ジョジョの奇妙な冒険外伝  第二十四部

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1名無し募集中。。。
ジョジョに関する小説&ゲーム&ネタ&雑談スレです


前スレ
第二十三部 http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1147109188/

まとめ      ttp://kikyou.sakura.ne.jp/~vh/giniro.htm
過去ログ(html)ttp://mito.cool.ne.jp/keiyasuda/
2364:2006/05/17(水) 22:19:54.15 0
というわけで立ててみました。
html前スレも補完!

ってか怖いなぁ…この時間帯。また1時間ほどで落ちた…
3名無し募集中。。。:2006/05/17(水) 22:39:23.68 O
逆に考えるんだ
「落としたっていいさ」
と考えるんだ
4名無し募集中。。。:2006/05/17(水) 22:55:03.32 0
てかバカがクソスレ乱立させすぎですね・・・
5名無し募集中。。。:2006/05/17(水) 22:55:30.57 0
乙です!ザクスレの乱立かな
6名無し募集中。。。:2006/05/17(水) 23:47:05.90 O
スレ立て乙&保全疾走ッ!
7六部198:2006/05/17(水) 23:52:34.43 0
帰宅ッ!
スレ立てと前スレ補完乙ッ!
っつーかやはり落ちてたか・・・
ということで保全用グラフをどうぞ
ttp://kaomiki5.hp.infoseek.co.jp/
8http://ex11.2ch.net02.tripod.com/:2006/05/17(水) 23:52:43.22 0
 
9名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 00:26:49.01 0
10六部198:2006/05/18(木) 01:21:31.54 0
するよ保全
11名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 02:06:24.22 0
hozen
12マイマイ268:2006/05/18(木) 04:38:50.50 0
  ,. ---――- 、    / /  ヽ| ,. -―、,ィ'´,ィT;;T ヽ、
/          ヽ   ト、| ヽハl />- // ///;;/   i!
  知 る  頑 乱 ヽ l ヽ、Ll {_/__ ノ/ ///;;/  /:l _,. -――‐、
  っ  と  張 立   ヽト、   <_ノノノ/;;/ /:::ノ
  て 英  っ 落   |lヾ'', - ' ´  `ヽ、;;//::::/
  た 雄  て ち    .| Y へ,_ ''  __,,. -'ヽヽ / ひ  乙  お
  か な  新 に   l | ,tt:ァ、ノ  ,.,、__  〈/  と  な  っ
  ? の  ス 対   >l ''  ノ ::  `ー'´ 、/;.  り  >>1 と
  超     レ し   / l、l  ,、ヽ',、     ノ//   登. が  凄
  乙    立 て   | ,、 l  ノ三ヽ、   、//l.   場     く
  !    て     l/  ',   ー-- `  // .|    ∫
              ノn  /.l _     //レ l.    ∫
ヽ_____,. -/⌒ヽ/ ヾ、_`ヽ _,,. // / ハ
  r'―‐-、  ヽr'=、、ヽ' /-、::::: : :   /// / ノ
  |:: :::   ヽ/:.:.: ノノ r' 〉 }     // /、-、 ̄ヽ
__f::: 、  r'=、、/Y ハ l, 、/\   // /::::ノ/:.:.:.:.:.:.ヽ、____ノ
ヽ--、__/ヽ='_'l_(__)' >、lー/:::ノ  ̄.//-'::::) /イ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.>
-イ´   {     ̄ ; ノ、/ |ヽ、f:://-ヽノ:/ イ|:.:.:. :. :. :. _,,. - ´
 l     〈`ー----イ//  l ヽ//_::ノ__,. - 'l |      ヽ、
 l      ヽ、___;,.-'´ノ   l  トj       レ    o    ≫
_ノヽ       ヽ--- <     l          /o、 //  /イ
  `ヽ ___/:ヽ、  ヽ   l         /  >':::ヽ〈/   |
13名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 06:15:22.17 0
乙穂
14364:2006/05/18(木) 07:18:56.13 0
出勤前保!
15前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/18(木) 07:57:14.49 0
おは保!
364さんスレ立て乙!
16http://ex11.2ch.net03.tripod.com/:2006/05/18(木) 07:58:00.69 0
346個の過去ログのなかで一番充実しているスレはどれですか?
17名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 09:45:58.70 0
ブンブンサテライツって本当にあるバンドだったんだな
18名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 10:21:24.58 0
寺田の作った歌じゃなかったのか・・・
19前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/18(木) 10:43:59.43 0
俺はラジオ番組かと思ってたwそんな番組あったよね?
20名無し募集中!:2006/05/18(木) 11:18:59.07 0
そう言えばおはスタできらりんレボリュージォのカードゲームがどうたら
言ってた。銀色の永遠もカードゲームにならないの?
21名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 11:32:53.22 O
銀色の永遠に出てくるスタンド名ぐぐってみたら
いろいろな元ネタわかるかもな、サブタイとかも
22364:2006/05/18(木) 12:22:22.64 O
>>20
確かフリーのオンラインゲーで自作で遊戯王DMのカード作れるのあったはず。
随分前に実際ハロプロでデッキ作るスレもあったし。

普通にカードの画像作るだけでも面白いかも、と思った自分ガイル
23名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 12:36:20.42 O
問題はスタンドの画像だな
アンサーミーみたいのがありゃいいけどエリーゼやビスケッツは
エコーズやピストルズみたいな感じっぽ

てか携帯率なにげ高いなここ
24名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 13:29:31.42 0
ブンブンサテライツ…97年ベルギーの名門テクノレーベルR&S Recordsよりデビュー
テクノとロックを融合したサウンドが特徴だったがその後ロックへの回帰の傾向にある

BOOM BOOM SATELLITES / PUSH EJECT
http://www.youtube.com/watch?v=MYaNoqRNBjA&search=BOOM%20BOOM%20SATELLITES
25名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 14:44:17.33 O
ジョジョオフするか
26マイマイ268:2006/05/18(木) 15:07:03.85 0
ブンサテは、矢口の回を書いてるときにちょうどこのCMが流れて
http://www2.menard.co.jp/cm/oriental_2006.htm
考えてたスタンド能力ともマッチしたので、名前をこれにして、衛星ってことにしました

ホントはハロプロ楽曲に由来があったほうがよかったんですが
ニューオーダーの例もあるからいいかなとw
27名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 15:14:20.18 O
ブンブンサテライツってネーミングがミラクルビスケッツと同じくらい好きだな
28マイマイ268:2006/05/18(木) 15:34:35.63 0
29六部198:2006/05/18(木) 16:04:13.88 0
ブンブンサテライツって日本人かと思ったら外人かと思ったらやっぱ日本人だったのか
カッコイイ曲作るよね

ということで前スレのログ読んだ!
>>364さん
乙ッ!
やっぱ三好は狂人仕様なんだなw
>>前スレさん
一先ずエピ完乙ッ!
菅沼とデッドマンズはタイトルそのままで続くのかな
>>915さん
乙ッ!
いよいよ最終局面か・・・いい展開を期待してますッ!
>>28
俺なら矢口は上で市井は下かな
30名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 16:49:13.72 O
311 ◆I7CTouCqyo :2006/05/18(木) 17:00:00.46 0
364さんスレ立て乙ですー!!

じゃあ早速出そう
321 ◆I7CTouCqyo :2006/05/18(木) 17:01:05.00 0


その頃・・・高橋愛は一人、雑木林を彷徨い途方に暮れていた。
迷子になった、といっても決して語弊ではない。
辿っていたハズのバラの花はもうどこにも咲いていなく、そもそも何故ゆえに
自分はバラの花なんか追いかけていたんだろう・・・そんなことを思い始めていた。


「ぐあぁ〜・・・・・亀子のせいやよ。遊園地がどうとか勝手に移動すッから・・・・・
さっきの場所にも戻れなくなってしまったがし。ココドコ・・・・orz」


元々勝手に移動したのは彼女自身だが・・・・・
まぁ人のせいにしていても仕方が無いし、立ち止まっていてもしょうがない。

高橋愛は、さらに奥へ奥へと歩き続けるのだった。



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・
331 ◆I7CTouCqyo :2006/05/18(木) 17:04:19.81 0


「2着ゥーッ!!」

バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!


田中れいなは高らかに名乗りを上げる。
人がいない遊園地・・・・・おかげでゴーカートを大胆に運転することができた。
こんなに幅広い道をゴーカートで爽快に走り抜けるという経験は、
なかなかできることじゃあない。

だが・・・・・・


「ずるいーッ!!!こらウサギッ!!卑怯なのだ!!!!」


到着したローラーコースターの下で、3着の新垣里沙は1着のウサギを責める。
それもそのはずだ。
ウサギはこの遊園地の案内人なのだから、コースを知り尽くしているに決まっている。
よって彼女達3人は、どうしてもウサギを追いかける形になってしまったのだった。


  『 ふっふっふっ じゃあ罰ゲーム♪ 』


「罰ゲーム♪じゃあないのだッ!!」

憤怒する新垣里沙を見ると、ウサギは口元を押さえ、まるで含み笑いを
しているようなポーズをとった。
341 ◆I7CTouCqyo :2006/05/18(木) 17:06:42.19 0


「いやぁ何にしても面白かったばい、あの疾走感!!たまらなかったと」

「うぅ・・・スタートの時アクセルとブレーキ間違えて踏んじゃったよ、おかげでビリだし」

「絵里がスタート地点で燻ってたのはそういうワケやったんかw」

「うん、あ〜あ・・・『F-MEGA』は得意だったんだけどなぁ〜」

「随分古いレースゲームっちゃね〜。むかし兄ちゃんが持ってたから
れいなもやったことあるたい」

「マジで?僕、A車使いなんだ〜ねぇねぇ今度うちで対戦しようよ」

「えぇっ!絵里がれいなを家に招待ッ!?か、感激っちゃ・・・・・」
351 ◆I7CTouCqyo :2006/05/18(木) 17:09:10.93 0


二人が他愛のない話題で盛り上がっている中、新垣里沙はまだウサギに対し
反発している。


「罰ゲームなんかイヤなのだ!!」


  『 まぁまぁ 落ち着きんしゃい 』


さらにスケッチブックのページを捲る。


  『 とりあえず この絶叫マシーンに 乗ってもらいましょか 』


「とりあえずこの絶叫マシーンに乗ってもらいましょか、だって」

「調子のいいウサギなのだ」

「よっしゃ!!早く行くばいッ!!!どうせならこの遊園地の乗り物、
ぜェ〜んぶ制覇したいと!!!」


かなりテンションがハイな田中れいなは身体中の興奮を抑えきれず、
思わず駆け出してしまう。

今日は最高の一日だ・・・・彼女は心からそう思っていた。
361 ◆I7CTouCqyo :2006/05/18(木) 17:11:00.23 0


「あ、れいな待ってよ〜!!ガキさん行こッ!!!」

「うぅむ・・・・あんなにハイテンションな田中っちを見るのは始めてかも知れない・・・
あそこまで楽しそうにされていると、ホントにこの島に連れてきてよかったと
思えるのだ、うんうん」


亀井絵里と新垣里沙の二人はゆっくりと階段を上り、大はしゃぎする
田中れいなを追いかけるのだった。
そのすぐ後ろにはウサギも続いている。

3人は気が付かなかった。

つい先ほどのページの片隅に・・・・ウサギの指で隠れてしまっていたのだが・・・・・
こんなメッセージも書かれていた事を・・・・


『 後悔すんなよ ボケ 』



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
371 ◆I7CTouCqyo :2006/05/18(木) 17:13:48.50 0


3人はレールと同色であるパステルピンクの車両の座席にそれぞれ乗り込む。
一番先頭が亀井絵里と田中れいな、その後ろに新垣里沙が腰を下ろした。
当然、彼女達以外はこのローラーコースターに乗っている者はいない。

「ちょ、ちょっと待って。これ誰が発進させるの?従業員いないじゃん」

あまり慣れない絶叫マシーンに乗るせいか、亀井絵里はややテンパリ気味だ。
彼女の質問に、ウサギはしきりに自分を指差した。

「う、ウサギが発進させるんだ・・・・平気なのかな・・・・・」


  『 だいじょーぶ 全自動だから スイッチ一つでポチッとな 』


「そんなもんなんだ・・・・」



ガシャン!!!


黒いセイフティーバーが下り、彼女達の身体をちょっときついかぐらいに支えた。
いよいよ発進である!!

しかし変だ。

スイッチ一つで・・・なんて言っておきながら、ウサギはまだ何もしていないではないか。
だが目の前のスリルにとらわれ緊張している3人は、そんな些細な疑問に頭が回らなかった。
381 ◆I7CTouCqyo :2006/05/18(木) 17:16:42.75 0


「は、発進するばいッ!!こわぁぁ〜!!!」

「大丈夫かな?ねぇ大丈夫かな?あ、やばいやばいやばいやばい!ねぇ大丈夫かなぁ!?」


  『 バニッシュ!! 池に車両が突入すると 同時に水しぶきが高く舞い上がり
    瞬時に水中に消え去るという 未だかつてないセンセーショナルなシーンが 
    待ち受ける超エキサイティングな ローラーコースター !! 』


「そんな解説しなくていい〜ッ!!ばかぁ!!!」

「亀、少し落ち着くのだ」


ガッコン・・・・・・・


かくして、3人を乗せた絶叫マシーンは重い音を立てて動き出したのだった。
ウサギが見守っている中・・・・さっそくローラーコースターは最初の坂を
ゆっくりと、緊張を煽るように・・・・焦らすように・・・・上り始めている。


「そういえば・・・罰ゲームとは一体なんのことだったんだろう・・・・」

ふと、そんなことを思い出した新垣里沙であった。



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・
391 ◆I7CTouCqyo :2006/05/18(木) 17:17:43.33 0
ここまで!!バイトまで寝るか・・・・・ノシ
40名無し募集中!:2006/05/18(木) 17:22:36.50 0
乙!
41六部198:2006/05/18(木) 17:26:16.40 0
乙ッ!
少しづつ脅威が迫っている感じがするが
どうなんだろうか
42名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 18:28:50.03 0
保全疾走1
43六部198:2006/05/18(木) 18:30:59.56 0
いいや限界だッ!射精すねッ!
44六部198:2006/05/18(木) 18:31:50.07 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜16

ドッギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!

女は声一つ上げずに・・・
いや、『声一つ上げることすら出来ずに』冷たいベッドの上で絶命した。
胸には、まるでそこだけ綺麗にくり貫いたような大きな穴が開いている。
その傍らには、手術で使うようなマスクとゴム手袋をつけた一人の男が立っている。
手には、女性のモノと思しき立方体の肉片が乗っていた。

男はそれを一通り観察すると、なんと口の中にゆっくりと入れた。
そして満足気な表情で、女性に手を触れる。
すると、その身体に次々と切れ目のようなものが入っていく。
まるで『ハニートースト』のようになってしまった女性の欠片を、
再び観察しながらメモのようなものを取っている。

なんというおぞましい光景だろうか!
悪魔のごとき所業!
いや、違う・・・『悪魔ではない』のだ・・・彼は・・・

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・・・
45六部198:2006/05/18(木) 18:32:27.68 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜17

昼休みッ!
それは休憩と呼ぶには、あまりにも過酷ッ!
学食や近所のコンビニでは、毎日のように熾烈な『戦<いくさ>』が繰り広げられているッ!
知略走り、策を巡らせて相手を出し抜くことこそが勝利への道なのだッ!!
それはここ、『サンジェルマン』も例外ではないッ!!

藤本は、人気商品の『テリヤキチキンサンド』を手に入れるために、
昼休みのチャイムと同時にサンジェルマンへと走った。

・・・だがしかし、既に大勢の人が長蛇の列を作っており、
割り込む隙も無い・・・。状況はかなり不利であった。
(・・・一週間ぶりのテリヤキチキン・・・この位置、ギリギリだな・・・)
藤本は自分の前に並んでいる生徒達を指で数えながら、心の中で呟いた。
冷汗が、いつの間にか頬まで伝ってきていた・・・。
46六部198:2006/05/18(木) 18:34:20.98 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜18

そんな中、誰かがこちらに走ってくる気配を感じた。。
「ミキティー!ごめん、遅くなっちゃった!」
その聞きなれない声と、やけに親しげな口調に藤本が振り返る。
「お、お前は・・・加護・・・亜依・・・」
「ちょっとすいません・・・よいしょっと」
そう言いながら、加護は藤本の前に割り込んだ。

「お、おい!ちょっと!」
周りの視線を気にしながら、藤本は迷惑そうに加護を押しのけようとする。
だが、加護はそれを意に介さず、笑顔で他の人達に聞こえるように藤本に話しかける。
「ごめんねー、トイレ混んでてさ。場所取りありがとね♪」
「はあ?なんで美貴がおめーの場・・・うげッ!」
言いかける藤本に加護は、すかさずその横腹に肘テツを入れた。
そして、藤本の耳元で囁く。

「ヒソヒソ・・・まあええやんか、そういうことにしたってえな・・・同じ演劇部の『よしみ』やろ・・・」
「・・・ふざけんな!しかも何で美貴の前に並ぶんだよ!・・・」
「・・・気にせんといてーな」
「・・・『気にせんといてーな』って・・・ここは美貴がテリヤキチキンをゲットできるか
出来ないかの瀬戸際なんだよ・・・つーか、おめーは何頼むつもりなんだよ?!」
藤本は焦っていた・・・加護が列に割り込むこと自体は特に気にしないが、
加護がもしテリヤキチキンを注文するつもりならば、
『おあずけ』を喰らう可能性が一気に高くなるからだッ!
47六部198:2006/05/18(木) 18:35:27.97 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜19

焦る藤本とは対照的に、加護は、こう耳打ちする。
「ヒソヒソ・・・大丈夫や。前に並んでる奴らの殆どは、テリヤキチキンを頼まん・・・」
「・・・なんでそんなことがわかるんだよ」
加護の言葉に、藤本が反応する。
「・・・前に並んでる奴らの顔見た?」
「・・・いや・・・」
「・・・ここに来るときに、前に並んでる奴らの顔を見てんねん・・・どう見てもひょろ臭い文科系って顔や・・・」
「・・・???・・・それとこれと、どういう関係があるんだよ?もったいぶらずに言えよ!」
要領を得ない藤本は、不機嫌そうに説明を求める。
「・・・物分り悪いな。つまり、体育会系とは違うて肉を欲してないっちゅうことや・・・
仮に欲していても、それは多分少人数!」


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・・・・・・・・・・


「・・・と、いうことは・・・」
藤本の顔が明るくなっていく。
「そう!一つといわずに、二つ三つ!余裕でゲットやがなぁッ!!」
とどめと言わんばかりに、加護がガッツポーズのように拳を作って声を張り上げた。
「おおぉッ!!!」
藤本も同じようにガッツポーズをし、加護の腕に絡ませた。
その瞬間、二人を覆っていた険悪な雰囲気が一気に瓦解したのだった!!

バアアアァァアアァアアアァァァンンンンンンンンンンン!!!!!
48六部198:2006/05/18(木) 18:36:48.83 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜20

・・・しかし・・・
注文を済ませた客達の手に握られている袋からは、
ことごとく『テリヤキチキンサンド』の芳しい香が漂っている。
そう!二人の前に並ぶ者たちの殆どが、テリヤキチキンサンドを注文しているのだ!

藤本の顔に再び焦りの色が見え始める。
それを察した加護は、後ろを振り返り藤本の肩に手を置き、静かに頷く。
「大丈夫」と無言で語っているのだろう。

そして、順番が加護に回ってきた。
「すいません。テリヤキチキン一つ下さい」
そう言って加護は、人差し指を立てた。
その表情は硬い。
ここで「申し訳ありません」と言われたら、全てが終わるからだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「かしこまりました。少々お待ちください」

その言葉に、加護はホッと胸をなでおろし、藤本に笑みを見せる。
『勝利』・・・それを確信した藤本も、それに笑顔で返した。
そしてテリヤキチキンを受け取った加護が列の横に身体をずらすと、いよいよ藤本の出番だ。
「いらっしゃいませ、ご注文を承ります」
「・・・テ、テリヤキチキンサンド・・・一つ」
藤本はこみ上げる感情を押さえながら、待ちに待った瞬間に臨んだ。
49六部198:2006/05/18(木) 18:40:28.75 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜21

「申し訳ございません。テリヤキチキンサンドは売り切れになりました」
店員はそう言って、藤本に向かって頭を下げた。
「・・・え?」
藤本は聞き返す。
しかし、返答は変わらない。
店員は機械のように頭を下げ、同じ言葉を繰り返すだけである。
「代わりに『ハムチーズデラックスサンドX』などいかがでしょうか」
店員のその声は、崩れ落ちるように注文カウンターに前のめりになる藤本には届かない。
「あの、それでお願いします」
見るに見かねた加護が、藤本の代わり答えた。

・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・
50六部198:2006/05/18(木) 18:42:23.03 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜22

サンジェルマンから少し離れた閑静な広場。
木々が鬱蒼と生い茂り、陽当たりはあまり良くない。
そのためか、いつもひと気が無い。
加護は藤本を近くのベンチに座らせ、自分も隣に座った。
サンジェルマンからずっと魂の抜け殻のようになった藤本を、
加護が抱えるようにここまで連れてきたのだ。

「ふう・・・まあ、しゃあないやん。運が悪かったんや。元気出しぃ」
そう言って加護は藤本の背中をポンポンと軽く二度叩いた。
しかし返事はなく、藤本はただ顔に手をやり俯いたままだ。
「・・・ほな、ウチは待ち合わせがあるんで」
加護はベンチから立ち上がり、学校の方へ足を向けた。

「・・・ちょっと待てよ・・・」
俯き座ったままの藤本が加護の袖を掴む。
「あ?なんや?」
「思えばおめーが美貴の前に割り込んだのがいけねーんじゃねーか!
しかも何だ?!前に並んでる奴らの殆どは文科系の顔だから、
テリヤキチキンを頼まないだあ?!殆ど全員頼んでたじゃねーか!!」
藤本は激しく抗議するが、加護はそれを鼻で笑う。
「おいおい、何をいまさら言うとんねん!そんなんデマカセに決まっとるやろうが!!」
「なッ・・・なんだとッ!騙したのかぁッ?!」
「プッwククク・・・今頃気づいたんか?ハハハハハハハ!!!!」
呆然とする藤本を見て、加護は抑えていた笑いを堪えきれずに吹き出した。
・・・そう、全ては加護の策略であったのだ。
「まさかここまでアホやったとはな!ハハハハハハハ!!!!」
加護の乾いた笑い声が中庭に響いた。
51六部198:2006/05/18(木) 18:42:59.91 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜23

「・・・てめぇ・・・」

バシュウゥゥゥッッッッッ!!!!!!

藤本の前にBT03が現れる。
それを見た加護の眉が、一瞬ピクリと動く。
だが、表情には余裕が窺える。

「美貴に何の恨みがあるっつーんだ?返答によっちゃあ、痛い目をみてもらうぜ」
藤本のこめかみの血管がピクピクを動いている。
ほんの少しのキッカケで爆発しそうだ。
しかし加護は、その表情を崩さない。
「恨み?そんなんあるわけないやろ?だたスカッとするから・・・」

バギィッッッ!!!!

加護が言い終える前に、BT03の拳がその顔面を捉える!
「ぐはぁッ!!」

「そうかい!なら遠慮はしねーぜ!この場でてめーをぶっ飛ばす!!!!!」
そう言って藤本は、一気に加護に向かって飛び掛った。

ギャーーーースッッッッ!!!!!!
52六部198:2006/05/18(木) 18:43:16.83 0
以上!
53名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 18:56:19.31 O
食べ物の恨みは恐ろしい…かw
54六部198:2006/05/18(木) 20:10:16.42 0
実験監獄こえー
55名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 21:03:06.14 0
保全疾走
56名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 22:11:56.59 0
保全疾走
57前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/18(木) 22:32:53.48 0
6部さん乙!
やはり加護は邪悪かッッ!!!!!
58364:2006/05/18(木) 23:31:47.02 0
皆様乙ッッ!!
59名無し募集中。。。:2006/05/18(木) 23:39:55.17 0
ageとこ
60915:2006/05/19(金) 00:00:40.86 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る103〜

「うわああああああああ!!!!!!!」
くまいちゃんが叫んだ!!!

「あぁッ!!さっきと・・・さっきと一緒だ!!!
 愛理のエンジェルが弾かれた時と・・・!!!」
愛理が言う。

フィール・イージィは長谷部の目の前で止まっている!!
そして、くまいちゃんが苦しそうにしている!!!

「なんなの!?バリアでもあるって言うの!!!???」
みやが言う。

「違う・・・、バリアなんかじゃない・・・・。
 これは・・・・、私と相性最悪・・・・・・・・・・」
くまいちゃんはそういうと倒れてしまった!

「くまいちゃん!!!」
私たちは倒れたくまいちゃんに駆け寄る。
「あ、あの女・・・・・、
 水を使うスタンドよ・・・・・・・」
「水?」
「う、うん・・・・。
 水で薄い膜を張って、それをバリアにしている・・・・。
 私のフィール・イージィ、強制的に水分を吸い取ってしまって
 スタンドパワー使い果たしちゃった・・・・」
61915:2006/05/19(金) 00:01:20.82 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る104〜

「その通り、私のエターナル・ドリームは水を操るスタンド・・・」
そう言った長谷部の近くに立っているスタンドが私たちの方を指さした。

ヅガガガガガガガガガガッッッッッッッ!!!!!!!

「ぐ、ぐうッッッッッッ!!!!!!」

突然の衝撃に私は飛び退く・・・・・

「め、めぐ!!めぐのスタンドの防具が・・・ッ!」
みやに言われて私はサッド・レディの防具を見た。

「なッ?????」
かなりの防御力を誇るサッド・レディの防具に見事にひびが入っていた・・・。

「高圧力で水を噴射するってスタンドか・・・・・」
みやが身構えながら言った。

「そう、私のエターナル・ドリームは指先がホースになっていてね。
 今みたいに相手を攻撃する事も出来るし、
 指が伸びるから上から薄い水の膜を噴射して
 バリア代わりにすることも出来るのよ」
長谷部がそう言うと、長谷部のスタンドの指がにょろにょろと伸びて
シャワーのように上から水を降り注がせた。
その途端、長谷部の目の前に水のカーテンができあがる。
62915:2006/05/19(金) 00:01:46.42 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る105〜

「めぐ、まだ闘える?」
みやが声を掛けてきた。
「うん、防具だからダメージ無いし・・・」
「もう一人、アイツの能力は?」

長谷部の隣には橘がまるで飢えた野良犬のように
うなり声をあげながらこちらをにらんでいた。
「アイツは刀から水晶の槍が飛び出てきて攻撃してくるの。
 あとは見ての通り、気が狂ったようになってるけど
 その分、かなりのパワーがあるみたい・・・」

「言ったでしょ。私と佳奈がいればアンタたちなんか数じゃないって」
長谷部が笑いながら言った。

「二人ともシンプルといえばシンプルな能力だね。
 シンプルな方が強くてやっかいだけど・・・・・・・・」
くまいちゃんを支えながら愛理が心配そうに言った。

「大丈夫、私とめぐに任せなさい」
みやが自信満々に言う。
「私のセクシー・アダルティーとめぐのサッド・レディは
 演劇部でももっともシンプルなスタンドだしね」
「あはは、たしかにね」
私は思わず笑った。
63915:2006/05/19(金) 00:04:43.15 0
え〜っと・・・・・・・・・
紙のスタンドに対して相性悪いって言った時から
長谷部のスタンドは水のスタンドって決めていました。
ただ単に長谷部優に対する情報が
「お水の役で主役張った深夜ドラマがとんでもなくてドリヲタが凹んでいた」
という狼経由の情報しか無かったので
「お水→水のスタンド」という非常に安直な決め方をしたんです。

で、あとからがんずきとかぶりまくりだわ、
364さんのでも似たようなの出てくるわ、
でも紙と相性悪くて違うスタンドってアイデアが出てこないわ・・・
ってことで結局そのまんまです

まあこれだけスタンド出てきたら多少ネタが似通っていてもカンベンしてくださいorz
64前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/19(金) 00:21:00.90 0
乙です!
65前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/19(金) 00:57:15.55 0
矢口キター保!
66名無し募集中。。。:2006/05/19(金) 01:15:38.76 O
67六部198:2006/05/19(金) 02:16:54.10 0
乙ッ!
そういえば高圧で水を噴射してモノを切る機械ってあったな
68名無し募集中。。。:2006/05/19(金) 02:17:42.28 0
きもちわりースレだな
羊池
69六部198:2006/05/19(金) 02:42:05.75 0
保全疾走
70名無し募集中。。。:2006/05/19(金) 03:41:15.34 O
よくみんなネタつきないな
71名無し募集中。。。:2006/05/19(金) 05:08:16.98 O
ほ!
72915:2006/05/19(金) 06:30:27.54 0
>>67
へい、それを想定してました。
会話中にも出そうかとも思ったけどなんか
あまりにも説明チックだからやめたんだけどw
73名無し募集中。。。:2006/05/19(金) 07:33:50.11 0
保全疾走
74364:2006/05/19(金) 07:41:04.63 0
ハロモニでそういえばウォーターカッター出たことありましたね。
実はあの会社、自分の地元が本社なのでびっくりしたっけ…
75名無し募集中。。。:2006/05/19(金) 09:57:12.61 O
シルバーチャリオッツって剣持った人が一人増えただけじゃね?w
76前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/19(金) 09:57:22.54 0
おは保!
77名無し募集中。。。:2006/05/19(金) 10:46:59.64 0
みなさん乙乙!!
78前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/19(金) 11:42:52.91 0
po
79名無し募集中。。。:2006/05/19(金) 12:57:54.60 0
ze
80六部198:2006/05/19(金) 14:06:06.38 0
n
81前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/19(金) 14:56:59.32 0
82前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/19(金) 15:57:10.48 0
83六部198:2006/05/19(金) 16:52:04.77 0
84六部198:2006/05/19(金) 18:54:34.03 0
85前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/19(金) 19:19:12.97 0
ズコー!!!
86名無し募集中。。。:2006/05/19(金) 20:28:13.44 0
保全疾走
87364:2006/05/19(金) 20:49:10.58 0
銀色の永遠 〜高橋愛はルノアールを男役にする〜G


「オーシャンズ・ストーリー!!」
未来が叫ぶと、2体の水色の人型スタンドが未来のそばに現れる。
「かかれっ!!」
そのまま、2体のスタンドは高橋と新垣に突っ込んできた!!

「ライク・ア・ルノアールッ!オラァァッ!」
「ラブッ・シィィーーードッ!!やぁっ!」

ズバシャッ!!ビシャァァァッ!


高橋はルノアールで殴りつけ、新垣はラブ・シードで生み出したツタを鞭代わりに
薙ぎ払い、それぞれオーシャンズ・ストーリーを打ちのめす!
2体のO・ストーリーは水しぶきとなって飛び散った。
88364:2006/05/19(金) 20:49:52.12 0

「甘いっ!まだまだ!!」

未来の叫びで、飛び散ってできたO・ストーリーの水溜りが膨張し、再び人型を形成する。
しかも四散した水塊それぞれから、併せて4体が形成される!!
「クッソ、オラオラオラァァ!」
「ック…やぁっ!とぉーっ!」
再び2人はルノアールで殴り、鞭で薙ぎ払ってO・ストーリーを打ち倒す!!
肋骨の傷が重いのか、新垣は鞭を振るって身体を捩る度に顔をしかめ、苦しげな息を吐く。

「残念!倒したら倒しただけ増えるよぉ〜」
楽しげに未来が答える。その言葉に呼応するように、また人型のO・ストーリーが増える。今度は8体だ!

「クッソ…ライク・ア・ルノアールッ!!」

ドゴッ……グボゥンッ!

高橋はルノアールで地面を殴りつけ、迫り出しでO・ストーリーとの間に壁を作る。
「コレならどうヤァァァーーーッ!
 オラオラオラオラオラオラオラオラァァァァーーー!!」
そのまま壁をラッシュで殴りだした!!

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴガガァァーーーン!

ルノアールのラッシュで破られた迫り出しは岩弾となって襲い掛かり、O・ストーリーを打ちのめす!!
89364:2006/05/19(金) 20:50:47.54 0



しかし……



「水を拳ではったおせるかッ!岩で水を押し潰せるかッ!鞭が水を薙ぎ払えるかッ!
 無駄ァッ 無駄ァッ ひゃひゃハハハーッ」
未来の言葉に呼応するように、岩に打ち砕かれたオーシャンズ・ストーリーは
さらに分裂して人型を形成する。もはやその数は咄嗟には数え切れないほどだ!
そして新垣も高橋も気付いていた。さっきから何体人型スタンドを殴り倒そうとも、
本体の未来はダメージを受けていないことを。
先ほどの三好が蒸発させ尽くした数十トンの水でさえも、未来の左腕一本分のダメージしかないのだ。
この程度の数の人型の水を出すことくらい、未来には何ともないのだ。
少なくとも破られて、ダメージを受けるほどには。

「愛ちゃん!!」
「里沙ちゃん下がっとって!!ライク・ア・ルノアール!!」

ガスッ……グボァァァァァァァァンッ!!
90364:2006/05/19(金) 20:51:22.36 0

高橋は自分と新垣の間に迫り出しの壁を作り出す!
まるで怪我をした新垣をかばうように!
慌てて作ったのか、迫り出しの壁は新垣側にほんの少しだが傾いている。
「仲間を庇ったって無駄無駄ァァ!!取り込んで沈めてやるぁぁぁぁっ!!」
壁で背後を断たれた高橋に、オーシャンズ・ストーリーたちが殺到する!!
「しょわしないッッ!!ライク・ア・ルノアールッッッ!!
 オラオラオラオラオラオラッッッツ!!!!」

ググググググゥゥゥゥゥウウゥゥゥゥゥゥッッッ!!

高橋は地面に斜めにラッシュを打ち込み、そのまま壁にくっついて頭を庇って蹲る。
「ハッッッ!デコをかばっといて自分は無防備って馬ッ鹿じゃないの!!?
 破れかぶれに地面を殴ったってそれじゃあ水を壊せないのは立証済みでしょうがァァ!!
 いけっ!オーシャンズ・ストーリーズゥゥ!!」
身を伏せている高橋に水のスタンドが飛びかかる!!


91364:2006/05/19(金) 20:52:16.96 0



グッッッッボァッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンンン!!



オーシャンズ・ストーリーたちがまさに高橋に飛びかかろうとしたその時!!
前方内側に斜めに浅い角度でルノアールが入れたラッシュの凹りが迫り出し、
高橋の頭の上でオーシャンズ・ストーリーたちに炸裂する!!
迫り出しの勢いで背後の壁に叩きつけられたオーシャンズ・ストーリーだった水塊は
「斜め」な背後の壁をスライダーにして滑って上空に飛び出し、はるか後方まで吹き飛んでいった。
高橋が身を伏せたのは、前方の迫り出しを自分自身が喰らわないようにするためだったのだ!!

バァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!


「さっきの三好サンへの攻撃とかでアンタの射程距離は見キったヨー!!
 あそこまで飛ばしてまえばもう甦ったりはでキんやろ!?」
迫り出しの下から這い出てきた高橋が叫ぶ。
92364:2006/05/19(金) 20:53:03.19 0

「……ハァイ、詰んだ。
 惜しかったね。身を庇うときにスタンドも消してれば完璧だったのにね」



ザパァァァァッ!!



突然、高橋の目の前に人型のオーシャンズ・ストーリーが現れる!!
オーシャンズ・ストーリーを殴って濡れたルノアールの手から膨張して人型を形成したのだ!!

「うぉわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「愛ちゃん!!スタンド消して!!」
迫り出しを回り込んできた新垣が叫ぶっ!
「もう遅いっ!!食らえッッッ!!」

バッシャァァァァァァァァァァァァン!!
93364:2006/05/19(金) 20:53:43.02 0

「ギャァァァァァァァァァァァ!!目がッ!あっしの目がァァァァァァァァァッ!!」
高橋が顔を覆って転げまわって絶叫する。顔面、いや、目を殴られたのだ。
目を開けられぬほどの激痛にスタンドが高橋は一瞬スタンドを消してしまったため、
ルノアールの腕をから広がっていたオーシャンズ・ストーリーも消えてしまっている。

「死海の水だっ!肌に触れるだけでも塩分でピリピリ痺れるのに、
 直接目なんか触れたら痛みで目も開けていられないよっ!!
 そしてとどめだっ!喰らえ!オーシャンズ・ストーリー!!」
再び未来の足元から水溜りが膨張し、巨大な津波を形成する。

高橋が動けない今、新垣にこの津波を防ぐ手立てはない!!
「愛ちゃん!!スタンドで壁をッッ!!津波が来るよっ!」
「目が痛いんよォ!壁…かべ…どっちやぁぁぁぁ!!?」
目を閉じたまま転げまわったせいで高橋は前後不覚に陥っている。

「ラブ・シードッ!愛ちゃん!!早くっ!!」
「ムダだよっ!真水で洗い流しでもしない限りその目は見えるようにならないよ!!」
高橋は目が見えない、つまり津波が来る方向もその高さも分かっていない。
そんな状況でこれまでのように正確に堤防など作れるはずがない!!
2人を飲み込むには十分な波が2人に襲い掛かるッッ!!


ドバッッッッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!
94364:2006/05/19(金) 20:54:16.89 0





「……フゥ、さっきより歯応えはあったけど、やっぱり所詮は素人。私の敵じゃあないね。
 ねぇ!これで私の勝ちでしょ?見逃してくれるんだよね!?」
未来は離れた所に立っている三好に呼びかける。
「ハァ?何言ってるの?そんなこと言って逃げるつもり?」
「なっ……話が違う!!勝ったら見逃してくれるって…!」
「勝ったら、でしょ?まだ勝負もついてないうちに何を言ってるの?」
「そんな!?確かにあの2人は津波に飲まれて……ハッッ!!」

未来は慌てて2人のほうを見る。

そこには、地面から迫り出した壁の堤防があった。先ほどの津波を防ぐには十分な高さだ。
「バカなっ!!防げるはずが……!」
迫り出しの壁がゆっくりと地面に戻っていく。
その向こうには、多少土で汚れてはいるものの、先ほどから特別に傷を負った様子のない
高橋と新垣が並んで立っていた。
95364:2006/05/19(金) 20:55:01.40 0

「どうして!?あの状況でこんな正確な壁を作れるはずない!!」
「…あの瞬間、ラブ・シードで『サボテン』を生み出して、
 中に蓄えられた水で愛ちゃんの目を洗い流した…サボテンは95%が真水でできてる…」
「で、でもっ!海水まみれになってるここの地面で植物なんて育つはずが…!」
「確かにここの地面じゃあ育たん…でも、ルノアールの迫り出しの壁、それの内側は
 『地中』が迫り出したモンや。
 地中の土は海水は染み込んどらん普通の土ヤから植物も生えるんよ。
 危なかった……里沙ちゃん、助カったわ…」
「でも間に合ってよかった…あとちょっと遅かったら、2人とも文字通り海の藻屑だもんね」

2人は手の甲を軽くぶつけ合う。
96364:2006/05/19(金) 20:56:09.08 0
ここまで!切りどころ見つけれなくて中途半端なところで切り。
そしてルノアールは思ったほどトリッキーにならず_| ̄|○
97前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/19(金) 20:56:34.89 0
乙!
98915:2006/05/19(金) 21:28:27.86 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る106〜

「んじゃ、いい加減日も暮れて遅くなってるしちゃっちゃと片づけますか!」
みやはセクシー・アダルティーで構えを取った。
私もサッド・レディを構えさす。

「おばさん」
みやが長谷部に言った。
「ここで予言をしておくね。おばさん・・・・。
 アンタは・・・自身のスタンドの能力で滅びるよ・・・!!」

「ガキのくせに生意気でむかつくね、アンタたち。
 まあその自信もすぐに崩してやるわ」
長谷部が憎々しげに言った。
「ぐる、ぐる、ぐるるるるるる・・・・・・・・・・・」
隣で橘が吠えながらこっちをにらむ。

「いくぜええええええええええええッッッッッッッッッッッッッッ!!!!」
みやは叫ぶとセクシー・アダルティーを橘に向かって伸ばした!!

「うおおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!」
私も長谷部に向かって突っ込む!!

「うぎゃあああああああああッッッッッッッッ!!!!」
私たちのかけ声を合図に、橘も刀を振るってみやに襲いかかる!

「ガキがああああああああッッッッッ!!!」
長谷部も私に向かって水を噴射してきた!!
99915:2006/05/19(金) 21:29:10.41 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る107〜

私は紙一重で避けてさらに突っ込む!!
長谷部のスタンドを観察したところ、
確かにスタンドの指がホースのようになっていて
そこから水が噴射されるようになっている。

でも、それは右手の人差し指だけ・・・・
だとしたら、攻撃と防御は同時に出来ないはず!

「くらえええッッッッッッッッ!!!!!」
私はのど元めがけて思いっきり突きを入れた!!
よし!今ならまだ防御は出来ないはず!!!

バチイイイイイイイイインンンンッッッッッッッッッ!!!!
「う、うわああッッッ!!!」

予想は思いっきり外れて、私はサッド・レディごと吹っ飛ばされた!

「はいざんね〜ん。どうせ水を出すのは一カ所だけと思ったんだろうけど
 足の指からも出せるのよね〜」
長谷部が笑いながら言うと、スタンドの右足の親指から水が噴射された。

そこへ・・・・・

ドゴゴゴゴゴオオオオオオオオオオッッ!!!
「うわあああああッッッッッッッッッ!!!!!!」
100915:2006/05/19(金) 21:29:50.36 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る108〜

叫び声の方を思わず向くと、みやがこっちの方に吹っ飛ばされてきた!
橘の水晶の槍をまともにくらったようだ!!

「みやッ!!!!」
「う、うおおおおおッッッッッッッ!!!!!」

吹っ飛ばされながら、みやは長谷部の方に身体を向ける。

「夏焼家槍戯土錐龍!!!!!!!」
上空からみやが長谷部に槍を突きつける!

「ふんッ!」
長谷部が悠々と避けたセクシー・アダルティーは
ザクザクと空き地の地面に穴を開けた・・・・・・・・。

「くッ!!!」
地面に落ちてきたみやは回転して受け身を取る。

「ぷぎゃあああああああああッッッッッッッッッ!!!!」
そのみやを追って橘が刀を振るってきた。

「あぶないッ!」
私はまだ体勢不十分なみやをかばって橘の刀を竹刀で受け止める!

ガシイイイイイイイイイイイッッッッッッッッッ!!!!

「う、ううッ!」
つばぜり合いの状況で橘の強烈なパワーに私は劣勢になる・・・
101915:2006/05/19(金) 21:30:23.60 0
へいここまで〜
102前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/19(金) 22:01:10.64 0
乙!
103名無し募集中。。。:2006/05/19(金) 22:49:29.76 0
おつれーす
104マイマイ268:2006/05/19(金) 23:15:17.86 0
>1さん
乙です!
だんだん奇妙な事が起こり始めてるって感じがします
ウサギのキャラはまんまハロモニのあのウサギっぽいですねw セリフ回しとかも

>六部さん
加護ちゃん悪いこやなー
まあでもなんとなくこんなキャラになりそうな予感はしてましたけどw

>364さん
バレスレにも書いてありましたけど
俺もOストーリーは封神演義の宝貝・混元珠(だったかな?)を連想させますねw
まあ実は俺のもそれからアイデアぱくったんですが…w

>915さん
予言した割にやられちゃう雅ちゃんカワイソス
次回に期待!
105マイマイ268:2006/05/19(金) 23:16:34.22 0

銀色の永遠 〜マイ・ファッキン・ヴァレンタイン〜



<辺土名一茶>

俺はぶどうヶ丘高校の校門の前で、
タバコを一服しながらある男子生徒を待っていた。
出来ることならそいつを巻き込むことなく済ませたかったのだが
さきほどの三好絵梨香のように、話しかけていきなり戦闘になっても困るので
結局は、そいつに頼むことにしたのだ。

しかし、あの三好って奴はリストの通り本当にキレやすい性質のようだ。
話し合いでどうにかなるかもしれないと
たまたま見かけた三好に声を掛けてみたのだが
出したスタンドをチラっと見ただけで攻撃してくるとは…。
ぶどうヶ丘のスタンド使いには短気な奴が多いと聞くが
やはり三好以外の奴に話しかけても同じ結果になったのだろうか?
まぁ、短気というならウチの奴らも変わらないがな…

なんにしても、演劇部の奴らに話しかけるなんてことはせず
最初からこうしておけばよかったのかもしれないな…。


「一茶さん!」


グラウンド側から声が聞こえた。
この学校の制服を着た、茶髪で童顔の男。
古くからの馴染みである、橘慶太だ。
106マイマイ268:2006/05/19(金) 23:17:09.57 0

「悪いな、急に呼び出して」
「いえ、別にいいですけど…今度は何なんです?」
「ああ…まずは、そこの通学路脇に倒れてる女子生徒なんだが
 あれは演劇部の三好って奴だ。
 アイツが倒れてることを演劇部の奴らに教えてやってくれ」
「演劇部って…。 まだウチの演劇部とやってたんですか?」
「まぁ頼まれごとだったからな。 実際、それももう終わってるはずなんだが
 ウチの奴らが勝手に突っ走っていきやがったから、後始末さ」
「大変ですね…」
「そりゃこっちのセリフだ。
 この前も忍たちが迷惑かけたみたいで、すまんな慶太」
「それはいいんですよ、世話になってますから」

数日前に忍と幸也がぶどうヶ丘高校のスタンド使いに戦闘を挑んだとき
『噂』を流すのを手伝ってもらったのも、この慶太だった。

「とりあえずお前は、演劇部に三好のことを伝えてくれ。
 あそこに倒れてるってことと、それから…」

その後のことを言おうかどうか、一瞬迷った。

「それから?」
「ん、ああ…。 三好の能力の使い方だ。
 あんな無茶な使い方してると体に障るってな、
 演劇部の奴らに教えておいてやっといてくれ」
「は、はぁ…スタンド能力ってそんなもんなんですか?
 俺は持ってないからわからないですけど…」
107マイマイ268:2006/05/19(金) 23:17:25.79 0
「精神の力だからな。 感情によって力が倍増するのは良くあることだが
 ここぞという時の火事場のクソ力を毎回毎回出してたら
 精神的にも、もちろん肉体的にも良くない」
「はい、わかりました。 伝えておきます」

そう言いながらも、俺はあの三好という女について
あまり長生きは出来ないのではないか、と感じていた。
刃こぼれし始めたナイフ……そういう目をしていた。

「それと、これも渡しておいてくれないか」

俺は慶太に一枚の封筒を渡した。
直接会って話が出来ないときのために用意していたものだ。

「演劇部に、ですか?」
「ああ。 できれば代表者と直接会ってみたかったんだがな。
 三好をのしちまった後で堂々と会うわけにはいかない」
「わかりました」

後のことは慶太に任せることにしては、俺はこの場所を離れることにした。

「これからどこへ?」
「病院行って、奴らを見舞ってくるつもりだよ」
「そうですか…。 だったら、よろしく伝えといてください」
「ああ、伝えとく。 ありがとうな」
「いえ」

その後、たまたま通ったタクシーを捕まえて
俺はぶどうヶ丘総合病院へ向かった。
108マイマイ268:2006/05/19(金) 23:18:00.93 0
ここまで
前作の続きで、冒頭のみ
109六部198:2006/05/19(金) 23:22:42.76 0
3人とも乙ッ!
110前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/19(金) 23:38:38.91 0
銀色の永遠  〜曖昧ミーMIND〜


石川:「今日の練習は疲れたわねぇ〜」
三好:「ホント。帰りにドゥマゴに寄っていきましょうよ!」
石川:「あぁ!いいね!そうしよ!そうしよ!ねぇ岡田ちゃん?」
岡田:「ちょい待ち!お二人さん!!」
石川:「? どうしたの・・・?岡田ちゃん?」
岡田:「岡田キィーック!岡田キィーック!!岡田キィーック!!!」
    
 ドグゥァアッ!ドグゥゥウア!!ドグァァアァアッッッ!!!

