もしも新垣と亀井がちょっとHな幼なじみだったら22
885 :
携帯21:2007/01/19(金) 20:50:13.39 O
小高いところに風車が2つそびれ立っている。
夜なのにあそこだけ白い巨大なプロペラが回っていてどこから見ても異様に映る。
ちょっと行ってみようかって気分になる。
砂地を登るのはなかなか大変だった。
良いお湯に浸かったばかりなのにやっぱりまた入らなくっちゃいけなくなったな。
まあいいけど。
やっとの思いで登り切って海を見渡すと水平線に幾つもの灯りが見えた。
これが夕食の時に女将が言ってた漁なのか。
もしその場にいたら目を開けていられないくらいにライトが光々と輝いて、それにおびき寄せられたイカが沢山とれるらしい。
夜行性の習性を上手く活かした独特の漁なんだそうな。
夜空には月と瞬く星達。
海にはイカ釣り漁船の無数の灯り。
絵里も連れてくるべきだったかなぁ。
絵里には申し訳ないが凄くいい眺めだ。
ん?
のんびりと腰掛けて素晴らしい夜景を楽しんでるというのに…なんだ?
耳を澄ますと正に風車の下辺りからだ。
「いやだよ…こんなところじゃ…」
「いいからいいから…早く早く…」
なんだなんだ?
俺は静かに茅を掻き分けて近づいた。
886 :
携帯21:2007/01/19(金) 20:53:57.89 O
おっ!
俺の目の前には“キケン 中に入るな!”と高飛車なもの言いの貼り紙と感電してるのか顔を×にした男のイラストの看板があった。
そして風車を囲むように金網のフェンスが張り巡らされていてものものしい雰囲気を醸し出していた。
声がしたのはどうやら反対側のフェンスの方だぞ。
ん?
やってるやってる!
やってるなぁ〜!!
「早く早く!」
男はそう言うと自らジーンズを脱ぎ始めた。
あっという間に下半身丸出しになった男は女にしゃがむように促した。
「もう…イヤだって言ってるべさ」
そう言いつつも女はゆっくりと腰を下ろして中腰の体勢でおもむろに男のを頬張った。
「あぁ〜気持ち良いよなつみちゃん…」
快感に酔いしれているだらしない声が夜の風車の不気味な音に掻き消された。
なつみちゃん?
あの語尾に“だべさ”をつけるなつみちゃん?
あっ、安倍さんだぁ〜!!
一気に期待と股間が膨らんでいく。
そして性懲りもなくまた近づいていく俺。
我ながらホントに好きだなぁ…。
(続く)
すごいな
おつおつ〜
889 :
名無し募集中。。。:2007/01/19(金) 22:11:15.88 O
保全
890 :
名無し:2007/01/19(金) 23:25:30.10 O
ほ
ほ
覗き見(・A・)イクナイ
でも続きに期待ちゃうのが読者のサガですな
携帯21氏おつおつ〜
お相手は誰なんだろ
携帯21氏乙保
895 :
携帯21:2007/01/20(土) 02:06:05.52 O
>>886 ジュポッ…ジュボ…ズジュルルルゥ〜!!
良い音させてんなぁ安倍さん!!
「あぁ〜立ってきた立ってきた!立ってきたよぉ〜!」
安倍さん、わざわざそんなこと言わなくても。
タンクトップでムチムチの男心をくすぐってやまない安倍さんのエロボディが振り子時計のように揺れた。
「あぁ〜なつみちゃん、相変わらず上手いねぇ〜」
フェンスを背にした男の金網を握り締める姿が安倍さんのレベルを見事に表してる。
こんな距離からでも安倍さんの口の動き、首の動き、体の動きは並じゃないものが感じられた。
それら全てが男のアレに行ってるとしたら…あぁ俺なんて1分も持たないだろう。
安倍さんの手が男のアレをしごきにかかる。
ウホォ!
スゲッ!!
