【小説】リア消だったら誰に告ってた 第57章【キッズ】

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1名無し募集中。。。
※ キッズ+エッグ専用の小説スレです。
※ 常時sage進行で
※ 荒らしには徹底スルー
※ 基本的に、コテは作家のみで
※ スレ違いな雑談、自治議論禁止
※ エロネタ禁止
※ 気に入れば「ハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!」
  気に入らなければスルー。ネガティブな書き込みはしない
                      ↑これ重要!
前スレ
【小説】リア消だったら誰に告ってた 第56章【キッズ】
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1155785157/
避難所(新狼)
http://yy21.kakiko.com/test/read.cgi/morning/1139654229/


まとめサイト
http://www.geocities.jp/riasho_kids/top.html
短いの専用
http://jbbs.livedoor.jp/music/11853/   (パソコン用)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/music/11853/    (携帯用)
2名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 13:02:23.44 0
>>1
3名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 13:08:01.82 O
連載中とかのテンプレも頼む
4名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 14:06:48.74 0
新スレ乙ほ
5名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 14:54:37.32 O
>>1乙です

今日になってから何か更新ありました?
6名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 15:17:48.69 0
午前1時が今日ならあった
7名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 15:21:15.00 O
>>6
どうもです
それは932氏のですかね?
それなら多分見ました
8名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 15:24:29.06 0
それそれ
9まとめの人3rd ◆LHfSIMiHAM :2006/09/02(土) 15:53:03.52 0
>>1
お疲れ様です

このスレが実質59なので次は60でお願いします
10名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 16:09:08.35 0
現在連載中の作品

【カノジョにノックアウト(仮)】 
【タイトル未定(455氏作品)】 
【青春】
【終夏凛々】
【夕霧、】 
【タイトル未定(愛理作品)】
【家庭教師】
11名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 16:10:42.68 0
>>9
申し訳ない!最近また読み始めた者でして

まとめの人もいつもお疲れsummerです
12名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 16:20:44.42 0
13名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 16:25:21.91 0
まとめサイトにあるような、連載中作品のあらすじをちょっと作ってみます

連載中作品

【カノジョにノックアウト】村上、熊井、嗣永、中島、徳永
屋上で寝ている俺に届くカノジョからのメール。果たしてカノジョは誰?

【青春】夏焼、徳永
双子の弟・大和と離れた高校に入学した圭介は幼馴染の雅と出会う
そして階段から落っこちてきた千奈美をマネージャーに迎えた野球部は夏に挑む。
野球と恋、両方の行方は?

【タイトル未定(455氏作品)】清水
朝起きると体が子供になっていた!そして届いた謎の転入届。
謎を追うために小学校へ転入した俺は一体どうなるのか?

【家庭教師】徳永、石村
春休みに家庭教師を頼まれた俺が出会ったのは元気すぎる千奈美だった。
そして俺が失った恋人・舞波との思い出・・・

【タイトル未定(愛理作品)】鈴木
イベント前、道に迷ってしまった愛理は彼に助けられて・・・

【夕霧、】石村
遠距離恋愛中の僕と舞波。だけど『あの子』の存在が消えない・・・

【終夏凛々】
携帯にあった謎のメモリーにかけると女の子が出たんだけど・・・
14名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 17:17:25.29 0
帰ってきた!!Berryz工房のエロ小説を書こうよ!!! 44
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1157184932/
15名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 17:53:50.00 O
>>13
GJ
16名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 18:27:18.34 0
17名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 18:30:29.07 0
>>15
ありがとう

455氏のは現段階できちんと名前が出てるのがキャプしかいないので便宜上
キャプのみの表記にしてあります
「夕霧、」と「終夏凛々」は始まったばかりなのであらすじにもなりませんでしたorz
18名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 19:16:54.97 0
みんないろいろと乙ほ
19名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 19:47:38.31 O
みなさん乙です!
20名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 20:37:27.72 O
投下待ち
21名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 21:03:19.15 0
保全しときますね
22名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 21:53:10.20 0
23あおたか:2006/09/02(土) 22:38:18.77 0
「家庭教師」続き


     ・
     ・
今舞波の最後の手紙を開く。何回も今まで見たせいでボロボロだ。
文を見ようとしたけどすぐ閉じた。止めよう。今まで舞波を忘れようとしたじゃないか。
その努力が全て水の泡になってしまう気がして。
「明ーご飯できたよー」
母の声がした。
「分かった。今行くよ。」俺は涙を拭き、台所へ走る。



「先生。これ何?スンダァイ?」
「SUNDAY?・・・・・。」
「へ?」
「サンデー。日曜日。」
「あぁ!だから少年サ○デー!」
「そうそう。日曜日発売だからね。」
千奈美ちゃんは英語のワークを進めていく。かなり分からないらしく進むペースは
遅い。英語は苦手みたい。

「えーと『便宜』・・・かぁ」
千奈美ちゃんの答えを見ると[べんざ]と振り仮名が振ってある。
「おしい。あと1画。」
「えっ?[べんざ]じゃないの?」
「それだとトイレの[便座]になるって。」
「分けわかんない〜」
どうやら国語も苦手。
24あおたか:2006/09/02(土) 22:41:54.71 0
「X=3 Y=4・・?」
「X=2 Y=6.」
「・・・・・え。」
「ここ。掛け算するとこ間違ってるよ。」
「3×6=20ですよぉ?!」あ。逆ギレ。
「18だって。」
「え〜。3×1=3 3×2=6 3×・・・・」
言わないと分からんのかい。
「あっ。本当だ18だ!!」
今頃かい。数学も苦手みたい。

「埼玉県の所在地は?」
「埼玉県の大きい市にあります!」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・?」
社会も苦手みたいか。

「でんぷんがあるかどうか見分ける液の名前は?」
「液!」
「その液の名前は?」
「液!」
「あははははは」
理科も苦手っておい。全部じゃねぇか!!!!

徳永家で3時間で俺が学んだこと。彼女は勉強がかなり苦手だ。
だから家庭教師を雇うんだけど、俺がこの子に教えるのってかなり大変なんだろうな。

・・・・。ちくしょう。絶対あの子の頭脳をどうにかしてやる。
というか、春期講習かな。これ。まぁいっか。

明日は数学の方程式をゆっくり分かるように教えないと。
25あおたか:2006/09/02(土) 22:43:14.43 0
俺は少し嬉しそうな顔をして徳永家から俺の家まで自転車で帰った。
大変かもしれないけど結構あの子は面白い。というか教えがいがあるな!
中学・高校で真面目に勉強した学生ライフはつまんなかったけど、こういうのに役にたつ!
といっても中学はテスト前しか勉強しなかったけど。部活ばかりで。
26あおたか:2006/09/02(土) 22:46:23.96 0
1ヶ月近く更新することもなく更新しても駄目文章・少ない。と
駄目なとこばかりですがこの作品を完成させたいのでゆっくりですが更新していきたいと
思います。因みに夏休みの宿題終わってません。ドラえもんに頼むべきでしょうか。
27名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 22:53:41.40 0
あおたかさん乙です
ちなみが馬鹿すぎて可愛い
夏休みの宿題ってあおたかさん何歳なの?
28名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 23:15:47.88 O
あおたかさん乙
29932:2006/09/02(土) 23:36:19.93 0
>>前スレ765

愛ちゃんと早田君が話しているのを私は部屋の窓から見ていた。
当然ながら、横には千奈美ちゃんとなかさきも一緒だ。

「アハハハハ、ぐりぐりされてるー」
「痛そ…」

千奈美ちゃんは2人のやりとりを見て、手を叩いて爆笑している。
なかさきはちょっと心配そうだ。
私はというと、何も言わずにじっと様子を見ている。
何を話しているかはここまで聞こえないけど、愛ちゃんが早田君に対して怒って
いるように見える。
ただ、それさえも私には2人の仲のよさの証のような気がして…。

そうこうしているうちに、愛ちゃんが早田君の脳天にすごい勢いで拳骨をかまして
早田君が倒れるのが見えた。

「あ、死んだ」
「うわぁ…」
「あー、おかしかった。笑いすぎて死ぬかと思っちゃった」

千奈美ちゃんは言いながら涙をふいている。それにしても、笑い上戸なのはわかる
けど、いくらなんでも笑いすぎでしょう…。
30932:2006/09/02(土) 23:37:27.80 0

「でもさ、愛ちゃんて、早田に桃ちゃんとの噂がたったあたりから、すごいわかりやすい
態度とるようになったよねー」
「え?あ、そうだね。アハハ」

いきなり千奈美ちゃんに話を振られてビックリした私は思わず同意してしまった。
そうだ、この機会に思い切って聞いてみちゃお。タイミング的にヘンじゃないよね。
ガンバレ、私!

「ち、ち、千奈美ちゃんはどうなの?その、早田君のこととか…」
「へ?私? えー、ないない。私はもっとこう、衝撃的な出会いを求めてるからさ♪」

ぶんぶんと手を振る千奈美ちゃん。
そしてちょっとホっとする私。

(そっか、千奈美ちゃんはライバルじゃない……と。よしよし)
31932:2006/09/02(土) 23:38:12.02 0

「そういう友理奈ちゃんはどーなのよー」

油断してた。
千奈美ちゃんが好奇心旺盛なのを忘れてた。
こういう質問したら返ってくるのわかってたのに。
うわーん、私のバカー!

