【小説】リア消だったら誰に告ってた 第61章【キッズ】

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1名無し募集中。。。
※ キッズ+エッグ専用の小説スレです。
※ 常時sage進行で
※ 荒らしには徹底スルー
※ 基本的に、コテは作家のみで
※ スレ違いな雑談、自治議論禁止
※ エロネタ禁止
※ 気に入れば「ハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!」
  気に入らなければスルー。ネガティブな書き込みはしない
                      ↑これ重要!
避難所(新狼)
http://yy21.kakiko.com/test/read.cgi/morning/1139654229/
前スレ
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1157814866/
まとめサイト
http://www.geocities.jp/riasho_kids/top.html
短いの専用
http://jbbs.livedoor.jp/music/11853/   (パソコン用)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/music/11853/    (携帯用)


2名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 00:34:36.83 O
3名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 00:47:37.39 0
連載中作品

【カノジョにノックアウト】村上、熊井、嗣永、中島、徳永
屋上で寝ている俺に届くカノジョからのメール。果たしてカノジョは誰?

【青春】夏焼、徳永
双子の弟・大和と離れた高校に入学した圭介は幼馴染の雅と出会う
そして階段から落っこちてきた千奈美をマネージャーに迎えた野球部は夏に挑む。
野球と恋、両方の行方は?

【タイトル未定(455氏作品)】清水
朝起きると体が子供になっていた!そして届いた謎の転入届。
謎を追うために小学校へ転入した俺は一体どうなるのか?

【家庭教師】徳永、石村
春休みに家庭教師を頼まれた俺が出会ったのは元気すぎる千奈美だった。
そして俺が失った恋人・舞波との思い出・・・

【タイトル未定(愛理作品)】鈴木
イベント前、道に迷ってしまった愛理は彼に助けられて・・・

【夕霧、】石村
遠距離恋愛中の僕と舞波。だけど『あの子』の存在が消えない・・・

【終夏凛々】
携帯にあった謎のメモリーにかけると女の子が出たんだけど・・・

【イケメンの球婚】矢島
僕の彼女、舞美は芸能人だった。
だけど僕は心のすみっこで『このまま日陰のままでいてほしい』と、願っていた。
4名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 00:48:40.54 0
<<おことわり>>

ここに登場する人物・団体・設定等はすべて架空のものであり、
実在の人物・団体・実際の出来事とは一切関係ありません。


ツッコミ用AA

州*‘ o‘リ<内緒になってないんだも〜ん

川*^∇^)|| <内緒になってないわ
( 川 _ゝ)|| <内緒になってないんだが )

从 ’w’)<内緒になってないよ

从o゚ー゚从<内緒になってないとゆいたいです

ノノl∂_∂'ル<内緒になってないですよ

从´∇`从<内緒になってましぇーん

ル ’ー’リ<内緒になってないぞ

|リ・_・`川<内緒になってないだぎゃー
5名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 00:58:32.69 0
さて、今度は落とさないようにと

6名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 01:47:50.46 0
7名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 02:05:41.84 0
>>1
8名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 02:40:26.81 0
就寝保
9名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 03:26:32.98 O
10名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 03:33:54.49 O
ほほ
11名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 04:54:06.55 0
12名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 06:38:30.18 O
保全
13名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 08:07:21.94 0
hozen
14名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 09:54:28.08 0
ho
15名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 11:00:44.45 0
16名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 12:01:52.32 0
17名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 12:45:24.97 O
18名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 13:03:35.89 O
イケメンこいつマジでムカツク
さんざんスレ荒らしやがって
てめえのスレ荒らされても文句言えないからな
19名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 14:09:30.08 O
古参作家待ち
20名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 15:07:10.59 O
マチホ
21名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 16:05:05.37 O
22名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 16:08:19.50 O
>>1
激しく乙です!

昨日の22時以降って誰かの投稿ありました?22時までは確認出来たんですが…
23名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 16:38:56.75 0
>>22
22時の保全から時間空いて落ちちゃったと思うからたぶんない☆カナ
24名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 16:44:24.70 O
>>23
サンクスです!

今度さしっかり保全頑張らねば!
25名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 17:47:53.28 0
>>18
イケメンって前スレでSS書いてたやつでしょ?
主人公が自分でイケメンとか言ってる・・・・・・・・・・
あのナルシ野郎はどんな感じで荒らしてたん?
26名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 18:29:04.87 0
27カノジョにノックアウト(仮):2006/09/15(金) 18:34:56.56 0
>>前スレ

次の青チームが出発して10分後、徳永が「10分たったし、出発しよっか」と俺と石村に言った。
旅館の門を出て左に折れ、軽自動車がギリギリ通れそうな電灯もない小道に進んでいく。
実は道場合宿でのランニングコースだったりするので、俺はあまり怖さは感じていない。
もちろん夜に走るわけではないから、こうして夜に歩くと景色も違った見え方がするのだけど…

「なんだかこの道怖そうだね〜」
「ちなみちゃん、笑顔でそう言われても…」

石村が苦笑しながら言う。2人ともあまり怖くなさそうだ。まぁまだ序盤だしな。

上空には月が綺麗に出ているが、道の両脇から伸びる木々の枝が、俺たちの歩く道の上空まで
伸びていて月明かりを遮っているせいか、雰囲気は肝試しにふさわしいルートだ。
先行する2チームは、今どのあたりだろうね、などと言い合いながら歩いていくと、古びた小さな
祠が道の脇にぽつんとあった。
こんなところに祠なんかあったかな?と思ったが、今まで気づかなかったのかもしれない。
見ると祠に祭られている地蔵のような石像が横倒しになっていたので、2人に「ちょっと待って」
と言い、元通りに立たせてからまた歩き出した。
28カノジョにノックアウト(仮):2006/09/15(金) 18:35:23.47 0

細い一本道を歩いていくうちに、少しはそういう気分になったのかどうかはわからないが、自然
と俺たちは無言気味になり、そのうちに横一列になっていた。
俺の右にえなり、左には石村。
時折カラス?の鳴き声グワァグワァと響いてきたりして、いつのまにか、2人とも俺のTシャツの
裾をギュっと握っている。うーん、やっぱり怖いんだな。
俺も知ってる道じゃなかったらまずビビってるであろう程、この雰囲気はヤバイ、というか肝試し
に相応しい。まさにキング オブ 肝試しロード。

「ちょちょ、ちょっと歩くの早くない?」
「そうか?」

えなりはちょっと腰が引けている。なんだよ、女の子っぽいところもあるんだな。顔が黒くて闇に
溶け込んじゃってるけど。

「石村は?」
「え? わ、私??」
「何驚いてるんだ? えなりが歩くの早いって言うから、石村はどうかと思って」
「あ、ちょっと早い…かも」
「石村が言うんじゃしょうがないな。ちょっとスピード落としてやるか」
「どういう意味よー、それ」

相変わらず腰が引けながらも、えなりはきちんと俺の予想通りの反応を返してくる。
さて、どうやってえなりに好きな人がいるかどうかを聞こうかな…
29932:2006/09/15(金) 18:37:18.17 0
間があいてしまいました。
相も変わらず短いですが、また続きができたら書かせていただきます。
30名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 19:18:08.12 O
932さん乙です!!
31名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 19:27:17.02 0
932さん乙です!!
見たいんですけど2日くらい来てなくて前スレでどこまで進んだか分からないので
まとめさん前スレ見たいのでよろしくお願いします
32名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 20:27:26.51 0
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::::::.\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::.ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
33カノジョにノックアウト(仮):2006/09/15(金) 20:44:41.45 0
>>28

「あ、あったあった、ここだ」

どう聞こうかと考えているうちに、俺たちはチェックポイントである祠に到達した。道の両脇に
茂っていたうっそうとした木々が祠の周囲だけ綺麗に開けており、小さな公園のようになっていて、
祠の脇には木で出来た古いベンチが置かれていた。
ここの場所だけ電灯が置かれていて、祠の周囲をうすぼんやりと照らしている。
上空からは、月明かりが地上に届いていた。両方の光が重なって少し幻想的な感じがした。

「これね、ノートって」

石村がそう言って自分の名前を書いていく。ハイ、とペンを渡され、俺も自分の名前を書き、最後に
えなりが名前を書いて、ノートをパタンと閉じた。

「じゃ、ノートも書いたことだし、出発しますか」

そう言うと、石村が「ちょっとお話していかない?」と言った。
34カノジョにノックアウト(仮):2006/09/15(金) 20:45:14.64 0

俺たち3人は、小さなベンチに座った。

「早田君てさ」
「へ?」
「桃ちゃんのこと、どう思ってんの?」
「あー、それ私も聞きたーい」

えなりがやはり首を突っ込んできた。お前は本当に好奇心の塊だなぁ……などといつものように余裕な
訳もなく、俺は答えに詰まった。

「え、えーと、どうって?」
「桃ちゃんの気持ち、気づいてんでしょ?」
「うう、まぁ、その、なんと…なくは」
「ホント、早田君ていつもは結構バカっぽいけど、いざという時は頼りになるって評判なのに、こういう
事になるとダメだなあ。まぁいろんな子に目が行くのもいいけど、あまり引っ張って中途半端にしないで
ちゃんと一人に決めてあげてね。私としては、桃ちゃんの期待を裏切らないで欲しいけど」

石村の言葉がグサグサ突き刺さる。石村のいう通り、こういう事はあまり考えないようにしていたけど
やっぱり、嗣永は本気なんだ……と改めて思った。
35カノジョにノックアウト(仮):2006/09/15(金) 20:46:27.08 0

そして、にこにこ(というか、ニヤニヤか?)しながらえなりが聞いてくる。

「で、早田は誰が好きなの?桃ちゃん?愛ちゃん?友理奈?それとも早貴ちゃん?」

ちょ、おま、実名て直球すぎねーか、しかもここにいない4人全員じゃねーか……

「俺は……」
「ふんふん」
「どうなんだろうな。自分ではよくわかんないや。正直あまり深く考えたことないし」
「えぇー」

不満そうなえなりだけど、こればっかりは本当だからしょうがない。

「そうだろうとは思ったけど、いずれにしろ桃ちゃんはキミに伝えてるんだから、結論は出してあげてね」

石村の言葉は、俺の心に響いた。
36932:2006/09/15(金) 20:50:34.22 0
当初の考えよりえらい長くなってしまっており、本当に完走できるのか
不安一杯ですが、頑張ってまた続きが出来たら書かせていただきます。
37名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 21:02:28.79 0
乙です
ゆっくりでもいいんで頑張って完走してください><
38名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 21:33:00.16 0
乙です
楽しみにしてるんで頑張ってください
39名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 21:37:45.78 O
932さん乙です!
いつも楽しみにしてるので頑張ってください
40名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 21:48:28.91 0

完結を必要以上にプレッシャーに感じる必要は無いんじゃね
スレが手薄な時期はキレイに終わらすより読みどころがあるものを書き続けてくれる方がありがたいもんだ
41名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 22:41:51.43 0
42名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 23:03:43.57 O
932氏激しく乙です!
43名無し募集中。。。:2006/09/15(金) 23:28:42.12 O
932さん乙です
44名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 00:07:31.85 0
45名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 01:07:05.30 0
46名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 02:10:34.33 0
47名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 02:41:16.72 0
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のにゅのにゅマン巡回中!
48名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 03:00:57.72 0
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マイハマン巡回中!
49名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 04:18:54.69 0
d
50名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 04:42:57.17 0
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51名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 07:00:00.17 0
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52名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 08:17:22.43 0
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53名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 09:06:12.01 O
保全
54名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 09:50:44.17 0
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55名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 11:04:33.89 0
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56名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 12:11:29.30 O
投下待ち保全
57名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 13:17:39.98 O
58名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 13:58:41.32 0
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59名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 15:13:58.53 0
60名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 16:04:54.40 0
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61名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 17:20:12.38 O
62名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 18:11:28.99 O
作者待ち
63名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 19:18:25.67 O
64名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 20:01:53.77 0
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65名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 20:27:36.34 O
66名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 20:59:36.03 O
投下待ち保
67名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 21:24:41.10 0
68名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 21:59:46.96 0
電車ー!保
69名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 22:26:18.24 0
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70名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 23:09:55.87 0
71カノジョにノックアウト(仮):2006/09/16(土) 23:14:40.04 0
>>35

結局、それからも突っ込まれたのは俺の方ばかりで、嵐に約束したえなりの好きな人は結局聞けない
まま、俺たちはノートを持って祠を後にした。

再び上空を木々が覆い隠し、明かりが殆ど差し込まない道を歩いて行く。来るときと同じように、
えなりと石村はいつの間にか俺のTシャツをつかんでいた。

俺が不思議なことに気づいたのはしばらくたってからだった。
右のえなり、左の石村がそれぞれTシャツをつかんでいるので両脇から力が伝わってくるのはわかる
んだが、もう一つ後ろからも何か引っ張られているような…

「な、なぁ」
「ななななななな、なに!?」
「ひっ! いきなり話しかけないでください、びっくりするじゃないですか!」

2人声が震えている。そして、俺のTシャツを握る力がギュッ!と強くなる。
俺が感じていることを2人とも同じように感じているのだろうか
72カノジョにノックアウト(仮):2006/09/16(土) 23:15:09.98 0

「後ろからなんか引っ張られている気がするんだけど……」
「きききき気のせい気のせい!!」
「女の子をこ、怖がらせて、たたた、楽しいですか!」
「だって、確かに後ろから引っ張られてるっ……」
「そんな事言わないで!!!」
「早田君、キミが見てよ!」
「賛成!!」

やはり2人とも後ろに何かの気配を感じていたようで、俺の一言がきっかけとなり、さっきまでと一転
して軽いパニック状態に陥っている。

「俺一人!? 3人で見よ…」
「男の子でしょ!!」

えなりのその一言で、決死の覚悟を決めて後ろを振り向くと、見たことのない色の白い女の子が、
俺のTシャツをつかんで立っていた。
73932:2006/09/16(土) 23:17:50.33 0

続きができたらまた書かせていただきます。
74名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 23:24:51.73 0
75名無し募集中。。。:2006/09/16(土) 23:51:18.63 0
怖ー
乙です!!
76カノジョにノックアウト(仮):2006/09/17(日) 00:50:14.80 0
>>72

「おわぁぁぁぁ!!!」

思わず俺が叫ぶと、えなりと石村は同時に「いやぁぁぁ!!」と悲鳴を上げ、手に手をとってダダダッ
と駆け出して行ってしまった。

俺はというと、腰が抜けてその場に座り込んでしまい、一歩も動く事ができなかった。
そして、女の子は俺と目が合うと、にこっと笑顔を見せた。
その笑顔だけで、それまで俺が抱いていた恐怖感はどこかへすっ飛んでしまった。
少しあどけなさが残るその顔は、可愛いというか綺麗というか、なんていうか、他の女の子とは違う
魅力を放っていた。

「キ、キミは……誰?」

それだけ言うのが精一杯。
俺の事をじぃーっと見ていたその女の子は、また笑顔になって言った。

「あたしの名前はねぇ、りぃだよ♪」
77カノジョにノックアウト(仮):2006/09/17(日) 00:51:37.79 0

「はやた君だよね?」
「どっからきたの?」
「ねぇいくつ?」
「さっきの子たちって、かのじょ?」
エトセトラ、エトセトラ。

呆然としていると、その『りぃ』ちゃんという女の子は次から次へ質問を浴びせかけてくる。
放っておくとどこまでも続きそうだったので、手で制して逆に質問をする。

「キミ、りぃ…ちゃん…は、なんでここにいるの?」

「え? えっとぉ…それはぁ……あばばばば」
「あばばば?」
「り、りぃのことはいーのっ。今ははやた君のことが知りたいの」

俺からの質問はNGらしい。この『りぃ』ちゃんとやらをよく見れば足もちゃんとあるし、どうやら
幽霊の類ではないようだ。

本来ならえなりと石村を追わなければならないのだが、りぃちゃんの質問は際限なく続き、腰が抜けて
立てない俺は生い立ちから趣味からほぼ全部答えさせられてしまった。

「えっとぉ、じゃあねぇ、次は…」
「なぁ、りぃちゃん」
「なんだもーん?」
「そろそろ立たせてくれないかな? アハハ…」
78カノジョにノックアウト(仮):2006/09/17(日) 00:51:57.69 0

りぃちゃんに手伝ってもらってなんとか立つ事ができた俺は、とりあえず2人を追うことにした。
が、当然ながらりぃちゃんもついてくるわけで…

「はーやーたーくん♪」

りぃちゃんはそう言うと、俺の腕に自分の腕を絡ませてくる。
理由はさっぱりわからないが、なぜかこの子に気に入られてしまったようだ。
さっき石村たちに釘をさされたばかりなのに、こんな姿を嗣永たちに見られたら非常にまずい。
なんとなく嗣永は対抗してきそうな気がするし、めーぐるは烈火のごとく怒り出しそうだ。
熊井は…なんだかわからないけど冷たい視線をもらいそうな気がする……。
とにかくいい事は一つもなさそうだ。

「ちょ、りぃちゃん、離れて歩いて…くれないかな?」
「えー、なんで? りぃははやた君と一緒がいいんだもーん」

そう言ってますますくっついてくる。

「えへへ…」

視線を向ければ、満面の笑みがお出迎え。
こんな可愛い子に気に入られて、悪い気分じゃないんだけど、どうしたもんかなぁ……
79カノジョにノックアウト(仮):2006/09/17(日) 00:52:45.40 0

俺がりぃちゃんの質問攻めで遅くなったせいもあってか、えなりと石村はいつまでたっても
姿が見えず、もうすぐ肝試しルートが終わりそうなあたりまできてしまった。
小川を越える小さな橋を過ぎ、視界の悪いカーブを抜けると、ゴールに程近いT字路が見えてきた。
すると、今までべったりくっついていたりぃちゃんが急に立ち止まる。

「どうしたの?」
「りぃ、かえらなきゃ」

ちょっと悲しそうな声で、りぃちゃんは言った。

「お家、こっちじゃないの?」
「うん、りぃの家はあっち」

と、今まで歩いて来た方を指差す。あっちに家なんかあったかな?と思ったが、俺もこの辺りをよく
知っているわけでもないし、たぶん俺が気づかなかったんだろう。
80カノジョにノックアウト(仮):2006/09/17(日) 00:53:04.57 0

「ね、はやた君は明日もいる?」
「明後日の昼まではこっちにいるかな」
「また明日の夜に会いたいな、ダメ?」

そう言って、上目遣いで俺を見上げる。
ちきしょー、そんな表情されたら、断りづらいじゃないか。

「うん…たぶん…ね」
「そっか。じゃまた明日会いに行くね♪」

そして、りぃちゃんが急に俺に向かって背伸びをした。
直後、頬に熱い感触。

「えへへ、じゃーねー!」

手を振ってりぃちゃんは駆け出して行き、あっという間に闇に溶けて見えなくなった。

俺は頬に手をあてて、しばらく呆然としていた。
81932:2006/09/17(日) 00:53:45.08 0
いろいろ励ましのお言葉ありがとうございました。
また続きができたら書かせていただきます。
82名無し募集中。。。:2006/09/17(日) 01:04:55.15 0
乙です
りぃちゃんは一体なんなんだろう…おばけなの?
83名無し募集中。。。:2006/09/17(日) 01:10:03.79 0
乙です
84名無し募集中。。。:2006/09/17(日) 02:06:29.48 O
85名無し募集中。。。:2006/09/17(日) 02:48:41.32 O
『ついてきちゃった』を言わせないあたりのセンスがさすがですな
86名無し募集中。。。:2006/09/17(日) 05:36:16.16 0
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932さん乙です!
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111名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 01:25:02.44 0
112名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 01:56:49.53 0
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113名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 02:44:10.24 0
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114名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 03:08:14.11 0
作者さんこないかな
115名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 04:00:08.01 0
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116カノジョにノックアウト(仮):2006/09/18(月) 04:15:27.77 0
>>80

どのくらいたったのだろうか、ふと我に返ると、めーぐるが俺の顔を覗き込んでいた。

「……ば、…ってば、ねぇってば!」
「ん? おわぁぁっ!」

顔のどアップに驚いてのけぞると、めーぐるは変な顔をした。

「ちょっと失礼ね。なに人の顔を見て驚いてんのよ」
「な、なんでめーぐるがここに…?」
「アンタがあまりに遅いから見に来たんでしょーが。それよりも、千奈美ちゃんや舞波ちゃん置いて
逃げちゃったんだって? サイテー」

眉を寄せ、ぷくーっと頬を膨らませているめーぐる。なんか知らんがそれは間違っている!
おそらくえなりがないことないこと言ったせいだろうが…

「逃げてねーよ。ちゅーか、逆に俺が置き去りにされたんだけど」
117カノジョにノックアウト(仮):2006/09/18(月) 04:17:55.23 0

そう言って、俺はさっき起こった事を(りぃちゃんが腕を組んできた事とか、めーぐるが怒りそうな
出来事は意図して省いたが)説明した。信じてもらえるかどうかはわからないが…。

「うーん、にわかには信じがたいわね。毎年ここには来てるけど、そんな子がいるなんて話聞いた事
ないし」
「そりゃ俺も一緒だ。でも、ここ一年で引っ越してきた子かもしれないぞ。気配もなく、いきなり
俺の後ろにいたって事は引っかかるけどな」
「はぁ、気配を感じないって、相当なまってんじゃないの? 稽古ちゃんとしてる? それとも、
両手に花で興奮しちゃってそれどころじゃなかったとか?」
「ばーか。えなり相手に興奮するかっつーの」
「それ、ひどくなーい?」
「ひどくない。じゃあめーぐるは、えなりかずきを見て興奮するか?」
「う、それは……えっと」
「だろ?」

いつの間にかりぃちゃんの話から逸れて、いつものように軽口を叩き合いながら俺とめーぐるは
ゴール地点へと歩いて行った。

118932:2006/09/18(月) 04:18:57.78 0
遅くなりました。
また続きができたら書かせていただきます。
119名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 05:08:52.96 O
120名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 07:11:06.83 0
121名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 08:04:58.70 O
122名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 09:00:55.38 O
123名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 09:52:06.30 O
保全
124名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 10:13:42.74 0
>>932氏乙でござる
932氏のおかげでここをのぞくのが日課となり候
125名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 11:13:37.65 O
126名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 12:27:18.75 0
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127名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 12:55:15.46 O
932さん乙
他作者さんも投下待ってます
128455:2006/09/18(月) 13:05:29.59 0
>>前々スレのどこかからの続きです

「それじゃあみんなまた明日〜グッチャ〜」
「さようなら〜」

「三原、今日も練習やってくだろ?」
「ああ」
「あー、私今日は塾があるからパスね〜」

・・・転校して二週間。すでにしっかりとクラスになじんでしまっている俺がいた。
俺が小さくなってしまった原因はいまだに分かっていない。
また、こうなった原因にかかわってそうな人物も現れている気配が無い。
しかしだからといってこちらから動こうにも情報が無さ過ぎる。
というわけで今日も今日とて普通の小学生として生活しているわけである・・・
129455:2006/09/18(月) 13:06:18.42 0
「天道!パス!」
「加賀美リターン!」
「村上さんセンタリング!」
「打て!三原!」
ボスッ

「ナイッシュー!」
ハイタッチでみんなにこたえる。

・・・あくまで普通の小学生として不自然ではないように
行動するためにこうやっているだけである。
決して楽しんでやっているわけではない。
そうだ、これは捜査の一環なんだ。うん。

最近気を抜くと自分が何者であったかを忘れてしまいそうになる。
しっかりとしとかなきゃな・・・
130455:2006/09/18(月) 13:06:50.84 0
「こらぁ君たち〜まだやってたの〜もう真っ暗じゃない。
 熱中するのもいいけどやりすぎはだめよ〜
 今日はもう帰りなさい〜!!」
職員室の窓から大きな声で石川先生が呼びかける声で
周囲がすでに相当時間がたって周囲が真っ暗になっていることにきがつく。


「はーい。帰りまーす」
「また今日も遅くまでやりすぎちゃったな」
「それじゃ今日はこのぐらいで終わりにするかぁ」
「だな。」
着替えをさっとすませ帰る用意をする。

「それじゃーなー」
「おう」
「ばいばーい」

家路へと向かう。
腹減ったなぁ。
131455:2006/09/18(月) 13:07:38.35 0
今日の晩飯は・・・あ、田所さん出張だ。
小さくなってから、いつも食事は田所さんのところで
食わせてもらっている。
自炊なんて自分でもできるんだが、田所さんいわく
「子供が調理なんて危ない。けがでもしたらどうするんだ!」
とのこと。すっかり子供扱いだ。
いや、子供なんだけどさ。

それはともかく、今晩は田所さんがいない。
自炊するのもいいが、もうヘトヘトだ。
いまから材料買いに行って作るのも面倒だ。
もうコンビニ弁当ですましちまえ。

家にランドセルを置いて近所のコンビニへと向かう。
そういや今日はジャンプの発売日だったなぁ立ち読みもしていくかぁ。
コンビニの店内へと入る。
と、本棚のところに見慣れた黒い子供が・・・

「あれ、徳永さんじゃん」
「あ、三原くん!こんばんわ!」
相変わらず元気だなぁ
132455:2006/09/18(月) 13:08:21.81 0
長いこと続き書かずにすいませんでした。
保守してくださったかたがたありがとうございます。
次回からはもうちょい頻繁に更新したいとおもいます。
133名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 13:46:41.52 0
いやあ、だんだん楽しくなってまいりましたのぅ
134名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 14:12:51.48 O
乙乙
135名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 14:32:29.62 0
乙です!!
続き読みたいんですけど前スレの最後の方を見てないので読めません
誰か前スレが見たいのでお願いします
136名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 15:14:53.04 0
hozen
137名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 16:13:44.14 0
138名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 16:48:52.47 O
古参作家さん達は、もうこないみたいだね
139名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 17:49:03.25 0
落ちそうかもしれないので保
140名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 18:09:36.32 0
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141名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 18:28:55.72 O
142名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 19:05:21.45 O
143名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 19:48:59.30 O
144名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 20:19:31.07 O
932さん激しく乙です!