たった1本の手が全然1本に見えない。
なにかのスローモーションを見ているようだし何倍速かの映像を見せつけられてるようにも見える。
こんなことされたら10秒だな。
896 :
携帯21:2007/01/20(土) 02:07:25.41 O
「ちょっと待ってちょっと待って!」
男はそう言うと無理矢理安倍さんの頭を押し退けて口からモノを離させた。
「なんだべ自分からヤレって言っておいて…そんなことならなっち帰るよぉ〜!」
安倍さんも安倍さんだ。
「いやいや、なつみちゃんが凄過ぎるんだよ…毎度のことながら気が遠くなりそうになるんだから」
慌てて男は弁明した。
「そう?なっち普通だよ…」
普通ではないだろう。
それが普通なら是非一度帰る前にお願いしたいもんだ。
「じゃあなつみちゃん、今度はこっちの番…」
男は安倍さんのショートパンツを脱がしにかかった。
「いいよいいよなっちは…しなくていいべさ!」
「いいからいいから!」
勢いよく剥ぎ取られた安倍さんのショートパンツ。
「もういいって、やめてって言ってるべさ!」
男は端から聞こうとしてない。
「ちょっとなつみちゃん腰を上げてくれるかなぁ?」
「イヤだよ、なっちそんなこと出来ないよ!」
「そうそうなつみちゃん、そう!」
男の手が強引になにかを引っ張った。
するとひらひらのついた白いパンティーが安倍さんの足首に引っかかった。
897 :
携帯21:2007/01/20(土) 02:09:17.67 O
「誰か見てたらどうするのぉ〜!もうイヤだよなっちは…うぅん!」
安倍さんを寝かした男はおもいっきり安倍さんの足を広げてその中央に顔をうずめた。
「なっち気持ち良くなんてないからさぁ〜もうやめて帰ろうよ…あぁ〜ん!」
「いっつもなつみちゃんはそう言うんだから…まあそれも今のうちなんだけどね」
男は開いた両足を持ってもの凄い音をたてて安倍さんの股ぐらをねぶり始めた。
「全然余裕…安倍さんは全然大丈夫だからあぁ〜ん!!」
「ほらほらなつみちゃん!声が出てるよ」
「出てないべさ!出るわけがないあああぁ〜ん!!」
「ちょっと待ってなつみちゃん…なつみちゃんの毛が口に入ったから」
「いちいち言わなくっていいからあぁ…んん…」
どっちが挑発してどっちが耐えているのか分からない。
なんだか聞いてて楽しいエロだ。
それが安倍さんらしいといえば安倍さんらしいけど、エッチの時の安倍さんは普通に会った時じゃ想像出来ないツンデレだってことは分かった。
ただ単に恥ずかしがっているのかもしれないけれど、そこがまた安倍さんのよく分からないところで良いなぁって思った。
898 :
携帯21:2007/01/20(土) 02:10:27.49 O
「なつみちゃん、びっしょびしょだよ!」
「そんなわけねぇべさ!なっちがそんなんで濡れるわけいいぃゃぁ〜ん!」
「ほらほらなつみちゃん…また声出てる!」
「出てないったら!指入れたらなっち怒るからね!」
「はいはい…なつみちゃんはもう困った人だなぁ…」
「あぁ〜!!指入れたらダメって言ったのにぃ入れてるよぉ〜!絶対掻き回しちゃダメだからねぇ〜!!」
「分かった分かった」
「掻き回しちゃってるじゃ〜ん!!そんなことしたらなっちイクよ!イクからねぇ〜!!」
「へぇ〜これくらいでなつみちゃんイクんだ?」
「なっちイクなんて言ってないから!イクわけないからねあぁ〜!」
「こうしても?」
「あぁ〜!!それはダメ!ダメだよ反則だよ!!ズルいよなっちの好きなこと知ってるのはぁ〜!!」
「じゃあこれは?」
「あぁ〜もっとダメ!ダメだよ!なっちもうダメだよ!!イクよ!イク〜っ!!!」
「イっちゃうのなつみちゃん?」
「あぁ…イ、イカないよそんなことじゃあ!なっち全然平気!あぁ〜あぁ〜ん!!」
899 :
携帯21:2007/01/20(土) 02:12:32.48 O
「そうだよね、なつみちゃんがイクわけないよね?」
「あああ当たり前だよ…なっちが…なっちが…あぁダメ!そこはダメ!イク!今度こそイク!なっちイイクゥ〜!!!」
金網を握り締めて発作のように不規則に体を揺らした安倍さん。
最後まで抵抗してたけど、あの絶叫は安倍さんが前に住んでた俺達の街まで届いたかもしれない。
凄まじかったなぁ〜。
まぁさ女将のそれがトドのような海獣系なら安倍さんのはヒグマのような野獣系のイキっぷりだ。
良いものを見せてもらった。
やっぱりまだ続くのか?
