帰ってきた!!Berryz工房のエロ小説を書こうよ!!48.7
心地よい揺れが私の瞼を重くする。
だけど寝る訳にはいかないのだ。
学校に遅れてしまうというのも勿論あるが、あと一駅後にはあの子が乗ってくるのだ。
いつものアナウンスと共にいつもと同じ長い黒髪を揺らして私より少し背の低い彼女が乗車してくる。
透き通るような白い肌に黒い綺麗な髪の毛が映えてお互いがお互いを引き立てている。
朝の少し目が痛くなるようなオレンジの陽射しも彼女の後方から滲んで髪の毛を照らす。
彼女は毎朝ドアに寄りかかって鞄を片手に持ちもう片方の手で本のページを捲った。
騒がしい周りの女子高生の笑い声や中年男性の新聞を持ち直す時の音は私の耳には聞こえず、
ただのBGMとして彼女を引き立てているものに過ぎなかった。
携帯の画面に目を落とすとメールを受信していて友達からで本文を読むとため息が自然に出た。
「えりか、また今日も遅刻するの?」
私の幸せな時間は今だけなのに、こんなメールは邪魔だ。
彼女が本のページを捲る際の微かな音が鼓膜を心地よく振動させて、
それは脳にまで届くと何とも言えない気分になり彼女を見つめる視線が熱くなるのを自覚した。
その時間が長ければ長い程、幸せな時間が増えるので私はできるだけ長く電車に乗る。
彼女が下車する駅は私の学校の最寄り駅の一つ後の駅である。
前は我慢してちゃんと学校の最寄り駅で降りていたが最近は我慢ができなくなってしまって、
彼女が降りる後姿を見てからではないと気がすまなくて、彼女の降りるそのまた次の駅で下車して戻る。
お陰で最近は遅刻ばかりしているが、これを止めることはできない。
友達にも相談できないのでただ私は一人で思い悩むだけである。
いい加減これも度が過ぎれば彼女の迷惑になってしまうので止めたいものなのだが、
中々それもできず私はいつもこうやって結局彼女の後姿を見てしまうのだった。
今日もいつもと同じく電車に揺られ彼女の指に視線を奪われていた。
しかし彼女はいつも下車する駅で降りようとはしなかった。
彼女の目的の筈の駅に電車が止まった時、彼女は一度ドアが開いた瞬間に外に視線を向けたが、
それからはまた黙って本に視線を落としたのだった。
彼女に見とれているとすぐにドアは閉まってしまいそれと同時に彼女が私の方を見てきたので、
目が少しだけあって私は慌てて自然を装って俯いた。
しかし電車が動き出してからはちらちらと私は彼女を見つめた。
一回だけ目があって彼女は微笑んだので私も照れ笑いをしたが本当に恥ずかしかった。
そんな風に私は戸惑いながらも電車の揺れと胸の締め付けを楽しんでいたのだが、
電車が次の駅に着いても彼女はやはり降りなかった。
自分がいつ降りるべきか考えていながらもずるずると結局彼女が私に話しかけるまで、
意思が弱く自分に甘いせいで私は電車を降りることはできなかった。
私の学校の最寄駅から七駅離れた駅に着いたと同時に電車は止まって
彼女は私の前まで来てつり革に捕まって口を開いた。
「降りないの?学校だったらもう遅刻だよね」
急に話しかけられたので緊張してしまい変な汗が額から噴出し手のひらが湿った。
彼女の声は思ったより少し低かった。
唇は乾いてしまっていたが喉の奥から声を出した。
「あ、うん・・・・・」
しっかり答えようと色々考えたものの結局は必要最低限の返答しかできなかった。
私が後悔している間にも開いたドアからは冷たい風が吹き込んできて彼女の黒髪を揺らした。
「いつも同じ電車だよね」
彼女は私に笑顔で話しかけたが私は緊張のあまりにうまく声が出なそうで、
たとえ出たとしても声が裏返りそうだったのでこくんと頷いた。
初めてずっと好きだった人と話せたのだ。
しかもあっちから笑顔で話しかけてきてくれた。
それだけでもこれ以上に嬉しいことはないと思って嬉しいやら何やら分からなくなった。
「名前・・・・えりかちゃんだよね?」
「えっ!?」
驚いて変に高い声が出てしまって彼女は目を丸くしていた。
しばらく彼女はぽかーんと口を開けて驚いていたがやがて目は細くなって口角が上がった。