りぃちゃんの存在がメチャメチャ気になりますね〜

後は嵐くんとちなこの恋の行方も気になってますw
145名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 21:08:23.85 0
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146名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 21:22:10.88 O
147名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 21:52:11.60 O
投下待ち
148名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 22:45:40.18 0
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149名無し募集中。。。:2006/09/18(月) 23:28:53.50 O
保全
150名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 00:02:23.99 0
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151名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 00:43:24.31 0
152カノジョにノックアウト(仮):2006/09/19(火) 01:24:57.61 0
>>117

俺とめーぐるが戻ると今日の夜最後のイベント、花火が始まった。
来るときに買ってきた花火セットと、嗣永と石村が持ってきた花火セットの2つを合わせると、
大量の花火が俺たちの目の前にあった。
熊井と中島が、バケツとロウソクとマッチを旅館から借りてきて、花火タイムがスタートした。
井出と嵐がロケット花火をお互いに撃ち合ったり、ネズミ花火が女子たちの輪の真ん中に行って
しまいキャアキャア騒がれたり、俺は封印していた必殺技、花火を口に咥えながらの連続バック転
『大車輪』を披露したりして笑いをとった。

そんな大技タイムもひと段落して、旅館の縁側に座りながらまだまだ大量に残っている花火を消化
していると、嗣永がやってきた。

「なーにシブく決めちゃってんのかな?」

そう言って俺の横に腰掛ける。

「さっきの、大車輪だっけ? すごかったね。熱くないの?」
「結構熱いよ。火の粉かかるから」
「それで封印してたの?」
「いや。あんまりホイホイやると技の価値が下がるから封印してたの」
「何それー。意味わかんなーい」

アハハハ、と嗣永は笑った。その笑顔を見て、つられて俺も笑った。
153カノジョにノックアウト(仮):2006/09/19(火) 01:25:41.59 0

−桃ちゃんの気持ち、気づいてんでしょ?−

さっき石村に言われた言葉を思い出す。
それが好きという気持ちなのかどうかはまだわからないけど、俺も気づいた事がある。
嗣永と話していると、楽しいという事だ。


「さっき、肝試しに行ってる時、舞波っちになんか言われたでしょ」
「ああ、うん…まぁ…その…」
「あまり気にしないでね。私、みんなのアイドルだから一人のものにはなれないの…」
「へ? そ、そうなの?」
「なーんてね。ちょっと本気にしないでよー。こっちが照れるじゃなーい」

バシッと俺の背中を嗣永は手で叩いた。

「あの時言ったとおり、桃から告白はしないけど、キミはこういう事に関してはどうも優柔不断っぽい
からさ、桃の方に振り向かせるようにこれからは攻めて行くからね。ただでさえ桃はクラスが違って
ハンデしょってるんだから。という事で、以上、桃からキミへの宣戦布告でした♪」

そう言って「じゃね」と手を振って嗣永は石村のところへ駆けて行った。
154932:2006/09/19(火) 01:29:25.42 0

そろそろ皆さんを行動させないと、いつまでたっても話が進まないので
まずはトップバッターということで桃子に動いてもらいました。

また続きができたら書かせていただきます。
155932:2006/09/19(火) 01:34:29.86 0
>>135さん

前スレをあげてみました。
http://syuseki.2-d.jp/minami/src/minami7506.zip
156名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 01:36:00.07 0
乙でし
ももこからの宣戦布告いいなあ
最近めーぐるが気になりだしてきてるからめーぐるのごりおしにも期待
157名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 02:20:25.22 0
158名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 03:28:07.97 0
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159名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 04:10:52.20 0
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160名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 05:23:23.76 0
161名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 05:59:42.30 O
ももちキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
932さん乙です!
162名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 06:30:56.78 0
「さっき、肝試しに行ってる時、舞波っちになんか言われたでしょ」
「ああ、うん…まぁ…その…」
「あまり気にしないでね。私、みんなのアイドルだから一人のものにはなれないの…」
「へ? そ、そうなの?」
「なーんてね。ちょっと本気にしないでよー。こっちが照れるじゃなーい」

バシッと俺の背中を嗣永は手で叩いた。




ハァ―――――――(;´Д`)――――――ン


いつまでも俺らのアイドルでいてください…。
163名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 08:00:20.58 0
164名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 08:57:12.24 0
165名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 09:29:38.90 0
166名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 10:01:54.92 O
167名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 10:07:14.18 0
168名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 11:16:42.20 0
169名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 12:43:31.08 0
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170名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 13:36:32.94 O
171名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 14:33:16.13 0
172名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 15:01:45.08 O
173名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 15:53:02.19 O
174名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 16:13:30.97 0
932さんありがとう!!
これで続きがやっと読めます
175名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 16:42:12.57 0
932さん乙です!!やっと今までの分読み終えました
桃子がどんな感じで攻めていくのかすごく楽しみです
続き待ってます

455さん乙です!!
みんなとこれからどういう風に仲良くなっていくのだろうか・・・
マイペースでかんばって下さい
176まとめの人3rd ◆LHfSIMiHAM :2006/09/19(火) 17:30:41.01 0
ちょっと出かけてまして取り急ぎ前スレをあげときました
http://www.geocities.jp/riasho_kids/thread/1157814866.html
残りは申し訳ないですが夜までお待ちください
177名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 18:17:29.98 O
まとめさんも乙
178名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 18:50:08.14 O
ディスタン待ち
179名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 19:43:18.06 0
>>178
禿同
180名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 20:45:01.32 0
181名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 21:22:50.12 O
182名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 21:59:55.08 0
183まとめの人3rd ◆LHfSIMiHAM :2006/09/19(火) 22:21:56.71 0
ここまで更新しました
184名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 22:31:21.04 O
まとめ乙です
185名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 22:51:55.89 0
まとめさん乙です
186名無し募集中。。。:2006/09/19(火) 23:32:33.02 0
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187名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 00:14:04.35 O
青春さん待ち
188名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 00:24:33.61 O
>>まとめさん
乙です
いつの間にか、いつも
は完結作品では?
189レモンヨーグルト ◆qrmygKANNA :2006/09/20(水) 00:31:02.07 0
>>188
指摘どうもです
直しました
190まとめの人3rd ◆LHfSIMiHAM :2006/09/20(水) 00:31:12.21 0
おっといけね
191名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 00:35:03.76 0
まとめの人あのスレの住人かよw
192名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 00:44:50.59 0
>>まとめさん
できれば>>3のあらすじも載せて欲しいのですが
193まとめの人3rd ◆LHfSIMiHAM :2006/09/20(水) 00:58:11.28 0
>>192
載せましたー
194名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 01:02:46.85 0
まとめの人サンクスです!
195カノジョにノックアウト(仮):2006/09/20(水) 01:22:40.46 0
>>153

そのすぐ後、嗣永と入れ替わるかのように嵐がやってきた。横に置いてあるまだ手付かずの花火を
渡し、男2人で花火の光を見つめる。

「なあ、聞いてくれたか?」

花火を見つめながら嵐が言った。実行できなかった俺は素直に謝る。
視線の隅でえなりの姿を探すと、嗣永たちとはしゃいでいる後ろ姿が見えた。

「ごめん、まだ聞けてない…」
「そうか」
「今聞いてこようか?」
「頼むから今はやめてくれ。お前と2人で話してた直後なんて、モロバレだ」

慌てて首を振る嵐の後ろに、いつの間にか影が。

「なぁに話してるのよぉ。ふらりともぉ〜」
196カノジョにノックアウト(仮):2006/09/20(水) 01:23:54.79 0

嵐の首に手をかけて、俺たちの間に割り込んで来たのは熊井友理奈。
なんだかいつもよりちょっと色っぽいし、しゃべり方が妙に変だ。

「キミたち、最近あやしいろぉ〜。なにか隠し事してるらろ〜」

空いている手で、火のついていない花火を振り回している熊井の頬はほんのり赤い。
……そして微妙に漂うアルコールの匂い。

おい誰だよ、熊井に酒飲ませたのは!


「悩みごとがあっらら、このくまいちょ〜に話してみるらろ?」

けらけらと笑いながらしゃべる熊井は、えらいハイテンションになっている。
まともに答えてもムダっぽかったけど一応言ってみる。

「嵐の相談に乗ってただけだよ。別に悩みごととかそんなんじゃ…」
「なんら〜? なんの相談らのか〜、あ〜わかっら! 恋、恋の悩みなんらろ〜?」
「ちょっと熊井、お前酔ってるだろ」
「酔ってなんかいらいよぉ〜ん、いいからくまいちょ〜に恋の悩みを打ち明けてみるらろ〜
さあどっちらろ? 嵐君ろ? はやら君ろ?」
197カノジョにノックアウト(仮):2006/09/20(水) 01:24:54.74 0

熊井の端整な丸顔が、ほんのりどころかどんどん真っ赤になってしまっている事に気づき、
俺と嵐は顔を見合わせた。

「ほら熊井さん、酔ってるんだから落ち着いて…」
「酔ってないっれ言っれるれお〜」

持っている花火を嵐の顔にぐりぐりと押し付ける熊井。カンペキに酔っ払ってる。

「れも嵐君、その恋のお相手が誰らか知らないれろ、わらしらったらごめ〜んね〜」

ダメだ、熊井が完全に暴走モードに入っているな、どうやって止めよう……などと考えた瞬間、
最大の爆弾が投下された。

「らって、らってらって、わらしくまいちょ〜は、はやら君の事が大好きなんらもん!」

ちょ!!!


酔っ払った熊井のその一言が放たれた瞬間、場が凍りついた。

タイミングよく、打ち上げ花火がひゅるひゅるひゅる〜と上がり、パァン! とキレイな輪を
咲かせたが、誰も見ていなかった。
198932:2006/09/20(水) 01:28:06.71 0
2番手は友理奈でした。個人的に「くまいちょー」という呼び方が好きなので
酔ってるのを幸い一人称として使わせてもらいました。

また続きができたら書かせていただきます。
199932:2006/09/20(水) 01:31:40.58 0
やってしまいました……

196の最後
×
「酔ってなんかいらいよぉ〜ん、いいからくまいちょ〜に恋の悩みを打ち明けてみるらろ〜
さあどっちらろ? 嵐君ろ? はやら君ろ?」


「酔ってなんかいらいよぉ〜ん、いいからくまいちょ〜に恋の悩みを打ち明けてみるらろ〜
さあお相手は誰らろ?」

200名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 01:53:45.20 0
>>198
更新乙
余計な事は書きたくないけど疲れて帰ってきてもこのスレだけは見て寝ようと思えるようになった。
201名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 01:59:52.35 0
酔ってる友理奈ハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!
乙です!!
202名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 02:17:28.50 0
乙です
ゆりなハァ━━━━━━;´Д`━━━━━━ン !!!!
ベリーズのみんなに酒を飲ませて
酔ったところを見たいと思った僕はダメな人間ですorz
そして告られたいとか思ってる変態ロリコン男ですorz
203名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 02:48:26.94 0
932氏乙です
204名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 03:23:44.33 O
205名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 05:05:35.53 0
206名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 05:51:54.25 O
932さん乙です!
207名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 07:00:29.88 O
208名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 08:45:11.12 O
209名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 10:04:03.04 O
210名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 10:41:59.02 O
保全
211名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 11:40:49.22 O
212名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 12:23:11.73 O
保全
213名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 12:41:04.69 O
昼休み保
214名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 13:28:48.41 O
ノノl∂_∂'ル<ほ
215名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 14:44:24.19 O
216名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 15:45:17.80 0
217名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 17:00:40.18 0
218名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 17:23:05.92 O
219名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 18:49:39.81 0
220カノジョにノックアウト(仮):2006/09/20(水) 19:13:06.45 0
>>197

俺たちの中で、一番先に我に返ったのは井手だった。
「わああぁぁぁっ」と叫び、脱兎のごとく走り出す。
俺は井手を追おうとしたが、嵐がそれを制し

「お前が行くと逆効果だ。俺が行って来る」

と言い、井手の後を追って走っていった。
嵐の姿が見えなくなると同時に、後ろでバタン、と音がした。
振り向くと熊井が倒れていた…というか、寝ていた。

「ほら、ぼやっとしてないで、友理奈を部屋に運んであげなよ」

えなりに言われた俺は、自分より大きな熊井の体をえなりと一緒に支えながら、女子達の部屋に
運び込む。やっとの思いで部屋に到着し、既に敷いてあった布団に熊井を寝かせて、風の通りを
よくするために窓をガラッと開け放った。

「早田がちゃんと様子を見てなさいよ」

母親のように言って、えなり「じゃあね」と部屋を出て行った。
ニヤニヤしていたような気もするけど…。

それにしても、まさか熊井に言われるとは……酔っ払ってたけど。

井手、大丈夫かなぁ。
俺はそう思った。
221カノジョにノックアウト(仮):2006/09/20(水) 19:13:53.20 0

222カノジョにノックアウト(仮):2006/09/20(水) 19:15:28.58 0

あれ、なんで私寝てるんだろう。
確かみんなで花火をしていて、井手君にもらったジュースを飲んだら急に気持ちよくなって……
それから、なんだか飛んでもないことを言ってしまったような……

少しぼーっとしたまま目を開けると、私が寝ている布団のすぐ横に座っている早田君の姿が見えた。
な、なんでここに早田君が!?
必死に考える私。だんだん頭がクリアになり、記憶がおぼろげながらよみがえってくると、さっき
自分が何を言ってしまったのかを何となく思い出してしまった。

−らって、らってらって、わらしくまいちょ〜は、はやら君の事が大好きなんらもん!−

いや、そんな事私言ってないよね。
うん、言ってない。
友理奈の頭の中だけで叫んだ事だよね、そうに決まってる!
そうじゃなきゃ、恥ずかしくて生きていけない〜!!
無理やりにそう思い込もうとしていると、早田君が私に気づいた。

「お、起きたか」

えぇぇ、やばいよぉ〜、まともに顔を見られないよ〜!
焦った私は頭まで布団の中にもぐりこんだ。
223カノジョにノックアウト(仮):2006/09/20(水) 19:16:07.91 0

「熊井、頭まで布団かぶって暑くないか?」

早田君のちょっと心配そうな声。

「うん……ちょっと……暑い……かも」

少しだけ顔を出した私は、消え入りそうな声で言う。

「クーラーつけるか?」
「ううん、いい」

首を振る私。そして、思い切って聞いてみる。

「あの…」
「ん?」
「私、なんかとんでもない事を言った……よね?」
「あ……まぁ、言ったような、言ってないよう…な」

早田君の歯切れの悪い答え。
わーん、やっぱり言っちゃってるー!!!
224カノジョにノックアウト(仮):2006/09/20(水) 19:16:51.25 0

「いやいやいや、あのな熊井、お前は酔っ払ってたんだ! だからあんなわけわかんない事を言い
出した! そうだろ?」

早田君は慌ててフォローしてくれたけど、わけわかんない事って……。

そこで私ははたと気づいた。
この状況、もしかして大チャンスですか?
みんなで来ているのに今この部屋には早田君と2人きり。積極的な桃ちゃんも仲がよすぎる愛ちゃん
もここにいない。

よーし、頑張れ私! 
酔っぱらってたとはいえ、一度は言っちゃったんだ。
『わけわかんない事』って、なかった事にされちゃうくらいなら、ここできちんと伝えなきゃ……
225カノジョにノックアウト(仮):2006/09/20(水) 19:17:25.01 0

「あのね!」
「はい!」

気合を入れすぎたのか、思ったより大きい声が出てしまって、早田君は先生に突然指された時の
ような返事をして、背中をピンと伸ばした。
早田君のその姿がおかしくて、私はクスっと笑った。

「確かに、あの時酔っていたかもしれないけど……」
「………」
「でもね……」
「………」

お願い神様!!
私に勇気を!!

「あれが私の本当の気持ちだよ……」
226カノジョにノックアウト(仮):2006/09/20(水) 19:23:01.51 0

なんだか、その言葉を口にしてしまったら、それまで私の心を押しつぶしそうになっていたものが急に
消えて、スーっとした気分になって口調までもが軽くなった。

「あーあ、とうとう言っちゃったなぁ。ヒミツしておこうと思ったんだけどな」
「あのさ…」
「ごめんね、急に。早田君困るよね」
「いや、えーと、なんていうか、熊井に好きだって言われたことは素直に嬉しいよ。だってほら、熊井
は可愛いし、人気あるし」
「本当にそう思ってる? 早田君て私のファンクラブに入ってるのに愛ちゃんと仲いいしー」
「いやめーぐるは幼なじみだし、すぐに殴るし……。でも、なんで俺?」

私は、視線を早田君から天井に向けた。

「最初に気になりはじめたのは、なかさきのから、かな」
「あれかぁ」
「うん。あれ。あれからね、だんだん私の中で早田君の存在が大きくなって来て、今では私の心の中が
早田君でいっぱいになっちゃった」
227カノジョにノックアウト(仮):2006/09/20(水) 19:23:35.55 0

「あのね、お願いが2つあるの」

思い切って私は言ってみる。

「お願い?」
「うん。私のことを『熊井』じゃなくて、違う呼び方で呼んで欲しいなって……ほら、最近愛ちゃんの
事『めーぐる』とか呼ぶようになったりしれるらろ?」

あーん、さすがに恥ずかしくて顔から火がでそうになってきた!!
顔も暑いし……ってもしかして、酔いが戻ってきた?

「わ、わかった…それはいいけど、なんか酔いが戻ってきてないか? また『らろ』って言ってるぞ」
「だってこんなこと、こんなときじゃないと恥ずかしくて言えないもん!!」
「あ、いや、…ごめんな。で、もう一つは?」

「もう一つはね……もうちょっとでいいの。もうちょっと、このままでいたいな………」

布団から手を差し出すと、早田君は何も言わずに私の手を握った。
暖かい手。
そして私はまた眠りに落ちていった。
228932:2006/09/20(水) 19:24:27.79 0
めずらしく長くなりました。

また続きができたら書かせていただきます。
229名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 19:33:25.37 0
932さん乙です家帰ってきたらいきなりきててかなり嬉しいです
積極的なゆりないいですね
そういえば音楽戦士で自分から告白するって言ってましたよね
230名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 19:39:36.72 0
良いね
231名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 19:59:59.55 O
乙です!!
232名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 20:00:44.89 0
932さん乙です!!
イイ!!ほんとに最高!!
友理奈が積極的なのがすごく良いです!ナイスグッドです(笑)
233名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 20:22:32.88 O
932さん乙です!
234名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 20:30:35.04 0
宿題しなきゃいけないのにいつまでもこのスレを見ていたい
235名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 20:34:31.51 0
でも宿題しなきゃいけないのでしてきますね
236名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 21:32:20.58 O
237名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 22:17:49.92 0
238名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 22:47:39.48 0
239名無し募集中。。。:2006/09/20(水) 23:05:46.08 O
932氏激しく乙です!

友理奈の告白シーン
メチャメチャドキドキしました!

早田くんマジで(´・ω・`)ウラヤマシス
240名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 00:00:11.11 O
932氏乙です
友理奈の告白シーン良かったです!

前に何か書いてみたいと言いまくってたのに実生活で色々あり過ぎて…
しばらくは読者に徹したいと思います
241夏 夕焼けの前に 〜クラス〜:2006/09/21(木) 00:20:14.18 0
http://www.geocities.jp/riasho_kids/finished/sunset.html
 
夏 夕焼けの前に 〜クラス〜


3日ぶりに夏焼とのメール交換をした翌日、いつもの時間にいつものように
教室へ到着したボクは、教科書やノートをランドセルから机の中に入れる。
先生に見つかったらまずいケータイは、昨日持ち物検査があったから今日は
大丈夫だろうと思い、マナーモードにしただけでポケットの中に突っ込んで
おいた。
席に座ってから教室を見回すと、夏焼はまだ来ていなかった。
いつもどおりなら、あと5分くらいで来るはずだ。

そのとき、ボクの耳に後ろの席の男子グループの話し声が入ってきた。

「……でさ、金城が聞き出そうとしたんだけど、玉砕したらしいぜ」
「うは、金城でもダメだったのかよ。ったく夏焼ってガードかてぇよなー、
よってたかってメアド一つ教えてもらえないなんてな」
「でもよ、夏焼と鈴木が話してるの聞いたけど、一人いるらしいんだな。
夏焼のメアドをゲットしたヤツが」
「ゲ、マジかよ」
「このクラスか?」
「そこまではわからん」
「そいつ見つけたら、絶対教えてもらおうぜ」
「もちろん!」


ボクは、慌ててケータイの電源を切ってランドセルの一番奥に押し込んだ。

そしてドアが開く音がして、夏焼の話し声が聞こえてきた。
242932:2006/09/21(木) 00:27:28.44 0
なんとなくこんなシーンを思いついたので、保全代わりに投下です。


それと、カノジョ〜の方でいろいろレスをありがとうございます。
初めて書き込みをしてから既に1ヶ月以上経過してしまいましたが
本当に励みになっています。
あまりレスをお返しすることができなくてすみませんが、今後とも
よろしくお願いします。
243名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 00:30:18.82 0
頑張れ
244名無し募集中。。:2006/09/21(木) 00:34:35.77 O
カノジョってドコ?
245名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 01:06:20.64 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
::::::.ミゝ从*´∇`)つ  
::::::⊂__つノ
のにゅのにゅマン巡回中!
246名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 01:35:26.88 0
            /^l
     ,―-y'"'~"゙´  |
     ヽ   o ゚ ー ゚ ゙':
     ミ.         ミ.,
     ':;  ミ;,,.,.,)  (,.,ミ
     ミ        :;
    ミ゙゛';:, ~)   :,,  ~)
     `゙ "`'''~^"~'''゙"''" 

     茉麻考え中…
247名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 02:04:38.72 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
248名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 05:01:47.49 0
ho
249名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 06:03:28.06 O
932さんこれからも頑張ってください!
250名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 07:25:04.19 0
:::::::::::::::::::::::::::::.     
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン 
::::::ミゝ从 ^w^)つ 
::::::⊂__つノ 
マイハマン巡回中
251名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 07:53:37.52 O
252名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 08:59:58.66 O
253名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 09:47:35.36 0
932さんいつも乙です
254名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 10:45:06.97 O
255名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 12:13:15.69 O
256名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 13:22:36.88 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
257カノジョにノックアウト(仮):2006/09/21(木) 15:07:21.85 0
>>227

夜の海はなんだか怖くて、寂しくて、それでいて恋に敗れた者たちを優しく迎える場所。

井手と嵐は、そんな夜の海に来ていた。
ただし、旅館から歩いても1分の距離だった。

「井手、あんまり泣くなよ……」
「うう、俺が調子にのってお酒を飲ませたりしなければ…」
「でもそれって、単に熊井さんの気持ちがわかるのが早いか遅いかだけの違いだと思うぞ」
「なんだよ嵐ぃ、なぐさめてくれるんじゃないのかよ」
「だって壮絶な自爆だもんな……」
「うわーん!嵐のバカー!!!」
「早田じゃなくて俺なのかよ!!」

慰める嵐と泣く井手の会話が、いつものバカ漫才になりかけたところで、背後から声がした。

「井手君と嵐君、見ーつけた!」

そこには、石村舞波が立っていた。
258カノジョにノックアウト(仮):2006/09/21(木) 15:09:24.06 0

「石村、どうしてここに?」
「2人が飛び出してっちゃったからちょっと心配になってね。だーって、千奈美ちゃんは早田君と
友理奈ちゃんを連れていっちゃったし、後の3人は、ねぇ……となったら私が動くしかないでしょ」

んしょ、と言って石村は井手の隣に座って、手足を思い切り伸ばす。

「うーん、こうしてるとホントに波の音しか聞こえないねー」

井手と嵐はうなずき、それからしばらく3人で波の音を聞いていたが、唐突に石村が話し出した。

「私さぁ、思うんだけど…」
259カノジョにノックアウト(仮):2006/09/21(木) 15:12:00.61 0

「確かに友理奈ちゃんの気持ちは早田君に行ってるけど、井手君もノーチャンスじゃないと思うんだよね」
「どうしてそう思うの?」
「友理奈ちゃんの相手が早田君だから」
「へ?」
「早田君て他と違って恋愛関係には弱そうだし。それに、自分が本当は誰が好きなのか、まだ気づいて
ないと思うの。だから、井手君にもまだ逆転の可能性はほんの少しはあるかなって」
「それでもほんの少しかよ〜」

井手は涙目のまま笑った。

「そりゃぁ、今は友理奈ちゃんの気持ちが早田君に向いているからねー」
「そうだよなぁ…」
「一番の問題なんだよな、そこが」

2人はうんうん、と同意する。

「でも、及ばずながら私も協力してあげるから、元気出してよ」
260カノジョにノックアウト(仮):2006/09/21(木) 15:13:04.40 0

「え? 石村が? なんで?」

驚いて井出が石村を見る。嵐もポカーンとした表情をしている。

「私は桃ちゃんを応援してるから。だから利害関係では一致……してるのかなぁ」

小首をかしげて石村が言った。

「ったく、熊井さんだけじゃなくて嗣永さんもだなんて、早田のヤロー、許せんな」
「フフ、それだけじゃないけどね」
「えぇーっ、まだいるのか? って、1人はだいたい想像つくけど…」
「そうだな。想像つくな……」
「と・に・か・く、友理奈ちゃんの事は私も応援するから、そろそろ戻ろ?」

石村が笑顔で言って立ち上がる。井手と嵐も石村に続いた。

「そうそう、私が協力するって事はみんなにはヒミツだよ。桃ちゃんにもだからね♪」

そう言って、石村はいたずらっぽくウインクをした。
261932:2006/09/21(木) 15:13:32.59 0
今日はちょっと早いですが。

また続きができたら書かせていただきます。
262名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 16:27:36.74 0
:::::::::::::::::::::::::::::.     
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン 
::::::ミゝ从 ^w^)つ 
::::::⊂__つノ 
マイハマン巡回中
263名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 16:51:52.94 O
932氏キテタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
乙です!!!
264名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 18:05:03.51 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
::::::.ミゝ从*´∇`)つ  
::::::⊂__つノ
のにゅのにゅマン巡回中!
265名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 18:35:32.60 0
932さん乙です
舞波いい仕事しすぎだよ…帰ってきてくれないのかな…
266名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 18:59:02.65 O
乙乙
267名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 19:02:37.38 0
268名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 19:43:42.85 0
932氏乙です
次はいよいよめーぐるなのかなそれとも千奈美かな
楽しみです
269カノジョにノックアウト(仮):2006/09/21(木) 19:57:42.75 0
>>260

友理奈と名前で呼ぶべきか、くまいちょーと愛称で呼ぶべきか、それが問題だ……。
ない頭でどう呼ぶべきなのかを考えていたら、熊井がすっかり寝付いてしまった事に気が付いた。
顔の赤みはだいぶおさまって来ているので、次に起きればもう酒は抜けているだろう。

そしてさっきから背後に感じる妙な気配……。
妙な気配の元を探るべく少しづつ慎重に移動して行き、最後に俺は、そっと握っていた熊井の手を
離した。

ガチャッ!

道場で培った技術を生かして気配を殺して近づいた俺は、一気に部屋のドアを解放する。

「わあぁぁっっ」

ドドドッ

騒々しい音とともに、支えを失ってなだれ込んで来るめーぐる、嗣永、えなり、そして中島。
折り重なって「いたーい…」などと言っていたが、俺と目が合うと「えへへへ…」などと
ごまかし笑いを見せる。

「おまえらなぁ……中島まで一緒に、何をしてんだ何を」

俺はなんだか頭痛がしてきた。
270カノジョにノックアウト(仮):2006/09/21(木) 19:58:34.11 0

せっかくすやすやと寝ている友理奈(とりあえず心の中ではそう呼ぶことに決めた)を起こすのは
忍びないので、4人を部屋から連れ出す。
覗きをしてた割には、申し訳なさそうな表情をしているのが中島だけなのは気になるが、俺は1階の
小さなロビーのソファに座り、4人にも座るよう促した。

「で、どっから見てたんだ?」
「ほぼ全部」

えなりがいつものニコニコ顔でさらっと言い放つ。
おい、全部かよ……

「ねー、友理奈ちゃんもなかなかやるわよねぇ。早田もさりげなく手なんか握っちゃってさぁ。
意外とアンタもやるときゃやるのね。ねぇみんな、このままだとまずいんじゃないのぉ?
友理奈ちゃんに独走されちゃうよぉ?」

えなりの野郎、いつものニコニコ顔じゃなくて、ニヤニヤしながら俺やめーぐるたちに話かけている。
なんだかこの中でえなり一人だけが思い切り楽しんでいるような感じだ。
271カノジョにノックアウト(仮):2006/09/21(木) 19:59:39.39 0

そんなえなりの挑発的な言葉に激しく反応したのが、なぜかめーぐる。

「ちょっと千奈美ちゃん! ヘンな事言わないでよ! わ、私は純粋に友理奈ちゃんの様子が心配で
見てただけなんだからねっ! だだだだ誰がこんな奴の事なんか!」
「こんな奴で悪かったな」
「フンだ、こんな奴だからこんな奴って言ったの! あーあ、友理奈ちゃんもかわいそうに。こんな
アホウの事が好きになっちゃうなんてさ」
「お前、覗き見しといてそれを言うか!!」
「う、うるさいなっっ!!!」

思わずカッとなった俺はめーぐるに掴みかかろうとしたが、一瞬早くめーぐるの必殺技・裏拳アッパー
が俺のアゴにマックスパワーで炸裂した。

「うぼぇぇっ…」
「どうぞ友理奈ちゃんとお幸せに!!!」

脳を揺らされて崩れ落ちる時の視界は、そう叫んで駆けて行くめーぐるの姿を捕らえていた。

錯覚かもしれなかったけど、めーぐるはなんだか泣いていたように見えた。
272932:2006/09/21(木) 20:01:05.77 0

今回はいよいよめーぐるでもあり千奈美でもあったわけですがこんな感じで。

また続きができたら書かせていただきます。
273名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 20:07:37.16 0
やべぇリアルタイムで読んじゃったよ
乙です!!
みんな覗き見なんて悪い子ですね
ていうかほんとに書き始めてから1ヶ月しか経ってないの?
めちゃくちゃ小説書くのうまいんだけど
274名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 20:10:35.05 0
めーぐるハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!
乙です
275名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 21:07:31.06 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
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マイハマン巡回中!
276名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 21:12:11.38 O
乙乙!!
277名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 21:16:48.73 0
乙です
おれもめーぐるに脳を揺らされたいw
278名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 21:18:48.57 0
最高です!!
279名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 21:50:39.23 0
280名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 22:45:59.07 0
932さん乙
ほんと楽しみだわ
281名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 23:04:00.61 O
932さん乙です!
282名無し募集中。。。:2006/09/21(木) 23:52:30.61 0
283名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 00:23:38.81 O
284名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 01:07:51.90 0
285名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 01:57:43.16 0
从o゚ー゚从<ここ最近私の出番が全くないとゆいたいです
286名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 02:18:26.89 0
287名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 02:44:10.17 O
288名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 03:26:01.52 O
289名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 04:57:32.85 0
ho
290名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 06:13:22.85 O
起床保全
291名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 07:49:06.89 O
292名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 08:24:46.51 0
293名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 09:19:14.49 O
294名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 10:00:58.80 O
295名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 11:00:03.64 O
296名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 12:02:26.15 0
作者さん投下待ち
297名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 12:51:09.34 O
298名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 13:38:35.59 O
299名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 13:45:28.20 0
300名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 14:40:24.59 O
301名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 15:12:49.67 O
密かにディスタン、マニアック待ち
302名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 15:52:48.04 O
303名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 16:15:18.21 0
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マイハマン巡回中!
304名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 17:26:21.03 0
305名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 18:06:04.81 O
投下待ち保全
306名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 18:53:39.67 0
帰宅ほ
307名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 19:29:16.66 O
>>301
もう来ないと思う
308名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 19:59:12.77 0
ディスタンスの人は立てては落ちてた頃に又書く宣言してた記憶があるけど
309名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 20:00:00.01 0
春たん待ち
310名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 20:47:34.28 O
311カノジョにノックアウト(仮):2006/09/22(金) 21:05:35.02 0
>>271

不覚にもまたKOされてしまった俺は、しばらくしてなんとなく意識を取り戻した。
頭がまだクラクラしてはいるが、たいした事はなさそうだ。
そこで気づいた。
俺は床に倒れたはずなのに、ソファに横になっている。
なんだか暖かくて柔らかくて優しい感触が、頬を通して伝わってくる。

「う〜ん…」
「あ、起きたぁ」

忘れもしない特徴的な声が頭上から降ってくる。
この声は、えーと、だよな。

ゆっくりと目を開けると、嗣永のちょっと心配そうな顔が飛び込んできた。
どうやら俺は嗣永の膝枕で寝かされていたらしい。

さっきとなんとなく状況が似てるけど、立場が反対になっちまったな……
312カノジョにノックアウト(仮):2006/09/22(金) 21:05:56.15 0

ずっとこの体勢でいるのも悪いので起きようとすると、嗣永が「まだ寝てた方がいいよ」と言って
優しく頭を抑える。

「…ありがと」
「どう? 桃子の膝枕。あの時のキスと一緒で、またキミが桃子の初めての膝枕なんだからね。
ありがたく思うように」

と言い、俺の鼻をちょん、と触った。その仕草がとても可愛く様になっていて、俺の心の天秤は再び
嗣永へと傾きかける。
今日はなんだか心が揺れてばかりな気がする。

「友理奈ちゃんに負けてられないもんね。そうそう、桃の事も『嗣永』じゃなくて『桃』とか呼んで
欲しいなぁ〜」
「う…またそれか…」
「ねーねーってばー、お願い〜。膝枕してあげたじゃーん」
「わ、わかったよ。……も、もも、桃子、俺…どんくらい倒れてた?」
「えへへ、『桃子』だって。『桃』って呼んでもいいのにぃ〜」
「それはちょっとさすがに……」
「しょうがない、『桃子』で許してあげよう。う〜んとね、倒れてたのは10分くらいだよ。ほんとにもう、
愛ちゃんたらひどいよねぇ。早田君にあんな事して。でも、人ってあんなに綺麗に倒れて行くんだーって、
ちょっと感動しちゃった♪」
313カノジョにノックアウト(仮):2006/09/22(金) 21:06:19.38 0

「ははは、カッコ悪いよな」
「ううん、元はといえば桃たちがこっそり覗いてたのが悪いんだもん。後で友理奈ちゃんに謝るよ。
ライバルに頭下げるのはちょっとシャクだけどね」

桃子の屈託のない笑顔が、なんだか嬉しかった。
俺は横になったまま、桃子と少し他愛無い話をした。

ふと気が付くと、一緒にいたはずの徳永と中島の姿が見えないことに気づいた。

「あれ、そういえば、えなりと中島は?」
「今ごろ気づいたの? 千奈美ちゃんは愛ちゃんを追っていって、なかさきちゃんは友理奈ちゃんの所。
そして桃は早田君のところぉぉ♪」

嬉しそうに言った桃子は、俺の頭をむぎゅーっと抱きしめた。

おわっ、ちょ桃子! 胸が! 当たってむぎゅーって! むぎゅーって!!
むぎゅーて…むぎゅ…むぎ……や、柔らかくて…き、気持ちいい……
ああ、刻が見える………………ガクリ。

「ちょっと早田君! 早田君! しっかりして!! なんでまた倒れちゃうのよぉ!!!」
314932:2006/09/22(金) 21:06:29.75 0
また続きが出来たら書かせていただきます。
315名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 21:09:38.79 0
316名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 21:09:50.62 0
俺も桃乳で気絶したい
317名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 21:19:02.52 0
も、桃子ーーーーー!!!
932さん乙です
早田をぶん殴らせてください
318名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 22:02:07.61 0
932さん乙です
桃子に膝枕されながら天寿をまっとうしたい
319名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 22:25:30.79 O
乙です!!
320名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 22:41:22.07 0
こんなに主人公に嫉妬したのはいつ以来だろう…
321名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 23:22:59.48 0
桃子ハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!
乙です
322名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 23:50:26.36 O
ももちキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
932さん乙、そしてありがとう!!
これからも頑張ってください
323名無し募集中。。。:2006/09/22(金) 23:54:30.07 O
324名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 00:31:00.21 0
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325名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 01:27:48.69 0
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326名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 02:04:03.76 0
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327名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 02:37:24.60 0
328名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 03:31:48.06 0
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329名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 04:46:28.72 0
330名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 04:49:25.85 0
331名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 04:50:37.62 O
332名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 06:45:55.73 O
おは保
333名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 07:49:49.75 O
保全
334名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 09:25:08.69 O
ももちが可愛い過ぎる;´Д`;!


