1 :
名無し募集中。。。:
2 :
1:2006/11/07(火) 19:20:08.02 O
しばらくしたら出します!
3 :
名無し募集中。。。:2006/11/07(火) 19:21:43.66 0
乙の瘴気
寺田は死んだ。
小春が殺したんだ。
そのことに関して後悔はない…
一人になった部屋で、小春は床を見渡す。
すぐ側に、きらりちゃんのものと思われる血だまりがある。
「きらりちゃん、終わったよ・・・・・・・」
失ったものが大きすぎる…
そして・・・・小春にとっては多すぎた。
これから演劇部はどうなっていくのだろう。
顧問はいなくなったし、やっぱり廃部の道しかないのだろうか。
もしかしたら他の先生がしばらく代理を勤めるかもしれない。
演劇部は人数が多いから、そんなにあっさりと廃部になるとは思えないな。
どちらにせよこれで終わったんだ。
あの男の手のひらの上で転がされていた日々は終わったんだ。
このことは…みんなには黙っていよう。
机の上から降りると、小春はソファがあったはずの場所へと足を引きずった。
そこだけ床の色が変わっているところを見ると、長年この場に置かれていたのがわかる。
今まで何人の部員が、ここにあったソファに座り、騙され続けてきたんだろう。
『コ、コハル・・・・』
ミラクル・ビスケッツNo.7が小春を呼んだ。
その声色はなぜかうろたえているように感じた。
「どうしたの?」
『No.1モ、No.2モ、No.3モ・・・・・確カニやつヲ分解シテぶっ殺シタハズ!』
『ナノニ・・・・・いないンダ・・・・・ッ!!』
何を言い出すんだいきなり。
いない?
なにが?
「No.7、何を言ってるの?」
『寺田ノ…ヤツの死体ガ俺タチの手元に存在シナインダーッ!!!!!』
ピキキ・・・・・パシッパシッ!!!
ビスケッツの4人が再形成を始めた。
小春の目の前で・・・・砕け散ったビジョンが現れそれを元の形へと直していく。
寺田の死体がそこに再形成されるハズだった。
少なくとも小春はそう思っていた。
それなのに・・・・・こ、これは・・・・ッ!!
「す・・・・スーツの・・・・・ジャケットだけ・・・・・ッ!?」
ドォォォォォォォォォォォォォン!!
ど、どういうことだ!?
小春のビスケッツは、確かにヤツをバラバラに砕いて葬ってやったはずッ!!!
なのにどうしてジャケットしかないんだ!!?
そしてこの時、ある一つの可能性が生まれてしまったことに気付く。
ビスケッツがヤツのジャケットしか分解していなかったとするのなら・・・・
「あの男は・・・・寺田はまだ生きているッ!?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
寺田が生きている!?
バカなッ!!そんな・・・・ありえない!!!
だとしたらあの男はどこに消えたんだ?
この部屋は間違いなく小春しかいない・・・・隠れる場所なんてどこにもないッ!!
「いったいどこに消えたんだ!?ビスケッツのみんなッ!ヤツを探し・・・・」
ド ボ ォ ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
「・・・・・・っ」
突然、背中を襲った衝撃が息をつまらせた。
物凄いパワーだ、思わず倒れそうになる・・・・が、小春は倒れることはなかった。
爪先立ちで、前のめりにその身体は支えられていた。
なんだ・・・・この奇妙な体勢は・・・・・い、痛い・・・・
そうっと、足元に目をやる。
足元が見えない。
太い何かがお腹から先を遮っているからだ。
太い腕が、小春のお腹から生えているからだ。
そんなバカな・・・・・ありえない・・・・・
こんな・・・・ことが・・・・・・認められるわけがない!!
「チェック・メイトやで・・・・・久住」
小春の身体は、寺田の『シャ乱Q』の腕に貫かれていたんだ…!!!!
「う・・・・・うおぉぁああぁあぁああぁあぁぁぁぁあぁッ!!!!!」
ドバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!