「なっちさぁ〜疲れてるし眠いから早くしてねぇ〜!明日は出掛けなくっちゃいけないし〜」
つれないこと言うなぁ安倍さんも。
そんなこと言われたら立つものも立たないよ。
「はいはい、分かってる分かってるって」
どうやらそこらへんのことは慣れてるようで男の方もへこたれないみたいだ。
むしろそれを楽しんでるようにも見える。
もう後はことの次第を静かに見守ることにしよう。
(続く)
おつおつ〜最近すごい更新だな
なっちえっち
902 :
携帯21:2007/01/20(土) 05:54:16.09 O
>>899 全てが囁くようにウィスパーボイスで行われている。
「じゃあなつみちゃん入れるよ」
「うん…あっ〜!」
「入ったよ!入ったよなつみちゃん」
「分かってるべさ…言わなくていいからさぁ〜!だけどなっちいきなり激しくされるのイヤだからね!」
「知ってるよそんなことぉ〜」
「あああぁ〜!もうイヤだって言ってるでしょ〜!!」
「あっ、ごめんごめん」
「いい加減にしてよね!これだから全くぅ〜!ダメだって激しいのは!あんあんあ〜っ!!」
「あぁ〜なつみちゃん締ってるよ、あぁ〜気持ち良いよなつみちゃん!」
「なっちなんにもしてないべさあぁ〜ん…気持ち良くなんてないべさあぁ〜ん…」
「えっ?今なんて?」
「あぁ…どうかした?あぁ…なっち普通だよぉ〜」
「そう?それならいいんだけど」
903 :
携帯21:2007/01/20(土) 05:55:44.44 O
「あっあっ…まだなのぉ?なっち眠いべ…あぁ〜ん!」
「もう少しだからねなつみちゃん…イク時はイクって言うからね」
「あぁ…あっ!もういいよそんなこと言わなくて…なっちだってそんなこと言わなかったでしょ〜んんんっ!」
「ごめん、そうだったね…じゃあ中に出してもいいかなぁ?」
「あぁ…それはダメだと思うなぁなっちは!ホントは中に出して欲しいんだけど今日はダメだと思うなぁ〜!」
「分かったよなつみちゃん…それじゃあ頑張るから!」
「頑張らなくていいよぉ〜なっち…なっち…なっち…あぁ〜」
「なになつみちゃん?」
「なっちまたイキそうだよぉ〜!」
「ええっ?なんて?」
「なっちダメ…ダメなっちだよぉ〜!!」
「あぁそう?それじゃあちょっと体位変えてみようか?折角だから…」
「安倍さんイキそうだったんだよぉ〜!どうしてくれるのさぁ〜?」
「まあまあ…うん、そんなこと言いつつさすがなつみちゃんだねぇ〜そんな風に…分かってるねぇ〜!」
904 :
携帯21:2007/01/20(土) 05:57:31.20 O
「なっち後ろからされるとイケないよぉ!イケるわけないべさ!気持ち良くないんだもん!あっ!ダメ!」
「相変わらずいいおしりしてるねぇ〜なつみちゃんは!うぅ〜凄く絡みついてくるよ」
「知らないよそんなことぉ〜!あっ!だから激しくしたらダメだよ!なっちもう…もうダメだからねぇ〜!」
「そう!なつみちゃん、金網ちゃんと持って…そう!じゃなきゃ、いつもみたいに体が飛んじゃうよ!」
「なっち飛ばないよ!あぁ〜ダメ!ううぅ〜っ!イクよ!なっちイクよ!あぁ〜!!」
「イっちゃうのなつみちゃん?だったらこうするよ」
「あっあっあっあぁ〜!ダメダメダメ!あぁ〜なっちもうなんにも考えられない!あぁ〜イク!イクよ!なっちイクよぉ〜!!あぁあぁあぁ〜っ!!!」
「ちゃんと金網につかまって!そう!そう!あぁ〜良かったねぇ〜なつみちゃん!ちゃんとイケたねぇ〜!あぁ〜!!」
905 :
携帯21:2007/01/20(土) 05:59:09.46 O
「…なっち…なっち…」
「じゃあ今度はこっちがイク番だね、あぁ〜なつみちゃん!もっとおしり上げて!あぁ〜イイヨイイヨ〜!」
「もう…出るの?」
「出る出る出るぅ〜!!あぁ〜っ!!」
男は安倍さんの中から素早くモノを抜き取り、夜でも分かるほど真っ白で大きな安倍さんのおしりにぶっかけた。
「あぁ〜なつみちゃん、いっぱい出たよぉ〜!」
「良かったねぇ〜たくさん出てぇ〜!」
「気持ち良かったよなつみちゃん!」
「もう…眠いんだから早くして欲しいんだなぁ〜なっちは」
「ごめんごめん今拭くからね」
「ちゃんと拭いてよぉ」
「うわぁ〜なつみちゃん丸見え〜!エロいなぁなつみちゃんの〇〇〇!!まだテカテカしてヒクヒクしてるよぉ〜!!」
「恥ずかしいから早くしてってばぁ〜!!」
「あぁ〜ごめんごめん!なつみちゃんのおっきなおしりから滴ってるよぉ〜!」
「ちょっとまだなの!もう〜なっち怒るよぉ〜!!」
「あぁごめんごめん!ちゃんと拭くから怒らないでよなつみちゃん!」
「もういいかい?」
「いいよなつみちゃん!」
「それじゃあね!なっちバンガローに戻らなきゃいけないから!」
「うん、それじゃあまたね、なつみちゃん!」
906 :
携帯21:2007/01/20(土) 06:00:54.87 O
あらぁ〜!!