唯の蹴りが梨華と絵梨香に目掛け強かに打ち込まれる!
石川:「何するのよぉ?」
三好:「ちょっと唯やん・・・・」
岡田:「岡田ぎゅ〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」
唯の指が絵梨香の頭部に激しく食い込む!
三好:「イタイイタイ・・・・」
その衝撃に絵梨香はその場でへたり込む。
石川:「ちょっと!何なのよ・・・・・」
岡田:「どうもこうもないで!二人にダメ出しや!岡田ダメ出しやッ!」

  ドォオオォオオン!!!
111前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/19(金) 23:39:21.58 0
岡田:「まず三好エリマキッ!」
石川:「絵梨香でしょ!」
岡田:「もっとダンスは情熱的に踊らな駄目ッ!パッションッ!パッションやんッッ!!」
石川:「で・・でも三好ちゃん。全然悪く無かったよ?」
岡田:「石川ッ!だまっときッ!」
石川:「『石川』ッ!???呼び捨て!?」
三好:「石川。ちゃんと聞きなさいよ!」
石川:「三好ちゃんまで呼び捨て!??」
三好:「だって石川はイッコ下じゃん!」
岡田:「そうやで石川はわたしと同じ学年やんか!」
石川:「???????な・・・・なに言ってるの・・・そんな事有る分けないじゃん!」

「そんな事」
       「そんな事」
             「そんな事」
                   「そんな事」

「いやぁぁぁああぁぁあぁああぁあああああッッッ!!!!!!!」

カーテンから漏れる朝日の白さが石川梨華の瞳に沁み広がる。
「ゆ・・・夢?」
梨華は乱れた呼吸を整えながらゆっくりと身体を起こす。
「夢・・・・・だけど・・・現実・・・・」
髪を掻き揚げながらその手で頭を抱える、重みに耐えかねる様に・・・・。

    今日もまた現実の重みが彼女に圧し掛かる。


112前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/19(金) 23:46:36.14 0
ここまでなのれす!
マイマイさん乙!慶太キタ!人物相関がこれでまた一つ広がるなぁ・・・
113前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/20(土) 00:18:53.07 0
じゃあもう寝る保!
あとは4649!
114六部198:2006/05/20(土) 00:26:53.80 0
乙ッ!
ちょっとウケたw
115名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 01:35:03.10 O
116六部198:2006/05/20(土) 02:30:32.16 0
寝る前に出すッ!
117六部198:2006/05/20(土) 02:30:52.97 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜24

ドドドドドドドドドドドドド・・・・!!!!

「くッ・・・『サイ・キス(恋のバカンス)』!!」
加護は体制を立て直して、己のスタンド『サイ・キス』を出した。
フリルの付いた衣装を身に着けたスタンドだが、
無表情な白い仮面をつけており、その眼からはまるで血の涙を流したような跡がある。
本人の可愛らしい外見とは似つかわしくない、禍々しいスタンドであった。

「絵梨香や唯やんから色々と聞いとるで、藤本美貴・・・どれほどのもんか試したる・・・」
加護は舌なめずりして、サイ・キスを構える。
(絵梨香?唯やん?三好と岡田のことか・・・?まあいい、そんなことよりも
今はコイツをぶちのめすことに集中するッ!)
頭の中に湧く疑問を振り切り、藤本はそのまま拳を振り上げた。

「加護おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおぉお!!!!!!!!!!」

メメタアァッ!!!

「ぶべぇぁッ・・・」
BT03の痛烈なボディブローに、加護が嗚咽を漏らす。
だが、加護は反撃をしようと、スタンドの右手を藤本に向けて前に進んだ。
しかし、その動きはスローだ!
「このウスノロがぁッ!もう一発喰らいやがれいイィィィッ!!」
サイ・キスの右手ごと加護を粉砕しようと、BT03の蹴りが飛ぶ!
118六部198:2006/05/20(土) 02:31:24.99 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜25

BT03の蹴りが、サイ・キスの右手に触れようとしたとき、
加護の目が一瞬光った気がした。

「はッ?!BT03!止まれ!!」
嫌な気配を察知した藤本は、スタンドと共に身体を横にずらした。
そのせいでサイ・キスの右手は、藤本の後方にあるベンチに触れる。

そして次の瞬間・・・

バキバキバキ・・・グシャアアァァァァ!!!!

ベンチが大きな音を立てて潰れていき、50センチほどの塊となったのだ!

「なッ?!」
藤本は思わず驚きの声をあげ、加護に向き直った。
「そうか、これがお前の・・・」
「YES I AM!!」
加護は腰に左手を当て、もう片方の手で指を立てて
口元で左右に振った。

バアアアアアアンンンンン!!!
119六部198:2006/05/20(土) 02:31:55.55 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜26

藤本はその破壊力とパワーに驚きながらも、すぐに余裕の表情を
取り戻してこう言った。
「確かに、そのパワーは認めるぜ。だが、動きがスローなんだよ!
簡単に避けられちゃあ、宝の持ち腐れだぜッ!」

藤本の言うことは尤もだ。
だが、加護はそれに対しニヤリと笑って答えた。
「避けられた?違うな・・・これでええ、これがBEST!!」
そう言って加護はサッと身をかわし、地面に伏せた。
まるで何かから身を守るかのようであった。
「サイ・キス!!『圧縮を解除』や!!」
サイ・キスが潰れたベンチに向かって構えると、ベンチが一気に膨らんでいった。
ベンチを構成していた木の破片やパイプ部分が、膨らんだ勢いで辺りに飛び散る!


解説しようッ!
加護のスタンド『サイ・キス』の能力は、一度触れたモノを圧縮・復元する能力!
しかし、圧縮の際に壊れたものは直らない!
加護はその特性を利用したのだ!
圧縮の強さ、及び復元する限界スピードは本体とスタンドの距離に依存するが、
現在の距離、約2メートルの状態での復元スピードの初速は、約100メートル/秒!
銃などには及ばないが、その威力は十分ッ!
120六部198:2006/05/20(土) 02:37:54.40 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜27

物凄い破片飛沫と爆発さながらのスピードッ!
ベンチの残骸が藤本に迫っていく!

「くそッ・・・BT03で弾こうにも、数が多すぎる!こうなったら・・・」

バァッッ!!

藤本は飛び上がり、飛びくる破片に向かって足を向けた。
「当たる面積を最小にして、防御ッ!」
勿論スタンドを自身に重ね合わせることも忘れない!
-実体の攻撃は基本的にスタンドには影響しない。『ベンチ爆弾』はあくまで本体への攻撃-

バシバシバシッ!!!

ドガガガガガッガガガガガ!!!

嵐が止み、藤本は地面に倒れこんだ。
スタンドに受けた分と靴底のおかげで足はほぼ無傷だったが、
上半身にいくつかの傷が見受けられた。
(いててて・・・前にこっそり、れいなに教わった防御法。
さすがに完全防御とはいかなかったが、おかげでダメージは大したことはないぞ!)
藤本は胸の当たりをさすると、身体を回転させながら
素早く立ち上がってスタンドを構え直した。

だが、加護の姿が見当たらない・・・

(・・・どこだ・・・?)
藤本がそう思ったとき、背後に気配を感じた。
そして、何かが背中に触れる。
121六部198:2006/05/20(土) 02:38:23.20 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜28

「ッ!!」
藤本はすぐさま振り向いたが、その瞬間、顔を強く殴られ
勢いよく後方へ吹っ飛んだ。

ズザアアァァァ・・・!

その犯人は言わずもがな、加護であった。
「DADDY!!」
加護はそう言って両手の人差し指と親指を立てると、それを藤本に向けて
拳銃を撃つような仕草をした。

「てめえ!!」
藤本は血が滲む口元を拭い、加護に向かっていった。
「おっとぉ・・・それ以上近づかんほうがええで」
加護の言葉に、藤本の動きが止まる。
「・・・?今更怖くなったのか?」
「ちゃうわ、何でウチがアンタを恐れんねん。
それに、アンタのためを思って言っとるんやで。
もうわかっとると思うが、サイ・キスは触れたモノを圧縮・復元することができる」
「・・・!」
藤本は思わず自分の背中に手を回してさすった。
そして、さっき触れられたのは加護のスタンドであったと悟った。

加護は藤本の足元を指差し、横に線を引く動作をした。
「そこから先は、ウチの射程距離内や・・・
そこよりこっちにきたら、ミキティ・・・アンタは負ける」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
122六部198:2006/05/20(土) 02:40:30.54 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜29

「フン・・・余計な心配はいらねーよ・・・」
藤本はそう言ってスタンドを構えなおした。
「てめーの行動より速く、BT03を叩き込んでやるよ・・・
幸いてめーはウスノロだからな・・・」

「・・・フフ・・・」
その含み笑いに悪意を感じた藤本は、加護を睨みつけた。
「何がおかしい?」
「そう言うと思ったで。実を言うとな、ミキティ・・・」
加護は、自分を睨みつける藤本の視線を愉しむように眺め、
スタンドを構えた。

「ホンマはもう、射程距離に入っとんねん・・・」

「何ッ?!」

ギッ・・・ギギギギギギギギギギギギ・・・・!!!

サイ・キスの能力で全身を強く締め付けられるような感覚に陥り、
藤本は膝をついた。
「てめええええええ・・・・!!!」
藤本は怒りに燃えるが、あまりの締め付けに立ち上がることも出来なかった。
「ハハハハハ!!!マヌケやな〜!」
加護は勝ち誇ったように笑った。
123六部198:2006/05/20(土) 02:43:37.54 0
ここまでっす!

そういえばスタンドの名前とか決めるときにWの曲のタイトルを調べてたら
「17才よさようなら」って曲のサブタイトルがアリーヴェ・デルチだった
ちょっと面白いなと思いました
124名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 04:04:50.02 O
おつかれいな!
1251 ◆I7CTouCqyo :2006/05/20(土) 05:15:28.52 0
みなさま乙ですー!

>>364さん
目があぁ・・・・い、痛そう・・・
濡れた手から出現したOストーリーに目をやられた高橋を見て
VSン・ドゥール戦で目をやられた花京院のコマを思い出したのは俺だけでしょうか

>>915さん
格闘タイプの二人には水を扱う特殊能力ってのは戦いづらそうっすね〜
予言と聞くと、やはり三部を思い出してしまうw
ここのとこ頻繁に〜re:born〜を読み返してるのですが、なんかこう、
いろいろと想像を掻き立てられてる自分がいます、うぅむ・・・セックスしたい

>>マイマイさん
なんだか一茶は悪いやつじゃなさそうっすね!
刃こぼれし始めたナイフ・・・・なにか終末的なものを感じ始めてきました!!

>>前スレさん
いきなり作風変わってたからビビリましたw夢だったのかw
留年したってことはそういうことになるのかぁ〜・・・
一番最初のオナでジョジョっぽくしようと再起不能にしたがために
石川に現実の重みが・・・・w

>>六部198さん
やべ、なんかこういう解説が織り交ぜられてるの好きっすw
そして当たる面積を最小にして防御!!ツェペリさんもびっくりっすね
なんだろう、藤本に対して久々に「頑張れ!」と思ってます
126名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 06:38:23.22 0
皆様乙!
毎日3人〜4人は降臨しますね(w
127名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 07:11:07.95 O
全レスは大変なので…198さん!
辻加護のキャラがすごく立ってます…やっぱ出すべきだったですね!
あと198さんお得意の漆黒の闇の部分も!謎の男コワス…喰ってるしッ!?
みなさん乙でした!
128名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 07:23:38.47 O
乙!加護とか強烈だなw辻も
特有の口調がそれを強めてる

現メンも負けずに頑張ってほしいな
129名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 09:19:07.00 0
>>126
しかもけっこうカブった時間帯に現れることが多い(w
130名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 10:16:23.36 0
保!
131名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 11:34:38.63 0
全!
132名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 13:10:53.06 0
疾走!
133名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 13:11:02.87 0
hozensissou
134名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 14:54:11.67 O
135名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 15:27:51.96 0
カミナリがすごい!
136六部198:2006/05/20(土) 16:08:21.30 0
保全&感想等くれた人達どうもっす!
辻加護のキャラはどっちかをヒールっぽくしようとは思ってたけど
辻じゃあ似合わな過ぎるのでこうなりました

「当たる面積〜」やんなくてもBT03で弾けば
結果は多分同じだったと思うんだけどちょっと入れてみたかったw

それはそうとなんだか神奈川も雲行き怪しくなってきた
さっきまで快晴だったんだがな
137:2006/05/20(土) 16:36:13.46 O
ちょい早いけど保全がてら
198さん神奈川なんすか!?
いや実は俺もそうなんすけど、いま雨にやられて雨宿りしてます(泣)
138六部198:2006/05/20(土) 16:45:49.51 0
神奈川の北東部っす!
なかなか激しめの雨っすね
139名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 17:42:10.77 O
保全疾走ッ!
140名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 18:22:29.41 0
ho
141名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 19:36:26.18 O
土日は落ちやすいのか?
142六部198:2006/05/20(土) 20:10:53.36 0
土日はいい感じに落ちやすいね
143前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/20(土) 20:41:57.67 0
クソスレ連発とかも有るしね。
144名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 20:52:33.97 0
だがそれがいい
145名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 21:29:46.56 0
保全疾走
146前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/20(土) 21:58:33.96 0
久々のビールがうまい!保全!
147915:2006/05/20(土) 22:25:14.44 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る109〜

「ほら、よそ見してたら死ぬよ!!!」
「めぐッ!危ないッッッッ!!!」

ピシイイイイイイイイイイイッッッッッッッッッッッ!!!!!
シュバババババババババ・・・・・・・・・・

今度は長谷部が水をレーザーのように噴射して私を狙ってきた。
とっさにみやがセクシー・アダルティーを盾のように回転させて私をかばう。

「ふぐ、ふぐ、ふぐ・・・・・・、ぐぎょええええええええッッッッッッッ!!!!」
「う、うわあああッ!!!!!!!!」
橘が叫ぶと同時に力を込めると私は背後のみやごと吹っ飛ばされた!!

ドスーンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!

私たちは二人一緒に遠くに飛んで地面に叩きつけられた。

「いったあ・・・・・・・・」
「やばいね、こいつらパワーが半端じゃない・・・」
「困ったね、めぐ・・・・・」

「大丈夫!?」
愛理と栞奈ちゃんが近づいてきた。

「うん、あんまり大丈夫じゃないけどなんとかなるよ、たぶん・・・・」
みやが自嘲気味に笑いながら言う。
148915:2006/05/20(土) 22:25:48.17 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る110〜

「なんとかってどうするのよ?」
「めぐ、アンタががんばって」
「はぁ???????」

私はみやの言い方にびっくりした。
「がんばってって言われたって!!!」
「まぁ聞きなさいって。あのね・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

「う、う〜ん。わかったけど・・・・・。
 どっちみち私危ないよね?」
「今のままならみんなやられちゃうでしょ!!」
「わかったわよ、やれば良いんでしょ・・・・」
私は渋々承知した。

「キャスト・オフ!!」
私はサッド・レディの防具を外した。

「ちょっと、めぐ!別に防具は外さなくても・・・・」
「さっきマトモに攻撃くらった時に防具にダメージくらったし、
 たぶんもうこれ以上攻撃受けたら防具破壊されちゃうよ。
 それなら少しでも避けられるようにスピードアップした方がマシだし」
149915:2006/05/20(土) 22:26:51.88 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る111〜

「なる〜。めぐ、ごめんね!」
「謝るからにはちゃんとしとめてよ!あと、今度ドゥ・マゴでパフェおごりね!」
「う〜、ノーマルで良い?」
「もちろんジャンボパフェに決まってるでしょ」
「足下見るなあ・・・。
 めぐ、アンタ最近太ったんじゃない?」
「あ〜!そうやって人が気にしている事を言う!
 心配しなくてもみやがジャンボパフェおごってくれたら
 次の日からダイエットはじめるから!!」
「今日から始めた方が良いと思うけど。
 まあジャンボパフェで手を打つよ」
「了解、じゃあがんばってくるよ・・・・」

私は覚悟を決めた。

「いっくぞおおおおおおおおおッッッッ!!!!!!!」
私は長谷部と橘に向かって走り始める!!!

「一人でやられに来たかああああ!!!!!」
「うがあああああああああああっっっっっっっっっっ!!!!」
二人が同時に攻撃をかけてきた!!

私は・・・・・・・・・

走りながらサッド・レディの竹刀の先を地面にこすりつける!!!
150915:2006/05/20(土) 22:27:34.18 0
はいここまで。

>>1さん
やっちゃってください。ベッドの上でまたを広げて待ってます(爆)
151名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 22:29:01.23 0
クロックアップキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
152前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/20(土) 22:38:51.59 0
915さん乙!です!
3・・2・・・1
「サッド・・・スラッシュ!」とかやるんでしょうかw
153マイマイ268:2006/05/20(土) 22:52:19.44 0
>前スレさん
突然美勇伝説2の寸劇が始まったから何かと思ったら夢かw

>六部さん
加護もなんだか策士系っぽいですね
テレビで見る(見てた)姿からは想像できないんですけど、何故か妙に似合うw

>915さん
キャストオフ言っちゃったw
154マイマイ268:2006/05/20(土) 22:53:15.22 0

<橘慶太>

コンコン!

演劇部室のドアをノックした。

部室の前を何度か通ったことはあったが、中に入るのは初めてだ。
女子ばかりの女の園らしいし、余計に緊張する…。

「どうぞー」

女性の声が聞こえ、部室のドアを開けると
何か話し合いでもしていたのか大勢の部員が机を並べて座っていた。
中等部の生徒も混ざっているようだ。

「すみません、失礼します」

足を踏み入れると、今まで嗅いだことの無いような香りが充満していた。
女の子の香り、というものなのだろうか。
もちろん香水の匂いなんかも混ざっているのだろうが
男ばかりのサッカー部の部室ではまず考えられない香りだ。

「お、なんだ慶太じゃん」
「お疲れ様です、部長」

壇上に立っているのは、我らがサッカー部のキャプテン、吉澤先輩だ。
演劇部の部長も兼ねている事は知っているが、
こんな空間に居られるなんて羨ましい…。
155マイマイ268:2006/05/20(土) 22:53:30.64 0

「あれえ、橘くん」

間の抜けた声がした。
その声の主は、クラスメイトの亀井絵里である。
亀井は部室の端っこで同級生らしい女子生徒と並んで座っていた。

「よっ」

亀井に軽く手を挙げて挨拶すると、
彼女も手のひらをグッパッと開いたり閉じたりして返してくれた。
そう言えば亀井と、同じくクラスメイトの広瀬康一には
つい数日前に、忍さんと幸也さんに頼まれて、
『裏山の堤にヨッシーが出る』
という噂を話して聞かせた事があった。
あの次の日には2人とも怪我して登校してたけど
なんだか悪いことしたなぁ…。
それにしてもスタンド使い同士の闘いってのはそんなに凄いものなんだろうか…。

「こいつサッカー部員の橘慶太ってんだ。 結構上手いんだよ」

吉澤先輩が俺をみんなに紹介する。
こんなに大勢の女子の前で紹介されるなんてことは無かったので
少々照れてしまった。
156マイマイ268:2006/05/20(土) 22:53:46.11 0

「……」

亀井の後ろに、むすっとした顔で座って俺を見ている女子生徒がいた。
この人がおそらく藤本美貴先輩だろう。
忍さん達に写真を見せてもらったというのもあるけど
それ以前に俺の彼女の亜弥ちゃんから、
藤本先輩の写真を見せてもらった事があって知っていた。
亜弥ちゃんと藤本先輩は親友らしいけど
たぶん亜弥ちゃんの彼氏が俺だってことは知らないと思う。

「ところで慶太、今日はどうした? サッカー部でなんかあった?」

おっと…。
吉澤先輩の声でようやく用件を思い出した。

「あ、サッカー部の事じゃあないんですけど…
 演劇部に三好さんって部員いますか?」
「三好…三好絵梨香のことか?」
「はい、その人です」
「三好がど…」

「絵梨香がどうしたの?」

吉澤部長が言い終わる前に、その近くに座っていた女子生徒が俺を見る。
この人は確か石川とかいう名前の人だ。

「ええ、その三好さんが今保健室に…」
157マイマイ268:2006/05/20(土) 22:54:20.28 0

ガタッ

その石川さんが、急に血相を変えて椅子から立ち上がった。
三好って人は女子から人気があって、取り巻きも大勢いると聞くけど
この人もその一人なんだろうか?

「絵梨香が保健室に? どういうこと? 誰にやられたの!?」

早口でまくし立てる。
『やられたの!?』って言葉がすぐに出てくる辺り
この人たちが如何に騒動によく巻き込まれているのかよくわかる。
一茶さん達もそういったことをよく口走っていた。
しかし一応俺は一般男子生徒なんだし、言葉は選んだほうが…

「ねぇどうしたのよ! 怪我してるの!?」
「い、いえ…怪我はしてないみたいですけど意識が無くて
 俺が保健室に連れてったんです…」
「意識が無いって…どこで見つけたの!!」
「あの…校門で男の人に、三好さんが通学路に倒れているのを教えてもらって
 それで保健室に連れていったんですけど、
 保田先生はとりあえず救急車を呼ぶって言ってました…」
「……!!」

石川さんが彼女が血相を変える。 他の部員もみんな神妙な顔つきをしていた。

「それと部長…」
「ん…ああ、何だ?」

吉澤先輩もなんだかそわそわしていた。
俺の前だからわざと平静に見せているようだけど
仲間がやられたことで落ち着いていないのがわかる。
158マイマイ268:2006/05/20(土) 22:54:38.49 0

「三好さんを見つけた男の人に、渡してくれって頼まれたんですけど」

吉澤先輩に一茶さんから受け取った封筒を渡した。
一茶さんの名前を出さずに『男の人』というのはなんだか抵抗がある。
俺としては正直に言ったほうがややこしくないのではないかと思ったのだけど
一茶さんは俺をこういう事にあまり巻き込みたくないらしく
そう伝えろと言われていた。

「…杜王ケーブルテレビジョン…」

吉澤先輩が封筒の後ろに書いてある名前を呟く。
MCAT社専用の封筒なのだから書いてあって当然だ。
…やっぱり、普通に一茶さんが渡したほうが自然だったような気がする。
おかしなことになりそうな予感がするなあ…。

「唯、行くよッ!」

封筒の名前を聞いた石川さんが、
近くに居た女子生徒と一緒に駆け足で部室を出て行った。
MCATの事は既に演劇部でも話題になっていたのだろう。

「慶太、ありがとう。 もう戻っていいぞ」

吉澤先輩が言う。
159マイマイ268:2006/05/20(土) 22:55:03.20 0

「あ、はい。 失礼します…」

重苦しい空気の中、俺は演劇部室を出た。
ドアを閉めてからしばらくその場で耳を傾けていると
吉澤先輩の声で『これから緊急対策会議だ』とか言っていた。

あーあ、ほら言わんこっちゃない。
絶対こんなことになりそうな感じしてたんだよなぁ。
今日はせっかくのバレンタインデーなんだから
男子も女子ももっと楽しむべき日なのに…。
160マイマイ268:2006/05/20(土) 22:56:35.63 0
ここまで


「外から見る演劇部」ってのを書いてみたくて
慶太視点で書いてみましたが、難しい…
というか一人称で小説書くこと自体が難しい
無事にこの話終わらせられるんだろうかw
161マイマイ268:2006/05/20(土) 23:02:04.83 0
あ、ちなみに慶太がサッカー部員て設定は
http://headlines.yahoo.co.jp/video_gallery/showbizzy_interview/g060538.html
これからw
162名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 23:07:37.46 0
おつ
163名無し募集中。。。:2006/05/20(土) 23:56:07.02 0
164名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 00:43:28.44 0
保全してから読むか
165名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 01:44:00.16 O
読み終わった保全
166六部198:2006/05/21(日) 02:06:32.39 0
>>150
乙ッ!
「竹刀の先を地面に〜」って地擦り残月かッ?!
>>160
乙ッ!
何気ない描写だったけど亀井って部外の交友関係が結構広そうだ

ということでイクよ
167六部198:2006/05/21(日) 02:07:18.90 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜30

「さて、このままアンタをぶちのめしてもええんやけど、そのまえに・・・」
藤本の無様な姿を見ながら、加護は不意にスカートのポケットから
手のひら大の箱を取り出した。
そして、さらにその箱から白い筒状の物を出し、それを口に咥えた。
箱には『VIRGINIA SLIMS』と印刷されている。
所謂タバコというヤツだ。
「お前ッ・・・それッ?!」
「まあ、ちょっと一服させてーな」
加護はさらにジッポーライターを取り出し、「カチン」と
心地よい音を鳴らして蓋を開けて火を点けた。

(コイツ・・・高校生のクセに・・・だが、それよりも
この美貴をコケにした態度がムカつくぜ・・・)

「くそおおおぉぉぉぉぉ!!!」
藤本は雄たけびをあげると、気合で立ち上がった。
それに気づいた加護は驚きの表情を見せ、火を点ける手を止めた。
「その状態で立ち上がるとは・・・DADDYッ!なかなかやるやんか。せやけどォッ・・・!」
加護はタバコとジッポーをポケットにしまい、藤本に向かっていった。

そして、藤本の目の前に立ち、彼女を見下ろしたときであった。

「あいぼん!!」

加護の動きが止まり、その声の方に顔を向けた。
藤本も同様に顔を向ける。

「サンジェルマンにいるって聞いたんだが、ここにいたのか」
・・・そこに現れたのは、吉澤ひとみであった。
168六部198:2006/05/21(日) 02:09:28.34 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜31

「ん?ミキティ・・・」
吉澤は藤本にも気づく。
そして二人を見比べると、その表情が変わった。
「・・・お前ら何してたんだ?!」
吉澤が怒声を上げると、加護はすぐさまスタンドを引っ込めて
気まずそうにそっぽを向いた。

サイ・キスの能力が解除されたのを感じた藤本は、吉澤に駆け寄った。
「よっちゃんさん、聞いてくれよ!こいつが・・・」
藤本が抗議をしようとしたが、吉澤はそれを遮って加護にこう告げた。
「まあいい。あいぼん、突然だが今すぐに部室に行ってくれ」
「え、私?」
「ああ、そうだ。行くぞ」
「ちょ、ちょっと!美貴はどうなるんだよ!」
置いてけぼりになった藤本が、困惑気味に叫ぶ。
「その程度の傷なら大したことはないだろ。事情は後でゆっくり聞くよ」
吉澤は振り返りもせずに言うと、加護の肩を抱いて学校の方へと去っていった。
169六部198:2006/05/21(日) 02:09:51.83 0
銀色の永遠 〜デュオU&U〜32

「・・・なんだっつーんだよ!ちくしょー!!」
その場に取り残されてしまった藤本は地面に仰向けになり、
空に向かってやり場の無い怒りをぶつけた。
しかも去り際に加護が、こちらに向かって
舌を出して悪態をついたのが、さらにイライラを増幅させる。

澄み渡った青空がやけに眩しい・・・

「・・・ったく・・・どこが『本当はすげーいい子なのれす』だよ・・・」
藤本は独り、昨日辻が言っていたことに反論した。


藤本美貴 イライラする

加護亜依 吉澤と共に部室へ
スタンド名:サイ・キス(恋のバカンス)

to the next episode 『(S)aint』・・・


今月の一品・・・『ハムチーズデラックスサンドX』<¥480>

杜王町で人気のパン屋、サンジェルマンのランチタイム限定の自信作。
自家製のパンに、S市の自然の中で育った豚肉を使い生産された無添加のハムと、
イタリアから取り寄せたコクのあるモッツァレラチーズ、近くの農家で生産された
無農薬レタスをはさんだヘルシーなサンドウィッチです。
注文すると目の前で、ホタテベースのサンジェルマン特製ソースをキレイにかけてくれます。
尚、150円増しでドリンク一品と、コーンサラダが付いてくるので、非常にオトクッ!

・・・「Sちょこっとグルメ☆」誌より抜粋。
170六部198:2006/05/21(日) 02:11:52.75 0
ちょっと拍子抜けする終わり方ですが
以上新キャラのお披露目エピでした!
171名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 02:37:56.08 O
乙です!
172六部198:2006/05/21(日) 03:11:28.03 0
保全疾走
173名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 04:13:13.35 O
イライラするワロタw
174名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 06:10:21.19 O
175名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 07:31:43.45 0
保全疾走
176名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 07:42:53.08 0
乙!
177364:2006/05/21(日) 08:37:04.00 0
皆様乙ッ!

今更だけど、スポフェスDVDマガジン見てたら
で水の入った筒にビー玉を入れていく『グラスにコイン』やっててちょっとびっくり(w
178名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 09:13:13.95 0
乙!
179名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 09:33:35.65 0
>>177
それで桃子あたりが脱脂綿を使ってイカサマしてるワケですかw
180なんみん:2006/05/21(日) 10:11:42.81 0
みなさん乙!

>>前スレさん
前エピはまだ途中なんですよね?微妙なんでレスを控えていたのですが…

>>198さん
エピ完乙!今後の展開が気になるところですね〜
ちょい出のハニートーストの人も不気味ですし
マジあの二人はキャラが活きていておもろかったです!

じゃあ出します
181なんみん:2006/05/21(日) 10:13:09.54 0

…………

堂珍科学研究所内・通路…


「ハァ…ハァ……追い掛けたのは良いけどよ……アイツどこいったんだよ?」

敵を追って行った小川麻琴。さらにそれを追った億泰。
だが、さすがに相手は『神速』の持ち主。すぐに姿を見失ってしまった。
途方に暮れながらも、結局、元に戻りさらに通路の奥へと進む。

「お、何だよ…?」

ようやく小川の姿を見つける。
彼女のスタンド『FRIENDSHIP』を出したまま、上を向きながら棒立ちしている。
つられて上を向くと、天井を横断する大き目の空調の配管が破壊されている。
不思議な顔をして億泰が近くまで来ると、ようやくこちらに気が付く。

「……虹村かヨ?」

「おめー探したぜ。あっちこっちの部屋とか覗いたりよ、上の階まで行っちまったじゃねーか」

「ワタシの『神速』は動きは早くなるが、その代わり上手くコントロールが利かないんだ。
 障害物や段差の多い場所は苦手なんだヨ」

「そんなの知らねーよ」
182なんみん:2006/05/21(日) 10:14:30.34 0

億泰は天井の配管を指差す。

「どうしたんだ、これ?」

「ああ…あのスタンドのやつ、この中に逃げ込んじまった。
 半分溶けたような状態になって、ズルルッて感じでサ…」

「逃げられたのか…じゃあ紺野ちゃんのスタンドは……?」

「まんまと持ってかれたヨ。『FRIENDSHIP』じゃこの中通るのはムリだもんナ。
 チッ……絶対に捜し出して取り戻してやるゼッ!」

それを聞いた億泰は、悲しそうに顔を沈ませる。額からは脂汗をかいている。

「……すまない」

「何がだヨ?」

「俺のせいで…俺の家の問題におめーらを巻き込んじまって……。
 あげくに紺野ちゃんのスタンド…奪われちまった……俺のせいだ……。
 まさかこんな事になるとは…本当に悪い……」

「ナンだそりゃ?」

「あ!?」

「別にワタシはオメーの為にやってるワケじゃあネーよ。
 ワタシはワタシの為にやってんだ」
183なんみん:2006/05/21(日) 10:15:32.33 0

「でもよ…おめー俺の親父とは関係無いだろーが」

「あるネ。人間なんてモンはサ…みんなが繋がっているんだヨ。分かるか?
 まさかオメー、家族がバラバラになっちまって、
 『もう自分は一人ぼっちだ』なんて思ってんじゃネーだろーなァ?」

小川のやや馬鹿にした風の問いかけに、億泰は次第に興奮してくる。

「おめーに俺の家族の事が!!俺の事が分かるのかよッ!!」

「分からんヨ。でもこれだけは言える。オメーは一人なんかじゃない」

「!!!!」

「オメーここまで生きてくのにどれだけの人の力を借りたんだ?
 家族だけじゃ無くて、東方や広瀬はどうだ?他の友達は?町の人達は?
 意識的にも無意識でもみんな関係しあってるんだ、支え合ってるんだヨ。
 それが無ければ人間なんて1日だって生きては行けないんだ」

大人しくなった億泰に小川は続ける。

「人間そのものだけじゃ無いゼ。テレビ画面の向こうやら、新聞の活字やら、
 どっかから流れてくる音楽やら、良いニュース悪いニュース、過去の思い出
 人が作り出すモノ、自然にあるモノ。たとえ無人島で一人で取り残されようが、
 人が何かに触れている以上、それら全てはそいつの支えになるんだ…」

小川は億泰の顔を正面からジッと見つめ、自身のスタンドを親指で示し、ニッと笑う。

「分かるか…oi?……それが『友情(FRIENDSHIP)』なんだ」
184なんみん:2006/05/21(日) 10:16:12.94 0

「小川ァ…おめーどこまで前向きな奴なんだよ……?」

「ま、そーゆーコトだからオメーは余計なコト考えずに、ワタシ達を信じてくれヨ」

「ああ、分かった……『友情』だな」

「『友情』だ」

ガシッ!

二人は笑顔で固い握手を交わした。
185なんみん:2006/05/21(日) 10:17:54.45 0

億泰はこの小川という女性の意外な一面を見た心地だった。
が、ただ疑問が1つ…。

「おめーよ…その言葉遣いなんとかならねーのかよ…?」

「ああん、何だってンだ?」

「なんつーかよ……とても女だとは思えない」

「テメーは殺されてーのかッ!!!!」

「だからソレだよ。その言い方がよ、何とかならんのかと…」

小川は本当に億泰を殴らんばかりだったが、少し思い返してみる。

「あ、そうか…オメーこんこんがお気に入りなんだもんナ。そりゃワタシじゃ違い過ぎるw
 やっぱ男ってのはみんな、ああいう感じが良いのかねェ?オメーみたいな不良でもか?」

「俺は不良じゃねーよ」

「はァ?オメーそんなナリして、どうみてもヤンキーだろが?」
186なんみん:2006/05/21(日) 10:19:03.82 0

「あのなァ…『硬派』っつーんだよ『硬派』!!分かるか?やっぱよォ…『硬派』の男には、
 紺野ちゃんみたいな可愛くて、思いやりのある『マドンナ』が必要だよなァ…?
 ビーバップで言うところの今日子だよおおおおォォッ!!」

「やっぱ不良じゃネーか」

「違ーーーーうッ!!そりゃあよ、たまにはハメを外す事もあるさ。
 でもな、そういう時にだな…叱っちゃったりしてくれるのが『マドンナ』だよォ。
 普段は大人しいお嬢様タイプなのに、そういう時だけ気が強いの。
 『もう!億泰君たらッ!!もう高校生なんだからちゃんとしなきゃだわ!』…なんて。
 『なんだよ、うっせーな。おめーみてーなお嬢様は俺なんか放って置けば良いだろ?』
 『放って置ける訳ないでしょ。もう…私、心配なんだからね!』
 『おめー、そんなに俺の事…』
 ……みたいな。分かるか?これが『男のロマン』ってヤツだよォォォォ!!!!」

小川は呆れながら億泰の一人芝居を見ていたが…。

「なあ…虹村……」

「なんだよ?分かってくれたのか?」

「……それなんてエロゲ?」

「男のロマンだああああああああああああああああああああッッッッ!!!!!!!!」
187なんみん:2006/05/21(日) 10:20:05.39 0

…………


研究所内・別の通路では…


「クシュン!」

紺野が軽くクシャミをする。

「ん?風邪でも引いたのかね?」

「い、いえ…なぜか急に……」

一瞬だけゾクと寒気を感じたが、特に体調が悪い訳ではない。
誰かが噂でもしているのだろうか…?

紺野と川畑の二人は半ば取り残された様な状態で、
廊下でポツンと小川と億泰の二人が戻ってくるのを待っていた。
『待ってろ』と言われたものの、いつ敵が襲ってくるとも分からないこの施設内において、
スタンド能力を奪われた二人がこうしている事への不安感は拭えない。

「でも……正直、すぐに戻ってくるとは思えないなあ……」
188なんみん:2006/05/21(日) 10:21:02.31 0


コツコツコツコツ…


どこからか足跡が近付く。そして、やがて通路の曲がり角から数人の男達が現れる。
全員で5人いる。その5人がゾロゾロと二人のいる方へ近付いて来る。

「おお!みんなではないか!無事でいてくれて何より何より…」

川畑は笑顔でみんなの下へ近寄って行く。その時…。

「ン?」

何か違和感を感じた。言葉を発しない相手の様子ももちろんだが、
良く見ると…衣服が濡れている。靴に至っては中にまで水が溜まっているのか、
歩くたびにゴプゴプと通路に水を撒き散らしている。

「お、お前達ィ…一体…?」

そして、研究所の仲間達は拳を固く握り締め、振りかぶった!

ドガッ!バギィッ!

「プギャーーーーッ!!」

川畑は殴られ後方へフッ飛ばされる。
189なんみん:2006/05/21(日) 10:22:08.26 0

「ぐォォ…イタタ……ま、まさかお前達もか…?」

「どうやら、先程の石巻さんと同様に操られている様ですね…」

バキッ!!ドカッ!!ゲシッ!!

なんと、今度は意外にもその男達同士が殴り合いを始めている…?

「おおお…おい、何が始まったのだァァッ!?!?乱暴は、や、止めたまえ…」

ドゴォッ!!!!

「ぐっはああああァァッ!!!!」

またもや思いっきりみぞおちを殴られる。川畑はうずくまりながらも相手を見据える。

キラリ…!

「な…今度は何だ!?腕が…腕が光っているぞ!?筋肉の状態が目に見えている!?」

男達の体の一部がまるで電気が走ったかの様に光り、その部分を透過していた…。


ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド…

190なんみん:2006/05/21(日) 10:23:12.16 0

………
……


「なあ好奇心で聞くんだが……DIO。
 君が出会った『スタンド能力』の中で……一番『弱い』能力って……どんなヤツだい?」


十数年前…


その時にDIOが私に語ったのは……、
1982年、フランスのロレーヌ地方で起こった遭難事故の話だった。


神父は思い返す…。


登山をしていた6人の男女……その6人全員がハイキング中に遭難し死亡した。
後の調査隊の調べによると、その直接の原因は……仲間同士での『格闘』であった。
お互いが殺し合い、最後に勝ち残った者もまた山中で力尽きてしまう…。

どうやらその前日の夜に宿泊していた山小屋でそこの主人とトラブルがあったらしい。
その山小屋の主人の『スタンド能力』、それは……?
191なんみん:2006/05/21(日) 10:24:58.53 0

山小屋の主人は何もしなかった…そう、何も。
ただ…トラブルにたいして怒っただけだ。それだけ。
彼の怒りの電気信号は、彼の脳から地表を伝わり、6人の男女のところへ……。
神経細胞を伝わる電圧は、ほんのわずか……百分の七ボルト。
ただそれだけの、人にかすり傷すら与える事も出来ない『最弱』のエネルギー。


DIOは港を模したジオラマ…そこに浮かぶ船の模型を組み立てながら説明する。


「ただ怒らすだけだ。
 人の大脳辺縁系の闘争的な本能を、ほんのちょっとの力で呼び醒ますだけ……。
 自分をくさいと言ったたったひとりの女のために、全員を格闘させたんだ」


敵味方の区別も無い、手に余るスタンドだが、捨て駒ならば問題ない。
座して相手の自滅を待てば良いのだ。


「それ……ぼくにくれないか。もしいらないなら……スタンドだけ……」

「能力だけ取り出してDISCで保管するという事か?
 それもいいかもな………『適材適所』……
 必要になる時がいつかあるかもしれない…」


必要な時が訪れた…その最弱のスタンドの名は……『サバイバー』!!
192なんみん:2006/05/21(日) 10:25:58.33 0

………
……


バキッ!グシャッ!

男達は敵味方無差別に殴り合う。しかも、お互いに怪我をしながらも立ち上がってくるのだ。

「こ、これは…スタンド攻撃なのだろうか…?」

「恐らく。敵スタンドのビジョンは見えていませんが、この異常さはスタンド攻撃です!
 このただの力任せの攻撃は…何か興奮状態にさせられている様な…?
 それぞれの腕や足の光は、肉体の『長所』。強い部分が光っているのでしょう」

「あわわわ、どうすれば…!?」

川畑はなんとかして、この研究所の仲間同士が傷つけ合う状況を止めようとするが…。

ブゥンッ!!ゴギャアアンッ!!

「うががああああッ!!」

またも殴られる。すると、男達は一度戦いの手を休め、川畑をにらみ付ける。

「しつこい野郎だな。ムカつくから、まずはお前からブッ殺してやろうか…!!」
193なんみん:2006/05/21(日) 10:26:58.10 0

相手の攻撃が川畑に集中する。仲間の容赦無い攻撃に冷静さを失う。

「みんなァァ!!落ち着けェッ!!落ち着けェェェェィッ!!!!」

紺野は川畑の手を引いて、なんとか攻撃から庇おうとする。

「川畑さん!!まずはあなたが落ち着いて下さい!!そうです。素数を数えるんです!!」

「は、素数!?」

「はい。私達演劇部では危機的状況に陥った時にはそうしているんです。
 『素数』!!1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字です。
 きっと川畑さんに勇気を与えてくれるでしょう……」

「おおッ!!に…2、3…5……7……『素敵な数』と書いて素数……
 ううむ…これは落ち着くぞ、落ち着くぞォ……11…13…17……」
194なんみん:2006/05/21(日) 10:28:17.25 0

「川畑さんはここにいて下さい」

「え!?紺野さん!?ま、まさか……!?!?」

「私がなんとかしてきます。では…」

紺野は今や狂人と化した男達の群れ中へと向かって行く!
普段は柔らかで、見る誰もを和ませる表情の彼女も、
今は非常に引き締まって鋭い目付きをしている。

「お…おんなだぁぁ…」
「うへへ…お嬢ちゃんここで何やってるの〜?」
「今度は君が俺達の相手をしてくれるのかな〜?」

男達が紺野を取り囲む。まるで血に飢えた狼の様に荒い息を吐き、よだれを垂らす。

「へへへ…剥いちゃうぞぅ……うがああああああああああああああああッ!!!!!!!!」

男達の毒牙が紺野に迫る!!!!


ボグォオオオオオオオオォォォォンンッ!!!!

195なんみん:2006/05/21(日) 10:29:32.91 0

「ンペペペペ……!!」

相手の攻撃よりも早く、紺野の上段蹴りが顔面にヒットしていた。


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ…


「ヤレヤレ…女だからってナメないで下さいね……」

パチャ…

男達が垂らした水のしずくであちこちに水溜りが出来ている。それに足を踏み入れる。

ピリリ…

気分が高揚する。怒りの感情が湧き起こる。しかし、それは……。

「この怒りは…あなた達に対しての怒りではありません……。
 もっと邪悪な……もっと狡猾な……何か……」

キラリ…!

紺野の体もまた光る。腕、足…体全体が光に満ちている!!