ちょっと、そんな興味しんしんな目でせまってこないで〜
なかさき、助けて!!

私はなかさきにアイコンタクトで訴えかける。
そんななかさきに千奈美ちゃんが言う。

「ね、早貴ちゃんも聞きたいでしょ?」
「えっと……」

なかさきガンバレ!!
いや、ガンバッテくださいませ!!

「私もちょっと興味あるかも」

なかさきはニコって笑ってそう言っちゃった。

おーーいぃぃ!!!
32932:2006/09/02(土) 23:39:27.04 0
今回は友理奈'S EYEでした。
話が全然進みませんが、また続きができたら書かせていただきます。
33名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 23:43:03.84 0
乙です
ゆりな目線もいいですね
ちょっとしたネガティブさが共感できていいです
34名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 23:46:10.76 0
キタ━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━ ッ ! !
nkskこの裏切りものがー!ゆりなかわいいね乙です
ちなみもこのお泊りで主人公のこと好きになる悪寒
35名無し募集中。。。:2006/09/02(土) 23:53:56.88 0
36名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 00:31:57.99 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
37932:2006/09/03(日) 00:52:31.72 0
>>31

結局、千奈美ちゃんの追及は、愛ちゃんが絶妙なタイミングで戻ってきてくれて
何とか難を逃れることができた。ありがとう愛ちゃん!

「もー、愛ちゃんてば、タイミングよすぎだよ」
「?」

千奈美ちゃんが筋違いの文句を愛ちゃんに言い、事情のわからない愛ちゃんは
小首をかしげている。

「と、と、とにかく、荷物もまとめて愛ちゃんが持ってきてくれたし、早速海に
行こうよ!」

放っておくと何を言い出すかわからない千奈美ちゃんが怖いので、私は慌てて
提案する。

「そうね。じゃ着替えよっか」

愛ちゃんが同意してくれ、そのまま私たちは部屋の中でキャーキャー言いながら
水着に着替えだした。
38932:2006/09/03(日) 00:53:05.26 0


39932:2006/09/03(日) 00:54:08.50 0

「はぁ、到着そうそうえらい目にあったわ」

俺は嵐と井出の待つ部屋で自分の荷物を置いて座りこんだ。
フジおばさんが出してくれたお茶を飲んでいた嵐が俺に話しかける。

「おい早田、窓から全部見てたぞ。なんで嗣永と一緒に来るんだよ。村上が怒る
のも無理ないわ」
「嗣永たちに来るとき拾ってもらったんだよ。でもなんでめーぐるが怒るんだ?」
「もう、本当にバカだなお前は」
「バカとはなんだ」
「なんだかしゃくだから、お前にはまだ教えてやらん」
「えー、教えろよ」
「じゃ、交換条件だ。後で俺の相談に乗ってくれ」
「ああ、別にかまわないが。夜でいいのか?」
「おう」

部屋の窓から外を見ていた井出が俺と嵐に言葉を投げかける。

「なあ、女子たち水着で出ていったぞ。うーん、さすが我らの友理奈様は何を着ても
似合うな〜。お、村上とえなりはすごいな。ビキニだぞ」

な、なんだってー!!
40932:2006/09/03(日) 00:54:51.25 0

夏真っ盛りだというのに、俺たち以外に人の気配すらない砂浜に到着すると、先行
していた女子たちが「遅ーい」といって男子3人を迎えた。

「近くで見ると、みんなすげーな」
「ああ、ヤベ、ちょっと鼻血出そう」
「うーん、これはなかなか……」

3者3様の感想だが『来てよかった!!』これだけは確実にいえた。

めーぐるは白のビキニ。熊井は水色のワンピース。えな…じゃなかった、徳永は黄色の
フリル付きビキニで、中島は花をあしらったグリーンが基調のワンピース。

だらしなく見とれている俺たちの視線に気づいた4人が

「こら、アンタたち見すぎ!」

と言って俺たちを追いかけてきたところで、小6の夏休み最大のイベントの幕は切って
落とされた。

神様、最高の夏をありがとう!
41932:2006/09/03(日) 00:55:18.20 0
また続きができたら書かせていただきます。
42名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 01:00:35.96 0
乙です!ペース早いっすねw
熊井ちゃんの水着(*´Д`)
43名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 01:06:09.40 0
44名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 01:09:16.61 0
バイバイなんたらってゆー規制みたいのってまだあんの?
45名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 01:43:01.19 0
乙です
46名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 02:32:04.04 0
47名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 03:32:08.94 0
48名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 05:43:40.04 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
::::::.ミゝ从*´∇`)つ  
::::::⊂__つノ
のにゅのにゅマン巡回中!
49名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 06:58:17.63 0
50名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 07:31:34.20 0
hozen
51名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 08:18:05.19 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
52名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 09:05:42.66 0
小学生に告ったらこんなことになるぞ
http://d.hatena.ne.jp/closedset/20060827/1156656475
53名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 10:03:53.08 0
リアルにシャレにならんやつだな
できれば今のうちに逮捕されてほしい
いつか重大な犯罪を犯す気がする…
54名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 11:01:04.16 0
これはやばいな
55名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 11:01:16.46 0
:::::::::::::::::::::::::::::..
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
56名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 12:11:27.80 0
57名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 12:21:30.91 0
ho
58名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 13:34:44.64 0
59名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 13:35:13.38 0
60名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 13:55:12.54 0
書いてたのが半分消えたorz
61名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 14:52:58.55 O
保全
62名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 15:40:49.66 O
63名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 16:53:08.09 0
hozen
64名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 18:10:58.26 0
::::::::::::::::::::::::::::.
::::::.\:★ノノハ のにゅ♥
::::::.ミゝ从*´∇`)つ  
::::::⊂__つノ
のにゅのにゅマン巡回中!
65名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 18:44:33.05 O
投下待ち
66名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 19:33:21.61 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
67名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 20:15:22.66 0
68932:2006/09/03(日) 20:28:58.43 0
>>40

誰もいない海岸でビーチバレーなどをして、思う存分夏の海を満喫していた俺たちは
少し疲れたので、砂浜に寝転んで体を休めていた。
しかし、まだ陽は高く十分に遊ぶ時間はある。

「ねえ、みんなであそこまで行ってみない?」

熊井がそう言って、浜から100メートルほどのところにある、波よけのコンクリート
構造物を指差した。

「おっし、行くか!」

俺たち男子と村上がすぐに賛成したが、徳永と中島はちょっと尻込みする。

「私、そんなに泳げないんだけど…」
「私も…あんな遠くはちょっと無理かも…」

「じゃーん!これがあればだいじょーぶ!」

熊井がどっから持ってきたのか、でっかい浮き輪を取り出す。
泳ぎに自信のない2人は浮き輪に捕まりながら、泳ぎの得意な俺たちがサポートする
ことで話がまとまり、俺たちは早速海に飛び込んでいく。
69932:2006/09/03(日) 20:29:40.30 0

照りつける太陽の下、波に揺られながら7人はゴール地点の波よけを目指す。
浮き輪につかまる徳永、中島を中心にして先頭に井出、左に熊井、右に村上、後ろに俺と
嵐がついてゆっくりと進んでいく。

村上や熊井は「あと半分だよ」とか「もうちょっとだから頑張って」など、事あるごとに
浮き輪につかまりながらバタ足で進む2人に声をかけている。
そして俺たちは…

「いやー、いい眺めですなぁ」
「ホントホント。ここは絶好のポジションでございますな、お代官様」
「フフフ、お主もワルよのう…」
「いえいえ、お代官様ほどでは…」

そう、俺と嵐は最後尾で万一の事態に備えてサポートについていたが、同時にそれは4人
の水着姿を真後ろから眺められる特権つきだった。そして俺と嵐は、その恩恵に十分に
あやかっていた。

「早田、俺、クラスの男子全員を敵に回しても悔いはないよ。うう」
「バーカ、そんな感傷に浸ってるヒマがあったら前みてろ、見よ、あの黄金の4ケツを!」
「う〜ん、やはりケツ比べは我らが熊井さんよりは村上に軍配があがるな。なんていうか、
ケツのIT革命や〜!!!!」
「彦摩呂かお前は」

ああ夏の海よ、改めて言おう、お前は最高だ!
70932:2006/09/03(日) 20:30:36.38 0
微エロですみません
また続きができたら書かせていただきます。
71名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 20:34:52.06 0
乙。
彦麻呂キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
めーぐる、萌えwww
72名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 20:35:06.99 0
いいよ〜いいよ〜
乙です
73名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 20:39:27.30 0
めぐけつハァハァ…
74名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 21:15:46.26 O
932さん乙です!
ここから桃子がどう絡んでくるのか期待
75名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 21:30:36.05 0
ハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!
76932:2006/09/03(日) 21:38:42.61 0
>>69

幸いにも、サポートにかこつけてケツを凝視していた事はバレずに、俺たちは無事波よけに
たどり着くことができた。
コンクリートの階段のような段差を登り、泳ぎで疲労した体を休ませるため、俺は座った。