終わり?
やるだけやって終わり??
ホントにそんな関係あるんだぁ〜!!
安倍さんは情が濃いと思ってたのに…なんだか肩透かし喰らったみたいな気分。
う〜ん?
でも情が濃いから続いてるのか!
2人だけのリズム。
凄い息が合ってたなぁ〜。
金網に手をついて自ら腰を震わせる安倍さんのあの姿。
背中からおしりまでのあの曲線。
ちょっと忘れられないなぁ。
全部小さい声だから途中なに言ってるか分からなかったけど、あれはあれでなかなか風情があったし。
安倍さんの淫毛が口に入ったなんて言ってたっけ。
いいなぁ〜。
安倍さんって豪毛なのかなぁ〜それとも…。
どっちにしてもステキだなぁ〜。
濡れまくってヒクついてる安倍さんの〇〇〇も見たかったなぁ〜。
多分絵里とはまた違った〇〇〇なんだろうなぁ〜。
触ってみたいし舐めてもみたいし…やっぱり入れてみたいなぁ〜。
あの太陽みたいな安倍さんがあんな声出してイクんだもん。
ホント良いものを見せてもらった。
ちょっと今夜は眠れそうにないなぁ〜。
だけど絵里もいることだしそろそろ帰らなきゃいけないなぁ…。
あぁ〜凄かったなぁ〜安倍さん…。
【真夜中の太陽は沈まず編】
〈完〉
淫乱観光地
大人のHを見ていろいろ学んでいくんだな
909 :
名無し募集中。。。:2007/01/20(土) 12:23:42.90 0
ほ
えろりんえろりん
h
912 :
携帯21:2007/01/20(土) 14:13:56.89 O
>>906 あぁ〜なっちイクよぉ〜…だもんなぁ〜。
凄かったなぁ〜。
ふぅ…。
ん?
なんだ?
ようやく旅館に戻り廊下を歩いてると声を殺してすすり泣く女の声が聞こえてきた。
どうやら食事を用意する賄いの部屋からみたいだ。
ちょっと怖かったけれどよせばいいのに隙間から覗き込むと、着物の袂で顔を覆うまぁさ女将がテーブルに伏していた。
さっきのことがあったので俺はどうしていいのか分からなかったが、努めて平静を装いまぁさ女将の肩を揺らした。
「どうしたんですか女将?」
すると「あっ!」っと驚きの声と共に振り向いたまぁさ女将はびんの毛を直しながらよろよろと立ち上がった。
傍らには乱雑に転がった幾つものお銚子と盃が1つ。
「ワタシ…酔ってませんから…」
そう言ったまぁさ女将はふらふらっと足をもつれさせてつまずいた。
あっ!
まぁさ女将を抱きしめるカタチで俺は女将を受け止めた。
柔らかい胸の感触と豊かな腰の肉付きに思わず下半身を熱くさせてしまった。
「だ、大丈夫ですか女将さん?かなり酔ってるみたいですけど?」
着付けが緩んでまぁさ女将の真っ白な胸元が実にエロス。
絵里がいるんだ!
ここで変な気を起こしちゃいけない!