「吐き気をもよおす『邪悪』とはッ!!なにも知らぬ無知なる者を利用する事だ……!!
 自分の利益だけのために利用する事だ…!!虹村君のお父さん…研究所の仲間を…。
 許せませんッ!!まだ見ぬ敵はッ!!二度も私の心を『裏切った』ッ!!!!」
196なんみん:2006/05/21(日) 10:33:05.89 0

「うががががああああああああぁぁッ!!!!」

男達が一斉に襲い掛かる!

「申し訳ありません……今、楽にして差し上げます……!!」


ドガアアアアン!!


紺野の回し蹴りでまた一人吹っ飛ぶ!!

彼女は幼い頃から空手を習っていた。習い事としての空手は既に辞めていたが、
演劇部を続けるにあたり、独自に鍛錬し続けていたのだ。それは大いに彼女のプラスになった。
彼女の優しく温和な性格は、この肉体的精神的な強さを裏付けにしたモノなのだ!!

「セイセイセイセイセイセイセイセイセイセイセイセイセイヤァァァァァァァァァァァァッ!!!!」


ドッパアアアアアアアアーーーーンッ!!!!


男達の全てを蹴散らしてしまう。川畑はただ驚くばかりだ。

「……紺野さんは…スタンドが無くても、ヤル時はヤル女性であったか……強い!!」

「ふぅ……ちょっとお腹が空きましたね♪」

紺野はお腹を軽く押さえながら、首を軽く傾げ微笑む。
197なんみん:2006/05/21(日) 10:35:19.22 0

…………

(……マズい。これはさらにマズい事になった)


研究所・中庭…


神父はある問題に直面していた。
『ホワイトスネイク』で紺野達の戦いを偵察していたのだが、
そこでの紺野の言葉にある事実を思い出したのだ。

(…そうだ……あの制服はぶどうヶ丘高校のもの……相手が『演劇部』だったとはッ!!)

神父は演劇部顧問である寺田光男と懇意であった。
お互いに情報をやりとりし、持ちつ持たれつの関係であるのだ。

(まさか先生を敵に回すなんて事は無いだろうが……スタンド…どうすべきか……?)

神父は焦りを感じていた。額から大量の汗が浮かぶ。

(落ち着け……心を平静にして考えるんだ…こんな時にどうするのか……。
 素数だ……素数を数えて落ち着くんだ……あの娘…なかなか良い事を言う……)

「2…3…5…7…11……13……17……」

(うむ、これは良いぞ……まだ何とかなる…あの男がモノになれば……)
198なんみん:2006/05/21(日) 10:37:18.36 0

「神父さんよ。何をブツブツ言っているんだ?」

ここ最近の杜王町における婦女暴行事件。その犯人が、今、目の前にいる。

(『長嶺波音(ながみねはのん)』か……この男がスタンド使いとしてどれ程の実力を持つのか…?
 私はこの男の悪の才能を買っている…ディスクで命令しない分、操作に慣れる必要があるが…)

男はスタンドを発現している。
赤と青を基調とした人型をしているが、胴体から各部分、肘や膝の関節部分は
球体によって繋げられ、どうやらあらゆる角度に間接が曲げられるようだ。
そして、両腕には鉄線の様なものがコイル状に浮いた状態で巻かれている。

「それより神父さんよ、砂埃がやたらこっち向かってに飛んでくるぜ。
 払おうとしてもくっ付いて離れねえ。どうなってんだ?」

「それは『砂鉄』だ。まだ上手く操作出来ていないのだろう。君はセンスはあるバズだ。
 時期に慣れるよ。そう…『ジキ』にね……」


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ…


「『テスラ』!!……『磁気』を操る能力ッ!!!!!!!!」

199なんみん:2006/05/21(日) 10:40:18.53 0
ここまで!夜勤明けだけど天気が良いから遊びに行く!
ではではノシ

今日ハロモニしょこたんの日だっけ?録画しとくか…
200610:2006/05/21(日) 11:30:38.46 0
みなさん乙!

>>198さん
加護はこういうキャラ似合いますね!
「当たる面積を最小にして〜」とか最後のハムサンド情報とか
こういう小ネタがある方が俺は好きですね!

>>マイマイさん
慶太さわやかでいい奴だな!スタンド使いじゃないのが惜しいくらいだw

>>なんみんさん
お…面白いよッ!!早く続き書いてよなんみんさんッ!!

では出します
201610:2006/05/21(日) 11:32:05.97 0
銀色の永遠 〜無垢なる世界〜J

バギバギィッ!!グワラグワラ・・・!

吹っ飛ばされた桜井は激しく仕事机に突っ込み、木製の椅子が音を立てて崩れる。

「や…やった!!奴のスピードを上回るなんてッ!!スゲーよミキティ〜ッ!!!」

小川が何とか上体を起こし、歓喜と驚きの声を上げる。

「へへ…!!自分でも驚いてるぜ!ブギトレにあんなスピードが出せるなんてよォ〜!
ま、『やるときゃやる女』ミキティと呼んでくれィ!」

そう言って藤本は小川に向かってピースサインを送る。
そんな2人の会話を聞き、桜井は朦朧とする意識の中で考えていた。

(そうか…今の攻撃は、彼女自身の予想をも上回るスピードだったと言う事か…!
だから彼女の攻撃しようとする『意志』と実際の攻撃のタイミングにズレが生じ、僕は攻
撃を食らってしまった…)

そして口から流れる血を押さえながら、震える足で何とか立ち上がろうと身体を起こす。

「ミキティッ!!まだ終わってねェ―ッ!!!」

桜井の動きに気付いた小川の声が、藤本を臨戦態勢に引き戻す。
そして素早く桜井の方を睨む。

「ハアーハアー…!!侮っていたよ…君の爆発力を…!!だがそれだけだ!
この一発の被弾は100%僕の油断だ。君ごときが『イノセントワールド』の『スピード』と
『能力』を超える事などありえない…!!」

桜井はスタンドを発現させ、藤本に向かって歩き出す。
202前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/21(日) 11:34:47.42 0
ハロモニ保!
なんみんさん乙!です!
プッチ神父、ダジャレまで出すなんて語学に堪能すぎww
菅沼編/デットマンズ編とも「続く」ですが先ほど終了しますた!
まとめで読んでくださいね〜。

203610:2006/05/21(日) 11:34:57.72 0

「まだやる気か?もう降参しな!あたし達は別にアンタをブチのめすのが目的じゃない。
高橋と亀井、2人の記憶が戻ればそれでいいんだ」

しかし桜井の足は止まらない。

桜井のダメージは明らかだ。藤本にとって怪我人を痛めつけるのは気が引けたのだが、相
手が諦めずに襲って来るのなら仕方が無い…藤本はB・トレインの拳を硬く握り締めた。
桜井が射程距離内に踏み込む…!

「おらぁッ!!!!」

バキィッ!!!!

「ぐッ!?」

B・トレインで攻撃を仕掛けた瞬間、藤本の顔が後方に弾ける!
桜井は身体を横にぶらして藤本の攻撃をかわすと同時に、I・ワールドの拳をB・トレイン
の顔面に打ち込んできたのだ!

「ちッ!!」

バチイィ!!!

藤本は薙ぎ払うようにB・トレインの腕を振るうが、またしても正確なカウンターを浴びせ
られてしまう!
204610:2006/05/21(日) 11:36:07.07 0

「ミキティッ!!ラッシュだ!!さっきみたいに畳み掛けちまえィッ!!!」

「んなこたぁ分かってんだよマコ!!ゴールデンゴール決めてェッ・・・!!!」

藤本の掛け声と共にB・トレインが構える!そして先ほど桜井を打ち負かしたラッシュが
始まる!

「V!」
バキィッ!!!

「V」
バチィッ!!!

「ヴ」
ゴッ!!!

「がはあッ!!!!」

しかし響いたのはまたしても藤本の呻き声だった。

「何だってェ…!?コイツ…!!」

離れて見ていた小川は思わず感心してしまう。
桜井は藤本の周りを着かず離れず円を描くように移動し、攻撃の的を絞らせない。
そして藤本の攻撃の『一発目』に正確にカウンターを合わせ、決して次の攻撃に繋げさせ
ない!『能力』を使っているから出来る業だろうが、瞬時にこの作戦を思いつく桜井の戦
いのセンスに驚嘆したのだ。「藤本の攻撃を受けたのは100%油断のせいだ」と言っていた
のは本当だったのだ!
205610:2006/05/21(日) 11:37:00.84 0

「ち、ちくしょう…!!」

桜井の『イノセントワールド』のパワーはそれ程でもない。
だが攻撃を食らい続けた藤本は徐々に動きが鈍ってきていた。
顔には幾つものアザができ、まぶたは腫れあがって左目を塞いでいる。

「どうしたんだい?パンチのスピードが鈍ってるよ。これなら『能力』を使うまでも無い」

バキィッ!!!

今まで完全に『受け』に回っていた桜井が攻撃に転じ始める!

ガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!!

「うああッ!!!」

I・ワールドの拳が藤本を襲う!体力を消耗した藤本はいつの間にか防戦一方になって
しまっている。

「もう反撃する力も残っていないようだね!そろそろ終わりにさせてもらうよ!」

I・ワールドが藤本の身体を掴もうと手を伸ばす…!

「うッ…!?」

その時だ!桜井の膝が折れ、腰がガクリと落ちた!
206610:2006/05/21(日) 11:38:06.75 0

「ミキティ!!チャンスだッ!!!さっきの一発が効いてるんだッ!!」

しばし呆然としていた藤本だったが、小川の声でハッと我に帰る。
そしてすかさずB・トレインの拳を振り上げる!
桜井は避けきれないと判断したのかとっさにスタンドのガードを固める!

「おおらあッ!!!!!」

ドッゴオオッ!!!!!!

藤本は構わずそのガードの上から拳を叩き付けた!

「ぐうッ!!?」

凄まじい衝撃に桜井の身体は後ろに弾かれる!
そこにさらにB・トレインの拳が襲い掛かる!!

ドゴドゴオオッ!!!!!!

「くッ…まだこんな力がッ…!?」

今度は桜井がガードを固めたまま動けない。しかもダメージのせいで身体が動かず、藤本
の動きは読めても反撃する事が出来ないようだ。
そんな桜井に藤本は言う。

「桜井サンよォ…!アンタ殴られた事無いだろ!?」
207610:2006/05/21(日) 11:39:00.42 0

「何…!?」

「こんな事自慢したくないけどさァ…美貴は今まで散々殴られてきたんだよね。
アンタの拳は軽いんだよ!!そんなもんいくら食らっても効かないぜッ!!!!」

ドゴオオオッ!!!!

ついにB・トレインの拳がI・ワールドのガードを弾き飛ばす!!
しかも桜井はその勢いで後ろに仰け反り、完全にバランスを崩した!

「終わりだぁッ!!!!」

すかさず藤本は渾身の一撃を叩き込む!!

その時だ…!
バランスを崩していた桜井は一瞬で体勢を立て直し、藤本に向かって拳を打ち込んできた
のだ!!藤本は渾身の力を込めた拳を止めることは出来ない!!

ドシュウウウウウッ!!!!!!!!

2人のスタンドの腕が交差する…!!!

「・・・・!!」

小川が息を呑んでその光景を見つめる。
紙一重…!それぞれのスタンドの拳はお互いの顔面すれすれの所を通過していた。
208610:2006/05/21(日) 11:40:38.82 0

「あ…あ…!!」

しかし一瞬の間の後、力ない声を出しながら藤本が一歩、二歩と後ずさる。
そして突然ガクリと両膝を付いてしまう!!

「みッ…ミキティ――ッ!!!??」

小川の叫びにも藤本は全く反応しない。目は虚ろで、まるで桜井に跪くように両手両膝で
身体を支えている。

「意識が無いのか…!?一体何が起こったんだよォッ!!!」

「カウンター…です…!おそらくアゴへの恐ろしく正確な…!!」

小川の疑問に答えたのは紺野だった。
腹を押さえながらも何とか半身を起こしている。

「コンコンッ…!!」

「外れたように見えましたが彼のスタンドの拳はB・トレインのアゴを掠めていたんで
しょう…。アゴの先端は人体急所の一つ…!ここへの衝撃は激しく脳を揺さぶり、一瞬に
して意識を断ち切る…!!」

「バカな…!狙ってやったっつーのか!?ガードを弾かれたのもバランスを崩したのも、
わざとだったっつーのカァ!!?」

「やはり勝負を焦って大振りになったね…!君はまだまだ経験不足だ…!」

桜井は肩で息をしながらもニヤリと笑う。
そして藤本に向かってゆっくりと近づいていく。
209610:2006/05/21(日) 11:42:44.64 0

ビシュビシュッ!!!!

その時、弾丸のようなモノが空気を切り裂いて桜井を襲う!
小川が放ったベアリング弾だ!!

ビシビシイッ!!!

しかし無常にもその弾丸は壁にめり込む!
桜井は小川の方を見もせずに弾をかわしていた。

「小川麻琴…もう君の存在など何の障害にもならない。そこで大人しくしていろ」

「ううッ…!!」

(ダメだッ!!ワタシの動きは完全に読まれちまってるッ…!!奴は強すぎるッ!!)

小川は完全に桜井にのまれてしまっていた!紺野もどうすることも出来ない!

「今度こそ終わりだ…!!藤本美貴ッ…!!!」

I・ワールドが藤本に向かって手を伸ばす!


その時だ…床に着いていた藤本の手元が一瞬光を放つ!
次の瞬間!
210610:2006/05/21(日) 11:46:24.08 0


ドンドンドンドンドンッ!!!!!!!!


床が鋭く隆起し5本の槍となって桜井を襲う!!

「ぐはァッ!!!?なッ…何ィッ!!?」

床の迫り出しの数本は桜井の胸に突き刺さっていた!!

「これは…愛ちゃんのォッ!!!」

「この場所は…愛ちゃんが迫り出しを作った場所…!それを『満月の流法』でッ…!!」

「馬鹿な…!そんな『意志』は全く感じられなかった…ぞッ…!!」

困惑する桜井は胸を押さえてうずくまる。

「ちょうど高橋の顔が見えたんだ…そこに倒れてる…」

桜井は突然背後から聞こえた声に慌てて振り返る!
そこにはさっきまで目の前に座り込んでいた藤本が立っていた!

「藤本美貴ッ!!いつの間にッ…!?」

「そのとき高橋の声が聞こえたんだ。演劇部が大好きだって、演劇部を潰そうとする奴は
許さないって。だからこれはあたしの『意志』じゃない、高橋がアンタの胸を打ち抜いた
んだ」
211610:2006/05/21(日) 11:47:23.33 0

「ふざけるな…!!そんな馬鹿な事が…!」

桜井は再び藤本と距離を取ろうと後ろに飛び退いた。

バリバリィィッ!!!!!!

「ぐあッ!!!?」

その瞬間、突然桜井の肩が裂け、着ていたシャツがまるで何かに巻き込まれるように宙に
舞う!そしてそのシャツは空中でボロボロになっていく!

「こ…これはッ!!紺野あさ美の…!!?」

桜井は周りを見回して気付いた。
空中には紺野の『ワールド・イン・モーション』による空間の歪みが無数に漂っている!
特に桜井の周りには、少しでも動けば触れてしまうほどに密集している!

「『空間』の時間を戻したのかッ…!!僕の後ろに回ると同時に…!?」

桜井の顔に汗が伝う。
212610:2006/05/21(日) 11:48:46.21 0

「コンコン見えたかッ!?ミキティとブギトレの動きッ!!!」

「いえ、目で追うのがやっとでした…!スタンドの力は精神の力…!!ミキティを強くし
ているのは演劇部を守りたいという思い…」

藤本と桜井は対峙する…!2人の距離は1メートルにも満たない!

「あたしは後ろに下がるつもりは無いぜ…!もう逃げられないな…お互いにな…!!」

「・・・・!!!」

ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド 
  
「互いに後には引けない…!!コンコンッ!この勝負…ついに終わるゼッ…!!」
213610:2006/05/21(日) 11:50:40.98 0
はいここまで
このエピ、当初の予定よりすごく長くなってしまっている…
もうちびっとだけ続きます
214前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/21(日) 11:55:07.97 0
610さん乙!
割り込みすまんです!
215名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 12:36:34.80 0
案の定乱立しとるな
216名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 12:37:09.58 0
てか乙!
217前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/21(日) 12:37:32.23 0
218名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 12:54:37.73 0
乙乙
219名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 12:58:36.40 0
州*‘ -‘リ<宮迫です
220名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 13:39:27.59 0
221六部198:2006/05/21(日) 14:49:38.81 0
>>199
乙ッ!
うm紺野かっこよすぎだな
俺には華麗に舞う彼女の姿が見えるぞ!
>>213
乙ッ!
さて・・・どう決着がつくかwktkだ
222六部198:2006/05/21(日) 15:02:55.83 0
加護のスタンド解説忘れてた

スタンド名:サイ・キス(恋のバカンス)
本体:加護亜依
破壊力:A
スピード:C
射程距離:E(3メートル)
持続力:A
精密動作性:B
成長性:D

能力
一度触れたものを、一つだけ圧縮・復元(圧縮解除)。
ただし、丸めた紙を広げても綺麗にはならないのと一緒で、
復元といっても大きさが戻るだけ。圧縮時に損壊した箇所などは戻らない。
圧縮の強さや、復元するときのスピードは自由だが、
本体との距離が近いほど、それぞれ強く、速くできる。
223六部198:2006/05/21(日) 16:04:35.92 0
224名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 17:06:10.59 0
保全疾走
225名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 18:04:22.11 0
保全疾走
226六部198:2006/05/21(日) 18:51:55.47 0
保全疾走
227前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/21(日) 19:18:25.33 0
ショートコースから帰ってきますた!
あややゴルフが笑えない展開に・・・・・orz
228名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 20:14:47.33 0
保全疾走
229前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/21(日) 20:29:07.29 0
銀色の永遠  〜曖昧ミーMINDA〜

「はぁぁぁあ・・・・・」
石川梨華は溜息を吐きながら暗い表情で学校に向かった。
肩を落しトボトボと重い足取りが憐れを誘う。
度重なる重度外傷に因る長期の入院に彼女は問題児扱いを受け『留年』を余儀なくされてしまった。

その事に生真面目でプライドの高い彼女はすっかり打ちのめされてしまった・・・・・

屈辱に心が削られるような日々・・・・・・だがこれも自分に都合の良い駒を長く手元に置きたい。
そう言う寺田光男の思惑が盛り込まれたシナリオなのだ・・・・・。

「石川さん!おはようございます!」
梨華の横にさりげない仕草で岡田唯が現れる。
「あ・・・・おはよう・・・唯ちゃん・・・・」
梨華は血圧が低そうな挨拶を返す。
「・・・・矢張り・・・まだ慣れませんか・・?」
唯は梨華の顔を見ずに問う。
「・・・・うん・・・・」
梨華は表情を曇らせた・・・その表情を見ないようにした唯の配慮が嬉しかった・・・。
「・・・冷たい様ですが慣れる以外ありまへんえ。・・・辛いからと言って学校辞めたりせぇへんで
 下さいよ・・・・」
唯は梨華の肩と強く握りながら言った。
その力の強さに梨華は少しだけ救われた気がした・・・。
230前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/21(日) 20:29:40.41 0
「おはーッ!お二人さんッッ!!」
二人の後方からカラリと明るい声は響く!
「おはようございます!石川さんッ!!」
そういうや否や三好絵梨華は力強く梨華の身体に抱きつく・・・自分は味方だ。という事を必要
以上に現すように!
「おはよう。三好ちゃん・・・ちょっと痛いってば!」
明るく接して自分の居場所を心地よくしてくれる絵梨華の気持ちが有り難かった・・・。
231前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/21(日) 20:30:45.56 0
書きかけだが取り合えずここまで!れす!
232915:2006/05/21(日) 20:54:12.22 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る112〜

「な?????????」
「うが?」

ズズズズズズズズズズズズズズズズッ!!!!!!!

空き地の整備されていない地面は・・・・
竹刀に削られてモウモウと激しい砂埃を巻き上げたッ!
たちまち辺りは視界が悪くなる。

私は二人の攻撃を避けながらジグザグに走り出す!
それに併せてさらに砂埃がさらに巻き上がり、
辺り一面何も見えないくらいになった・・・・。

「目くらましのつもりかあああ!!!!!」

長谷部は指先からあちこちに水を噴射した!!

晴れが続く日の道路に水をまいた時のように・・・・・・・
あっというまに私が巻き上げた砂埃は収まっていく・・・・

そして・・・・

「いったあ・・・・・・・・・・・」
私は砂埃の中で長谷部の攻撃を肩に食らって倒れていた。
233915:2006/05/21(日) 20:54:39.78 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る113〜

「ふん、その程度で私の攻撃を避けようなんて甘すぎるわよ」

「うう・・・・・・・・ッ」
痛みに苦しみながら、私は仲間の方を見る。
みやは・・・・?

みやは・・・・、愛理たちと一緒にこっちを見ていた。
みや、ホントに大丈夫なんだろうね・・・・・?

「ふごおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッ!!!」
そこへ、橘が襲ってくる・・・・

「めぐ!右に5歩!!!!」
愛理の声に反応して、私は愛理の言われるままに動く・・・・。

「遅い!」
長谷部の声が聞こえた・・・・・。
数歩動いたところで橘が刀を振り下ろす音が聞こえた・・・・・。

やられる・・・・・・・・・・!!!
私は思わず目をつぶる。そのときだった・・・・

『おっけーダゼっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!』
234915:2006/05/21(日) 20:55:03.42 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る114〜







ゴオオオオオオオオオオオオオンンンッッッッッッッッッッッ







「うぎゃああああああああああああああッッッッッッッッッ!!!」







橘が頭を抱えて悶絶する!!
235915:2006/05/21(日) 20:57:07.31 0
はいここまで!
みなさんも乙です!!!

しかし・・・・、誤解無いように言っておくと、
もちろんなんみんさんにケチをつけているわけではなく、
むしろ自分の最初の行き当たりばったりっぷりを恥じるばかりなんだけど、
神父もいつになったら本国に帰れるんだろう?w
236名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 21:01:51.05 0
よけいな前置きはかえって誤解を生むだろ
237915:2006/05/21(日) 21:05:03.08 0
>>236
そりゃ失礼(^^;;;
いやホント、せっかく自分で神父を出しておいて
おまけにみなさんに使ってくださいって言っておいて、
帰る予定のような事を言わせてしまったのが
今から考えると失敗だったなぁって思いますw

まぁ、あのときはまさか話があんなに続いて
エピによっては進級するくらいまでと思ってなかったしw
238名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 21:35:42.01 0
何こいつ?
239名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 22:13:19.90 0
キチガイ
240名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 22:21:28.37 0
241名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 22:56:20.51 0
マターリマターリ…
242名無し募集中。。。:2006/05/21(日) 23:31:30.17 O
243六部198:2006/05/21(日) 23:43:47.61 0
前スレさんと915さん乙ッ!

まあ神父は再来週あたりに帰るんだろ
244六部198:2006/05/22(月) 00:18:45.54 0
さて次エピを手直しして明日には射精すぞ
245915:2006/05/22(月) 00:23:52.05 0
>>243
むしろ、帰国が延期延期の繰り返しで
神父のイライラが頂点に達しているとかw
246名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 00:31:22.55 0
敵「そんな粗末な布キレだけで何が出来るっていうのさっ!」
紺野「確かに粗末な布切れかもしれません・・・ですがこれに込められた
思いを侮辱した事・・・・・・たっぷりと後悔してもらいますッ!!!!」

銀色の永遠 〜メロディ・フラッグ〜
247名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 00:37:54.47 0
布ヲタキモ
248六部198:2006/05/22(月) 01:30:41.98 0
まあ一段落ついたってことで少しだけうp
249六部198:2006/05/22(月) 01:31:08.72 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜1

加護との戦いから数時間後・・・

藤本は昼休みの悔しさを払拭するかのように、珍しく部活動に励んでいた。
昨日の仕返しのつもりなのか、亀井がしきりに話しかけてくるが、
藤本はそれを一切無視して、発声、とくに苦手な英語の発音の練習をしていた。
元々細かいことを気にしない性格なのもあるが、不思議なことに練習をしていると
昼間の一件のことは全く思い出さなかった。
だが、それだけではない。加護が部室に顔を出していないというのもあるだろう。
おそらく指令の関係であろう。
そして、辻も部室には現れていない。

藤本はそのまま、驚異的な集中力で休むことなく練習を続けた。
入部して以来、ここまで一生懸命やったのは、おそらく初めてであろう。
他の部員達も、その集中力に目を丸くしていた。

(ふふん・・・美貴が本気を出せば、これくらいできるんだぜ。やればできる子なんだよ!)
藤本はその視線を満足そうに浴び、自画自賛をした。

・・・やればできるなら、最初からやればいいものを・・・

そして時間は7時を過ぎ、閉校時間になる。
夜空には、いつの間にかまん丸の月が顔を出していた。
(ああ、今日は満月か・・・だから調子がいいのかな?)
そんなことを思いながら、椅子に置いてあったスポーツドリンクの入った
ペットボトルの蓋を開け、一気に飲み干した。
250六部198:2006/05/22(月) 01:34:58.80 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜2

バタバタバタバタバタバタ・・・・・・

誰かの足音が、こちらに向かって近づいてくる。

ガラァッ!!

扉が勢いよく開き、そこから息を切らした加護が姿を現した。
部員達があっけに取られている中、一人部室内を見回す。
ひどく慌てているようだ。
「くそッ!おらん・・・!」
加護は一度俯き、今度は部員達の顔を見回しながら、こう尋ねた。
「誰か!のん見いひんかったか!?」
「今日は来てないけど。あいぼん、どうしたの?前髪乱れてるよ」
石川が笑顔で茶化すように答える。
しかし加護は、それに舌打ちで返した。

「・・・あのアホッ・・・!」
加護はそう呟くやいなや、踵を返す。
「おい!どうしたんだよ!」
何となく気になった藤本が声を掛ける。
だが聞こえなかったのだろうか、加護はそのまま走り去ってしまった。
「おい!待てよ!」
藤本はジャージの上着を羽織って、加護の後を追いかけた。

「あれ?何で舌打ちされたんだろ?私なんか悪いこと言った?」
石川が気まずそうにそんなことを言っている。
「・・・」
隣にいた新垣は、黙って石川の肩を叩いた。
251六部198:2006/05/22(月) 01:36:00.59 0
まずは以上!

なんかさっきからマウスのポインタがワープする・・・
252マイマイ268:2006/05/22(月) 02:50:36.19 0
保全失踪…
253なんみん:2006/05/22(月) 03:25:47.28 0
>>前スレさんエピ完乙です!
まとめでエピ完させちゃったのは狙い通りなのでしょうか?
3種のエンディングでしたがそれぞれに新たな謎が…って感じで気になります
あとエネスコとマサさん使って頂いて大変dなのです!二人も逞しくなりましたね

>>610さん
ありがとうございまっす!良い意味で期待を裏切りたいですね〜
自分もミスチル聞くんでなんか藤本も桜井も応援したい自分がいます

>>915さん
神父についてですが…もちろんその辺はちゃんと考えてまっす!
今回の話は本家4部と6部の時間的空間を埋めるエピになると思います
そういや兄重エピでは5部との繋がりが出来てますし
書く方としてはそういう設定ってネタが広がって面白いと思いますよ〜!

>>198さん
正直今回のWの話かなり楽しみです!wktk!

みなさんではではノシ
254名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 05:39:54.45 0
保全疾走!
255名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 07:08:36.61 0
保全疾走
256364:2006/05/22(月) 08:22:54.60 O
出勤中ラジオ聴いてたら、13日のヤンタンで倖田姉妹の話になって
ミキティがみそのちゃんみそのちゃん言ってるのに何となく反応した保全
257名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 09:30:06.62 0
258名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 10:00:44.48 0
『柴田は下を晒しながらノーパンにTシャツで寝る』…『紺野は素肌に浴衣をはだけながら寝る』
つまりハサミ討ちの形になるな…
259名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 11:12:26.93 0
otu
260名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 12:01:15.61 0
ho
261名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 13:23:10.15 0
ze
262名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 14:33:47.09 O
263名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 15:11:38.94 O
264名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 16:03:32.25 0
265名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 16:31:48.75 0
266名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 16:39:53.71 O
267名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 16:55:07.72 0
しゃ
268名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 17:12:48.39 0
269名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 17:48:17.33 O
じぇ
270前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/22(月) 18:05:57.57 0
自らの立っている位置、そしてそれを支えてくれている人たちの存在。
それが折れかけている彼女の精神を繋ぎとめてくれる・・・。
梨華は足に有りっ丈の力を込め、顔を上げた。

「そうだよね!しっかりしてなくちゃ私らしくないよね!!」

独り言の様に呟くと足取りを強め、校舎に向かった。


ザワザワ・・・・・
      ザワザワ・・・・・・
            ザワザワ・・・・・・

「今日、朝なに食べた?」
「あ〜?パンだよ。食パン。やっぱり食パンは『ダブる』ソフトが一番なんじゃね?」



「おい。貸したダビスタ、どうよ?」
「それがさ・・・・ちょっと『2年目をしくじっちゃって』さなんだか大変だよ。」

!!

「そのクツ!すげぇイイじゃん!やっぱりさ有名処だとデキが違うな!」
「バイトした金で奮発したからなぁ・・・『一留』のモノは持ってるだけでもイイ気分だよ。」

!!!!!
271前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/22(月) 18:06:21.42 0
「ぷぎゃーーーーーーーーッッ!!!!!!!」
梨華は突然弾けた様に地面の小石を辺りに投げつけ始めたッ!
「ちょっと!?石川さん???なにやってんのッッ!!」
絵梨華は腕を上下に振って暴れる梨華を取り押さえる。
「落ち着いて!石川さん!!クッッッッ!唯やん!!いつもの!」
腕を振って暴れる梨華を押さえきれない絵梨華は唯に援助を促す!
「当身ッ!!」
  ドッ!
唯は外後頭隆起下部に手刀を叩き込む!
「あ・・・あぁ・・・・」
その衝撃で梨華は空気が抜けるようにその場にへたり込んだ・・・。
272前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/22(月) 18:09:11.05 0
とりゃーずここまで!
>>253
三通りのエンデェングもまた一つの方向に纏まります!
今日、車を運転してる最中思いつきましたw
273610:2006/05/22(月) 19:31:29.95 0
198さん前スレさん乙!
神父は日米を行ったり来たりしてるって事じゃダメでしょうか?
274名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 20:28:01.99 O
ちょっとそこ失礼イイイイイ〜〜〜
2751 ◆I7CTouCqyo :2006/05/22(月) 20:50:11.91 0
みなさま乙ですー!

神父が日本にというか寺田に会ってる理由、ちょっとだけ
思いついたんですが、もろ核心に迫ってしまうようなものなんでどうしよう
まだ気が変わるかもしれないし、他のニストの方々にも「考え」があると
思うんで、「こんなのはどう」ってカタチでネタバレスレに書いてみますね

ではちょっとだけ
2761 ◆I7CTouCqyo :2006/05/22(月) 20:51:45.25 0


例えば・・・・・そう、迷宮ならこう言える。
脱出不可能なものはないと。
宮殿内の壁は宮殿の外壁と繋がっており、壁づたいに歩けばいずれ外に出れる。

しかし、だ。

砂漠やジャングルはそうはいかない。
外には壁など存在しない。
なので目印がなければ、目標にたどり着くことは困難だ。
そもそも外にいるということは、到着だの脱出などという概念はないのではないか?
今踏みしめている地面は、すでに目的の場所と繋がっている。
自分が浴びている風も、目的地と常に繋がっている・・・・


「・・・・やめたやめた。くだらん」


そこまで考えて、高橋愛は無駄だと気付きやめた。
2771 ◆I7CTouCqyo :2006/05/22(月) 20:53:52.97 0


しばらくすると道が開けたので、ようやく『遊園地』についたのかと思ったのだが、
そこは『遊園地』ではなかった。


「植木鉢がこんなに・・・・・いったい何を育ててるンだァ?」

横にいくつも並べられた植木鉢を覗いてみる。
『ミニトマト』・・・・・と、フニャフニャした字で書かれた札が刺さっていた。
高橋愛は思い出す。

「そういえば、コンコンが『ここのトマトは美味しい』って言っていたなァ〜。
トマト嫌いなヤツでも、ここのを食べれば変われるとかなんとか・・・・・」

しかし、なんでわざわざ植木鉢なんかで栽培しているのだろうか。
ビニールハウスを建てたほうが、より楽に美味しいトマトを栽培できそうなものだが・・・

「いや、無理かナ・・・・ここ、スタンドやし・・・・・・」


ガサガサッ・・・


「ン?」

先ほど彼女が来た道から、草を掻き分ける音が聞こえた。
誰か来たようである。
振り返ると、そこにはいかにも農家の人らしいいで立ちの男性が立っていた。
しかし、彼がどうしても普通の農家のおじさんに見えないのは、
その整った顔立ちのせいであろう。
少なくとも、日本人ではないようだ。
2781 ◆I7CTouCqyo :2006/05/22(月) 20:54:44.78 0


「・・・・・・!!!」


彼は高橋愛の姿を見るなり、ハッとした表情を浮かべる。
何かに驚いている・・・・そんな感じに見えた。


(どうして、そんな目ェ丸くしてあっしのこと見てんだァ・・・・)


高橋愛は男の全身を舐めるように見つめた。


(・・・・ん?)


その時、彼女は気づいたのだ。
彼の姿を見て・・・・・この場所を見て気付いたのだ!!


(ま、まさか・・・・・・まさかッ!!!!!)



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・・
2791 ◆I7CTouCqyo :2006/05/22(月) 20:56:25.73 0


「す、すいませンーッ!!!」

「・・・・・・・・・・え?」

高橋愛は男に深々と頭を下げる。
男は呆気に取られているようだった。

「なんつーか・・・・言い訳っつーのも見苦しいンすけど・・・・・・・恥ずかしい話・・・・
道に迷ってしまいましてネェ・・・・」

「・・・・・?」

「ココ、立ち入り禁止っスよねぇ??いや〜・・・・めんぼくないッス。
でも、好きでここに来たわけじゃないんよ。道に迷ってしまったがし」

そう言って、彼女は頭をかいて見せた。
きっとここは関係者以外立ち入り禁止の場所に違いない。
そして恐らく、ここで栽培されているトマトがこの島で料理されるのだろう。
なるほど、採りたてを食べられるというわけだ。

「そうですか。道に迷ったのですか・・・・・・」

男は被っていた麦藁帽子を深々と被りなおす。
まるで顔を隠そうとでもしているかのように。
だが、男は高橋愛よりも頭一つ以上長身なので、見上げられてしまえば
まったく意味のない行為であった。
2801 ◆I7CTouCqyo :2006/05/22(月) 20:58:26.14 0


「青い目・・・・・」


高橋愛は吸い込まれるように男に近付いていった。
まるで宝石のように深く青い瞳をしている・・・・やはり外人のようだ。
そして、あたりに漂うバラの香り。
高橋愛はその香りを、鼻ではなく肌で感じ取った。
この感覚は・・・・どこかで・・・・・・

彼女の頭の中で記憶がフラッシュバックされる。

本屋で高いとこにあった宝塚の本を取ってくれたスーツの男の姿が浮かんだ。
取られた・・・・と思いきや、その本を自分に渡してくれたあの人だ。
それだけのことが何故かとてつもなく懐かしくて、思わずキュンとなる。


(それだけ・・・・・本当にそれだけカァ?あっしの中で何かがスッポリと
抜け落ちているような・・・・・居心地のいい何かをなくしてしまったような・・・・・)



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
2811 ◆I7CTouCqyo :2006/05/22(月) 20:59:47.47 0


だが、そんなことをいつまでも考えていてもしょうがない。
彼女はさっさとこの場を去ることにした。


「あ、ところで聞きたいことあるンすけど」

ふと、彼女は軽い質問を男に投げかける。
もう会うこともないだろうし、生じた疑問は打ち砕いておきたい。
その高橋愛の疑問とは・・・・・


「遊園地、どこっすかネ?ずっと探してるんスけど、見つからないンよ・・・・・」

「遊園地・・・・・ですか?」

「うん、友達が待ってるンよ。こっからどう行ったらいいンすか?」


男は首を傾げた。
もしかして、知らないのだろうか。
よくよく考えてみれば、彼の装いは従業員には見えない。

わからなくて当然か・・・・・
2821 ◆I7CTouCqyo :2006/05/22(月) 21:04:56.45 0


「遊園地・・・・・うぅむ・・・・」

「あ、あ。なんでもないがし。たぶん自力でも探せますカラ・・・・・それじゃあ」


そう言うと高橋愛は来た道を戻っていった。

それにしても不思議な場所であった。
胸に直球で突き刺さるあの懐かしさはなんだったのだろう?
あの場所は・・・・いいや!あの外人(ひと)は・・・・


そんな高橋愛の背中を見つめて、男は麦藁帽子を脱いで呟く。


「この島に遊びにきていたのですね・・・・・元気そうで何よりです。
しかし・・・はて、遊園地・・・?この島には遊園地など存在しませんよ?・・・・愛さん」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・
2831 ◆I7CTouCqyo :2006/05/22(月) 21:05:49.96 0
ここまで!
では夜バイトの準備orz ノシ
284名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 22:05:43.03 0
保全疾走
285名無し募集中。。。:2006/05/22(月) 22:55:33.34 0
エネちゃんキタ!乙!
286マイマイ268:2006/05/22(月) 23:04:59.89 0

<片倉景広>


……。

……チョ…チョコだ。


教室で、トイレで、玄関で、そしてこの通学路でも
包みを開けて何度も確認した! 間違いない、この香ばしい芳香。
しかもこれ一粒でも100円以上はする、あの某国王室御用達とも言われている
高級チョコレートメーカー『デフディバ』のチョコじゃあないか!


まさかこれを、田中さんにもらうなんて!!!!


これまでバレンタインデーなんか全く関わり無く生きてきたから
昼休みにこっそり渡してもらった時もこれが『そんなもの』だとは
微塵も思わなかったし、むしろ不幸の手紙系ではないかとさえ疑った!
田中さん、疑ったりしてごめんなさい!
そして神様、ありがとう!
今年の僕は違うぞッ!
バレンタインデーにチョコをもらえる男になったんだ!


バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!
287マイマイ268:2006/05/22(月) 23:05:17.84 0

「仗助ェ、おめーがもらったチョコ結構たくさん入ってんなあ。
 俺にも少しわけてくれよ」
「やんねーよ」


ん…? あそこに歩いてるのは高等部の生徒かな?
ガラ悪そうな2人だなあ…
行方不明になったままの最上君と似たタイプかも。
あれ…あの人も『デフディバ』のチョコを持っているぞ?
しかも僕のよりちょっと箱が大きい!

……。

でもいいんだ!
僕のチョコは小さくても、田中さんの気持ちがたくさん詰まってる!

…はず、だよね…たぶん…。


-------------------------------------------------------------------------
288マイマイ268:2006/05/22(月) 23:05:38.18 0

  ―杜王ケーブルテレビジョン社屋前―


「ここに…絵梨香をヤった奴が…」

石川梨華は、ぶどうヶ丘高校の保健室から
タクシーを飛ばしてこのMCAT社屋前まで来ていた。
初等部の岡井千聖が襲われた事件。
藤本美貴たちが襲われた四洲の堤の事件。
そしてつい先ほど襲われた三好絵梨香と、
演劇部に届けられた、社名が入った封筒。
全てに共通するのはこの杜王ケーブルテレビジョンと
襲われた者全員がぶどうヶ丘の生徒ということ。

保健室のベッドに横たわる絵梨香の姿を見てから
石川はすぐさまここに駆けつけた。
彼女は同じ「チーム」の岡田唯も連れてくるつもりだったが
唯は絵梨香に付き添って病院へ行くと聞かなかったため
仕方なく自分ひとりでここまでやってきたのだった。

(さすがに一人で乗り込むのはマズかったかしら…
 でも、あれは間違いなく挑戦状!!
 売られた喧嘩は、買わなきゃね!)

石川は一歩、足を踏み出した。

会社の正面玄関からは、多数のサラリーマン風の男性が出入りしている。
一見してみると普通の会社である。
そこに制服姿の女子高生が近づいていく姿は多少奇妙であった。
社員らしき男性や道行く人々が彼女のことをチラ見している。
289マイマイ268:2006/05/22(月) 23:05:57.93 0

(ふ、ふん! 恥ずかしくなんて無いんだから!
 体裁構ってられる事態じゃあ無いの!)

彼女はズカズカと玄関の自動ドアに向かって突き進んでいく。

「石川さんッ!!」

背後から、彼女を呼ぶ声がした。

「え…み、雅ちゃん…」

手を膝につき、ハァハァと荒く息をしている夏焼雅がそこにいた。
どうやら走ってここまで来たらしい。

「ど、どうしてここに!?」
「ハァ、ハァ…た、タクシーで来たんですけど…
 途中でお小遣い尽きちゃって…ハァ…
 そこから走ってきました…」
「そうじゃなくて! どうして私がここにいること…」
「石川さんなら、たぶんそうすると思って…」
290マイマイ268:2006/05/22(月) 23:06:13.38 0

夏焼雅は中等部の中でも武闘派で、好戦的な性格である。
しかし雅がここに来たのは闘いたいからという理由ではなく
尊敬する先輩の一人である石川梨華のため、
そして何より演劇部を守るためであった。

「あなたも来るつもり?」
「石川さんがダメだって言っても行きます!」
「……」

石川には止める気は無かった。
むしろ止める権利など無いと思っていた。
彼女…夏焼雅が演劇部のために動いたのなら
それを止める事は誇りを無駄にしてしまう事だからだ。

「いいわ、いきましょう」
「はい!」
291マイマイ268:2006/05/22(月) 23:16:08.91 0
ここまで!


そしてみなさん乙です!
292915:2006/05/22(月) 23:40:29.54 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る115〜

「な、なんで金だらいが空から・・・・!!!???」
長谷部がびっくりする。

そう、橘の足には・・・・・、
愛理のミスチーフ・エンジェルがとりついていた!!

「いつの間に!!!???」
長谷部が叫んだそのとき、橘の頭上から何かが振ってきて
頭の上にぽとりと乗った。

「ふが?」
橘が手に取ったそれは・・・・・・蜂の巣!!!
たちまち巣から蜂の大群が出てきて橘を襲う!

ブウウン!ブウウウウン!!!!
「ふぎゃ、ふぎゃああああ!!!!!
 うわ、うわあッ、イタイイタイイタイイタイイタイ!!!!」
蜂に襲われた橘は思わず刀を落としてしまった。
その途端、バーサーカー状態が解除されて
正気に戻ったまま悶絶する!!

私はその隙にみやたちの元に走って逃げた。
293915:2006/05/22(月) 23:41:06.92 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る116〜

「か、佳奈!」
長谷部が橘にとりついた愛理のエンジェルをはがそうと近寄る。

「無駄だよ!愛理のミスチーフ・エンジェルは
 とりついたらもう愛理が良いって言うまで絶対はがれないから!!」
「じゃあ・・・・、オマエを倒す!!!!」
長谷部は愛理に向かって水を噴射しようとした!!

「させるかああああああああッッッッッ!!!!!!
 セクシー・アダルティーィィィィィィ!!!!!!」
みやが槍を伸ばして長谷部を狙う!!

「オマエらのぬるい攻撃なんて効かないんだよおおッッ!!!」
長谷部は足の親指から水を噴射して水のバリアを貼る!

「防御したね!!今だッ、めぐ!!左へ3歩!!!!」
「おっけぇッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!
 くらええええええええッッッッッッッッッ!!!!」
私はみやの言われた通りに動くと
地面に向かって思いっきりサッド・レディの竹刀を突き立てた!!

「何をやり・・・はッ!!!!!?????」

ボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴッッッッ!!!!!

私が竹刀を突きつけたところから、長谷部のいる方向に向かって
直線上に次々と地面が陥没していく・・・!!!
294915:2006/05/22(月) 23:41:42.50 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る117〜

「な、何が・・・・うわあああああああああああッッッッッ!!!!」
小さな陥没は長谷部の付近に近づくと、
突然長谷部と橘を飲み込んで大きな落とし穴となったッ!!!

「今だ!!!!」
みやはそのまま長谷部の眉間にセクシー・アダルティーを直撃させる!

「うおおおおおおおッッッ・・・・メーンッッッッッッッッ!!!」
一方、私は突っ込んでいって、橘の頭を思いっきり叩いた!!!!

「は、はが・・・」
「グホッッッッッ」
橘はそのまま気絶し、長谷部も悶絶する。

「な、なんで・・・・・」
長谷部はそう言いながら苦しむ。
295915:2006/05/22(月) 23:43:59.45 0
ここまで!みなさんも乙!