「うーん、意外と遠くまで来たもんだな〜」

小学生には近いようで結構遠い海岸からの距離。
砂浜に置いたそれぞれの荷物が判別しずらい。
ま、人もいないし盗まれることもないだろ。

元気が有り余っている井出は「でやぁ!!」などと叫びながら色んなポーズをキメて海に飛び
込んでいる。それを見て手を叩いて笑う熊井たち。

「あー、幸せだー」

そう言って隣に嵐が座る。
77932:2006/09/03(日) 21:39:30.61 0

「なんだ?いきなり」
「お前のおかげでいいもの見せてもらったよ。やっぱ持つべきものは友だな」
「まぁ本当はそういうつもりではなかったんだけどな。結果オーライだよ」
「記憶にしかと焼き付けたよ。あ、やば、思い出したら鼻血出そう」
「バ、バカ、こんなとこで出すな!」
「まさにケツの宝石箱や〜。俺、今まで生きてきてよかったよ。うう、うわぁぁっ」

俺の横で涙と鼻血を流さんばかりだった嵐が、突然その姿を消した。
そしてその直後。


どんっ。


「おわぁぁっ!!」

突然背中に衝撃を感じたと思ったら、俺は海の中に突き落とされていた。
その拍子にゴボゴボと海水を飲んでしまい、しょっぱさに顔をゆがめながらも必死に水面に頭を
出すと、波よけの上で笑い転げる熊井、そして両手を出したまま固まっている中島の姿があった。
78932:2006/09/03(日) 21:40:01.23 0


79932:2006/09/03(日) 21:42:37.63 0

井出君のザ・飛び込みショーを十分堪能した私は、私たちに背を向けて何やらひそひそと話を
している早田君と嵐君を見つけた。その瞬間、ちょっとしたいたずら心が芽生える。
そう、女子が4人もいるのに男同士でこそこそ話をやってるのって、私たちに失礼だもんね。
隣にいたなかさきにささっと耳打ちして私は立ち上がる。

「えー…」
「いいからいいから、ほら行くよ」
「大丈夫かなぁ」

それでもついて来てくれるのが、なかさきのいい所だ。
私たちは息を潜め、そっと2人の後ろに忍び寄る。

口パクで「1・2・3でいくよ」と伝えると、なかさきは緊張した面持ちでこくんと頷く。

いち
にぃ
さん!

「さん!」と同時に私は嵐君の背中を思い切り押した。
80932:2006/09/03(日) 21:43:51.33 0

「うわぁぁっ!!」

ヘンな悲鳴をあげながら嵐君は海の中へドボーンと派手な水しぶきと共に落っこちていった。
なかさきはリズムがずれたのか「さん!」じゃなくて「よん!」とほぼ同じタイミングで
早田君の背中をどーんと突いた。

「おわぁぁっ!!」

ドボーン!

なかさきのタイミングのずれっぷりと2人の落ち方がおかしくて、私は笑いが止まんなく
なってしまったけど、私に付き合わされて慣れないイタズラをしてしまったなかさきは、手を
突き出したその姿勢で固まってしまっていた。
81932:2006/09/03(日) 21:46:58.07 0
また続きができたら書かせていただきます。

さて、ももちはどうやって出しましょうかね・・・
82名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 21:49:20.97 0
83名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 22:05:16.64 0
乙です
84名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 22:07:27.52 0
青春だなー乙です
85名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 22:34:51.89 O
932氏激しく乙です!

なかさきちゃんのちょっとズレたキャラがかなりいいカンジですね〜

そういえば>>29は前スレで早田くんがめーぐるにグリグリされた話のすぐの続きでいいんでしょうか?
86名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 22:42:28.42 O
禿しく乙です!
ももち登場楽しみにしてます
87名無し募集中。。。:2006/09/03(日) 23:26:50.60 0
88名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 00:29:07.13 O
89名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 01:01:49.07 0
90名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 02:06:22.50 0
91名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 02:52:30.69 0
92名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 04:43:38.85 0
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93名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 06:38:17.10 0
94名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 08:16:46.38 O
95名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 08:25:45.75 O
古参作者さんはもう来ないのかなぁ
96名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 10:05:30.76 0
97名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 10:45:36.02 0
98名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 11:57:54.14 O
99名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 12:15:07.90 0
荒らしはスルーじゃ作者を守りきれないってことか
100名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 12:40:09.83 0
別に荒らしなんていないじゃん
101名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 13:41:51.94 O
102名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 15:29:10.81 0
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103名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 16:18:18.40 O
104名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 17:12:56.06 0
932さん最高!!
この調子で頑張って下さい
他の作者さんたちもいつでも歓迎です
105名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 18:00:49.54 0
ごめんageるね
106932:2006/09/04(月) 18:32:02.41 0
>>80

全身ずぶ濡れになって(水着だから別にいいけど)波よけに登る俺と嵐。
嵐が熊井に遺憾の意を表明する。

「ちょっと、何す……何をなさるんでしょうか」
「だぁーって、こーんな素敵な女子が4人もいるのに、こそこそナイショ話なんかしてる
からですよーだ」

そう言って舌をぺろっと出す熊井。
やべ、ちょっと可愛いな。
そんな事を思ってしまった事がちょっと恥ずかしくて、照れ隠しに

「熊井、中島が止まっちゃったままだぞ」と言うと、
「あ、ホントだ。まだ固まっちゃってる。おーい、なかさきー」

熊井がパチンと顔の前で両手を叩き、中島はハッと我に返り「あれ?」とか言いだした。
俺はちょっと意地悪っぽく言ってみた。

「まさか中島にやられるとは思わなかったなー」
「あ…ごめんね…」
「じゃーお返しだ。中島、後ろ向いて。今度は俺が落とす!」
「えええっ」
107932:2006/09/04(月) 18:33:28.30 0

「ちょっと、早田君、それひどくなーい?」

熊井が助け舟を出してくるが、

「熊井何言ってんだ、お前も同じ!さあ早く後ろを向く向く」
「私もなの!?」
「あたり前だろ?親友の中島を一人だけで落っことす気か」
「うー…、わかった…」

くるりと熊井も俺と嵐に背を向けて、波よけのフチに立つ。
俺は嵐を呼び寄せる。

「おいチャンスだぞ。このまま熊井と一緒に飛び込め」
「ええっ、そんなの無理無理!」
「嵐、お前、熊井の事好きなんだろ、男なら迷わず行けよ、行けばわかるさ!」
「バカ、ちょ、早田、ちがっ…」
「それーっ」

俺は、どん、と嵐を力強く押し出した。
手加減なしで突き出したため、わわわっ、などと言いながら嵐は熊井の腕に自分の腕を
引っ掛け、2人一緒に海の中へ消えていった。

うーん、嵐よ、さも偶然を装って腕を絡めるなんて、お前は全く演技派だなぁ。
108932:2006/09/04(月) 18:35:15.56 0

今度は俺だな。

「うわぁ…」

中島は嵐と熊井が消えて行った海面を、こわごわと覗き込んでいる。

「次、中島行くぞ」
「ひ、ひゃいっ」

言った途端に気をつけの体勢になる中島。コチンコチンになっているのが丸分かりで
ホント面白いが、中島は泳ぎが苦手みたいだし、このまま落っことすとそのまま浮かんで
こない可能性もあるな。
うーん、それはちょっとまずい。どうする俺?

……あ、そうか。
109932:2006/09/04(月) 18:36:16.93 0

「中島、手、出して」

とりあえず言われるがまま、恐る恐る出した手を俺は握る。
握った瞬間中島の体が、びくんっとしたが、すぐに不安を打ち消すかのように、力を入れ
ギュっと握り返してくる。
中島の顔を見る。なんだか泣き笑いのようなヘンな顔だ。

俺は照れ隠しもあって「へへへ」と笑って、叫んだ。

「一緒に飛ぶぞ!」
「うん!」

目が合った。
つないだ両手を思い切り振りかぶる。

「せーのっ!」

2人の足が地を蹴った。

どぼーん!!
110932:2006/09/04(月) 18:40:54.65 0
ももちはおろか、一緒にいるはずの3人も出て来なくてすみません。


また続きができたら書かせていただきます。
111名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 18:41:42.38 0
112名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 19:08:21.72 O
113名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 19:41:52.33 0
乙です
このまま行けば嵐くんにゆりな様がとられちゃうよ
114名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 20:33:29.17 0
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115名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 20:39:51.59 0
932さん乙です
116名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 21:18:49.01 O
投下待ち保全
117名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 21:33:30.76 0
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118名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 21:52:25.16 0
前スレ>>726の続き

とはいったものの俺のサッカー暦は
サカーヲタだったので、
知識や戦術理解などは相当自信があるが
腕前自体は大学から趣味程度にやってたレベルだ。

正直、そこまで自信はない。
さてどうしたものか・・・

「よし、それじゃ1on1で3点先に相手のゴールに入れた方が勝ちだ。
 それでいいな?」
「チャオー審判やりにきたわよー」

いつのまにやらボールも用意され、
なぜか審判として準備万全な石川先生。
どっからきたんだよ先生。
まぁごちゃごちゃいっててもはじまらない。
もうやるしかねー。

「それじゃ試合開始〜」ピーッ
119455:2006/09/04(月) 21:53:21.62 0
まずは天道ボールからのスタートだ。
ドリブルしながらこっちへ向かってくる。
さて、どうやってとめるかな・・・
と、考える余裕もなく仕掛けてきた!
体の重心を左へとうつして俺の右を抜けようとしてきた。
とっさに進路をふさごうと動く俺。
あれ?今・・・
一瞬疑問がよぎるが考える余裕を相手は与えちゃくれない。
進路をふさがれると見るや逆へ切り替えす。速い。
こいつほんとに小学生か?
切り返しの速さといい足に吸い付くようなドリブルといい、うますぎるぞおい。
やばい。こりゃ負けるかも・・・
とにかく相手に抜かれないように必死に食らいつく。