「人は・・・・・なぜ"ミス"を犯すんやろうナァ…」
すぐ後ろから、もう二度と耳にすることはないと思っていた声が聞こえてきた。
「明確な"ミス"は誰にでも判断できるが・・・・この世には予知できん"ミス"と
いうものがあるわな・・・・自分ではこれこそが正しいと考え行動したことでも・・・・
気がつけば何だかうまくない状態に陥ってしまう・・・・・まさに今のお前の姿やが…
そーいった"ミス"はどうやって回避すればええんやろか?いったいどこからが
"ミス"だったんやろうか?…その答えは時が前に進む限り見つけ出すことは出来ん。
そういう"ミス"に気づくときというは、すべてが終わってからなんやからな・・・・」
寺田の淡々とした語りに比例して、ジワジワと苦痛が小春の全身を駆け巡り、
考える力を奪い取っていく。
「ガフッ・・・・・ア・・・・」
「なんにしても久住、お前は大したもんやで・・・・・ようやったと思う・・・・・
俺も今まで何度か追い詰められたことはあったが・・・・若干14歳の女子中学生に
ここまでやられたのは初めての経験や・・・・・おまえはムチャクチャ出来る子やな」
メリャッ!ボキ!ゴキッ!!
「だが、所詮『シャ乱Q』の敵じゃあらへんかったな・・・・・・お前のビスケッツに
バラバラに砕かれる瞬間"時を駆け抜けて"あの時間から脱出させてもろたで…
危なかったわ・・・・ホンマ」
「・・・ゴ・・・・・・・ボ・・・・ッ」
ノドの奥から熱い塊が込み上げてきた。
背中の骨が軋んでいる音が身体中に響き渡る。
その音が響くと、今度は小春の身体がガクガクと痙攣を始めた。
「今回の件において・・・・すべての元凶は『月島きらり』にあるなぁ・・・・
ヤツがいなければ、おまえはこんな結末を迎えることはなかった・・・・・
"ミス"に飲み込まれ!!命を落とすことはなかったッ!!!悪い友達や・・・・・
おまえの未来を大きく狂わせてしまってんからなァ・・・・」
ズボォッ!!!!!!
お腹から腕が抜ける。
身体を支えていたものがなくなると、小春はそのまま床に倒れてしまった。
ドシャッ!!!
「う・・・・ぅ」
顔に冷たいものが・・・・床の・・・・タイル・・・・・か・・・・・
ひんやりとした床の冷たさに、小春の身体まで同化していくんじゃないか?
ふと、そんな錯覚を覚えた。
『ウ、ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!』
『コ・・・・コハルーッ!!!!』
『〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!?』
『き、消エテシマウッ!!コノママデハ俺タチの存在ガ・・・・・』
『ウェーン!!コハルちゃーん!!!立ち上ガッテヨォ〜ッ!!』
「おぉぉ・・・・あ・・・・・・・ビスケッ・・・・ツ・・・・・の・・・・・みんな・・・・・」
「フム・・・・・七体で一体のスタンド『ミラクル・ビスケッツ』・・・・・パワーはないが
その能力ゆえに殺傷能力は十二分にある・・・・・こんなもんを生まれながらに持つとは…
おまえほどのスタンド使い、正直殺すのはおしい・・・・・しかし誰であろうと
この町の平和を脅かすことはゆるさへんで。ところで・・・・・・」
寺田のスタンドが小春の血で濡れた右腕を発光させた。
ヤツが・・・・・狙っているものは・・・・
ま、まずいッ!!!
「な、No.4・・・・・逃げ・・・・・・・」
『No.4ォーッ!!!スグそいつカラ離レロオォォォォォォォッ!!!』
『エ・・・・・?』
「覗きを働いた悪いビスケッツはコイツか?」
寺田のスタンドがヤツのすぐ側にいたNo.4に拳を振り下ろした!!
メギャアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!
『ギャッ!!!』
「No.4ッ!!う、うあ!!!」
バリ・・・・バリバリバリバリバリッ!!!