>>なんみんさん
そりゃまた重ねて失礼!
ワクテカして待ってます!!!
296前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/23(火) 00:20:22.31 0
1さん!マイマイさん!915さん!乙でーす!
297前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/23(火) 00:50:50.64 0
エルダースルーで寝るかな?
298なんみん:2006/05/23(火) 01:09:58.05 O
みなさん乙ッ!
とり急ぎ実は神父について自分の考えをあっちに書いておきました!
現エピのネタバレなので閲覧注意!
299名無し募集中。。。:2006/05/23(火) 01:13:30.65 O
美容師の彼はチョコ貰えたんだろうか…
300マイマイ268:2006/05/23(火) 01:23:05.84 0
今書いてる話
まあ一応バレンタインの日に起こった出来事を書いてるので
本筋に関係ない話が割り込んでくるわけなんですが
正直、本筋よりもチョコの話が書きたくてしょーがないです
なんで今後も間に少しずつ挟んでいきますw
301六部198:2006/05/23(火) 03:27:14.61 0
ハッ?!気づけばもうこんな時間にッ・・・!
みなさま乙ッす!
>>マイマイさん
自分のオリキャラが他のニストのエピに出るのは非常にうれしい
感謝いたします
302名無し募集中。。。:2006/05/23(火) 05:00:14.02 O
乙ッ!
303名無し募集中。。。:2006/05/23(火) 06:53:12.89 0
皆様乙です!
304364:2006/05/23(火) 07:38:11.23 0
皆様乙です!
出勤前保
305前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/23(火) 07:55:03.97 0
エベバデ!岡πよー!
306名無し募集中。。。:2006/05/23(火) 09:47:56.09 0
ほじぇ
307名無し募集中。。。:2006/05/23(火) 10:32:56.10 0
ho
308なんみん:2006/05/23(火) 11:04:07.83 0
みなさん乙です!
1さんもエネスコ登場ですか!ちょっとうるっと来ました
ある意味もっともバレンタインが似合う二人なのに…しかしそれは叶わない夢…

ちょっち微妙だけど出すね
309なんみん:2006/05/23(火) 11:05:01.12 0

波音は自分のスタンドを眺めながらニヤニヤと笑う。

「しかし、スタンドってのは弓矢で射るだけじゃあ無いんだな。
 あのババア、俺にはスタンド能力くれなかったからな…。
 弓矢が選ばなかったとか何とか言ってよ…」

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「弓矢!?…ババアとは一体誰の事か?」

「ああん?エンヤとか言うDIOに仕えてたババアの事だよ。
 俺にスタンド使いの才能のある奴を探させておきながら、俺にはよこさねえんだぜ」

「DIOッ!!!!DIOを知っている!?お前もDIOに仕えていたのか!?」

「神父さんもDIOを知ってるのか?やっぱ、引かれ合うってのは本当なんだな…。
 直接には知らない。結局、ただ俺は世界で俺みたいな奴を探してただけだ。
 まあ、常にこんな調子で順調といやあ順調だったな。DIOが死ぬまでは」

神父はこの男との出会いも何か運命のようなものを感じずにはいられなかった。

(これもまた『天国への階段』の、その一段なのか…?)
310なんみん:2006/05/23(火) 11:06:00.84 0

「しかし、DIOやら俺なんかと手を組む辺り……神父さん、とても聖職者とは思えねえな。
 本当にキリストなんか信じてるのか?宇宙は地球中心に回ってるとか思ってるワケ?」

波音は興味ありげに尋ねる。

(なかなか鋭い事を聞く…私にとっては重要な事だ……)

「現代科学を否定する気は無いよ。これも含めてまた神の意思なのだろうから」

「ほほう。神父さんでも地動説を支持する訳か?では、ガリレオはどうなる?
 宗教裁判で異端として有罪判決を受けたんだぜ。神父さんも異端って事か?」

「あんなものは人間の都合でしでかした事だ。人間は神じゃあない。間違いは犯す」

「『人間の都合』か…では『神父さんには神父さんの都合がある』って事だな」

「宗教は神を信じるものだ。人間じゃあ無い」

「科学も神の意思って事で良いのか?科学もまた宗教だと?」

(決して難しい話では無いが、なかなか興味をそそる話し方をする奴だ)
311なんみん:2006/05/23(火) 11:07:50.59 0

「良いか?『宗教』も『科学』も『超常現象』も、つまるところ全ての始まりは『オカルト』なんだ。
 金を精製しようとし、人体を解剖し、重力に抵抗しようとした結果が、今日の文明なんだ。
 同列のモノをいちいち区別する必要など無い。信仰は無数だが、ただ1つの神がいるだけだ」

「イギ…なるほど。ではやはり『進化論』もか……人は神が創ったものではないと…?」

「進化の過程はまだ完全には解明されてはいないからな。ミッシングリンクが多過ぎる」

「進化の過程を順に観測した訳じゃあ無いからな…」

「!!!!」

その一言に、神父は驚きの顔を浮かべる。そして考える…。


(もし……もしもだ、宇宙を再び0からやり直し、
 進化や歴史の流れを再び巡る事ができるのなら…!!
 その力を手に入れる事が出来るのならば…!!!! )


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ…


(それは神に近付いたと言えるのではないだろうか…!?)

312なんみん:2006/05/23(火) 11:09:00.18 0

………
……


「億泰が…ですか……?」

億泰の父親が信じられないといった顔をしている。目の前には白衣を着た男性。
ここは病院である。

「はい、非常に特殊な病気でして。私も最初は自分を疑ったくらいです」

「先生!!億泰は!!手術を受ければ、億泰は助かるんでしょうかッ!?!?」

興奮する父親。その切なる問い掛けに、医師は答えを選ぶかの様に慎重に口を開く。

「可能性はあります。現在なら世界で回復の例はいくつか見られるんです。ただ…」

「ただ…?」

「手術には、世界にも数台しか無い特殊な機械を使用します。
 まず病院を大きな所に移り、技術を持った医師を呼び、機械の使用…。
 術後のケアも含めますと……相当の費用が掛かるでしょう……」
313なんみん:2006/05/23(火) 11:10:14.45 0

…………

「虹村、浮かない顔をしているじゃあないか?……会社、上手くいってないのか?」

「……長嶺?」

思わず相手の顔を見る。この友人はいつも唐突に物を言い始める。
だが、それが妙にこちらの胸にズシリとくる。勘の鋭い男だ。
かつての同僚でもある。お互い前の会社を辞めてからは、虹村は自分の会社を起こし、
長嶺は気ままに海外旅行などをしていた。彼が帰国した時だけ、こうして顔を合わせるのだ。

「こっちは暇な身だ。なんなら、相談に乗るぜ」

長嶺はジッとこちらの目を見る。男から見てもなかなかの色男だし、非常に綺麗な目をしている。
しかし、どこかこちらを見透かしているかの様な目だ。昔から好きになれなかった。

「いや…特には……」

「本当か?お金…いるんじゃあ無いのか……?」

「お金…!?」


ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド…

314なんみん:2006/05/23(火) 11:11:47.93 0

………
……


窓から漏れる月明かりと入り口上部にある非常灯。それ以外に部屋を照らすモノは無い。
糞尿と獣特有の体臭が入り混じる、檻が無数に並べられた部屋…。

野良犬や猫、飼育を禁止されているペット、中には世界的にも珍しい生き物もいる。
こういった何らかの理由で保護された動物達の、一時預かりの施設なのだろう。

「おぅ…」

億泰の父親は隣にピッタリと置かれた別の檻を覗き込む。
その先には数匹の猫が閉じ込められている。
猫達はこの怪物を恐れて、離れた隅の方へ固まっている。……ただ一匹を除いて。

「なー」

『ブリティッシュ・ブルー種』…黄金色の目とビロード状のブルーグレーの毛並み。
その完璧なプロポーションは見る者をうっとりさせるくらいに美しい。
……しかし、その子猫は哀れな程に痩せていて、毛並みは荒れ、みすぼらしい。

「なー」

イジメられているのだ。この檻の中にいる猫達は、本来、仲間同士では無い。
適当に集められ閉じ込められたのだ。
エサは与えられているハズだが、恐らくこの子猫は分け前を貰えてはいない。
このままでは弱って死んでしまうのでないのか…?
315なんみん:2006/05/23(火) 11:13:05.30 0

「おぁ…」

檻の中に指を差し入れる。
仲間から迫害され、必然的に怪物の近くに寄らざるを得ない子猫は震える。

「おぁぁ…」

指を上下に動かす。子猫はその動きに合わせて目をキョロキョロさせる。
億泰の父親の目は優しい。まるで子供をあやすかの様だ。

「ンニャーン…」

子猫は一声鳴くと、他の仲間達が檻の隅へ逃げてしまう程の、禍々しき怪物の側へと寄って行く。
そして、ヒョコヒョコと動く指に戯れる。怪物の指は子猫の頭や首を優しく撫でる。

「ゴロゴロ…」

ずっと昔、イジメられっ子だった億泰とその子猫の姿を重ね合わせる。
幼いあの頃…億泰は大泣きしては、よく自分の所へ飛び付いて来たものだった…。


「お…ぅ……おぅ…ぁう。……おぅ…ぁう(億泰)……」

316なんみん:2006/05/23(火) 11:14:01.60 0

…………

「しっかし…広過ぎるゼここはヨ…oi」

紺野の『ニューオーダー』を奪い去った『ホワイトスネイク』を追跡し、
研究所内を歩き回る小川と億泰の二人であったが、
配管という道筋を辿れない以上、その他の手掛かりを見付ける事は正直難しい。
何のアテも無く、足を進める…。


ピシ


音が聞こえた気がした。

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「危ネーーーーッ!!!!」

小川が億泰に飛び付く!そのまま倒れ込む二人の肩を、銃弾の様なモノが掠める。
そして、横倒しになった小川の左ふくらはぎに…。

ドパッ!!!!

着弾する!!
317なんみん:2006/05/23(火) 11:15:18.25 0

「痛てェェッ!!」

「おい、大丈夫か!?おめー、俺を庇って……」

弾は小川の足をエグり、そこから血が流れる。貫通はしていないので、弾は足の中か…?
大きな傷でも無さそうだが、小川にとって敏捷性を奪われるという事は大問題だ。

「おい、アレは何だ?」

億泰が指を差す。通路の左壁にはいくつかの部屋が並んでいるのだが、
その部屋の中の1つ、壁の上部に擦りガラスの小さな窓が付いている。
その窓に小さな穴が開いている。何かの弾が通過したかの様な……?


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ…


フワフワ…


空中に浮かぶ物体……これは先程のプロペラ型のスタンド!?

「コイツから打ち出されたのか?いや……最初に窓が割れる様な音が……?」

「向こうの部屋が怪しいゼッ!!」
318なんみん:2006/05/23(火) 11:16:27.84 0

二人は横スライド式のドアを開け、突入する。中には……!?

ホワイトボードに事務机。連なる棚に試験管、フラスコ等の実験器具。用途不明の機械。
水槽には水が循環しており、何か草のようなものが浮いている。
並べられた幾つかの実験用の机には、それぞれに水道や電源、ガス管が備えられている。
奥の方に取り付けられたドアには、『薬品保管室・入室要許可』と書かれている。

「ナンだか、理科の実験室みてーだナ…oi」

「……障害物だらけで、戦いづれーな」

億泰の視線の先……事務机には誰か座っていたようだ。
その白衣を着た男はポンと両手を机に置き、手に力を込めゆっくりと立ち上がる。

「お前達か…『ホワイトスネイク』が言っていたのは?
 ここは私達が日々利用する部屋だったので、もしや堂珍博士がと思っていたのだが…」

男はスッと二人に向けて指を差す。親指と人差し指を立て……まるで拳銃の様だ。

「まあ良い。博士以外は……最悪…殺してもかまわないらしいからな……」
319なんみん:2006/05/23(火) 11:17:35.30 0


ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド…


数メートルの距離を隔てて、男と二人は対峙している。

「oioioioiッ…テメーッ!!人を指差したら失礼に当たるだろうがッ!!マヌケッ!!」

「……ならばお前は失礼に当たらないのか?マヌケ」

「あ…!?」

小川は興奮のあまり思わず男を指差していた腕を、慌てて引っ込める。
男の方は相変わらず指を差したままだ。

「人を指差してはならないのなら、なぜコレを『人差し指』と言うのだろうな?」

「テメー、いつまでそうしてるつもりなんだヨ……?」

「『薬指』は薬の混合に使用するからだと言うが……私達の為の指と言えるな」

パリ…

男の人差し指が先から少しずつ裂けてゆく…。
320なんみん:2006/05/23(火) 11:18:51.84 0

「てめースタンド使いなんだろ?出さなくて良いのかよ?」

「もう出している」

男の人差し指は完全に割れ、中の瑞々しく赤い肉が見えている。

「くらいな!!」


ドシュン!ドシュン!ドシュン!ドシュン!!


男の指から弾丸の様なモノが発射される!それは赤黒く、不気味な色に染まった弾丸だった。
勢い良く放たれた弾丸であったが、小川は『FRIENDSHIP』で容易にそれをはじく。


ビチャ!ビチャ!ビチャ!ビチャ!


硬いものと思っていたそれは、まるでゼリーを殴ったかの様に潰れ飛び散る。
一方、億泰もまた『ザ・ハンド』の右手によって空間ごと削り取る。

「そんなモンでワタシ達がやられッかヨッ!!」
321なんみん:2006/05/23(火) 11:20:15.42 0

しかし……!!


ドバァッ!!ドバァッ!!


「うげェェッ!!」

かわしたと思っていた銃弾のハズが、なぜか背後から背中や肩を打ち抜く!

「な…ナゼだッ!?」

二人が後ろを振り向くと……!!


フワ……フワ……


先程の謎の飛行物体だ。

「コイツもオメーのスタンドかヨ?」

「違う。それはまた別のモノ……私のは…ソレだ……」

男は『ソレ』に視線を向けながら、指を差す。
322なんみん:2006/05/23(火) 11:22:09.60 0


グジュグジュ…


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


銃弾に打ち抜かれた場所から何か…アメーバの様な…?傷口から這い出てくる…。
そのゲル状の奇妙な物体は分裂を繰り返し、増殖している…。

「そこで浮いているのは『マンハッタン・トランスファー』。狙撃用の衛星の様なものだ。
 操っている本体は狙撃の技術は無いんでね……別の場所で私を援護している。
 そして、私自身のスタンドは……」

増殖した物体は手の様な形になり、グッと小川と億泰の足や肩を掴む。

「『フー・ファイターズ』……細胞を操るスタンドだ」


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ…

323なんみん:2006/05/23(火) 11:26:44.06 0
ここまで!

FFについては本家6部と915さんの作品を参考に
自分なりのアレンジをしてみました!

ではではノシ
324前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/23(火) 11:33:36.72 0
大量うp乙です!
>>310-311の件は引き込まれたッ!
やっぱりなんみんさんスゴイですね!
325前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/23(火) 12:27:24.07 0
食後保
326610:2006/05/23(火) 12:33:33.08 O
なんみんさん乙!台詞回しがすげー
やっぱかなり推敲してるんですか?
俺なんかひどい時には考えながら書いてそのままうpしてるからなぁw
327:2006/05/23(火) 12:59:15.22 O
なんみんさん乙ですー!
セリフ回し、素晴らしすぎっす!
神父と波音の会話といい、人差し指の話といい…
俺ももうちょい言葉や日本語を勉強しようかな 汗

とにかく乙でした〜ッ!
328六部198:2006/05/23(火) 13:54:28.49 0
乙ッ!
神父はこの場所で『答え』を見出したということなのだろうか
そして億秦父と長嶺は顔見知りか・・・運命が絡み合ってますね
329名無し募集中。。。:2006/05/23(火) 15:02:17.77 O
乙!
なんみんさんのはアレだな、劇場版っぽい
330六部198:2006/05/23(火) 16:00:12.13 0
ずばりイクわよ
331六部198:2006/05/23(火) 16:01:34.52 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜3

加護に追いつくのは簡単だった。
藤本は加護の横につき、並走するような形になった。
「おい、どこ行くんだ?!何があったんだよ?!」
「町外れの廃病院や!多分そこに一人で行きよった!」
「廃病院?なんでそんなとこに?」
「指令や!昼間よっちゃんに呼ばれたやろ?ウチら二人に指令が降りたんや!」
「なるほど・・・つーか居場所がわからないなら、携帯に連絡すりゃいいじゃんか!」
「そんなんとっくにしたわ!ボケッ!!繋がらへんのや、多分電源切っとる!」
加護はキッと藤本を睨んだ。

二人はぶどうヶ丘公園を横切り、その先の丘陵地帯に入った。
「あそこや!」
加護が前方を指さす。
その先の小高い丘に、ポツンと大きな建物が建っているのが見える。

近づくにつれ、その姿がはっきりしてきた。
高い塀に囲まれており、病院というよりも監獄のようであった。
元は白く美しい外観だったのだろうが、今は灰色にすすけている。
(・・・なんか嫌な感じだな・・・)
夜、そして廃病院ということもあってか、その雰囲気に藤本は寒気を覚えて
思わず身震いをした。
332六部198:2006/05/23(火) 16:02:10.52 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜4

門を抜けて入り口に辿り着いた二人は、一度立ち止まって息を整えた。
横にある看板には病院の名が彫られているが、名前の部分が削り取られていてわからない。
(そういえばここって・・・)
削り取られたその看板を見て、藤本はある話を思い出した。

『ぶどうヶ丘の実験病棟』・・・
かつては優れた技術と、患者へのサービスで評判が好く、
町の外れにあるにもかかわらず、大変栄えていた大学病院だ。
しかし、一つの事件によって狂気の実態が世間に知れ渡ることになる。
院長と数人の医師による、おぞましい人体実験が内部告発によって明るみに出たのだ。
その結果、院長、及び関係者は全員逮捕され、病院も閉鎖されることになった。
まだ杜王町がS市のベッドタウンとして栄える前、今から20年以上昔の話だ・・・

・・・この話には後日談がある。
実験に関わった一人の医師が捜査の手を逃れ、この町に潜伏しているというのだ。
そして、夜な夜なここで実験を繰り返しているという・・・
勿論、噂の域を脱しないが、一部のマニア達の間では比較的有名な話である。

だがこの話と指令は関係ないのではないか。
演劇部は『なんとか探検隊』ではないのだ。

藤本は加護に指令の内容を聞いたが、「アンタには関係ない」と一蹴される。
だが、それでも尚しつこく聞くと、加護は渋々その内容を説明した。
333六部198:2006/05/23(火) 16:02:42.34 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜5

杜王町で行方不明者が多数出ているのは周知の通りであろう。
それは、『あの男』がいなくなってからも同様である。
いや、むしろ増加している気配すらあるのだ。
そして、この病院付近で消息を絶つ人が、ここ一年を境に急増しているのだ。
そこで寺田が、この廃病院の調査に乗り出すのことになった。


「でもさあ、それだけの理由で調査って、何か変じゃねーか?」
藤本は率直な意見を述べた。
そんなことは警察にでも任せておけばいいのだ。
加護はゆっくりと顔をこちらに向けた。
「最近、夜、ここで石の仮面を被った男の姿が何度も目撃されとる」
「石の仮面?・・・石仮面・・・まさか?」
「そう、吸血鬼や・・・この廃病院に吸血鬼が潜んどるかもしれへんのや」
そう言って加護は病棟を見上げた。
「・・・?っつーことは、お前ら『波紋』使えるのか?」
「いや、ウチらに波紋能力はあらへん」
「はあ?じゃあどうやって倒すんだよ?」
藤本がそう言うと、加護は馬鹿にしたような溜め息を吐き、藤本に視線を戻した。
「せやから、『調査』って言うとるやろ。『ちょ、う、さ』わかるか?
ウチらは、ここに本当に吸血鬼がいるかどうかを調べるだけや。
アンタ人の話聞いとらんやろ?」
加護はバカにしたような視線を藤本に向ける。
「う・・・」
334六部198:2006/05/23(火) 16:03:13.40 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜6

「で、でもさあ、何で辻ちゃん勝手に一人でここに乗り込んだのかな?」
「・・・」
その問いかけに加護はそれに答えず、藤本の前に回りこんで彼女を指差した。
「つーか、なんでアンタ着いてきたん?カンケー無いやろが」
「んー・・・」
藤本は腕組みをしながら少し考える。
「何だろね?わかんねーや」
「・・・はあ?」
「まあ、なんつーか、同じ仲間だしよ。あの子ってなんかほっとけない感じじゃん」
そう言って藤本は組んでいた腕を左右に広げてみせた。
そしてこう付け加える。
「まあ、オメーはムカつくヤツだけどな」
「・・・もう行くで・・・くれぐれも邪魔だけはすんなや」
加護は舌打ちをして病院の扉に手をかけたが、鍵が掛かっており開かない。
(ん?鍵か・・・のんはここに来とらんのか?)
加護がそんなことを思ったときであった・・・



「うあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」



「「!!!!」」
335六部198:2006/05/23(火) 16:03:43.44 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜7

耳を劈くような叫び声に、二人は顔を見合わせる。

「ちょっと待っとれ!」
加護はポケットの中からピッキング道具を取り出し、しゃがんで鍵穴をまさぐった。
だが、突然藤本に肩を掴まれて引っ張られる。

ドサァッ・・・

尻もちをついてしまった加護が、藤本を睨んだ。
「ちょ、何すんねん!?邪魔するなって言っ・・・」
「おおおぉぉぉぉ!BT03ィィィィイイイイ!!」


「VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV!!!!!」


ドッガアアアアアアアアァァァァァアアァァア!!!


BT03によって扉が破壊され、月明りに照らされた内部がうっすらと見える。
「お邪魔だったかな?ほれっ、掴まれよ」
そう言って藤本はニッと笑い、加護に手を差しだした。
「フンッ・・・上出来や・・・」
加護はその手を掴み立ち上がると、口の片端を少しだけ上げてみせた。
336六部198:2006/05/23(火) 16:04:54.14 0
とりあえずこんな感じっす
337名無し募集中。。。:2006/05/23(火) 17:21:54.60 O
おつ
338なんみん:2006/05/23(火) 17:35:08.10 0
>>198さん乙です!
憎まれ口を叩き合いながらも協力していく感じですね!う〜む…辻が心配だ

みなさんdです!確かに『劇場版』かもw
自分の場合、プロットの作成には結構時間を掛けて練ります
でも細かな情景・心象描写とかセリフ回しとかはその場の勢いに任せちゃいます
何度も推敲しちゃうような時はむしろ調子が悪いくらいかもです
今回の作品…なんだか自分の『電波っぷり』を遺憾なく発揮してますねw
339六部198:2006/05/23(火) 18:42:28.11 0
保全が疾走するッ!
340名無し募集中。。。:2006/05/23(火) 19:26:00.35 0
このスレ作者しかいないの?保全
341名無し募集中。。。:2006/05/23(火) 20:16:31.09 O
保全疾走
342六部198:2006/05/23(火) 20:22:23.97 0
たしかにニストばっかだな
それよりハブクラゲこえー
343名無し募集中。。。:2006/05/23(火) 21:08:26.53 0
緊縛保全
344名無し募集中。。。:2006/05/23(火) 22:13:41.23 0
hozenn
345名無し募集中。。。:2006/05/23(火) 22:58:15.93 0
保全疾走
346名無し募集中。。。:2006/05/23(火) 23:24:23.22 0
ho
347915:2006/05/24(水) 00:26:19.18 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る118〜

みやがセクシー・アダルティーの穂先を長谷部ののど元に突きつけた。
「さっきめぐが砂埃をあげている間にね、
 私のセクシー・アダルティーを伸ばしてトンネルを掘ったのよ」
「と、とん・・・ねる・・・?」
「私の足下からアンタたちまでね。
 そのトンネルを使って愛理のエンジェルが
 地下をアンタたちに見つからないように移動していたのよ」
「で、でもアンタのスタンドは直線しか進まないし、
 角度的に・・・・・・・」
「確かに私の腕の高さから地面に向かって槍を伸ばして穴を掘っても
 地下を潜っていく一方だよね。
 だから、その前に橘に吹っ飛ばされながら上空からアンタに攻撃したでしょ?
 あのときに縦にいくつも穴を掘っていたじゃない?
 その縦に掘った穴の一つにトンネルをつなげたのよ」
「あ、あのときすでに・・・」
「そう。私だってそれなりに計算しているのよ」
「じゃあこの落とし穴は・・・・・・・・・」
「横に掘ったトンネル用の穴をめぐが上から叩いたからトンネルが崩れていったの。
 で、横のトンネルが崩れていった先に縦の穴がいくつもあって穴だらけだったからね。
 それに・・・・・・・」
「それに・・・・?」
348915:2006/05/24(水) 00:26:53.96 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る119〜

「アンタ、砂埃を消すのと防御のために水を使ったじゃない?
 それで穴だらけの地面のところにさらに地盤がゆるんだのよね。
 そこへ土が崩れてきたので連鎖的に大きな陥没になったわけ」
「じゃあ・・・・」
「そう、アンタは自身のスタンドの能力で墓穴を掘るのを手伝ってくれたのよ!!」
「ど、どこまでもナマイキなガキね・・・・。
 予言通りって言いたいのか・・・・・・・。」
「そのガキに負けたのよ、おばさん♪
 だいたいね、何が目的か知らないけど、
 あのビルのスタンドの女をうろうろさせすぎ。
 せっかく自分たちのフィールドで闘えていたのに。
 私の作戦も地面が土じゃなけりゃダメだったしね」
「こっちだってなんだかんだあるのよ・・・」
「あっそう」
そういうとみやはセクシー・アダルティーで
長谷部の頭を思いっきり叩いてとどめを刺した。

「めぐ、大丈夫?」
愛理が心配そうによってきた。
「うん、私は大丈夫。それよりちなたちを・・・・」
「ビルが無くなった時に先輩たち呼んであるからもうすぐ来てくれると思う」
りぃちゃんが携帯を持って言った。

「そう、じゃあ安心ね。
 私たちだけで病院行ったらなんでこんなケガしたんだって
 騒ぎになっちゃうもんね」
私が笑いながら言ったそのとき・・・・
349915:2006/05/24(水) 00:27:26.19 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る120〜

シュルシュルシュルシュルシュル・・・・

私の身体に何かが巻き付く!
「な、何?????」
これは・・・・紙???????

「まだ抵抗するかあ!!!!」

ビリビリビリビリビリッ
ボゴオオオオオオオッッッッッッ!!!!

みやが私に巻き付いたトイレットペーパーのような紙を槍で破ると、
その紙を出してきたスタンドを思いっきりひっぱたいた。

「うぐッ・・・・・」
すでにリタイアしていたはずの阿部という女が再び気絶する。

「無駄な抵抗を・・・」
私は言いながら身体に巻き付いた紙を引きちぎって捨てた。

そこへ・・・・・・・

「お〜い、大丈夫かYO・・・って、この様子だと決着ついたみたいだな!」

小川さんがかけつけてきた。
それに続いて藤本さんと石川さんが自転車二人乗りでやってくる。
350915:2006/05/24(水) 00:28:13.29 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る121〜

「あっちゃ〜、派手にやったなあ・・・・」
「何人かやられたみたいね。大丈夫?」
「はい、止血したのでなんとか」
「でもとりあえず病院連れて行かなきゃ」
石川さんが慣れた手つきで指示を出す。

「中1はスタンド禁止って言われてたのに全員で戦闘しちゃって」
石川さんは苦笑しながら私たちに言った。
「そんなこと言われても襲われたら仕方ないですよ・・・」
みやが反論する。
「ま、そりゃそうだよな。とりあえずさっさとずらかろうぜ」
「藤本さん、この人たちは?」
くまいちゃんが栄高の連中を指さして言った。

「あ?ほっとけよ。どうせ向こうも誰かくるさ。
 てか、逆に言うとこいつらを回収しに鈴木とか浜崎が来たら面倒だからな」
そう言いながら藤本さんと石川さんは一番大きなまぁを二人で肩に背負った。
「めぐちゃん、肩やられたみたいだけど大丈夫?」
石川さんが心配そうに尋ねてくる。
「はい、これくらい・・・、ああッ!!!!!!!」

私が受け答えしたその時だった・・・・・・・・。
私は目に入った様子に思わず叫ぶ。

「栞奈ちゃん!危ない・・・・・・ッ!!!!!!!!!!!!」
351915:2006/05/24(水) 00:29:36.55 0
はいここまで。

いやあ、今回危なかった・・・・・
誰でも良かったんで、最初は来たのが
ミキティとよっすぃ〜にしてしまっていた(爆)
アップ直前に気づいたから良かったけど大恥かくところだったw

やっぱりこのエピに時間かかりすぎだな・・・・(^^;;;
352610:2006/05/24(水) 00:53:15.65 0
915さん乙!
決着付いたと思ったらまた一悶着あるのかぁ!?

>>198さん
加護ちゃんちょっと憎たらしいけどいいキャラだ
つーか当然の事のようにピッキングを始める所にワロス

>>なんみんさん
勢いでそのクオリティは余計すごいですよー!!

では自分もチョイ出し!
353610:2006/05/24(水) 00:55:34.52 0

銀色の永遠 〜無垢なる世界〜K

張り詰めた空気が部屋に充満する…!
にらみ合う藤本と桜井、2人は互いに傷付き顔や体のいたる所から出血している。

「こんな偶然でこの僕がッ…!!」

想定外の事態に桜井は焦る。

(そうだ…あの『迫り出し』は偶然だッ…!藤本美貴は無意識状態で『満月の流法』を
使ったんだ…!意識の無いまま戦ったボクサーの話を聞いたことがある…それと同じ
だッ!)

彼は少しでも後退したり横に動いたりすれば、破壊を伴う空間の歪み…紺野あさ美の『ワ
ールド・イン・モーション』に触れてしまうだろう。
それはすなわち藤本がこれから繰り出すであろう攻撃を、先ほどと同じ方法でかわす事は
出来ないという事…!
この状況では互いに小細工は出来ない!自分の拳を相手より先に叩き込むのみ!

(許さん…こんな偶然でこの僕が追い詰められるなど…僕のプライドが許さんッ!!!)

「これで勝ったつもりか藤本美貴ッ…!?…なめやがって…!!!
勝つのはこの僕だッ!!!お前らを倒した後!残りの演劇部員!!そして『つんく』!!!
この町のスタンド使いは全て消す!!!」

初めて桜井が感情を露わにして叫ぶ。
そんな桜井を前にしても藤本は冷静に言い放った。

「そんな事はさせない、勝つのはあたしだ…!!決着を付けさせてもらうぜ!『満月の流
法』が切れて空間の歪みが消えちまう前に…!」
354610:2006/05/24(水) 00:58:02.69 0

互いにダラリと下げた腕、その指先からスタンドがチラつく。
攻撃に移るタイミングを計る…!!!


ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド 


ドヒャアアアアアアッ!!!!!!

一瞬の静寂の後、同時にスタンドを出現させ相手の顔面目掛けてその拳を打ち込む!!!

ドガアアアアッ!!!!!!!!!

炸裂音が響き、血飛沫が舞う!

先に届いたのは桜井の拳…!!
小川と紺野の顔が引きつる。

しかし藤本の顔色は全く変わっていなかった。目をしっかりと見開き、攻撃を顔面で受け
止めたかの様にそのまま自分の拳を振り抜く!!

「!!!!!」

バグシャアアアアアアアアアアッ!!!!!!

藤本の渾身の一撃が桜井の顔面を打ち砕いた!!

「ぐばぁッ…!!!」

桜井が血を撒き散らしながら崩れ落ち、飛び散った血はそのままフローリングの床に染み
を作る。2人を縛る空間の歪みはいつの間にか消えていた。
355610:2006/05/24(水) 01:00:32.81 0

「や…やった!!!」

目の前で凄絶な光景を見せられた小川は思わず声を上げる。

(前からスゴイとは思っていたけどヨォ…!!ミキティのいざと言う時のこの気迫!!
やる気になった時のミキティに敵うヤツなんていないんじゃ…!!)

「うッ!!!」

勝負は付いた…!誰もがそう思った瞬間、藤本が妙な声を上げる。
そのまま床に崩れ落ちると思われた桜井が、両手で藤本の頭を掴んだのだ!
そして藤本を引き込むように後ろに倒れ込む!
当然藤本は上から桜井に覆い被さる形になる。
藤本の顔の下で、血濡れの桜井はニヤリと笑った。

「ミキティ離れてッ!!!その手を振り解くんですッ!!!」

誰よりも早く桜井の思惑を察した紺野が叫んだ。

「コンコン…!そうか記憶をッ!!ミキティ離れろおッ!!!!」

頭を振って必死に逃れようとする藤本。しかし桜井の手はしっかりと髪を掴み、一向に
外れる気配は無い。
356610:2006/05/24(水) 01:02:36.42 0

「てめえッ!!!」

ドゴドゴシャアッ!!!!!

馬乗り状態の藤本は上からB・トレインの左右のパンチを叩き込む!!
それでも桜井の手の力は緩まない。

(こいつッ…!!執念を感じるッ…!!!何が何でも離さないつもりだ!!)

「消してやるッ…!全ての記憶を…!戻るがいいッ!!赤ん坊のような『無垢なる心』に
ッ…!!!」

I・ワールドの手が出現し、桜井の手と一体化する。

「何だってェッ!!!全ての記憶ゥッ!!?」

「ミキティッ!!早く離れてッ!!!」

しかし何故か藤本は抵抗をやめる…。
そして何か決意めいた表情で桜井を睨みつける。

「離れる?いいや逆だぜ…マコ!コンコン!!ここで退いたら美貴は負ける…!こっちも
コイツと同等の『覚悟』を見せるしかねェッ!!!!」

藤本の心に呼応するように、B・トレインが握り締めた拳を広げる…!

「このままブチのめす!!!!!!!」
357610:2006/05/24(水) 01:04:20.09 0
ここまで!
おやすみノシ
358名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 01:37:55.32 O
乙です!
359名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 02:23:17.08 0
360六部198:2006/05/24(水) 03:37:49.23 0
>>352
乙ッ!
「まぁ」って一瞬誰のことかとおもったらまーさか
そういやいたんだな・・・すっかり忘れてたw
>>357
乙ッ!
桜井のその執念には敬意を表せずにはいられないな
361マイマイ268:2006/05/24(水) 04:02:55.27 0
皆さん乙です!
寝る前なのでレスはひとまず後回しにさせていただいて
続きをば
362マイマイ268:2006/05/24(水) 04:03:10.81 0

<川尻早人>

昨年の夏、僕のパパは吉良という男に成り代わられ、知らぬ間に殺されていた。
吉良にとってパパは生きるための手段だったのだろう。
僕にとっても当時のパパは決して良い父親ではなかった。
それでも、僕はそれからすぐにふさぎこんでしまった。
吉良を倒した仗助くんや億泰くん、康一くん達は
あの後、僕にいろいろと世話を焼いてくれた。
そのおかげで、今の僕は以前よりもずっと良い自分になれたと思う。
それが無かったら僕はずっとふさいでいたままかもしれない。

僕が『舞ちゃん』とあったのは、僕とママがようやく立ち直りかけた頃。
あれはクリスマスイブの日に、仗助君に教えてもらった
イタリア料理の店『トラサルディー』に食事に行った日だ。

------------------------------------------------------
363マイマイ268:2006/05/24(水) 04:03:31.33 0

 ―12月24日午後7時 「トラサルディー」―

「あっ!」

カチャッ カラン…

「早人、なんでそう雑なの? フォークくらいちゃんと扱いなさい!」

慣れない店に戸惑ってしまい、緊張した僕はフォークを取り落としてしまった。
立ち直りかけたといっても母親の性格は変わるわけではなく
前より“ちょっとだけ”優しくなった程度だ。
それにママは、吉良が成り代わっていた頃のパパを愛していたし
そして行方不明のままのパパはまだ死んでいないと信じ続けていた。
ようやく普通の生活に慣れてきたものの、ママがこれじゃあダメだ。
なんとかママも僕みたいに、以前よりも良いママになって欲しい。
それは僕の役目だ。 僕がなんとかしなくちゃあいけない。

「すぐ拾うから、ごめんねママ」
「え、ええ、そうね…。 あたしも急に怒ったりして悪かったわ」

こういう小さいところから始めないといけない。
まずは僕がママにとって良い息子にならないと。

「……」
「……」

…でも、些細な事とはいえ、この空気は少し気まずい。
さっきの反応を見ればママもたぶん良い母であろうと努力しているんだと思う。
僕を叱ってしまったことで多少罪悪感を感じているのかもしれない。
ここは明るく振舞ったほうがいいのかも…?
364マイマイ268:2006/05/24(水) 04:03:50.08 0


タタタタタッ


「フォーク、落としたよ?」

僕がどういう行動に出ようか迷っていた時、隣のテーブルから駆けて来て
フォークを拾って渡してくれた女の子がいた。
名前と、そして同じ小学校に通っていたことは後から知ることになるのだけど
この子が舞ちゃん…萩原舞ちゃんだ。

「あ、ありがとう…」
「ふふっ」

舞ちゃんは少し笑って、それから自分のテーブルに戻って行った。
彼女もたぶんイブに家族と一緒に食事をしにきていたんだろうと思う。

「……」
「どうしたの? 惚けちゃって…」

ママは笑っていた。
僕が何をしたわけでもない。
舞ちゃんがフォークを拾ってくれただけだ。
でも、それでなんだか優しい気持ちになった。
これから何をどうしようか、なんて複雑な気持ちはふっとんで
なんだかどうでもよくなってしまったんだ。
それはママも同じだったんだと思う。
365マイマイ268:2006/05/24(水) 04:04:05.62 0

「フォークを落としたんデスね? お取替えしまショウ」

店長さんが来て、新しいフォークを持ってきてくれた。
でも僕はそれを断った。

「大丈夫です、このままで」
「シカシ、せっかくの料理なのデスカラ…」
「いいんです。 そんなに汚れてないし、これで食べます」
「そうデスか…」

僕はその後ずっと、舞ちゃんが拾ってくれたフォークで料理を食べた。
料理によっては別のフォークを使わなければいけないけど
それでも僕はそのフォークだけしか使わなかった。
思えば、この時から僕は彼女を好きになっていたのかもしれない。

------------------------------------------------------
366マイマイ268:2006/05/24(水) 04:04:21.07 0

新学期になった1月、1学年下に舞ちゃんがいることを知った。
僕は思い切って舞ちゃんに声を掛けて、デートに誘った。
女の子をデートに誘うなんて今までしたことなかったし
その現場を見られたクラスメイトにはからかわれたけど
僕はそんなことどうでもよかった。
舞ちゃんが「うん」と言ってくれたから。

そして今日、2月14日。
僕が彼女の誕生日に贈ったバッグのお返しも込めてと
バレンタインのチョコレートをプレゼントしてくれた。

「これ『デフディバ』のチョコだよね? 高かったんじゃ…」
「えっとね、ママからお小遣い前借りしちゃった。
 早人くんがくれたバッグも高そうだったし…」
「ぼ、僕のは…」

バッグはママのお古を子供用に作り変えてもらったものだから
そんなに費用はかからなかったんだけど…。

「で、でも、ありがとう!」
「うん!」

舞ちゃんの笑顔はとても素敵で、天使みたいだ。
この笑顔をずっと見ていたいと思った。
舞ちゃんとママ、2人は僕が守らなくちゃあいけない。
いつかママにも舞ちゃんを紹介したいな…。
367マイマイ268:2006/05/24(水) 04:05:16.61 0
ここまで


えーと、ハンドルの通りマイマイヲタの俺なんですが
これ書きながら早人に殺意覚えてきました
でもいいんです
マイマイが幸せならそれで・゚・(ノД`)・゚・。
368名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 04:53:42.14 O
乙ッ!
369364:2006/05/24(水) 06:39:19.24 0
乙ですー!
370名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 06:52:09.22 0
371名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 09:34:52.97 O
372名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 12:11:51.18 O
んぁぁ!
373名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 13:58:55.17 O
374名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 14:38:59.17 O
「保全」…そして時は動き出す…
375前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/24(水) 14:43:43.34 0
みなさん乙!
376六部198:2006/05/24(水) 15:06:13.52 0
乙ッ!
多分エピにはあまり関係ないとおもうけど
「良い母であろうと努力している〜」のくだりがなんともいえない気分になる
377名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 16:07:34.03 0
378なんみん:2006/05/24(水) 16:12:55.07 0
事件の被害者の家族のその後の前向きな努力って
切なくもあり応援したくもありですね…乙ッ!
ところでマイマイさんのあのAAは萩原マイマイのAAなんですか?
379六部198:2006/05/24(水) 17:07:21.22 0
保全疾走
380610:2006/05/24(水) 17:47:47.83 O
雨と雷がすごい!保全
381名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 17:57:14.12 0
部屋に蟻がすごい!保全
382名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 18:11:04.58 O
伊達のスタンド攻撃だぞ、気をつけろ
383名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 18:19:02.10 0
確かに部屋に食い物とか無いんだよな…でも全滅させたw
384名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 18:44:58.77 O
伊達 謙 死亡
スタンド名 アビー・アド・フォルミー・カム
385前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/24(水) 19:16:53.13 0
だ・・・・伊達ェェェェェェェェェーーーーーーッッッ!!!!!!!
386名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 19:47:42.06 0
387名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 20:37:05.70 0
388六部198:2006/05/24(水) 21:20:00.34 0
雨の夜は何故か心が落ち着く198です
さっそくですがイキます
389六部198:2006/05/24(水) 21:21:56.23 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜8

・・・話は数時間ほど遡る。
藤本と加護が、くだらないバトルを繰り広げる直前の話・・・

辻は昼食を買うべく、学食の購買所にいた。
いつもは加護と一緒に、ここで買い物をして屋上で昼食をとるのだが、
今日に限って加護は、突然サンジェルマンに行くと言い出したのだ。
本当は一緒に行こうと思ったのだが、辻の現在の手持ちではサンジェルマンに行く余裕がなかった。
そこで別行動をとり、屋上で待ち合わせすることにしたのだ。

商品を選んでいると、不意に誰かに声を掛けられた。
「あれ?辻ちゃん!」
それは同じ演劇部の三好絵梨香であった。
「あ、絵梨香ちゃん」
辻は三好に向かって手を振った。
演劇部でも割と古い三好とは、前からの知り合いであった。
「どう?身体の調子は?」
三好は辻の背中をポンと叩いて笑いかけた。
・・・いつもイライラして、何かとトラブルを起こす彼女からは
想像しにくいが、これが普段の顔なのだろう。
「いやー、もうすっかり元気なのれす」
辻は腕を振り回しながらそれに答えた。
「あれ?そういえば、加護ちゃんは?」
三好はキョロキョロと、加護の姿を探す。
二人セットでいることが多いので、自然とそういう質問が出る。
辻は指を上に向け、こう言った。
「今日は屋上で待ち合わせをしているのれす。絵梨香ちゃんのほうこそ、唯ちゃんはどうしたのれすか?」
「いやぁ、唯やんはお弁当持ってきてるからさ、あたしらは2階の空き教室で待ち合わせ」
三好はそう言って、商品ケースから焼きそばパンと牛乳を取り出した。
390六部198:2006/05/24(水) 21:23:57.16 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜9

先に買い物を済ませた辻が、三好に手を振って購買所を出ようとしたとき・・・
「のの!」
またもや誰かに声を掛けられた。
見てみると、それは吉澤であった。
「ああ、やっぱここにいたか」
吉澤は辻に歩み寄ったちょうどそのとき・・・
「辻ちゃーん。ゴメン、10円持ってるー?」
小銭を切らしていたのか、三好が辻を振り返った。

「あ・・・」
吉澤と目が合った三好の表情が変わる。
「三好か・・・」
「なんスか?死にかけの鯉みたいな顔して。何か文句あるんスか?」
「つっかかるなよ。別に他意はない。それより・・・」
吉澤は三好を軽くいなし、辻に向き直った。
「寺田のおっさんから指令があるらしい。すぐに部室に行ってくれ」
「へ?は、はあ・・・」
素っ頓狂な声をあげる辻に、吉澤はさらにこう言った。
「そういえば、あいぼんはどうした?指令は二人にやってもらうみたいなんだが」
「サンジェルマンに行くって言ってたのれす」
「そうか、わかった。じゃあ、お前は先に部室に行っててくれ」
吉澤は辻の頭を軽くなで、急いで走り去っていった。

「よっちゃんと喧嘩でもしたのれすか?」
吉澤を見送った後、辻は三好に尋ねる。
「ん?いや、別に」
そう答える三好は既に笑顔に戻っていた。
「それより、部室に行ってきたら?」
「ああ、そうなのれす。じゃあ、また」
辻は三好に手を振り、部室に向かった。
391六部198:2006/05/24(水) 21:24:49.72 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜10

部室に着いた辻は、奥にある寺田の私室の前に行った。

コンコン・・・

「入りまーす」
辻は扉をノックした後、返事も聴かずに中に入った。

寺田はデスクの上で何かやら難しい顔をしながら書類を見ていたが、
辻の姿を見ると両手を広げて笑顔で迎えた。
「おお〜、よく来たな!ま、ま、座りや」
そう言って寺田は、ソファを手で示す。
辻が座ると、寺田もソファに移動してL字形に対面した。

・・・・・・・・・・・・

しばらく世間話をしていると、吉澤が加護を伴って部屋にやってきた。
寺田は吉澤を下がらせると、加護にも座るように勧めた。

「まあ、吉澤からちょっと聞いたと思うが、実は二人に頼みたいことがあるんや」
寺田は目の前にあるテーブルの上に、いくつかの書類を提示した。
その中には一人の男と、廃棄された病院らしき写真が混じっている。
辻と加護はそれを手に取り、一緒に眺めた。
難しそうな顔をしている辻を余所に、加護は寺田に要点を聞き出す。
「・・・つまり、この人を始末しろと?」
その言葉に辻は、不安そうに加護を見た。
部屋の中に張り詰めた空気が立ち込める。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・・・
392六部198:2006/05/24(水) 21:25:18.97 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜11

寺田は真剣な表情で二人を交互に見やる。
だが、すぐにいつもの軽薄そうな表情を見せ、声を出して笑った。

「なんやねん〜、怖い顔してえ!そんな物騒なこと頼むわけないやろ〜!」

「てへてへ・・・」
それに釣られて、辻も一緒になって笑う。

「・・・」

しかし隣にいる加護見て、すぐに口元を引き締めた。
すこしイラついているようだった。

「なら、一体どういう指令なんですか?」
加護がそう言うと、寺田は一度咳払いをして身を乗り出した。
「言うなら、軽い調査や」
「調査?」
辻が鸚鵡返しをする。
「そうや。その廃病院に写真の男がいるかどうか調べて欲しいねん。
詳しいことは、その書類に書いてあるとおりや」
寺田が写真を指さすと、二人はそれに目をやる。

男は真正面を向いており、古い証明写真のような感じだ。
歳は30代中頃といったところか。なかなかのイケメンである。
胸から上しか写っていないが、白衣を着ているようであった。
393六部198:2006/05/24(水) 21:25:45.30 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜12

・・・指令の内容については『(S)aint5』を参照していただきたい・・・

「まあ、俺が行ってもええんやけど、二人ともずっと休んどったわけやし・・・」
寺田は一旦言葉を止め、ソファの肘掛に寄りかかって足を組んだ。
「今回の指令は本格復帰のための、リハビリみたいなもんやな」
「はあ・・・」
加護が力ない返事をする。
「まあ、ヒマな調査やけど、頼むわ。な?」
そう言って寺田はおもむろに立ち上がり、部屋に持ち込んだ冷蔵庫を開けた。
「何か飲んでくか?」
「いえ、私達はこれから作戦を立てるので」
その勧めを加護は断り、辻を連れて部屋から出ようとする。
「そうか。でも、まあ持ってけ」
寺田は缶ジュースをこちらに向かって投げた。
「ありがとうございます・・・では、これで」
「あ、そうや、一つ忠告」
寺田は二人を引きとめ、指を立てた。
加護が少し面倒くさそうに振り向く。
「なんでしょう」
「これは俺の勘やけど、もしかするとスタンド使いかもしれへん」
「なぜ、そう思うのですか?」
「いや、前にも前例があったもんでな。とりあえず、その点注意しとけな」
「・・・わかりました・・・」

・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
394六部198:2006/05/24(水) 21:26:20.72 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜13

部室を出た後、二人は屋上にある給水塔の上に腰をかけていた。
指令が降りると、決まってここで作戦を練っていたのだ。
主にそれを考えるのは加護であった。

「とりあえず、今回はこの廃病院に吸血鬼かいるかどうかを調べるわけや。
でも、もしかするとスタンド使いかもしれへん。それもついでに調べとこか」
加護は寺田に貰ったジュースを一口飲むと、地図を広げた。
「場所はここ」
加護は、町外れの一角を指差した。
傍らにいる辻が、それを見て黙って頷く。
「吸血鬼かもしれんなら、昼間に行って太陽の下に引っ張り出してみればええんやろが、
行くなら夜やな。昼はかえって危険や」
「用心してるってこと?」
「そういうこと。わかっとるやんか。
まあ、昼間に吸血鬼のいる場所に乗り込むやつは、よっぽどのアホやな」

加護は一旦唾を飲み込み、一呼吸置いて話を続けた。
「ほんで、作戦の続きやが・・・まずウチが一人で病院内に潜入する」
「え?一人で?」
随分と大胆な作戦に、辻が声をあげる。
「そう、二人でいるより一人のほうが相手も油断するやろ。
それに二人でいたら、姿を現さないかも知れん」
加護は小首を軽く傾げて、片眉をクイっと上げた。
「ちょっと危なくないれすか?」
そう言って辻は、心配そうに加護を見つめた。
「危なくなったらスタンドで身を守ればええやろ。
そこでさらに相手がスタンド使いなら、それを見たとき警戒して一度立ち止まるはずや」
395六部198:2006/05/24(水) 21:27:07.33 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜14

「もし、ただの吸血鬼なら、ウチのスタンドで2、3回ぶっ飛ばせばええんや。
不死だかなんだか知らんが、スタンドが見えないヤツなんぞ、敵やあらへん」
「なるほど〜。んで、スタンド使いだったらどうするのれすか?」
「そこは、のんの出番や!」
加護はパチンと手を叩いて辻を指差し、ウインクをした。
「アンタの『NONSTOP』の能力で一気に脱出する。あらかじめ、ウチに影響を受けさせとくんや。
見たところそんなに大きくない病院。長距離タイプのNONSTOPなら、
外からでも十分射程圏内にあるやろ。
それに今回の指令は調査やからな。無理に戦う必要はないやろ?
とりあえず、今夜7時決行。学校の正門前で待ち合わせ」

一通り言い終わると、加護は真剣な表情で辻に顔を近づけた。
「今言ったとおり、ウチが潜入、のんは外で待機。アンタはあくまでウチのサポートやで」
「へ?」
「アンタは道路を横切る猫みたいに、後先考えず飛び出すクセがあるからな」
その発言に、辻は不機嫌そうに頬を膨らませる。
「そんなことないのれす」
「そんなことあるから言うとるんやろが。ええか、のんは余計なことはせんでええ」
加護は辻の肩に手を置き、まるで子供を諭すように言った。
しかし辻は、なおも抗議する。
「のんだってそんな簡単な調査くらいできるのれす!」
「無理や!もしも戦闘になったらどうすんねん。のんはそういうの苦手やろ!
それに、昔もそれで失敗したんやろうが。黙って言うこと聞き!」
二人の口調が少しづつ激しくなり、その声も大きくなっていく。
屋上にいた数人の生徒がそれに気づき、「何事か」とこちらを見ている。
396六部198:2006/05/24(水) 21:27:26.33 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜15

二人は野次馬の視線も気にせず、口論を続ける。
「大体あいぼんは、前からのんのこと子供扱いしすぎなのれす!」
辻は加護に詰め寄り、語気を強める。
しかし、加護もそれに負けじと強く言い返す。
「ガキやないか!いっつもヘラヘラヘラヘラしよってからに!
まあ、今はそんなことどうでもええねん!のんはウチの言うこと聞いとればええんや!」
「・・・ッ!」

バッ!

