衣装のスカートをまくりあげた。
一層強くなる大便の臭気。友理奈は顔をしかめ、呼吸を止めると、排泄物がこぼれ落ちない様に
静かにパンツを下げていく。股当て部分にこんもりと茶褐色のやわらかウンチが溜まっていた。
みやびの足から慎重に抜き去り、便器に汚物を捨て、汚れた下着はバケツに放り込んだ。
「拭くから、お尻突き出して」
恥ずかしさもついに頂点を越えたのか、何も言わずに従うみやび。
まずカスがついている部分を、ペーパーでざっと拭き取ってから、ヒップ全体を濡れぶきんで
清浄する。可愛らしい肛門もグリグリとつっつきながら拭いた。
「ああん、うぐっ、熊井ちゃん、汚くてごめん、ごめんね…ひっく、ひっく…」
「もう綺麗になったよ、みやのお尻……あ、でも大事なアソコも汚れちゃったね」
「あそこ……あっ、アソコ!…え、ええっ、大丈夫かなぁ?」
少々弁護しておこう。佐紀とのプレイを終えたばかり、ということもあって、友理奈は決して
そのつもりがあってみやびの世話をしたわけではない。ただ、みやびのこの姿勢と、状況を
利用しないでスルーするほど淡白でもない。若さゆえの過ちである。
「みやのおまんまんに、ウンチ入っちゃってるね。これは放っておくとあとで病気に…」
「や、やだー!どうしよう、どうしよう…あたしのおま…、おま、おまん…まぁ大変!」
「ちょっと調べてみるよ、動かないでね」
壁に手をつけたままのみやび。お尻を高く突き出して、友理奈に向ける。
すでにパンツの中では、勃起したペニスが我慢汁を出しながら、窮屈に待機していた。
友理奈はしゃがむと、バックスタイルで丸見えになってるみやびの性器を眺めた。
(みやのマンコ!初めて見たけど、マン毛生えて無いじゃん、こりゃキレイだなあ)
ぽこっとした幼児のようなお腹から、女の子の割れ目の終わりまで、陰毛の影も形も無かった。
そのためスリットがはっきり観察できる。モチッとした肌色の大陰唇に挟まれて、花びらの
ような小陰唇が内側に巻き込まれていた。そのひだの連なりの終点はこんもりと盛りあがった
陰核包皮がある。クリトリスは完全に隠れて見えなかった。
友理奈は指で陰裂をそっと広げ、顔を近づけてみた。
あまり性器をじっくり洗ってないとみえて、恥垢がかなり溜まり、ベタベタしている。
ヨーグルトのような発酵臭が漂ってきた。
「ね、ねえ、熊井ちゃん、どうなの?汚れている?」
マンカスでめっさ汚れている!と言いたいところだった。
「ちょっと中までいっちゃってるね…、かき出すから痛いかもしれないけど我慢して」
指先を唾液で濡らし、膣口に押し当てた。ぬるりと入る。みやびが身をよじった。
「あ、指、あそこに!指!いやん、いやーん、ひっく、ひっく…」
「じっとして、みや、動くと傷ついちゃうからね。怖かったら目を閉じてて…」
再び泣きべそをかきながらも、目をつむる素直なみやび。友理奈はニヤリとほくそえんだ。
中指を膣に挿入しながら、親指で包皮を撫でる。ピンクの肛門がキュッ!キュッ!と締まる。
次第にコリコリとして堅くなった陰核は、その粘膜の布団から顔を出した。
「…くすぐったいよ、熊井ちゃん、あそこ、ジンジンするー、変な感じ、病気?マジ?」
(もしかしたらオナニーもしたことないかも…、みやだったらあり得る…)
感じているのは確かだった。分泌された透明な液でそこは粘つき、クリトリスははっきりと
露出している。ヒマワリの種のような形の薄いピンク色の陰核は、性器全体と比較しても
かなり大きめだった。内側に巻き込まれた小陰唇が刺激で膨張して、指先を包んでいる。
「みやのクリ、ずいぶん大きいよね。みやのチンチン…、気持ちいい?」
「…くっ、くり!?くりって、クリ!や、だめ、そんなハシタナイ…うええん、ひっく…」
再び泣きべそをかくみやび。この子に言葉攻めをしても時間の無駄なようだ。
友理奈は立ち上がった。速やかにコトを済ませよう。スカートをめくると、短パンを下着ごと
降ろす。戦闘状態のペニスが露出した。カバンから常備携帯のローションの瓶を取る。
ドロリとした液体を、張り詰めた男根に塗りたくると、みやびの性器に押し当てた。
「みや、ごめんね、ちょっと痛いかも」
「え、…な、何、な、……あっ?やあっ、ああっ、痛っ、うあっ!」
すでにほぐされていた膣は、ローションの効果もあってひっかかることもなく受け入れた。
だがその陰茎の太さは、みやびの股間にかなりの異物感を生じる。
熱くて、でかい、何かが、うちの、おまん……に、入ってる!
「好きなの!みやを!こうしたくてしょうがないの!みやのオマンコ!熱い!」
「く、熊井ちゃん、ひどい、ひどい…、なんでこんなこと…ひっく、ひっく」
「℃-uteのみんなも、ベリの他の子も、やってるのよ、知らないのはみやだけ」
「!!!!」
結構適当に言った友理奈だったが、事実そんなものだった。バックで挿入しながら、両手を
みやびの胸に回す。残念、見つからない。
「…熊井ちゃん、今、なんか失礼なこと考えたでしょ…あっ、やだっ、オシッコ!」
言うが早いが、結合部分から暖かい液体がチョロチョロと漏れ出した。みやびの太腿を
伝わって足首を濡らす。ウンコ臭さにオシッコの湯気まで加わった。
「あっ、うええん、止まらないよ、熊井ちゃん、おちん……それ、抜いて!もうやだっ!」
「うん、大丈夫もう終わる…、う、う、う、ふぉっ、みやまんに出すよぉっ、出るよぉ!」
背中からみやびの身体を抱きしめる!
尿管を通って亀頭に達した射精感!
ペニスが爆ぜた!どどっ、どく、どくっ、どく…。
みやびの下腹部に広がる熱い感覚。性器や肛門が開ききって、内臓がめくれ上がる錯覚。
彼女は無意識に、右手をその結合部に当てた。肥大して露出したクリトリスに触れる。
「あっ!ああんっ!何!やだっ…ふあっ、ああ、あ、あ、ああ…」
みやびは身体を小刻みに震わせて、のけぞった。
「これは…みやの、性の目覚め…なのかな?」
白濁にまみれたペニスが、みやびの肉筒から抜け落ち、糸を引いた。
…局部を拭き、下着を身につける。みやびがささやくように言った。
「…ねえ、熊井ちゃん…さっき、言ったことホント?」
…なんか言ったっけ?
「好きだって、言ったよね。…もう、あたし以外の子と、しないでね、約束!」
みやびらしい…。
ちょっと面倒くさいことになったかな、と思いつつ、決して守られないであろう約束を
指切りして交わす友理奈だった。喜んで抱きついてくるみやび。長身が受け止めた。
(それにしても千奈美がアレを見ていたとは…、梨沙子もうざいし、お仕置きかな)
いつのまにか友理奈は、声を立て、傲慢な顔で笑っていた。
いぶかしげなみやびの表情にも気づかずに。
数日後、ズタボロにされるとは夢にも思わずに。
(つづく)