No.4がヤツのスタンドにつぶされると、小春の左腕が軋んだ音を立て始める。
い、痛い・・・・・!!!
No.4の苦しみが小春の中にーッ!!!!
『コ・・・・コハルチャンンンンンンンッ!!アーッ!!!!!!!!!!!!!!!』
ブチンッ!!!!
「!!!!」
No.4が消えた。
部屋のどこにもいなくなった。
小春の左腕も、ヒジから下がどこかへ吹き飛んでなくなっていた。
ドッパアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!
「おがああああああああああ!!!!!」
やばい・・・・今の一撃はやばい・・・・
左腕から、まるで蛇口の壊れた水道のように耐えることなく鮮血が流れ続け、
倒れている小春を沈めてしまうかのような池をジンワリとゆっくり作り始める。
「あああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!」
ギリギリ保たれていた意識が・・・・・遠くへすっ飛んでいきそうだ・・・・
「No.4・・・・・・・No.4オォォォォォォォォッ!!!!!!!!!」
No.4・・・・・うぅうぅぅぅうぅぅうぅ・・・・・No.4ォッ!!!
No.4を返せ・・・・
小春のNo.4を返して!!!
「ミラクル・ビスケッツ・・・・No.4といったか?時の彼方に吹っ飛ばしてやったで…
間違いを犯したものには罰を与えねばならんからな、それがこの世の決まりや。
なるほど、さっきのビスケッツはおまえの左腕とつながっとったわけやな」
ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!!
15 :
1:2006/11/07(火) 20:03:49.41 O
規制によりここまでorz
続きはバイト帰宅後に出します!
ではでは!ノシ
16 :
名無し募集中。。。:2006/11/07(火) 20:16:32.31 0
乙ッ!!
なんかsageてると誰も気づかなそうだな
17 :
前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/11/07(火) 20:36:40.19 0
乙です
18 :
名無し募集中。。。:2006/11/07(火) 21:07:18.60 0
今回こそちゃんと保全疾走しなきゃだな
19 :
名無し募集中。。。:2006/11/07(火) 21:10:53.63 0
つーか前スレのリンクがただの狼トップじゃんw
このまま終わるとは思えないが…時空の彼方にすっ飛んで行ったということは…
ザ・ハンド同様クレイジー・ダイヤモンドでも治せないという事か…
21 :
名無し募集中。。。:2006/11/07(火) 21:36:38.07 0
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
(.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
|i i| }! }} //|
|l、{ j} /,,ィ//| 『おれは前スレッドを辿ろうと思ったら
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ いつのまにか狼のトップにいた』
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ |
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれも 何をされたのか わからなかった…
,゙ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ 頭がどうにかなりそうだった…
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
/'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐ \ 催眠術だとか超スピードだとか
/ // 广¨´ /' /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ もっと恐ろしいものの 片鱗を味わったぜ…
22 :
名無し募集中。。。:2006/11/07(火) 22:10:58.92 0
保全
23 :
前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/11/07(火) 23:30:18.11 0
クシャッ!!
紙コップを捻り潰す様にカシスオレンジの缶を絵梨香は片手で潰す。
「御心配無く・・・・・・唯は唯で行動してるさ!アタシは『後継』の働きっぷりを見に来たって処だけれど
・・・・・・・・そこに『夏焼雅』が居るってコトは・・・・・早貴もまだまだ甘ったれだな・・・。」
ジャリ・・・ジャリ・・・三好絵梨香が一歩刻む毎に周囲の緊張が強まるッ。
「『夏焼雅』・・・・お前には失望したよ・・・・・その容姿にスタンド能力・・・・・そして強い意思・・
アタシ達の『輝ける場所』の・・・・・次の担い手だと一番、目を掛けてたのにね・・・・・それが因りに
よって『鼠共』とつるんでるなんて・・・・・・・・がっかりだよッッ。」
絵梨香の叫び声がビリビリと圧力を示す!