早田くん(´・ω・`)ウラヤマシス
335名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 10:40:02.31 0
336名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 11:15:45.13 0
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337名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 12:11:59.80 0
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338名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 12:12:09.32 0
ze
339名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 13:52:31.51 O
投下待ち保全
340名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 14:45:19.97 0
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341名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 15:49:20.11 O
342:2006/09/23(土) 16:31:01.83 O
ホッ
343名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 16:42:13.60 O
古参作家まち
344名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 17:17:59.60 0
早田君と代わりたい
345名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 18:15:02.97 0
346名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 18:15:08.23 O
いやいや俺が
347名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 19:04:26.92 0
um
348名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 19:29:06.27 O
349名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 20:10:36.74 0
::::::::::::::::::::::::::::.
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350名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 20:30:43.60 O
投下待ち
351名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 21:21:54.96 0
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352名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 21:47:35.49 0
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353名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 22:21:43.39 O
354名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 23:08:36.90 0
355名無し募集中。。。:2006/09/23(土) 23:46:10.90 O
356カノジョにノックアウト(仮):2006/09/23(土) 23:47:27.81 0
>>313

俺がまた倒れたりとなんだかんだしているうちに、井出達やめーぐる達も戻ってきたけど、なんだか
気まずくて話しかけることができなかった。
結局花火タイムはそのままうやむやのうちに終了し、自然に解散的な流れになった。
桃子と石村は、石村の所の『じい』が車で迎えに来て別荘へ帰って行った。


今日一日の出来事を思い出すと、いろんな事が一気に起こりすぎだと思った。

桃子が言った事。
友理奈に告白されてしまった事。
めーぐるとちょっと気まずくなってしまった事。
肝試しで石村に言われた事。
中島と海で一緒に飛び込んだ事。
りぃちゃんという謎の女の子に出会った事。
嵐から相談を受けた事。
井出が玉砕してしまった事。
えなりは……まぁいいか。

あれこれ考えようとしたけど、どんどん混乱して来て頭の中がショートしそうになった。
357カノジョにノックアウト(仮):2006/09/23(土) 23:47:49.25 0

あれこれ悩むのはあまり性に合わないので、俺は着替えを持ちタオルを引っ掛けて風呂に向かった。
この旅館は規模は大きくないが、浴場だけはやたらでかくまさに『大浴場』と言う言葉がふさわしい。
さらに、昼間なら海を一望できる露天風呂まで付いている。
一日遊んだおかげでたっぷりかいた汗を流し、自慢の露天風呂に浸かる。
海はもう見えないけれど、ザァァッ、ザァァッっという波の音だけが聞こえる中、俺は今日初めて
落ち着いた気分になった。

しばらく波の音をBGMにして露天風呂にぼーっと浸かっていると、ガラっとドアが開く音がして
嵐と井出が入ってきた。

「……よう」
「…おう」

友理奈の件があったせいで、俺と井出はおかしな挨拶を交わした。
ともするとギクシャクしそうな雰囲気を壊したのは嵐だった。

「何やってんだ、早く入れよ」

嵐がそう言って井出を風呂に蹴りこむ。
ドッパーン! と派手にしぶきがあがり、先ほどまでの波の音だけが聞こえる静かな露天風呂という
シチュエーションが見事に壊れ、普段の俺達の騒々しい日常が少しだけ戻ってきた。

「嵐! あぶねーだろう!」
「井出が立ち止まってるからだろうが」
「ったくお前ら……せっかくの雰囲気がぶち壊しだ」

3人でのいつもの掛け合いが戻ってきた。
それがなんとなく嬉しかった。
358カノジョにノックアウト(仮):2006/09/23(土) 23:48:07.21 0

今日の感想などを言い合った後、話題は自然とそちらの方へ行くのは、まぁ仕方のない事で。

「なあ早田」
「ん?」
「お前、熊井さんの事で俺に変な遠慮とかすんなよ」

井出が『友理奈様』じゃなくて『熊井さん』と言っている時は、珍しく真面目な時だ。

「ああ」
「俺は宣言するぞ。熊井さんにいつか告白する。そしてお前に勝つ」
「おお〜っ」

高らかに宣言する井出に俺は感心し、嵐が突っ込む。

「で、いつかって、いつだ?」
「そりゃ…いつかは、いつかだよ。俺が早田に勝ったときだ。たぶん」
「道のりは長そうだなぁ…」
「それは大丈夫だ! なんてったって、俺には石む…」
「ワーッ!!!ワーッ!!!」

嵐が突然顔色を変えて叫びだし、井出の口を塞いだ。

「フガフガ!!! おい嵐、何するんだよ!!」
(バカ、石村が協力してくれるって事は秘密だろ!)
(あ、そうだった…)
(ったく…)
359カノジョにノックアウト(仮):2006/09/23(土) 23:48:22.00 0

「で、聞きたいのは、早田は熊井さんの事、どう思ってるんだ」
「わかんないよ」
「わかんないって事ないだろう、好きか嫌いかなんだから」

いつもは突っ込まれる方の井出にしては珍しく突っ込んでくる。
俺は、今の自分の気持ちを話した。

「肝試しの時に石村達にも聞かれたんだけど、ホントにわからないんだよな。誰が好きなのかとかさ。
そりゃ、ゆ…友理奈も桃子もめーぐるも、えなりも中島も好きか嫌いかで言うと好きだ。
だけどその『好き』がどういう『好き』なのかってのが、わからないんだよな。井出や嵐に対しての
ような『友達として好き』なような気もするし。
だから、一番好きなのは誰なんてまだ俺には決められない」

井出はなんだか納得したようなしてないような感じの表情を浮かべていた。

「それってさ、考えたら、誰が好きなのかわかんない事がわかったって事?」
「うん、まあそうだ」
「頭悪いくせに小難しく考えるなよ〜。俺のようにシンプルに『熊井さん一直線!』てすればいいのに。
あ、でもお前は『熊井さん一直線!』禁止な。他の人でひとつ頼む」
「おいおい…」
「ま、そう言うなよ井出。早田もない頭で結構考えたんみたいだしさ」
「ない頭とはなんだよ嵐。お前も通知表同じくらいだったじゃねーか」
「ハッハッハ、5年の三学期からの伸びを見れば、次回に早田を抜くことは確実だ!」
「うわー!!! 成績の話はするなよぉーー!!」

結局最後はいつもの教室にいる時のようになり、風呂を出る時には3人とものぼせて倒れる寸前だった。
360932:2006/09/23(土) 23:50:52.30 0
一応毎回1ネタ入れるように心がけていたのですが、ドキッ!男だけの露天風呂だけで
今回終わってしまいました……。すみません。

関係ないですがウルトラマンの映画見てきました。映画のハヤタはカッコよかったです。

また続きができたら書かせていただきます。
361名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 00:03:36.03 0

長編になると緩急って大事だからこういうのも必要だと思う
362名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 00:06:45.51 O
932さん禿しく乙です!
363カノジョにノックアウト(仮):2006/09/24(日) 01:01:38.50 0
>>359

風呂から上がった俺は、女子の部屋へ遊びに行くという井出&嵐のコンビと別れ、火照った体を覚ます
べく誰もいないロビーのソファに陣取り、扇風機の風にあたりながらフジおばさんがサービスでくれた
ビン牛乳をチビチビ飲んでいた。
ロビーの片隅に申し訳程度においてあるTVからは、どこかで見たようなストーリーのアクション映画を
流していて、別にする事もなかった俺はぼーっとそれを見ていた。
牛乳が半分くらいになった頃、視界の端に中島の小さい体がこっちに歩いてくるのが見え、俺は顔を
そちらへ向ける。中島は俺に気づくと微笑した。

「何してるの?」
「風呂に入ったら、のぼせそうになっちゃったから風に当たってる」
「大丈夫? また倒れたら今日だけで3回目になっちゃうよ」
「そうなったら一日3KOの新記録だ」
「ウフフ、大変ね」
「しかも2回はめーぐるだからな。中島も立ってないで座れば?」
「じゃあ、座っちゃお」

そう言って、中島は俺の向かいのソファにちょこんと座った。
中島も風呂から出たばかりっぽく、ほんのりと肌が赤く染まっていた。
364カノジョにノックアウト(仮):2006/09/24(日) 01:01:53.37 0

「あ、これ、見たことある」

中島はTVから流れる物語を見て言った。

「結構ヒットしてたからな、TVでも何回かやったし」
「ストーリーはよくある感じだけど、ラストの戦いがカッコよかったの」
「見た目は地味な攻防だけどね。アクション映画なんだからもっと派手にやればいいのにって思うけど、
技術的には割と高度な事してるんだよなぁ」
「私は逆に新鮮に見えたなぁ」

ラストの戦いには否定的な意見が多かったこの映画を、中島が思ったより肯定している事に驚いた。

「それにしてもなんか意外。中島もアクション映画なんて見るんだ」
「えー、私だって見るよぉ。結構好きだよ、こういうアクションもの。私、運動神経鈍いから、凄い憧れ
があるっていうか……こんな風になれたらいいなって時々思うもん」

楽しそうに語る中島を見ていると、だんだんこっちまで楽しい気持ちになってくる。
ちょうどいいタイミングでフジおばさんが通りかかったので、頼み込んでビン牛乳をもう1本もらい
中島に渡してあげた。

「運動神経を良くするには、まず風呂上りにこうやって牛乳を飲むことからはじめなきゃ」
「ほんと?」
「気持ち気持ち。何事も気持ちからですよ」

俺と中島は2人並んで胸を張って腰に手をあて、一気にビン牛乳を飲み干した。
365カノジョにノックアウト(仮):2006/09/24(日) 01:02:23.97 0

「そういえば、友理奈の様子はどう?」
「うん、さっき起きたよ。今はまだお風呂に入っていると思う。一緒に入ったんだけど、私が先に出て
きちゃったの」

中島はそう言って大浴場の方を振り返る。
女子達の部屋に戻るには、ロビーを掠めるようにしないと戻れないから、出てくればすぐわかるはずだ。

「今気づいたけど、早田君て友理奈ちゃんの事『熊井』って呼んでたのに今は『友理奈』って呼んでる
んだね」
「『熊井』じゃやだって言われちゃったから…」

俺の心にちょっとした戸惑いの気持ちが生まれる。
この流れって、もしかして……。

「あの…できたら、私の事も……名前とかで、呼んでもらいたいな…なんて…」

俯き加減になって小さな声で言う中島の顔は、さっきよりもずっと真っ赤だ。
それを見たらなんだか俺まで心臓の鼓動が早くなってきた気がする。

「えっと、早貴ちゃん……で、いい…かな?」
「………うん………」

お互い照れくさくなってしまい、それから映画が終わるまで、2人とも無言でTVを見つめていた
366932:2006/09/24(日) 01:03:30.62 0
せっかくの週末に男だけしか出てこないというのもなんですので、続きです。

また続きができたら書かせていただきます。
367名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 01:09:53.97 0
932さん乙です
なかさきちゃんどさくさにまぎれてアピールしやがって
あとで桃子に言いつけといてやる
368名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 01:12:40.56 0
なかさきハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!
369名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 02:02:27.70 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::.ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
370名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 02:04:31.57 O
932さん乙です!
371名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 03:07:30.37 0
372名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 03:08:21.17 0
乙ほ
373名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 03:15:27.19 O
乙乙
374名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 04:18:04.50 O
932さん乙です
375名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 05:38:07.67 O
376名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 06:42:53.83 O
保全
377ストロベリー:2006/09/24(日) 07:00:21.11 O
あの日、家出少女を拾った
掲示板を見ていてどうしても気になったのでメールをしたらすぐに返事が来た
[18歳です。親と喧嘩しちゃって帰りたくなくて…もしよかったら一晩だけでも泊めてもらえませんか?]
そりゃあ下心は多少あったが、歳を誤魔化されてたりしたら…と思うと怖かったし、付き合ってた彼女にフラれ、一人暮らしで寂しかったし身の上話をしたりして話し相手にでもなってくれたらそれでいいと思った
何度かメールのやりとりをして待ち合わせ場所の駅の広場に向かう
そこにはメールで言っていた通りの白いシャツにデニムスカートの女の子が居た
「あの〜、アイさんですか?」
「あっ、はい。○○さん?」
「そうです〜すいません遅くなっちゃって」
「いえいえ、今さっき来たところですから」
(かっ、可愛い!18歳と言われれば18歳かな?泊めるだけなら大丈夫だろう。朝まで話してれば何もない訳だし)
「あの〜、お腹へってませんか?俺夕飯まだで腹減っちゃって」
「私もちょっとお腹すいてます」
「じゃあ近くのコンビニで何か買ってから行きましょう」
「はぁい」
俺は弁当とお茶を、彼女はパスタとミルクティーを
「ここは俺が出しますんで」
「えっ?でも悪いですし…」
「いえいえ、遅れてきたお詫びって事で」
「じゃあ、お願いします」
笑った顔も可愛いなぁと思いつつレジを済ます

彼女は電車でここまで来るのに乗り換えを間違えちゃって反対側に行ってしまった事や、電車が混んでて自分が立ってる後ろに外人がいてちょっと怖かった事などを話した
アパート前まで着く
「ここです。メールでも言ったんですけどホントに狭いんで気ぃ遣わないでくださいね」
「綺麗なとこですね〜」
「外見だけですよ。築10年経ってますし中は狭いですし」
「泊めてもらえるだけで満足ですから」
(そうだ、泊めるんだった…こりゃあ間違いなく朝までトークしないと理性が持たないな…)

つづく?
378名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 07:39:58.94 O
932氏激しく乙です!

やべぇ!なかさきちゃんも可愛い過ぎる;´Д`;!
379名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 07:40:05.36 0
ナッキー、でおながいします!!!
380名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 10:19:42.22 0
381名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 10:38:56.64 0
ストロベリーさん乙です
382名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 11:08:52.94 O
乙乙!
383名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 11:21:19.14 0
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::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
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384名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 12:18:45.88 0
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385名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 13:22:19.20 0
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386名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 13:56:52.75 0
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387名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 14:31:19.12 0
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388名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 14:57:21.66 0
ho
389名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 15:54:19.08 0
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390名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 16:04:00.43 O
投下待ち
391名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 17:02:17.61 O
392名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 18:23:12.47 0
393まとめの人3rd ◆LHfSIMiHAM :2006/09/24(日) 18:49:45.06 0
ここまで更新しました
394名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 18:57:35.46 O
まとめの人激しく乙です!
395名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 19:01:11.12 0
まとめさんいつも乙です!

ノックアウトですが、追加されてない気がしますです
396まとめの人3rd ◆LHfSIMiHAM :2006/09/24(日) 19:02:42.11 0
更新ボタン押してみてください
397名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 19:30:17.33 0
おおすみません変わりました!
まとめさんサンクスです!
398名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 20:02:56.64 0
まとめの人乙です
399名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 20:32:08.16 0
400名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 21:20:35.93 0
401名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 22:04:55.26 0
402名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 22:25:02.68 O
久々に執筆中の保全
403だお ◆LywClp50Ag :2006/09/24(日) 22:28:49.12 0
◆◇◆エロエロかおりんPART40◆◇◆ を一番下にするんだお
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1155723876/
404名無し募集中。。。:2006/09/24(日) 23:13:45.73 0
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405名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 00:00:55.49 0
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406カノジョにノックアウト(仮):2006/09/25(月) 00:07:03.06 0
>>365

次の日、目が覚めるとカーテンの隙間から、まぶしい光が差し込んでいた。
横を見ると、井出と嵐は布団から飛び出るような格好で寝ている。
俺は2人を起こさないように布団を畳み、着替えて部屋を出る。

顔を洗ってシャキっとし、首にかけたタオルで拭きながら階段を降り1階に出る。
厨房では既に朝ごはんの準備が始まっているようで、ガチャガチャと音が聞こえてくる。
受付の窓口に首を突っ込み、中のフジおばさんに挨拶をして、俺は外に出る。

三方を木々に囲まれているせいか、まだ気温はそれほど上がっておらず、若干肌寒いとも思える。
体をあれこれ捻ったり伸ばしたりしてほぐし終わると、俺は走り出した。
明日からは道場の合宿だから、多少の準備はしておかなければならないと思った。

ルートは昨日の肝試しのコースそのままだ。
光の差込具合が良くないのは変わらないが、朝になっている分怖さは全くない。
軽快なペースで走り続けていると、肝試しでチェックポイントになっていた祠の場所に着いた。

祠の場所には予想通り先客がいた。
407カノジョにノックアウト(仮):2006/09/25(月) 00:10:09.62 0

小さな公園のような広場には、先に到着していためーぐるがピンクのジャージに身を包み、屈伸運動を
行っていた。
昨日の事を気にしているのかもしれないが、めーぐるはこちらを見ない。

「おはよう、早いな」

仕方ないので俺から声をかけた。

「…おはよ」

一応返事はしてくれた。怒っている感じの言い方ではなかった事に俺はホッとした。
ぱぱっと俺も屈伸などの準備運動を行い、めーぐるの横に立った。

「じゃ、朝の稽古、やるか」
「うん」

師範である村上のじいさんからは、どうせ合宿と同じトコに行くんなら朝の稽古だけでもしっかり
やっとけと言われていた。サボったりしたらフジおばさん経由で師範に情報が伝わってしまうのは
確実なので、俺もめーぐるも律儀にメニューをこなしているわけだ。

2人の息遣い、そして拳や蹴りが風を切る音だけがこの小さな公園に響いている。
俺もめーぐるも特に言葉を交わすことはないけれど、その音を聞くだけで何だかお互いの事がわかる
ような、そんな気持ちだった。
408カノジョにノックアウト(仮):2006/09/25(月) 00:10:22.85 0

汗が体のそこかしこを伝い始め、冬だったらまず間違いなく湯気が全身から立ち上っているであろう
状態になった頃、村上道場の朝稽古の全てをこなし終えた。

「あー、ここ一週間朝稽古やってなかったから、かなりキツイわ……」

膝に手をあてて、大きく息をしながら俺は言った。

「ったく、サボり過ぎるとまたおじいちゃんの雷が落ちるよ」

タオルで汗を拭いながらめーぐるが言う。
明日からの合宿、大丈夫かな…。俺は不安になった。

「う、確かに。この調子だと師範の雷が落ちるな。やべー…」
「しっかり絞られなさい」
「あうあー……」
「合宿で足腰立たなくなるのは毎年の事でしょうが。ま、それは私も一緒だけどね」

からかうように言うめーぐる。そんな顔はなんだか久しぶりに見た気がする。
409カノジョにノックアウト(仮):2006/09/25(月) 00:10:35.85 0

「あの、それで話は変わるんだけど、……昨日は……ゴメン…」

そう言って突然めーぐるは頭を下げた。
正直言ってそんなめーぐるを見たことがなかった俺は驚いた。

「へ? あ、いや、俺もついカッとなっちゃったし……そんな謝るような事でも……あるか」
「はい?」
「めーぐるの裏拳アッパー、すげー効いたよ。もう脳天グラグラ」
「なによ、人がせっかく素直に謝ってんのに! もうバカ!」
「はははは、そっちの方がめーぐるらしいよ」
「何よそれぇ」

怒りながらもめーぐるは笑った。俺も笑った。

それから旅館に戻るまで、俺はめーぐると話しながら走った。
今日、結局めーぐるはこっちに残る事に決めたようだ。

「明日の朝も私が相手してあげなきゃ、アンタがおじいちゃんに怒られる要因が増えちゃうでしょ」

姉ちゃんのような口調で、めーぐるはそう言った。
410932:2006/09/25(月) 00:11:13.91 0
夜這いとかそういうのは特にございませんでした。

また続きができたら書かせていただきます。
411名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 00:12:47.74 O
932さん乙です!
412名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 00:32:28.78 0
932さん乙です
めーぐると朝稽古してえ
413名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 00:42:15.00 0
932さん乙です
ここはエロスレじゃないんで夜這いとかはいいですよw
めーぐるキャワですねマジでめーぐる推しになりそう
414名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 01:38:13.57 0
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::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
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415名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 02:39:56.79 0
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416名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 04:00:53.93 0
寝る前の保
417名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 04:57:03.50 O
418名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 06:00:03.12 O
起床ほ
419名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 07:08:06.56 0
h
420名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 08:03:23.75 O
421名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 08:09:15.40 0
落とさないよのほ
422名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 08:55:21.54 O
保全
423名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 09:33:08.96 O
ほぜんしますよ
424名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 10:16:09.37 O
保全
425名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 10:26:08.45 O
他作者さんもお待ちしてます保全
426名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 11:48:35.50 O
保全
427名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 13:23:10.12 O
428名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 14:33:42.41 0
429名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 15:55:49.72 0
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430名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 17:06:04.79 0
431名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 18:27:28.67 O
投下待ち
432名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 19:38:53.48 O
保全
433名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 19:54:41.21 0
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::::::.\:☆ノノハ クゥ〜ン
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434名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 20:58:57.85 O
保全
435名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 21:04:48.07 0
:.\:☆ノノハ クゥ〜ン
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436カノジョにノックアウト(仮):2006/09/25(月) 21:37:56.35 0
>>409

その日の午前中は、再び合流した桃子と石村を交え、また海でスイカ割りをしたり、スイカの種飛ばし
大会をしたり、夕べの花火の残りを真っ昼間に盛大に打ち上げたりして思い切り楽しんだ。

昼にはえなりの強引な押しとフジおばさんの特別の配慮で、旅館の庭にバカでかい流しおーどんのセット
が組まれ、俺たちは初めて流しおーどんを体験した。
なぜかノリにノっていた『キャップ』と呼ばれている板長のムラマツさんが、そうめんよりも確実に
質量のあるうどん玉をどんどん投下するもんだから、俺たちはしゃべるヒマすらなく次々にうどんを
キャッチして消化していかなくてはならないという事態に陥り、ムラマツさんが残念そうに「次で終わ
りな」と告げた時はマジで安堵した。

肉や魚やサラダなどいくつか他にもテーブルに出されていたのだが、みんな『おーどん』にかかりきりで
またその量が尋常じゃなかったため、誰も手をつけられなかったのが残念だ。

流しおーどんは当分もういいや……というのがたぶんえなりを除く俺たちの偽りのない思いだろう。
437カノジョにノックアウト(仮):2006/09/25(月) 21:39:07.37 0

一休みした後、俺たちはみんなでムラマツキャップお手製の木材で組まれた流しおーどんのセットをバラし
(意外にもフジおばさんやムラマツキャップは流しおーどんが気にいったようで、今後これを旅館の目玉
にしようなどと恐ろしい事を話していた)旅館裏の倉庫にしまうのを手伝う。

ちょうどえなりと一緒にバラした木材を運ぶ時があったので、俺は昨日聞けなかった事を聞くことにした。

「なあ、えな……徳永」
「早田が私の事ちゃんと呼ぶなんて珍しいじゃないの。で、なに?」
「あのさ、徳永って好きな人とかいるのか?」

その瞬間、ド派手な音を立てて徳永がスッ転んだ。

「いったーい!」
「ちょ、大丈夫か?」
「いきなりヘンな事聞かないでよ。ビックリするじゃない」
「だからって、何もスッ転ぶ事はないだろうに…」

ボソっと言ったが、聞こえてしまったらしく徳永に睨まれた。
438カノジョにノックアウト(仮):2006/09/25(月) 21:40:10.46 0

「アンタには友理奈ちゃんや桃ちゃんやめぐ……うわっと!……がいるじゃない。何でそんな事聞くのさ?」
「そんな事って…えーと」

嵐の事を言うわけにもいかず、俺は困ってしまった。

「まあいいわ。別にいないし。今の私は素敵な出会いを求めている最中ってカンジ? これでいい?」
「あ、ああ、ありがと」
「アンタには友理奈ちゃん達がいるんだから、私に惚れたりしたらダメだぞ」
「そうだな。徳永がもうちょっと白くなったら惚れるかもな」
「あー!、それってひどくなーい?」

徳永はぽかっと俺を殴るが、めーぐるの本気のパンチに比べたら可愛いものだ、などと思っていたら、
急に徳永の表情が暗くなる。

「ねえ早田、やっぱり、色が黒い女の子ってダメなのかなぁ。元気がいいだけの女の子じゃ、男の子に
好きになってもらえないのかなぁ……」

ええーっ、徳永までもそんな事を言い出すとは……。
439932:2006/09/25(月) 21:40:22.60 0
また続きができたら書かせていただきます。
440だお ◆LywClp50Ag :2006/09/25(月) 21:42:42.63 0
◆◇◆エロエロかおりんPART41◆◇◆ を一番下にするんだお
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1159176298/
441名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 21:47:40.74 0
932さん乙です
おれは色黒のちなみが大好きだよ
肌の色なんか気にすることないさ
442名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 21:57:38.59 O
932さん乙です

千奈美は肌の色がどうとかより、その笑顔が大好きです!!
しかし主人公ウラヤマス
443名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 21:57:44.97 O
932氏激しく乙です!