辻は泣きそうな顔で、給水塔から飛び降りた。
「おい!どこ行くんや!」
加護が引き止めるが、辻はそれを無視して憤然と屋上の扉に手をかけた。
「チッ・・・7時に正門前やで!!」
その声が聞こえてるのか聞こえてないのか、辻は走って行ってしまった。
「はあ・・・まったく・・・」
取り残された加護は、溜め息を吐きながら書類をまとめた。

キーンコーンカーンコーン・・・

昼休み終了のチャイムが鳴り響く。
加護はもう一度溜め息を吐き、給水塔から飛び降りて
屋上を後にした。

・・・・・・・・
・・・・・
・・
397六部198:2006/05/24(水) 21:30:23.21 0
ここまでっす
398915:2006/05/24(水) 21:33:01.28 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る122〜

地面に埋まっていた長谷部の手がわずかに動いた。
ほとんど無意識の状態から噴射された水のビームが
たまたま指さした方向にいた栞奈ちゃんを襲う・・・・・・

完全にみんな油断していた。
誰も対処出来ない・・・・・・・・・・・・・。

「う、うわああああ!!!!!!!」
声に振り向いた栞奈ちゃんを水が襲う、避けられない・・・・・!!!












へたり込んだ栞奈ちゃんの頭の上を水が通り過ぎていく・・・・・。
399915:2006/05/24(水) 21:35:11.57 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る123〜

「おまえ、まだッ!!!!!!!!」

ガンッ!!!!!!
みやがセクシー・アダルティーをのばして長谷部をぶっ叩いた。
長谷部は再度気絶する。

「大丈夫?」
みんなが心配そうに栞奈ちゃんにかけよる。
「はい、大丈夫です・・・」
栞奈ちゃんはぎこちなく笑いながら立ち上がった。

「とどめさしておこうっと」

ドガン、ドガン、ドガン!

みやがセクシー・アダルティーを伸ばして
倒れている7人全員の頭を順番に叩き始めた。

「みや・・・」
私は苦笑した。

「んじゃ行こうか」
石川さんがみんなに声を掛けた。みんなはそれに従って歩き出す。
400915:2006/05/24(水) 21:35:40.67 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る124〜

そこへ、愛理がこっそり話しかけてきた。
「めぐ・・・・・」
「何?」
「今の見た?」
「今のって・・・・、栞奈ちゃん?」
「うん、最初に気づいためぐだから
 見ていたと思うんだけど、栞奈ちゃんの動きがおかしかったよね」
「うん・・・・・、完全に当たると思ったけど何故か避けていたね・・・・・・」
「2階で闘っている時も一回あったんだよ」
「じゃあ今のが・・・・」
「たぶんね。よくわかんないけど・・・・・・・・」

まるで瞬間移動したようだった。
いや、瞬間移動なんてそんなもんじゃないような・・・・・・。
401915:2006/05/24(水) 21:37:14.86 0
ここまで
やっと決着ついた〜(ノ∀`)
これからしばらくエピローグです。

>>マイマイさん
オイラは紺ちゃんと億泰を絶対くっつけませんぜ(爆)

>>6部168さん
ののたん語ってなぜかしっくりきますねw
402マイマイ268:2006/05/24(水) 21:49:56.43 0
>六部さん
再び石仮面! 誰が出るのか気になります!
てか藤本・加護がなかなかいいコンビ見せてくれそうな予感
「良い母〜」のくだりは、その後の川尻家を自分なりに妄想しながら書きました

>915さん
一難さってまた一難ですねえ
てか有原の存在をすっかり忘れてたw

>610さん
桜井しぶといw
でもクライマックスに入ってきた雰囲気ですね

>なんみんさん
セリフ回しというか知識量というか、とにかく感服!
てか6部のスタンドがかなり登場してますね!

          |      |             |
          |      |             |
          |      |             |
     ∋oノハo∈    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      (o・D・)<マイマイでしゅよ
       ノ( ヘヘ───────────────
      /
    /
403マイマイ268:2006/05/24(水) 21:51:03.29 0
おおお…レスをつけてる間に新たなエピが…!
六部さん915さん乙です!
404マイマイ268:2006/05/24(水) 21:58:48.71 0
>915さん
俺もくっつけるのには抵抗あったんですけど
まあ早人だったらいいかな、というか
あのままじゃ早人が救われないかなと思ってw
405六部198:2006/05/24(水) 22:33:22.96 0
乙ッ!
ヤバイ・・・もしかすると辻と栞奈の能力が微妙にカブッてるかも
いやまさかな・・・
406前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/24(水) 22:47:57.35 0
「・・・・・・・・   うぅ・・・・うぅぅぅううぅ・・・・」

暫く呆けたかと思うと梨華は目に大粒の涙を浮かべ泣き出した・・・。

「なんで・・・・なんで私だけこんな目に?  惨めだよ・・・あんまりだよぉ・・・」
地面に顔を突っ伏して激しく嗚咽を漏らす。
「梨華ちゃん!しっかりしてよッ!」
絵梨華は梨華の肩を揺すって檄を飛ばす。
「石川さん!あんたがそんなんでどうしまんのッ!チームリーダーがそんなんでどうしまんのッ!」
唯も服を掴んで怒鳴った!怒りの感情ではなく・・・・悲しみの感情で・・・
「ほっといてよ・・・・もう私は駄目なの・・・・もう終わりなのよぉおぉ・・・・」
梨華は耳を塞ぎ頭を左右に振って泣き続けた。
「ぁあッ!もうッ!!解った解ったッ!」
絵梨華は襟首を掴んで梨華を強引に引き起こす。
「うぅ・・・・」
引き起こされながらも梨華はグッタリと項垂れる。
「あんたに必要なのは単位じゃなくてその鬱屈した気分をどっかにやる事!これに決定ッ!」
そう言うや否や梨華の身体を担ぐと校門の方に駆け出した!
「ちょいと!どこいくねん!」
唯は絵梨華を追いかけて駆け出す!
「あぁ?T町!」
絵梨華は憮然と答えた・・・。
「!? それってッ?」
眉を吊り上げて唯は絵梨華に問うた!
「まぁ・・・一石二鳥ってヤツ?」
口端を吊り上げ笑みを作ると三好絵梨華は足早に駅に向かった。
407前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/24(水) 22:55:59.36 0
よーやく鬱展開が終わった是!
みなさん!乙ってことでこれからまとめ作業!
408六部198:2006/05/24(水) 23:16:57.68 0
乙ッ!
おいおい何するんだ?
409名無し募集中。。。:2006/05/24(水) 23:41:45.73 0
乙!
410名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 00:29:39.91 0
保全
411六部198:2006/05/25(木) 00:59:16.13 0
412915:2006/05/25(木) 01:11:41.52 0
>>405
それは大丈夫です。安心してください、たぶん

てか、朝目新聞のイラスト投稿BBSのA板に
高本彩の「Our Time」とほとんど一緒なスタンド案があってびびった・・・
413名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 01:51:00.97 0
保全疾走
414マイマイ268:2006/05/25(木) 03:02:34.66 0

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  ―杜王ケーブルテレビジョン・1Fロビー―


「あ、あの…アポイントは…」

受付嬢の上原多香子は、突然現れた女子学生2人に戸惑っていた。
それもそのはず、その2人は受付に現れると
物凄い剣幕で「社長を出しなさい!」と迫ったのである。

「アポイント? そんなもの無いわよ!
 いいからとっとと上に連絡取りなさい!」

2人の女子学生のうち1人、石川梨華は
多香子に顔をギリギリまで近づけて怒鳴り散らしている。
もう1人の夏焼雅は石川の隣で黙って睨み付けていた。
傍から見ればイカれたクレーマーである。

「そう仰られましても、お約束が無いと…」
「あのね、一般人に手荒な真似は出来ればしたくないんだけど
 迷惑被ってるのは私達なわけ! わかる!?
 つってもアンタにはわからないんでしょうけどね!」
「うう…」

困った多香子は机の下にあるボタンを押した。
こういったクレーマーで、受付で対処できない場合は
このボタンで警備員を呼ぶことが出来るのだ。
415マイマイ268:2006/05/25(木) 03:03:25.76 0

「何なの何よ! 何とか言いなさいよ!」

まくし立てる石川の口撃にしばらく沈黙のまま耐えていた多香子の目に
奥のドアからやってくる警備員の姿が見え、ようやく彼女は安堵した。

「…ふん、警備員を呼んだわけ…」

腰に警棒をぶら下げた3人の警備人が2人に近づいてくる。

「お話ならこちらで伺いましょうか…」

警備員達は無表情で石川と雅を睨んでいた。
しかし2人は物怖じせず、警備員を睨み返す。

「……」
「……」

無言のままの2人に、警備員のうちの1人が手を伸ばした。
強制的に連れ出すつもりなのだろう。

「だから…手荒な真似はしたくないって言ったでしょう…」
「石川さん、私が…」


ブウウウゥゥゥンッ

416マイマイ268:2006/05/25(木) 03:03:44.88 0

夏焼雅が石川を遮ってそう言った時、
多香子は自分の頬を撫でる風を感じた。


バシィッ ドッシャアアアアアアアアアアアッ!!!


「え…」

突然、3人の警備員達が何か見えない力によって吹き飛ばされ
壁に打ち付けられる。
警備員達はそのまま気を失ってしまったようで、起き上がらない。
これは雅が『セクシー・アダルティー』の槍の柄の部分で
警備員を薙ぎ払った結果なのだが、彼らや多香子はそれを知る由も無い。

「ありがとう雅ちゃん。
 そういえば『マトリックス』って映画の中に似たようなシーンがあったわね。
 ネオとトリニティがビルのロビーで銃をぶっ放すの。
 別にあそこまでするつもりは無いけど…
 …で、まだ誰か呼ぶつもり?」

多香子は、石川にそう言われた時には既に
無意識のうちに内線電話の受話器を持ち上げていた。
目の前で何が起こったのか…それはわからない。
だがしかし逆らい難い何かを心で感じたのだ。
彼女が電話をつなげた先は警備室ではなく、社長秘書室。

「ききき緊急事態だと伝えてください!」
417マイマイ268:2006/05/25(木) 03:04:00.60 0

ろれつの回らない口で秘書にその旨を伝え
秘書を通じてこの事態が社長まで伝わる。
多香子は秘書からの返事を聞き、内線電話のスピーカーフォンをONにした。

『…上がってきたまえ』

スピーカーから男性の声が聞こえてくる。
それを聞いた石川はそこで初めて微笑みを見せた。

「はじめからそうすればいいのよ」
「じゃあ、行きましょうか」

石川と雅はエレベーターへ向かって歩き出した。
多香子と、そしてたまたま周辺にいた社員達は
唖然としたままその場に立ち尽くしていた。

418マイマイ268:2006/05/25(木) 03:04:32.25 0


 …チーン


エレベーターが最上階へたどり着く。

石川梨華と夏焼雅の2人は廊下を真っ直ぐに歩き
正面に見える『PRESIDENT』と札のかかった部屋を目指した。

「こんな地方の会社の社長が『プレジデント』だなんて笑わせるわね」
「なんか偉そうですよね」

石川はコンコン、とドアをノックした。
ロビーであんな騒動を起こしておいて礼儀も何も無いのだが
一応の挨拶である。

『どうぞー』

少しなりとも彼女達は緊張していたのだが
ドアの向こうから聞こえてきたのはえらく間の抜けた声であった。
ロビーで聞いたスピーカーフォンの声の男と間違いは無いのだが
なんとも緊張感が無い。
419マイマイ268:2006/05/25(木) 03:04:51.65 0

ガチャ…

ノブを捻ってドアを開けると、無駄に広い空間が広がっていた。
20畳はあろうかという部屋の壁にはいくつもの本棚。
そして一番奥に、窓を背にして大きなデスクが1つ。
そこに、社長というには妙な格好をした中年の男が座っている。
デスクの上には何かボードゲームのようなものが置いてある。
着ている服はスーツを独自に改造したものだろうか、
これからダンスバーにでも出かけそうな勢いさえ感じる服装である。

「あなたが社長さん?」

石川が尋ねる。

「いかにも、ここの社長だけど…
 何がどうなって君達がここに来たのはわからないなあ。
 後始末は一茶の奴がつけにいってくれたはずなんだが…」

「後始末…? 絵梨香をヤったのはその一茶って奴なワケ?」

石川の問いを聞き、男は苦笑する。

「何が可笑しいの?!」

「フハハ! いやいや、どうも面白いことになっているようだ。
 ええと、せっかく来てもらったんだし自己紹介でもしておこうかな。
 俺はこの杜王ケーブルテレビの社長、『富樫明生』だ。
 そして通り名はmcA・T! そう呼んでくれても構わないよ」

富樫は両手の人差し指と親指で銃の形を作り
それを胸の前でクロスさせ、ポーズを決めた。
420マイマイ268:2006/05/25(木) 03:05:10.98 0

「……」
2人は呆れてしまっていた。
復讐のためにやってきたというのに、この男はなんだ。
自分達をおちょくっているのだろうか、と。

「おや、どうした?」
「どうした、じゃあ無いわよ! あんたフザけてるわけ!?
 私達の仲間をあんなにしておいてその態度は何!!!」

石川はつかつかと富樫に歩み寄る。

「まあまあ怒るなよ、ゆっくり話し合おうじゃあないか。
 そうだ、ゲームでもやるかい?」

富樫は手元にあるボードゲームを指差した。
石川と雅はそれを無視して、背後にスタンドを出現させた。

「おおう、聞く耳持たないってか。 楽しいのになあ…」

富樫は手に持っていた何かを、石川に向かって投げつけた。

ビシュッ!
421マイマイ268:2006/05/25(木) 03:05:26.41 0

「ッ!?」

パシィッ

自分目掛けて飛んでくるソレを、石川は右手で掴んだ。

「これは…?」

手を広げた石川が目にしたものは、ただの『サイコロ』であった。
見たところ何の変哲も無いサイコロのようである。

「…この後に及んで、まだフザけるつもり?」

石川はそれを無造作に投げ捨てる。

「だから俺はゲームをしようって言ってるだけなんだけどなァ。
 まあいいさ、まさに『賽は投げられた』だ」
「…?」

富樫がニヤリと笑みを浮かべた。

422マイマイ268:2006/05/25(木) 03:06:14.36 0
ここまでー

おやすみノシ
423名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 03:11:22.87 0
乙なの
4241 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 04:11:42.12 0
乙です〜!
深夜の保全代わりに出します・・・・チェック
4251 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 04:40:23.11 0


3人を乗せたローラーコースターは、レールをぐんぐん登り、
次第に頂点へと近付いていく・・・・


「ごめん、僕やっぱり無理っぽいや。降りたい」

「何を言っとるとね絵里は・・・・今さら間に合うわけなかwそもそも乗ってから
途中で降りられるローラーコースターなんて聞いたことない・・・・おぉッ!!?
地面があんなに遠くにッ!!こわ〜!!!」


田中れいなは地面を見下ろすと興奮した声を上げた。
それにつられて、亀井絵里もチラリと下界を見やる。
小さな世界・・・・地面に吸い込まれそうな感覚・・・・
彼女は先ほどまで踏みしめていた眼下の大地が無性に恋しくなってきた。


「あぁぁ・・・・テンションに飲まれて僕は何をしているんだ・・・・・さゆ・・・・さゆ・・・・
死ぬ時はさゆの膝枕って決めてたのに・・・・」


そんな大げさな事を想いながら、彼女は好きな少女の名を念仏のように唱えた。
車両はやがて頂上に到達する。
いよいよ、絶叫する時がきたのだ。
4261 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 04:41:06.58 0


その頃、新垣里沙は・・・・・


「・・・・2列目に乗ったのは失敗だったのだ・・・・・亀の頭が邪魔で前が見えない・・・・
いつ落ちるのかわからない!!覚悟ができないッ!!!」


今さらながら動揺していた。
そして・・・・・



ガシャッ・・・・・・ドゴォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!



ローラーコースターは地面に向かって傾き、一気にスピードを増す!!
絶叫マシーンは唸りをあげて始動したのだッ!!



バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!
4271 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 04:43:00.64 0


「うわぎゃああああああああああああああああああああッ!!!」

「うひゃあぁぁ〜ッ!!ダメッダメッ!!!無理無理無理無理ィッ!!!!!」

「か、風つよ・・・・・息が・・・・・・がほッ!!!!」


もはやどれが誰の声なのかわからないほどの黄色い声が姦しく空気を震わす。
これぞ絶叫マシーン!!!
3人は、その恐怖から来る快感を体験していたッ!!!


「早いよ早い!!早すぎるッ!!!とばされるーッ!!!」

「た、楽しいッ!!絶叫マシーンに乗ってこんな楽しい気分になるのは初めてばい!!」

「前髪が崩れてしまうのだ!!切ったばかりの前髪が〜ごほッ!向かい風で息が・・・」


凄まじいスリル!!
しかし3連続のループを終えて間もなくして、早くも3人はこのローラーコースターに
順応し始めているのだからすごい。
なんだかんだで、3人とも絶叫マシーンには強いのであろう。

さて、そろそろ池に繋がるトンネルに突っ込むという、このローラーコースターの
最大の醍醐味であるポイントとなるが・・・・・
4281 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 04:45:00.22 0

その時、田中れいなの視界に奇妙なものが映ったのだ。

これから滑走しようとしている向こう側のレールになにか落ちている?
だがこのスピードでは振り向いても確認しきれない。
気のせいか・・・・?考えるヒマもなく車両はすぐさまそのレールをわたり始めた。

・・・・・・・やはり前方に何か落ちている!!?

(落ちているだって・・・?いや違うっちゃ!!あ、あれは・・・・ッ!!!)


「ちょッ!ちょっと!!アレ!!!」

亀井絵里もその存在に気がついたようだ。
だが、気がついたからどうとなるものでもない。
ローラーコースターの先頭車両は、一気に『それ』との距離を縮めていく!!


「な、なんやあれは〜!!どうしてあんなところにーッ!!!!」

「うわあああああッ!!轢いちゃうッ!!!!」

「田中ッち!亀ッ!!どうしたのだ!?亀の頭が邪魔でよく見えな・・・・・」

ダシャアアアアアアアアアアアアアン!!!!!


新垣里沙は先頭の車両から振動を感じた。
今のは明らかにレールを滑走しているために起こる振動ではない。
何か、強い衝撃を受けたような振動だ。
一体何が起きたのか・・・・・答えはすぐに現れた!!
4291 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 04:46:24.42 0


  『 それじゃ 罰ゲーム♪ 』


「ウ・・・・・・サギィ!?」

なんと、先ほど自分達を見送ったハズのウサギが先頭車両の先っぽに立っていたのだ!
田中れいなの視界に入ったのは、いつの間にかそこに佇んでいたウサギの姿だったッ!!


  『 とっておきの罰ゲームを ご用意しております 』


ウサギは突風の中、難なくスケッチブックを捲って見せた。
いったい何者なのだ!?このウサギはッ!!?
このスピードと振動で体制を崩さず佇んでいることもそうであるが、
コイツは猛スピードで向かってくるローラーコースターに軽々と飛び乗ったのだ!
もはや人間業ではないッ!!!

「な、なんやねッ!!コイツはぁぁぁぁーっ!!!!!!!!」

田中れいなはアトラクションの本来の意味とは違う意味で絶叫し、亀井絵里と
新垣里沙は突然のことに頭の整理がつかない・・・・・その時だ!!!


ガコッ・・・・・


奇妙な音が鳴った。
なんだ今の音は・・・・・鳴ったというよりも響いたという方が正しいといえる、
『何かが外れてしまった』ような音・・・・・両肩に響いた振動・・・・・
4301 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 04:47:53.41 0


「え・・・・・?」

田中れいなは肩のあたりがスゥーッと軽くなっていくのを感じた。
彼女だけではない。他の二人も、肩に圧し掛かっていた重いものから
開放されていくのを感じた。
ゆっくりと、それは上がっていく。

「ガードが・・・・・セイフティーガードが!!!」

「「上がるッ!!!?」」」

突如、彼女達の身体を支えていた黒い安全ガードのロックが外れ、
上に持ち上がり始めたのだ!!
これが完璧に身体から外れてしまったらどうなる!?
下り斜面なら重力と風圧の関係で、身体が投げ出されることはないであろう・・・・が!!
この先の池に飛び込めば、待っているのは急な上り斜面・・・・・
下りでスピードをつけた車両は、急な上り斜面で一時的に減速してしまうだろう!!
するとどうなるのか・・・・やや低速度となった車両にかかる風圧は軽くなり、
彼女達の身体なぞ砲弾のように勢いよく飛ばされてしまうだろう。


  『 さ 絶叫してもらいましょーか ふっふっふっ 』


「な、なんだコイツはッ!!うわあぁぁぁぁぁッ!!!!!!」

亀井絵里は上がってしまいそうになるガードを必死に戻そうと腕に力を込めるが、
ガードの持ち上がる力の方が遥かに強く、どうすることもできない。
4311 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 04:49:39.10 0

「う、うおぉ・・・・やばいと!!!」

「なんなのだこの現象は・・・・・それにウサギッ!!こ、こいつはぁぁぁッ!!!!」

三人の歪んだ表情を見て、ウサギは口に手を当てると笑っているような
仕草を見せ付けた。
慌てている3人を余所に、車両はやがて下り斜面に入る。
池に突入してしまう!!!

「わけわからんけど・・・・このままじゃダメばいッ!どうにもならん・・・・
こうなったらああああッ!!!」


ドギュンッ!!


田中れいなの身体から発現した緑色の両腕!!
その両の拳は、叩き潰すように安全ガードを殴りつけたのだ!!!

「どらぁッ!!デュエル・エレジーズ!!!」

バギィッ!!ピキッ・・・・・ピキピキピキ・・・・・・・・!!!

殴りつけた安全ガードが石化を始めた!!
石化はガードだけではなく彼女の身体をも伝い、さらにシートまで繋がる!!
田中れいなは安全ガードと自分の身体、そしてシートを石に変えて一つにしたのだ!!
これなら飛ばされることはないッ!!!


バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!!
4321 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 04:52:02.70 0


「ラブ・シード(愛の種)ッ!!生まれよ!!!生命よッ!!!!!!」

バゴンッ!!


新垣里沙の活き活きとした生命力溢れる茶色のスタンドがシートを叩いた!!
シートだけではない・・・・・あがっていく安全ガードも叩く!
すると・・・・・


ミョミョミョミョミョミョミョ・・・・・・・・・・


木の蔓は爆発的な勢いで成長し、彼女の身体にきつく巻きついていった!
座っているシート、そして安全ガードを巻き込んでだッ!!!
そう・・・・彼女はシートや安全ガードにスタンドの豆を叩き込んだのだ。
頑丈なパワーと強度で支えられた彼女の身体は、決して空に
投げ出されることはないであろう!!



ジャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!
4331 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 04:53:20.20 0


  『 な なんだってー!! スタンドか!? 』


ウサギは驚いていた。
なんの変哲も無い、どこにでもいる女子高生の観光客だろうと思って手を出したのだが・・・
まさか自分と同じスタンド使いだとは夢にも思っていなかった。
もっとラクに女の子が『絶叫』するサマを拝めると思っていたのに・・・・・残念だ。
スタンドの能力を使った2人は、こんな状況でもまるで絶叫していない。
あっけなく対処してしまった。


なんて精神力の強い女の子達なんだ!!

だからこそ・・・・・だからこそ・・・・・


『 意地でも 《絶叫》 させたい・・・ その表情を 
ゲドゲドに崩して 泣き叫ばせたいッ!! 』


もう・・・・・殺してしまいたいくらいに!!!
4341 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 04:54:16.75 0


ウサギの目的は何なのだろう・・・・・・?

そもそも目的なんてものはあるのだろうか??


なんにせよ・・・・・・


3人のうち1人は、ウサギの心の器に有り余るほどの叫び声を上げていた。



「うわああああああああああああああああッ!!なにもできないよッ!!!!」


それは、為す術もなく上がってしまいそうになるガードを必死に元に戻そうと
取っ手にしがみ付いている亀井絵里であった。



ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!!
4351 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 04:55:24.81 0


「え、絵里がッ!!しまったあああああああああああああああああッ!!!」


  『 この瞬間ッ!! この瞬間を待っていたんだウサギは〜ッ!!! 』


たまらない!!と言ったように、ウサギはそのスケッチブックを3人に見せる。
もっと、もっとだ。
もっとこのショートヘアーの娘が泣き叫ぶサマを見ていたいッ!!
そう強く思うウサギであったが、すでに池につながるトンネルが迫っている。
一度離脱しなくては・・・・・


サラサラサラッ


ウサギはスケッチブックに物凄い速さで何かを描く。
白黒でかかれたはずのそれに、勝手に色がついてゆき・・・・・そして・・・・・

フワッ・・・・・フワッ・・・・・

それは無数の風船となり、スケッチブックから飛び出したのである!!!


「なにぃッ!!スタンド!!?」

新垣里沙が声を発したのとほぼ同時に、ウサギは無数の風船の紐をつかむと、
ローラーコースターから飛び降りた!!
漫画やアニメのように、ウサギはゆっくりと降下していく。
4361 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 04:56:27.86 0


「あんなもの、普通はあり得ない・・・・・スタンド使いに違いないッ!!」

だがそんなことよりも、今は目の前で焦りと恐怖に取り乱している友人を
救うことが先だ。
亀井絵里の能力では、この状況を乗り越えることは不可能だった。


「た、助けてれいなッ!!ガキさん!!い、いやだ・・・・・・・怖い!!!!」


「まずいのだ・・・・このままではトンネルに入ってしまう・・・・!!田中っち!!!
亀も同じように『デュエル・エレジーズ』でッ!!!」

「言われなくてもやるっちゃよーッ!!!どららぁッ!!デュエル・エレ・・・・・」


ガゴン!!!!


「・・・・・・・・・・・・・え?」

亀井絵里は力尽きた。
指先の力は抜け、手にかいた汗で取っ手を離してしまった。
安全ガードは完全に上にあがってしまったのだ。
もはや石化能力ではどうすることもできない。
呆然とした亀井絵里の表情が見えた。
その瞬間は、3人にとってまるで時が止まっているようであった。
4371 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 04:57:17.42 0


バッチャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!


思考を巡らすヒマもなく、大きな水飛沫とともに田中れいなの視界は
真っ暗闇に覆われてしまう。

・・・・・・池の中のトンネルに入ってしまったのだ!!

田中れいなの隣には、安全ガードをつけていない丸腰の亀井絵里がいる。
真っ暗なのでわからないが、彼女は今どんな表情をしているのであろう・・・・

(救わねばならんばい・・・・・なんとしても・・・・・ッ!!!)

トンネルが開けてしまえば急な上り斜面・・・・・そこまでになんとかしなければ
亀井絵里は上空に投げ出され、転がるように自由落下してしまうだろう。

(どうする!?どうする!!?どうするーッ!!?)

考える時間は数秒もない。
すでにトンネル内の緩やかな斜面を上り始めている・・・・目の前の明かりは
グングン大きくなっていく!!


「絵里が飛ばされてしまうッちゃ!!うああああああああっ!!!
えッ!絵里が空の大海原にいぃぃぃぃぃぃーッ!!!!!!」


田中れいなは、もはや叫ぶことしかできなかった。
そして、無情にも眩しい太陽の光が彼女らを突き刺す・・・・・
4381 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 04:59:55.32 0


(絵里が・・・・・・次の瞬間絵里は空に投げ出されてしまうばい・・・・・何とかしなければ・・・
何とか・・・・・い、いったい何をどうすればいいとね!?)


ガシャンッ!!


急斜面に入り、車両は一瞬だけ減速する。
隣にいる友人の身体が浮いたのがわかった。


(守れなかった・・・・・・?友達を・・・・れいなは・・・・・・・)




その時である!!!


「うぐぅうぅぅぅうぅッ!!!!!!!!!」

ビスビスビスビスビスビスッ!!!


背後から搾り出したような声が聞こえた。
言うまでもなく新垣里沙の声だ・・・・・いったい彼女は何を・・・・・・!!?
4391 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 05:01:29.02 0


「引き寄せるのだッ!!ラブ・シードォッ!!!!」

ガシィイッ!!!!!!


亀井絵里の身体が、後ろから伸びてきた蔓によってシートにグッと引き寄せられる。
物凄い力で彼女を身体を縛り付けているようだが、彼女は痛みを訴えなかった。
気絶しているのだろう、グッタリと頭を垂らしている。


「よ、よかった・・・・・ガキさん、ナイスですたいッ!!グレイトっちゃ!!!」


さすがは先輩、機転が利く人だ・・・・・自分の手で守ることは出来なかったが、
それでも危機を脱したことが素直に嬉しかった。

ローラーコースターも終盤に差し掛かり、速度も緩やかになったところで
田中れいなはあることに気がつく。


(なんの植物やろか・・・・絵里に巻きついてるこの蔓は・・・・・赤い液が付いてるっちゃ)


気になった彼女は首だけで新垣理沙に振り向いてみる。
・・・・・・信じられない光景であった。
4401 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 05:03:03.25 0


「ガキさん・・・・・あ、アンタ・・・・・・ッ!!!」


田中れいなは、その姿を見て驚愕せざる終えない。
後ろでこんなことが起きていたなどと、思いもしなかったのだ。


「何しよったね!?その腕はァーッ!!!植物・・・・・ガキさん、あんた自分の両腕に
ラブ・シードの豆を・・・・・・・ッ!!?」

なんと、新垣里沙は両腕にスタンドの豆を植え込み!!
それを成長させて亀井絵里の身体を固定する蔓を生み出したのだッ!!!


「わたしの身体は蔓で固定してしまっていたから身動き取れなかったし、
時間もなかった・・・・・これが一番手っ取り早い方法だったのだ・・・・というより、
真っ先に思いついた方法か・・・・・!!!」

「ち、血が出てるばい・・・・・・平気なんスかッ!!?」

「わたしの身体の中で育った可愛い植物がわたしの友人を救う・・・・・・・
平気どころか、最高に素敵なのだ・・・・・・ニィ・・・・・」


彼女は額に汗を滲ませながらも、歯を剥きだして見せたのだった。



バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!
4411 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 05:06:25.12 0

そしてようやく、ローラーコースターは終わりを迎えようとしていた。
スタート地点に戻ってこれたのだ(つまりゴールである)。
亀井絵里は、いまだにグッタリとして意識を失っているようだ。

「あのウサギめ・・・・・・マジで許さんばいッ!!!」

ようやく戻ってきたスタート地点で、ピンクのウサギは佇んでいる。
あの憎たらしいウサギッ!!絶対コテンパンにしてやるッ・・・・・!!
だが、その時彼女は違和感を感じた。

「・・・・・・コレ、なんで減速し始めないとね?」

止まれるのか?
このスピードで本当にスタート地点に止まれるのか?

そして、ウサギがスケッチブックを掲げる。


  『 反則したから これはもう一回ね♪ むふ 』


「「なんだってえええええええええええええええええええッ!!!!!」」

3人を乗せたローラコースターは、駅を通過する急行列車のように
スタート地点をすっ飛ばし、2周目に入ってしまったのであった!!

絶叫は・・・・・まだ終わらない!!


ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンンッ!!!!
4421 ◆I7CTouCqyo :2006/05/25(木) 05:08:21.87 0
ここまで!ねみ・・・・・
なかなかDMCのようにはいかないなぁ・・・・疾走感が欲しい

そういや昨日横浜で『サンジェルマン』を見つけました
コーヒーテラスだったけど実在していたとは・・・・

ではではノシ
443なんみん:2006/05/25(木) 05:24:44.52 0
みなさん乙!てか伊達死んでるし!!

>>1さん
『疾走感』…確かにムズそうですね〜!
でも1さんは行間とか凄く上手く使っていて、毎回テンポ良く読めたりします

ちなみに『ドゥ マゴ』もあります!どちらも元々東急系のベーカリーですね
なんで荒木がそのネタを使ったのかは謎ですが…
444名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 05:50:48.51 0
乙!
445名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 06:13:20.69 0
乙保
446名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 07:14:40.09 0
保全
447364:2006/05/25(木) 07:16:16.73 0
銀色の永遠 〜高橋愛はルノアールを男役にする〜H

「フ…フン!そんな小細工で!!
 単にもう1回攻撃すればいいだけの話…!」
予想外の対処法を講じられた未来は少々の動揺を見せている。
それに対し、高橋・新垣の気合・意気はどんどん上がっている!
「そうはさせんヨー!いくで里沙ちゃん!!
 ライクァ・ルノアァァァーールッ!!」
「ラブ・シィィーーードッ!」
2人がそれぞれのスタンドの名前を叫び、スタンドを発現する。
そのまま高橋はライク・ア・ルノアールで地面を殴りつけだした!!

ドゴドゴドゴッ…グボォォゥン!グッボォォン!グボォォォォンッ!!

ルノアールの迫り出しで高橋と新垣の前に横に並んだ3枚の壁が作り出される。
3枚の壁はそれぞれが人2人を覆い隠すには十分な大きさである。
「さァー、どの壁に隠れてるかナァー?」
壁の向こう側で高橋が茶化したように言う。

「チッ…何をするかと思えば!そんな薄壁意味がないって何度やったら分かるの!?」
あからさまな挑発に苛立つ未来は津波で全てを飲み込もうとオーシャンズ・ストーリーを
発現させ、それを水溜りとして沈み込ませた。
これを津波にして壁もろとも2人を海に沈めてしまえば今度こそ終わりである!
448364:2006/05/25(木) 07:16:45.49 0


グッボィィィィィン!!


突然、右側の壁の向こうからスタンドと共に人影が飛び出す!
交差させた腕の指先がキラキラと輝き、破壊のビジョンが形成される!!
「今度はこっちから攻撃する番!!くらえ!スプラッシュ・ビーンズ!!」

ビュビュビュビュビュビュビュビュビュビュビュビュ!!

壁は攻撃のタイミングと場所をずらし、隠すためのカムフラージュ!
ライク・ア・ルノアールの能力の迫り出しの凸った勢いで飛び上がった新垣は
壁の上まで跳ね上がり、ラブ・シードで大量の種を射出した!!

「チッ!戻れ!!オーシャンズ・ストーリー!!」
未来は慌てて水溜りになったスタンドを人型に戻す。
左腕の動かぬ未来だが、そのスタンドはきちんと左腕も形成されている。
膨大な体積を持つオーシャンズ・ストーリーだからこその芸当であろう。
ラブ・シードが放った種はあるいはスタンドに取り込まれ、
あるいは狙いが外れたのか未来の足元に散らばった。

「フン!単発の攻撃なんて効か…ハッッ!!」
ラブ・シードの攻撃を防いだ未来だが、前方からさらに黒くて大きな物体が飛んでくる!
未来は慌ててスタンドにガードさせ、叩き落す!

ガッ……ドゴォスッ!
449364:2006/05/25(木) 07:17:39.39 0

叩き落された黒くて巨大なカタマリはそのまま地面で跳ね返り、未来の腹を直撃する!
「ぐぇぇっ!これは!?」
そのままその物体は地面を跳ね回る。再び未来にぶつかってきた。
「な、何だこれはっ!!?」
未来はカタマリを踏みつける。
固いそれはチカラを込めると砕けた。固い殻と、中身はグズグズになった繊維と液体が流れ出してくる。

未来は巨大な弾丸の飛んできた方向を見ると、壁の横から姿を見せている高橋愛と目が合った。
「ヘヘン!やっと1発当たったナァ」
高橋は手をひらひらさせる。
壁を作る能力と植物の種を打ち出す能力、それだけでは今の攻撃は説明がつかない。
ではこの攻撃は…この弾丸は!?
未来は改めて踏み砕いた弾丸を見下ろす。

「これは…ヤシの実!?デコの能力か!!」
そう、ラブ・シードによって生成された『椰子の実』をライク・ア・ルノアールで凹らせ、飛ばしてきたのだ。
凹った勢いで椰子の実の内部組織は破壊され、さらに外殻の凸る勢いで
撹拌された内部組織と開放されたエネルギーの勢いで未来の足元で跳ね回ったのだ!
近距離パワーで『殴る』タイプのルノアールには投擲は得意ではない。
しかし、ハンドボール大の大きさの椰子の実を10数メートルの距離を投げる程度のことは、
中高生の女の子でさえも十分可能なことである!ましてや近距離パワー型スタンド!!
跳ね返った実が未来に直撃したのは偶然である。しかし、その一撃は未来に脅威を感じさせたのは事実である!!

バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!
450364:2006/05/25(木) 07:18:10.88 0

「フザけたマネを…!」
「さーァ?今度は止められるカなァ?」
再び未来が顔を上げた時には、既に高橋の姿はない。また壁の裏側に身を隠したのだ。
「チッ…その壁をブチ破ればそんなチャチな攻撃もおしまいなんだよぉぉ!!」
オーシャンズ・ストーリーは両腕に前に出すと、水滴のマシンガンを撃つために構えを取る。
水滴弾で迫り出しの壁が破れることも既に実証済みである!!

グボゥンッッ!!

「スプラッシュ・ビーンズッッッ!!」

まさに掃射しようという時!壁の上から再び何かが飛び出す!!
しかし未来は慌てない。何度も見た攻撃である。照準を飛び出した相手に合わせ直す!
「ムダだって何度やったら分かるの!!?オーシャンズ・ストー……何っ!!?」

未来は驚愕する。
全てはフェイントだった。何度も見せた攻撃、そして攻撃の掛け声すらも!!
飛んでくる物……それは!!


「い、岩だとぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」

451364:2006/05/25(木) 07:18:45.43 0

直径数十センチはある大岩。それは先ほどの椰子の実よりもはるかに大きい。
まともにくらったらそれだけで勝負は決まってしまうだろう。
ルノアールの迫り出しで切り出された壁の岩…いや、海水が染み込んで固まった地面の迫り出しの土塊は
迫り出しの勢いという『投石器』で発射され、未来にまっすぐ突っ込んでくる!!

「オーシャンズ・ストーリー!!水滴弾で軌道を変えろぉぉぉぉ!!」

ビビビビビビビビビビビビビビビビビッッッッ!!
……ォォィィン……ッボィィン……

オーシャンズ・ストーリーは水滴のマシンガンを土塊に向かって掃射する!!
水滴の掃射で勢いを殺された岩は、未来の数メートル前に落下し、粉々に砕けた。

「ええ反応やけど、今度はどうかナァー?」
未来は空を見上げる。時間差で再び、今度は2発の土塊が飛んでいる!!
「おぉぉぉぉぉぉっ!撃ち落とせ!オーシャンズストォーリィィィズッ!!」
未来はさらに2体の人型のO・ストーリーを発現させ、3体のスタンドで上空に水滴を掃射する!!

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビッ!!

「上ばっかりに気を取られているとぉぉ!!スプラッシュ・ビーンズッ!!」
上空と地上の波状攻撃!!
壁の隙間から姿を覗かせた新垣が、上空の土塊に攻撃している未来に種を打ち込む。
脇腹を痛め、それでも先ほどの飛び上がる攻撃。新垣はもはや苦痛にかなり呼吸も乱れている。
本当は先ほどのフェイクの投石攻撃も、新垣自身はもはや激痛に飛び上がる
こともできなかったのだが、未来はそんなことに気付くこともないであろう。
452364:2006/05/25(木) 07:19:38.88 0

「クッ…そんな攻撃でぇぇぇぇええっっ!!」
未来は3体のオーシャンズ・ストーリーのうちの1体をスプラッシュ・ビーンズの
軌道上に盾として立たせる。
新たに人型スタンドを生み出さないのは、未来に余裕がなくなってきている証拠である!

ズドォォゥン! ズドォォォン!!
……ッボィィィン! グボォォィィィン!

上空を舞っていた2つの土塊が落下する。
やはり水滴で勢いを殺されたが、落下地点は先ほどの1発目よりも未来に近い。
そして、さらに2個の土塊が壁の向こうから発射される!!
新垣は、先の岩が落下するのを確認して、既に壁の裏側に身を隠している。

「こんな攻撃でェェェェェッ!!!!撃ち落とぉぉぉぉぉぉぉぉすッッ!!」
再び未来はオーシャンズ・ストーリーたちに水滴の弾丸を掃射させる!!