「・・・・・・・笑かしてんじゃネーよ・・・・絵梨香? 『輝ける場所』?はぁ!?そんな都合の良い言葉
で言い包められてんじゃネーーーーーーッ!!!寺田は自分のエゴの為に『兵隊』集めてるだけだろォーー
−−−−がッッ!!!!!そんな事も解らねーーーー程!お前の脳みそは御目出度いのか!!!!!!!」
ズコォオッ!!!!
言葉に収まらない激情を麻琴は直ぐ傍の立ち木に叩き付けるッ。
「そうです!三好さん・・・・・アナタは『寺田光男』という人間が何処に向かおうとしているのか・・・
解っているのですか?解って居ないのなら・・・・・・まだ引き返せます!あの男に加担するのはここまで
にしなさい!」
あさ美は強い口調で三好絵梨香を窘めようと普段からも想像つかない口調が彼女の信念を露わにした。
「そう・・・・です。絵梨香先輩ッ!やめてください・・・・・私は先輩とは闘いたくありません!
先輩が私にやさしかったのは・・・・・私を寺田先生の『操り人形』にする為だったんですか・・?」
圧倒的な戦闘能力を誇る憧れた先輩・・・・優しかったその瞳が狂気に満ちて自分を穿つく・・・・・
その現実に吐き気を覚えながら雅は声を絞り出した・・・・・。
24 :
前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/11/07(火) 23:30:51.09 0
「・・・・・・・で?お前等のこの世とのお別れの言葉は終わり?」
絵梨香はコキリと首を鳴らすと狂気に溢れた瞳を吊り上げた。
「言葉が通じないのか世?この古代肉食獣が!」
ギリ・・・・・と歯を喰いしばり麻琴の身体から闘気が発せられる・・・・・
「・・・・・止む終えませんね。麻琴ッ!準備は?」
あさ美もまた表情を引き締め麻琴に目を配らせた。
「駄目です・・・小川さん、紺野さん・・・・二人では『勝てない』・・・あの人のスタンドは・・・」
絵梨香のスタンド『シーズン・オブ・ディープレッド』を知る雅は二人を止めようとする・・・・・・
蒼ざめた貌をした雅を見ると麻琴はニヤリと微笑んだ。
「oioi・・・・・あたし等の事こそ見縊ってもらっちゃ困る是ッ!力が足りなきゃ知恵ッ!こっちにゃ『知識
の女神』が付いてるんだからな?・・・・なぁ・・・紺こん?」
「『女神』だなんて・・・・大げさすぎですよ!雅ちゃん安心して、能力差は確かにあります・・・・・・
・・・ですが勝機は此方にありますッ!!」
あさ美の大きな瞳に強い光が宿るッ!そのやさしく力強い黄金の輝き・・・・紛れもない『正義』の光であっ
たッ!
25 :
前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/11/07(火) 23:35:08.22 0
ここまででおわりなのれす!
最近はテンション下る事ばかりで非常にナンですがガソバッて行きたいと
思います!
26 :
名無し募集中。。。:2006/11/07(火) 23:41:39.16 0
乙乙
27 :
前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/11/07(火) 23:52:16.41 0
まぁそのテンション下る事の最新作は昼にウトウトと来て
『世界に散らばる謎の「ふ菓子のようなモノ」を集めればめーぐる復活』
というのを見た事ですね・・・・・・起きたらスゲーテンション下った。
28 :
前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/11/08(水) 00:27:53.08 0
三好絵梨香生誕記念保全ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
29 :
名無し募集中。。。:2006/11/08(水) 00:46:29.41 0
ハロメンの誕生日って結構重なるね
30 :
名無し募集中。。。:2006/11/08(水) 01:32:09.22 O
乙!
31 :
名無し募集中。。。:2006/11/08(水) 02:24:20.39 O
絶〜ッ対に落ちんのだァー!
32 :
名無し募集中。。。:2006/11/08(水) 03:22:28.62 O
保全疾走
33 :
名無し募集中。。。:2006/11/08(水) 04:29:14.98 O
まだまだ保全疾走
34 :
1:2006/11/08(水) 05:52:17.75 O
帰宅!