「前にここでえりかちゃんが友達と話してるの見たことあるから」
「そっ、そうなんだ・・・・・・えへへ・・・・」
何で彼女が私の名前を知っているのか全く分からなくて、
またその名前を知ろうとしたのかと色々勘繰りをしてしまって自分で恥ずかしく思った。
そんなことを考えて頭の中に色々な文字がぐるぐると回っていたところでまた彼女は口を開いた。
「私は舞美って言うんだぁ。一応ね、名前。いつも会うからちょっと話しかけようか迷っててさぁ」
そう言って舞美ちゃんは頭を掻く振りをして照れ笑いした。
私はできるだけ平然を装って話して彼女と仲良くなりたいと思った。
「えりかちゃん・・・・・学校間に合わないよね?もしかしてさぼりだったりする?」
舞美ちゃんはまた少し照れ笑いする。
私はにっこりと笑って、いや、笑ったつもりで笑顔が引きつっているかもしれないけど答えた。
「そんな感じかなぁ」
少しだけ語尾がおかしかった気もするけど舞美ちゃんは気づいていないようだし、
ひとまず安心してほっと胸をなでおろした。
「・・・・・・私もなんだよねぇ。ねぇ、一緒にさぼらない?」
いつもの駅で降りないからそうだろうとは予想していて、だけどこんなことがあるとは思いもよらなかった。
好きな人と一日でも一緒に過ごせるなんて、しかもそれがちゃんと知り合った日だなんて・・・・・。
贅沢すぎて頭はおかしくなりそうだったけれど私は頷いた。
そして笑顔のままで舞美ちゃんに言った。
「うん、それと名前・・・・えりかちゃんじゃなくてえりかで良いから」
すると舞美ちゃんは同じように満面の笑みで私に返事をした。
「分かった!えりかね。私のことも呼び捨てで良いからね。舞美で」
「舞美・・・・・ね」
二人でしばらく目を合わせて少し微笑むと電車は停車して舞美はえりかの腕を引っ張って外に出た。
瞬間にえりかの口内にたくさんの冷たい乾燥した空気が飛び込んできてえりかはそれを飲み込んだ。
二人の髪の毛は揺れて舞美の髪の毛の毛先が少しだけえりかの顔にかかったが、
えりかはそれを気にするどころか微笑んではにかみ笑いをした。
少しだけ陽が高い位置にあって二人を照らして二人は何も会話という会話はせず
笑いながらも互いが互いの腕をつかみ合って寄り合って歩き改札口を出た。
駅を出ると二人としては行ったことも見たこともない場所で二人できょろきょろと左右を見回した。
「どうしよっか」
そんな言葉とは裏腹に舞美は笑顔で楽しそうにしながらえりかに話しかけた。
えりかも緊張が解けたようで柔らかな笑顔で口を開いた。
「どうしようか?」
「答えになってないってばぁ。んー、カラオケ好き?」
「好き!」
「じゃあ行こうよ。お金大丈夫?」
「大丈夫!!」
「そこにほら、見えるじゃん。あそこ行こう」
駅からでも見えるくらいの大きな看板が二人にも見えて二人はそこに向かって歩いた。
「久しぶりかも」
えりかが舞美の手をぎゅっと握ってから言った。
「本当に?私もだよ」
舞美はえりかの言葉にうんうんと頷きながら答えた。
ドアを開けると店員が走ってきて「お二人様ですか?」と二人に問いかけ二人は同時に頷いた。
そしてまたそれも同時に二人で気づいて笑いあった。
最初にドリンクだけ頼んで二人は何を歌うか分厚い冊子を手にとり見つめ始めた。
えりかはすぐに曲を決めたようですぐに番号を入力した。
その様子に驚いた舞美は口をぱくぱくと開けてえりかの方を見つめ、えりかに笑われたのだった。
「なにぃ?何かおかしい?」
「いやぁ・・・・・早いなぁって」
「そうかな?歌うの大好きだから!」
「そっかそっか、私も好きだけどね〜・・・・・」
「えへへへっ」
そう笑ってすぐに歌いだしが過ぎているのに気づき、えりかは慌ててマイクを取った。
するとその喉から流れる歌声があまりにも可愛らしく、
そしてあまりにも楽しそうに歌うので舞美は彼女の歌声に静かに耳を傾けた。
こんなに退屈もせずにプロではない人の歌声を聞くのは初めてだ。
彼女の歌声は胸の奥をくすぐるような何ともむず痒い感覚を覚えさせたが、
それはそこに手が届かないのが不快だということなんて全然なくて、
