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107 名前:水先案名無い人[sage] 投稿日:2005/08/31(水) 10:46:33 ID:wFlspCUc0
こんな夜更けに、闇と風の中に馬を走らせるのは誰だろう。
それは父と子だ。父はおびえる子をひしと抱きかかえている。
父 「息子よ、何いきなり顔を隠しててるわけ?」
子 「お父さんには魔王が見えないの。かんむりをかぶって、長い衣を着ている・・・」
父 「あれはたなびく霧であることが確定的に明らか」
魔王 「かわいい坊や、一緒においで。面白い遊びをしよう。岸辺にはきれいな花が咲いているし、金の服を私の母さんがたくさん用意して待っているよ。」
子 「お父さん、お父さん!きこえないの。魔王がぼくになにかいうよ。」
父 「おい、魔王の名前出すのはよそうぜ。ここは枯葉のざわめきをを語るスレだろ」
魔王 「いい子だ、私と一緒に行こう。私の娘たちがもてなすよ。お前をここちよくゆすぶり、踊り、歌うのだ。」
子 「お父さん、お父さん!見えないの、あの暗いところに魔王の娘が!」
父 「魔王の娘は関係ないだろ。本人に聞いたけど、あれは古いしだれ柳の幹だと言っていた。」
魔王「愛しているよ、坊や。お前の美しい姿がたまらない。力づくでもつれてゆく!」
子 「おとうさん、おとうさん!魔王がぼくをつかまえる!魔王がぼくをひどい目にあわせる!」
魔王「それほどでもない」
父親はぎょっとして、馬を全速力で全力疾走させた。あえぐ子供を両腕に抱え、やっとの思いで館に着いた・・・
腕に抱えられた子は時既に時間切れ。