913 :
携帯21:2007/01/20(土) 14:16:11.39 O
とりあえず俺はまぁさ女将を椅子に座らせてコップに水を入れた。
「そんなに召し上がってどうしたんですか?」
するとまぁさ女将はさめざめと泣きながらテーブルを叩いた。
「なんでこんな風になっちゃったんだろう!」
俺にはさっぱり訳が分からなかったけれども女将には女将の屈折した悩みがあるんだなぁって思った。
ゴクリと水を飲んだまぁさ女将は今度は噛み締めるように胸の内を吐き出し始めた。
「辛いんです……私のことなんて分かってくれやしない…」
誰が分かってくれないんだろう?
誰か?
それとも誰も?
まあなんにしても悪いお酒だ。
「アンタァ〜…帰ってきておくれよぉ…」
いきなりまぁさ女将は夜の海に向かって吠え出した。
「女将さん、とにかく座って下さい!どうしたんですか?誰なんですかアンタって?」
「うぅっ…寂しいよぉ〜アンタ…」
涙でぐずぐずになったまぁさ女将。
遂には拳で俺を叩いてくる始末。
「分かった!分かったから女将さん!落ち着いて下さい!」
「あぁ〜っ!!」
まぁさ女将は大声を上げて泣き伏してしまった。
こりゃどうしようもないな。
914 :
携帯21:2007/01/20(土) 14:18:44.74 O
「どこですか女将さんの部屋?」
「ワタシを部屋に連れてって…どうするつもりですか?」
涙にうるんだまん丸な瞳が俺を見ていた。
うぅっ…ヤリたい!!
「ううっ…気持ち悪い!」
突如まぁさ女将の顔が歪んだ。
「ちょ、ちょっと女将さん、大丈夫ですか?」
「うぅ〜っ、ダメみたい」
そんな無益な会話の後まぁさ女将は手洗いに顔をうずめた。
あぁ〜こりゃ完全にダメだな!
そう思った俺は足早に自分の部屋に戻って絵里を呼んだ。
「ホントに?あの女将さんが?」
絵里が驚くのも無理はない。
俺だってそう思う。
でも今はそんな悠長なことは言ってられない。
俺と絵里はすぐさま賄い部屋に戻っていった。
あっ!
誰かいるみたいだ。
「すいません…あのぉ…」
絵里の声に振り返ったその人は30ぐらいの実に清々しい見るからに好青年の一昔前の男前だった。
「さっきまぁさ女将を介抱してたSって言いますけど…アナタは?」
俺の質問にその人は深々と頭を下げた。
「お客さんですか!これは大変失礼いたしました!自分はここで板長をしてるもんです」
板前さんかぁ。
通りでなんか頑固そうでその上ピリリとしてて…。
915 :
携帯21:2007/01/20(土) 14:20:49.30 O
「板長っていうと板前さんの中で1番偉い人なんですか?」
え、絵里…。
「えぇ、まぁ」
「若いのに凄いですねぇ!じゃあ今日のお料理も?」
「はい!自分がしました…如何でしたか?」
「スッゴく美味しかったです!この辺りでとれた魚や貝なんですよね?」
「はい」
いかにも職人さんらしいキビキビした態度に好感が持てる。
「よく俺達みたいな安い予算であんな豪華な料理…凄いですね?」
「えっ…まぁ…」
俺の質問に板長の顔が曇った。
なにか悪いことでも言ったかなぁ?
「とりあえず女将を部屋へ…」
板長の声に俺と絵里は頷いた。
蹲っているまぁさ女将を俺と板長とで担いで板長に指示された部屋へと運んだ。
そこはさっきまぁさ女将が自らを慰めていた部屋の隣の部屋で女の部屋らしく綺麗に片付いていた。
ん?