ただそれさえも何となく心地良いような感じさえしたのだった。
穏やかな気持ちになり、彼女の歌が終ると舞美は何か寂しい気持ちになり、
彼女にもう一曲歌うように頼んだ。
しかしえりかは笑いながら首を傾げて「舞美ちゃんも歌いなよ」と言うのみであった。
「う、うん・・・・・でも何かえりかちゃんの声すごい好きだな、あたし・・・・・」
「本当に?嬉しい」
「本当だよ!何かすごい・・・・聞いてて何か変ななる、あはは」
笑って誤魔化そうとしたがえりかはそこに疑問を持ち追及した。
「何それ〜・・・・変?て?どんな?」
「んーうまく説明できないんだけど何か変ななるの」
「うまくなくても良いから教えてよぉ〜」
ふざけてえりかは舞美の肩に自分の肩をぶつけながらも、
どうしても気になるらしく舞美の言葉を待った。
「本当によく分かんないんだけど、ここら辺くすぐったくなる・・・あはははは」
舞美は照れ笑いをして自分が何だか恥ずかしいことをしているような感覚になった。
しかしえりかは急に真剣な表情になりそっと舞美の肩に手を置いた。
急に表情が変わったえりかに舞美は少しだけ目を見開いて口を開いた。
「どうし・・・・・・」
舞美の言葉は途中で途切れた。
言いかけた瞬間に舞美の唇はえりかの唇によって塞がれたからである。
「んっ!?」
何とも間抜けな声が舞美の口から漏れた。
そしてその一瞬に心臓が苦しくなるような感じになり呼吸ができなくなった。
それからえりかは唇を離して頬を紅く染めながら舞美に尋ねた。
「こんな感じ?」
舞美は正直に答える。
「・・・・・・・・そうかもしんない」
「嫌?」
なぜだかは分からないがえりかは目に涙を溜めている。
舞美は自分の気持ちと彼女の気持ちは違うのだなと思った。
自分はさっきのことは何かいけないことでもしたかのような感じもあって、
苦しくて息ができなくて、でもまたしたいのだ。
涙が溢れるようなことは何一つないが自分で自分の気持ちがよく分からなかった。
「い、嫌じゃないよ・・・・・・もう一回・・・・したい・・・・・」
舞美がそう言うとえりかは涙を一粒流してまた舞美の唇を奪った。
だが今度は先ほどのような触れるか触れないか程度のものではなく、
えりかの舌が舞美の唇の間を探って舐め、侵入してきた。
舞美もそれを受け入れ自らも彼女の口内に舌を這わせ、
互いが互いの唇や舌や歯茎や歯までもを舐めあい、
手を欲して指を絡み合わせ、ぎゅっと握った。
互いの吐息は熱く湿っていたがそれがまた二人を興奮させた。
ドアをノックする音が聞こえて二人はすぐに唇を離したが、
繋いだ手はこっそりと自分達の後ろに繋いだままにしておいた。
「失礼いたします、こちらお飲み物でございま〜す」
「あ、ありがとうございます」
何とも舞美はぎこちない答えをして無理やり笑顔を作った。
すると店員もその笑顔に笑顔で返して「失礼致しました」とだけ言うと部屋を出た。
「あー、びっくり」
舞美はほっと胸を撫で下ろすとえりかは少しだけ笑ってそっと口づけした。
「唇柔らかいね」
えりかがそう言うと舞美は照れ笑いをしてまたキスをした。
「舞美ちゃんのこと、もっといっぱい触って良い?」
「うん・・・・・でも」
「でも?」
「舞美って呼んで?」
「舞美?うん、分かった。私のことはえりで良いよ?」
「うん・・・・・えり・・・もっとして」
「・・・・・うん」
えりかは頷くと舞美のおっぱいに手を這わせた。
「あ・・・・・・えりのも触って良い?」
「触って・・・」
舞美も同じように右手だけでえりかのおっぱいに触れた。
「んっ!」
えりかはびくんと体を反応させて声を漏らし、はにかんで笑った。
「えへへ・・・・・こうすると・・・・変な感じになるね・・・・」
舞美はゆっくりと言うとごくりと唾を飲み込んだ。
そしてえりかのおっぱいに指を食い込ませて
その感触にまた胸がくすぐったくなるような感覚を覚えた。
「もっと・・・・近くに寄って?」
えりかがそう言うと舞美は無言で頷いて少しだけえりかに近づいた。
すると目の前にあった顔がもっと近くなり緊張した。
「ヤバイ・・・・・・・」
すぐに思ったことが口に出てしまった。