「なかなかやるな転校生」

「お前かなりやるじゃねーか」

「まぁな。だがこれは止められないだろ」

といって俺に向かって走り出す天道。
そして一瞬ボールをまたいだと思った瞬間。

ボールが消えた。
120455:2006/09/04(月) 21:53:57.19 0
「え?」

「もらったな」

そのまま俺を抜き去る天道。
そしてその足元にはまたボールが。

「まじかよ」

ピーッ

「ゴール、天道くーんいってーん!」

1対1で抜かれることは即失点を意味する。
天道の技に完全にやられてしまった。

「どうした〜たいしたことないぞー転校生〜」
白い子がやじってくる。くそ、生意気な子だな。


「次は転校生。お前の番だ。来い」

ボールを受け取る。
ボールを足で軽くいじりながらスタートの合図を待つ。

「それじゃつぎは三原君の番ね〜スタート〜」ピーッ
121455:2006/09/04(月) 21:54:28.08 0
笛と同時に早速ボールを蹴る。天道の足元へ向かって。

「・・・何のつもりだ?」

「もう一回やってみろよさっきの技。今度は完璧に止めてやるよ」


「おもしろいやつだな。お前みたいな無謀なやつ
 始めてみるぜ」

「無謀かどうかやってみればわかるさ」

「・・・覚悟しておけ」

ドリブルしながら俺へと向かってくる天道。
俺が相手にボールをあえてやったのは
無謀でも無策でもヤケクソになったわけでもない。
ある一つの疑問を解決するためだった。
さっきの技、正直小学生であんなことができるとは予想外だった。
あれを止めるには一つの方法しかない。
そしてそれをやってみれば、さっきから感じ続けている
疑問の解決も同時にしてくれそうだ。
122455:2006/09/04(月) 21:55:06.71 0
「いくぞ転校生」

「俺の名前は三原だ!転校生なんて名前じゃねぇ!」

完全にさっきの技の間合いに入った。
またボールを一度またぐ。そして消えるボール。

「ここだぁ!」

天道を無視して背後を振り返り頭上をみるとそこにはボールが。

「もらった!」

右足を思いっきり蹴り上げ、頭上のボールへと飛びつく。
体は、思い描いた様子そのままに綺麗にうごき見事なオーバーヘッドキックとなる。
そして蹴られたボールは天道側のゴールへとそのまま突き刺さる。

「っしゃぁ!」

地面に寝転んだままゴールの喜びと俺の想像が正しかった喜びの
あまりこぶしを突き上げる。

「ありえん・・・なんでわかったんだ」

「ヒールリフト。ルマンの松井なんかがよくやってるのを見たからな。
 さすがに小学生がそれをするとは思わなかったけどな」
123455:2006/09/04(月) 21:55:51.31 0
天道の技の正体自体は一回目に抜かれた時点で分かっていた。
問題なのは俺の体の方だ。
小さくなってから何か違和感を感じてはいたのだがその正体がやっとわかった。
この体、思い通りに何でも動く!反応性が尋常じゃなく速い!
基本的なスペック、走力や体力、持久力などは普通の小学生並ではあるものの、
脳でイメージした動きがそのままにできるようになっているようだ。

この体さえあればサッカー選手も夢じゃないな・・・

「すごーい・・・あ、三原君いってーん!」

「すげぇ!あいつなにもんだよ!」
「すごいすごい!」

周りも俺のスーパープレイに驚いてるようだ。
一番驚いてるのは俺自身なんだけどな。

でもそうとわかればあとはフルにこの能力をいかすだけだ。
124455:2006/09/04(月) 21:56:26.62 0
今日はここまでっす。
キッズがまったくでてこないサッカー小説に
なってしまっててほんとごめんなさい
125名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 22:03:57.36 0
南米か!
乙です
小学校のとき先輩がオーバーヘッドしてた記憶がよみがえって
ちょっと懐かしい気持ちになりました
126名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 22:29:55.89 O
小学生の頃は普通にバク宙出来たのに今は出来ない高校生の俺
127名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 23:13:59.38 0
乙ですオーバーヘッドとかやってみてー
128名無し募集中。。。:2006/09/04(月) 23:41:20.64 O
乙です
129名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 00:32:37.91 0
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130名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 01:19:55.60 0
131名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 01:37:06.63 0
wktkしながら次回待っております
132名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 01:47:00.66 0

932氏のはnkskエンドの予感
133名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 02:17:07.16 O
バッドエンド?
134名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 03:01:26.86 0
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135名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 04:10:07.92 0
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136名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 06:20:33.85 O
137名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 07:49:45.30 0
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138名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 09:12:23.35 0
州*‘ o‘リ
139名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 10:04:03.16 O
りーたんキャワ!!!
140名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 11:28:36.91 O
141名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 12:29:19.37 0
りーたん主役のキボン
142名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 13:25:28.39 0
143名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 15:28:28.92 0
144名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 17:14:30.88 O
145名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 18:13:16.99 0
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146455:2006/09/05(火) 18:56:09.49 0
>>123の続きです

ピーッ

天道ボールでゲームは再開。

さっきの技を止められたことに動揺しているのか動きが
緩慢だ。
左へと切り込んでこようとする。
釣られたようにそっちへと動く。切り返そうとする天道。

「遅い」

切り返しの瞬間を狙ってあっさりとボールを奪う。

「くっ」

今度はこっちの番だな。

「天道とかいったな。さっきの技、そのまま返すぜ」

天道へとドリブルで近づきボールをまたぎ、そしてヒールでボールを軽く上げる。

止めようとジャンプする天道。

しかしボールは頭上にはない。まだ俺の後背だ。
ジャンプのタイミングを完全にずらしたところで天道の頭上をヒールで蹴り上げ抜ける。
ダブルヒールってやつだ。
漫画でよんだだけの動きでもイメージするだけで動ける。まじですげぇなこの体。
147455:2006/09/05(火) 18:56:40.67 0
「・・・・あ、み、三原君、二点目〜」


「すげぇ!何だ今の!!」
「何あれ?ありえな〜い!!」

周囲はもう目の前の信じられない光景にただただ驚くばかり。
こりゃもうさっさと勝負決めてやるか。

「三原君ボールで開始〜」

ピーッ


ドリブルで天道へと近づく。さて、どんな技でぬいてやるかな。
でも、小学生相手にあんまり苛めるとかわいそうかな・・・

「もう二度とゴールは割らせん」

まだまだ諦めてないとは結構根性あるな。
じゃあこれでどうかな。

天道の足がボールに届くか届かないかすれすれの位置に
来た瞬間、ボールを足裏で引き寄せながら半回転。
天道に背を向けて ボールを完璧にブロックしつつ
流れるように逆足にボールをスイッチ。
残りの半回転で そのまま天道を抜き去る。

すげー!夢にまで見たマルセイユルーレットができちゃったよおい。
でっかかった時には散々ためしたけどできなかったことが
この体だと簡単に動く。夢でも見てるんじゃないだろうか。
148455:2006/09/05(火) 18:57:31.36 0
ピピーッ

「三原君三点目!試合終了〜」

さすがにがっくりとうなだれる天道。

「どうだ、これでも大したことないか?」

「いや、完敗だ。お前は強いな」

「お前もなかなかうまかったぜ。
 小学生でヒールやるやつなんて初めてみたぞ。」

「でも負けは負けだ。さっきは言い過ぎた。悪かった」

意外と潔いやつだな。

「ああもう気にしてねーよ。そういやお前の名前は?」

そういえば天道とよばれていたから苗字は知っているが、
お互い自己紹介がまだだった。(といっても俺は朝全員の前ですませていたが)


「俺の名は天道総司。天の道を往き、全てを司る男」

なぜ天を指差しながら名乗るんだ。しかも後半自分で言ってて意味分かってるのか?