ちなこもホント可愛いなぁ;´Д`;…
444名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 22:22:23.97 0
村松キャップ・・・なかなかツボですな
445名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 22:24:35.27 0
科特隊がピンときた私は22歳でおじゃる
446名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 22:56:43.94 0
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::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
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447名無し募集中。。。:2006/09/25(月) 23:30:22.14 0
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448名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 00:01:30.28 O
ついにキャップキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
932さん禿しく乙です。
ぜひキャップを最前線にww
449名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 01:12:18.95 0
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::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
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450名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 02:05:05.28 0
451名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 03:04:05.09 0
作者さーん!
452名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 04:46:34.65 0
ho
453名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 05:59:20.11 O
保全
454名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 08:25:45.43 0
455名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 09:19:37.23 0
456名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 09:20:05.81 0
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::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
::::::.ミゝ从*´∇`)つ  
::::::⊂__つノ
のにゅのにゅマン巡回中!
457名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 10:24:04.10 O
保全
458名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 11:29:23.72 0
459名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 12:36:52.98 O
460名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 13:34:32.71 0
他の作家さんもがんばれ
461名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 13:38:45.62 0
462名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 14:49:48.17 O
>>460
了解保全
463名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 15:57:18.35 O
保全
464名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 17:03:47.44 0
465名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 17:04:30.92 0
466名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 17:54:41.03 O
467カノジョにノックアウト(仮):2006/09/26(火) 18:02:44.33 0
>>438

「そ、そんな事ないと思うぞ。えーとなんていうか、徳永は黒いからこそ徳永なんであって、白かったら
徳永じゃないっていうか…」

何言ってんだ俺。

「それに、徳永の事がいいっていう奴もいるし…」
「えっ?」

そうなのだ。嵐以外にも徳永の事をいいと言う奴はいる。
去年の林間学校の夜の男子部屋では、好きな子の名前を挙げて行くというまぁお決まりのイベントがあった
わけだが、いわゆるトップ5の名前が圧倒的に多かったものの、意外にも徳永の名前をあげる奴もちらほら
いた。誰が、という具体名は出さなかったが、その時のことを徳永に話してやった。

「そういうわけだから、ヘンな落ち込み方するなよ。ったく、元気だけが取りえなのに、その元気なくして
どーすんだ」
「元気だけがとりえって、言い方がどうもひっかかるんですけど…」
「そこは気にするな」
「でも元気はちょっと出た。……なんかさー、最近みんなレンアイに夢中っていうか。それで私だけちょっと
取り残されちゃったカンジがしてたんだよねー」
468カノジョにノックアウト(仮):2006/09/26(火) 18:03:09.23 0

徳永の言葉には同意できる。俺も最近それを感じてた所だ。

「あー、なんかそれわかるかも」
「ちょっとー、アンタがその中心のクセに何言っちゃってるのよ」

バシッと背中を叩かれた。

「痛っ!」
「あーあ、こんなのが相手なんて、みんなかわいそうに……」

はぁ〜っとため息をつくと、徳永は落っことした木材を手に取った。

「まあいいか。それより、まだいっぱい運ぶものはあるんだからさっさと行こ」
「徳永がこけたりするからじゃないか…」
「なんか言った?」
「いえ何も……」
469カノジョにノックアウト(仮):2006/09/26(火) 18:03:27.78 0

2人がかりで木材を運び、なんとか倉庫にしまったところで徳永が言い出した。

「早田、どっちが先に戻れるか勝負よ!」
「は? まあいい、望むところだ」
「じゃぁ行くわよ。位置について……」

徳永の意味不明な提案に乗った俺は、並んでスタートの体勢をとる。
フフフ、俺の足の速さを知っての挑戦とは、勇気だけは認めてやろう。

「よーいどーんっっ!!!」

いきなりスタートした徳永が全力で走りながら叫ぶ。
おいぃぃっっ!!!

「ハンデだよ〜〜!!!」

焦ってスタートした俺に、圧倒的に差をつけて前を走る徳永の声が聞こえてくる。

やっぱりお前なんて『えなり』で十分だぁ!!!
470932:2006/09/26(火) 18:04:17.53 0
どうにかこうにか全員分出せました。
また続きができたら書かせていただきます。
471名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 18:05:36.78 0
乙です
やっぱり徳さん最高!
472名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 18:42:13.52 0
473名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 19:23:20.68 0
932さん乙です
474名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 19:29:01.84 0
きまぐれに書いてみたのを投下してもいいでしょうか。
スレ違いっぽいかもしれませんし、萌え要素もあまりありません。
475名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 19:41:37.21 0
もちろんOKです!!
ぜひお願いします
476名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 19:49:22.45 0
どうぞどうぞ
477名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 19:55:44.29 O
>>474
カモンヌ
478名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 19:59:37.50 0
お許しが出たのでちょっと投下してみます。
479ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:01:34.79 0

             ||ヽ
           .〆⌒ ヽ/
          ┏从゚ー゚o从┓
           /(_______)ヽ
          ∪ =◎= ∪
            |∧|∧|
            (_/ ヽ_)

        『ウルトラマーサ』
480ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:02:03.50 0

僕はボールを追って道に飛び出した小さい男の子に気が付いた。
道路の向こうから、大型のダンプカーが迫って来ていた。
ダンプカーの運転手は携帯電話を耳にあてていて、飛び出してしまった男の子に気が付いていない。

あっ! 危ない! と思ったけど、体が硬直したようになってしまい動けなかった。

ようやくダンプカーの運転手が男の子に気づき、急ブレーキをかける。
しかし、勢いのついた車がそうそうすぐに止まれるはずもなく。

僕を始め、歩道にいた人全員が目をふさいだ。

その時。
僕の背中にものすごい力が激突し、勢いで押されるように僕は道路に弾かれていった。
とんでもない勢いのまま、僕はダンプカーに轢かれる寸前の男の子にぶち当たる。
男の子はビリヤードのボールのように、道路の向こう側の歩道へ飛んでいった。
運良く反対側の歩道にいたサラリーマンが、ものの見事に男の子をキャッチしてくれた。

(よかったな)

そう思う間もなく、僕は男の子の代わりにダンプカーと衝突した。
481ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:02:23.99 0

(すごい勇気のある男の子だとゆいたいです……)

空中にふわりと浮かんでいる謎の赤い球体。
その赤い球体の中の意識は、今の男の子の行動を見ていた。
赤いとは言っても、球体そのものは普通の人間には見えることはないようカモフラージュされている。

ただし、その男の子の行動は、すべて赤い球体である自分が上手く止まる事ができず、彼にぶつかって
しまった結果だということに、当の本人は気が付いていなかった。

(決めた! 私のパートナーはあの男の子にしようっと)

赤い球体は、救急車に乗せられていく男の子の後を追い始めた。
482ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:02:46.15 0

男の子の意識は、今まさに三途の川を渡ろうとしていた。
赤い球体の主は、その意識を無理やりつなぎとめ、コンタクトを図った。

(ねえ、ねえ、そう、キミ!)
(僕のこと?)
(そうよ、キミよ。今の勇敢な行動、見てたわ)
(後ろからドンって押されちゃっただけで、僕は別に何も…。おかげで死んじゃったみたいだし)

(キミの命を捨てて子供を助けるという勇敢な行動に、私はすごくカンドーしました。よって、
キミを私のパートナーにしたいとゆいたいです)
(僕の言ったこと聞いてない……)
(もう一度、生き返りたくない?)
(なんだって?)
(私のパートナーになってくれるなら、生き返らせてあげる)
(本当?)
(私はウソは言わないよ。キミの返事次第かな)
(急に言われても困るけど。でも、僕は、まだ死にたくない!)
483ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:03:10.96 0

僕が意識を取り戻すと、そこはベッドの上だった。
付き添いで来ていた母ちゃんは涙を流して喜び、医者は大変驚いていた。
ダンプカーにはねられたはずのに、僕の体は奇跡的に軽症だった。

検査やらなんやらで、次の日に退院して家に帰るとなんだか見慣れない女の子がいた。

「お帰りなさい、星司君」
「えっと……誰?」
「前に言ってたでしょ。親戚の茉麻ちゃんよ。向こうの都合でしばらく家で預かることになったから。
って、アンタが事故にあった昨日に来るはずだったんだけど、バタバタしちゃってたから、今日からに
してもらったのよ」

帰ってくるときに「今日はごちそうよ〜」と宣言し、そのまま台所に直行した母ちゃんが言う。

アップにした髪と露出したおデコ、そして大きな目とちょっと厚い唇がとても印象的な子だった。
茉麻ちゃんと呼ばれた女の子は、笑って自己紹介した。

「須藤茉麻です。よろしくね!」
484ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:03:27.92 0

茉麻ちゃんはなんだか人懐っこい。

「はぁ、よ、よろしく…」
「ケガ、もう大丈夫ですか?」
「な、なんとか無事だったみたいで…」
「あんた、茉麻ちゃんと会うのは初めてだっけ?」
「うん…たぶん……ね」
「ま、それはどーでもいいけど、同い年なんだから仲良くするのよ」

え!? 同い年!?

見たカンジ、正直年上かと思っていた。
よく見れば幼さは随所にあるものの、体は女の子の方が成長が早いのを割り引いても大きいし、
出るべきところはそこそこ出ていたりして、クラスの女子と比べても大人っぽい感じがした。
でも、笑った顔を見たらやっぱり同い年かもってなんとなく思った。
485ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:03:46.96 0

「良かったね。生き返れて」

全く変わっていない僕の部屋で2人きりになると、茉麻ちゃんがだしぬけにそう言った。

「へ?」
「ね、覚えてない? 死に掛けていたキミと話した誰かのこと」
「もしかして、キミ…あの時の…」
「そう。あの時に星司君と話してたのは私。それでね、星司君に話しておきたいことがあるの……」

それから茉麻ちゃんが話してくれたことは、俄かには信じがたい内容だった。

茉麻ちゃんは実はM78星雲からやってきた宇宙人であること。
M78星雲人を中心に構成されている宇宙警備隊の見習いチーム、ウルトラキッズと言うらしいけど、
その一員で、光の国に帰ったメビウスの後任?として地球に来たらしいこと。
また、今地球にいるのは茉麻ちゃんだけじゃなく、そのキッズの中から選ばれた8人が地球に下りて
いて、それぞれ地球で活動するためのパートナーを探しているということ。
486ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:04:10.95 0

うーん、確かにこないだまでウルトラマンメビウスが地球を守ってたけど、僕の目の前にいるこの子が
ウルトラ…なんとかだなんて、ちょっと信じられない。

「あ、星司君、今の話信じてないでしょ」
「うん」
「ま、しょうがないか。じゃあ、見ててね」

いたずらっぽくそう言うと、茉麻ちゃんは自分の両手をちょん、と重ね合わせた。
するとたちまち光が茉麻ちゃんの体を包みこみ、僕は目を開けていられなくなった。

数秒して恐る恐る目を開けると、僕の目の前には茉麻ちゃんじゃない茉麻ちゃんがいて、それを至近距離
で見た僕は腰が抜けた。
そんな僕を見て、茉麻ちゃんはすぐに元の姿に戻って助け起こしてくれた。
487ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:04:23.55 0

「どう?これで信じてくれた?」

確かにさっきの茉麻ちゃんの姿は、なんとなく僕がかつて実際に見たりTVで活躍を知ったウルトラマン
たちと雰囲気は似ている。
赤と銀の体に、胸に輝くカラータイマー。
そして耳のあたりから出ている、……なんなのかな、コレ。角?かな……?

えーと、誰だったかな。昔雑誌で見たんだけど、一番似ているのは……
あ、そうだそうだ、ウルトラの母だ!

なんだかウルトラの母に似ている、と感想を述べると茉麻ちゃんの機嫌が少し悪くなった。

「えー、そんなにお母さんっぽいかな?私」
488名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 20:06:13.99 0

こんなんですが、果たして続いてもいいものでしょうか………?
489名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 20:18:14.31 0
いいんじゃないの?
490名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 20:23:14.66 0
いいと思いますよ
491名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 20:27:46.62 0
それでは調子に乗って続きます
492ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:29:00.46 0

『ウルトラの母』に似ていると僕に言われてしまった茉麻ちゃんは、しばらく難しい顔で悩んで
いたが「あっ」とつぶやいて、自分の指から何かを抜き取った。

「忘れてた。はいこれ」

唐突に茉麻ちゃんが手を出した。僕が受け取ると、それはアルファベットの『M』をかたどった
マークがついている不思議な指輪だった。

「これは?」
「これはね、ウルトラリングって言うの。生き返った星司君の生命エネルギーはまだ弱いから、
そのリングがアンプ代わりになって生命エネルギーを増幅してくれるの。要するに、その指輪を
はめていないとちょっと転んだだけでも死んじゃうわ……って事かな」

慌てて僕はその指輪をはめた。
そこで初めて茉麻ちゃんも同じ指輪をしていることに気づく。
493ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:29:26.41 0

「ああ私の? この指輪を通して星司君へ生命エネルギーを送り込んでるの。そしてこれをお互いに
はめているパートナーは、離れたところにいてもお互いの事がわかるの。地球の言葉で言うと、
テレパシーみたいなものかしら」

という事は、茉麻ちゃんがいなくなったら僕が再び死ぬ確率がとたんに跳ね上がるってことだ。

「そしてもう一つ、このウルトラリングには機能があるんだけど、それはおいおい説明するね」
「ええ〜っ」

僕の不満をよそに、茉麻ちゃんは僕のベッドに寝転んだ。

「昨日からちょっと力を使いすぎちゃったから、眠くなっちゃった……ぐぅ」

茉麻ちゃんはすぐに寝息を立て始めた。

こうして僕と茉麻ちゃんの奇妙な関係がなんだかわからないうちに始まることになった。
494ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:29:42.22 0


495ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:30:04.43 0

翌日の朝、僕が教室に入ると、昨日車から子供を助けた事が新聞に載っていたらしく、あっという間に
クラスメートに囲まれ、「南、すげーな」「見直したよ南」「ケガしなかったの?南君」などと次々に
質問が投げかけられる。
普段あまり目立つことのない僕は、注目が集まってしまうことに戸惑いながらもあれこれ答えていると
チャイムが鳴ってくれて、どうにかこうにか僕は解放された。

いつものように先生が教室に入ってきたら日直が号令をかけて朝の会が始まるのだけれど、今日は先生が
先に口を開いた。

「えー、今日はみなさんに新しいお友達を紹介します」

ざわめく教室。いつもなら情報が流れているのだけど、今回は転校生が来るなんて情報は全くなかった。
だけど、僕には誰が来るのか何となく予想ができた。

「さあ、入ってきなさい」

先生の言葉の後で、教室に姿をあらわしたのは、やっぱり茉麻ちゃんだった。
496ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:30:21.33 0

「おおーっ…」「可愛い……」「こりゃまた…」

茉麻ちゃんを見て、さらにざわめきが増す。

「須藤茉麻です。こんなに沢山地球のお友達ができるかと思うと、とってもうれしいです。どうか仲良く
してください。よろしくお願いします!」

茉麻ちゃんはちょっと緊張しているのか、おかしなことを口走ったけど、どうやらクラスのみんなは
スルーしてくれたみたいだ。

「須藤さんは南の親戚になります。ご家族の都合でこの学校でみなさんと一緒に学ぶことになりました。
みんな、仲良くしてあげてくださいね。須藤さんの席はっと…じゃあ、あそこの空いている席で」

僕の親戚だ、ということを先生が言った時点でみんなの視線が再び僕に集中した。
穴があったらはいりたい気分だ……。

先生に促され、茉麻ちゃんは教室の後ろの端っこの席に座った。僕とはほぼ正反対の位置だ。
早速隣の男子が「よよよよろしく!」と挨拶している。
茉麻ちゃんも「よろしくね!」と笑顔をふりまいていた。
497ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:30:34.71 0

それから一週間。
茉麻ちゃんもすっかりクラスのみんなと打ち解けて、仲のよい友達も何人かできたようだ。
僕はというと、親戚だということで初日は騒がれたけどすぐにそれも治まり、いつもどおりの
日々が戻っていた。
ただし、家では茉麻ちゃんが『勉強』と称して光の国の歴史をなぜか毎日叩き込まれていたけど。

夏の抜けるような青空が広がる中、教室では算数の授業中。
ぽーっと外を見ていた茉麻ちゃんが、突然「あっっ!!」と声をあげて立ち上がった。
そんな茉麻ちゃんを見るのは初めてだったから、僕も驚いた。

「須藤さん、なにかあったんですか?」

先生が聞くと、茉麻ちゃんは「え? えーと、なんでもないです……」となんだか慌てたカンジで
答え、先生に「授業はしっかり聞くようにね」と小言をもらっていた。
その算数が終わり、ようやく休み時間になると僕は茉麻ちゃんに屋上に連れてこられた。
498ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:30:53.56 0

「どうしたのさ」
「星司君、空のあれ、見える?」

僕の質問を遮るかのように茉麻ちゃんが空を指差す。
茉麻ちゃんの指し示す方向を見てみると、なんだかぐにゃぐにゃで、だけど複雑な形をした飛行機雲
のようなものがうっすらと見えた。

「なに? アレ」
「あれはウルトラサイン。サキィ姉さんからのメッセージだとゆいたいです」

サキィ姉さんというのは、茉麻ちゃんたちと一緒にきたウルトラキッズ8人の中では最もお姉さんだ
そうで、キャプテンとも呼ばれていると茉麻ちゃんが前に教えてくれていた。

「なんて書いてあるの?」
「再び地球に危機が迫っている…だって」

えー、どうしよう……
499ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:31:11.07 0

地球に危機が迫っている、と言われたものの、とりあえず僕らに何かできることがぱっと浮かぶわけも
なく、茉麻ちゃんと僕が頭を捻って考えていると、突然大地が揺れた。

直後、屋上から見えるほどの近い距離で地面が吹き上がり、みるみるうちにビルが飲み込まれていく。
たちまち炎が吹き上がり、爆風で車が空を飛んでいく。
校舎のスピーカーからサイレンが鳴り響く。

「みなさん、GUYSより怪獣が出現したとのお知らせがありました。急いでクラスに戻り先生の指示に
したがってください。繰り返します………」

ドォーン!!!

一際大きな音が響き、黒い大きな物体が姿をあらわす。
硬直してしまい動けなくなった僕の視線は、地面から現れた怪獣の姿を捕らえつづけていた。
500ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:31:39.08 0

「茉麻ちゃん、キミはあれと戦ったりするの?」
「このあたりのエリアには私しかいないし、そうなるのかなぁ」

割とあっけらかんと言う茉麻ちゃん。

「こ、怖くないの?」
「怖くないと言えば、嘘になるけど、大丈夫!」

茉麻ちゃんがガッツポーズをしてみせる。

「勇気の出るおまじないを知ってるから」
「おまじない?」
「そ。おまじない。ねぇ、星司君、手を出して」

僕は言われるままに手を差し出した。

「ちがーう、リングをしてる方の手だよ」

僕が出した手と、茉麻ちゃんが出した手。
2つのウルトラリングが重なった。

「これが、勇気の出るおまじない♪」

そう茉麻ちゃんの声が聞こえた気がした。
501ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:32:38.86 0


\            │           /
 \    ___     │          /
     .__l__  \    │        /
    /  `ヽ、 ヽ_ 
    /`-、   ×.  `)
    〉  \_(ヽJ,.-/
    (`ー-、_,~ ̄._/  ||ヽ
    ヽ__ノ ` ノ/.〆⌒ ヽ/
     >-、 _./__ノ从゚ー゚o从っ
            ヘンシンシタトユイタイデス!!
 
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/            │           \

502ウルトラマーサ:2006/09/26(火) 20:32:58.54 0

リングが触れた後の一瞬の記憶がない。
光に包まれた僕は、体の重さを感じなくなる。
思わず不安にかられてしまう。

(え? もしかして僕、また死んじゃったの?)

茉麻ちゃんの声が僕の心に呼びかけてくる。

(違うよ。星司君は私の中にいるわ)
(へっ?)
(さっきのおまじないって、実はウルトラタッチっていうの)
(何、それ…?)
(詳しいことは後で話すけど、リングを合わせないと私は変身できないの)

まるで状況が理解できない僕に追い討ちをかけるように、茉麻ちゃんの一言。

(星司君は、私と一緒にウルトラマーサとして戦うの!)

なんですと??
503名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 20:34:50.37 0
読んでくれた方ありがとうございました

続きます
504名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 21:02:28.73 0
>>501
このAAにやられたwww
505名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 21:03:48.40 0
はい、おつかれおつかれ
506名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 21:06:51.62 O
乙乙!
507名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 21:15:17.82 0
長編書いてると飽きちゃうタイプか932氏
続き物2本抱えると2倍の更新量を期待しちゃう俺を許してくれ
508名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 21:36:29.53 O
932氏キテタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!

新作もキテタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!

両氏激しく乙です!

ウルトラマーサの破天荒な展開に期待です!
509だお ◆LywClp50Ag :2006/09/26(火) 21:57:18.70 0
20060926このスレを一番下にするんだお
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1159270310/
510名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 22:03:12.39 0
保全
511名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 22:04:18.70 O
エースでしたっけ?
512名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 22:50:59.20 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
513名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 23:26:47.79 0
ウルトラマーサも932氏でしょ?
514名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 23:28:09.15 0
20060926このスレを一番下にするんだお
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1159270310/
515名無し募集中。。。:2006/09/26(火) 23:48:19.06 O
いまだ!変身!北斗と南〜♪
516名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 00:21:12.07 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
517名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 00:55:02.99 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
::::::.ミゝ从*´∇`)つ  
::::::⊂__つノ
のにゅのにゅマン巡回中!
518名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 01:52:07.07 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
519名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 03:06:10.15 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
520名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 05:53:10.85 O
521名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 07:08:20.12 O
保全
522名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 08:03:20.32 O
起床のほ
523名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 09:21:32.27 0
エースー
524名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 10:00:06.83 0
ho
525名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 10:58:19.81 O
保全
526名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 11:01:28.55 O
このスレのエース、932氏待ち保全
527名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 11:54:23.61 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
::::::.ミゝ从*´∇`)つ  
::::::⊂__つノ
のにゅのにゅマン巡回中!
528名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 13:11:23.73 0
529名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 15:03:43.65 0
530名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 16:01:33.70 0
531名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 17:26:49.11 O
エース??ふ〜ん・・
532名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 18:02:20.46 O
533名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 18:37:47.57 O
マニアック待ち
534名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 19:26:50.63 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
535455:2006/09/27(水) 20:32:12.78 0
>>131の続きです

「こんな時間にどうしたの?」
「今日の晩飯を買いに。今日は叔父さんが出張でいないから
 コンビニですませようかなって思って」
「ふーん・・・そうなんだ」
「徳永さんはなんでこんな時間にこんな所にいるの?」
「私?私は塾の帰り」
「寄り道なんかしないで早く帰らないと。もう外真っ暗だよ?」
季節はいつのまにやら夏を過ぎ去って秋へと近づいている。
ちょっと前だったらまだ明るかったのに、今は外は完全に日が沈み真っ暗闇だ。

「うん・・・・帰りたいのはやまやまなんだけど」
「どうかしたの?」
536455:2006/09/27(水) 20:32:44.59 0
「うち3丁目だからここからだとあそこの中澤商店の通りを
 通って帰らなきゃいけないんだよね」
「ああ、あのおばちゃんのやってる店の前の通りか、
 夜になると真っ暗で変質者がでて危ないから
 気をつけろってこのあいだ石川先生も行ってたね」
「うん。いつもならおかあさんにここまで迎えに来てもらってるんだけど
 今日は法事でいないんだよね・・・」
「え、じゃ一人であそこ通るの?」
「うん。でもやっぱ怖いからどうやって帰ろうかなぁと迷ってたところ」
「そうかぁ・・・」
確かにあそこは大きかった頃の俺が通っても不気味だなと思うくらい
真っ暗でひっそりとしてる通りだった。
あそこを小学生の女の子一人で通って帰れというのは少々無理な話だ。
537455:2006/09/27(水) 20:33:19.16 0
「困っちゃった」
エヘヘと笑う徳永さん。やはり心なしかいつもの笑顔にも元気がない。
「よし、それじゃ徳永さん。俺が送るよ」
「えっ?」
「俺じゃ頼りないかもしれないけど一人で通るよりはましでしょ?」
「でも悪いよわざわざ・・・」
「それにいつまでもここにいたってしょうがないでしょ?」
「でもそうすると帰りは三原君一人であそこ通ることになっちゃうよ?」
「あー俺なら大丈夫。全然怖くないから。気にしないで大丈夫!」
「うーんでも・・・」
「さ、さっさといこ?」
まだ何か迷ってる徳永さんの手をとり店を出る。
こういうことは思ったら即行動が俺の信条だ。
「家までは歩き?それともチャリ?」
「あ、チャリで。そこにとめてあるやつ」
徳永さんが指差す先にはピンクのチャリ。
538455:2006/09/27(水) 20:33:50.77 0
「お、後ろ荷台のやつついてるじゃん。二人乗りできるね」
「え?」
「俺漕ぐから鍵貸して」
「え?え?あ、はいこれ」
「ほいサンキュー」
鍵をはずして椅子の高さを俺の足に合わせるために
ちょっとちょうせ・・つする必要なさそうだ。
徳永さん足長いな〜
「よし、じゃ行こうか、はい後ろ乗って乗って」
「う、うん」
ちょこんと後ろに横向きに座る徳永さん。
「夜も遅いしちょっと急いだほうがいいかな?
 落っこちないようにちゃんと捕まっててね」
「うん」
ぎゅっと俺の腰にしがみついてくる徳永さん。
・・・小学生っていっても女の子だな。なんか心地よいやわらかさが背中に・・

「あれ、行かないの?」
「・・あ、ああごめんごめん、じゃ行くよ〜」
頭によぎった邪な考えを振り払うようにゆっくりとペダルを踏み込みだした。
539455:2006/09/27(水) 20:34:42.04 0
今日はここまでです。
久々の更新で申し訳ないです。
保全してくださってる方、読んで下さってる方、いつもありがとうございます
540名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 20:38:43.09 0
乙おちゅ
541名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 20:50:26.68 O
455さん乙です!!
542名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 21:24:48.28 0
ちなみと二人乗りキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
455さん乙です
543名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 22:06:56.71 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
544名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 22:09:07.61 O
落とさん
545名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 22:35:28.38 O
546名無し募集中。。。:2006/09/27(水) 23:12:59.73 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
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マイハマン巡回中!
547名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 00:04:31.68 O
そろそろか
548名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 00:42:36.66 0
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::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
::::::.ミゝ从*´∇`)つ  
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のにゅのにゅマン巡回中!
549名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 00:45:30.81 0
550名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 01:20:17.51 0
ちなみハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!
551名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 01:30:17.26 O
455氏激しく乙です!