ビビビビビビビビビビビビビビビビビ…ズバシャァァァァァン!!

突然、1体のオーシャンズ・ストーリーが吹き飛ばされる!!
上空に気を取られていたが、今度は再び壁から姿を見せていた高橋がヤシの実弾を投げつけたのだ!
「クッ!このぉっ!!」
「ホラ!こっち見とると岩が降るんよっ!!」
「クッソガキがぁぁぁッ!!」
未来はスタンドを従えて数歩バックステップで下がる。土塊の落下点を逃れたのだ!!
「退いた…この瞬間を待っとったンやぁぁぁぁ!!」
未来が数歩下がったのを見た高橋は、なんと未来に向かって駆け出した!!

タタタタタタタタタタタタタタタターーーーーー!!
453364:2006/05/25(木) 07:20:14.43 0

「フン!そんな破れかぶれの特攻ッ……!!」
「上空注意ヤッ!!」

ズッドォォォォォン!ドッガァァァァァンッ!!

高橋と未来の間に土塊が降る。狙い過たず、未来が数秒前までいた場所である!
わずか数メートルの場所、自分のいた場所に巨大な土塊が振ったことに未来は一瞬怯む。
その間に高橋とライク・ア・ルノアールは一気に距離を詰める!
「クッ…突っ込め!!オーシャンズ・ストーリーズ!!」
2体のオーシャンズ・ストーリーが高橋を迎え撃とうと駆け出してくる!

高橋は足を止めない。スタンドで殴ることは危険であるはずなのに。
走っているライク・ア・ルノアールは右腕に力を込める。
その右腕には、ある物が握りこまれていた。
454364:2006/05/25(木) 07:20:46.68 0

「里沙ちゃんがくれた種…海水じゃあ芽ぇ出んでも、地面に撒かンけりゃぁー芽は出るはずだよナー
 とりあえず里沙ちゃんの代わりに叫バしてもらうンよッ!『ラブ・シード』ッッッ!!」

ドルドルドルドルドルッ!! ビャァァァァ!バシャァァァァァァァンッ!

ライク・ア・ルノアールが握り込んでいた『ラブ・シードの種』が生長し、1m強の『木の枝』になる。
そのままそれを槍代わりに、2体のオーシャンズ・ストーリーを薙ぎ払った!!
そしてさらに走った高橋は、砕けた土塊を足場に跳び、未来本体に槍を振り下ろす!!


バッキィィィィィィィィィィィィン!!


未来は慌てて生成した水の鎌で槍を受け止める。高橋は着地し、そのまま鍔迫り合いの格好となる。
「……2m……ようやく…ようやくあーしの射程距離に入ったンよ…」

不敵な笑みを込めて呟く高橋に、未来は冷や汗を流した。
455364:2006/05/25(木) 07:22:20.80 0
ここまで!近距離パワータイプを思いっきり遠距離型として使ってるしorz

皆様乙ですー!出勤前に出せて満足!仕事行ってきます!
456名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 08:41:36.00 0
乙!
457名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 10:11:18.44 0
ho
458名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 10:45:40.21 0
乙保
459名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 12:18:12.03 0
ho
460名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 14:19:18.11 0
ze
461名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 14:54:29.10 0
n
462名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 15:40:49.29 O
463名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 16:38:02.33 0
464名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 17:44:48.07 O
465六部198:2006/05/25(木) 17:58:44.71 0
みなさま乙ッ!
>>915さん
じゃあ安心しておきますッ!

ロナウジーニョのスタンドっすか?
スタンドの外見が俺の想像してたOur Timeとそっくりだった
466六部198:2006/05/25(木) 18:03:59.13 0
ちょい出しします
467六部198:2006/05/25(木) 18:04:16.15 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜16

午後7時・・・
加護は学校の正門前で、腕組みをしながら辻の到着を待っていた。
彼女とは昼休みから一言も会話を交わしていないのが気にかかるが、
今は指令に集中するため、それを心の奥に追いやった。

5分が過ぎた・・・

だが、辻は一向に現れない。
遅れて来るにしても、連絡一つよこさない辻にイライラしてくる。

10分が過ぎた・・・

業を煮やした加護は携帯電話を取り出し、登録欄から
辻の名前を検索してコールした。

-こちらはvadaphoneです。お客様がおk-

ピッ・・・

電源が切られているようだ。
「・・・ったく・・・なにしとんねん・・・もしかして、部室におるんか?」
加護はそう呟き、校舎を見上げた。
演劇部室には明かりが灯っており、ここから見える窓には数人の人影が見える。
468六部198:2006/05/25(木) 18:04:38.16 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜17

辻が部室にいるとふんだ加護は、正門を抜けて部室へと向かった。

その途上・・・加護の脳裏に昼間の一件が浮かんだ。
「・・・少し言い過ぎたかな・・・」
後悔の念が、胸の奥をチクチクと突き刺す。

だが、それと同時に嫌な予感がしてきた。
「・・・まさか・・・?」
次第に加護の足が速くなり、そしてついには走り出した。

バタバタバタバタバタバタバタバタ・・・・・

暗い校舎内に加護の足音が響く。

階段を駆け上がり身体を右に向けると、部室の明かりが暗い廊下を照らしている。
部室内からは笑い声のようなものが聞こえる。
「頼む・・・おってくれ・・・」
加護は祈るような気持ちで部室の扉に手を掛け、勢いよく開けた。

ガラッ!!

中にいた部員達の視線が、一斉にこちらに集まる。
しかし、その中に辻の姿はない・・・
469六部198:2006/05/25(木) 18:05:21.20 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜18

同刻・・・
辻は一人、町外れの廃病院の前に立っていた。
「・・・いつまでも子供じゃないのれす!」
はき捨てるように言うと、ポケットから携帯電話を取り出して電源を切った。
そして門を乗り越えて入り口の扉に手を掛て、そっと手前に引いた。

キイィ・・・

意外にも鍵は掛かっておらず、扉は簡単に開いた。
妙に冷たい空気が中から溢れてくる。
辻は生唾を飲み込み、なるべく音を立てないように侵入した。

内部は使われていないイスやゴミなどが散乱しており、
時折カビのような嫌な臭いが鼻の奥を突く。
肝試しなどで侵入した若者の仕業だろうか、壁や床にはいたるところにスプレーで落書きがある。
中にはどうやってやったのかは不明だが、天井にもマジックで書いたような落書きがあった。

辻は鞄からペンライトを取り出し、前方を照らした。
だが、そのか細い光は、光の当たっていない部分の闇をより一層深くする。
その雰囲気に一瞬立ちすくんだが、恐怖心を抑えつけて足を進めた。
「・・・ここで退いたら、またあいぼんにバカにされる・・・
のん一人でも出来ることを証明してやるのれす」
そんなことを言いながら、奥へ奥へと向かっていく。
そのとき一瞬入り口のほうで「カチャリ」と金属音が聞こえたような気がしたが、
振り返っても何もいなかったので、そのまま奥へと歩いていった・・・

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
470六部198:2006/05/25(木) 18:07:45.99 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜19

「手術室は確か3階・・・」
辻は受付で見た案内表を思い返しながら、階段を上がる。
噂では人体実験をしているということで、安易な考えとは思いつつも
まずは手術室を目指すことにしたのだ。

「・・・」

不思議なことに、階段を上がるごとに落書きが少なくなっているのだ。
それは、この先が殆ど人に侵入されていないことを意味している。
それと同時に、何かに見られているような気配を四方から感じる。
まとわり着くような・・・そう、まるで獲物を狙うケモノのような・・・
いや、もっと恐ろしいモノのような気がする・・・

やがて目標の手術室前に到達した辻は、
一度呼吸を整えるために大きく深呼吸をした。
(・・・覚悟を決めるのれす・・・辻希美!)
辻は扉に手を掛け、一気に押した。

バアァン!

大きな音を立てて、勢いよく扉が開く。
「!!」
辻はすかさずライトを前方に向けて身構えるが・・・
「うッ・・・!!」
辻は思わず鼻を押さえた。

むせ返るような血の臭い・・・

そして部屋の中央にある手術台には・・・
471六部198:2006/05/25(木) 18:08:27.59 0
それではまた後で
472名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 18:09:19.20 0
473名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 19:04:26.49 0
ふぉじぇん
474名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 19:31:06.79 O
淡々ときてるね、乙!
475名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 20:23:27.35 0
保全疾走
476名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 21:03:27.58 0
477名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 21:57:04.66 0
走疾全保
478名無し募集中。。。:2006/05/25(木) 22:27:45.53 O
479915:2006/05/25(木) 23:19:15.72 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る125〜

「ふ〜ん、全滅か。まぁアイツらにはあんまり期待してなかったけどね。
 でもちゃんとノルマははたしてくれた?」
「はい。目的のものはすべて集める事が出来ました。
 鈴木は手に入らなかったんですけど、最初から候補から外れていましたので問題ないかと。
 徳永、須藤、中島の3人は長谷部と橘が倒した時に血だらけになったのでそれを、
 夏焼と熊井は中島がスタンドで攻撃したときにチャクラムについた血を、
 菅谷は高島のスタンドがひっかいた時にスタンドの爪についた血を、
 それぞれハンカチで拭き取っておきました。
 あとは村上と嗣永が阿部のスタンドで巻き付いたときに
 紙についた血を・・・・」
「嗣永って、2年生の嗣永桃子?」
「あ、言い忘れてました。
 中2は学校の行事ででスキー合宿という話だったのですが、
 なぜか嗣永桃子がいたんです。
 それで必要ないんでしょうけど連中が嗣永の血も回収していたので
 ついでなので分析に回しておきました」
「ふ〜ん、おかしな話だね。で、分析結果は?」
「もうすぐ出ると思うんですが・・・・・・・」

ガラガラッ・・・・・・・
480915:2006/05/25(木) 23:19:41.41 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る126〜

「鈴木さん、浜崎さん、結果出ましたよ」
「あぁ、ご苦労さん、ちょうど話していたところなんだけどどうだった?」
「それが・・・・・・・・」
「もしかして全員違った?」
「いえ、やはり一人該当しました」
「本当!?で、誰だったの??」
「それが・・・、ついでに調べた嗣永桃子だったんです・・・・・・」
「はぁ?」
「嗣永桃子の血から反応が出たんです・・・・・・・」
「それ本当?」
「間違いないです」
「う〜ん、情報では中1のはずだったんだけどなあ、
 アミーゴ、どういう事だろう?」
「おかしいですね・・・。ちょっと待ってください。
 演劇部の資料によると嗣永桃子は誕生日が3月6日ですね。
 だったら誤差の範囲じゃないですか?」
「なるほどそうかもね・・・・・・・。
 よし、じゃあとりあえず嗣永をさらってきて」
「はい、ではさっそく・・・」
「うん、ご苦労ね〜」

ガラガラッ・・・・・・・
481915:2006/05/25(木) 23:20:19.51 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る127〜

「あれ?アミーゴ、なんか不満でもある〜?」
「いえ、そんなこと無いですけど」
「そう?その割には浮かない顔してるよね〜」
「わかりました・・・・。じゃあ言いますけど、
 嗣永の件も大事ですけど、今のところ演劇部の主力で
 リタイアに追い込んだのって吉澤だけじゃないですか。
 そっちの方にも本腰をいれないと・・・・・・・・」
「あ〜、アミーゴにとってはアレよりも小室の復讐の方が大事だったもんね〜。
 でも嗣永だって利用出来るようになったら
 アイツらへの復讐なんてちっぽけな話どころじゃないと思わない?」
「まぁそうですけど・・・・・・・・」
「ま、アミーゴの言いたい事もわかるけどね。
 でもそっちはそっちで手を打っているしね〜。」
「手?」
「知り合いの社長に演劇部の戦力を削ってくれって頼んであるからさ、
 とりあえずこっちは先に嗣永を捕まえちゃおうよ」
「わかりました、浜崎さんがそう言うなら・・・・・」





482915:2006/05/25(木) 23:20:55.87 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る128〜

「困った奴らやなあ、闘うなって言ったのに・・・・・」
「理由も言わないのに無理じゃないっすか?
 特に夏焼とか超武闘派ですし」
「そやけど理由なんて言えるわけないやろ」
「まあそうですけどね〜」
「そやけど、浜崎の捜し物がうちの学校の生徒ってあの情報屋の話、ホンマやったんやなあ。
 まさに間一髪やったわ。有原を保護しといて良かったなあ」
「演劇部に入れたから、かえって狙われたんじゃないんっすか?」
「そうかもしれんかったけどな、見つかるのかって時間の問題やん?
 矢口が一日中守ってくれるんやったら話は別やけどな?」
「そんな面倒くさい事お金もらってもイヤっすよ」
「そやろ?そやから演劇部で守ったるのが一番ええねん。
 でももう正体ばれたと考えた方が間違いないやろうなあ。
 有原が無事やったんは良かったけどな」
「他にも何人も怪我して入院しているのに
 有原有原って先生も相変わらずひどいっすね〜」
「いやいや、他の生徒のことも気にかけてるんやけど
 有原ってまだスタンド使えへんやん」
「また嘘くさい言い訳を〜」
「本心やって。だいたい、有原ってかわいそうやと思わんか?」
「まあ境遇には同情しますけどね」
「そやろ?今でこそ祖父母に引き取られて普通に生活してるけど
 今までかなり苦労してきたからなあ」
「母親が放浪癖でしたっけ?」
483915:2006/05/25(木) 23:21:25.47 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る129〜

「あぁそうや。母親の放浪先のエジプトで生まれてな、
 小さい時はそのまま母親に連れられてアジアを旅してたそうや。
 そんなかわいそうな生い立ちの有原を守ってやりたいやん」
「はいはい。とりあえずオイラは富樫の調査で手一杯ですし、
 浜崎とか鈴木とは金輪際関わりたくないからこれ以上は手伝いませんからね」
「わかっとるって。けど出来る範囲でよろしゅうな」
「はいはい。まあオイラは『D』の娘だからって特別何かあるとは思えませんけどね・・・」



TO BE CONTINUED…

西田静香 スタンド名:プライベート・ウォーズ
橘佳奈 スタンド名:Movin' on 
長谷部優 スタンド名:エターナル・ドリーム
中島麻未 スタンド名アイデンティティ
山本紗也加 スタンド名:777
高本彩 スタンド名:Our Time
阿部絵里恵 スタンド名:ハート・オン・ウェイブ
以上7名リタイア

徳永千奈美 スタンド名:シークレット・ディーヴァ
須藤茉麻 スタンド名:トゥデイ・イズ・マイ・バースディ
中島早貴 スタンド名:ワンダフルハーツ
以上3名入院

村上愛 スタンド名:サッド・レディ
肩にケガで全治2週間
484915:2006/05/25(木) 23:24:49.47 0
以上ここまで!

あぁ、長かった・・・・。・゜・(ノД`)・゜・。
続きもんのくせによくばって一気に敵出し過ぎだから
ネタは思いつかないわ、いろんな事を忘れるわでホント苦労した・・・

あとから気づいたけど長谷部&橘倒した時の地面陥没ネタって
ダディヤーナさんのときと一緒だし・・・・orz

さぁ、今後の展開はこれから考えよう(死)

あと、ドリのスタンド解説は明日あぷります

>>六部198さん
そうです。僕もまさにあんな感じのスタンドを
頭に描いていたんですけどねえw
485六部198:2006/05/25(木) 23:47:04.91 0
乙ッ!
ああ何か色々と分かりかけてきた
486前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/26(金) 00:10:32.38 0
>>484 915さん乙ですッッ!!!

>『D』の娘 な・・・・なんだってェェェェーーーーーッ!
487名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 00:12:47.63 O
乙です。凄く長かったですね(笑)本当にお疲れ様です
488名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 00:16:21.13 0
有原って誰なんだよ…
あんまりマイナーなキャラに重要な設定をつけるのもどうかと思うぞ
489名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 00:23:37.82 0
マイナーで知られていないからこそやりたい放題ということもなくはないな
490名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 01:24:08.00 O
話が面白けりゃ別にいい
面白ければだけど
491名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 01:24:21.41 0
狼住人の癖に知らない方が悪い
492名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 02:09:13.58 0
493六部198:2006/05/26(金) 03:01:25.86 0
ではではいきます
494六部198:2006/05/26(金) 03:01:54.36 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜20

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・・・・・!!!

手術台の上には、かつて『人であったモノ』が横たわっていた。
頭はこちらに向いているようだが、既に息が無いことは明白であった。
顔が無いのだ・・・きれいにくり貫かれている。
その他にも胸や腹もくり貫かれており、どこの部分かは分からないが、
四角い肉片らしきモノが銀色のプレートの上に置かれている。
つい今しがたまで、『なにか』が行われていたようだ。

「こ・・・これは・・・!」
恐怖を飛び越え、辻の全身に一気に緊張感が高まる!

「URRRryyyyyyyaaaaahhhhhh!!!!!!!!!!!」

「うわあッ!!」

ズサアァッ!

背後で獣のような咆哮がした途端、辻は手術室の中に放りこまれた。
その衝撃でペンライトを落としてしまい、視界が利かなくなってしまった。
しかし辻はすぐに起き上がって身体を反転させ、自らのスタンドを呼ぶ。

「『NONSTOP』!!」

バシュウゥゥッッッ!!!

頭上の大きなリボンが特徴的な、褐色で小柄なスタンドが姿を現した。
495六部198:2006/05/26(金) 03:02:45.84 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜21

辻はスタンドを構えて入り口付近に眼をやると、うっすらと影が立っているのが見える。
おそらくコイツが犯人であろう。

「おとなしくするのれすッ!!」
辻はスタンドを構えながら、相手を威嚇した。
「それはッ、スタンド!!?」
目の前にいる影が、驚きの声を上げる。
「・・・ッ!!見えているのれすか?!」
「チッ・・・!」
影は舌打ちを鳴らして踵を返し、その場から逃げ去った。

辻は一瞬考える。
(どうしよう・・・一旦引き返して、あいぼんに連絡するべきなのか・・・?)
吸血鬼かどうかはさておいて、相手はスタンド使い!
このまま一人で追いかけていくのはあまりにも危険!
ここは一度引き返すのが賢明である。

だが、彼女のとった行動は・・・

「待ちやがれなのれすッ!」
影の走り去ったほうへ走り出したのだ!
(ここでアイツを再起不能にすれば、見返してやれるのれすッ!)

ダダダダダダダダダッッッ・・・・・
496六部198:2006/05/26(金) 03:06:37.19 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜22

かつてぶどうヶ丘中学に転入してきたとき、
陸上部に誘われたほどであった辻は、難なく影に追いつくことが出来た。
しかし、この時点で捕まえることはせずに一度追い抜き、急いで階段の方へと向かった。
(先回りして退路を塞いでやるのれす!)
辻は階段の前に立ちはだかり、影を迎え撃つ。

「これで逃げられない。観念するのれす!」
辻が目の前に迫る影に叫ぶ。
しかし、影は走るのを止めずにこちらに突っ込んでくる。
「人間無勢が・・・不死の吸血鬼である、この私に観念しろだとおおぉぉ?URRrryyyyyyy!!!」
奇妙な咆哮と共に、影の身体から2本の光の腕がのびてきた。
そして、次の瞬間・・・
左肩に斬られたような痛みが走る。

「くあぁぁ・・・ッ!これは・・・?」
見てみると左肩の辺りに正方形状の小さな切れ目が入っており、
今にもその部分が抜け落ちそうになっている。
辻は激しい痛みを堪えて、ソレが落ちないように右手で押さえた。
「kukkukku・・・せいぜい落ちないように押さえていたまえ!『アンダー・ザ・ブリッジ』!!」
影・・・改め、吸血鬼から光の腕が、再び辻に向かって伸びていった。
「くッ・・・NONSTOP!ガードするのれすッ!」
NONSTOPは腰を落とし、左手のみで構えを取る。

ガシィッ・・・!ガシィッ・・・!

NONSTOPに腕が弾かれると、吸血鬼は自分の腕をかばった。
弾かれた衝撃が本体に跳ね返っているのだ。
「Nuuu・・・」
吸血鬼は呻きながら忌々しげに辻を睨みつけた。
497六部198:2006/05/26(金) 03:08:13.52 0
ここまで

もし藤本が寺田を倒すというシナリオになったらこんな風になるのかな?
http://hellogirls.myphotos.cc/files/data/hellogirls4593.jpg
498六部198:2006/05/26(金) 04:17:59.08 0
ひっそり保全
499364:2006/05/26(金) 06:09:26.93 0
皆様乙!
500915:2006/05/26(金) 06:33:13.53 0
おーはー。

元々、レクイエムネタでやろうと思っていたら1さんと中だししちゃったので
急遽プラスさせたネタですし、>>489な考えなので勘弁してくれなのれす
501名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 07:54:56.93 O
オナは自由さ
俺なんか娘以外ほとんど知らんし
502名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 08:08:58.78 0
>>497
ディアボロ倒したあとのラストだな
503なんみん:2006/05/26(金) 08:22:57.67 O
みなさん乙ッ!

>>915さんエピ完乙です!
苦労しましたねー!そりゃ七人(+1)考えるのは辛いや
新たな事実もビックリで

で、その新たな事実についてお聞きしたい事があります!
915さんは至急ネタバレルームへお集まり下さい
504915:2006/05/26(金) 08:58:28.11 O
ほい、お答えしておきました〜

職場からだと串ささってるから携帯ですまそw
505名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 09:55:47.21 0
506なんみん:2006/05/26(金) 10:27:39.96 0
>>198さん
レッチリですか?
それとNONSTOPの元ネタもやっぱり歌なんですか?

出します
507なんみん:2006/05/26(金) 10:28:47.94 0


ドシュン!ドシュン!ドシュン!ドシュン!!


再び男の指から細胞の銃弾が放たれる!!
二人は上手くかわしたつもりだが、どうしても狙撃衛星を利用した第二弾を食らってしまう。

「くそッ!ならコイツから叩かせてもらうぜッ!!」

ガオン!

『ザ・ハンド』は右手で空間を大きく削る。
その空間を埋める様にして、『M・トランスファー』は瞬間移動して近付いてくる。

「そんじゃ、消えなッ!」

『M・トランスファー』に向けてもう一度右手を振り下ろす。しかし…!

スゥ…

まるで滑る様な滑らかな動きで避けられてしまう。何度も試してみるが、無駄だった。
この攻撃力を持たないスタンドは驚異的な回避率を誇っている。
508なんみん:2006/05/26(金) 10:29:51.74 0

「コイツ…何なんだよォ…!?」

戸惑う億泰に対して、不適に男は語る。

「『気流』…そいつは『空気の流れ』を読んで動いている。
 フッ…何事にも『空気を読む』ってのは大切な事だな。モノとしても場としても…。
 ところでお前、そんなに近付いていて良いのか?」

「え!?」


バッシュゥゥゥゥンンッ!!


億泰は『M・トランスファー』から飛び出した銃弾の直撃を胸の中心に受ける!!

「がああああァッ!!」

男は指を構えたまま不適に笑う。

「今、『M・トランスファー』に干渉出来るのは、私の『フー・ファイターズ弾(FF弾)』だけだ。
 自己紹介が遅れたな。私の名は塩釜。塩釜一輝(しおがまかずき)だ」
509なんみん:2006/05/26(金) 10:31:04.14 0

塩釜が放つ『FF弾』はそれだけでも突き刺さるような攻撃力を持つが、
実はそのまま細胞が体に取り付く事の方が厄介なのだ。
億泰は削り取る事が可能だが、小川はそうもいかない。地道に弾き飛ばすだけだ。

ガチャーーーーン!!

窓際に置かれた水槽が割られ、中から水がこぼれ出す。

グジュグジュ…

水に触れた細胞達はこれまで以上の勢いで増殖を始める。

「私のスタンドは水分が必要。だから私自身の体内で発現させる必要がある。
 しかし、こうして外にも水を貯めて置けば……いくらでも増殖させる事が可能だ」

二人に取り付いた細胞達は水を得る事でさらに体積を増加させ、次第に人型へと成長してゆく。
攻撃でバラバラにする事は出来るが、すぐに修復してしまう。

「ムダナコトハ…ヤメロ……」


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

510なんみん:2006/05/26(金) 10:32:05.97 0

「こ…こいつ!!しゃべりやがったッ!?!?」

「oioiッ!!ただの細胞の塊なんじゃあ無いのか!?」

二人の慌てもがく様子を見ながら、塩釜は指を構えたまま答える。

「生物だからな。生物の『知性』とは何も脳だけによるものじゃあ無い」

「ナントカ・ホイルってヤツかヨ?『宇宙創生以前に知性は存在する』…てか?」

「ほう…よく知っているな」

「まあな…(エネちゃんの受け売りだけど…)」

「生命が誕生した時、それはただの1つの単純な細胞でしか無かった。
 それが自らのコピーを作り出す能力によって増殖し、増大し、
 進化の過程でより複雑で、多様で、高尚になっていったのだ」

細胞の増殖は決して早くは無いが、正確に確実に人型を形成してゆく…。

「だが…細胞はそれ1つで生命である事には、依然変わりは無い。
 理解できるか?我々の身体はそれだけで1つの生命ではあるが、
 同時に60兆もの細胞達の『共同生命体』でもあるんだ」

「ワレワレハ…スタンドトシテアヤツラレルガドウジニ…ミズカラノイシデ…ウゴク……」

「そう……1つ1つが『知性』でもあるんだ……」
511なんみん:2006/05/26(金) 10:33:21.69 0

「ならこっちは『ベアリング弾』だゼッ!!oioioioioioioioioioioioioioioioiッ!!!!」

ババババババババッ!!!!

小川の最大の武器はその能力を活かした敏捷性であるが、
それを奪われた時の対応策はきっちり考えてある。しかも、近距離型という弱点も克服できる。

ドパッドパッドパッドパッ!!!!

今度は塩釜の方が銃弾をくらう番だった。たまらず机の裏に隠れる。

「逃げられると思ってンのかヨッ!!」

スルスルスルスル〜!!

小川が高くジャンプをすると、いままで体にまとわり付いていたFFの細胞達が
一気に剥がれ落ちた。

「『神速』ってのは、地を蹴る為の足以外の摩擦・抵抗を無くす能力。
 オメー達だって掴んではいられないんだヨ。ウナギが手をスリ抜ける様にネ…」

ダダダダッ!!

そのままダッシュして、塩釜との間合いをつめる。

「この手の能力は本体がからっきし弱いからナァァァァッ!!!!」
512なんみん:2006/05/26(金) 10:34:03.71 0

最初にやられた足の怪我が痛むが、気にしている場合ではない。

「おりゃああああああああッ!!oioioioioioioioioioioioioioioioiッ!!!!」

小川は一気に飛び掛かる!しかし、塩釜に動じる様子は無い。

「分かって無いな…私の『FF』は変幻自在である事を……」


バサアアアアアアアアァァッ!!!!


人型を形成していた『FF』は今度は網目状に変形し、小川に覆い被さる!
そして、そのままワナで捕らえた獣の様に、小川を捕獲する。

「これなら、摩擦なんて関係ないだろ?」

もはや擦り抜ける事も出来ないくらいに体を覆い尽くそうとしている…。

「小川ああああァッ!!」

その一方で億泰は『FF弾』と『M・トランスファー』のコンビネーションで苦戦していた。
『銃弾』と『狙撃衛星』と『細胞スタンド』が数体…。
2対1の戦いだと思っていたが、今や圧倒的不利に陥ってしまった……。
513なんみん:2006/05/26(金) 10:35:34.85 0

「いくら『自由』だの『個性』だの主張していてもだよ…。
 それぞれが好き勝手な事をやっていたんじゃあ、物事ってのは上手く行かないだろ?」

もはや勝利を確信しているのか、塩釜は余裕の表情だ。

「ククク…それは社会だろうが細胞だろうが一緒なんだ。
 もし、人によっては『目がモノを食べる場所』だったらどうする?
 『指で音を聞く』ならどうする?『舌でモノを見る』のだったらどうする?」

ドガッ!!!!

塩釜は小川を思いっきり蹴り飛ばす!!小川は鼻血を出しながら後方へ転げて行く。

「『分をわきまえろ』……って事だよ。分かるか?
 お前達にはお前達の役割ってのが生まれた時から決まってるんだよ…。
 目はモノを見れば良い。耳は音を聞けば良い。肌は触れるモノを感じ取れば良い。 
 私達の様の高尚な機能……言わば神経を司る細胞に向かってだよ……、
 お前達の様な細胞カスが口を出すんじゃあ無いッ!!この『爪垢』がァァッ!!!!」


ミシミシミシミシッ!!


「うぎゃああああああああッ!!!!」

FF細胞に捕らわれた小川と億泰は、強く締め上げられ叫び声をあげる。
514なんみん:2006/05/26(金) 10:36:45.51 0

「苦しいか?しかし、私は優しいからな。いっそ一思いに殺してやろうか…?なあ?」

小川と億泰は目を合わせるが、何か作戦の立てる様な状況でも無かった。
しかし、決して諦める事など無い…。

「クソ…やたら細胞が増殖してると思ったら、アレが原因かヨ……」

小川の視線の先、それは先程『FF弾』によってガラスの割られた水槽がある。
その水槽からいつまでも水が流れ続けている。それが増殖の元になっているのだ。

「中の水が全部流れて終わりじゃ無かったのかヨ…?」

さらに視線を移すと、その水槽上部に水の浄化装置が取り付けられており、
そこからから細いプラスチックの配管が繋がっている。その先には……?

……『バルブ』だゼ!?アレで水の出し入れや水量を調節していたんだ!!
……つまり……アレを何とかすりゃあ良いってコトじゃネーか……!!!!
515なんみん:2006/05/26(金) 10:38:35.22 0

「うおおおおおおおおォォォォッ!!!!」

小川は大きな声を上げて、ガムシャラに周りの細胞達を剥ぎ取る。

「せ、せめて…足だけでもッ!!」

何とか足の束縛から逃れると、

「oioioioioioioioiッ!!!!」

『FRIENDSHIP』でベアリング弾を塩釜に向けて打ち放つ!

「何を今さら…くだらない技だ」

ドプッドプッドプッドプッ!!

『FF』が塩釜の前に立ちはだかり、そのままベアリング弾を受ける。
衝撃はクッションの様に吸収され、弾は体の中に取り込まれる。
しかし、小川の狙いはそこでは無い。
相手がベアリングに気を取られているその隙に……!!

ダダダダダダダダッ!!!!

怪我した足を引きずりながらも、水槽のバルブに向かって走っていた。

「ハァ…ハァ……アレさえ…アレさえ何とかすれば……」
516なんみん:2006/05/26(金) 10:39:52.52 0

「そんな事を私が予測していないと思っていたのかッ!!どさくさにまぎれて浅はかだぞッ!!」


ドシュン!ドシュン!ドシュン!ドシュン!ドシュン!ドシュン!ドシュン!ドシュン!


塩釜は『FF弾』を小川の背中に向けて放つ。
そして、なんと人型の『FF』┣までもが、先程取り込んだベアリングを指に集めて打ち放っていた!!
小川の手がバルブに掛かる。その瞬間…!!


ドパッドパッドパッドパッ!!!!


背中に無数の痛みを感じる。

「がああああァァァァーーーーッ!!」


バキィーーーンッ!!


小川は力尽きて体勢を崩す際に、なんと……バルブを壊してしまった!!!!
517なんみん:2006/05/26(金) 10:40:59.86 0


ジャアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ……


大量の水が水槽から流れ出る。小川は思いっきり大量の水を被ってしまう。
億泰は無表情のまま流れ続ける水を眺めるだけだった…。

「クク…ククク……アハハハハハハハハハハハハァァァァァァァァッ!!!!
 水を止めて、細胞の増殖を抑えるつもりだったんだろうが、残念だったな!!」

水は床一面に広がって行く…。
それに伴って、細胞も爆発的に増殖してゆく!!

「理解できるか?この『水たまり』はもう全てスタンドだッ!!!!
 お前達は完全に『FF』に取り囲まれているのだァァッ!!!!」

床一面はブヨブヨとした物体によって、赤黒く染まり、この部屋にいる者達を繋ぐ。
細胞達は小川と億泰の体を取り押さえ、押し潰し、口や耳から体内に入り込もうとしている。

「『勝った』ッ!!これからはその体、『FF』が支配させてもらう!」

だが、小川は塩釜や『FF』達を冷めた視線で見つめ返す。そして、押さえられた口を無理やり開く。


「ありがとヨ……これでオメーの『負け』は決まった……」


「何ィィィィッ!?!?」
518なんみん:2006/05/26(金) 10:43:46.26 0
ここまで!ちと長くなっちまった…
ではではノシ
519前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/26(金) 12:18:32.03 0
6部さん!なんみんさん!乙です!
おでも今晩はがんがるゾ!
というか敵スタンド案が上手くマトマンネ!
お互いを補う様なタイプはしっかりした理屈付けがねぇ・・・難しい所でオマス!
520名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 13:26:42.77 O
皆様乙です!
521名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 15:25:18.57 O
思ったんだがマジでさゆ活躍してないよな
殺傷能力が高いスタンドの宿命か
522:2006/05/26(金) 15:50:33.59 O
なんみんさん乙ですー!
今携帯から読ませていただきましたッ

これこれ、こういう展開たまりませんね!
Mトランスファーを完璧にとらえた!→かわされ反撃→なにぃー!とか
神速で剥がれ落ちるFFとか、最後の打開策→失敗→敵『お見通しよ、残念だったな』
→味方『これがやりたかったんだよなぁ〜ッ!』とか!

なんつーかすべてにおいてツボなんすけどw
役割の話とかもすげー説得力あるし…マジ乙っす!
523六部198:2006/05/26(金) 16:47:30.02 0
乙ッ!
失敗かとおもったらそれが正解か〜
いい展開だぜ
>>506
レッチリっすそしてNONSTOPはたしかそんなタイトルの辻の曲があったはず
プラスNONSTOPさんへのオマージュッ!
524名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 17:56:08.91 0
保険
525名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 18:00:29.40 O
保全疾走ッ!!
526名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 18:32:40.76 0
ガキさんガキさん
527六部198:2006/05/26(金) 18:43:41.57 0
俺も1回だしてガキさん見よっと
528六部198:2006/05/26(金) 18:44:38.15 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜23

ビシィッ!!!

吸血鬼の鋭い視線を意に介さず、辻は肩を押さえながらスタンドを構えた。
その精悍な表情は歴戦の勇士を思わせる。

パチパチパチ・・・・・・

吸血鬼が軽く拍手をする。
辻はその真意が読めずに首を傾げた。
「なんのつもりなのれすか?」
「見ての通り・・・敬意を表しているんだよ」
そう言って吸血鬼は拍手を止めて、ニヤリと笑った。
口の端からはチラチラと牙のようなものが、こちらを窺っている。
「名はなんという?」
吸血鬼は辻の全身を舐め回すように見ながら尋ねた。
「???・・・辻・・・希美・・・」
怪訝そうな顔をしながらも、辻は律儀にそれに答えた。
「ノゾミは希望の『希』のほうかね?」
「それに美しいの『美』がつくのれす・・・」
辻が補足すると、吸血鬼は満足そうな顔で2回頷いた。
「なるほど・・・いい名だ・・・実にイイ・・・」
「そういうお前は?吸血鬼・・・人に名前を聞くときは、本当は自分から名乗るもんれすよ」
「フッ・・・これは失礼したな・・・」
辻に指摘された吸血鬼は、素直に非礼を詫びた。
いきなり襲ったくせに、ヘンなところは紳士的である。
529六部198:2006/05/26(金) 18:45:13.13 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜24

「では、自己紹介させていただこう・・・」
そう言って吸血鬼は左手を腰の後ろに回し、
キザッたらしく礼をした。

「私の名は財前・・・『財前五郎』。ここ、S大学医学部第1外科教授だ。
『財前教授』と呼べ。」

(・・・ここはもう廃院になっているのれす)
そのセリフがのどまで出かかったが、辻は黙っていることにした。
辻がそんなことを考えているとはつゆ知らず、財前は懐から紙とペンを取り出した。
「ところで、辻希美君・・・いくつかな?14歳くらい?」
「16なのれす・・・」
「それは失礼・・・ふむふむ・・・16歳・・・と・・・血液型は?」
「???O型・・・」
「なるほど・・・」
財前は頷きながらペンを走らせる。
「念のために聞いておくが・・・性別は女性であってるね?」
「当たり前なのれす・・・それより、さっきから一体なにをしているのれすか?!!」
財前の行動が理解できない辻は、苛立って声を荒げた。
すると財前はペンを止め、その紙を辻の目の前に差し出した。
「カルテを作っているんだよ、カルテ。少し暗いが見えるかね?」
辻がそれに視線を向けたのを確認すると、カルテを手元に戻し再びペンを走らせた。
「さっきの君・・・片手のみで我がアンダー・ザ・ブリッジをガードするとは、
なかなかのスピードだ・・・だが・・・」

財前は顔を上げ、辻の腕をペンで指した。
辻もそれに釣られて、自分の腕に目をやった。
「・・・!」
「kukkukku・・・完全にガードできるだけのパワーは持ち合わせていないようだな」
財前が言うと、それと同時に辻の腕から赤い血が滴り落ちた。
530六部198:2006/05/26(金) 18:46:04.71 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜25

「それはそうと、スタンド使いの血と肉は一般とは違うのか・・・
そして身体の構造は違うのか・・・非常に興味深いな・・・」
財前がそう言うと、辻は緊張を高まらせた。

ヒュオオオオォォォォオオォォォオオオ・・・・

一陣の風が吹き、月が雲に隠れて病院内が一層暗くなる。

財前はカルテとペンを懐にしまい、腕時計を見た。
「3月2日。19時40分。クライアント、辻希美、女性、16歳のO型」

スウウウゥゥゥ・・・

財前は視線を辻に戻した。
その目には狂気の色が宿っている。
それに辻は、思わず後ずさった。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・



「執刀医、財前五郎。これより、緊急オペを開始する!!!」



ドッギャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!
531六部198:2006/05/26(金) 18:46:59.02 0
ここまで!
やっと念願の財前教授を出せたぞ!
532名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 19:19:00.36 O
乙ッ!イイネ!
533前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/26(金) 19:37:51.81 0
乙ッ!ざ・・・・財前五郎だとぉおおおおおおおッ!!!
534610:2006/05/26(金) 19:38:34.63 0
皆さん乙!
>>198さん
財前教授かぁ!これは予想付かなかった!
巨塔は未見なんですがスタンド名の由来は何かあるんですか?
535六部198:2006/05/26(金) 20:20:19.48 0
スタンド名の由来はただ単に音楽聴きながら名前考えてるときに
丁度レッチリのアンダー・ザ・ブリッジが流れてたからっす
意味も関連性も全然ありません・・・申し訳ない
536915:2006/05/26(金) 21:16:21.13 0
「NONSTOP」は恋レボの頃に企画されたFC限定で
当時の10人それぞれが出したソロCDの曲名っすね

メンバーそれぞれの名前にかけた曲名で
今でも石川梨華「理解して!>女の子」とか
安倍なつみ「真夏の誕生日」とかは最近でも
イベで歌われたりで結構人気ありますね。

ではこれからがんばってスタンド解説作ろうっと・・・
537六部198:2006/05/26(金) 21:21:49.90 0
へーそんな企画があったのか
538364:2006/05/26(金) 22:09:58.18 0
ついでにNONSTOPは2003年の娘。の春ツアーのツアータイトルでもありますね。
おいら初現場でしかも1推しやすす卒コン赤サイ祭りだったからよく覚えてます。

取り急ぎ、時間がないのでイクッ!
539364:2006/05/26(金) 22:10:29.63 0
銀色の永遠 〜高橋愛はルノアールを男役にする〜I


バキィィィッ!バキィィィィィィン!


高橋のライク・ア・ルノアールが自分の能力で生み出した能力の木の槍で、
未来と名乗った女の鎌と斬りつけ合っている。
槍と鎌のぶつかり合う鈍い音が辺りに響く。
新垣は高橋が作った迫り出しの壁に寄りかかり、二人の戦いを見守っていた。
アバラが折れてわき腹が痛い。新垣は苦しげな息を吐き出す。
気を抜くとスタンド能力を解除してしまいそうだ。
しかし今解除してしまったら高橋は勝つことができないだろう。
新垣は切れ切れになりかけている集中力を引き締め、真剣な目で二人の戦いに意識を集中する。

――気を抜くな――タイミングが全て――

2人の闘っている足元では、ゆっくり、ゆっくりといくつもの植物が『芽を出して』いる――。
540364:2006/05/26(金) 22:10:52.91 0

バキィィン!ベキィィィィッ!

ルノアールが何度も木の枝の槍を振り下ろす。しかし、未来はそれを巧みに水の鎌で受け流していた。
スピードは明らかにライク・ア・ルノアールのほうが速い。しかも相手は右腕一本である。
その気になればルノアールのラッシュで一気に決着をつけることは可能であろう。
しかし、敢えてそのスピードや能力に頼らずに武器での攻撃を繰り返すのは
未来の水の鎌がまた変形して形勢が変わることを警戒していたからである。

「おぉぉぉォォォーラァッ!!」
「はぁッッ!!」

バキィィッ!

ルノアールが上段から棒を振り下ろし、未来はそれを鎌の峰で受け止める。
そしてそのまま未来が腕をひねり、棒は鎌の曲線を滑ってそのまま狙いを外されて振りぬかれる。
右手一本とは思えないほどの腕と身体捌き!恐らくはインパクトや打ち合いのたびに
鎌の要所要所の浮力を調節して振り回す工夫をしているのだろう。
力の向きをずらされた棒はそのまま斜めに振り下ろされ、地面へと叩きつけられる。
高橋の無防備な背中が未来に晒される!
「もらったっ!!」
未来が鎌を振りかぶる!!
541364:2006/05/26(金) 22:11:18.42 0

「今だッッ!ラブ・シィィーーードッッ!!!」

ドルドルドルドルドルドルドルドルッ!!

高橋と未来を取り巻くように細身の背の高い木が何本も生える!!
「何ィッ!これは!!?」
「さっき里沙ちゃんが蒔いた種やッッ!
 『マングローブ』は海水でも育つんやよっ!!」
周囲に気を取られて隙ができた未来に高橋が枝の槍を叩きつける!!

バッシィィィィィィィン!!

「ッツゥゥ!!」
強かに右腕を打ち据えられた未来は吹っ飛び、痛みで鎌を取り落とす。
地面に落ちた鎌は未来の手を離れてスタンドを維持できないのか、水となって飛び散った。
「これであーしたちの勝ちヤぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
吹き飛んで射程距離外に出た未来を追って、ライク・ア・ルノアールに
ラッシュをさせながら高橋が駆け出す!!
しかし吹き飛んだ勢いで尻餅をついている未来の表情にはまだまだ余裕がある。
あと数秒も経たないうちにルノアールのラッシュが決まるというのに!
未来は笑みすら作ってみせる。それが高橋の癪に障る。
「何を笑ろとるンヤぁぁぁぁぁ!!
 おォォォォォォォッちょきんしねまぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァッ!!」
ライク・ア・ルノアールが未来にラッシュを繰り出す!!
542364:2006/05/26(金) 22:11:38.04 0


スッテーーーン!!


高橋は何かに脚を取られて、盛大に転んだ。
ライク・ア・ルノアールのラッシュはギリギリ射程距離に届かず、空振りする。
「な、なンヤァァ!?足を何かに掴まれて…!?」
高橋は自分の足を見る。
そこには『地面から這い出た水でできた手首』が、自分の足首をしっかり掴んでいた。

「な、なんやってぇぇ!?水を操る余裕なんて…!?」
「ハァイ、詰んだ。
 アンタが自分で作ったんでしょ、その水溜り。『鎌を取り落とさせて』」
未来はいつの間にか立ち上がり、見下ろしていた。
「クッソ…うぉりゃッ!!」
ライク・ア・ルノアールが未来を殴りつける。
しかし、射程距離のギリギリ外に立っている未来には届かない。
「近付かれたときはどうしようかと思ったよ…。
 さすがに鎌を振るってるときは他に海水を操作してる余裕はなかったからね」
未来が上空に目を向ける。その視線の先を追った高橋は戦慄した!
上空に、巨大な水塊が浮かんでいる!それはどんどん膨張し、巨大化している!!

「クソッ…外れん!!」
高橋がどんなに脚をひねっても、引っ張っても、ルノアールで殴っても足元を凸らせても、
『水の手首』は高橋の足首を離さなかった。
543364:2006/05/26(金) 22:12:05.20 0

「このまま水で押し潰してあげる…
 さっきよりは少ないけど、約15トン…痛みもないし、苦しむ間もなく圧死するから…」
突然、高橋は抵抗の動きを止める。
そのまま無言で立ち上がり、上を見上げて大きく深呼吸を始めた。
もちろん、足首は掴まれたままで高橋はそれ以上動けないし、攻撃も未来には届かないというのに。
「なに?観念でもした?」
「いンや……15トンっつったら、一辺約2.5mの立方体ほどの容量か…
 確かに、そんなん食らったらイッパツで終わりだわなぁー…誰でも…」
「……何が言いたい?」
「喰らうんはあーしだけやないってことや!!里沙ちゃんっ!!」
「ラブ・シードッッ!! 能力を『解除』しろっ!!」
「ライク・ア・ルノアールッッッ!!
 オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラーーー!!」
高橋と未来を取り囲んでいた植物はしおれながら消滅する!
さらに高橋は、自分と未来との間の地面に猛烈な勢いでラッシュを繰り出した!!