「ま、まぁよろしくな天道」
149455:2006/09/05(火) 18:58:20.13 0
「すごいじゃん三原くーん」
「ほんとほんと、あんなの初めて見たよ〜」
「おまえまじで凄いな!」
「案外やるじゃん」

いつのまにやら観戦してた連中もぞろぞろと俺の周りにやってきた。
皆、興奮冷めやらぬといった表情だ。

「どう?俺もなかなかやるだろ?」

「うん!こんなにうまいとは思わなかったよ」
と黒い方の女の子が答える。

「な、三原、ぜひうちらのチームに入ってくれよ
 みんなも今のプレー見たら文句ないだろ?」
と熱血君が興奮した表情で皆に同意を求める。

「うん!ぜひ入ってよ」
と清水さん

「あれだけすごいのみせられたら
 認めないわけにはいかないよね」
と白い方の女の子も仕方ないといった感じで同意する。
150455:2006/09/05(火) 18:58:51.82 0
「天道、お前はどうなんだ?」

「・・・問題無い。三原、俺たちと一緒にプレーしよう」
手を差し出してくる天道。

しょうがねぇな。ここまでのりかかったら最後までのってみるか。

「ああ、よろしくな」

その手を握り返して応える。

「よかった〜。じゃあ6人でチーム始動だね」
となにやら満足げな清水さん。

「その前にちょっといいかな?」

「ん?どうしたの三原君」

「俺、天道と清水さん以外の名前まだしらないんだけど」

「あ・・・紹介してなかったね」
アハハと照れながら笑う清水さん。
151455:2006/09/05(火) 18:59:45.75 0
今日はここまでっす。
スレ違いにならないよう頑張ります
152名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 19:01:21.36 0
153名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 19:16:28.17 O
乙です
154名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 19:16:56.17 O
乙です

何故かまたPCから書き込めなくなった_| ̄|○
155名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 19:49:38.41 0
455さん乙です!!
黒い方の女の子はだいたい想像つくんですが白い方がまだ分かんないので次が楽しみです

>>154
いつでも復活待ってるよ
156名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 20:27:38.47 O
>>155
ありがとう。・゚・(ノД`)・゚・。
前に書きたいと言ってた者です
執筆も色々あって止まってるし…
157名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 20:42:15.13 0
ガンバです!!
158名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 21:25:28.78 0
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159名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 22:19:14.24 O
ho
160名無し募集中。。。:2006/09/05(火) 23:36:22.64 0
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161名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 00:27:06.36 O
162名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 01:10:54.79 0
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163カノジョにノックアウト(仮):2006/09/06(水) 01:59:06.69 0
>>109

海でこれ以上ないほどにさんざん遊んだ俺たちは、陽が傾きかけた頃にようやく浜へ上がり、
心地よい疲れと共に今夜の寝ぐらである旅館へと戻る事にした。
「楽しかったね」「つかれたー」などと感想を言い合いながら歩いて行くと、俺にとっては
見慣れた建物が見えてくる。
だんだんと旅館が近づいてくるとともに、なんだかいい匂いが漂ってくるのに気づく。

「おお、この匂いはカレーですな」

俺よりも嗅覚が鋭い井出が言う。うん、確かに。
カレーに限らずだけど、こういう場所で食事の匂いを嗅いでしまうと普通よりももっとおいし
そうに感じるから不思議だ。
164カノジョにノックアウト(仮):2006/09/06(水) 01:59:37.62 0

「あーん、私もうお腹がペコペコだー」

なんだかテンションがムチャクチャ高くなっているめーぐるが叫ぶ。

「みんなお疲れー!今日の夕食はカレー!」

徳永は徳永で満面の笑みをたたえて笑えないダジャレをかまし、6人の疲れが倍増する。

「ナンカレー、ナンカレー♪」

熊井と中島は2人でヘンな歌を即興で歌いだす。なんだそりゃと思ったが、次第に井出も嵐も
徳永もめーぐるも歌いだすので、ヤケクソになって俺も合唱に加わった。


そしてバカでかい声で、ナンカレーの歌をひたすら合唱する俺たちが旅館の表門をくぐった時、
どこかで聞いたことのあるカン高い声が聞こえてきた。

「お帰りなさいませー♪」
165932:2006/09/06(水) 02:08:17.62 0
>>10>>13で作品名が出ているのにずっと932ではアレなので、
このスレのルールに従いまして、名前欄を仮作品名にしました。

本日も短いですが、また続きができたら書かせていただきます。



>>85さん遅レスですがその通りです。若干時間軸はかぶっていますけど。

>>455さん乙です。他のメンバーの登場を楽しみに待っております。

>>154さんもがんばってくださいね。
166名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 03:20:21.55 0
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167名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 05:04:53.13 0
168名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 05:57:56.80 O
乙です!
169名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 07:34:56.77 0
170名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 08:14:55.39 O
171名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 09:31:35.98 0
172名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 10:45:56.27 0
キテタコレ!!!
173名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 12:01:53.85 O
保全
174名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 13:58:36.53 0
175カノジョにノックアウト(仮):2006/09/06(水) 14:41:33.27 0
>>164

俺たちを出迎えたのは、エプロン姿の嗣永、そして石村。

「えーと、2人共、何してんだ?」

見れば何をしているのかはわかるのに、思わずそんな言葉が出てしまった。

「決まってるじゃないですかぁ。お夕飯の準備ですよぉ」

うわーキター! 本日2度目の桃子スマイル!
これで俺を含む男子3人はノックアウト。
うーん、嗣永も石村もエプロン姿がなんだかいいね〜。

ぎゅう。誰かが腕をつねる。

「ちょっと、鼻の下伸びすぎ」

めーぐるにぼそっと言われた。
176カノジョにノックアウト(仮):2006/09/06(水) 14:42:12.19 0

「てゆーか、桃ちゃんと舞波ちゃんが何でここに?」
「一応、成り行きでそうなっちゃって…」

めーぐるが尋ねると、嗣永の後ろにいた石村がちょっと申し訳なさそうに言う。
すると、皿を抱えたフジおばさんが出てきて言った。

「上の石村さんのトコから高級なお肉いただいちゃってねーいやーそんな高級なもの悪い
から受け取れませんわなんて言ってたりしたんだけれども石村さんのとこも余っちゃうから
なんて仰ってるしそれならねーお肉悪くしちゃうのももったいないしなんて事でありがたく
いただいちゃってね。
そうそう聞けば舞波ちゃんもこちらの桃子ちゃんも愛ちゃんたちのお友達っていうじゃない
の。だったら一緒に食べていきなさいよって誘ったのよ。そしたら私たちお手伝いします
なんて一緒に食事の準備もお手伝いしてくれちゃったりしてまーなんて出来た子たちなん
でしょ。おばさん気に入ったわぁ」

息もつかずにしゃべり倒したフジおばさんの言葉は半分くらいしかわからなかったけど、
嗣永たちを気に入ってしまったことだけは間違いないようだ。
177カノジョにノックアウト(仮):2006/09/06(水) 14:42:43.36 0

「ちょっとフジおばさん!それは…」

何かを言いかけるめーぐるの肩を叩いて首を振った。

「あきらめろ。完全に外堀が埋められてる」
「だって…」
「まぁ嗣永も石村も一緒にみんなで食べた方がきっと楽しいよ。俺たちも着替えて手伝おう」

何事も前向きが大事だ。石川先生もそう言ってた。
結局、今更どうにもならない事がわかっためーぐるも折れて、俺たちはパッとシャワーで砂を
落として着替え、盛り付けなどを手伝った。
ちょっと覗くと、肉とジャガイモがごろごろ入った美味そうなカレーだった。
他にもサラダや海で取れた魚など、これでもかと料理が並べられて行く。
果たして俺たちだけで食いきれるんだろうか。

こうして本日の夕食は9人で食べる事になった。

……学校の男子達に嗣永も一緒になったって知れたら、生きて行けないかもしれないな、と
ふと思った。
178カノジョにノックアウト(仮):2006/09/06(水) 14:43:29.61 0

「いっただきまーす」

うん、美味い。いやーいけるね、コレ。

「どう?どう?これ桃が作ったのぉ」
「美味いよ。嗣永って料理上手なんだな」
「えーやだぁ、そんなことないですよぉ」

なんだかクネクネしている嗣永が、どんどん俺の方に体を寄せてくるのには四方八方から
変な視線を感じて参ったが、カレーを含め、料理は本当にうまかった。
179932:2006/09/06(水) 14:44:06.65 0
また続きができたら書かせていただきます。
180名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 16:28:09.27 O
乙です!!
181154(旧・前スレ998):2006/09/06(水) 16:43:13.85 0
>>179
乙です
ここからどう展開していくのか非情にwktkです


どうやらプロキシ規制解けたみたいです
これで何の障害もなくなったんで、ガンガって作品作って投下したいと思います
182名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 17:13:53.67 0
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ッ!!!!
932氏乙です
183名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 18:03:06.18 O
乙乙!!
184名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 18:36:06.10 0
乙です
ももちもめーぐるもイイですね様子が想像できるから
気分がポワワーンってなりました
154さんも乙です投下wktkで待ってます
185名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 19:07:08.09 0
932さん乙です!
ももち待ってました!!
186名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 19:22:56.47 O
投下待ち
187名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 20:13:10.46 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
188名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 20:40:34.43 0
189名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 20:55:18.83 0
新しいのうpさせてもらいます
メインは夏焼雅さん
題名は『いつの間にか、いつも』です
190いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 20:55:51.97 0
夏休みが早く終わればいい。
そんなこと、今まで思ったことがなかった。
こんなに二学期が待ち遠しかったこともなかった。

「なのに…」

僕は誰もいなくなった教室で、隣の席を見ていた。
空っぽの机。
夏焼が座っていた席を見ていた。
191いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 20:57:05.39 0
一学期の終わりの方の出来事。
休み時間が終わり、先生が入ってきた。委員長の号令の声に立ち上がる。
その拍子に、僕の机からシャーペンが落ちた。ペンをとろうと腰をかがめる。と
「あっ…」
「あっ…!!」
シャーペンの上に靴が乗っかり、ミシッといやな音が聞こえた。
僕はゆっくりと見上げる。隣の席の夏焼が、僕のペンを踏みつけたまま僕を見下ろしていた。
「ゴメン…」
言いながら、夏焼は僕のシャーペンを拾い上げる。シャーペンは見事に割れていた。
「…いいよ。購買で買った安物だから」
目を伏せながら、僕はそう言った。
席が隣になって随分経っていたにもかかわらず、それが初めて夏焼と交わした会話だ。
僕は人見知りするから。
「……」
夏焼はひしゃげてしまったペンを手に固まっている。
「ホントに大丈夫だから」
僕がそう言うと、夏焼は居心地が悪そうにうなずいて席についた。
そしてそのまま、授業が始まった。
夏焼にはああ言ったものの、僕は少し困っていた。予備のペンを持っていなかったから。
僕は仕方なく、ペンケースから赤のボールペンを取り出す。普段はアンダーラインを引くのに使っているやつだ。
顔を上げた目の隅に、かわいらしいペンが映った。
「…よかったら、これ使って」
少し顔を赤くしながら、夏焼はささやいた。このセリフを言うのに、少し勇気がいった。と後で本人から聞いた。