こっちのちなこも可愛いいなぁ;´Д`;!
552名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 01:55:07.13 0
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::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
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のにゅのにゅマン巡回中!
553名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 03:14:01.94 0
554名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 04:13:21.13 0
555名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 05:23:03.36 0
n
556名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 06:29:00.81 O
保全
557名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 07:50:47.51 O
起床のほ
558名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 08:55:27.94 O
559名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 10:13:52.25 0
560名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 12:01:32.56 0
561名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 12:02:59.16 0
562名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 12:37:51.40 O
保全
563名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 14:06:13.97 0
564名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 14:09:41.80 0
565名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 14:41:21.93 O
566名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 16:05:04.24 0
567名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 17:38:09.21 0
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マイハマン巡回中!
568名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 18:03:41.07 O
投下待ち
569名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 19:01:47.68 O
保全
570名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 19:30:51.68 0
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::::::.\:☆ノノハ クゥ〜ン
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マイハマン巡回中!
571名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 20:34:20.13 0
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::::::ミゝ从 ^w^)つ 
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マイハマン巡回中
572名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 21:10:28.99 0
573名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 21:16:56.57 0
574名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 21:48:40.71 0
575カノジョにノックアウト(仮):2006/09/28(木) 22:02:01.30 0
>>469

流しおーどんセットを片付けた後、本日帰宅組である友理奈、早貴ちゃん、えなり、嵐、井手の5人を
駅まで見送りに行った俺たちは、みんなが乗った電車が見えなくなるまで手を振り続けた。
(嵐にはちゃんと今えなりに好きな人はいないらしい、と言うことを教えておいた)

残留組の俺とめーぐる、桃子と石村の4人は、駅前に一軒だけの小さな商店でアイスを買い、それを
味わいながらてくてくと歩いた。

「桃ちゃんと舞波ちゃんはいつまでこっちにいるの?」
「明日の夜にはパパとママがお仕事から戻ってくるから、明日かなぁ」
「へー、どっか出かけてたんだ」
「うん、なんだかヨーロッパに行くって言ってた。ホントは私も一緒に行くはずだったんだけどね」

いたずらっぽく石村が言うと、桃子がすまなそうに手を合わせる。

「まいはっち〜ホントごめんねぇ〜」
「もう桃ちゃんたら〜、冗談だってば。私は桃ちゃんやみんなと一緒の方がずっと楽しかったからいいの」

石村が笑う。俺たちも笑う。
田んぼのどこかから、蛙の声が聞こえた。
576カノジョにノックアウト(仮):2006/09/28(木) 22:02:20.20 0

旅館の手前で桃子と石村と別れ、俺とめーぐるはそのまま旅館の門をくぐる。

「たっだいまー!」
「あらお帰り。思ったより早かったのね」

なんだか忙しそうな様子のフジおばさんが出迎える。

「見送りだけでしたから」

と俺が言うと、フジおばさんはなんだか言いづらそうに切り出した。

「それでねぇ、今日急に団体さんの宿泊予約が入っちゃってねぇ……。これから20人ばかり来ちゃうのよ。
で、申し訳ないんだけど、愛ちゃんと進君、一緒の部屋で構わないかしら?」

な、なんですとぉぉぉ!!?
577932:2006/09/28(木) 22:04:31.73 0

昨日休んでしまってすみません。
先週あたりからハマリかけていた仕事が大ハマリしてしまい
全く時間がとれませんでした。

また続きができたら書かせていただきます。
578名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 22:05:20.42 0
うm
ご苦労
579名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 22:50:40.11 O
932さん禿しく乙です!
続きが気になる!!
580名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 22:54:48.12 0
ho
581名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 22:59:47.74 O
ねえおまえらえろーぐると同じ部屋で一泊だぞ?えろーぐると同じ部屋で一泊だぞ?おいおいおいお!
582名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 23:35:07.71 0
>>581

>>1を読め
エロが無いからこのスレは素晴らしいんだ
583名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 23:35:07.24 O
おおおお落ち着けっ!
584名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 23:43:34.43 O
>>582
何もエロい事言ってないと思うが
585名無し募集中。。。:2006/09/28(木) 23:52:26.32 0
なんちゅう展開これはwktkすぎる
932さん乙です
586名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 00:20:37.21 0
932さん乙です
待ってますのであせらず書いて下さい
587カノジョにノックアウト(仮):2006/09/29(金) 00:31:17.20 0
>>576

伝えることは伝えたよ、とばかりに身を翻そうとするフジおばさん。

「ちょ、ちょっと待ってください!!」

俺がしゃべるより早くめーぐるが叫ぶ、というよりも騒ぎ出す。

「なんでコイツと私が一緒の部屋に!?」
「あらあら、愛ちゃん昔は進君と一緒のお部屋じゃなきゃ嫌だ〜なんて言ってたのにねぇ。困ったわ…
もう他のお部屋、その団体さんの予約で一杯なのよ。愛ちゃん、今日の宿泊費はタダにしとくから何とか
ならないかしら」

フジおばさんが手を合わせて拝み倒すと、腕を組んで悩み始めるめーぐる。

「うー……そ、その話、おじいちゃんにはナイショしといてくれます?」
「こっちの都合でお願いするんだもの。そりゃ任せといて。バッチリ内緒にしといてあげるわよ」

宿泊費タダという『エサ』につられ、それまで目が釣りあがっていためーぐるの態度はころっと変化する。
確かにそのお金がまるまる自分の小遣いになるのは、小学生にとっては大きい。
俺の脳に妄想が稲妻のように駆け巡る。
フフフ、これだけあれば、あれも買えるしこれも買える……この大金、どう使ってやろうかな?
588カノジョにノックアウト(仮):2006/09/29(金) 00:31:37.24 0

「それなら……わかりました。フジおばさんの頼みとあれば、この村上愛、そうそう断れませんから♪」
「あら、助かるわぁ。部屋は夕べ愛ちゃんたちが泊まった部屋と一緒だから。じゃあよろしくね」
「はーい♪」

足取りも軽く、ウキウキしながらめーぐるは階段を登っていった。
俺もいたって幸せな気分で続こうとすると、すれ違いざまにフジおばさんに肩をつかまれる。

「進君、明日はもう朝から合宿で忙しいだろうから、受付で今日の宿泊費先に払っておいてね」
「え? ええ!? 俺は払うんすか?」
「当たり前じゃない。あんな可愛い女の子と一緒のお部屋で泊まれるだけでも幸せなのに、
フッ、宿泊費がタダになるわけないでしょう」

と言ってニヤリと笑うフジおばさん。
そんなぁ……
589カノジョにノックアウト(仮):2006/09/29(金) 00:32:02.72 0

あからさまにがっかりした顔を見せた俺に、フジおばさんが言う。

「そんなにガッカリする事ないでしょうに。せっかくおばさんが愛ちゃんと一緒の部屋なんて絶好の
チャンスを作ってあげたんだから。進君もオトコならビシっとそれを生かしなさいな」

俺の手をグッと握って熱い口調で語るフジおばさん。

「ええっ…俺とめーぐるはそんなんじゃ……」
「もう、進君たら本当に鈍いんだから。いい? 愛ちゃんはああいう子だから素直に表に出せないだけで、
絶対に進君の事を好きよ。間違いない。この愛の特捜隊員フジアキコの目に狂いはないわ。
ね、そうよね、キャップ!」

たまたま通りかかっただけのムラマツキャップにフジおばさんが無茶振りをする。

「お?おう、なんだかわかんねぇけど、そうに違いねえや、ハハハ」

ムラマツキャップも、裏山で取ってきた山菜を両手に抱えながらテキトーなコメントで無茶返しだ。

「そういう事だからうまくやんなさい。じゃ、宿泊費♪」

めーぐるの事は随分真剣に語ってくれたけど、なんだかうまく丸め込まれただけのような気がするな……。
う〜ん、本当はどうなんだろう…?

でも、ああまで言われたら、めーぐるの事が気になってしょうがなくなっちゃうんじゃんか!
590932:2006/09/29(金) 00:36:16.95 0

昨日と今日分ということで、もう一度書かせていただきました。
また続きができたら書かせていただきます。


>>507
ギクッ

>>539
455さんも乙です!ちなこいい役だといいなぁ…
591名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 00:49:30.03 0
932氏乙です
おばさんGJ
592名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 01:50:37.15 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::.ミゝ从 ’w’)つ
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マイハマン巡回中!
593名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 02:10:34.02 0
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::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
::::::.ミゝ从*´∇`)つ  
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のにゅのにゅマン巡回中!
594名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 03:27:14.42 0
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::::::.\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::.ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
595名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 03:27:17.43 0
932氏乙
寝る前の保
596名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 04:56:59.28 0

起きぬけの保
597名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 06:33:48.65 O
598名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 08:19:17.38 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:☆ノノハ クゥ〜ン
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::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
599名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 09:18:15.11 O
600名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 10:02:54.99 0
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::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
601名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 11:35:53.31 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
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::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
602名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 12:31:33.44 O
古参作家待ち保全
603名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 13:20:14.92 O
604名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 14:33:42.31 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
605名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 15:40:24.79 0
932さん乙です
この後どうなってしまうのか気になります
606名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 16:45:42.62 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
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::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
607名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 18:27:12.95 0
608名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 19:26:51.93 O
投下待ち
609だお ◆LywClp50Ag :2006/09/29(金) 19:46:06.47 0
上げて稲荷町
610だお ◆LywClp50Ag :2006/09/29(金) 19:47:11.93 0
じゃ、俺も
上げて稲荷町
611名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 20:04:12.85 0
作者さん待ち保全
612名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 20:28:15.22 O
613名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 20:53:52.90 0
614名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 21:17:55.38 0
615名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 22:21:52.64 0
616名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 22:30:16.87 0
新しいのが出来たのでまたうpさせてもらいたいと思います
でもちょっと量が多いので規制に引っかからないよう少しずつ
メインは菅谷梨沙子さんで題名は『花言葉』
617花言葉:2006/09/29(金) 22:30:48.22 0
「お前まだ、帰んないの?」
放課後。教室でボーっとしていると、クラスメイトに声をかけられた。
「あっ、いや…ちょっと。用事があって…さ」
僕は何食わぬ顔で、そう答える。
「そっか。じゃあ、また明日な」
少し不思議そうな顔を浮かべると、そいつはそう言い残して教室をあとにした。
これで、教室には僕一人。
僕はまた窓の外に目を向けて、下校していく人たちを眺めていた。
人の波がまばらになったところで、ようやく席を立つ。
校内にはもう、ほとんど人がいない。部活をしている人たちの声が、遠くで聞こえた。
僕は一気に一階まで降ると、いそいで靴を履き替え旧校舎の方へと向かった。


旧校舎は旧校舎というだけあって、もう使われてはいない。
それに、校内の少し外れの方にあるから誰も来ない。
くたびれた校舎は少し気味が悪いけど、その旧校舎の裏の小さなスペースは不思議なくらい日当たりが良かった。
旧校舎の裏の小さなスペース。そこが僕だけの秘密の場所。
僕はカバンを地面の上に置くと、脇に置いていた袋から軍手とスコップを取り出す。

一年くらい前からその陽だまりの場所に、僕は花を植えていた。
618花言葉:2006/09/29(金) 22:31:48.86 0
夏に咲いた花は…かわいそうだけど処分して、来年の春の咲く花を植えよう。
なんにしようかな…。ちゃんと咲いてくれるかな。
そんなことを考えながら、スコップでザクザクと地面を掘り返す。
夏の花が終わって以来あまり手入れをしていなかったから、雑草も多く、地面も硬くなっていた。
僕はスコップで固くなった土をほぐし、丹念に雑草を引き抜く。
今度はその土をふるいにかけて、石とかゴミを取り除いて、黒いビニール袋の中に入れて薄く伸ばす。
日差しはまだ強く、何度も途中で額の汗を拭った。
でもこの強い日差しが、土の中を消毒してくれるはず。
めんどくさいけど、こういうのが大切なんだってさ。


「ふ〜ぅ…」
一息ついて軍手を取ると、黒いビニール袋に触れてみた。
日差しを浴びて、袋は熱いくらいになっていた。
僕は残った土の一部をビニール袋に入れると、口をしっかり縛ってカバンの中に入れる。
雑草もまとめてビニール袋に入れて、これは手に持った。
軍手とスコップを仕舞うと、手についた土をズボンで払って立ち上がる。と
誰かの視線に気付いた。
「ん?…あっ!」
目が合うと、その子は僕に背を向けて一目散に駆け出す。

あれ、多分クラスメイトの…?。
逃げなくてもいいじゃんか。…でも、ここでなにしてたんだろう?

傾きかけた太陽を背に、僕はその後姿をただ見送っていた。

619花言葉:2006/09/29(金) 22:32:21.40 0
次の日の放課後。

僕はまた旧校舎裏まで来ると、地面に腰掛けて日向ぼっこをしていた。
花壇の周りには黒いビニール袋が広げてある。その袋も、僕と同じように日向ぼっこ。
触れてみると、太陽の熱をいっぱい浴びて、とてもあったかい。順調に殺菌できてるはずだ。
今度は横目で昨日手入れした花壇を見てみる。

そこには、昨日にはなかったものがあった。

とんがり帽をかぶった小さな小人の人形が七つ。白雪姫のあの小人だ。
小人たちはそれぞれ色違いの帽子をかぶって、あたりまえのように花壇の中に居座っている。
それが妙に似合っていて、僕も思わず笑みが漏れた。
その時。少しの物音と人の気配がした。
顔を上げようとして、…やっぱりやめた。昨日みたいに逃げられちゃかなわない。
だから
「菅谷…だろ?」
顔を上げずにそう呼びかける。
「……」
返事はない。僕はゆっくりと顔を上げた。
旧校舎の縁に手を当てて、モジモジしながら菅谷が立っていた。
「…人形。かわいいじゃん」
「えっ…?」
菅谷は首をかしげる。少し困ったような顔をしながら。
「七人の小人だよ。白雪姫のやつ。菅谷が持ってたんでしょ?」
菅谷はようやく笑顔を見せた。でも、急にまじめな顔になって僕を見る。
「君…ここでなにしてるの?」
「なにって…、日向ぼっこかな」
「日向ぼっこ?」
「そう。…ここいいでしょ。日当たり良いし。あんまり人も来ないしさ」
「…うん」
620花言葉:2006/09/29(金) 22:32:57.78 0
「…菅谷、どうやってこの場所見つけたの?」
「ん…?」
「僕だけの秘密の場所だったんだけどな…」
「ちがうもん!」
菅谷は頬を膨らませると、ズンズンと僕の方へ迫ってきた。
「ここは、梨沙子の秘密の場所だもん!!」
「はい??」
「夏休みになる少し前に見つけたんだ。かくれんぼしてるときに、偶然…」
「そっ、そうなんだ…」
「うん!!」
菅谷は大きくうなずくと、満面の笑みを浮かべる。
「…その時さ、花咲いてた?」
「うん!!きれいだった」
きれいだった。そう言われて、僕は少しくすぐったい気持ちになった。
「ひまわりとサルビアと…マリーゴールド」
「え??」
「花の名前。ひまわりは分かるよね?それとサルビアっていう赤い花と、マリーゴールドっていう黄色い花だったと思うけど…」
「そう!あたし、水やりしたんだよ!!」
菅谷はそう言い切ると、僕の隣に腰掛けた。
「…誰がその花、植えたと思う?」
「????」
首をかしげる菅谷の頭の上に、たくさんのハテナマークが浮かぶ。
「野生じゃ、そんな花なかなか自生しないよ。誰かが種をまくか。植えないとね」
「……君が植えたの?」

「そういうこと」
621花言葉:2006/09/29(金) 22:33:33.79 0
僕がそう言うと、菅谷は突然顔を曇らせた。
「どうしたの?」
「……あたしが最初に…」
うつむいたままつぶやく。
「梨沙子の秘密の場所だと思ってたのに…」
か細い声。僕は菅谷の顔を覗き見る。
ヤバイ!菅谷は泣きそうになっていた。
「あっ!あぁあぁ…、あれだ!!」
菅谷が涙目になりながら僕を見る。
「そう、ここは菅谷の場所でいいよ。うん。そうしよう。僕、ここの場所のこと忘れるから」
「…じゃぁ、君はどうするの?」
「う〜んと…。どっか違うとこ…そう、他のところに植えるよ。新しい花」
「でも、それじゃここの花壇に花咲かないの?」
「まぁ、そうなるかな…」
「小人さんいるのに?」
「はい??小人?」
菅谷は花壇の上に置かれた七人の小人を指差す。
「そんなのヤダ!小人さんかわいそうだよ!」
「じゃ、じゃあ。菅谷がなんか植えればいいじゃん」
慌てて僕がそう言うと、菅谷はまたうつむいた。
「…ムリだもん」
「えっ…?」
「あたし、花とかわかんないもん…」
「……」
「…そうだ!、手伝ってよ」
622花言葉:2006/09/29(金) 22:34:07.48 0
「はい?」
戸惑う僕に、菅谷はかたわらに置いてあったスコップを差し出す。
「どういうこと?」
「だから、…君とわたしでここに花を植えるの」
「……」
「でもここは梨沙子の秘密の場所」
「……それって、全然秘密じゃないような気がするんだけど…」
「なにが?」
首をかしげながら菅谷は僕を見つめた。
「だって、僕も知ってるし…」
「????」
菅谷の頭の上にまた、たくさんのハテナが浮かぶ。
僕は大きくため息をついた。
「…まっ、いっか」
「うん」
「僕もここに来ていいんだよね?」
「うん!」
「手伝えばいいんだよね?菅谷がここで花育てるの」
「うん!!」
「ここの花壇に花植えていいんだよね?」
「うん!!!」
「わかった」
「一緒に、いっぱい、いっぱい、いーーーっぱい!!!植えよう」
菅谷は満足げにニコッと笑った。
少し戸惑いながら、僕も大きく笑う。

こうして、僕は菅谷だけの秘密の場所の、秘密の住人になった。
623花言葉:2006/09/29(金) 22:34:43.62 0
「で、菅谷なにがいい?」
「??」
「花だよ。なに植えたいの?」
僕がそう言うと、菅谷は眉をへの字にまげて「う〜ん」とうなりだす。
顔をしかめて必死で考え込む菅谷は…やっぱり可愛かった。
「…う〜んとね、かわいいのがいい」
「かわいい…の?」
「うん!かわいくてぇ。いっぱい!」
「いっぱいかぁ…。色は?どんなのがいい?」
「いっぱい!」
「えっ?」
「色もいっぱい。あのー、あれっ。なんだっけ…色とりのり?」
「あぁ、色とりどりね」
「そう、それ!」
菅谷は屈託なく笑った。つられて僕も笑う。
「じゃあ、…パンジーとか、どう?」
「あっ、それ知ってる!かわいいよね、あれ。黄色いの」
「いろんな色があるんだよ。黄色もあるし、紫とか白いのもある。パンジーなら育てやすいよ」
「ホント?!」
「うん。苗買って、植え替えたらすぐ」
「え〜、ヤダ!…種からじゃダメ?」
「ダメじゃないけど…。ちょっと遅いかな」
「……」
菅谷は黙りこんででしまった。そのまま、すがるように僕を見上げる。
「…わかったよ。種からにしよう。咲くのちょっと遅れるかもしれないけど、ここ日当たり良いから、多分大丈夫」
僕の言葉に、菅谷はニッと笑った。
624花言葉:2006/09/29(金) 22:35:20.54 0
「パンジーはフランス語の『パンセ』って言葉から来てて、考えるって意味なんだって」
「ふぇ〜」
「つぼみが下向いてて、なんか考え事してるみたいだからそんな名前になったんだ。花言葉は『もの思い』」
実はさっき、考え込んでいる菅谷を見てパンジーを思いついたんだけど、それは秘密だ。
「はなことば?」
「知らないかな?花にはそれぞれ『花言葉』ってのがあるんだけど…」
「そうなの…?」
「うん。でも、なんか国によって違ったり、ゴチャゴチャしてて…結構ややこしいんだけどね」
菅谷は興味津々って顔で僕を見た。
「…なに?」
「よくしゃべるなぁって思って。教室では大人しいのにね」
そう言って、フフッと笑う。
「……」
「花とか好きなんだ?」
「えっ?…うん、まぁね。母さんがガーデニングの先生なんだ。だから、その影響でさ…」
僕がそう言うと、菅谷は大きくうなずいた。
「あっ!みんなには黙ってて。男のクセにって言われるし。なんかカッコ悪いしさ…」
「そんなことないよぅ!!」
「えっ?」
「カッコ悪くなんかないよぅ!」
菅谷はなんか必死になってそう言うと、僕の目を見つめた。
「……」
「でも、秘密にしとくね。ここは…梨沙子の秘密の国だから」
「うっ、うん…」

いつから国になったんだろう?
そんな疑問は、菅谷の心底楽しそうな笑顔の前に吹き飛んでいった。
625花言葉:2006/09/29(金) 22:35:56.87 0
「で、これからどうするの?」
「えっ、どうするって…」
「わかった!種を買ってきて、まけばいいんだ。そうでしょ?」
「まぁ、そうなんだけど…」
菅谷は僕の顔を覗き込む。
「土がちょっとね」
「土?土って、あの黒いゴミ袋に入ってるやつ?」
「うん。あれは、太陽の熱で温めて土を殺菌してるんだ」
「土を殺菌??」
「花植えるときは土が大切なんだよ。昨日、ここの土持って帰って母さんに見てもらったんだけど…」
「…ダメなの?」
今度は菅谷は顔をしかめる。
「ううん。ダメじゃないよ。夏、ここに咲いたじゃんか」
「あっ、そっか」
「でも、ちょっと疲れてるから、あのビニール袋の中の土と腐葉土を混ぜた方がいいって。あと、鹿沼土も少し…」
「…ふようど???かぬまつち????」
また菅谷の頭の上にハテナマークが浮かぶ。今日三度目だ。
「えっと…、そういう土があるんだ。ホームセンターとかで売ってるの」
「売ってるの?土を?」
「うん。そう」
「え〜!うそだぁ!!だってただの土だよ。土を買うの?」
「ただの土じゃないんだ。そういう植物専用の特殊な土があるの。腐葉土ってのは、栄養を多く含んだ土って感じかな」
「…ふ〜ん」
納得がいかないような顔をしながら、菅谷はうなずいた。
「母さんがもう全部使っちゃって今家にないから、明日休みだし買ってくるよ。…パンジーの種もさ」
「……」
「ん?…どうしたの?菅谷」

「あたしも行く!!」
菅谷は僕の顔を見ると、ニッと笑った。
626花言葉:2006/09/29(金) 22:36:43.78 0
というわけで、次の日。
僕は午前中の強い日差しを浴びながら、駅前の時計台の前で菅谷を待つはめになった。
後ろの時計がけたたましい音を立てる。十時を告げる鐘の音だ。
正面にある磨き抜かれたショウウィンドウに、僕の全身が映っていた。
肩に掛けたカバンの中には、新しい軍手と小さなスコップ、そのほかにも色々入っている。
ショウウィンドウを見ながら、柄にもなく髪を直してみる。多少、身なりにも気を使ってみた。
なんってったって、相手は…あの菅谷だから。

そのショウウィンドウに菅谷の姿が映る。
菅谷は僕を見つけると一目散にこっちに向かって走ってきた。
「お待たせ。ヘヘッ、ちょっと遅れちゃった」
僕は唾を飲みこむと、少し緊張しながら振り返る。
「あっ、あぁ…」
ただ…見とれていた。
カラフルなボーダーのTシャツの上に、カーキ色のオーバーオール。
オーバーオールは膝丈まで折りこまれていた。
「動きやすいカッコしてきたんだよ…」
そう言って、僕の前でくるっとまわると
「これなら大丈夫だよね?」
上目遣いで僕を見る。
「あっ、うん。…大丈夫。でも」
「ん?」
「今日、日差しきついから、焼けちゃうかもしれないよ?」
透き通るように白い腕を見ながら、僕はつぶやくようにそう言った。
「ヘヘッ。大丈夫。ちゃんと長袖のシャツも持ってきてるんだ」
菅谷は肩に掛けてあるバッグを、ポンと叩いた。
「じゃ、いこっか。ホームセンター?だったっけ?」
「うっ、うん、行こう。…少し歩くよ」
「わかった!!ちょっと、楽しみだね!」
菅谷の元気な声が、青空に染み渡った。
627花言葉:2006/09/29(金) 22:37:19.79 0
菅谷と二人、ホームセンターまでの道を歩く。
太陽はまだ強くて、結構暑かった。
「菅谷、大丈夫?疲れてない?」
振り返りながら、少し後ろを歩いていた菅谷に声をかけた。
「全然、だいじょぶだも〜ん」
楽しそうにそう答えると、小走りに僕の隣に来た。
「ねぇねぇ。あの花、彼岸花って言うんでしょ?」
服の袖を引っ張りながら、田んぼの脇に生えた赤い花を指差す。
「そうだよ」
「へへッ、昨日の夜、いろいろ調べたんだ。花のこと。ねぇ、あの花の花言葉ってなに?」
「えっ、彼岸花の花言葉?…ゴメン、知らないや」
「え〜…」
「僕だって全部の花の花言葉知ってるわけじゃないし…」
残念そうに菅谷は顔を伏せる。
「…彼岸花。別名、曼珠沙華」
僕はつぶやくようにそう言った。
「まんじゅ…しゃげ?」
「うん、そう。彼岸の頃に咲くから彼岸花。彼岸ってのは仏教の言葉。ちなみに、あの花毒があるんだって」
「毒があるの?」
「うん。でも、薬にもなるらしいよ。良くわかんないけど」
「毒なのに、薬になるの?」
「そうなんだって。…なんか、あんまり良いイメージがない花みたい。悲しい花なんだってさ」
「ふ〜ん。きれいなのにね」
「稲穂の金色と彼岸花の赤が…」
「うん!黄色と赤色が、よく合ってるよね」
「…そうだね」
僕は菅谷の横顔を見ながらうなずいた。
628花言葉:2006/09/29(金) 22:37:52.20 0
「ねぇ。やっぱり花って、春に咲くの?秋に咲く花はあんまりない?」
ゆっくり歩きながら、菅谷は僕に尋ねる。
「そんなことないよ。秋に咲く花もいっぱいある。冬はあんまりないけど…」
僕も菅谷の歩調に合わせながら歩いていた。
「どんな花?秋に咲く花」
「う〜ん。やっぱり有名なのは…コスモスかな」
「コスモスって、秋に咲くんだ。…知らなかった」
菅谷は目を見開いて僕を見た。
「コスモスってさ、漢字で書くと秋の桜って書くんだ」
「そうなの?」
「うん。秋に咲く桜みたいな花びらの花。だから『秋桜』って書いてコスモス。花言葉は『純潔』だよ」
「純潔?…なんかいい。コスモス」
僕は道の向こうの方を指差す。
「あっちの方に河原あるじゃんか。そこに毎年、野生のコスモス咲いてるよ」
「ホント!?」
「うん。コスモスは強い花だから、日光と水さえあれば手入れとかしなくても、毎年花咲かせるんだ」
菅谷はいきなり僕の服の袖を引っ張った。
「見たい!見たい!!見に行こうよ!!」
「まだだよ、まだ。咲いてるのもあると思うけど、満開になるには…多分、あと一ヶ月くらいかかると思うよ」
「だったら。…一ヶ月経ったら、一緒に見に行こうよ」
「えっ!?一緒に?…でも、コスモスなんてそんなに珍しい花でもないし…」
「……」
僕の服の袖を掴んだまま、菅谷はすがるように僕を見上げる。
「…わかったよ。一ヵ月後。一緒に見に行こう」
菅谷は顔を上げて、またニッと笑った。
「うん!約束だよ!!」
僕は照れくさくなって目を逸らす。

あの、菅谷のすがるような目。ちょっと……卑怯だよ。
そう思いながら、…それでも、そのあとの笑顔に心が温かくなるのを感じていた。
629花言葉:2006/09/29(金) 22:38:28.18 0
「えっと、パンジーは…。あっ、あった。お〜い!菅谷!!」
ホームセンターの園芸コーナーには、たくさんの種や球根が並んでいた。
僕が呼びかけると、菅谷はパタパタと走り寄ってくる。
「あった〜?」
「うん、あったよ。…色はどれにする?黄色と紫でいいかな?」
「あと、白も!!」
言いながら、菅谷は白のパンジーの種を僕が持つかごの中に入れた。
「他にもなんか買う?」
僕が顔を上げると、菅谷は見本の写真を眺めていた。
「これ、きれい。この球根が、この花になるの?」
「そうだよ。それは…あぁ。水仙か」
「すいせん?水仙っていうんだ…。この花の花言葉は?」
「水仙の花言葉は確か…『自惚れ』」
「『自惚れ』?」
「うん。『自惚れ』」
「なんか…あんまよくないね」
菅谷は球根を元の場所に戻す。
「そういう花言葉もあるんだよ。水仙って別名『ナルシッサス』って言うんだ」
「ナルシッサス?」
「うん。ナルシッサスって、ギリシャ神話にでてくる人の名前。ナルシストって言葉の語源で…」
「あぁ!それ知ってる!!水面に映った自分のことが好きになって、そのまま水の中に沈んでいっちゃった人の話でしょ?」
菅谷は得意満面になって、僕を見る。僕は笑いながらうなずいた。
「この花と、その話が…?」
「湖に沈んでいったあと、そこにこの花が咲いたんだってさ」
「この花になったの…?」
「…らしいよ。だから、この花の花言葉は『自惚れ』なんだってさ」
「ふ〜ん。…君はなんでも知ってるんだね」
「そんなこと…」
言いながら、僕は鼻の頭をかいていた。
630花言葉:2006/09/29(金) 22:39:01.43 0
「菅谷、他になんかある?」
「う〜ん…。そうだ、君は?君はなにがいいの?」
菅谷は真っ直ぐな視線を僕に向ける。
「えっと…。デージーがいいかなって、思ってるんだけど…」
「でーじー?」
「うん、これ」
僕はデージー(ヒナギク)と書かれた種入りの袋を指差した。
菅谷は袋を手に取ると、プリントされた白いデージーの写真を見つめる。
「花言葉は『無邪気』だよ」
僕がそう言うと、菅谷はニッと笑ってそのままその袋をかごの中にいれた。
「…じゃあ、パンジーとデージーにしようか」
「あと…これも!」
すかさず、球根を三つかごの中に放り込んだ。
「えっ、これって。チューリップ?」
菅谷はなぜかモジモジしながらうなずく。
「チューリップか…。そういえば、僕が初めて植えた花もチューリップだったなぁ」
「ホント!?」
「ホント。…よし!チューリップも植えよう!」
「うん!チューリップの花言葉……知ってる?」
また、モジモジして僕を見る。
「えっと、確か…。あれっ?なんだったけ?…ド忘れしちゃった。今度調べとく…」
「ダメッ!!調べなくていい!!!」
「えっ?…なんで?」
「いいのっ!!」
ブンブンと首を振った。
「もしかして、菅谷知ってるの?チューリップの花言葉」
今度はコクリとうなずく。
「昨日調べたの。咲いたら…、チューリップが咲いたら、梨沙子が教えてあげる」
小さな声でそうつぶやくと、チラリと横目で僕を見た。
菅谷がなんでそんなにムキになるのかよく分からなかったけど、僕は黙ってうなずいた。
631花言葉:2006/09/29(金) 22:43:11.68 0
とりあえずここまで
お風呂はいってきます
632名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 22:49:15.11 O
乙です
なかなかいい感じです!!