やべぇ…リンクはり間違えたorzスマソ
>>20さん
そうですね!
未来へ飛んでったので修復不可能です…
>>前スレさん
乙です!
なんかうまい具合にこの先の話とシンクロしそうっす!
では続きいきます!
「う・・・・・あ・・・・・ああああ・・・・・」
「おまえの左腕は数分後、その時間が訪れればおまえの元に再び現れるやろう・・・
もっとも、それで左腕がくっつくわけでもなければ、おまえ自身その時までに
この世に存在していないがね」
出来上がった血の池の中で、小春は残った右手で必死にあるものを探した。
左手首に通していたアレだ・・・・・
アレはどこにいったんだ・・・・・
アレは・・・・れいな先輩からもらった髪飾りは・・・・・血で汚れてしまっただろうか…
残った右手でビシャビシャと血の池をかきわけるが・・・・
見当たらないよ・・・・どこにも・・・・・
「それにしても・・・・14歳のわりにええスタイルしとんなァ、久住。足は長いし
顔も大人っぽいやん。しかもなかなかのオシャレと見たで。将来性はバツグンやったのに
ホントもったいないなァ〜」
寺田は倒れた小春をまるでカメラで写真に収めるかのように両手の親指と
ひとさし指で作った枠の中にその姿をはめ込んで見ているようだ。
この状況でそんな事をしてみせるおちゃらけた寺田の異常性が恐ろしかった。
・・・・・怖い。
苦痛にまみれた身体で、目の前まで迫ってきた現実に震え上がる。
死ぬ…?
小春が死ぬ?
まだミラクルな大スターにだってなってないのに・・・・?
サアァァァァァァァァ・・・・
血を流しすぎたのか、それとも今まで感じた事のない"死"という
非現実的な恐怖におののいているのか。
おそらく後者であろう・・・・・血の気が全身から引いていった。
い、いやだ・・・・まだ死にたくなんかないっ!!!
「た、助けて・・・・・・助けてええええええええ!!!!道重さぁん!!!!」
「道重ェ?あいつがどこにおるン?痛みのあまり気でも狂ったんか??」
「はぁ・・・・・はぁ・・・・・助けて・・・・やだあぁぁぁぁっ!!!!」
「ダメダメダメダメダメ!!!おまえはここで死ななあかんのや。
言ったやろ・・・・・間違いを犯した者には罰を与えねばならんと。それ相応のな…
せやから我慢しや、久住。おまえが悪いンやで。間違いを犯したおまえが悪いんや」
どうして小春は道重さんの名前を口にしたのか。
それは霞む意識の中で彼女の姿が脳裏に浮かんだからだ。
そうだ・・・・小春にはお姉さん的存在の人がいたんだ。
いつも一緒にいてくれた人がいたんだ。
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
道重さん・・・・
道重さんに会いたい・・・・
あの人に会えれば小春は安心できる…
心に勇気を湧きあがらせてくれる!!!
すがりたいよォォォ・・・・・道重さん・・・・
あの時のように・・・・あなたの後ろについてまわりたいよぉ・・・・・
道重さん、ごめんなさい。
明太子スパロールのこと。
小春はあやまりたい・・・
ソラミミより透明で空よりも青いメロディに包まれて・・・・・
あの優しい道重さんにあやまりたい・・・・・
しかし現実に目の前に立っているのは、虫の息になった小春をいつもとまったく
変わらぬ表情で見下ろしている寺田という正義の皮を被った邪悪な大人の男だ。
ここにいない道重さんへ甘い想い(もの)を巡らせれば巡らせるほど、
このどうすることもできない無力な状況が胸に沁みる。
小春の望みは・・・・もう・・・・・
「・・・・・・・・!」
いや・・・・ダメだ・・・・・
小春は・・・・ここで終わってしまうのかもしれないけれど・・・・・・
あの人の日常はこれからもずっと続いていくんだ!!