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!

「そ、それ以上妙なマネをするなぁぁーーーッ!!
 オーシャンズッ・フォォォーールッッッッ!!
突然の2人の『奇行』に動揺した未来は頭上に浮かぶ水を落下させ、自らはそこから逃れようと数歩下がった。

「…ええんか?この水降らして?」
高橋が妙なことを呟く。
「このままッ!!押し潰されてッ……え?」
未来は、自分の足元が不安定に沈みかけているのに気がついた。
ストレートの能力は殴った地面を迫り出させる能力。なのに、地面に『ヒビが入っている』?

ピシ……ピシピシ……ドゴォォォォォォォン!!
544364:2006/05/26(金) 22:12:37.73 0

「何ィィィィィィィィッ!!!?」
突然、高橋が殴っていた所から地面が陥没した!!
地面の亀裂は高橋と未来をも飲み込み、深く深く落ち込んでいく!!!
「『マングローブ』を解除した地面は根っコがなくなってスカスカやっ!!
 『迫り出し』を使わンと殴れば地面は陥没する!!
 そしてッ!!自分の技でアンタも押し潰されるンやぁぁーーー!!」
未来と共に落下した高橋が叫ぶ!!
確かに、水の落下地点の真下で動けなければ、自分も直撃を喰らう!能力を解除しない限り!!
「オーシャンズストーリー!!能力を解除しろぉぉぉーーーーーーー!!」

ドッゴァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!


「ハァ…ハァ…ハァ…あ、危なかった……」
未来は2メートルほど落ち込んだ穴の中でぺたりと座り込む。ギリギリでスタンドの攻撃の解除が間に合ったのだ。
あのまま、この逃げ場のない穴の中でオーシャンズ・フォールをまともに食らったなら、
再起不能では済まず、確実に命を落としていただろう。

「解除シたンか……あのまま降らしとッたら、少なくともあーしは殺せとったンに…」
「ハッッ!!」
そう、この穴に落ちたのは未来ひとりではない!!
真っ赤なスタンドを隣に従えた高橋は、未来のすぐ背後に立っていた。
545364:2006/05/26(金) 22:13:03.27 0

「アンタァ……あーしらに……「覚悟」はあるンか…と…言ったナぁ…
 見シたるヨ…ええ…おい 見シたるヨ……
 ただしアンタにもしてもらうンやよッ!
 再起不能るってェェェェ「覚悟」をナああああああ〜〜〜〜〜〜!!」
「うわぁぁぁぁぁぁ!!オーシャンズ・ストーリィィィーーー!!」
未来はスタンドのビジョンを生み出そうとする、が、狭いこの空間では自在に水をことができない。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
 オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!」

ドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガ!!!

高橋は『迫り出しのラッシュ』で壁を殴りつけ続ける。
迫り出しは未来、高橋問わずでたらめやたらに四方八方から殴りつけ続ける!!

ドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガ……ドッギャ〜ン!!
546364:2006/05/26(金) 22:13:34.62 0

ラッシュの音が鳴り止んだのを確認して、新垣は穴を覗き込む。
穴の中には、手を伸ばして穴をよじ登ろうとしている高橋と、倒れ伏して気絶している未来がいた。
新垣は慌てて高橋に手を貸し、穴から引っ張り出す。
「里沙ちゃん……ヤッたよォ…あーしたちの、勝ちヤ……」
「全く…無茶するんだから…言ってくれればもっと援護するのに…」
高橋は頭や腕などから血を流し、制服も血に染まっている。今の『迫り出しラッシュ』を
自分も食らった結果であろう。
しかし、その顔は晴れやかであった。

「ま、ギリギリとはいえ、2人の勝ちだね、かなり危なっかしかったけど」
いつの間にか近付いてきていた三好が2人に笑みを見せる。
2人の覚悟を見届けた三好は、2人をはれて演劇部の仲間として認めたのだ!!
「里沙ちゃん、やったなァ……」
「ちょっとは、先輩たちに、追いつけた、かな……」
三好の笑顔に今度こそ安心した2人は、そのまま倒れ、意識を失った。
547364:2006/05/26(金) 22:13:52.56 0

      ◇      ◇      ◇

「ハッッッ!」
「あ、目、覚めた?」
高橋は、自分がベッドに寝かされていることに気がついた。
「石川さん、ここは?あーし、何でここに?」
状況が掴めない高橋はキョロキョロと周囲を見回す。
病室?隣のベッドに里沙ちゃん?え、夜?何で石川さんと吉澤さんがここに?
「ぶどうヶ丘病院だよ。マメと2人、病院に運ばれたの、覚えてない?」
「三好さんが救急車呼んでくれたんだって。私も目、覚めたのついさっきだけど」
石川と新垣が教えてくれる。
そういえば、身体中に包帯や絆創膏や、手当ての跡がある。
「あの未来って人は…どうなったン、ですか?」
三好の「負けたほうは解体」という発言があるだけに、高橋は不安を滲ませる。
「あー、部室に引っ張ってって安倍さんと先生が話し聞いてたよ。
 いろいろ聞きたいことあるみたいだったからね
 三好はさっきまでいたけど、帰っちゃったね」
吉澤が教えてくれた。
先生と安倍さんなら大丈夫だろう、と高橋は心の中で少し安心した。

「いま2人の親御さんと飯田さんと柴っちゃんが別室で話ししてる。
 やっぱりこんないきなり大怪我されたんじゃ親御さんも心配だろうしね
 飯田さんたち親御さんに謝って演劇部の活動説明してるけど、自分たちでも謝っときな」
「演劇部にいると、演劇以外にこうしてスタンドで大怪我することもあるかもしれない。
 家族や友達に心配かけたりすることもあるし、逆にスタンドで人を傷つけることだってある。
 もしも嫌だったら、抜けてもいいんだからね。よく考えてみて」
取りとめのない話のあと、最後に石川と吉澤はこういい残して帰っていった。
高橋と新垣は病室に取り残される。
548364:2006/05/26(金) 22:14:13.97 0


「なぁ里沙ちゃん……あーし…演劇部辞めたりせンからね…
 どんな活動やって、あーし自身が選んだ『演劇部』の活動である限り…あーしは極めてみせる!」
「私だって!
 確かにびっくりはしたけどさ、安倍さんも後藤さんもこういうことをしてきたわけだし!
 私は…先輩たちのようになりたい!!」


バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!


「あーしは……この部で1番になる!」
「私だって、安倍さんや後藤さんみたいに演劇もスタンドも最強になるもん!」
「里沙ちゃん…あーしたち、ライバルやな」
「ライバルだね。2人で『無敵なライバル』になろうよ」
「あはは、何やそれw」
「いいじゃーん!無敵なライバルで!」
「負けんからな」
「うん」
2人は顔を見合わせて笑いあった。

しかし、そんな笑いは病室のドアを叩くノックの音でかき消される。
そう、2人はこれから、ある意味未来玲可よりも恐ろしい、
『愛娘を怪しげな部活から引き戻そうとする両親たち』と戦わなければいけないのだ。
ガチャリ!とドアの開く音に、2人は引き攣った顔を見合わせた。
549364:2006/05/26(金) 22:14:31.56 0

高橋愛    全治3週間
スタンド名  ライク・ア・ルノアール
新垣里沙   全治4週間
スタンド名  ラブ・シード

未来玲可   再起不能
スタンド名  オーシャンズ・ストーリー

TO BE CONTINUED・・・
550364:2006/05/26(金) 22:14:51.38 0

2週間後―――


ぶどうヶ丘高校の体育館には、衣装や化粧で怪我を隠し、不慣れなぎこちない演技ながら
演劇部への溢れんばかりの愛情を漲らせて、舞台の主役を勤める2人の少女がいた。

後に演劇部のエースとなるその2人の演技に元エースの後藤真希が強烈な印象を
受けていたことを二人が知るのは、それから1年半後のことである――

551364:2006/05/26(金) 22:15:15.50 0

スタンド名:オーシャンズ・ストーリー
本体:未来玲可
破壊力:A
スピード:C
射程距離:C(15m)
持続力:A
精密動作性:D
成長性:A
能力…海水を自由自在に操ることができる。
   海水の濃度、体積、水圧、形態などは本体の意思で変化できる。
   射程距離外へ流れた海水は本体の意思で操ることはできないが、
   スタンドを解除するまで消えることはない。
   ただし、一度に出すことのできる海水は部屋一つ分(8m×8m×2m=128t)
   程度までである。
552364:2006/05/26(金) 22:16:46.97 0
以上でこのエピは終了でございます。
正直、もっとコンパクトに纏めれた話でしたね。Bとかほぼ丸々削っても話はほぼ通じるし(苦笑
おいら話を拡げて膨らますのが得意で、過剰書きが得意技なもんで(w
『無敵なライバル』は分かる人だけニヤリとしてやってください(w

とりあえず、今から11時の夜行に乗って実家に帰ります!なので時間がない!
実家ネット環境ないので、レスはこちらに戻ってきてから!
取り急ぎ行ってきます!

あ、ゲームは多分来週後半に更新できると思いますー
553前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/26(金) 22:43:10.44 0
364さん!乙デース!
554名無し募集中。。。:2006/05/26(金) 23:29:21.74 O
乙ッ!
555六部198:2006/05/26(金) 23:36:50.67 0
乙ッ!
2人はここから始まったって感じっすね!
556名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 00:01:05.87 0
落ちるの早ッ!
ガキさん写真集きたかあ…俺の心が揺らいだ
557前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/27(土) 00:08:40.91 0
銀色の永遠  〜曖昧ミーMINDB〜

<杜王駅>

「はい!これが梨華ちゃんで・・・これが唯やんの、それじゃあ各自で着替えてね。」
絵梨香はコインロッカーから取り出した紙袋を二人に渡すとトイレを更衣室代わりにする様に促した。
梨華は紙袋の中身を物色すると服や下着、靴まで入っていた・・・・
「・・・・・・なんなの?コレ・・・」
梨華はその用意の良さに眉を顰めたが平日の昼間、制服姿でうろつく事には躊躇いがあったので
促されるままに絵梨香の用意した服に袖を通した。


カチャリ

「ぉおぉ!流石!梨華ちゃん!物凄い似合ってるッ!選んだ甲斐があったなぁーッッ!!」
トイレのドアから出てきた梨華の姿を絵梨華が声を荒げて絶賛した。
「コレ!み〜よ!声がでかすぎんでッ!」
大声を上げてはしゃぐ絵梨香を唯が諌める。
「え〜?別にいいじゃん?この時間は人が居ないんだからさぁ〜!」
絵梨香は悪びれずに唯に笑いかける。
「甘いでッ!『補導員』なんちゅぅのはいつ何時現れるか解らんのやッ!アイツらはホンマ、エゲツ
 ないんやでッッ!!!」
絵梨香の認識の甘さを唯は強く戒める。
「フ・・・・フフ・・・」
二人の遣り取りに梨華の口から笑いがこぼれる・・・・・そして心が軽くなるのを感じた・・。
その表情を見ると絵梨香と唯は安堵の笑みを浮かべた。
「それじゃあ、笑いも出たところだし『遊びに』いきますか?」
絵梨香は梨華の手を取り乗車口に足を運んだ。
558前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/27(土) 00:13:06.96 0
ブリっとここまで!

あと皆さんに重要な発表が有ります。


今日、27日で俺30になっちゃったw
三十路です、もう笑うしかねーって感じ。
559六部198:2006/05/27(土) 00:28:36.39 0
乙ッ&おめッ!
560六部198:2006/05/27(土) 00:57:55.64 0
保全疾走
561名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 01:01:15.97 0
>>558
おめ!
大丈夫、オイラももうすぐ追いつくから(ノ∀`)

あぁ、今日は結局オナれなかった・・・、スマソ
562915:2006/05/27(土) 01:01:47.50 0
>>561
あ、名前間違えた。念のため
563名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 01:36:57.71 0
こんな所で狼に0.02人しかいないヤスヲタに出会えるとは
564名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 01:52:29.29 0
まあある意味ここはヤススレだからね
565名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 02:48:44.83 0
みなさん乙!
566名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 03:38:21.83 0
otu
567なんみん:2006/05/27(土) 04:19:39.63 0
みなさん乙!

>>364さんエピ完乙です!
相性が悪い相手との戦いでしたね!
いずれは最強レベルまで近付く二人ですから長期戦も辞さないのです
ああ…それが後のゴマキのアレに繋がる訳ですね!補完乙です

で、364さんと少しネタ被っちゃいました…ありゃりゃ(汗
でもせっかく書いたので出しますね!いってらっさいノシ

出します
568なんみん:2006/05/27(土) 04:20:44.69 0


ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド…


小川は『FF』に体を締め付けられながらも、決して怯まず、キッと塩釜を睨み付ける。
その態度が気に入らないのか、塩釜は次第に顔を歪め、歯をギリギリと鳴らす。

「『負け』だと?この私がか?お前達…ふざけた事言ってるんじゃあないぞッ!!
 この状況を見ろッ!!今すぐにでもお前達を『ブッ殺す』事が出来るんだぞッ!!」

「そんなセリフはブッ殺してから言うんだな…」


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「虹村ァァッ!!」

ガオン!!ゴキャーーン!!

小川の一声と共に、億泰は自分の側にあった機械を『FF』ごと削り取る!
そして、削り取った機械の中から……。

バチバチ…

『ザ・ハンド』は削り取った機械の中から配線を引っ張り出す。先端から散る火花が激しい。
決して無策ではなかった。意思の疎通は出来ていたのだ。
569なんみん:2006/05/27(土) 04:21:34.25 0

「そ、それをどうするつもりだ…?」

億泰は電気コードをブラブラと揺らしながら、チラと機械の注意書きを見る。


               『///高圧電流  危険///』


「普通こういうのはスタンドには効かないんだけどよォ…。
 おめーのは細胞との一体型みてーだから、ちょっくら試してみる価値ありそうだよなァ…」

「オメーに近付いて倒すってのはもう無理みたいだからヨ…、水で増殖する能力……、
 今なら床続きでオメーと繋がってるモンなァ…?電気はオメーまで流れるゼ」

始めは驚いていた塩釜だが、少し落ち着いた様子をみせる。

「ククク…やってみろよ。分からないのか?床続きなのはお前達も同様だ。
 つまり、その電線を床に付ければお前達も無事では済まないんだぞ」

小川と億泰の二人は黙ったままだ。
570なんみん:2006/05/27(土) 04:22:34.29 0

「さあ、やってみろよ。心中するつもりならな…」


……バカめ…出来るワケが無い……ハッタリだ…ハッタリに決まっている……。
……一瞬焦ったがそんなハッタリで私がスタンド解除でもすると思っているのか?マヌケが。


「ヨシ…虹村ァ、さっさと突っ込んじまいナッ!!」

「おうッ!!」

『ザ・ハンド』が電線を握っている手をダラ…と下げる。

……な!!なにィ…!?!?

「お、お前達ィッ!!!!本当に分かっているのかッ!?!?
 感電するのは私だけじゃあ無いんだ!!お前達も同様なんだよッ!!!!」

「だから何だってんだ?」

「はァァ!?」

「こっちはそれくらいの事は『覚悟』してきてんだ。戦いが始まった時からよォ…。
 感電がなんだってんだっつってんだよ?それでてめーをブチのめせるなら本望だぜ」
571なんみん:2006/05/27(土) 04:23:45.24 0

億泰はさらに機械から何かを引っこ抜く。

「ほらよ」

ヒュッ……パシ!

億泰は何か電線が延びた物と柔らかいマットの様な物を小川に投げてよこす。
そして、小川の側にある実験用机を指差す。横には電気プラグやアース端子があるが…。

「この機械に付いていた『アース』だ。そこの机の横ンとこに繋いどけ。
 それとゴムは電気を通さないらしいからな。気休めかもしれんが、なんとか凌いでくれ」

「oi…オメーは……!?」

お互いもろともを覚悟していた小川は驚きの表情で億泰を見る。

「小川ァ…後は任せたぜ。親父と紺野ちゃんを頼む」

「虹村……」

「お前ええええッ!!!!女の前でカッコ付けてんじゃねええええんだよォ!!!!」

ついに塩釜も顔を激しく歪め、荒々しい言葉を吐く。これが本性なのだ。
572なんみん:2006/05/27(土) 04:25:49.77 0

そんな敵に向け、億泰は鋭く凄みの掛かった目でにらみ返す。

「おめー、さっき確か『ブッ殺す』って言ったよなァ?
 それは当然自分が『ブッ殺されるかもしれない』覚悟で言ってんだよなァ?
 だったら、さっさとやってみろよッ!!でねーと俺がおめーを殺しちまうゼッ!!
 使うのは『ブッ殺す』じゃねーッ!!!!『ブッ殺した』なんだよォォッ!!!!」

「こ…こんなガキに……こんなクソガキにィィィィ……」

「うるせええええええええええええええええッ!!!!!!!!
 こっちはこれまで何度も『死線』くぐって来てんだッ!!!!
 てめーみてーな新参に舐められてたまるかよォォッ!!!!」

「本気なのかああああああああああああああああ!?!?」

「見せてやるぜッ!!!!『覚悟』の違いってヤツをよォォォォッ!!!!」


バチバチ…


「止めろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!!」

億泰は電線を床を満たす『FF』達に思いっきり突っ込んだ!!
573なんみん:2006/05/27(土) 04:26:50.36 0



                    バ チ ン !



!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


一瞬だが、部屋中に電流が走る…!!


………
……



「…………」


塩釜は実験用の机の上でうずくまっている。スタンドは既に消えている。
その側に、億泰が立っている……。

「う……うゥ……」

「やっぱ解除したか。だよな?おめーには『覚悟』なんか無ェと思ってたよ」
574なんみん:2006/05/27(土) 04:28:17.02 0

チャプ…チャプ…

スタンドは消えても、水槽から流れる水はいつまでも床を濡らし続ける。
水面に浮かぶ電線…両端が千切れている……。
億泰はそれをチラと見ると、

「ちょっと引っ張り過ぎちまったかなァ…?」

「お、お前……最初からそのつもりで……」

「今度は俺が教えてやるよ。『勝った』と思ったんならよォ、
 どんな事があってもスタンドを解除すべきではないんだ。
 てめーが死んだって仲間がやってくれると思えばよ……
 『覚悟』の違いとは『友情』の違いなんだ。これで分かったか?」

「ハァ……ハァ……」

「良いか?俺は優しいからな、おめーを削り取ったりはしねーよ。そんな酷い事はしない。
 だから、特別に……」

『ザ・ハンド』は両拳をグッと固める。

「『グー』でブン殴ってやるッ!!!!」

「ヒイイイイィィィィィィィィッッ!!!!!!!!」

拳を構える!!!!
575なんみん:2006/05/27(土) 04:29:11.28 0

「ウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラ
 ウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラ!!!!」

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!

「ウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラ
 ウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラ!!!!」

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!

「ウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラ
 ウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラ
 ウラウラウラウラウラウラウラウラアアアアアアアアアアアアッッッッ
 !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


ドッパアアアアアアアアーーーーーーーーンンンンッ!!!!!!!!

576なんみん:2006/05/27(土) 04:31:42.76 0

「うげええええええええええええええええええええーーーーッ!!!!!!!!」

塩釜は部屋の反対側までフッ飛ばされる!!


ドガッシャアァァァァァァァァン!!!!


塩釜は壁際に置かれた機械やガスタンク等に激突し、
そのままそれに埋もれながら気絶する。


シュゥゥゥゥ…


「スゲェ…虹村……『覚悟』の勝利だゼッ!!」

小川もさすがにこれには感服せざるを得なかった。
嬉しそうな顔をして億泰に近付く。

「やったナ!」

「おう!『友情』の勝利でもあるぜェ。おめーのおかげだッ!」

二人はパチンとハイタッチをした。
577なんみん:2006/05/27(土) 04:32:38.75 0

「さてと、もう一体……逝ってもらいますかネ…oi」


シュゥゥゥゥ…


床に転がっているタンクから音がする。『?He(ヘリウム)』と記してある。
そして、二人は見上げる。


フワ……フワ……


そこには、ただ『M・トランスファー』がまるで不安そうな動きで宙を漂っていた…。

「ヘリウムは空気よりも軽い。だから、天井に溜まった軽いガスと空気の『層』ができる。
 混ざったり混ざらなかったり…とても不安定な気体の『層』がネ。
 つまり……今、コイツは気流の正確な探知が出来ないハズ。だッかッらーッ!!」

ドガァッ!!

『FRIENDSHIP』はジャンピング・アッパーカットで『M・トランスファー』を拳と天井とで押し潰す。
さらに…!!!!

「oioioioioioioioioioioioioioioioioioioioioioioioioioioioiッ!!!!!!!!」

ドババババババババババババッ!!!!!!!!

追い討ちのラッシュに『M・トランスファー』は避ける事も無く砕け散ってしまう…。
578なんみん:2006/05/27(土) 04:35:00.44 0

「へへ……軽く…ってワケにゃあ行かなかったけど、とにかく二体片付いたナ…」

「おう!やっぱ演劇部はつえーな。小川、おめーも大した奴だぜ!」

「あの程度のアイコンタクトが通じるんだもんナ。やっぱお互い場慣れし過ぎてるワ…oi」

「ま、ここ1年ちょいで相当たくましくはなったよなァ…?」


「…………」

「!!!!」

なぜだか、小川が黙って億泰を見つめている。濡れた髪や制服が妙に艶かしい…。


……お…おおお……な、なんだァ…!?この甘酸っぱい雰囲気はよォ…!?!?

579なんみん:2006/05/27(土) 04:36:38.80 0

「まあ、確かにワタシはこんな格好だし、言葉使いも良いとは言えないよナ?
 家が貧乏だったし、礼儀とかあんま分かんねーし、ただガムシャラに生きてたって感じだヨ」

やや憂いのある視線で、淡々と身の上を話す小川。
億泰はこれまでとはまるで違ったその様子に、調子を狂わされる。

「頑張ってるつもりだけど、やっぱ不器用だからサ。なかなか上手く行かない時もある。
 そういう時にこそ気付くんだよナ…『仲間』のありがたさがサ。ワタシは独りじゃないって。
 スタンド名の『FRIENDSHIP』ってのはそういう意味が込められているんだヨ」

これまでの態度のデカさもあって、正直まるで気にもならなかったが、
改めて見ると、やはり小川も億泰からすれば小柄でか弱き女性に見えるものだ。

「『錦飾る』なんて言って、故郷からこの杜王町へ来たんだ。
 だから、その日まで負けねえ…ぜってー負けねえ……。
 周りからバカだのブサイクだの言われようが……」

小川はグッと全身に力を込めて、最後に言い放つ!

「決して……心のブスにゃならねーんだッ!!」


ババババアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンンン!!!!!!


そんな笑顔の小川を見て、億泰もつられて笑いながらも思う…。

……『友情』か……ああ、そうだな……小川ァ…おめーはイイ奴だぜ……。
580なんみん:2006/05/27(土) 04:39:28.80 0


…………


(……491…499…503……次は……509か……)

依然、神父は中庭で様子を伺っている。
しかし、完全に計算外の出来事に、もはや落ち着いているのが難しくなっている。

(やはり…演劇部……侮る気は全く無かったが……まさかこれ程とは……!!
 …521……先生…素晴らしい戦力をお持ちだ……541…いや523だ…541…547……)

偶然とはいえ、こうして自分の計画の前に立ち塞がり、ことごとく刺客を倒してゆく……、
寺田光男率いる演劇部という集団に戦慄さえ覚えた。

(先生は……一体何を目指しているのか……?)

正直、寺田光男にこれほどまでの勢力を率いる求心力があるとは思えない。
ある種の魅力は感じるが、DIOには遠く及ばない。
ならば、この教え子達はどうして戦い続けるのだろうか?傷付く事を恐れないのだろうか?

(彼女等を動かす何か……それは何だろうか……?557……563……)
581なんみん:2006/05/27(土) 04:41:24.52 0

「ガリレオは裁判で有罪になってからはどうなったんだ?死刑か?」

再び、波音が尋ねる。

「いや、無期刑だったがすぐに減刑された。以後は死ぬまで軟禁状態だった」

「頭悪いな。組織なんか適当に従ってりゃ済むのに。これは組織だけの責任じゃあ無い」

「1992年、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世はガリレオに正式に謝罪している。
 やはり一般教育が普及すれば、聖書や教会の教えとの矛盾は嫌でも気付く」

「ガリレオの『信念』は数百年後に報われた訳か…」

「『信念』か…なるほど……それは良い!!」

神父は笑い顔を浮かべる。

(『信じる心は頼もしくもあるがまた時に厄介でもある』……あの言葉を思い出したぞ!!
 恐らく演劇部員を動かすのは『信じる心』。それは先生では無く…仲間か……!?
 『信ずる者は救われる』とは言うが……今は私にとって厄介なモノとなっている…!!)
582なんみん:2006/05/27(土) 04:43:14.35 0


「『ガリレオ』ってのはよォ〜〜、『ガリレオ・ガリレイ』っつーんだよなァ〜〜〜〜?」


波音がブツブツと何かを言っている。
芝居掛かった身振りだが、それは神父に向けている様子でもない。

(この男……理性的かと思えば、いきなり狂い出すやら……今度は独り言か…?
 あまりに『分裂質』過ぎるな……はたしてこの男に任せて良いのか……?)

「『ガリレイ』ってのはわかる。スゲーよくわかる。単なる『名字』だからな…。
 だが『ガリレオ』って『名前』どういう事だああ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ??
 『ガリレイ』って名字で、何でまた『ガリレオ』って名前にすんだァ〜〜??
 日本の『山田』さんに子供が生まれるとしてよォ〜〜〜〜、
 てめーの息子に『山男』なんて名前付けるかっつーのよーーーーーーッ!!
 『ガリレオ・ガリレイ』!!!!人の名前で遊んでんじゃあねーよッ!!!!
 ナメやがって!!この名前ェ、超イラつくぜぇ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」

波音はそこらにある木を殴りまくる。

「どういう事だ!どういう事だよッ!クソッ!!『ガリレオ・ガリレイ』ってどういう名前だッ!!
 チクショーーーーッ!!コケにしやがってッ!!クソッ!!クソッ!!ボケがッ!!!!」

ドガッ!ドガッ!ガスッ!ガスッ!

「…………」

さすがの神父も自身の人選に疑問を持たざるを得なかった……。
583なんみん:2006/05/27(土) 04:56:43.38 0
ここまで!

億泰って本家4部でも格好良い勝利の場面って無かったんですよね…
それでちょっと考えてみました!
あと『覚悟の勝利』てのも主題でしたが、364さんと見事に被ってしまいますた!

自分はなるべく1さんの作品での世界観を崩さない様には気をつけています
その中でいかにもなんみんらしいモノが作れればと努力してまっす!
でも、どんどん暴走していってる様な気もしますね…w

財前五郎がツボに入りまくりのなんみんでした ではではノシ
584なんみん:2006/05/27(土) 05:00:38.64 0
あ!そうそう!
>>577ですが…前さーん!
『2 He(ヘリウム)』に修正お願い申し上げます!
5851 ◆I7CTouCqyo :2006/05/27(土) 06:05:19.50 0
帰宅!!疲れた・・・・

>>六部198さん
乙ですー!!
198さん特有の空気流れてますね〜!
淡々と迫られてる感じ・・・・イイ!

>>364さん
エピ感乙ですッ!!
逆転し逆転され、逆転・・・・・この展開いいっすね!
敵がびびって能力解除とか「ザマミロ&スカッと爽やか」な気分になるんで好きですw

>>前スレさん
乙です〜!そしておたおめ!
なんだか石川さん壊れてきてますねwww
ってか、なにげ前スレさんは10歳人生の先輩ってことになるんだなぁシミジミ

>>なんみんさん
早くも続きキター!!乙ですッ!!
億泰と小川カコイイ!!そういや億泰って原作じゃ主役的な立場で
敵をぶっとばしたって話ありませんでしたね
あとギアッチョネタワロタwというかすげーと思いますた!


ところで、どーしてもわからなかったんでスレにいるみなさんにお聞きしたいのですが、
ジョジョの5部のサブタイって『黄金なる遺産』と『黄金の旋風』どちらなんでしょう??
漫画だと前者、ゲームだと後者なのですが・・・・次エピの参考にしたいんでよろしくお願いします
586名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 06:37:51.21 0
文庫版だと『黄金の風』になってる…でも多分それが最終的な『公式』だと思う
荒木本人が語ってるし
587名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 07:30:42.18 0
保全疾走
588名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 08:04:40.93 0
乙!
589名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 08:58:42.02 0
保全
590名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 09:45:18.36 0
:::::::::::::::::::::::::::::.
::::::\:☆ノノハ クゥ〜ン
::::::ミゝ从 ’w’)つ
::::::⊂__つノ
マイハマン巡回中!
591名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 10:22:05.16 O
592六部198:2006/05/27(土) 10:24:55.75 0
寝てないのでややテンション高めの198です

乙ッ!
小川の貧乏ネタがここで来るとはw
尚、仮にもニストでありながら
電流を利用するということに気づかなかったことを心から恥じる

つーか新垣写真集出るってマジなのか・・・失礼だが第二段が出るとは思わなかった
この前のハロモニのコスプレガキさん効果で詳細がかなり気になっている
593名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 12:08:07.87 0
ho
594名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 12:43:57.76 0
保全
595名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 13:45:01.50 0
疾走!
596名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 15:44:49.29 0
597名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 16:38:22.03 0
落下
598名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 17:23:42.79 0
上昇!
599:2006/05/27(土) 17:49:53.60 O
>>586さん
黄金の風かぁ〜わかりました!
情報提供トンです!!

なんかパソコンから書き込みできない…なぜかエラーになってしまうorz
アク禁ってわけじゃなさそうなんだけど…
600名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 17:59:16.78 0
こんにちは、マイマイ268です
janeから書き込もうとするとクッキーなんちゃらって言われて書き込めません…

とりあえず、みなさん乙です!

わたくしただいま、ひょんなことから肩の筋違い起こしてしまいまして
まともにキーが打てない状況にあります
投稿するペースが少し遅れるかもしれません
大したストーリーではないんですが、ご了承くださいませ…

あと前スレさんおめです!
601名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 19:06:43.94 0
保全疾走
602名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 19:25:44.11 0
なんか仕様が変わったらしい

専ブラでカキコ出来なくなった!
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1148712229/
603名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 19:55:07.60 0
土曜の夜のくせに人いねーな
604名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 20:40:36.40 0
保全!
605名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 21:10:48.32 0
ギャルサー保
606p11224-adsao01atuta2-acca.aichi.ocn.ne.jp:2006/05/27(土) 21:24:46.99 0
http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1148730420/


荒木先生が高校の講演にくるそうです!
名古屋らしいですがいける人!いこうぜぇ!
607名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 21:42:48.84 0
釣りかと思ったらマジじゃねーか
608名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 22:02:31.69 0
な・・・・何だってぇぇええーーーーーーーーッ!!
609名無し募集中。。。:2006/05/27(土) 22:44:56.09 0
保全!
610前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/27(土) 23:10:29.66 0
三十ZYXッ!
今晩はッ!皆さんの言葉に胸が一杯になりますた!前スレです!
>>559 6部さん有難うございます!
>>561 915さん25からカウントしてなかったのですが30になってまいまった!
ここまで重傷を負う事も無く生きてこれたのでうれしくもあり、積み上げてきたモノの
なさに悲しくもありといった具合です。
>>583 なんみんさん乙! なんだかスッカリ小川はなんみんさんの持ちキャラに
なりましたねw
>>585 1さんども! 10年かぁ〜・・・俺が20のトキは同人活動とかハガキ投稿とか
してたの思い出すネェ・・・っつーか回り道しかしてないしそれが此処まで活きない人生
も珍しいと思うよ。
>>600 マイマイさんどうもです! 肩の筋違いですか?肩の周辺から揉み解して
じょじょに痛みと取ると良いかも知れません。ご自愛のほどを!
611名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 00:39:05.34 0
612名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 01:14:32.89 0
おいおい今日は誰も来ないのかよ
613名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 01:33:11.77 0
まぁそんな日もあるって事で勘弁してけろ(^^;;;
昨日も今日も結局オナれなかった・・・。明日がんばります。

てか、専ブラ使えないから使いにくい・・・
614915:2006/05/28(日) 01:34:36.46 0
↑あ、915です。う〜ん、やっぱりIEでカキコはメンどいし間違う・・・
615なんみん:2006/05/28(日) 01:45:56.29 O
今日は無しですかぁ

前スレさんおたおめです!
どうもなんみんは前スレさんって菅沼のイメージがあるですよね〜
永遠の小川はかなりお気に入りです!
それがリアルの小川にも波及してきて心境が複雑に…

198さんみなさんNONSTOPの件dです!
オマージュも良いですね!
616610:2006/05/28(日) 02:00:45.52 0
こんばんは〜!前スレさんおめでとうございます!

ではちょっとだけですが出します
617610:2006/05/28(日) 02:02:34.40 0
銀色の永遠 〜無垢なる世界〜K

「イノセントワールドオオォォォッ!!!!!!!」

藤本の頭を掴む桜井の手が輝き始める!

「おおおおおおおおッ!!!!!!VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV
VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV!!!!!!!!」

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!!!!!!!!!!!

同時にB・トレインの拳が桜井の顔面に降り注ぐ!

「マコ…これは『覚悟』の勝負です!もう祈るしかないッ!ミキティの記憶が消えるより
早く、彼の意識が断ち切れることを…!!」

「コンコン…!もし、もし間に合わなかったらミキティは…!!」

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!!!!!!!!!!!

もう何十発の拳が顔面に打ち込まれただろうか!?それでも桜井の手は離れない!
徐々にB・トレインのラッシュの勢いが無くなっていく。

(なんて根性だ…!ミキティッ!限界だッ!廃人になっちまうううううッ!!!!)

ついに藤本とB・トレインの動きは完全に止まってしまう。
以前桜井の手は藤本の頭を掴んだままだ。
618610:2006/05/28(日) 02:03:40.82 0

「ミキティィ――――――――――――――ッ!!!!???」

静寂を取り戻した部屋に小川の叫びが響く。
藤本はうなだれたまま動かない…!

「そんな…まさか…!?」
冷静な紺野も不安と動揺を隠せない。

「嘘だろoi…!!ミキティいいいいッ!!!!!!」


「うるせーなッ…!!!」

ふいに藤本の目が小川をギロリと睨んだ。

「「えッ!!?」」
思わず間抜けな驚き顔を晒してしまう2人。

「ぶ…無事なのかよミキティッ!?記憶はッ!?どこもなんともないのか!?」

「ああ無事だよ…オメーのブサイクな顔もちゃんと覚えてるしよ…!」

藤本はそう言ってブン!と頭を振ると、掴んでいた桜井の手は離れ力なく床に倒れる。

「意識は無くなってたみたいだな…とっくに…」

見下ろす藤本の視線の先には、大の字になって動かない桜井がいた…
619610:2006/05/28(日) 02:11:48.72 0
ここまで!
偶然にもこれも『覚悟』の勝負になってしまった…
620六部198:2006/05/28(日) 04:37:59.35 0
乙ッ!
621名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 07:33:31.14 O
622六部198:2006/05/28(日) 07:34:50.36 0
おは保
よく寝たと思ったのに3時間しか経ってなかったのか・・・
623なんみん:2006/05/28(日) 09:04:51.86 0
>>610さん乙です!
おお!こういう偶然って稀にありますよね〜
桜井の執念…リキエル戦を思い出しました

なんだか天気が悪いし予定も無いんで続きでも書くかな…?
624名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 09:23:27.67 0
ho
625名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 09:24:38.30 0
なっつかしい〜
厨房の頃1部から満喫で読んだ。
5部までしか読んでないよ。6部って打ち切り?
626名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 09:27:45.23 0
ちゃんと完結した…と思う
最初読んだ時は「え?」と思ったけど
627名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 09:32:41.67 0
>626
あり。もう文庫?みたいなのもコンビニに売ってるし、
もう漫画書かないでも一生食えるんだろな〜
628名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 09:36:47.80 0
6部は初めてジョジョ読む人にはお勧めしないが
何度か読んでるとそれはそれで面白い
629名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 09:38:15.24 0
2ちゃんでは超メジャーだけど世間的にはどうなんだろ?
630名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 10:02:12.08 0
今の少年ジャンプの主力である小中学生にはツライかもしれないけど
20代以上にはやっぱり相当影響あるでしょ

あと、やっぱりジョジョで見過ごせないのは漫画家への影響かと
以前ジャンプの企画で、連載中の漫画家が自分の好きな、影響を受けた
漫画を3つだったか挙げる企画があったけど、
半数の漫画家がジョジョかバオーを挙げていたし

それに、ドラゴンボールがバトルものの頂点を極める一方で、
パワーのインフレという罪を犯した時に、
能力バトルを全面に打ち出す事で新たな方向性を打ち出したので
以後能力バトルを模倣する作家が増えたよね
(ワンピースとかNARUTOとか、いまいち生かし切れてないのが多いけど)
631名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 10:18:33.93 0
バトルもの書いてる漫画家は結構影響受けてるかもなー
荒木は横山光輝とか好きだったみたいだけど
632名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 10:39:23.96 0
バオーも読んだ方が良さそうだな
633六部198:2006/05/28(日) 11:31:12.39 0
演出面での影響大きい気がする
変な擬音とか「ゴゴゴ」「ドドド」とか

そういや小6のときクラスでジョジョは流行ってたんだが
バオーを知ってる奴が俺だけだったときの疎外感はたまらなかったな
634名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 12:34:32.66 0
魔少年BTは知っててもバオーは知らんやつが多いね〜。
6部は何回も読み返した所で価値があると思うよ。
掲載時は何がなんだか解らなかったが最近はイイと思えるよーになったな・・。
635名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 13:21:53.20 0
バオーより魔少年BTのほうがメジャーなのか
636名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 14:34:53.12 0
知名度は
バオー>BT>アイリン
だと思ってた
637名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 15:20:50.36 O
三部から入ったけど名前だけはみんな知ってた…でもなぜかは分からん
他のコミックの巻末でも紹介される事ってあったっけ?
638名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 15:35:46.68 0
能力モノ多いけど言い回しとか演出面ではジョジョは抜きん出てるよな
ジョジョを超えられるのはジョジョだけみたいな
639名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 16:18:45.57 0
能力モノってことに関しては、なんつーか荒木自身の知識量が半端ないと思う
ギアッチョの零下云々〜とか

なによりも絵でしょ、あんま一般受けしないような感じの顔だけど
目や鼻、口がしっかりしてるから表情の変化が面白すぎ
康一とかペッシとか、俺の中で神だった
640名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 16:59:01.69 0
絵に関しては最近になってますます神がかってきた
あと構図もすごいね最新刊で言えばブラックモアとかかなりキタ
641名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 17:22:27.37 0
5部のゲームって面白いの?
642名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 17:29:00.39 0
ゲーム性はぬるくてだめっぽい雰囲気はいいけど
643名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 17:30:54.74 0
イルーゾォのステージがひたすらにウザかったよ・・・・
644名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 17:54:06.10 0
なんか微妙っぽいな…そういや1部のゲームってどうなったんだろ?
奇数部がゲーム化されるのならその次は7部か・・・
レース&バトル・・・なんか激しくやってみたいんだが

ついでにジョジョピンボール
ttp://jump.shueisha.co.jp/jojogame/02_jojo_load.html
645名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 18:41:12.88 0
646名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 19:17:14.15 0
647名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 20:11:31.28 0
ho
648名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 21:09:56.08 0
h
649名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 21:18:16.41 0
三部格ゲーのオープニングの曲かっけーよな
あの音楽と娘の画像使ってMAD作れないもんかな
650名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 21:45:59.61 0
銀色の永遠の素敵なOPでも作ってくれる人いねーかな
651名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 21:47:35.92 0
娘新曲とイラモのヒロピコの絵で作ってくんねーかな
652名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 22:36:36.62 0
653名無し募集中。。。:2006/05/28(日) 23:21:41.00 0
保全疾走
654915:2006/05/28(日) 23:23:31.40 0
スタンド名:プライベート・ウォーズ
本体:西田静香

破壊力:E
スピード:E
射程距離:E(ビルから2m)
持続力:B
精密動作性:E
成長性:D

能力…ビルのかたちの実体化したスタンド。
    ビル内部のドアやエレベーター等を操る事が出来る。
    また、一定条件が発動するとビルの外にいる人間を閉じこめる事が出来る。





スタンド名:Movin' on
本体:橘佳奈

破壊力:A
スピード:C
射程距離:E
持続力:C
精密動作性:D
成長性:D

能力…青龍刀のような大型の刀のスタンド。本人が手に持って操る。
    刀を振るうと、槍状の水晶が多数飛び出し相手を攻撃する。
    また、スタンド使いの意識を乗っ取り、バーサーカー化する。
    そのため、本人の限界を超える力を発揮する。
655915:2006/05/28(日) 23:24:49.34 0
スタンド名:エターナル・ドリーム
本体:長谷部優

破壊力:B
スピード:D
射程距離:E(2m)
持続力:D
精密動作性:C
成長性:C

能力…右手の人差し指と右足の親指がホース状になっていて高圧力の水を噴射する。
    相手を攻撃したり、バリアを張ったり多目的に利用出来る。




スタンド名:アイデンティティ
本体:中島麻未

破壊力:D
スピード:B
射程距離:D
持続力:B
精密動作性:B
成長性:C

能力…チャクラム(真ん中に穴の開いた鉄製の武器)を操る。
    チャクラムで傷つけられた相手は徐々に巨大化していき、
    最後は自重でつぶれてしまう。
656915:2006/05/28(日) 23:25:27.36 0
スタンド名:777
本体:山本紗也加

破壊力:D
スピード:C
射程距離:C
持続力:B
精密動作性:E
成長性:B

能力…相手の深層心理に眠るコンプレックスを増大させて具現化、攻撃させる。
    深層心理に訴えるので、身体が自然と拒否してしまい
    術中にかかった相手は対象物に攻撃を当てる事が出来ない。



スタンド名:Our Time
本体:高本彩

破壊力:D
スピード:B
射程距離:C(10m)
持続力:D
精密動作性:C
成長性:D

能力…サッカーボール型のスタンド。
    目と牙のはえた口があるほか、
    爪の長い手で相手をひっかく。(手はボール内に引っ込める事が出来る)
657915:2006/05/28(日) 23:26:13.89 0
スタンド名:ハート・オン・ウェイブ
本体:阿部絵里恵

破壊力:E
スピード:D
射程距離:D(5m)
持続力:D
精密動作性:C
成長性:C

能力…ロール状の紙を大量に吐き出し、操るスタンド。
    紙は強度こそ低いが、空中に漂わせて風を感知したり
    丸めてこより状にして相手を縛ったりとさまざまな応用が可能
658915:2006/05/28(日) 23:27:08.73 0
銀色の永遠 〜安倍なつみは巻き添えをくらう@〜

「あれ、梨華ちゃんいないのか・・・・」
美貴が放課後の部室に入ると、相変わらず中は閑散としていた。
部屋の隅で亀やさゆたちがいよいよ今週末に迫った
演劇コンクールの稽古をしている以外は
何人かがお菓子を食べながら漫画を読んだりしている程度だ。

「なぁ麻琴、今日はいつも以上に少なくねえ?」
「あぁ、中等部の2年は泊まりでスキーの課外授業に行ってるし、
 1年は寺田のおっさんの命令でしばらく集団下校だYO」
「ふ〜ん・・・・・・。梨華ちゃんは?」
「さあ?それよりミキティの方が珍しいZE
 最近出席率良いんじゃねえ?来ても何もしないけどYO!」
「うっせ〜よ」
からかってくる麻琴の質問を苦笑しながら流したけれど
確かに最近美貴の部活出席率は良い方だ。

答は簡単。半分は早く帰っても遊ぶ相手がいないから。
最近、一番の遊び相手であるごっちんと会いづらいんだよね・・・・・・。
その元凶の一つは目の前の麻琴だけど・・・・。

「ん?なんだYO!?」
「なんでもないよ・・・・」

思わず麻琴を見ながらため息をついた。
659915:2006/05/28(日) 23:28:07.74 0
ってことで出だしと前エピのスタンド解説を。
使ってる専ブラが書き込み不可にまだ未対応なんでツライ・・・
明日には対応版出るらしいですが・・・・(^^;;;
660名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 00:02:43.39 0
乙です
661名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 00:26:12.58 0
もう寝る保
662六部198:2006/05/29(月) 00:48:23.02 0
新エピ乙ッ!
前エピがにぎやかだったからか
ゲーセンから外に出たときみたいな静かなOPだ
663六部198:2006/05/29(月) 01:38:44.42 0
手探りでバトル部分を直しつつ放出
664六部198:2006/05/29(月) 01:39:27.03 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜26

UURRRRRYYYYYYYyyyyyy!!!!

財前が唸りを上げて辻に襲い掛かる!
そして身体からは光る腕が2本出ている。
実は、この光る腕こそがアンダー・ザ・ブリッジなのだ。
「NONSTOP!」
辻はスタンドを構え、攻撃に備えた。
「またガードするつもりか?今度はそうはいかんぞ!」

ブワアアアアアアアアア!!!!!

「!!」
その光景に辻は目を疑った。
財前の光る腕が突然5本に増えたのだ!