それにしても梨沙子は可愛いなぁ…
633名無し募集中。。。 :2006/09/29(金) 22:56:17.10 0
つまらないかもしれませんが、投下しても平気ですか?
634名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 22:57:35.48 0
もちろん
期待してます
635名無し募集中。。。 :2006/09/29(金) 23:04:51.39 0
では、投下させていただきます。
636幼馴染:2006/09/29(金) 23:06:03.71 0
今、気づいた。
今日の数学でコンパスを使うらしいので、それを用意するようにと言われていたのだ。
数学は三時間目にあって、今は理科の授業で二時間目がもうすぐ終わるところ。
チャイムが鳴ったら、すぐ隣りのクラスの友人に借りに行こう。
俺は一番後ろの窓側の席からじっと時計の針を見つめた。
12のところに長針がいくのをひたすら待つ。
あと二十秒・・・・・・・。
先生がひたすら何かについて話しているが、俺の耳には全く入っていない。
あと十秒・・・・・・。
俺は一秒ごとにカウントする。
あと五秒。
よん、さん、に、いち・・・・・・。
ぴったりにチャイムが鳴った。
それと同時に号令がかかって、俺は着席することはなく教室を出た。
そして隣りのクラスを覗くと、授業は終わっているようだった。
ドアを開けると、一番ドアに近い席の茉麻がこちらを向いて話しかけてきた。
「あんた、どうしたの?」
実は、茉麻とは幼稚園からの幼馴染だ。
だから、あんた、なんて呼ばれてもいつものことだと思うだけだ。
こいつは前からそうだったから、それに対して特別思うことはない。
「いや、コンパス忘れちゃって・・・・・。お前貸してくれねぇか?」
茉麻はため息をついて机の中に手を入れた。
「仕方ないなぁ・・・・・。ていうかあんた毎日忘れ物してんじゃないの?」
「そんなことねーよ」
「だってほぼ毎日、うちのクラス来て私に何か借りてるじゃん」
「んー・・・・・・・」
「昨日だって教科書借りに来たでしょ」
「あー、まぁ、うん・・・・・・・・」
茉麻は机の上にコンパスを出してから立ち上がる。
「ほら」
彼女は俺にそれを差し出して、俺はそれを受け取る。
637幼馴染:2006/09/29(金) 23:06:52.58 0
俺は頭を掻いてから少し考えて言う。
「帰りに返すから、靴箱の前来てくんない?」
「今日、私さぁ委員会あるから五時に家に来てよ」
「あー、分かった」
近くでクラスメートがこのやりとりを聞いていたが、何も言われることもない。
普通は女子の下の名前を呼び捨てにすると冷やかされるものだが、
俺達からすれば、随分前からそうなのだし、もうそれが自然になっている。
中学に入学した当初はしばらく冷やかされたが、
俺達の様子を見ていると、友人達は俺達がきっとそういう関係にはなりえないと感じたのだろう。
多分、頻繁に喧嘩をしているということもあると思う・・・・・・。
本当は皆、気づいていないが俺はずっと前から茉麻のことが好きだ。

しかし勇気がなくて、気持ちを伝えることができない。

本当は伝えたいのだが、中々言い出すことができないのである。


638幼馴染:2006/09/29(金) 23:07:50.30 0
そういえば、茉麻とのことで、今でも彼女について鮮明に記憶していることがあるのだが、
あれは確か八月の出来事で、相当暑くて汗が首を伝った。
確か、小学三年生の夏休みだったと思う。
蝉の声がうるさくて、陽射しが強くて、茉麻の肌は真っ黒で、俺の肌も真っ黒で、
二人とも、ビーチサンダルを履いて、多分茉麻は真っ白なTシャツに水色短パンを履いていた。
それに、彼女の頬と唇は紅かった。
俺はオレンジ色のTシャツを着ていて、膝丈の灰色のズボンを履いていたと思う。
茉麻の姿はよく覚えているものの、自分の格好については曖昧な記憶である。
あの日はかなり暑くて、太陽の熱を吸収したアスファルトの上にサンダルを履いた脚を踏み出すと、
脹脛やら太ももやらにぬるいというよりも、熱いに近い空気がまとわりついて、
しかもその空気はじめじめとしていて随分気持ちが悪かったのを覚えている。
だけど、俺と茉麻はどうしても外で遊びたくて公園に出かけたのだ。
そして遊んでいるうちに茉麻は転んで、結局、泣いている彼女を宥めるのに俺は必死で、
俺も半べそを掻きながら、彼女を木陰にかかったベンチに座らせて、
母親からいつも無理やり持たされていたポケットに入った綺麗なハンカチを
水道の蛇口を捻って濡らせて、それで茉麻の左膝を優しく拭いてやった。
ハンカチは水を含んでいるので、余計にハンカチに血が滲んで広がって、
相当、大きい怪我をしたような感覚になってしまって二人で泣いていた。
それから不安になってどうしようもなかったのだが、
とりあえず泣きながらも俺は茉麻を背負って、茉麻の家まで帰ったのだ。
639幼馴染:2006/09/29(金) 23:08:49.41 0
二人で泣きながら帰ってきたものだから、慌ててうちの母親と茉麻の母親は俺達の方へ駆け寄ってきたのだが、
その様子を見て、二人からはかなり笑われたのが忘れられない。
当時は全く何故笑われたのか分からなかった。本当に不思議だった。
だけど、今になって考えれば、それも分かる気がする。
きっと涙をぼろぼろ流して二人で随分と酷い顔をしていたのに違いないが、
怪我は少しも大したものではなくて、それがおかしかったのだろう。
俺は茉麻を背中から降ろすと、相当の量の汗を掻いていたもので、
余計に涼しい風が吹いたのにすぐに気づいた。
窓のほうを見れば真っ白なカーテンがゆらゆらと揺れていて、
相変わらず泣き止まない茉麻の声が聞こえる。
しかし茉麻の母親が絆創膏を貼った途端に茉麻は泣き止んだ。
それでまた俺の母親と茉麻の母親は笑ったものだが、それも当時の俺には全く理由が分からなかった。
ただ、特別なことはなかったのだけど、下校中に通学路を歩いていた時に、
公園の前を通って何となくこのことを思い出した。
いや、正確に言えば特別だという程のことでもないことは、あったかもしれない。
泣きながら、俺に視線で何かを訴える彼女を見て、初めて可愛いと感じたのだから。
ゆっくりと歩いて帰宅して、携帯を見ると時刻は四時四十分。
茉麻の家は俺の家の向かいなので一分もかからない。
今から家を出ても彼女が家に居るかは分からない。
とりあえず服をTシャツとジーンズに着替えてベッドに背を向けて腰掛ける。
そこで、しばらくテレビでも見るかと思ってリモコンを取ろうと、手を伸ばした時に携帯が鳴った。
伸ばした手をそのまま携帯に向けて、それを手に取ると茉麻からのメールだった。
「もう家、帰ってきたよ」
俺はすぐにスクールバッグから彼女に借りたコンパスを取り出して、
階段を降り、サンダルをつっかけてドアを開いた。
目の前にある家のインターホンのボタンを押すと、すぐにドアが開かれた。
640幼馴染:2006/09/29(金) 23:09:30.74 0
きっと帰宅したばかりだったのだろう、まだ学校で指定されたシャツを着ていた。
下は体育の授業で履く短パンを履いている。
手に持ったものをすぐ渡して俺は帰ろうと思ったのだが、
それを受け取った茉麻は手招きして俺を家の中へ上げた。
小学生のうちはこんなことも頻繁にあったものだが、
中学に入ってからは全くなかったので珍しいと思う。
だからと言ってその理由を聞くのもおかしい気がしたので、
黙って居間に入ってソファーに腰を下ろした。
前に来たのが確か小学六年生の時だから、多分二年ちょっとここに来ていなかったのだろう。
部屋の様子は随分変わっていたように思う。
茉麻は俺の向かい側に座り、何故か二人の間でしばらく沈黙が流れた。
沈黙を破ったのは、茉麻の笑い声だ。
何故か急に笑い出す茉麻に慌てる俺。
「な、なに笑ってんだよ」
「おかしいじゃん。だって何か・・・・・・緊張してんの?」
「・・・・・してねーよ」
「あっそ。家にあがるの久しぶりだよね」
「そうだな。本当に」
「小学生の時は一緒に遊んだから、よく家に来てたよね」
「あぁ、そーいえばそうだよなぁ」
「ていうか、ちょっと聞きたいことあんの」
「何だよ」
俺は眉間を軽く指で掻いて、こうやって茉麻と面と向かって話すことの恥ずかしさを誤魔化した。
やはり、好きな人を目の前にすると、いくら相手と十年も近い場所に居続けているとしても、
何となく落ち着かないものだし、緊張はしてしまう。
641幼馴染:2006/09/29(金) 23:10:42.04 0
俺が緊張を隠すために鼻の頭を掻いていると茉麻は口を開いた。
「あんた好きな子とか居るの?」
驚いて、俺は固まってしまった。自分の鼓動の音が自分で聞こえた。
一瞬のうちに手のひらから汗が噴きだした。
「い、いないけど・・・・・・?」
語尾を上げて俺も尋ねる。すると茉麻は即答した。
「何かあんたのことが好きな子いるらしいから聞いたんだけど」
「・・・・・・そうか」
「誰かって聞かないの?」
気にはなるのだが、それよりも彼女がそういうことを聞くということは、
きっと彼女は俺のことなんて恋愛対照にはならないということだ。
落ち込みながらも平然を装って言った。
「あー、うん、良い」
「え〜、何で?」
茉麻はきっと悪気なんて少しもなかったのだが、
その問いかけの言葉が俺の心にぐさぐさと突き刺さった。

しかし、俺は気を取り直して唾を飲み込んだ。

いつまでも伝えられないなら、断られてもここで伝えた方が良いのかもしれない。

そう一瞬のうちに決心したものの、その決心はすぐ揺らいだ。
さっき思ったことは間違ってはいない筈だけど、その前に伝える勇気がない。
どうにか、伝えたい。


不恰好になっても良いから伝えたい。
642幼馴染:2006/09/29(金) 23:11:35.04 0
俺は強く目を瞑ってからゆっくりと瞼を開いて茉麻の方を見つめて口を開いた。
「俺は、お前のことが好きだ。ずっと前から」
心臓が痛い。
ぎゅっと縮まったような感じがする。不安で仕方がない。
茉麻は、自分の問いかけとは関係ないことを言われたことと、
更に全く俺の気持ちを受け止める準備ができていなかったので、目を丸くして固まってしまったようだ。
大きな目が更に大きくなって、瞬きをしなかった。
ただ、俺はもう口を開く勇気もなかったし、
いくら口を動かそうとしても動かなかったのもあって黙っていた。
しばらく二人の間で沈黙が続き、茉麻の視線が俺の顔から床へどゆっくりと移っていく。
数秒床を見つめていたかと思えば、音が聞こえるように深呼吸をしてまた俺を見つめた。
その目の力はあまりにも強くて、全てを見透かされたような感覚になる。
俺の弱い所を全て把握されてしまった感じがして不安で仕方ない。
茉麻が口を開くと俺はびくっとしてしまった。
俺は、彼女の口から何を聞いても耐えられる自信はないのだから。
しかし、気持ちを伝えたということは、これは絶対に知り得ることなのである。
知りたくなくても知り得ることは、たくさんあるものだ。
心の準備ができないままで俺は茉麻の言葉を受け止める。
「何でそんなこと・・・・・・・・さっさと言わないのよ。ばか」
・・・・・・・。
悪い方向でしか考えていなかったので、何も考えられなかった。
それはありえないことだったからだ。
茉麻は全く俺に可愛いところなんか見せないで、やけに俺の気に障ることばかり言うのに・・・・・・。
643幼馴染:2006/09/29(金) 23:13:01.35 0
もう訳が分からなかったが、ふと疑問に思ったことを尋ねる。
「・・・・・・ていうか、友達って誰だよ」
茉麻は気まずそうな顔をした。
俺はそれが誰か聞きたいという好奇心もあったが、俺らのことを伝えたいのもあった。
きっとこういうことを茉麻を通して聞くのだから、茉麻と結構親しい仲ではあるのだろうし、
それだったら黙っているのは友達として信用を無くすと思う。
本当に友達なら、ここは嫌でも伝えないといけない。
「秘密だよ、秘密!」
「黙ってたらお前はその友達のこと騙すことになるぞ?」
「う、うん・・・・・・・」
「お前は言いにくいだろうし、俺から俺らのことは言うから、教えろよ」
茉麻は急に顔が真っ赤になったので、俺は驚いた。
こんなにすぐ顔が真っ赤になるのを初めて見たのもあるけど、
一番の理由は、何故恥ずかしがるのかが分からないからである。
俺は首を傾げたが、茉麻はゆっくりと話し出した。
「だって・・・・・・・友達とかって嘘なんだもん。私が聞きたかっただけだもん」
気づくと俺は茉麻を抱きしめていた。
今まで、ずっとこんな顔を見せなかったくせに、
いきなり今、こうやって素の部分を見せてくるなんて、ずるい。
もっと茉麻のことが好きになってしまうではないか。
茉麻の髪の毛の匂いがする。
俺はその髪の毛をゆっくりと撫でると、茉麻はぎゅっと俺の服の袖を掴んだ。
「何でそんな嘘つくんだよ、アホ」
すると茉麻はこちらを向いて言った。
「よく分かんないけど、何故か、あんたの前だと正直になれないのっ」
怒ったような表情をした後に、嬉しそうな顔をする。
俺は余計に茉麻の気持ちが分からなくなった。
「んー?何でだよ」
茉麻はちょっと考えた後に口を開いた。
「さぁ?あんたのことが大好きだからじゃないの?」
そう言うと彼女はまた顔を真っ赤にして、俺の胸に顔を埋めたのだった。
644名無し募集中。。。 :2006/09/29(金) 23:14:58.94 0
終わりです。
つまらないものでしたらすみません。
645名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 23:19:06.95 O
(・∀・)イイ!!
すげー良かったです
ツンデレまーさってのもいいですね

明日の集いに向けていい感じでテンション上がってきたー!
646名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 23:30:31.35 0
乙です!なんかちょっとまーさが好きになってる自分がいますww
647名無し募集中。。。:2006/09/29(金) 23:31:09.95 0
すいません、あげてしまいました・・・ごめんなさい
648花言葉:2006/09/29(金) 23:38:37.22 0
>>630の続きになります



「わ〜ぁ、ホントに土って売ってるんだね」
積み上げられた袋詰めの土を見ながら、菅谷は僕の肩をポンポンと叩いた。
「ウソじゃなかったでしょ?」
「うん!いっぱいある〜。これ全部、花用の土なの?」
「花だけじゃなくて、野菜用の土とかもあるから」
「そうなんだぁ」
はしゃぎながら、菅谷が僕の服を引っ張る。
「ねぇ、これな〜に?なんとか…ぬま?土?」
「あぁ、それが鹿沼土。水はけを良くする土なんだ」
「じゃあ、これを買うの?」
「うん。あっ!でも、そんなにいっぱいはいらないよ。あっちの中くらいサイズのやつで十分。そんな大きなの持てないしね」
「わかった!あとは…なんだっけ?」
「腐葉土だよ。あの黒いやつ」
聞くや否や、菅谷は僕が指差す方へと駆けていった。
「なにこれ〜。真っ黒だ!…なんか、ぐにゅぐにゅしてる」
袋ごしにツンツンと突付きながら、僕に笑いかける。
「漢字の通り、葉っぱを腐らせた土なんだ。栄養がいっぱいなんだって」
「じゃあ、これはいっぱい買うの?」
「ううん。これもそんなには要らないよ。栄養もあげすぎはよくないんだ」
「そうなの?」
「うん。じゃあ、菅谷は種と球根持ってよ。僕は土持つからさ」
買い物かごを菅谷に渡すと、僕は土を担いだ。
……結構重い。でも、そんこと言ってられない。
不安そうにこっちを見る菅谷に、ニコッと笑いかけると
「…じゃあ、レジ行こうか」
そう、声を絞り出した。
649花言葉:2006/09/29(金) 23:39:18.42 0
ゆっくりなペースで、学校へ…菅谷の秘密の場所へ向かっていた。
いつの間にか真上にまで来た太陽が、ジリジリと僕の肌を焼く。
「…だいじょーぶ?」
チェックのシャツを羽織った菅谷が、何度も僕を見る。
「うん。大丈夫だよ」
僕はその度にそう返す。
ホームセンターのレジのお姉さんが気を使って、二つの土入りの袋を持ちやすいように紐でくくってくれた。
その紐が僕の手に食い込んで跡をつける。
「あたしも…手伝った方がいい?」
「ううん。大丈夫。菅谷もいっぱい持ってるじゃん」
菅谷の手には種と球根が入った袋と…お菓子とジュースが入った袋があった。
特別にお小遣いを貰っていたから、種と球根と土のお金、僕が払うって言ったのに…。菅谷はそれを頑なに拒んだ。
結局割り勘になって…、浮いたお金がそのお菓子とジュースになっていたから。
「ホントに大丈夫だよ」
心配そうに僕を見る菅谷にそう言うと、
「…もう、お昼になっちゃったね。学校に着いたら、一緒にそのお菓子食べようよ」
と続けた。
「お菓子もいいけど…」
「ん…?どうしたの?」
菅谷はうつむいて、なにも言わない。
「…菅谷?」
「着いたら教えたげる。だから…」
「なに…?」
「がんばって…」
あのすがるような目で僕を見た。

僕って結構単純だな。
自分でそう思いながらも、やっぱり…元気が出てきた。
「…うん!がんばるよ」
650花言葉:2006/09/29(金) 23:39:55.62 0
「ふぅ〜。疲れた…」
秘密の場所までたどり着くと、僕は土の入った袋をドサッと置いてそのまま地面に座り込んだ。
「フフッ。お疲れさま。ハイッ!これ…」
「あ、ありがと」
菅谷が差し出したペットボトルを受け取って、一口飲む。炭酸が口の中ではじけた。
「これで、お花植えられるね?」
そう言って菅谷はニコッと笑う。
陽だまりに立つ菅谷はまるで…天使みたいだった。
「どうしたの?」
思わず見とれていた僕を、菅谷は不思議そうに見つめる。
「えっ…!あっ、ああ。うん。そうだね。…でも、ちょっと休憩しようよ」
「うん!」
菅谷は僕の隣に腰掛けた。
「お腹すいたから、お菓子食べようか」
僕は菅谷が持っているお菓子の袋に手を伸ばした。でも、菅谷はその袋をサッと引く。
「お菓子よりも…」
「えっ?あっ。そういえば、さっきもなんか言ってたね。お菓子もいいけど…とか、なんとか」
「うん…」
菅谷はモジモジしながら、肩にかけていたバックを探り出す。
しばらくゴソゴソしてたと思ったら、申し訳なさそうに弁当箱を差し出した。
「えっ!これって…」
「……」
「…菅谷が作ったの?」
「うん…。お母さんと一緒に…」
言いながら、菅谷は弁当箱を開けた。中にはサンドイッチがつまっている。
「うわっ!すごいじゃん菅谷!めちゃめちゃおいしそう!!」
「ホント…?」
「ホント!ホント!そういや菅谷って…」
「うん!料理クラブだも〜ん!」
自慢げにそう言うと、サンドイッチを一つ掴んでパクッと食べた。
651花言葉:2006/09/29(金) 23:40:34.56 0
まさか、菅谷の料理が食べられるとは思わなかったなぁ。
そう思いながら、僕はサンドイッチを口に運ぶ。
見た目通りとてもおいしくて、気が付くと弁当箱は空になっていた。
「おいしかった〜。…ありがと、菅谷」
僕がそう言うと、菅谷は照れたようにヘヘッと笑った。


「じゃあ、始めようか。はいこれ」
菅谷に軍手とスコップを手渡すと、僕も軍手をはめた。
菅谷も軍手をはめて、パンパンと両手を合わせる。
「菅谷は腐葉土と鹿沼土の袋の口あけて。はさみは僕のカバンの中に入ってるから」
「は〜い!」
僕は地面に大きなビニールシートを広げると、その上に殺菌しておいた土を広げる。
「出来たよ〜!」
「じゃあ、これと混ぜよう。比率は土が6で、腐葉土が3。鹿沼土は1の割合がいいみたい。母さんに聞いてきたんだ」
「…これくらい?」
「だいたいでいいと思うよ」
そう言うと菅谷はしゃがみこみ、スコップで土を混ぜ始める。
その間に、僕はカバンから底の浅い鉢をいくつか取り出して並べた。
「なにそれ〜?」
「えっ?あぁ。パンジーとかデージーを種から育てる場合は、一旦この中で発芽させるんだよ」
「なんでそんなことするの?」
菅谷はスコップで土をいじりながら首をかしげる。
「直接花壇にまいちゃうと、ヘンな風に密集したりしてきれいにならないんだ」
「そうなの?」
「うん。だから、ここで発芽させて、その後ポットっていうのに移して、最後苗になったら花壇の方に植え替えるの」
「へぇ〜。ホンっとによく知ってる。スゴイね」
僕は鼻の頭をかいた。そのしぐさを見て、菅谷はまた笑う。
「じゃあ、土をこの器に入れよう」
652花言葉:2006/09/29(金) 23:41:06.65 0
菅谷はスコップを使って、土を入れ始めた。
「土の量って、これくらいでいい?」
「うん、大丈夫」
言いながら僕もそれを手伝う。
「じゃあ、種をまこうか。菅谷も軍手とって」
軍手を取りながら僕は菅谷にそう言うと、パッケージされた種の袋を破る。
菅谷は待ちきれない様子で、僕を見ていた。
「いよいよだね。種まき」
「そうだね」
「ちゃんとできるかな…」
「大丈夫だよ。そんなに難しくないからさ。はい、菅谷。こぼしちゃダメだよ」
僕は菅谷の差し出された手の上に、種を移す。
「わ〜、ちっちゃいね。これが花になるの?」
「うん。この中に満遍なくまいていって。まず僕がやるから見ててね」
慎重に種をまいて、僕は菅谷を見た。菅谷は僕にニッと笑うと、僕の真似をして種をまき始める。
「あんまり、力入れて種掴んじゃダメだよ。つぶれちゃうからさ」
「うん!わかった!!」
僕はとりあえず手に持った種をまき終えると、残りを菅谷に任せて色と種類ごとに並べて置いた。
「とりあえず、パンジーとデージーはこれで終わり」
「これで終わり?土かぶせなくていいの?」
「うん。大丈夫」
「そうなんだ。…ちゃんと芽が出ますように…」
菅谷は手を合わせて土に祈りだした。
「あっ、そうだ。デージーはそのままでいいから、パンジーの方こっちにちょうだい」
そう言って、僕はパンジーの鉢を日陰の方へ移動させる。
「あれっ?日向に置いておかなくていいの?」
「パンジーは温度が高すぎると発芽しにくいんだ。だから芽がでるまでは涼しいところに置いておくの」
「へぇ〜」
653花言葉:2006/09/29(金) 23:41:50.97 0
「じゃあ、軍手して残った土を花壇のほうに移そう。チュ−リップも植えないといけないしさ」
「は〜い!チューリップ植えよう!」
僕は一旦花壇の中に居座っている小人たちをどけると、土を花壇の中に移動させる。
すぐに、菅谷も僕のまねを始めた。
その横顔をチラッとのぞき見る。菅谷の額には汗が浮かんでいた。
「…菅谷、大丈夫?疲れてない?」
「だいじょーぶ。おもしろいよ」
菅谷はムフフッと笑う。
「そうだ、場所どこにする?」
「場所?。なんの場所?」
「チュ−リップの場所だよ。チューリップを真ん中にして、パンジーとデージーをその左右に並べてもいいし…」
「うん」
「チューリップを一番端にしてもいいし。菅谷が決めなよ」
僕がそう言うと、菅谷は眉間にシワを寄せて「う〜ん…」とうなりだした。
「…どっちがいい?」
シワを寄せたまま僕を見上げる。
「そうだなぁ…。端っこにしたほうが、パンジーとかの植え付けがやりやすいと思うけど…」
「じゃあ、端っこにしよう!!」
菅谷は球根を掴みながらそう言った。
「じゃあ、この辺にしようか。10センチくらいの穴あけて…」
「うん」
「そこに球根を置いて…」
「うん!」
「後は土をかぶせて、おしまいだよ。あっ、間隔は結構大きめに取ってね」
「は〜い!!」
654花言葉:2006/09/29(金) 23:42:32.26 0
「出来たよ〜!!」
「じゃあ、はいこれ」
僕は菅谷に七人の小人を渡す。菅谷は楽しそうに、それを花壇の中に並べた。
「これで完成?」
「あとは水あげないと」
後片付けをしながら僕は答える。
「あっ!そっか!」
「うん。これが結構大変なんだ。グランドの方まで行かないと、蛇口がないから」
ゴミをまとめてビニール袋に入れると、置いてあるじょうろとバケツを手に取った。
「菅谷は待ってなよ。ついでにゴミも捨ててくるからさ」
そう言い残して、僕はグランドの方へ歩き出す。
ちょっと歩いてふと横を見ると、あたりまえのように菅谷が横にいた。
菅谷は僕と目を合わせるとニッと笑って、僕の服の袖を掴んだ。



鼻歌を歌いながら水やりをする菅谷を、地面に腰掛けて眺めていた。
ぺットボトルを手にとって一口飲む。もう炭酸はほとんど効いてなかった。
「ねぇ、ねぇ!!」
「ん?」
「水ってどれくらいあげればいいの?」
「結構たっぷりあげて。特にデージーはしっかりあげないと…」
「は〜い!わかったも〜ん!!」
楽しそうな菅谷の声が耳に気持ちよかった。
655花言葉:2006/09/29(金) 23:43:11.57 0
「お花植えるのって、大変なんだね」
水やりを終えた菅谷は、僕の隣に腰掛けて自分の分のペットボトルを飲み始めた。
「まぁね。…疲れた?」
「うん、ちょっと。でも、おもしろかった!」
僕を見つめて大きくうなずく。
「早く芽が出るといいなぁ。…どれくらいで芽が出るの?」
「そんな時間はかからないと思うよ。一週間くらいかな。チューリップは結構かかるかもしれないけど」
「楽しみだね!」
そう言ってまたジュースを一口飲む。
「そういえば、君も最初に植えたのチューリップだって言ってたよね?」
「そうだよ」
「…ちゃんと、お花咲いた?」
「うん。大丈夫だった。母さんも手伝ってくれてたしね」
「梨沙子のも…君が手伝ってくれればだいじょーぶだよね?」
菅谷は不安そうに僕を覗き込む。
「多分ね」
「たぶん…?」
今度はあの、すがるような目で僕の服を引っ張った。
「…絶対。絶対に大丈夫だ」
「良かった〜!」
「でも、しっかり水やりしないといけないよ。それに、パンジーとデージーは植え付けとかもあるし…」
「うん!わかってる!!」
ニコニコしながら、菅谷はまだなにも生えていない花壇を眺める。
「これからも、いろいろ教えてね」
「うん。…わかった」

僕は菅谷の横顔を見つめながらうなずいた。
656花言葉:2006/09/29(金) 23:43:51.27 0
一週間ほどが過ぎた。

相変わらず、僕は教室では大人しいまま。菅谷も教室ではほとんど僕に話しかけてこない。
でも、放課後になると当たり前のように花壇の前で顔を合わせていた。
僕にとっても、多分、菅谷にとっても。
あの場所は特別で居心地のいい、…まさに秘密の空間になっていた。

その日。
僕はやたらと菅谷と目が合うことに気が付いた。
菅谷は僕と目が会うと、なにか言いかけて…そのまま、微笑む。
その理由が放課後になってわかった。
といっても、だいたいの予想はついてたんだけどね。

「早く!こっち、こっち!!」
放課後。
人が少なくなるとすぐ、菅谷は僕の服を引っ張りながらあの花壇の方へと走り出した。
「す、菅谷!!引っ張んないで…」
僕は引きずられるように菅谷の後ろを追いかける。
「ほら!見て見て!!」
「なんだよ…。あっ!」
パンジーとデージーの鉢から、一センチに満たない芽が顔を出していた。
「発芽したんだ」
「うん!今日の朝、見にきたら芽が出てたんだ」
菅谷はニッと笑った。
「やったじゃん、菅谷!」
「うん!やった〜!!」
657花言葉:2006/09/29(金) 23:44:28.58 0
「第一段階はこれでクリアだね」
「でっ!でっ!この後どうするの?」
目を輝かせながら菅谷が僕に尋ねる。
「もうちょっと育ったら、ポットに移しかえて苗にするんだ」
「でっ?!」
また僕の袖を引っ張る。
「苗になって、花の元になるつぼみみたいなのが出て来たら、こっちの花壇に移しかえるの」
「それで完成?」
「ううん。花が咲いたらって、それで完成ってわけじゃないんだよ」
「そうなの?」
「ちゃんと手入れすれば、一つの株からたくさんの花を咲かせる。…すごくきれいになるんだ」
菅谷はニコニコして
「早く大きくなってね…」
と言いながら、芽に向かって手を伸ばす。
「あっ!触っちゃダメだよ!」
サッとその手が引かれた。
「まだ、赤ちゃんみたいなもんだからさ」
「そうなんだ…」
「うん。…じゃあ、パンジーの鉢をこっちの日当たりのいいほうへ移動させよう」
「えっ?いいの?」
「うん。芽が出たらしっかり太陽に当てないと」
僕はパンジーの鉢を移動させる。菅谷も手伝ってくれた。

その後、菅谷はまた鼻歌を歌いながら、水やりを始めて。
僕は地面に腰掛けて、そんな菅谷を見ていた。
658花言葉:2006/09/29(金) 23:45:01.34 0
「チューリップはまだ芽が出ないね…」
水やりを終えた菅谷は、僕の隣に腰掛ける。
「チューリップはまだまだだよ。芽が出るのはもっと寒くなってからだと思う…」
「えっ!?そうなの?」
「うん。でも、ちゃんと水やりしないといけないよ。芽は出てなくても、根は成長してるからさ」
「は〜い!…あっ、そうだ!」
菅谷はゴソゴソとカバンの中を探り始めた。
「あれ?」とか「どこいったんだろ?」と言う声が聞こえる。
僕は後ろ手にもたれて、空を見ていた。今日もいい天気。太陽が少し傾き始めていた。
「じゃ〜ん!」
という声に菅谷を見ると、菅谷は一冊の本を僕の方に向けていた。
「なに、それ。…『花言葉集』?」
「うん。この前買ったんだ」
菅谷はパラパラとページをめくり始める。
「あのね。これに、誕生花ってのが載ってるんだけど…」
「うん。それがどうしたの?」
「誕生花って…。なに?」
眉間にシワを寄せて僕を見つめた。
「誕生花って言うのは…どう言ったらいいのかな。毎日、その日の花ってのがあるんだけど…。どう説明しよう…」
「……??」
「う〜ん。そうだ!菅谷の誕生日っていつなの?」
「えっ!?…4月4日」
「じゃあさ、4月4日の誕生花、その本ではなにになってる?」
「えっと、ちょっと待って…。かすみ草って書いてあるよ。花言葉は…『清い心』だって!」
「じゃあ、菅谷の誕生花はかすみ草ってこと」
「あたしの誕生花、かすみ草なの?それって…誰が決めたの?」
「さあ、それは知らないよ。でも、多分花屋さんじゃないかな?」
「へぇ〜」
「……例えばさ」
僕は菅谷から目を逸らして口を開いた。
659花言葉:2006/09/29(金) 23:45:47.19 0
「例えば、菅谷の誕生日に…お花プレゼントしようと思ったとするじゃんか」
「えっ…?」
「そういうときに、贈る花が『かすみ草』って感じかな…」
僕はゆっくりと菅谷に目を向ける。
菅谷は夕日を浴びながら、照れたように微笑んでいた。
「……君のは?君の誕生花は?なんなの?」
「僕のはいいじゃん」
「え〜!教えてよぉ。誕生日いつなの?…ねぇ?ね〜ぇ」
菅谷はまた僕の袖をチョンチョンと引っ張り始めた。
「…8月31日」
「8月31日?わかった。ちょっと待ってね…」
言いながら、パラパラと本をめくる。
「えっとぉ。8月31日は……れんげ草だって。ちょっと梨沙子と似てるね。花言葉は…『心が和らぐ』?」
「…うん」
僕はうつむいたままうなずいた。
「…君にぴったりだ」
「そうかな…?」
「うん!だって、あたし君といるときはいつも……あっ…」
菅谷は少し頬を染めてうつむく。
「菅谷も…菅谷の花言葉とぴったりだよ」
多分、菅谷以上に頬を染めて僕はつぶやいた。

それっきり、二人ともなにも言わなかった。
ただ二人並んで、赤く染まりだした空を眺めていた。
660花言葉:2006/09/29(金) 23:53:04.10 0
次の日。
僕は風の音で目を覚ました。まぶたを擦りながら、カーテンを開ける。
空は真っ暗で、窓に土砂降りの雨がぶち当たっていた。
とりあえず、僕は階段を下りて一階のリビングへと向かった。
「おはよう。目が覚めた?」
母さんがテレビの天気予報を横目に、声をかけてきた。
「おはよう。外がすごいことになってるみたい。土砂降りだよ、昨日はあんなに晴れてたのに…」
「台風が来てるのよ」
「えっ!そうなの?」
「天気予報見てなかったの?前から言ってたじゃない…」
母さんはテレビを指差す。テレビの中にはカッパを着て横殴りの雨に耐えるアナウンサーが映っていた。
「そうそう。さっき学校から電話があって、今日は台風で休校にするそうよ」
「…マジで?」
「うん。だから、もうちょっと寝てていいわよ。それとも、先に朝ごはん食べる?」
「とりあえず食べようかな…」
眠気まなこのままテーブルに腰掛けると、母さんが朝食の準備をしてくれた。
僕は台風情報を伝え続けるテレビを見ながら、パンをかじった。

朝食を食べ終え、もうひと眠りしようと部屋に戻った。
何度も、ベッドの上で寝返りを打つ。
…眠れなかった。
苗のことが気になっていた。

…いやちがう。

菅谷のことが気になっていた。
661花言葉:2006/09/29(金) 23:53:34.90 0
「はい?」
部屋をノックする音に続いて母さんが入ってきた。
「母さん、ちょっと出てくる」
「えっ!どこに?台風なのに?」
「教室の苗見にいかないといけないから…」
母さんが言う教室とは、ガーデニング教室のことだ。
「…やっぱり、台風とか来ると大変?」
「教室のはほとんど室内で育ててるから、多分大丈夫だけど…一応ね」
「……」
「出かけちゃダメよ。なにかあったら大変だから」
「うん。…わかった」
「ちゃんと留守番してて、すぐ帰ってくるから」
そう言い残すと、母さんは雨の中出かけていった。
また、ベッドの上に寝転ぶ。頭の中は、またすぐに菅谷のことでいっぱいになった。

菅谷、まさかあそこに行ったりしてないよな?
土砂降りだし、家で大人しくしてる…?
僕はまた寝返りを打つ。

出かけちゃダメよ。なにかあったら大変だから。
母さんにそう言われた。

なにかあったら大変…。

そうだ!
菅谷になにかあったら大変だ!!