夏焼も人見知りする方らしいから。
192いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 20:57:40.80 0
「えっ?」
「ペンないんでしょ?…あたしが踏んで壊しちゃったから」
夏焼は少しうつむく。
「あぁ…。まぁ」
「男の子が持つの、恥ずかしいかな。こんなのしかなくて…」
目の前のペンは真っ赤で、ノッカーのところにミッキーマウスがくっついていた。
僕はまだ顔を赤くしたままの夏焼と、そのミッキーのペンを見比べると
「…ありがと」
と言って、ペンを受け取る。夏焼はホッとしたように微笑んだ。

「ミッキーマウス…好きなんだ」
思い切って僕は夏焼に話しかけてみた。夏焼は一瞬、驚いたような顔をして
「うん。子供の頃、ディズニーランドで買ってもらったの。君は嫌い?ミッキー…」
伏目がちに尋ねる。
「ううん。そんなことないよ。ディズニーランドには、行ったことないけどね」
僕はシャーペンをノックしながら、笑い顔を作った。
カチッカチッという音にあわせて、ミッキーマウスが手を振る。
夏焼は僕の作り笑いに、笑顔で答えてくれた。

それ以来、ちょくちょく話すようになって。
休み時間も、よく話すようになって。
授業中も先生に注意されるくらい、話すようになって。


そして、夏休みに入った。
193いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 20:58:12.86 0
夏休みがいつもと違っていた。いつの間にか。

友達と遊びながらも、なんか物足りなさを感じた。
人気の多いところに行っても、偶然に期待している自分に気付いた。
田舎のお爺ちゃんちのきれいな星空を、一緒に見たい思った。
机の上に宿題を広げながら、気が付くと返しそびれたミッキーのシャーペンをボーッと眺めていた。


本当にいつの間にか。
いつの間にか、いつも。

僕は夏焼のことを考えていた。


夏焼に会ったのは八月下旬のお祭りの夜。
偶然出会ったんだ。
194いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 20:58:47.53 0
「お前は買わねぇの?」
綿菓子で口の周りをベトベトにしながら寺西が僕を見る。僕は小さく首を振った。
「せっかくの祭りだぜ?なんか食えよ」
「いや。僕はいいよ」
僕の言葉に、寺西は大きく溜息をつく。
「なんか最近お前おかしいぞ。ノリわりぃっていうかさ」
「ヘンじゃないよ。ちょっといろいろあって…」
「いろいろねぇ」
寺西は眉をひそめるようにして僕を見た。
「…宿題だよ」
「えっ…?」
「宿題が終わんないの。全然」
僕は咄嗟にそう言った。
「マジで?!」
寺西はびっくりしたように僕を見る。
「なんだよ」
「いやぁ。見せてもらおうと思ってたんだけど…」
「ムリだよ」
「だよなぁ。宿題多すぎるっての」
休みに対する宿題の量について、寺西はブツブツと文句を言い始める。僕は適当に相槌を打っていた。
「夏休みもあと…十日か」
寺西は大げさに肩を落とすと、また綿菓子をかじった。
そう、夏休みも残すところ後十日。
後十日で夏休みも終わる。夏休みが終わったら…。
「なにニヤニヤしてんだよ。わかってんのか?もうすぐ二学期だぞ」
寺西はヘンなものでも見るように僕を見た。
「わかってるって。あっ、射的あるよ。行こう!」
僕は射的の屋台に向かって駆け出した。
195いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 20:59:29.02 0
射的の屋台の前で粘っていたら、クラスの男たちが集まってきていた。
いつの間にか、大勢で必死に的当てをしている。
ポンッ、ポンッと小気味よい音がなるたびに、「ちきしょー!」とか「おしぃ!!」って声が屋台に響いた。
僕は小遣いのほとんどをつぎ込んだけど、手元にあるのはポンカン飴一箱だけだった。
「あの、一等が倒れねえぞ!!」
寺西は体を精一杯伸ばして、そう叫んだ。
「…あの的、じつは台にくっついてるんじゃねぇか?」
クラスメイトの小畑がボソッとつぶやく。
その言葉に屋台のおじさんはニヤッと笑った。
みんな顔を見合わせて…一斉に屋台のおじさんに詰め寄った。
おじさんはニヤニヤ笑いながら、必死で叫んでいる寺西たちの言葉を受け流す。
僕はそんなみんなには加わらず、少し離れてそれを見ていた。

「どうしたの?あれ」
振り返るとクラスの女が、寺西たちを指差して僕を見ていた。
「あぁ、ちょっと的が倒れないんで、もめてるんだよ」
そう言ったとき、寺西の「きたねぇ!!大人はきたねぇよ!!!」という叫び声が聞こえてきた。
僕は思わずプッと吹き出す。
「男子ってバカだね。ほんと子供。…雅、行こ!」
…えっ?みやび…?
僕はサッと顔を上げる。

ピンク色の浴衣を着た夏焼がそこに立っていた。
196いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:00:03.94 0
「夏焼…」
「こんばんわ」
夏焼はそう言って、フフッと笑った。
「うっ、うん。…こんばんわ」
「寺西くんたち、必死だね」
夏焼はまた笑う。アップにした髪の横にお面をしているのが見えた。ミッキーマウスのお面だ。
「一等の的が、なかなか倒れなくてさ…」
「へー、そうなんだ。一等ってなんなの?」
「えっとぉ、あの、あれ…。ゲームソフトだけど…」
なんか思うように言葉が出ないことに気付いた。それどころか、夏焼の方をまともに見れない。
「どうしたの?なんかヘンだよ」
夏焼は言いながら僕の顔を覗き込んだ。
ドキッ!!
胸が大きく跳ね上がる。
「うっ、ううんなんでもない。大丈夫」
「ふーん…」
夏焼はそれでも僕の顔を見つめたままだ。僕はチラチラと夏焼を見る。
まつ毛長いなぁ。眉も整えてあるし…。肌もスベスベしてそう。
今更ながら、そんなこと思っていた。
「雅ぃー!!行くよ!!」
「ちょっと待って!」
夏焼は「じゃあね」と言うと、声のする方へ走っていった。
僕はその後姿を見送る。
一度だけ振り返って、夏焼はなぜか少し悲しそうに僕を見た。でも、またすぐに笑いかけてくれたんだ。
197いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:00:37.35 0




その時、はっきりと気付いた。

僕は夏焼に……恋をしていた。


僕はいつも気付くのが遅すぎるんだ。



次に夏焼に会ったのは、夏休み終わりかけの8月30日の午前中。
夏焼の方が呼び出だしてきたんだ。
198いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:01:12.67 0
「ゴメンね。いきなり呼び出して」
神社の一番上の石段に腰掛けて、夏焼はそう言った。
「ううん、大丈夫」
僕の言葉に安心したようにうなずいて、夏焼は自分の隣をポンポンと叩いた。
僕は駆け足で石段を上がると、その横に…少し隙間を作りながら座った。
夏焼はなにも言わないで、ただ、隣で座っていた。
ミーン、ミーンとセミの鳴き声が聞こえてきた。
空には雲ひとつなくて、午前中の少しさわやかな光が全身に当たって砕ける。
「…今日も暑くなりそうだね」
おもむろに僕はつぶやいた。
「うん。そうだね」
夏焼はうなずきながら言った。妙に落ち着いた声だった。
「…夏休みも、もう終わりか。夏焼、宿題終わった?」
「うん。もう終わったよ。君は?」
「あと、読書感想文だけ」
僕が頭をかくと、夏焼はフフッと笑った。
「…夏焼、夏休みどっか行った?」
「うん。いろいろ行ったよ」
「海とか?」
「ううん。今年はちょっと海には行けなかったんだ」
「へぇ、そうなんだ。僕はお爺ちゃんちに行ったよ。すっごい田舎でさ、星きれいだった」
『夏焼にも見せてあげたかった』と言いかけて…でも言えなかった。

夏焼の小さな肩が震えていたから。
199名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 21:01:27.34 0
 
200いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:01:44.19 0
「夏焼……?」
「……」
「どうしたの?」
「…なんでもない」
その声も震えている。
「なんでもないって…」
「なんでもないったら!」
強い口調でそう言うと、そのままなにも言わなくなった。

「泣かないで…」
僕の口からそんな言葉が出た。話していると言う感覚はなかった。
ただ、心が勝手に口を動かしているみたいだった。
「夏焼が泣いてると、僕も悲しくなるんだ」
「……」
「泣かないで」
僕はもう一度繰り返した。でも、夏焼は泣き止んではくれなかった。
「…どうしよう」
夏焼は搾り出すようにそうつぶやいた。
「……」
「あたし、どうしたらいいの…?」
赤い目で僕を見る。
「なんか…あったの?」
ゆっくりと首を振った。
「ううん。でも…」
「でも?」
また、夏焼は首を振った。
201いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:02:30.81 0
「『…よかったら、これ使って』って、あたしは君に言った。…覚えてる?」
「うん。ミッキーのシャーペンだよね。勇気がいったって言ってた。人見知りするからって…」
「ちがうの」
「えっ…?」
「人見知りするのはホント。言ったとき、ドキドキしてた。でも…」
夏焼は膝を抱えながら、僕から視線をはずした。
「ドキドキしてたホントの理由は…」
そこまで言うと、口を閉ざす。僕はただ夏焼を見ていた。