よく見ると鏡台の横の小机に小さな写真立てが何気なく置かれていた。
ニッコリ笑ったまぁさ女将と男の人、そしておさるさんのような笑顔の可愛い女の子が写っていた。
「それじゃあ着替えさせてあげるから…」
絵里がそう言ったので俺と板長は部屋の外で待つことにした。
916 :
携帯21:2007/01/20(土) 14:22:05.18 O
部屋から出てきた絵里が静かに襖を閉めた。
「女将さん…あんな風に見えてもなにか支え切れないもの溜めてたみたい…」
絵里が俺に目を合わせずに呟いた。
「うん、なんかそんな感じだな…自分だけじゃどうしようもないものもあるんだろう」
「うん」
俺達がそんなことを言ってると板長が真面目な顔をして「よかったら少しお話させてもらえませんか?」と言ってきた。
俺達は賄い部屋に戻って出されたお茶をすすりつつ改めて板長と向き合った。
「こんなことお客さんに聞いてもらうことではないのですが…」
黙っている俺達を見て苦虫を噛み潰したような顔で板長は話し始めた。
(続く)
おつおつ〜
h
ほ
乙ー
高校生に相談する板長ってシチュエーション面白いな
文太
ほ
ほ
携帯21氏ガンガレ保全
ほ
927 :
名無し募集中。。。:2007/01/21(日) 00:43:31.15 0
ほ
ほ
ぜ
ほ
931 :
携帯21:2007/01/21(日) 06:46:58.53 O
>>916 聞くところによるとあんな豪華な料理が出せるのも近所の漁師さん達の好意によってこの須藤旅館は支えられているからだそうな。
というのも…。
「もう5年にもなるでしょうか…大口のお客が来るってことで女将さんをはじめ店の者全員張り切ってたんです」
「はぁ」
「女将さんは結婚して3年が経った頃でしょうか…女将さんには愛してやまない旦那様がいらしたんです」
「いらした?」
「えぇ…漁師だったんです…」
「……」
「その日は何十年に1回あるかないかの大きな台風が直撃するってことで朝から店の者はてんやわんやだったんです…」
久々に聞いたな…てんやわんや。
「そのお客が来ることを知っていた地元のある漁師は女将や旦那様の反対を押し切って勇んで海に出たんです…」
なんだか話がヤバくなってきたぞ。
932 :
携帯21:2007/01/21(日) 06:51:13.86 O
「旦那様は今時珍しい男気溢れる素晴らしい方でした!自分の家のことなのに人に任せておくわけにはいかない!と女将さんが止めるのも聞かないで船を出されたんです…」
「まさか…?」
絵里が思わず声を出した。
「えぇ…残念なことに…旦那様は…帰って来ませんでした…」
唇を噛み締めうち震えながら板長は尚も続けた。
「奇跡的に助かった地元の漁師が言うには旦那様に助けられたと…」
「ううっ…」
絵里がこらえきれずに泣いた。
「どうやったかは話してくれなかったので分かりませんが、とにかく旦那様に助けられたと涙ながらに女将さんにすがりついて言ったのです…」
板長の目にも涙が溢れていた。
「自分はその漁師をみんなの前で記憶がなくなるほど殴りつけました…」
絵里が驚きの顔で板長を見つめた。
「自分の父親でした…」
俺と絵里は大きく息を吐いた。
933 :
携帯21:2007/01/21(日) 06:52:41.84 O
「自分の父親が自分の尊敬する旦那様を殺した…」
俺達は頷くことも出来ないでいた。
「哀しみでどうにかなってしまいそうな女将さんを…自分は見ることが出来ませんでした…」
そりゃそうだと思う。
もういいよ板長。
「それだけでは終わりませんでした…」
いつの間にか板長の声は泣いてるせいか途切れ途切れで震えていた。
「お嬢様が…」
「えっ?」
「いつまで経っても帰ってこない旦那様を迎えに行くんだと言って浜に出られたまいはお嬢様が…」
あの娘か…。
「遠目で見ていた者に言わせるとあっという間のことだったそうです…お嬢様は…息を吹き返すことなく…」
まぁさ女将〜!!!
俺は心の中で絶叫した。
「同じ日に女将さんは最愛の人を2人までも…ううぅっ…」
そして板長は声を出して泣き始めた。
「すいません…自分で話しておいて…」
しゃくり上げながら板長は袖で涙を拭いた。
934 :
携帯21:
「結局その大口の客は台風のせいで来ませんでした…」
顔を上げた板長の目は真っ赤だった。
「それから自分は板前を辞めてどこか遠くに行こうと思っていました」
板長は拳を強く握ってテーブルを叩いた。
「辞表も出したんです…でも女将さんに泣いて引き留められました…」
溢れる涙もそのままに板長の声は熱を帯た。
「板長がいなくなったらこの旅館はおしまいです…先代、そしてあの人とワタシが守ってきたこの旅館がなくなるということは……その続きを女将さんは言いませんでした…」
それがどういうことなのか絵里も理解してると思う。
「自分はどうなってもよかったんです…でも女将さんが…女将さんが…」
また板長が泣き崩れた。
(続く)