僕は飛び起きると、傘を引っつかんで家を飛び出した。
662花言葉:2006/09/29(金) 23:58:21.97 0
痛いくらいに、横殴りの雨が僕の体に打ち付けられる。
あまりの強風に、傘をさすことをあきらめて手に掴んだまま走っていた。
途中何度も顔に滴る水を拭う。
それでも、僕はただ必死に学校へと向かっていた。
校門を抜け、旧校舎に近付くと僕は目を凝らす。降りしきる雨の中、赤い傘と…小さな人影が見えた。
「菅谷ぁー!!」
僕の叫び声は、強い風と雨音にかき消されて菅谷までは届かない。
小さく舌打ちすると、僕はまた駆け出した。

「菅谷!!」
僕は菅谷の腕を掴んだ。
「あっ…ホントに……?」
菅谷はやっと僕に気付いて声を漏らす。
自分が濡れるのもかまわず、菅谷は傘を鉢の上に差し出して必死に支えていた。
「なにやってんだよ!!」
「だって…、だって、まだ赤ちゃんだって…」
そう言って鉢を見つめる。
鉢の上の一センチにも満たない小さな芽が雨に濡れていた。
「だからって…。なんかあったらどうするんだよ!」
「……ごめんなさい」
それでも、菅谷は傘を鉢の上に差し出したままだった。
その時。強い風が吹いて、菅谷の傘が根元からグニャと曲がった。
「あっ!!」
その拍子に傘は菅谷の手から離れ、どこかへ飛んでいってしまう。
「とっ、とりあえず、鉢を旧校舎の中へ移動させよう。菅谷手伝って!!」
「うん!!…でも、チューリップは?!」
「なんとかするから!急いで!!」
663名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 00:00:51.27 O

664花言葉:2006/09/30(土) 00:01:17.44 0
運良く鍵が開いていた教室に鉢を移動させると、そこに菅谷を残して僕はまた外へ出る。
風に吹き飛ばされて、じょうろや軍手、それにバケツも散乱していた。
僕は目を凝らして、木に引っかかったビニールシートを見つけると、それを花壇の上に広げた。
「クソッ!…あっ!」
風と格闘しながらなんとか敷いて、飛ばされないように隅に大きな石を乗せる。
ついでに七人の小人も回収してポケットにねじ込み、また教室へと戻った。

「ふぅ…」
思わずため息が出る。
教室の中には菅谷が、びしょ濡れのまま鉢を覗き込んでいた。
僕も菅谷に近付いて鉢の様子見る。
「…だいじょーぶ?」
心配そうな声が聞こえた。
「うん。パンジーもデージーも、多分大丈夫」
「そうじゃなくて…」
「えっ?あぁ、チューリップもちゃんとシートかぶせてきたから」
言いながら菅谷を見る。菅谷は僕を見つめていた。
「だいじょーぶ…だった?」
僕を見つめながらつぶやく。
「う、うん…」
「いっぱい濡れちゃったね…」
菅谷は僕の前髪に触れる。雫が木の床に落ちて染みを作った。
「…菅谷だって濡れちゃってるじゃんか」
そう言うと、菅谷は僕を見上げて目を閉じた。
僕は手を震わせながら、菅谷が僕にしたように菅谷の前髪にそっと触れた。
菅谷はパチッと目を開けると
「フフッ。顔真っ赤だよ〜」
と声を出して笑った。
665花言葉:2006/09/30(土) 00:01:51.23 0
教室の机に座って、窓の外を見る。
雨は止むどころか、ますます強く降り続いていた。
「なかなか、止まないね」
隣の席に座ってる菅谷が、つぶやくようにそう言った。
菅谷の机の上にはさっき渡した七人の小人が並んでいる。
「…そうだね」
そう言って僕は頭をかく。雫が机の上に垂れた。
「菅谷、寒くない?」
「うん。…ちょっと寒いかな」
「服、乾かさないと風邪引いちゃう…」
菅谷はゆっくりと僕を見て
「えっち!」
と舌を出した。
「ちっ!ちがうよ!そうじゃなくて…」
「ホントに〜?」
今度は、笑いを堪えるような顔で僕を見る。
照れくさくて目を逸らした。
「でも、ホントになんとかしないと…」
僕は立ち上がる。
「どこ行くの?」
「ちょっと見てくる。なにかあるかもしれないしさ」
扉の方に歩き出すと、あたりまえのように菅谷が横に来る。

菅谷は僕の服の袖…じゃなくて手を握ると、頬を染めながらニッと笑った.。
666花言葉:2006/09/30(土) 00:02:27.85 0
窓の外からは、雨の音だけが聞こえていた。
薄暗くて少し気味の悪い旧校舎内。所々で床が軋んでいやな音を立てる。
振り返ると二人分の足跡が並んでいた。
「なんにもないね」
「…そうだね」
「なんか物置みたい」
菅谷の言う通り、他の教室を覗いても、使われなくなった机や壊れたイスがあるだけ。
今の状況を変えてくれそうなものは、なにもなかった。

…今の状況。
僕の右手は菅谷の左手と繋がっている。
僕は緊張しながら、ぎこちなく菅谷の手を握っていた。
力を入れたら壊れてしまいそうなほどやわらかくて、…あったかい。
この状況を変える必要なんて…。
その手が急に引かれる。
「えっ!あっ、なに?」
「保健室って書いてある〜。行ってみようよ!」
菅谷は僕の手をぐいぐい引っ張ると、駆け出した。

僕は繋いだ手が離れてしまわないように、急いで追いかけた。
667花言葉:2006/09/30(土) 00:03:08.94 0
保健室の中は照明が足りないせいか、廊下よりいっそう薄暗く気味が悪かった。
「なんか…気持ち悪い…」
菅谷は僕の手をギュッと握る。
「……」
僕は無言でその手を握り返した。
ベッドはあったけど、さすがにもう布団まではなかった。
でも、仕切りのカーテンはまだちゃんとある。
薬が並べてあったと思われる棚は、見事に空っぽになっていた。
「あっ!」
菅谷がまた僕の手を引っ張って駆け出す。
「タオルいっぱいあるよ。バスタオルもある!」
「ホントだ」
僕はタオルを掴むと、触り心地を確かめて、ついでに匂いも嗅いでみた。
「ちょっとほこりっぽいけど、使えそうだね」
菅谷は僕を見てニコッと笑った。
「カーテンもあるしさ…。菅谷、体拭いたほうがいいよ」
「…うん」
「絶対、その…覗いたりしないから…」
「わかってる。じゃあ、あたし…」
そう言ってベッドの方へ歩き出す。でも、すぐに振り返った。
「ん?なに?」
「……」
菅谷は僕の手を見つめていた。しっかり繋がった僕の右手と自分の左手を。
「…あっ!」
僕は急いでその手を離す。
「やっぱり…えっちだ!」
「ちっ、ちがうって…!!」
菅谷はパタパタと走ってベッドに向かうと、シャッとカーテンを引いて…ペロッと舌を出した。
668花言葉:2006/09/30(土) 00:03:46.70 0
僕はカーテンに背を向けてシャツを脱ぐと、タオルを使って頭と体を拭く。
後ろから物音がするたび、僕の心臓は大きく跳ねた。

この後ろのカーテンの向こうで菅谷が……。
いや、ダメだダメだ!!
バスタオルに包まって、僕は何度も首を振る。
その時。ピカッと部屋全体が輝いて…。
「キャ!!」
「うおっ!!」
ものすごい雷鳴が轟いた。
「なに!?やだぁ…」
「おっ、落ち着いて!ただのカミナ…」
言い終わらないうちに、また地響きが…。
「キャッ!!!…もう、やだよぉ。こわい…」
「大丈夫。大丈夫だから。……菅谷?」
菅谷からの返事はない。
僕はゆっくりと振り返った。
カーテンの隙間から、真っ白い菅谷の左手が出ている。
「…ねぇ」
「えっ…?」
「ねぇたら…!」
菅谷はその手をヒラヒラと振った。
「…おねがい…」

僕はタオルに包まったままゆっくり近付くと、その手を握った。
669花言葉:2006/09/30(土) 00:04:22.42 0
カーテンに背を向けたまま、僕は差し出された手を握っていた。
もう、カミナリの音は聞こえない。それでもその手を離そうとは思わなかった。
「…大丈夫?菅谷」
「うん…」
菅谷の手はかすかに震えていた。僕はいっそうその手をしっかり握る。
窓の外の雨音を打ち消すほど、激しく心臓が高鳴っていた。
「…ねぇ」
「ん?なに?」
僕はとっさに振り返りかけて、…白く透き通るような腕が見えた。
「こっち見ちゃダメだよ」
「あっ!うん、わかってるよ」
慌てて目を逸らす。
「君…なんで来たの?台風なのに」
「えっ?」
「お花たちが心配だったから?」
「それもあるけど…」
「けど?」
「…菅谷が心配だったから」
僕は菅谷の手をギュッと握る。
「……」
菅谷は無言で手を握り返してきた。
「菅谷のことだから、無茶してるんじゃないかと思ってさ」
「え〜、なにそれっ!!」
「ハハッ!ゴメンゴメン。でも、ホントにいたからさ、…びっくりしたよ」

「ヒーローみたい…だったよ」

670花言葉:2006/09/30(土) 00:04:56.58 0
「えっ?」
「こわかったの。雨も全然やんでくれないし。風もすごかったし…。ちょっと、泣いてた」
「…そうなんだ」
「うん。…誰か助けて!!って思ったの。その時…君の顔が浮かんできて…」
「……」
「そしたら、ホントに君が来てくれたんだ」
「……」
「なんか言ってよぉ…」
「なんかって言われても…。ありがと」
「え〜!ヘンなの!」
「いやっ、あの…」
「それは梨沙子が言うんだもん。…ありがと」
「…うん。どうも」
フフッて笑い声が後ろから聞こえてきた。

「ねぇねぇ」
「ん?」
「こっち見ちゃダメだよ」
「うん」
「絶対ダメだからね!」
「わかって…」
そう言いかけたところで、急に繋いでいた手を引かれる。
「えっ…?」
チュッって音と共に頬にやわらかな、なにかが触れた。
「えっ、えっ!?」

「これはお礼だよ…」
ささやくような菅谷の声が耳に届いた。
671花言葉:2006/09/30(土) 00:05:42.91 0
服が大体乾いて、雨が小降りになった頃。
僕たちは服を着て、ようやく外に出た。
菅谷の傘はどこかへ飛んでいってしまっていたので、僕の傘に二人で入る。
さっきのことは、まるで夢の中の出来事だったみたいに、僕たちはいつもみたいな他愛のない話をして…。
でも、夢じゃなかったのを証明するようにしっかりと手を繋いでいた。

菅谷の家の前まで来て、ようやくその手が離れた。
「じゃあ。…また明日ね」
菅谷はそう言うと家に方へ駆け出す。
ドアを開ける寸前、もう一度僕に手を振ると、そのまま入っていってしまった。
僕は一人トボトボと家までの道を歩く。
途中何度も自分の右手を見て、そこに繋がっていた菅谷の左手を思い出しながら。

家に帰ると、僕は今までにないくらいの剣幕で母さんに怒られた。
どこに行っていたのか。
母さんはしつこく僕に尋ねてきたけど、僕は何も言わなかった。
帰ってきた父さんにゲンコツを喰らっても…、それでも絶対にしゃべらなかった。


あの場所は菅谷の…、菅谷と僕だけの秘密の場所だったから。
672花言葉:2006/09/30(土) 00:06:31.81 0
さらに三週間くらいが経った。

僕は約束どおり、菅谷と川原沿いの土手に座って咲き誇るコスモスを見ていた。
秋の風が草花の匂いを運んでくる。
「きれい…」
その風に向かって菅谷はつぶやいた。
「…そうだね」
僕も風に向かってつぶやく。
去年よりも、一昨年よりも。今年のコスモスはきれいだった。
それは多分、隣に菅谷がいるから。
「明日、一緒にパンジーとデージー…」
「うん。ポットに移植するんだよ」
「ちゃんと育ってよかったね!全部、君のおかげ」
「そんなことないって。菅谷もがんばってたよ」
「ホント?」
大きな目をパチリとさせながら僕を見る。
「うん。…特にあの台風の日とかさ」
菅谷は僕の言葉に少し困ったような顔になって…。
でも、僕が笑いかけると、それに答えるように笑い返す。
また優しい風が吹いた。コスモスも優しく揺れる。
「気持ちぃーね!」
菅谷は髪を風になびかせながら、僕の肩に頭を置いた。
僕は少し緊張して…、それでも肩を揺らせないようにしっかり支える。
心地よい重みを感じながら、僕は口を開いた。

「菅谷…。花言葉のことなんだけどさ。チューリップの…」
673花言葉:2006/09/30(土) 00:07:08.14 0
「……」
菅谷からの返事はない。
うつむきながら、僕は大きく息を吸い込んだ。
「じつはさ、思い出したんだ。チューリップの花言葉」
菅谷は少し体を震わせる。
「僕が言ってもいい?……その花言葉」
僕の心臓は、口から飛び出そうなくらいドキドキしていた。

「チューリップの花言葉は…」

「…うっ、うぅん…」
「えっ…?」
僕は菅谷を覗き見る。
菅谷は僕の肩に頭を乗せたまま、すやすやと寝息を立てていた。
「なんだよ…それ」
ガクッと力が抜けた。その拍子に肩が揺れ、菅谷はまた小さくうなる。
その仕草に思わず笑みが漏れた。
「まぁ…、いいか」
菅谷の髪をなでながら、そうつぶやいた。

チューリップが咲いたら、菅谷は僕にその花言葉を教えてくれる。
でも、『その言葉』は僕の方から伝えよう。
心にそう誓った。
だって…

チューリップの花言葉は『愛の告白』なんだから。

                          了
674花言葉:2006/09/30(土) 00:07:54.62 0
以上になります
長々とすいません
読んでくれた方ありがとうございます
675名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 00:19:39.47 O
お疲れ様でした

このりしゃこ可愛すぎるって

久しぶりに良いもの読ませてもらいました
676名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 01:10:56.88 0
乙です。これを読んでまた一層梨沙子が好きになりました。ありがとう!
677名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 01:13:12.70 O
やっぱ秋彩さんが最高ですな!!!
678名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 01:14:04.07 O
花言葉さん本当に激しく乙でした!

久々にりーちゃんがヒロインの作品を見ましたが本当にりーちゃんの可愛さが溢れている素晴らしい作品でした!

花や花を植える主人公に対するりーちゃんの無邪気な可愛さに何か気持ちが温かくなりました

多分書き方からスケッチブックやももちの人かと思いますが
また新作も期待させて下さい!
679名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 01:17:43.61 0
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::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
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680名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 01:36:14.56 O
乙乙!
681名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 02:25:40.78 0
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::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
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のにゅのにゅマン巡回中!
682932:2006/09/30(土) 02:25:58.36 O
花言葉さん、幼馴染さん乙です!

そういう自分はまだ仕事が終わらなく、今日はお休みになってしまいました(泣)
本当にすいません。
683名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 02:46:07.64 O
932氏ドンマイです
今日はもうお腹一杯ですからw
ゆっくりマイペースでおkです
684名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 04:39:40.74 0
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685名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 07:01:12.63 0
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マイハマン巡回中
686名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 08:03:22.06 O
687名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 08:24:44.21 0
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688名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 09:04:14.01 O
保全
689名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 10:51:24.05 O
保全
690名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 11:50:29.68 O
691名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 12:13:20.81 0
集いいけよ
692名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 12:22:40.22 O
今向かってる
終わったらその勢いで今書きかけのを完成させたい
693名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 13:22:31.38 0
ho
694名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 13:39:59.49 0
>>677
秋彩さんなんですか?
695名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 13:50:59.13 0
花言葉さん乙です!!
梨沙子可愛すぎ
1つ1つの行動がすごく梨沙子らしさが伝わってきてよかったです
花を育てることで2人の距離が縮まり主人公がすごく羨ましかったです
次の作品も期待してます
696名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 13:59:10.25 0
そして幼馴染さんも乙です!!
2人共お互いに好きだったんだね
これを読んで初めて茉麻を可愛いと思いました
ちなみに連載中の作品に「幼なじみ」っていう作品があるんですけど・・・
697名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 14:20:32.45 O
>>696
知ってはいたんですが、どうしてもそれ以外のタイトルが思いつかなくて、全て漢字にしました。
紛らわしくてすみません。
698名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 16:01:47.23 O
幼なじみは駄作
幼馴染は良作
699名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 17:15:27.95 O
700名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 18:04:32.63 O
701名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 18:04:56.07 0
花言葉さん幼馴染さん乙です
読むのがしんどいって幸せですね
ありがとうございます
932さん仕事乙です
702名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 19:01:59.52 O
秋彩さん、ディスたん、春さんが好きな作家上位ベスト3
703名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 19:43:18.38 0
絶対りしゃしゃだな
704名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 20:09:39.58 0
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705692:2006/09/30(土) 20:34:51.46 O
集い最高ですた
わざわざ大枚はたいて関西から行った価値ありました
帰りの新幹線で寝ちゃわなかったら小説やります
706名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 20:51:27.57 0
書いてほしい人とかのリクエストってしていいんですか?
707名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 20:55:17.94 0
あれる元だから程ほどにね
708名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 21:06:58.66 0
栞菜の小説を誰か書いてください・・・
709名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 21:41:11.76 O
>>708
たしか長期休載中の作品があったよな
「勇気の花を咲かせましょう」だっけ?
710名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 21:46:33.82 0
秋彩さんのやつね
711名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 21:47:57.88 0
ゆりちな小説お願いします
712だお ◆LywClp50Ag :2006/09/30(土) 22:45:57.89 0
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713名無し募集中。。。:2006/09/30(土) 23:30:38.12 0
714名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 00:32:01.01 0
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715名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 01:37:37.47 0
716名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 02:30:33.82 O
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717ケンジ:2006/10/01(日) 03:29:35.31 O
ディスが評価されるなんてWWW
展開在り来りで設定パクリみたいで特徴がなかったやん。
それともリア復活した頃一人で書いてたから同情の意を込めてるんか?

>>702
センスO。
718名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 07:13:38.06 0
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719名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 08:31:41.99 0
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720名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 09:51:01.97 0
721だお ◆LywClp50Ag :2006/10/01(日) 10:38:22.14 0
722名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 10:45:57.00 0
みぃ〜さんマダー(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
723まとめの人3rd ◆LHfSIMiHAM :2006/10/01(日) 11:29:52.22 0
ここまで
724名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 12:28:51.87 0
まとめの人乙です
725名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 13:27:48.58 0
726名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 14:21:15.79 0
ho
727名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 15:13:43.90 O
保全
728名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 15:14:05.44 O
投下待ち保全
729名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 16:29:51.85 0
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730名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 17:06:23.66 O
マニアック待ち
731名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 18:01:14.19 0
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732名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 18:52:39.97 0
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733名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 20:00:45.77 0
ho
734名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 20:12:47.90 O
投下待ち
735名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 21:10:33.18 0
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736名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 21:10:36.71 0
ze
737名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 21:45:22.37 0
n
738だお ◆LywClp50Ag :2006/10/01(日) 21:45:22.57 0
739名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 22:22:28.67 0
740名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 22:45:49.64 0
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741名無し募集中。。。:2006/10/01(日) 23:23:12.15 0
ディープ祭りに備えて保全気をつけましょう
742カノジョにノックアウト(仮):2006/10/02(月) 00:02:28.15 0
>>589

自分の部屋にあった荷物をめーぐるたちが使っていた部屋に移動した後は、なんだかいつもよりも
過剰に意識してしまって、本を読んでいためーぐるに

「ちょっと外に出て来るわ」

と言い残し、俺は早々に部屋を出た。
太陽はてっぺんから西に移動してきているけど、まだまだ十分な日差しが地上に振り注いている。
待望の夕食まではまだ時間があり、かといって海でひと泳ぎという気分でもなく、時間をもて余して
しまった俺は、昨夜の事を思い出した。

〜また明日の夜に会いたいな、ダメ?〜

夜にはまだまだ早いけど、あそこに行けばまた彼女に会える気がした。
743カノジョにノックアウト(仮):2006/10/02(月) 00:02:46.90 0

うだるような暑さではないがそれなりの暑さが全身を包み、汗がじんわりと体を伝っていく感触を
味わいながら、昨夜たどった道を逆に歩いていく。
知っている道ではあるけれど、逆にたどるというのは初めてで、その分目に飛び込んで来る景色は
新鮮ですらあった。

「ちょうどこの辺りだったな…」

そう考えながら歩いていくと、また祠のある小さな広場の地点に到着した。
時折セミの鳴き声が聞こえる以外に音のないこの世界で、道を覆っている木々の影がそこだけ途切れ、
陽の光が降り注ぐその場所は、何か神々しささえ思わせるような荘厳な雰囲気があった。
そして一脚だけ置かれている小さなベンチには、予想通り彼女が座っていた。

「また、会えたね」

彼女に向かって声をかける。

俺の声に振り向いた彼女〜りぃちゃんは、にっこりと笑った。

「また、会えたよ」
744932:2006/10/02(月) 00:03:05.25 0

また続きができたら書かせていただきます。
745名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 00:20:09.22 O
乙です
めーぐると何か起こるのかと思いきやりさこ登場ですか
続きが楽しみです
746名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 00:21:31.33 0
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747名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 00:56:12.65 0
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748名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 01:24:42.24 0
932さん乙です
おれもここでりーちゃん出てくるとは思ってませんでした
めーぐるも含めて夜が楽しみですね
749名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 02:49:35.13 0
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750名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 05:12:54.15 0
751名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 07:18:45.18 0
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752名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 08:25:48.29 O
753僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 08:44:23.58 0
俺は公園のベンチにいる。
1年前の今日、ずっと一緒にいた幼馴染が転校した。
一緒にいるのが当たり前で、大切な存在だったことに気づいたのは失ってからだった。

「はぁ〜。舞波元気かなぁ?」
俺は空を見上げながらつぶやく。
見上げた空はあの日みたいにキレイな水色をしている。
「元気だよ。」
…えっ!?
誰もいないはずの公園で俺以外の声がした。
しかもこの声は…
声のした方を振り向くと、
「舞波!?」
「久しぶり!」
舞波は1年前と変わらない笑顔で手を振ってる。
「いや、久しぶりって…何でいるんだよ?」
「ん〜。そろそろ君が寂しがってる頃かと思って。」
「べ、べつに寂しくなんかねーよ!」
「じゃあさっきのは?」
「あれは…その…ただ…幼馴染をだな…」
わけのわからない言い訳をしてる俺に舞波はクスクスと笑い出した。
「何がおかしいんだよ?」
俺はなんだか恥ずかしくなって、それを隠すために少し強めの口調で言った。
「いや、べつに〜。」
そんな俺におかまいなしで舞波は笑い続ける。
754僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 08:45:04.67 0
「本当は、お父さんがこっちに用事があるって言うから一緒に連れてきてもらっただけだよ。」
「あぁ、そうなんだ。」
「残念だった?」
「何が?」
「君に会いに来たんじゃなくて。」
「その話しはもういいよ。」
俺は苦笑いしながら答えた。
「フフ…。そうだね。ごめん。」
と、舞波は軽く笑った。
「ってか、なんで連絡くれなかったんだよ?」
「だって君、メールしても返事くれないから…。」
「うっ…。それは…ごめん。」
転校してからも舞波からはたまにメールが来てたけど、俺はあまり返してなかった。
「君は昔から本当にめんどくさがりだよね〜。」
「…うん。」
「まぁ、でもそのおかげで驚かせれたからいいけどね!」
そう言って舞波はいたずらっぽく笑った。
なんだかあの頃に戻れたような気がしてうれしかった。
755僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 08:45:43.33 0

「あのさ、今から桃ちゃん達と一緒に遊園地行くんだけど、一緒に行かない?」
「え?なんで?ってか”達”って?」
「桃ちゃんの彼氏…。3人じゃ、気まずいでしょ?」
「あぁ。確かに。」
「行ってくれる?」
「う〜ん…。いいよ。」
「ホントに?」
「うん。」
「よかったー。ありがと!」
「いえいえ。」
満面の笑みでお礼を言う舞波に俺は少し照れながら答えた。
「このまま行っても平気?」
「あぁ、大丈夫だよ。」
「じゃあ行こっか!」
こうして俺は舞波達と遊園地に行くことになった。
なんかWデートみたいだな。…なんて思ったり。
でも遊園地かぁ…
756僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 08:47:34.70 0

駅へ行くともう嗣永とその彼氏は待っていた。
「桃ちゃん!」
「舞波っち!久しぶり〜♪」
嗣永は彼氏を置き去りにしてこっちへ手を振りながら走ってきた。
「久しぶり!遅くなってごめんね。」
「ううん。私達も今来たとこだから。」
嗣永と舞波は改札のほうへ歩きながら話す。
それから俺達は一応、一通りのあいさつを済ませて電車に乗った。
電車の中でも嗣永と舞波は2人で話してて、取り残された俺と嗣永の彼氏は気まずい雰囲気だった。
それでも遊園地までは2駅で、あっという間だった。
電車を降りてからは嗣永と彼氏、舞波と俺の2人ずつで歩くようになった。
757僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 08:52:18.20 0