「…この前、君と会った。お祭りの日」
「うん、夏焼はピンクの浴衣に、ミッキーマウスのお面つけてた」
「君は射的の屋台の前で、…優しい目をしながらクラスの男の子たちを見てた」
夏焼は遠い目をしていた。ほんのちょっと前のことを、懐かしむように。
「うれしかった。…君に会いたかったから。ずっと」
「僕もだよ。会いたかった、夏焼に」
僕の言葉に夏焼はハッと顔を上げた。でもすぐに目を伏せる。
「なんか妙に意識しちゃって、上手く話せなかったけど…」
夏焼は顔を伏せたままだった。どこかで見たことのある顔。
お祭りの別れ際、振り返って見せたあの悲しそうな顔だった。

でも、この前とは違った。
夏焼はもう、笑いかけてはくれなかったから。
202いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:03:16.89 0
「今日、あたしは君を呼び出した。…ホントはすごく迷った」
「えっ…?」
「だけど、我慢できなかったの…。君に会いたかった」
押し殺したように、つぶやく。
「いつからかはわかんない。けど、いつの間にか、…いつも」
「……」
「あたしは君に…恋をしていました」

夏焼は僕に恋をしていた。いつの間にか、いつも。
僕も夏焼に恋をしていた。いつの間にか、いつも。

うれしいはずの告白も、全然うれしくなかった。
夏焼は泣いていたから。

「僕も…」
夏焼は僕を見た。
「僕も夏焼に…」
夏焼は涙を拭おうともせずに、ブンブンと首を振る。
「……」
僕はそれ以上なにも言えなかった。
夏焼の目は必死で、悲しみが溢れていたから。

わけがわからないまま、僕は黙って唇を噛み締めていた。
203いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:04:02.37 0
「片思いならよかったのに…」
「……」
「あたしの片思いなら…」
僕は言葉に出来ない『なにか』を感じていた。
だけど、僕はまだそれがなんなのか気付かないまま。
「こんなことになるなら、声なんてかけなかったらよかった。…勇気なんて出さなきゃよかった」
「なんで…そんなこと言うの?」
僕の目から一滴の涙がこぼれて、夏焼の手の上に落ちた。夏焼は僕を見上げる。
「ゴメン…、ごめんなさい」
心が砕けてしまいそうなくらい、悲しい顔で僕を見上げる。僕の目から、また涙がこぼれ落ちた。
夏焼は僕の手を振り払うと、立ち上がる。
「さよなら」
きっぱりとそう言うと、振り返りもせずに石段を下っていった。
「夏焼!!」
その足が止まる。
「…新学期になったら、ミッキーのペン返すから。ちゃんと、受け取ってよ」
僕に背を向けたまま、夏焼はゆっくりとうなずいて…。
そのまま走り去った。
叶えられることのない、空約束をしている気分だった。

そしてそれは、まぎれもない空約束だった。

新学期。隣の席は空っぽだった。
夏焼は聞いたこともないような土地に引っ越していた。



やっぱり僕は、気付くのが遅すぎるんだ。
204いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:04:34.32 0



あの年のあの夏。たった二ヶ月間。

ほんの短い間だったけど、僕は確かに夏焼に恋をしていた。
そして、夏焼も。

だけど、その恋はなんの音も立てずに、あっけなく終わった。



気が付けば俺は高校生になっていた。
高校一年の夏休みも、残すところあと十日だった。
205いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:05:13.33 0
「おいっ、寺西!これどこ置けばいいんだ?」
「あぁ、それはこっち!!」
寺西が指差す所へ、俺は抱えていたダンボール箱を置いた。
中には真空パックされた、棒つきのソーセージが入っている。
「結構売れてるな」
「おう、絶好調だ!!」
寺西はダンボールからからソーセージを取り出すと、慣れた手つきでパックを破り熱された鉄板の上に並べる。
今年の夏休みから、寺西は祭りの屋台でバイトをしていた。俺はその手伝い。
「親方!どうッスかこれ」
寺西の視線の先には一人のおじさん。あの時、射的の屋台でふんぞり返っていたおじさんだ。
おじさんはあの時のように、ニヤリと笑って俺たちを見た。

寺西は大声を上げながら、一心不乱にソーセージを焼いていた。
俺は何度もダンボールを運び、何度もケチャップを継ぎ足す。
「わりぃ。ちょっと、帳面付けてくれよ」
一段落したところで、寺西はボロいノートを俺に放った。
受け取って開くと、汚い字でびっしりと数字が並んでいる。
「なんだよこれ…」
「俺そういうの苦手でさ。頼むよ。お前そういうの得意だろ?」
鉄板の上をヘラで掃除しながら、寺西は俺を見た。
寺西に手を上げると、そのノートと電卓を手に取って俺はパイプイスに腰掛けた。
懐からシャーペンを取り出して、カチッカチッとノックする。

その度にミッキーマウスが手を振った。
206いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:05:54.70 0
「よっ!お疲れさん」
俺に缶コーラを投げてよこすと、寺西は横に腰掛けた。
缶を開けると、プシュッと言う音を上げて中身が噴き出す。
「はぁ、疲れた…。後片付けはいいのか?」
「あぁ。それは親方たちの仕事。俺も今日でバイト上がりだからな」
「そっか。大変だな、この仕事も」
「だから、お前を呼んだんだよ」
寺西も自分のコーラを一口飲んだ。
「昨日も一昨日も、俺一人で大変だったんだからな」
「一人って…親方は?」
「親方は射的の方やってるから。今日も途中でいなくなったろ?」
「あぁ。なるほどね」
「ほいっ。これ」
寺西はケツのポケットから茶封筒を取り出す。
「給料か?」
「あぁ。お前は一日分だから、知れてるけどな」
俺は中身を確かめもしないで、その封筒をポケットにねじ込む。
「今日で祭りも終わりか」
そう言って、俺はまたコーラを一口飲んだ。

「祭りの終わりって、…なんか物悲しいよな」
寺西はポツリとつぶやいた。
「なに言ってんだ?いきなり…」
「いいから聞けよ」
横目で俺を見て、諭すように笑う。
「ガキの頃ってさ、やっぱバカだったと思う。な〜んも考えてなかったし」
「あっ?わけわかん…」
「終わりが来るってことがどういうことか、全然わかってなかった」
「……」
207いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:06:42.61 0
「俺…別れたじゃんか」
「あぁ。そうだな」
寺西は夏休みに入ってすぐ、中二の時から付き合っていた女と別れた。
その話を俺は寺西から直接聞いた。
「結構、きつかったよ。正直。でもさ…」
「でも…?」
「でも終わったんだ、俺たちは。終わったから俺もまた、歩き出せる気がする」
「…そっか」
「うん。もう未練はない。あいつとも多分笑って話せると思う。…俺もちょっとは大人になれたかな」
寺西は照れくさそうに、鼻の頭を掻くとコーラを一気に飲み干した。
もうそこには『大人はきたねぇ!!』と叫んでいた寺西はいない。
「よかったな」
俺も少し笑って、コーラを飲み干した。


「お前はさ…。どうなんだ?」
寺西は俺から視線を逸らすように立ち上がって、空き缶をゴミ箱に投げ捨てた。
「…なんのこと?」
「今年も会わないつもりか?」
聞き辛そうにそう言って、寺西は眉をあげて見せた。
「だから、なんの話だよ」
俺はわざととぼける。寺西が言おうとしていることを、誤魔化すために。
寺西は小さく首を振る。そして、真剣に俺の目を見た。

「今年も夏焼には会わないのか」

俺は黙ったまま立ち上がり、空き缶を捨てた。
208いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:07:18.15 0
「知ってるんだろ?毎年夏休みになると…夏焼が帰ってきてること」
俺は月を見上げながら、寺西の話を聞いていた。
少し欠けた月が俺を見下ろしていた。
「…蚊が多いな」
俺はそう言って、腕をポリポリと掻く。
「誤魔化すなよ」
たしなめるようなその寺西の声に、隠された優しさを感じた。
こいつはお調子者で、やかましくて。
でも、誰よりも正直で真っ直ぐなやつだったから。

「お前は…寺西は会ったのか?」
「あぁ、去年な。今年は会ってないけど」
「そっか」
「…おうっ」
「元気…してたか」
「俺にはそう見えた。でも…」
俺は眉を上げて寺西を見る。
「俺はお前ほど、夏焼のこと知らないから」
「…なんだよそれ」
「夏焼がホントに元気なのかどうかは…お前にしかわからない」
「……」
「だから、会って…」
「会ってどうする?」