せめて・・・・伝えなくては。
あの人は純粋な人なんだ・・・・そんな道重さんがこれから先、なにも知らずに
こんな邪悪な男に騙され続けていくなんて思うと・・・・・
そんなの・・・・許されるもんかーッ!!!
道重さんはッ!!将来『お姫様』になる人なんだ!!!
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・!!!
「・・・・・・っ」
「左腕を失ったおまえは今、何を考えとるんやろーなぁ…『もうギターのコードが
押さえられないな』・・・そんなことでも考えとるんかなぁ・・・ン〜?」
闘志が湧いてきた。
道重さんのことを想い、闘志が湧いてきたんだ。
諦めてはならない・・・・・まだ倒れるわけにはいかないッ!!!
例えお腹にポッカリとドーナツのような穴があいていようと・・・・・
左腕を失ったという絶望的な怪我を負っていようと・・・・・
小春の意思は!!
道重さんに伝えなければならないッ!!!!!!
ヒュン・・・・・ ヒュン・・・・・
小春のミラクル・ビスケッツ・・・・・
もう少し・・・・・あと少しだけ頑張って・・・・・
まだ・・・・・終われないからーッ!!!!
「ム?・・・久住きさま・・・・・何をやっとるんや?ビスケッツたちに
何をさせとるんや?」
「痛い・・・・なんて痛いんだ・・・・血もいっぱい出たし涙も止まらない・・・・
けど、もうそんなことは問題じゃあないですね・・・・・ヘラヘラ・・・・・」
「なんや・・・?何故こないな状況でヘラヘラしてられんのや・・・・?」
「笑わずにはいられませんよ…今一度、あなたの困る顔が見られるんですから…
あなたは小春に追い詰められたんですよね?そうです・・・・たかが14歳の小娘に
追い詰められたんですよ…それもまだ演劇部に一年ほどしかいない新入りに…ヘラヘラ」
「・・・・・何が言いたいんや?」
「もう一度言います・・・・あなたは14歳のガキに殺されそうになったんです・・・・
小春が慕っている人は・・・・小春より年上なんだ・・・・・その人を前にして・・・・
あなたははたして滅びずにいられますか?・・・・寺田先生」
ゴゴゴゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・
ビキビキビキ・・・・・
小春の身体に亀裂が走る。
No.4を失った今、これが成功する可能性は極めて薄い。
でもやるしかない・・・・・
この場所で・・・・・大人しく寺田に殺されてしまったら何も変わらない!!!
だからッ!!!
「砕け・・・・・・ミラクル・ビスケッツーッ!!!!」
シパッ!!シパッ!!!シパアアアアアッ!!!
「まさか・・・・逃げるつもりか久住!!!そうはさせンンンッ!!!!」
寺田の手が伸びてくる。
小春の服のスソをつかんだようだが・・・・・
ビリッ!
「ぬぐぅッ!!?」
なんとか間に合ったようだな・・・
寺田の手に小春の破れた服のスソを残し、小春は再び亜空間の中で
再形成されるその時を待ったのだった。
「おのれッ!!久住ィィィィィィィィッ!!!!」
道重さん・・・・いま会いにいきますから・・・・
明太子スパロールのこと・・・ゆるして下さいね・・・・?
バリバリバリ・・・・・・・・ドッパアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!
「な、なんてことや・・・・ヤツはもうほっといても死ぬやろうが・・・・・・
このことが他の部員に知られてしまうのはまずいッ!!・・・あ、アカンッ!!!
シャレにならんで・・・・・・久住をこのまま逃がすわけにはいかないッ!!」
45 :
1 ◆I7CTouCqyo :2006/11/08(水) 06:34:28.20 0
46 :
名無し募集中。。。:2006/11/08(水) 07:46:18.50 O
乙!
47 :
前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :
おは保ォ〜!
>>45 1さん乙!時期とかが微妙にズレてるので大丈夫☆カナと思って
ましたが良かったです!
この先の展開はステキに無敵なのでw1さんとは全く違う方向に行きますがw
それも個性ですねwww