「何から乗る?」
入場するなり嗣永が3人に質問する。
「まずは軽いのからがいいよね。」
舞波が1番に答える。
「じゃあ、コーヒーカップとか?」
舞波は「う〜ん…。」と言いながら周りをキョロキョロと見回し始めた。
どうやらコーヒーカップはイヤらしい。
「あっ!あれがいい!」
そう言って差した指の先にあったのは…
「え〜?お化け屋敷?」
嗣永が嫌そうに言う。
「うん。やっぱ最初はお化け屋敷からでしょ?」
「それは舞波っちだけだよ〜。」
「そうかな?楽しいと思うけど…。」
嗣永と舞波のやり取りを俺は内心ドキドキで見てた。
お化け屋敷だけはやめてくれ〜。
「いいじゃん。お化け屋敷で。」
それまで黙ってた嗣永の彼氏が言う。
このタイミングで話すのかよ…。
「え〜?桃、怖いもん!」
嗣永、ナイス!
「大丈夫だって。俺が守ってやるから。」
こいつ…。
「う〜ん。…じゃあいいよ。」
「じゃあ決まりだね!」
舞波はうれしそうにお化け屋敷のほうに歩き出した。
途中で思い出したかのように振り返って、
「あっ、君も大丈夫だよね?」と、俺に言う。
この状態で断れるわけもなく俺はうなずいた。
一番恐れてたことが最初に来るとは…
758僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 08:52:52.33 0

嗣永の彼氏の提案により、俺達は2人ずつに分かれて入ることになった。
提案を聞いたときは、ただ嗣永と2人になりだけじゃねの?って思ったけど、
俺もこの方が楽だから同意することにした。
「じゃあそろそろ行こっか?」
先に入った嗣永達が見えなくなったのを確認してから舞波が言う。
「えっ?あぁ。」
俺の返事を聞くと、舞波はスタスタと歩き出した。
後ろで気合を入れてた俺は慌てて舞波を追いかけた。

「うわっ…。うわっ!」
俺は何かある度にビクビクと声を出していた。
そんな俺とは対照的に舞波は平然と歩いてる。
「舞波は怖くないのかよ?」
「うん。楽しいよ?」
「そうか…。」
「もしかして君、怖いの?」
「こ、怖くなんかねーよ。」
「ふーん。じゃあ先に行っていい?」
「ダメに決まってるだろ!」
「え〜?なんで?」
舞波はニヤニヤしながら聞いてくる。
これ以上隠すのは無理だな…。
ここで強がって置いてかれたりしたら終わりだし。
「…怖いからです。」
「仕方ないなぁ〜。」
そう言って舞波は手を差し出した。
俺はしっかりとその手を握る。
俺達は手をつないで一緒に(というか、舞波の後ろに隠れながら)お化け屋敷を歩いた。
情けないなぁ…。
759僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 08:54:20.23 0

「うわぁぁぁ!!」
出口が見えて安心した瞬間、最後の仕掛けが俺達を襲った。
舞波もこれにはビックリしたらしく呆然としていた。
俺はというと、怖さのあまりに腰を抜かした。
「大丈夫?」
我に返った舞波が俺の方に振り返って言う。
「…え?」
俺はロクに声も出せない状態だった。
「大丈夫?立てる?」
そう言って舞波は俺の前にしゃがんだ。
「ご、ごめん…。腰抜けて動けない。」
「え!?大丈夫?」
「う、うん…」
「ホントに大丈夫?係りの人呼んで来ようか?」
「いや、大丈夫。ってか離れないで…。」
うわっ!俺何言ってんだ?
自分の言った言葉にビックリした。
「えっ…」
俺以上に舞波の方がビックリしたみたいで、また呆然としてしまった。
俺は慌てて言い訳をした。
「あっ!いや…その…手伝ってくれれば立てるから…。」
「あぁ…そうだね。」
760僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 08:55:30.07 0

気まずい感じになりながらも立つのを手伝ってもらい、なんとかお化け屋敷を出ることができた。
出口の前では嗣永達が待ってて
「おそーい!!」と、怒られてしまった。
「ごめ…」
「ごめんね。思ったより怖くて…。」
俺が謝りかけたところで舞波が謝ってくれた。
あんなに迷惑かけた上にかばってもらうなんて…
本当情けないな…

「じゃあ今度こそコーヒーカップね!」
嗣永はどうしてもコーヒーカップに乗りたいらしい。
今度は舞波もOKして、俺達はコーヒーカップ乗り場に歩き出した。
歩き出したものの俺はまだ震えが止まらなくてうまく歩けなかった。
761僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 08:57:04.79 0

「桃ちゃん、ちょっと休憩してっていい?」
「なんで?どうしたの?」
「ちょっと足が震えちゃって…。」
「え?全然震えてないけど…?」
嗣永の言うとおり舞波の足は全く震えてなかった。
「あ?えっと、歩き出したら震えちゃうの!」
「そうなの?じゃあ仕方ないね。」
「あっ、桃ちゃんたちは行っていいよ!」
「なんで?」
「せっかく来たのに休憩に付き合ってもらうのは悪いし…。」
「そんなのちょっとくらい気にしなくていいよ!」
「でも彼氏さんにも悪いし…。」
舞波は少し先で待ってる嗣永の彼氏の方をチラッと見た。
「う〜ん。…じゃあ、休憩終わったら連絡して?」
「うん。わかった。ごめんね。」
舞波はペコッと頭を下げた。
「気にしないで!じゃあまた後でね♪」
嗣永は笑顔で手を振り彼氏の方へ走って行った。
そんな嗣永に舞波も笑顔で手を振り返す。
なんで舞波は休憩したかったんだろう?
762僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 09:00:26.67 0
舞波卒業記念に書いてみました。
続きは夕方頃に書き込む予定ですけど、続けてもいいですか?
763名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 09:06:35.10 0
カマーン
764名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 09:14:09.90 O
765名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 10:00:10.88 0
>>762
乙蟻!待ってます
766名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 10:25:08.51 O
>>762
乙です
楽しみに待ってます
767名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 11:59:55.02 O
乙乙!
768名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 12:49:20.43 0
:::::::::::::::::::::::::::::.     
::::::\:☆ノノハ 乙クゥ〜ン 
::::::ミゝ从 ^w^)つ 
::::::⊂__つノ 
マイハマン巡回中!
769名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 14:09:07.35 O
770名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 14:38:08.10 0
>>762
乙であります
お願いします!!
771名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 14:44:33.59 O
>>762
乙です!!
続き待ってます
772名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 15:40:44.58 O
投下待ち
773名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 15:54:43.41 0
あれから1年か…

早いな、舞波(つД`)
774名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 17:23:22.19 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
775僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 17:37:06.56 0
>>761

舞波は小さい頃から細かいことに気づいて、よく助けてくれたなぁ。
風邪のときも1番に気づいてくれたっけ?
それに比べて俺は鈍感で舞波の体調が悪いときとか全然気づかなかったなぁ。
転校する事だって聞くまで知らなかったし…。
俺はベンチに座りながらボーっとそんなことを考えていた。

「君がお化け屋敷怖いなんて知らなかったなぁ。」
舞波が俺の顔を覗き込んで、いたずらっぽく言う。
その表情はなんだかすごく優しく感じた。
「お化けは…仕方ないだろ?」
「それにしても怖がりすぎだよー。」
「舞波は平然としすぎだよ。」
「え〜?そんなことないよー。」
「そんなことあるんだよ。」
「でも最後のは怖かったよ!」
「あぁ、あれは怖かった。ってか驚いたな!」
「腰抜かしたくらいだもんね〜。」
「ハハハ…そうだな。」
俺も舞波もずっと笑いながら話した。
俺は笑うしなかなったんだけど…。

「そろそろ合流する?」
「え?あぁ、そうだな。」
言われるまで嗣永達のことを忘れた…。
もっと2人でいたかったなぁ…。
776僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 17:40:34.04 0
飛ばして書き込んでしまいました。。。

>>761>>775の間に


「じゃああそこのベンチで休もう。」
クルッと俺の方に振り向いて、前のベンチを指差す。
「え?あ、うん。」
俺はわけもわからないままうなずいた。
「あそこまでは歩けるよね?」
「え?…うん。」
舞波は俺を休憩させるために休憩したいって言ってくれたんだと、この時初めて気づいた。
777僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 17:43:08.16 0

舞波が連絡するとすぐに嗣永達はやってきた。
「もう震えは止まったの?」
嗣永が心配そうに舞波に聞く。
「うん。もう大丈夫だよ。」
笑顔で舞波は答える。
そういえば、俺のせいで嘘ついたんだよなぁ…。

それからは4人でいろんな乗り物に乗ったり、買い物したりであっという間に時間は過ぎた。
「次で最後だね。」
嗣永に言われて時計を見ると、閉園まであと30分になっていた。
「そうだね。あっという間だったね。」
舞波も時計を見上げながら言う。
「じゃあ最後はやっぱりあれだよね?」
「あれだよね!」
あれ?あれってなんだ?
盛り上がる嗣永と舞波に全くついていけない。
「じゃあ行こう!」
何かわからないままついて行った先にあったのは…

「やっぱ最後は観覧車だよね!」
嗣永が目をキラキラさせながら言う。
「私、ずっとここの観覧車乗ってみたかったんだ〜!」
舞波も目をキラキラさせていた。
女って観覧車が好きなのか?

「じゃあもう時間もないし乗ろ♪」
ここでも嗣永の彼氏の提案で2人ずつに分かれて乗ることになった。
778僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 17:44:19.64 0

「わー!すごいキレイだね!」
向かいに座ってる舞波はうれしそうに外を見ている。
「…うん。」
「あれ?どうしたの?」
「俺…高いとこダメなんだよね…。」
「えぇ!なんで乗る前に言わなかったの?」
「…だって、ずっと乗りたかったんだろ?」
「もー。また腰抜かしても知らないよ?」
「うわっ!」
舞波は席を立つと、俺の隣に座って手をつかんだ。
「こうしてたら怖くない?」
「…うん。」
観覧車は怖いけど、このまま時間が止まったらいいのに…。
それでもすぐに時間は過ぎて、あっという間に終わってしまった。

観覧車から降りると閉園5分前で俺達は急いで出口へ向かった。
帰りの電車はすごい混んでて俺達は押し潰されそうで大変だった。
779僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 17:45:32.50 0

駅で嗣永達と別れてから、俺と舞波は舞波のおじさんが来るまで近くのファミレスで時間を潰すことにした。
「今日は何時に帰るの?」
「んーっと、21時。」
「まだ2時間くらいあるな。」
「うん。」
帰る時間を聞いたら急に現実に引き戻されたような気がした。
魔法が解けるってこんな感じかな?

「今日は楽しかったね!」
黙り込んでた俺に舞波は笑顔で言う。
「うん。」
「君の弱い部分もいっぱい見れたし。」
舞波は思い出したようにクスクスと笑い出す。
「うるせーよ。」
「そんな態度取ると、言いふらすよ?」
「それだけは勘弁してください。」
俺は慌てて頭を下げた。
「嘘だよ。誰にも言わないよ。」
「ホントお願いします!」
「はいはい。」

この後はお互いの学校の話しとか、いろんな話しをした。
そうしてるうちにあっという間に時間は過ぎて、時計の針は20時半を差していた。
「あと30分か…。」
「ホントだ!じゃあそろそろ行かないと。」
「そうだな。」
お店を出て、舞波のおじさんが迎えに来る場所まで歩く。
こんなに時間を早く感じたのは初めてかも…。
780名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 18:03:22.44 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
::::::.ミゝ从*´∇`)つ  
::::::⊂__つノ
のにゅのにゅマン巡回中!
781名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 18:09:47.65 O
僕のシンデレラさん乙です!!
782僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 18:29:48.99 0
>>779

「あっ!もう来てる!」
100mくらい先に舞波のおじさんの車が停まっていた。
「じゃあ、今日は本当にありがとうね!」
「うん。俺の方こそありがとう。」
「じゃあね!バイバイ♪」
「うん。バイバイ。」
舞波は笑顔で手を振ってから車の方に歩いて行く。
これでまたしばらく会えないんだなぁ…。

「舞波!」
俺は思わず呼び止めてしまった。
「なに?どうしたの?」
舞波は不思議そうに振り返る。
「あのさ…また会えるよね?」
「何それ?」
俺の変な質問に舞波は笑い出す。
「いや、会えるよねって…。」
「う〜ん。君がどうしても会いたいって言うなら会ってもいいけど?」
「えっ…。」
しばらく沈黙が続いた。
783僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 18:31:33.00 0

「じゃあもう行くね。」
舞波は再び車の方に歩き出してしまった。
「あっ…待って!…会いたいよ!どうしても…。」
「何で?」
クルッと振り返っていたずらっぽく言う。
「何でって…。」
「どうしてもなんだから理由があるんでしょ?」
「それは…。」
「それは?」
「好き…なのかも…。」
「かも?」
「うん…。たぶん…。」
言い切れない自分に腹が立つ。
それでももういっぱいいっぱいでこれ以上は言えなかった。
「フフ…、じゃあ仕方ないから会いに来てあげるよ。」
「えっ?ホントに?」
「うん。」
「あ、ありがとう。」
俺は照れ隠しで頭を掻きながらお礼を言った。
「じゃあ、今度こそ行くね!」
「うん。」
「…私は、かもじゃないよ。」
「えっ!?」
「バイバイ、またね♪」
それだけ言うと、舞波は走っていってしまった。
784僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 18:34:37.93 0

かもじゃないって…。

車に着いた舞波は、笑顔でこっちに手を振ってる。
俺も仕方なく笑顔で手を振って応えた。

今度会ったときは俺も”かも”は抜きで伝えよう。

舞波、大好きだよ!
785僕のシンデレラ:2006/10/02(月) 18:38:11.98 0
これで終わりです。
1日で書き上げたんでうまくまとまってないですけど…。
大好きな舞波のために書きましたw
786名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 18:38:54.63 0
舞波大好きw
787名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 19:16:16.20 O
788名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 20:18:31.15 0
乙です
789名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 20:31:01.07 0
>>785
乙です!!
すごく良かったですよ
舞波が積極的なのがいいね
790名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 20:35:01.53 O
791名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 21:14:18.35 O
保全
792名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 21:51:27.70 0
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::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
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マイハマン巡回中!
793名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 22:21:57.44 0
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::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
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マイハマン巡回中!
794だお ◆LywClp50Ag :2006/10/02(月) 22:50:08.15 0
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::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
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795お願いします!:2006/10/02(月) 23:29:38.81 0
千奈美がヒロインのをお願いできますか??
796名無し募集中。。。:2006/10/02(月) 23:40:32.40 0
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797名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 00:47:04.61 0
798名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 02:14:28.66 0
799名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 04:13:17.31 0
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のにゅのにゅマン巡回中!
800名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 06:41:04.38 0
ho
801名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 08:02:54.99 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
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802名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 09:45:57.27 0
otu
803名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 10:29:40.60 O
804名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 12:43:40.48 O
805名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 13:44:20.29 0
806名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 14:29:43.97 O
807名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 15:40:47.95 0
808お願いします!:2006/10/03(火) 16:11:23.43 0
お願いできますか??
809名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 17:15:45.15 O
810名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 18:10:33.66 0
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811名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 18:54:15.19 0
>>808
とりあえずsageようぜ
やり方わかんないの?ならE-mailの所に「sage」って入れるだけだよ
812名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 19:40:37.96 0
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::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
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813名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 20:29:06.23 0
hozen
814名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 20:45:51.53 O
投下待ち
815名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 21:57:22.44 O
ho
816808:2006/10/03(火) 22:21:35.71 0
811さんこれでいいですか??
817名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 22:58:20.98 O
818名無し募集中。。。:2006/10/03(火) 23:39:13.11 0
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::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
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819名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 00:38:51.47 0
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820名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 02:23:01.58 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
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821名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 04:27:42.72 0
822名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 06:02:36.75 O
823名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 09:05:12.04 O
824名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 10:29:10.88 O
ディスタン、マニアック復活待ち保全
825名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 11:30:19.91 O
826名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 13:09:04.34 O
827名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 13:09:30.11 0
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828名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 13:55:16.55 O
829名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 16:08:21.51 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
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830名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 17:52:15.83 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
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::::::⊂__つノ
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831名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 18:06:21.83 0
あれ?作者さん来なかったんだ
832名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 18:46:32.90 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
::::::.ミゝ从*´∇`)つ  
::::::⊂__つノ
のにゅのにゅマン巡回中!
833名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 19:47:58.87 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
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834名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 20:42:13.90 0
今夜に期待保全
835名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 21:39:39.23 0
836だお ◆LywClp50Ag :2006/10/04(水) 21:55:12.44 0
ほほ
837名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 22:08:18.36 O
932さん投下待ち保全
838名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 22:44:51.30 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
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839カノジョにノックアウト(仮):2006/10/04(水) 22:49:43.76 0
>>743

りぃちゃんは笑顔で自分の横のスペースを、ぽんぽんと叩いた。
どうやら隣に座れ、という事らしい。
その指示に従って、俺はりぃちゃんの横に「よっこいしょ」と腰を降ろした。
間髪いれず『ばしっ』と、りぃちゃんが俺の背中を叩く。

「やぁだ、はやた君。おじさんみたーい」
「おじさんて…」
「りぃの前ではよっこいしょ禁止」
「うはー、気をつけます…」
「あー、でもよかったぁ。ちょっと早かったけど、はやた君来てくれて」

りぃちゃんは笑顔のままだったけど、その言葉には実感がこもっていた。

「ちょっと早かったって、りぃちゃん、もしかしてここでずっと待ってる気だったの?」
「う〜ん、まぁ、そんなような……えへへ、でもいーの、ちゃんと来てくれたから。来てくれない
んじゃないかって、ちょっとドキドキしてたんだよ」

胸に手をあて前後に動かして『ドキドキ』という仕草をするりぃちゃんがなんだかおかしくて、
知らず知らずのうちに俺も笑顔になっていた。
840カノジョにノックアウト(仮):2006/10/04(水) 22:50:33.79 0

それから、俺とりぃちゃんはいろんな話をした。と言っても昨日とほぼ同じで、俺がりぃちゃんに
学校で起きた話や、友達の話や、家族の話を聞かれて話すというパターンが殆どだったけど。
それでも、りぃちゃんはこの町で起こった出来事や自分のお母さんの事などを話してくれた。
俺やめーぐるが何年も前から毎年ここに来ている事もちゃーんと知っていた。
昨日初めて出会ったのに、すぐに仲良くなれたのも(りぃちゃんによる所が大きいけど)そのせい
かもしれない。

「そうだ、もうすぐねぇ、ここから夕焼けが見えるの。すっごいきれいなんだから」

と言って、りぃちゃんは視線を空に向けた。
俺は、夕焼けよりも、透き通るような白いりぃちゃんの横顔が夕日で染まったら綺麗だろうなぁと
思った。
841カノジョにノックアウト(仮):2006/10/04(水) 22:52:23.01 0

毎年ここに来ているのに、この町で夕焼けを見るのは初めてだった。
たぶん、この場所がちょっとした丘みたいになっていて、ぽっかりと視界が開けて町や田畑や流れる
川や海が一目で見通せる最高の場所だということもあるんだろう。
俺は、夕日の光を浴びて眼下に広がるパノラマが、これほどまでに圧倒的なスケールで迫ってくる
とは流石に想像していなくて、

「すげ……」

と、それだけ言うのが精一杯だった。
遥か向こうまで広がる空は胸いっぱいになりそうな夕焼けで、俺やりぃちゃんも含めて何もかもが
真っ赤に染められていた。

「きれいでしょ。夜も星がいっぱいですごいんだから。ここ、町の人も知らない、りぃのとっときの
ヒミツの場所なんだよ」
「うん、確かにとっときだ。俺、りぃちゃんと一緒にここから見た景色は一生忘れないと思う」

そう言うと、りぃちゃんは「えへへー」と満足そうに笑った。
いつのまにか、俺たちは手をつないでいた。
842932:2006/10/04(水) 22:52:39.91 0

遅くなりました。
また続きができたら書かせていただきます。
843名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 23:24:49.50 0
乙です
りーちゃんが幽霊じゃない気がしてきた…
どっちなんだろう…
844808:2006/10/04(水) 23:29:25.76 0
作者さんおねがいします↑↑
845名無し募集中。。。:2006/10/04(水) 23:55:24.74 0
乙です
りさこが可愛いですね
846名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 00:16:24.28 O
847名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 00:34:57.22 0
ワンダDVDのりぃを見ながら保全
848名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 01:30:09.71 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
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849名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 02:09:28.21 0
久々に1000まで行くかな保全
850名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 03:12:31.48 0
851名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 05:33:47.64 0
ze
852名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 06:39:35.75 O
n
853名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 07:32:08.60 0
ho
854名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 08:43:38.27 O
855名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 09:41:49.72 0
856名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 10:44:57.92 O
857名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 11:41:06.37 O
858名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 12:58:20.74 0
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::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン 
::::::ミゝ从 ^w^)つ 
::::::⊂__つノ 
マイハマン巡回中
859名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 14:06:14.27 O
このスレ1000までいったら、作者さん達が戻ってきてくれると信じて保全
860名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 14:50:47.89 O
861名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 15:28:11.77 O
862名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 17:32:04.36 O
前にもそんな書き込みあったな
863名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 18:17:42.32 0
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::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
::::::.ミゝ从*´∇`)つ  
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のにゅのにゅマン巡回中!
864名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 18:49:15.57 O
保全
865名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 19:38:47.27 O
投下待ち
866名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 20:16:37.28 O
867名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 20:57:38.26 0
868名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 21:35:40.85 0
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869名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 22:18:52.03 0
870だお ◆LywClp50Ag :2006/10/05(木) 22:38:54.75 0
   / ̄\
   ∨***\
   川VvV) <このスレ、保全しよう!!
   (_llvll_⊃━☆
  /ノ人ヾヽ
 .  ̄∪∪ ̄
871名無し募集中。。。:2006/10/05(木) 23:13:13.26 0
872名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 00:00:07.72 0
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873名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 01:12:32.97 O
874名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 02:23:32.06 0
875名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 03:38:36.91 0
876名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 06:41:24.30 0
n
877名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 07:57:03.11 O
878名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 09:42:31.81 O
879名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 10:29:58.45 0
880名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 11:56:31.66 0
881名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 13:06:33.82 O
882名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 14:01:59.97 0
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883名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 17:19:02.84 O
投下待ち
884名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 17:56:34.10 0
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885名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 18:57:56.58 O
886名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 19:27:02.97 0
じゃあこのスレが1000いったら昔の作者さんは復活してください
私からのお願いです
887名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 20:45:19.83 O
保全
888名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 21:34:43.76 0
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889名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 22:32:51.67 0
890だお ◆LywClp50Ag :2006/10/06(金) 22:55:15.38 0
891名無し募集中。。。:2006/10/06(金) 23:51:13.64 0
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892名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 00:09:26.13 0
キモイのでも書くか
893名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 00:35:42.40 0
>>892
おながいします
894名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 01:00:52.90 0
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::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
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895名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 01:13:06.89 0
               ∧______
     _─ ̄ ̄─_E ̄/ |☆ノノハ  ..\
 _─ ̄    _─<Eニ|.  |从*’w’)   ..|
     ─ニ三 <<Eニ|  \| ( っ¶¶o)   |
  ̄─_     ̄─<Eニ|   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
      ̄─__─ ̄E_\______/
                ∨
       マイハマン巡回中!!
896名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 02:35:03.15 0
897名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 03:26:39.08 0
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898名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 04:29:44.20 O
>>890
>>1※ 基本的に、コテは作家のみで
899名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 06:42:18.86 O
>>886
かなり間隔空いてますが、次スレあたり頑張ってみます
900名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 07:40:13.68 O
保全
901名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 08:38:42.46 O
902名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 08:55:04.90 0
>>898
ヒント:マルチ
903名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 09:33:57.31 0
「Risako」
904名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 11:17:57.46 O
905名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 11:18:49.72 O
906名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 12:18:50.11 O
932氏待ち保全
907名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 13:21:08.74 0
908名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 14:36:54.07 0
909B工:2006/10/07(土) 16:38:33.45 O
お久しぶりです。

色んな作者さんの作品を見てしみじみ自分が情けなくなりました…

皆さんの復活本当に楽しみにしています。
910B工:2006/10/07(土) 16:40:01.60 O
上げてしまいました。

邪魔者は退散します…
911名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 17:38:55.36 O
昔の作者さん次スレから頑張って
912名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 18:09:54.80 O
本物なら戻って来いよ
913名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 18:57:37.70 0
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914名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 19:06:12.36 O
ディスタン、マニアック待ち
915名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 20:20:18.24 O
916名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 20:21:40.03 0
春たん待ち
917名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 20:35:09.59 0
小学なんとか待ち
918名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 21:51:09.54 O
919名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 22:40:08.20 0
920名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 23:19:14.27 0
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921名無し募集中。。。:2006/10/07(土) 23:54:42.40 0
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922名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 00:19:00.72 0
この時間帯が勝負なのだ保全
923だお ◆LywClp50Ag :2006/10/08(日) 00:20:15.18 0
糞スレ認定
保全だらけのキモイスレ
924名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 00:49:47.47 0
>>923
保全ありがとう
925名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 01:44:51.53 0
926名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 02:38:08.69 0
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927名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 03:22:14.43 0
928名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 04:58:04.19 0
寝る保
929名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 04:58:16.81 O
930名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 05:42:58.36 0
931名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 06:46:51.83 0
州*‘ o‘リ
932名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 07:50:39.22 O
933名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 08:46:47.86 O
934名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 10:00:45.88 0
>>899
お願いします 頑張って下さい

>>909
私はけっこう好きだったんですけどね
935名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 10:49:27.77 0
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936名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 11:20:14.17 O
937名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 12:48:47.59 O
938名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 13:23:37.78 0
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939名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 14:42:58.77 0
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940名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 15:42:29.70 0
ほぜん
941名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 16:57:38.12 0
942名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 17:38:31.51 O
>>909
ようやく気付いたか。荒れるからもう来るなよ。
943名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 18:37:21.19 O
944名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 19:37:03.23 0
ze
945名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 20:15:20.87 O
946だお ◆LywClp50Ag :2006/10/08(日) 21:02:46.01 0
947名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 21:40:35.26 0
ちゃっかり保全してるし保全
948名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 22:18:26.88 O
949名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 23:17:08.31 0
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950名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 23:17:23.98 0
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951名無し募集中。。。:2006/10/08(日) 23:39:36.06 0
保全
952名無し募集中。。。:2006/10/09(月) 00:27:57.08 0
953カノジョにノックアウト(仮):2006/10/09(月) 00:58:40.78 0
>>841

しばらく手をつないだまま夕焼けを眺めていたら、りぃちゃんが俺の方を見て聞いてきた。

「明日もまた会える?」
「うーん、明日から合宿が始まっちゃうから…、時間はたぶんあるんだけど、稽古が終わった後で外に
出る体力が残ってるかどうか…ってトコかなぁ。明後日なら慣れるから動けるようにはなると思うけど…」

誇張ではなく、村上道場の合宿は割と極限まで追い込むので稽古以外には飯と風呂くらいしかできない。
体力の残りカスまで搾り取られるので、特に初日は風呂で寝てしまったり、食べながら寝てしまう事も
普通に起こる。まぁこれは俺だけじゃなく、めーぐるやめーぐる兄貴も同じような状態になるけどね。

「そっかぁ。じゃあ明日はお休みだね」
「俺の都合はともかくとして、りぃちゃんの方はどうなの?」

りぃちゃんが俺に合わせてくれるのはいいけど、何か用事とかはないのだろうか、と思って聞いてみた。

「えっ…えーと、りぃは…その…うん、だいじょーぶだよ!全然だいじょーぶ!」
「時間、どーしよっか」
「じかん?」

今日だって、たまたま早く来てみたらいたわけで、何だかずーっと待っているみたいな口ぶりだったから
ちゃんと時間を決めた方がいいと思った。
954カノジョにノックアウト(仮):2006/10/09(月) 00:59:00.06 0

「そう。決めた方がお互い良いと思うんだ。りぃちゃんもいろいろやる事とかあると思うし」
「うーん……。りぃ、はやた君を待ってるのへいきだよ?」

真顔でりぃちゃんが言う。りぃちゃんにとってはそれはそうなのかもしれないけど…

「じゃさ、連絡先教えてよ。そうすれば…」
「りぃ電話もってない……」

聞けば、携帯はおろか家の電話もないという。いまどき珍しいな…。

「えっとえっと…それならこうしよう! 時間は…稽古が4時に終わるから、5時にまたここに来るよ。
で、俺の電話番号を教えるから、もし俺が時間にこなければ、そこの公衆電話から電話をしてみて。
これで連絡がとれる」
「ゆー、よくわからないけど、わかった」

りぃちゃんがにこっと笑う。大丈夫かな…。
ついでに携帯電話の時間を見たら、いつの間にか夕食の時間が迫ってきていた。
遅れたらめーぐるのヤツ、また怒りそうだな……

「じゃあ、俺そろそろ戻らないとマズいから、行くね」
「うん。それじゃあさってにまたね」

ぶんぶんと手を振ってくれるりぃちゃん。誰かと違って素直でいいなぁ。
955932:2006/10/09(月) 01:00:24.46 0

>>80の2行目がおかしい事に気づきましたので修正です

誤:「明後日の昼まではこっちにいるかな」
正:「6日の昼まではこっちにいるかな」


毎日更新を目指してたのにだんだん遅くなってきて申し訳ないです。
また続きができたら書かせていただきます。
956808:2006/10/09(月) 01:07:07.98 0
できれば千奈美がヒロインを作ってもらえないでしょうか????
957名無し募集中。。。:2006/10/09(月) 01:08:48.50 0
>>956
まとめサイトあさっとけ
958名無し募集中。。。