俺は寺西の言葉を遮った。
209いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:07:58.03 0
「会ってどうするんだ?」
俺はまた繰り返して
「昔話でもしろってか?『あの頃はよかったなぁ』って?…バカバカしい」
吐き捨てるようにそう言った。
「わかったよ」
「…だろ?」
「もうこれからは一切、お前に夏焼の話はしない」
寺西は睨むように俺を見ていた。
「だから最期に、言いたいこと全部言う」
「えっ…?」
「…バカらしかろうと、なんだろうと。お前は夏焼に会うべきだ。お前と夏焼が会うことに意味がある」
寺西はきっぱりとそう言った。
「寺西。お前がなにを期待してるか知らないけど、もう…おせぇよ」
「……」
「何年経ってると思ってるんだ?今更なんだ?俺たちはもう、終わ…」
「終わった…?ホントにそう思うか?俺はそうは思わない」
寺西は大げさに首を振った。
「お前はまだ、あのシャーペンを捨てられずにいるじゃねぇか」
「……」
俺はゆっくりと、懐からシャーペンを取り出した。
「こんなの…!!」
振りかぶって、そして……。
「お前はそれを捨てられないよ。お前がお前である限り」

指が白くなるほど、ペンを握り締めていた。
210いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:08:36.14 0
「お前と夏焼はよく似てる」
「えっ…?」
「去年の夏焼も、今のお前と同じようなこと言ってたからさ」
「……」
「『会ってどうするの』とか『もう終わったこと』とか。『あわせる顔がない』とも言ってたよ」
寺西はフッと鼻を鳴らした。
「俺、聞いたんだ。『どうして毎年夏になると、夏焼はこの町に帰ってくるんだ?』って」
「夏焼…なんて答えた?」
「なにも答えなかった。ただ、悲しそうにうつむいていた」
「……」
「多分、自分でも気付いてないんだよ。夏焼も、…お前も」
「俺…も?」
「夏焼がこの町に帰ってくる理由も、お前があのシャーペンを捨てられない理由も。同じだよ」
「……」
「二人ともそれに気付いていない。なのに今でもお前はペンを捨てれられず、夏焼は今年も帰ってきた」
俺はただ、握り締めたミッキーマウスのペンを見つめていた。

「俺の言いたいことはこれで全部。もう、夏焼の話は二度としない。後はお前が決めることだ」
「寺西…」
「どっちにしろ辛い思いをするかもしれないけど、それが大人になるってこと。…らしいぜ」
ニコッと笑うと、寺西は夜空を見上げた。
「あぁ、そうだ。最期にもう一つ。これは小畑から聞いた話なんだけど…」
211いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:09:13.53 0

8月30日。


神社までの道をゆっくりと歩いていた。一歩一歩踏みしめるように。
神社の前まで来ると、俺は大きく深呼吸して石段の一番上を見る。

夏焼が座っていた。

俺はうつむいて、石段に足をかけた。
途中で「あっ…!」と言う声が聞こえた。ヤバイくらいに心臓が踊り狂っている。
それでも俺は顔を上げずに階段を上る。心臓をなだめつかせながら。

俺は足を止めた。
そして、ゆっくりというより、恐る恐る顔を上げた。
夏焼は俺を見ていた。俺も、夏焼を見ていた。

「よぅ」
「…うん」
「久しぶり」
「……うん」

ミーン、ミーンとセミの鳴き声が聞こえてきた。
空には雲ひとつなくて、さわやかな太陽の光が全身に当たって砕ける。

夏焼は顔を赤くして、自分の隣をポンポンと叩いた。
俺はぎこちなく笑うと、その横に…少し隙間を作りながら座った。
212いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:09:49.37 0
「…どうしてここが、わかったの?」
「寺西から聞いた。小畑からの情報だって言ってたけど」
「そうなんだ」
「あぁ。…元気だったか」
「…うん。君は?」
「元気だよ」
俺は笑い顔を作った。
「仲いいんだ?寺西くんたちと」
「うん。高校も一緒だし。腐れ縁ってやつかな」
「そう。…背、伸びたね」
「あぁ。俺、バスケ始めたから…」
「『俺』だって」
「えっ…?」
「あの頃は『僕』だったのにね」
夏焼は懐かしそうに笑いながら、俺を見た。
「…もう、高校生だからな」
「うん…」
「背も伸びたし…」
「……」
「あの頃とは…違うよ」

「……うん。そうだね」


二人の間に沈黙が訪れた。
213いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:10:31.93 0
「ゴメンね」
沈黙を破ったのは夏焼の方。
「…なにが?」
「あの時のこと。ずっと謝りたかった」
「夏焼が悪いんじゃないよ」
「でも、君に謝りたかった。だから毎年、帰ってきてたんだよ…」
俺は大きく首を振った。そして、懐から取り出す。
ミッキーマウスのシャーペン。

「あっ…」
「これ。ずっと借りっぱなしだったから…」
俺はペンをしばらく指でもてあそんで…夏焼に差し出した。
「ボロボロになっちゃったけど。…今までありがと」
「ずっと、持っててくれたんだ…」
「夏焼に返したいと思ってた。だからずっと、捨てずに持ってたんだ」
夏焼はペンを見つめたまま動かない。
「あたしは…君に謝りたくて、ここに来た」
「そうだな。…俺はこのペンを返したくて、ここへ来た」
「あたしがこのペンを受け取ったら…、もう…?」
俺は夏焼の目を見てうなずいた。夏焼の目から、涙が零れ落ちた。
「なんで、泣くんだよ…」
「それは、…君が泣いているから」
自分の頬に手を当てる。指先に雫が触れた。

俺は言葉に出来ない『なにか』を感じた。あの時のように。そして今になって、それがなんなのか…気付いた。
214いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:11:33.35 0

「…ホントはここに来るの、すっごく迷った」
俺は涙を拭って、ゆっくりと立ち上がる。
「ホントはこのペン、返したくない。返したら、全部終わっちゃうような気がするから」
夏焼も立ち上がった。
「だけど、俺はここに来た。我慢できなかったから。…夏焼に会いたかったから」
俺は夏焼を見つめた。
「夏焼に会いたかったんだ。…あいたかった。だからこのペン、捨てられなかったんだ」
「あたしも。君に…あいたかった。ずっと」
夏焼は涙を流しながら、微笑んだ。
「あの年のあの夏。ここで夏焼は俺に言った。なんて言ったか覚えてる…?」
俺は絞り出すようにそう言った。

「…いつからかはわかんない。けど、いつの間にか…いつも」
「……」
「あたしは君に…恋をしていました」

あの時の言葉を、夏焼は繰り返した。あの時と同じように、涙声で。
「でも、あの時。俺に返事させてくれなかった。夏焼は終わらせようと、必死だったから」
「…うん」
「だから、今。あの時言えなかったこと、言いたかったこと言うよ。……終わらせたくないから」
「……」
俺は大きく息を吸い込んだ。
215いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:12:29.10 0





いつの間にか、いつも。そして、…いつまでも


俺は夏焼に恋をしています。今でも変わらず

216いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:13:02.63 0

「そのペン…」
夏焼はペンを握る俺の手を、両手で包みこんだ。
「よかったら、君が持ってて。…ずっと」
俺は大きく、しっかりとうなずいた。

夏焼は涙顔のまま、そんな俺に笑いかけてくれたんだ。




「ずっと、待っててくれたんだな。…俺のこと」
石段の上から街を見下ろしながら、そう言った。
「来てくれないと思ってた。でも、ホントは多分。心のどこかで君のこと…信じてたんだと思う」
「……」
「君のこと信じてた」
俺を見つめる。涙はもう乾いていた。
「遅くなってゴメンな。俺はいつも…気付くのが遅すぎるんだ」
「遅くなんか…ないよ」
「えっ…?」
俺の頬にやわらかい唇が触れる。夏焼は顔を赤くして目を伏せた。

「君は来てくれたんだもん」



                              了
217いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 21:13:46.54 0
以上になります
読んでくれたかた
ありがとうございます
218名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 21:14:15.46 0
乙!!!!
219名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 21:15:56.58 0
乙ですかなり泣きそうです
素敵な作品ありがとうございます
220名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 21:40:10.76 0
ハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!
221名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 22:00:01.26 0
乙です!!
夏焼さん推しの私にはたまらない作品でした
222名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 22:12:07.26 O
乙です!
これは名作ですね〜☆
次の小説も期待してます!
223名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 22:36:29.44 0
感動してる私が居ます
224名無し募集中。。。:2006/09/06(水) 22:50:46.27 0
乙です!!!
文章力もありますし、心に響きました!!


今自分が書いてるものと、申し訳ないんですが多少かぶってしまっている部分があって
話の流れとしては違うんですけど大丈夫でしょうか?
まだまだうpできるような段階じゃないんですが一応聞いておきたいです。
225いつの間にか、いつも:2006/09/06(水) 23:31:33.81 0
みなさんありがとうございます

>>224
返事遅れてすいません
自分としては全然問題ないですよ
226名無し募集中。。。:2006/09/07(木) 00:24:14.61 0
227名無し募集中。。。:2006/09/07(木) 00:24:28.82 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
228名無し募集中。。。:2006/09/07(木) 01:07:59.45 0
229名無し募集中。。。:2006/09/07(木) 02:02:53.64 0
就寝保全
230名無し募集中。。。:2006/09/07(木) 03:09:51.86 0
ho
231名無し募集中。。。:2006/09/07(木) 05:03:00.57 0
ze
232名無し募集中。。。:2006/09/07(木) 05:56:16.69 O
保全
233名無し募集中。。。:2006/09/07(木) 07:50:43.96 0
おはほ
234名無し募集中。。。