「ははははは!別に腕が2本だけとは限らないぞぉぉ!
ほら、傷を庇っていないで、両手でガードしなければなああ!!!」
腕・・・もとい、アンダー・ザ・ブリッジが辻に迫る!
「くッ・・・舐めてんじゃねーのれす!!」
辻は覚悟を決めて、左肩から手を離した。

ボトッ・・・

鈍い音を立てて、ブロック状の肉片が床に落ちた。
傷口をすべり落ちるときの摩擦で、悲鳴を上げたくなるような激痛が走る。
665六部198:2006/05/29(月) 01:42:04.69 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜27

「ぐッ・・・イテーのれすッ!!!」
辻は気を強く持って、迫り来るアンダー・ザ・ブリッジを睨めつけた。

「・・・いい目だ・・・だがッ!URRRYYYY!!」

ブワアァッッ!!

財前のスタンドの腕がさらに増え、10本以上にまでなった!

「なッ・・・?!」
「kukkukku・・・ゾッとしたかね?これぞ神の技を持つ財前五郎の『聖なる腕』だッ!」
財前はニヤリと牙を見せた。


「・・・『ゾッとした?』・・・んなわけねーのれす・・・」
辻は余裕の表情に変わっていた。
「なんだと?」
「その程度なら、十分対処できるのれす!
このNONSTOPならああああ!!!!」

ボオオオオオォォォォ・・・・!!!

NONSTOPが奇妙な唸りを上げ、その身体が光を帯びる!
しかし財前は、そんなことなど気にも留めない。
「なにをするつもりかは知らんが、悪あがきをせずにオペを受けろ!」

ドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・・・・!!!
666六部198:2006/05/29(月) 01:44:19.43 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜28

アンダー・ザ・ブリッジが辻に触れようとしたき、財前の視界から彼女の姿が消えた!
「何ッ?!!!」
なにが起きたのか理解できず、財前の動きが止まる。
「これは、一体・・・?」


「せいやぁ!!!」


背後の掛け声に振り返ったその瞬間・・・

ッ・・・!!!!バギイィッ!!

NONSTOPの拳に顔面を殴られ、財前がのけぞる!
「Nuu・・・!今のは、瞬間移動?・・いや、違う!・・・この感覚は・・・」
財前は殴られた顔を押さえ、目の前に現れた辻を指の間から忌々しげに睨んだ。
「自身のスピードを爆発的に高める能力かあァッ!!!?」

「・・・それに答える必要はないのれすッ!!」
辻はそう言って腰に手を当て、ポーズを決めた。

バアアアアアンンンンンン!!!
667六部198:2006/05/29(月) 01:45:14.35 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜29

辻の挑発的な行動に、財前の頭の血管が浮き出てきくる。
「Nuuuuhhhh・・・このちっぽけな人間がああぁぁぁ!!」
財前は牙をむき出しにして、アンダー・ザ・ブリッジと共に辻に飛び掛った。
しかし、今の彼女には通じない!
またしても素早く背後に回られてしまった。

「Muu・・・速いッ!」

「ここでケリをつけてやるのれす!」
辻は大きく息を吸い込み、バネのように身体を緊張させ
一気に解き放った。

「ののののののののののののののののののののののののののののののののののの
ののののののののののののののののののののののののののののののののののの
のののののののののののののののののののののののののののののの!!!!!」

バキグシャベグキカポルナレフウサヅキコドガボガ
ベギギギギゴバドバドガガッガガ!!!!!!!!

辻はさらに加速し、まるでVTRを早回ししたかのような超高速の連撃!
その特異な能力に殆どのエネルギーが使われているせいか、
パワーは無く一撃の破壊力には乏しいが、いくつもの束になれば話は別ッ!
しかもそれを超スピードで繰り出されれば、避ける事など事実上不可能ッ!
大ダメージは必須!

「GUUUUAAAAAAHHHHHH!!!!!!」

財前の身体は後方へ吹っ飛び、無様に床に叩きつけられた。

ドッギャアアアアアアアアンンンン!!!
668六部198:2006/05/29(月) 01:46:42.46 0
今んとここんな感じっす
669名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 02:45:13.20 0
みなさん乙です!
昼は珍しく雑談って感じだったけどやっぱ夜は狼全体が寂しいな
670名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 04:12:19.01 0
専ブラトラブルが関係しているのだろうか
671なんみん:2006/05/29(月) 05:25:48.79 0
>>915さん乙ッ!
安倍は過去の事件のメインですからある意味真打登場って感じですね

>>198さん乙ッ!
ポルナレフwwwww
辻思ってより強いっすね!加護・藤本はどのタイミングで来るのか…!?


心象描写の『……』ってのをやめて、普通に『()』を使う事にしました
以前のやつもいずれ修正版を出そうと思っています

ついでに出します
672なんみん:2006/05/29(月) 05:27:32.42 0


…………


「川畑さん、大丈夫ですか?」

紺野は川畑の体を叩いてゴミや埃を落とす。

「しこたま殴られたが…まあ何とか平気だ。ありがとう、紺野さん」

「いえ。うふふ…」

紺野は微笑む。それだけで体の傷や気持ちの暗さまで癒されてしまいそうだ。

(こういう娘こそ……演劇部…いや時代には必要なのかもしれんな……)

普段人前で笑う様な事も無い川畑も、つい顔が緩んでしまう。

「だが……まだ終わりでは無さそうだな……」

二人は向こう側をニラむ。男達が再びフラフラと立ち上がって来ていた。
紺野は腕時計を見る。もう6時半だ。窓の外も暗い。今日中にカタが付くのだろうか?

「必要以上に傷付けたくは無いんですけど…」

川畑の前に立ち、嘆息する紺野。その背中を見ていた川畑だったが……。


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

673なんみん:2006/05/29(月) 05:28:52.57 0

ちょうど紺野が立っているその足元……床に何かが描かれている!?
さっきまでそんなものは無かったハズ…?
そのイラスト……とても不気味な人形の絵だ。
なぜか脳がむき出しになっており、両腕も触手のように先が細く伸びている。
体には布を紡ぎ合わせた様な刺繍がほどこされている。
まるで、映画で見た地球外生命体の様である。いつのまに描かれていたのか…?

「紺野さん!これは何だろうか!?」

「…………」

問い掛けても返事が無い。
よく見ると、何か魂でも抜かれた様にポォ〜と突っ立っているだけだ。
男達はゆっくりと近付いて来るというのに、戦闘の構えさえとらないままだ。

「こ…紺野さん?一体、どうしたのか……!!!!」

すると、なんと床に描かれた絵が動いた!!そして、川畑の方に向かって行く!!

「こ、これはッ!!スタンドかッ!?!?」

絵は床の表面と一体化したまま、川畑の足元に滑り込む。そして……
674なんみん:2006/05/29(月) 05:29:46.56 0





               メッシャアアアアアアアアンン!!!!




675なんみん:2006/05/29(月) 05:32:08.83 0

川畑の顔が歪む!
突然の衝撃。転げながらも、川畑はまだソレに気付いていない…。


ドガアッ!!!!


「うわああああッ!!」

ようやく異常な事態に気付く。次第に顔に痛みが広がって行く。鼻血が垂れている。

「な…何だ?何が起こったのだ…!?!?」

周囲を見渡す。目の前で紺野が……倒れている!?

「こ、紺野さん!」

「あ…川畑さん?一体何が……!?」

「それがさっぱり分からん。確かウチの研究員達を紺野さんが倒してから…ええと…?」

その研究員達が二人近付いて来るのが分かる。目はいまだに狂気に満ちている。

「まだ終わりでは無さそうだな……いや…二人……?他の連中は……?」

「!?!?」
676なんみん:2006/05/29(月) 05:33:01.75 0

ボグオオオオォォンッ!!

「ぐぎゃああああッ!!」

衝撃を受け、床に転がる紺野と川畑…。

「紺野さん…一体何が起こったのだ……?」

「川畑さん…アレ……?」

研究員が二人…。

ボグオオオオォォンッ!!

「ぐぎゃああああッ!!」

衝撃を受け、床に転がる紺野と川畑…。

「紺野さん…一体何が起こったのだ……?」

「川畑さん…アレ……?」

研究員が二人…。

ボグオオオオォォンッ!!

「ぐぎゃああああッ!!」
677なんみん:2006/05/29(月) 05:35:53.95 0

「フフ…」

少し離れた位置から様子を見ている男…。
男の冷ややかな視線には、紺野と川畑、そして5人の男達。

「お前達が認識出来るのは3人までだ……。
 それ以上は…目では見ているのだが、お前達の脳は記憶として受け付けていない…。
 だからこの僕の姿も、お前達には見えていないのだろう…普通に立っているだけなのに」

男は白衣のポケットに手を突っ込み、何かを探っている。

「そして、何が起きているのかも認識できずに……。
 その苦しみさえまともに『記憶』できずに死んでゆくのだろうな……」

ポケットからタバコを出すと、火を付け口にくわえる。

「僕のスタンドに触れれば、まずその事自体の『記憶』が失われる。
 そして、以降『3つ』の物事しか『記憶』出来なくなる。
 だが、記憶を全て失くすより始末が悪い…。
 何をやっても『無駄』だという事を、頭では無く、体で身にしみて体験するんだな。
 僕、松島義彦のスタンド『JAIL HOUSE ROCK』を……」


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ…

678なんみん:2006/05/29(月) 05:41:38.89 0

ガスッ!!

「ぐわッ!!」

なす術も無いまま、良い様に攻撃を受ける紺野と川畑…。


・スタンド攻撃そのものの認識が無い。
・疑問について考えようとしても、何かが視界に入る事でキャンセルされてしまう。
・『視界に入れなければ良い』という思考さえも起こらない。
・敵の攻撃に変化が無いので、状況にも変化が起こらない。
・結局、何度も同じ事の繰り返し。


「フフ…簡単だったな……」

松島は不敵に笑いながら、プカプカとタバコをふかす。


しかし……どんな状況にも変化…切っ掛けはあるものなのだ……。

679なんみん:2006/05/29(月) 05:44:52.10 0

何度も攻撃を受け、もはや立ち上がることもままならなくなる。
しかし、それが良かった。余計なものを視界に入れなくなったからだ。
そして、考える事が出来たからだ。


紺野は考える……。


(おかしい…?打たれた痛みは一箇所だというのに、なぜか傷はあちこちに付いている。
 なぜ一度に…!?同時に傷か付くんだ…?少しの時間差も無く…なぜ……?)



                       『 時 』



!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「ま…まさか……!?」

(『時を止める能力』なの!?あの…『D』と同じ能力なのか!?!?)

紺野は慌てて腕時計を見る。時間は7時になろうとしている。

(え!?違う……!?時間が止まるどころか…早い……時間が経つのが早過ぎる!!)
680なんみん:2006/05/29(月) 05:46:49.05 0

仮に『時を止める能力』と推理するまでが『第1の記憶』としよう。

そして、『そうではない』と気付くのが『第2の記憶』。

倒れる川畑の姿が目に映る。これが『第3の記憶』

(ん…なんだろコレ……?私の『腕』に…!?)

紺野はある事に気が付く。これが『第4の記憶』。そして『第1の記憶』が失われる……。


ドガアアアアッ!!!!


「きゃああああああああッ!!!!」

紺野はまた認識できない何かにフッ飛ばされる!これが『第5の記憶』。『第2の記憶』も消える。

彼女はなぜかある行動を取る。自然に体が動いた。
彼女には何が起こっているのかは分からない。自分の行動の意味も分からない。
だが、そこに『信念』を感じていた。自分の行動は正しいのだという『信念』を…。


ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド…

681なんみん:2006/05/29(月) 05:51:01.42 0


将棋の対局中に……。


数分の間に多ければ20手以上も先読みをする棋士の思考とはどんなものだろう…?

人間の可能性は計り知れない。人にはまだ『未知なる部分』がある。
もし、常人がその能力を開放する時があるのなら、それは……『危機に陥った』時だろう。


潜在能力の開放……。


神にとって、人間の歴史など軽い思い付きに過ぎないのだろうか…?
20手を先読む棋士にとって、それは『20の記憶』なのだろうか…?
それとも…たった『1つの記憶』なのだろうか……?

682なんみん:2006/05/29(月) 05:53:33.73 0


紺野あさ美はある結論に至っていた…。


それは、対戦相手との『脳力(能力)』のせめぎ合いの中で、
膨大な道筋から、ついに勝利への答えを見出した棋士の心境だったのかもしれない。
彼女は腕を見つめる。そこにある答えを…その先にある真実を……!!


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ…


『1』、『ニ』、『V』、『C』……。
その腕に刻まれた文字を!その赤く滲む文字に込められた意味を!!

(これは私の文字…私が私自身に送っているメッセージ……!!
 私は過去に数回も攻撃を受けているのだ……。
 その度にカウントしているのだ……。はっきりした意味も分からずに……。
 今なら分かる!頭だけじゃあない……心で理解できる!!
 今や……これまでの思索は全て……『1つの記憶』なんだッ!!!!)

紺野は裁縫用の針を(再び)取り出し、さらに腕に傷を走らせる。


               『記憶を失わせる能力』


ババアアアアアアアアアアアアーーーーンン!!!!!!!!

683なんみん:2006/05/29(月) 05:58:30.84 0
ここまで!!
どたん場で内容変えちゃったよー!orz

>>625さん
6部もなかなか面白いですよ〜!

みなさんではではノシ
684名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 06:02:59.13 0
なんみんさん乙です!リアルタイムでした。

無事に帰還いたしますた…さすがに夜行だと身体がダルい…
実家で親の銀婚式の祝いとキャプコン見てきました。
座席がとんでもなく良かったので後藤さん石川さん辻さんに爆レス貰いまくりでした。

皆様本当に乙です!取り急ぎ、会社行って始業まで寝るのでレスは帰ってから…
685なんみん:2006/05/29(月) 06:08:51.17 0
364さんですよね?乙彼様でっす!
コンサートだったんですね〜

それと、後藤のレクイエムの事言わせるの忘れちまった…orz
エピ完したら修正版出します!
686名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 06:48:37.60 0
ho
687名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 08:14:30.00 0
皆さん乙!
688名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 10:17:07.96 O
689名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 12:00:38.18 O
保全疾走ッ!!
690名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 13:48:19.38 0
保だ是!
691名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 14:55:46.02 O
深紅のロマン保ラー
692名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 16:41:06.88 O
693名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 17:16:47.91 0
694名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 17:37:15.94 0
ho
695名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 18:32:42.77 O
保全疾走ッ!
696名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 19:37:10.11 0
疾走
697名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 20:30:16.86 0
保全
698マイマイ268:2006/05/29(月) 20:57:00.09 0
>>421の続き
699マイマイ268:2006/05/29(月) 20:57:36.56 0

「サイコロの数字は…4だな。
 ちなみに俺は6。 俺が先攻ってことになるなあ」

富樫は、石川が床に投げ捨てたサイコロを拾い上げる。

「先攻? なんのことを言ってるの?」

石川の問いかけを無視して、富樫は拾ったサイコロを
今度は後ろにいる雅に向かって放り投げた。

パシィッ

「なっ…」

雅はサイコロを受け取ると、まじまじとそれを眺めた。
何の変哲もないように見える、ただのサイコロ。

「ほら、君もサイコロを投げな。
 でないといつまで経っても『順番』が決まらないだろう」
「あなた…何を言ってるんですか?
 私たちはこんな遊びに付き合いにきたわけじゃあないんです!」

富樫はフフンと鼻を鳴らす。

「いいじゃない。 そんなことはさあ。
 それにそっちの子は既にサイコロを投げちまったんだから
 もうゲームに参加しているわけだよ…
 このボードゲーム、『ボンバ・ヘッド』にね」

ヒュンッ
700マイマイ268:2006/05/29(月) 20:58:07.38 0

「おっと?」

雅は握っていたサイコロを富樫に向かって投げ返した。
しかし富樫はそれを受け取ることはせず、身をかわす。

「いい加減にしてください!
 私たちが聞きたいのは、どうしてあなた達が
 ぶどうヶ丘のスタンド使いを潰そうとしていたかということです!」

「…まったく、やっぱり一茶の奴、ちゃんと伝えてなかったみたいだな。
 しかしそのおかげで俺も退屈しのぎも出来るってもんだが。
 あ、そうそう。 サイコロはそんなに乱暴に扱うもんじゃあないぜ」

再び富樫はサイコロを拾い上げた。

「6だ…。 俺と同じ数字だが、このゲームの『親』は俺だ。
 だから俺が先攻、2番目が…えーと、君は夏焼雅って名前だったかな?
 それから3番目が石川梨華、君だ」

「どうやら『リスト』ってのがあるのは本当みたいね。
 私たちのこと、全て調べつくしてるってことかしら」
「ま、だいたいはね」
「石川さん、この男…何か妙なことをしないうちに…」
「ええ、わかってるわ。 わかってるけど…」

そこで雅は、石川が汗をかいていることに気づいた。
こんな無防備な男を目の前にして、何故汗などかくのだろうか、と。

「雅ちゃん、たぶんあなたもそろそろよ…」
701マイマイ268:2006/05/29(月) 20:58:27.54 0

「え? 石川さん、何を言って…
 ……!?」

雅も自分の体の異変にようやく気づいた。

「こ、これは!? 体が動かない!!
 まるで金縛りにでもあったみたいにッ!」
「そう…私も、こいつをぶちのめそうと思ったんだけど
 体の自由がまるっきりきかないのよ。
 たぶん、サイコロを放り投げたときから…」

富樫が突然笑い出す。

「フハハハハハハ! そういうことだ!
 ゲームに参加すると、君達は親である俺を攻撃できなくなる!
 我ながら奇妙な『スタンド能力』を手に入れたもんだよ。
 だが楽しいだろう? こういうのも、な」

(スタンド能力…! やはりこいつも…)

石川はそう思うものの、体の自由がきかないためにどうしようもできない。

「…さて、このゲームは本来4人用なんだ。
 ま、3人でも別に遊べないことは無いが…
 できれば最大人数でやりたいよなァ」

「そんなことはどうでもいいんです!
 動けなくするなんて卑怯ですよ! 正々堂々闘いなさい!」

動けない体で雅が叫ぶ。 …が、富樫はひるむ様子は無い。
702マイマイ268:2006/05/29(月) 20:58:47.99 0

「あのねェ君。 スタンドにはいろいろあるだろう。
 君達のような直接攻撃型のスタンドに、俺が勝てるわけが無い。
 結局勝ち負けを決めるのは、使い方だ。
 俺は自分の有利な場所で、有利な使い方をしているだけ。
 そして、その場所に勝手に乗り込んできたのは、君達だ」

「…くっ!」

「ま、3人しかいないんじゃあしょうがないな。
 このままはじめるとしようか…」


バンッ!!!


「んん?」

富樫がゲーム開始の『合図』をしようとした時
社長室のドアが勢いよく開け放たれた。
703マイマイ268:2006/05/29(月) 20:59:21.27 0

<岡田唯>

絵梨香ちゃんは、病院で意識を取り戻したけれど
あっけなく倒されてしまったことへの屈辱からか
病室のベッドの中でずっと怒りに震えている状態。

うちはといえば、外の廊下で橘君の言葉を頭の中で繰り返していた。
救急車で運ばれていく前に、保健室で橘君が
絵梨香ちゃんを倒した男から伝えて欲しいと頼まれた事…

『俺はどういう意味なのかわかんないですけど
 “そんな力の使い方してると体に障る”って。
 三好さん、格闘か何かでもしてるんですか?』

…確かに、絵梨香ちゃんはスタンド能力を使うとき
持てる力を最大限に引き出して使っている。 その場の怒りに任せて。
絵梨香ちゃんを襲った男がどんな奴かは知らへん。
けど、その男が言うてた事はほんまのような気がする。

何を焦っとるんやろう、と思うことはある。
そこまで絵梨香ちゃんは演劇部のことが好きなんやろうか。
それとも他にうちの知らん何かがあるんやろうか…?

もしそうやったとしても、私はずっと傍にいるだけや。
石川さんとうちとで、ずっと絵梨香ちゃん守ってけばええだけや…。

704マイマイ268:2006/05/29(月) 21:01:02.37 0
IEから更新つらいw
705名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 21:39:03.62 O
乙ッ!
706名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 22:24:09.95 0
乙です!
707六部198:2006/05/29(月) 22:52:30.34 0
ついにカムカムレモンティーを買ってしまった

>>683
乙ッ!
これまた厄介なスタンドが出てきたな
>>704
乙ッ!
やっぱ名前はボンバヘッドかw
どんなゲームなんだろうか
リストか・・・それに関してはある人物の影がちらつくけどどうなんだろ
708名無し募集中。。。:2006/05/29(月) 23:07:21.64 O
ミューミューはJAIL HOUSE『LOCK』だったよね
709六部198:2006/05/29(月) 23:40:52.76 0
イクよ
710六部198:2006/05/29(月) 23:41:31.51 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜30

「Nuuuuu・・・」
財前はなんとか上半身だけ起き上がり、前方を見た。
辻が荒い息を吐きながら、こちらに歩いてくる。
「ハア・・・ハア・・・まだ、終わらねーのれす」
闇の向こうからゆっくりと迫ってくるその姿は、まさに修羅であった。

やがて財前は、自分の身体が震えているのに気づいた。
それと同時に、とうの昔に忘れていたはずの感情が湧き上がる。
(この財前五郎が・・・恐怖しているだと・・・?バカなッ?!)
そうしているうちに辻が目の前に到達し、スタンドを構えた。
財前は、尻餅をつきながら後ずさろうとするが、自分の血で滑って思うようにいかない。
(ここで終わるのか・・・?)
再起不能を覚悟したとき、財前はあることに気づいた。
(・・・ん?そういえば・・・コイツ・・・)

辻がやけに息を切らしているのだ。
汗も異常な量だ。それに何故か歩いてきた・・・効果が切れたかもしれないが
それなら再び先程のように超スピードで拳を叩き込めばいいのに、だ。
たしかに、あれだけの連打を浴びせれば疲れるが、これは少し異常である。

「うう・・・」
辻が苦しそうに呻き、足元が大きくふらつく。

(そうか・・・そういうことか・・・少し、思い違いをしていたようだ)

「kukkukku・・・」
財前は余裕を取り戻し、尻餅をついたままスタンドを構えた。
711六部198:2006/05/29(月) 23:43:09.92 0
辻はアンダー・ザ・ブリッジに構わず近づいていくが、
足元がおぼつかなくなり、壁に手をついて寄りかかった。

「kukkukku・・・運命の女神は、この財前五郎に味方したようだな・・・」
財前はボロキレのようになった手で、親指を自分に向けた。
「ハア、ハア・・・そんなこと・・・は・・・無ぇーのれす・・・」
辻は強気に返すが、財前は薄ら笑いを浮かべながら話を続けた。
「ほんの少しの間に、随分とお疲れのようだ。それに・・・少し痩せたかな?」
その言葉に、辻の顔色が変わる。
「君の能力は『自分の中に流れる時間』を加速させる・・・ではないかね?辻希美君。
あるいは『対象のモノ』か・・・こっちのほうが正確かね?」
「・・・」
辻はそれに答えず、無言であった。
だがそれは、『そうだ』ということを何よりも雄弁に語っている。
「・・・君は通常の時間の流れの何十倍、いや、もっとか・・・。
なんにせよ、相当の時間を過ごしたわけだ」
「うぅ・・・」
「例えば8640倍加速させれば、10秒間で1日分の時間を過ごしているのと一緒だ・・・
飲まず喰わずで1日過ごしたのと同じ消耗をする。その中で動けば、さらに消耗するだろうな。
先程の素晴らしいラッシュからここまでの1分間強・・・君はどれほど加速できるかは知らないが・・・
その様子だと、一体どれ程の『日々』を『無休無食無飲』で過ごしたのかな?」
そう言うって財前は、アンダー・ザ・ブリッジで素早く辻を切りつけた。

シバッ・・・シバッ・・・シバッ・・・!

「!!」

反応はしたものの、辻はそれを避けることも出来ず、まともに攻撃を喰らってしまう。
身体からブロック状のモノがビチャビチャと音を立てて床に落ちた。
712六部198:2006/05/29(月) 23:45:04.28 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜32





「うあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」





713六部198:2006/05/29(月) 23:45:59.32 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜33

耳を劈くような叫び声を上げ、辻は空洞になった腹を押さえながら膝から崩れ落ちた。
「んんんnnnnnn♪良い響きだ・・・」
財前は耳に手を当て、その悲鳴に酔いしれるように目を閉じた。
そして床に落ちた肉片を手に取る。
「私の傷は・・・希美君、キミの血肉で回復させるとしよう」
財前はそれを一度辻に見せ、口の中に入れた。

スウゥゥゥ・・・

「m・・・mmuuぅぅうんnnn・・・いいぞぉ、見ろ!!
私の傷が治っていくぞ!ふははははははは!!!」
みるみるうちに傷が治っていく財前の姿に、
辻は絶望感に打ちひしがれたような表情を見せた。
「あ・・・そんな・・・」
「・・・kukkuk・・・やはりスタンド使いの身体は相性いいのか・・・
たった一欠片で、これだけ癒すことができるとは・・・」
財前は辻の目の前に立ち、スタンドの切っ先を辻の喉下に突きつけた。
「次は・・・」

シバッ・・・シバッ・・・!

「ッ・・・ゴボッ・・・!」
辻の喉下から血と共に鈍い音が流れる。
その様子を満足気に見ながら、財前は独り言のように呟き始めた。
「そういえば、私を『矢』で打ち抜いた学生が言っていたが、
この町にはスタンド使いが他にもたくさんいるらしいな・・・
フフ・・・他にも調べて試してみる価値はありそうだ・・・希美君は何か知っている―」
途中まで言いかけて、わざとらしく何かに気づいたようなしぐさをする。
「おっと・・・もう口が利けないんだったね・・・これは失礼」
財前は切り取った『喉』を手に、それを見せつけながら含み笑いをした。
714六部198:2006/05/29(月) 23:48:06.21 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜34

目の前に立つ吸血鬼を見上げながら、辻は後悔の念に駆られていた。
(・・・ああ、やっぱり言うことを聞いておけば良かったのかな・・・結局、のんは・・・)

そのとき・・・

・・・ンン・・・ンンンン・・・・・・

(・・・ん?)
下の方でなにやら音がしたような気がする。
何かが破壊されたような音だ。
財前もそれに気づいたのか、階段のほうに目をやっている。

(今の音・・・なんだろう?まさか・・・いや、今はそんなことどうでもいいのれす・・・)
痛みとダメージで気を失いそうになりながらも、音に気をとられている財前に焦点を合わせた。
(この落とし前は、つけてやるのれす!)
辻は重傷の身体をおして立ち上がり、
遠のく意識を呼び寄せて心の中でスタンドに命じる。

(・・・NONSTOP・・・!もう一度、加速するのれす・・・最大に・・・)

ズッキュウウゥゥゥゥンンンン・・・・

(まずは、準備完了・・・)
715六部198:2006/05/29(月) 23:50:11.24 0
以上
バトル描写に苦戦中の198でした
716前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/30(火) 00:19:53.34 0
ゴトン・・・・ゴトン・・・・・ゴトン・・・

電車は揺り籠如き安らぎを三人に与える・・・。

ゴトン・・・ゴトン・・・ゴトン・・・

運命は・・・加速する・・・・

「最近・・・何だか活気ずいてきたよねぇ・・・T市って・・・」
梨華は流れる景色を見ながらそう呟いた。
「再開発されてるみたいですからねぇ・・・・・新しくできたショッピングモールとか面白そう
 じゃないですかぁ?」
絵梨香は腕を組んだ姿勢でドアに靠れながら返す。
「お・・・・駅が近づいて来たで・・・・・」
唯が窓を覗き込んで近づく駅を目視する・・・・。

電車に振動が走り停車を告げる。
「お〜着いた着いた!さぁ〜てと、『遊ぶ』ぞぉ〜ッッ!!」
絵梨香はドアが開くのと同時に跳びだす様に降車したッ。
「ちょっとぉ!待ちなさいよぉッ!」
行き成り跳び出した絵梨香を梨華が追いける様に駆け出す。
「あらあら・・・二人とも元気ですなぁ・・・・」
唯は二人を追いながらゆっくりと降りた・・・・。

空は蒼く
 日は輝く  
   そして
     
       街は歪む
717前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/30(火) 00:45:14.13 0
ここで推し舞波!
>なんみんさん乙です!
菅沼はほぼ前スレですねw
自己投影キャラってのは面白くもあり大変でもありますが。
>マイマイさん乙!
ボードゲームですかぁッ!ゲーム話は俺も考えてはいますたが
ルールの設定が難しいですよねぇ。
>6部さん乙です!
何時に無く痛そーな話ですね!
辻タソが暴飲飲食をしている理由づけがとても素晴らしいですw
718915:2006/05/30(火) 00:55:45.34 0
銀色の永遠 〜安倍なつみは巻き添えをくらうA〜

こんこんと麻琴が栄高との闘いのキーとなる、
3年前の小室学園との闘争を調べるうちに市井紗耶香という女性にたどり着いた。
そこで、こんまこが市井さんを探していると知ったごっちんは
市井さんが闘いに巻き込まれるのを恐れて演劇部に対して怒っている。

でも実際に市井さんを探して話を聞いたのはこの美貴とれいな・・・。

あ〜、こんなことになるんだったらこんこんに頼まれて
S市に調べに行ったりしなければ良かったなあ・・・・・・・・・。
まさかあんな重い話になると思ってもいなかったし・・・・。

今は「ごっちんのことは私に任せて」と言った梨華ちゃんを信用するしかないのだが、
その梨華ちゃんにどうなったのか聞きたいってのが
部室に顔を出したもう半分の理由なんだけど。

「梨華ちゃん来るまで待つか・・・・」
美貴がイスに腰掛けたその時・・・

ガラガラッ

部室のドアを開ける音がしたので
梨華ちゃんかと思ってそっちを見ると・・・・・・・
719前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/30(火) 00:56:43.74 0
っつーかなんで後藤先輩は不自然なDSの握り方をw
720915:2006/05/30(火) 00:57:22.41 0
銀色の永遠 〜安倍なつみは巻き添えをくらうB〜

「あれ、安倍さん・・・・・・・・」
珍しい人が来たもんだな・・・・・。

「こんにち・・・・」
「ちょっと!梨華ちゃんいる!!!???」
麻琴の挨拶は安倍さんの怒鳴り声でかき消された。
みんなが思わず安倍さんを見る。

「さあ、まだ来てないですけど、
 梨華ちゃんがどうかしたんですか・・・・・・・・・・?」
一番近くにいた美貴は恐る恐る安倍さんに聞いた。

「ミキティ〜!聞いてよ!梨華ちゃんってひどくてさ・・・」
安倍さんは美貴に泣きついてきた。

そこへ・・・・
「し〜ら〜たま〜は〜♪、あ、安倍さん!ぐっちゃ〜!!」

のんきそうに入ってきたのは当の梨華ちゃん・・・・。

「あ〜!!!梨華ちゃん!!!アンタひどいべさ!!!!!!」
梨華ちゃんを見た安倍さんは梨華ちゃんにつかみかかろうとした。

「へ?どうかしました?」
「どうもこうもないでしょ!!!
 アンタがちゃんと言ってくれないからなっち大変だったんだから!!!」
「ちょ、ちょっと、安倍さん!
 練習している子たちもいるから・・・・・」
美貴と麻琴はとりあえず安倍さんをなだめて梨華ちゃんと4人で廊下に出た。
721915:2006/05/30(火) 00:57:51.01 0
みなさん乙!
ってことでおやすみなさい(爆)
722前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/30(火) 01:07:26.44 0
915さん乙です!
カンケーない話ですがこの間、なんで『鈴木選手の娘さんが応援に来ています』
っつー展開にならなかったんでしょうかねぇ〜?
それで「℃ーute 鈴木愛理」てテロップが出れば最高だったのになぁとw
723六部198:2006/05/30(火) 03:00:31.55 0
前スレさん乙ッ!
暗黒な感じの話になりそうな予感
915さんも乙ッ!&おやすみ
724名無し募集中。。。:2006/05/30(火) 03:59:35.25 O
725364:2006/05/30(火) 06:15:05.78 0
皆様乙です!
帰省中の雑務作業中…
726915:2006/05/30(火) 06:35:49.83 0
おーはー
>>722
ねえ、そう思って必死に見ていたのにw

って、本人が応援に来ていたかどうか定かではないですが。
でもホントにあの17番のチップインイーグルはすごかったです。
727364:2006/05/30(火) 06:55:45.96 0
時系列にエピ追加しましたー。
ttp://mito.cool.ne.jp/keiyasuda/timestamp.html

ただ、915さんの「村上愛は階段を駆け回る」と現行エピの日付が分からないので
それだけ入れてないです。
何日の出来事か後ほど教えてくださいー。
728なんみん:2006/05/30(火) 07:31:56.59 O
>>708さん!
マジすか!ご指摘ありがとうございます!
完全に自分のおっちょこちょいですね
修正しておきまっす!
729名無し募集中。。。:2006/05/30(火) 09:38:48.24 0
みなさん乙です!
730名無し募集中。。。:2006/05/30(火) 09:49:14.90 0
otu
731915:2006/05/30(火) 10:54:32.63 O
>>364さん
時系列検証スレに書いておきました

てか凡ミス発見orz
日付の全体的な修正お願いします…>364さん&前スレさん
732名無し募集中。。。:2006/05/30(火) 11:55:35.89 0
733名無し募集中。。。:2006/05/30(火) 13:27:20.63 0
もうすぐスーパー斬鬼タイム!保
734名無し募集中。。。:2006/05/30(火) 14:48:36.04 O
デー保
735名無し募集中。。。:2006/05/30(火) 16:32:25.98 0
736名無し募集中。。。:2006/05/30(火) 17:00:49.59 0
そろそろ油断する頃だな
7371 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 17:23:29.41 0
みなさん乙ですー!!
ようやくイケます!
738前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/30(火) 17:26:20.85 0
おぉッ!来るかッッッ!!
7391 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 17:26:22.86 0


「あのウサギの目的はなんなのだ・・・・なにがしたくてこんな事をーッ!!!」


3人を乗せたローラーコースターは二週目に入ってしまったのだった。
あのウサギはスタンド使い・・・・・そのスタンド能力は把握しかねるが、
間違いなくこのアトラクションを操作しているのはヤツの意思であろう。

「どうしたものか・・・・・このローラーコースターから脱出しない限り・・・・
わたしたちが一方的に不利なのだ・・・・・くそッ!!!」

安全ガードが上がってしまった今、彼女達の命綱は自身のスタンド能力のみ。
今はまだいいが、いずれそれも疲労でままならなくなってしまう。
しかも新垣里沙はこの状況で対処すべく能力を持たない亀井絵里を守っているため、
その疲労は田中れいなの二倍である。

「亀は依然気を失ったままか・・・・可愛そうに。恐怖で失神してしまったに違いない」

グッタリと頭を垂れている亀井絵里の後姿を見て、新垣里沙は歯を食いしばった。


三回転のループを超え、そろそろ池の中のトンネルに突入するポイントだと
いうところで、おもむろに田中れいなは叫んだ。

「ガキさんッ!!葉っぱをたくさんれいなによこして欲しいっちゃ!!!」

「葉っ・・・・・・ぱ?」

「そうたい!!樹木に生い茂る木の葉をれいなにィーッ!!!」

後輩の突然の発言の意味を、彼女は理解しかねた。
7401 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 17:29:15.85 0

「何を急に・・・・?言いたいことはわからないけど、田中っち・・・・それは無理な
話なのだ・・・・・この車両に木を生やすことはできる・・・しかしッ!!わかってると
思うけど、この強風じゃあ・・・・木の葉は風に舞い、散ってしまうのだ・・・・!!!」

「何も木を生やさなくてもいいと!!例えばッ!!!れいなの足元に枝を
這わせてそこで木の葉を茂らせれば、この風の中でも多少は飛ばされず残るはず・・・」

「・・・・・いったい何をするつもりなのだ・・・?」

ローラーコースターは猛スピードで緩やかななカーブを曲がり、池のポイントへと
距離をグングン縮めていく。

「早くするとよぉぉぉぉぉッ!!!ここから脱出せねばならんっちゃ!!!
これしか方法がなか!!!早くッ!!!!!」

「何が何だかわからんが・・・・田中っち!!きみを信じるのだッ!!!
おぉぉぉぉぉぉっ!!ラブ・シードッ!!愛の種を撒き散らすときなのだ!!!」


ズリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュ〜ン!!!


新垣里沙のスタンド『ラブ・シード』の種は車両の床に蒔かれ、彼女の意思で
それは莫大な成長力を見せる。
生まれた木の枝は、シートの隙間をぬって田中れいなの足元まで伸びた。

「デュエル・エレジーズ解除ッ!!!」

葉っぱが生み出されたのを確認すると、なんと田中れいなは自分の命綱である
石化能力を解除してしまったのだ!!
いったい何を考えているのであろうかッ!!?
7411 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 17:33:04.54 0

「な、何をやっていのだァーッ!!?田中っち!!!」

「シートにくっついたまんまじゃ木の葉が拾えんと・・・・まだ足りんばい・・・・
この程度の量じゃ全然足りないと!!ガキさんッ!もっとばい!!」

そう言いながら、彼女は足元の木の葉を毟る。
レールに伝わってくる振動や緩やかなカーブの影響で身体がフラフラと
揺られているが、それでも田中れいなは必死で木の葉を毟り続ける。

「う、うおぉぉぉぉぉぉッ!!!わたしはどうなっても知らないよぉぉぉぉッ!!!」

ズリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュ〜ン!!


「もっと!!もっとばいッ!!!!」


ズリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュ〜ン!!


「まだ足りんッ!!もっと生み出すっちゃああああああああッ!!!!!」


ズリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュ〜ン!!


「脱出したけりゃもっとたくさんッスよぉぉぉぉぉッ!!もっと!もっと!!
早く成長させるばいーッ!!!!」


ズリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュ〜ン!!
7421 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 17:36:21.03 0


次々と木の枝が生まれ、田中れいなの足元で色とりどりの木の葉をつける。
だが、やはり風は強い・・・・・その強風でほとんどが吹き飛ばされてしまったようであった。
そして間もなく池に突入するところまで来てしまった。
もう目の前だ・・・・車両は斜面を下り始めている。

「ダメなのだ・・・・・やはりこの強風の中では木の葉は枝を離れてしまう・・・・!!!
田中っち!!早くスタンドで身を・・・・・そのままではトンネル後の斜面で
空に投げ出されてしまうッ!!!」

「そう・・・・それがいいんばい・・・・・投げ出されるのがいい・・・・・脱出経路は
出来上がったと!!!やはり木の葉がよかったッ!!コォォォォォォォォ・・・・・・!!!」

バチバチバチッ!!!!

何かが空気で弾ける音がした。

「いいっすか・・・・・池に入ったら身体に巻きつけてるその『蔓』を解除するんッスよ・・・
もちろん絵里のも・・・・・その身を自由にして・・・・・そして力いっぱいれいなに
つかまるとよッ!!絵里はれいなが引き受けた!!!」

「な、何だって・・・・こんな状況で解除すr」


バッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!!!


言い終わるより早く、ローラーコースターは演出である水しぶきをたて
池の中のトンネルへと飛び込んだ!!
7431 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 17:38:22.72 0


「解除するっちゃああああああああ!!!れいなにッ!!れいなにつかまるばい!!!」


暗闇の中で、田中れいなは張り裂けそうなほどの声をあげた。
命綱であるスタンドを解除する・・・・・一瞬迷いが生まれる新垣里沙であったが、
このままではどうにもならないことも十分承知している。

それなら・・・・・・目の前の後輩にすべてを賭ける!!!


「解除するのだ!!蔓は花を咲かせ一生を終えッ!!静かに朽ち果てる!!!」


サァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・


彼女と亀井絵里の身体に巻きついていた蔓はツヤツヤの緑色から赤褐色に変わり、
粉々になって風に吹かれて行く・・・・・
そして早くも目の前にはトンネルの出口が迫っていた。


「うおぉぉぉぉぉぉぉッ!!?」


新垣里沙は『ラブ・シード』で再び蔓を生み出すと、それを田中れいなの
胴体に巻きつけ、彼女につかまった!!!
そして、視界は明るくなる!!車両はトンネルを抜けるッ!!!!!


ガッコオォォォォォォォォォォン!!!!!!!!
7441 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 17:40:34.93 0


急斜面を上り始め、身体が宙に浮いたのがわかった・・・・その時!!!


「刻むばい・・・・・血液のビート!!!」



グォングォン・・・・・ドバザザザザザザザザザザザザザザザアァァァッ!!!!!!!



唸るような音、そして葉が激しく擦れあうような音が聞こえたとき、
三人の身体は宙に浮いていた。
斜面を登る際の一瞬の減速で、身体が空に押し上げられてしまったのだ。
青い空の海原に投げ出されてしまった・・・・・だが!!!

彼女達の身体が引力に引かれて自由落下を始めることはなかった!!!!


「た、田中っち!!これはァーッ!!?」


「生命磁気への波紋疾走!!木の葉に波紋を流し込んで生命磁石として
くっつけたばいッ!!!グライダーのように空を滑空して!!このままゆっくり
降下するっちゃ!!!」



バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!!
7451 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 17:43:53.72 0


「す、すごいのだ・・・・・さゆのシャボン玉さえも割らずに触れることが
出来ると聞いているが・・・・・波紋・・・・これほどとは・・・・ッ!!!」


そして、それを使いこなしている後輩の田中れいな。
こんな戦い方ができるのは演劇部でも彼女だけだ。


(・・・・・この子は間違いなく『天才』なのだ・・・・・高校生になるばかりだと
いうのに・・・・・演劇部を背負うエースの1人となるのもそう遠くはないな・・・・・)


新垣里沙は心の中で大いに感心し、同時に彼女が味方にいることに安心を覚えた。
敵に回したくない・・・・・それほどまでに思うほどであった!!!


ギャンギャンギャンギャン・・・・・・・・・


波紋を流している木の葉が密集して唸っている・・・・
片手で亀井絵里を抱え、片手で葉っぱに波紋を流し続けるッ!!

そして、地上はもうすぐ・・・・・安堵していたその時だった。
7461 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 17:46:37.94 0


ビュルオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!


突然、下から巻き上がった突風に、田中れいなは姿勢を崩してしまう。
まるで地下鉄の通風孔から吹き上げる風だ!!

「うおぉぉぉッ!?風!!?」

風に翻弄された彼女は一瞬、なんと波紋の呼吸を乱してしまった!!!


バサァ・・・・


手に吸い付いていた葉っぱは磁力を失い、風に舞い始める。

「おぉぉぉ!?し、しまったばい!!!!」

波紋の呼吸を整え、なんとか残っている葉っぱが舞ってしまわないようにするが・・・・
下から吹き上げてくる風は先ほどの絶叫マシーンに乗っているときよりも遥かに強い。
次第に呼吸がしづらくなり、息も間々ならなくなる!!


「あ、あれは・・・・・!!!」


その時、田中れいなは見た。
自分達の真下で、ウサギが佇んでいたのだ!!
その手にはスケッチブックがあり・・・・・紙面から何かが吹き出している!!!
7471 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 17:49:32.23 0

「風・・・・・あのスケッチブックから風が!!?なんなんね!?あのウサギの能力は・・・・
あ、あぁっ・・・・・・くぅ・・・・・波紋の呼吸が・・・・・葉っぱが散ってしまうとッ!!!!」

飛行して低空まで降りてきたとはいえ、まだ宙に浮いているのだ。
このまま落下しては確実にケガは必須!!!
なす術はない・・・・・・さらに風は強くなるッ!!!


「な、な・・・・・なんねコイツはッ!!うわああああああああああああッ!!!」

ブァッサアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!


あまりの息苦しさに、田中れいなはとうとう波紋の呼吸を止めてしまった!!
当然葉っぱには波紋が流れなくなり、風に吹かれて宙に散っていく。
スタンド能力の蔓で彼女につかまっていた新垣里沙も、あまりの風の勢いに
その手を離してしまった。

身体が引力に引かれるのを感じながら、田中れいなは考える。

(マンションで言うと二階よりちょい高いぐらいっちゃ!!ガキさんならスタンドを
駆使すれば着地できない高さじゃないと・・・しかしッ!!絵里は気を失っているッ!!!
着地する術はあらんばい!!!もし頭から落ちていってしまったりしたら・・・・ッ!!!)

だとすれば、彼女の取るべき行動は一つだった。


「絵里は・・・・・友達はッ!!この田中れいなが守るッ!!!!!」


バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!!!!
7481 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 17:55:01.10 0


結局空に投げ出されたカタチとなってしまった新垣里沙は冷静に状況を見据え、
そしてスタンドを構え、そして・・・・解き放つ!!!


「生まれよッ!!生命よぉぉぉぉ!!!」


スタンドの指先から放たれた豆はコンクリートの地面に穴を開けて
めり込むと、爆発的な成長力で枝の多い木に成長した。
新垣里沙の身体はその枝の密集地帯に向かって落ちていく。



バキッ・・・・・・バキバキバキバキィッ!!!!!!!



落下する身体はいくつもの枝を折りつつも減速し、やがて彼女は地上に足をつけた。


「いてて・・・・生み出した木の枝に落ちることで落下速度にブレーキをかけたが・・・・
や、やはり痛いのだ・・・・・亀を助ける際に腕に蒔いた種の跡も含めて・・・・
うぅ、2万もしたマカフィーのジャケットが・・・・・・って、そんなことより!!
田中っちはどうなった!!?」
7491 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 17:55:55.86 0



「うわぎゃああああああああっ!!!!!!!!」




女の子のものとは思えない悲鳴が背後から聞こえた。
なんだ!!今の叫び声は・・・・・ッ!!?
新垣里沙は恐る恐る後ろを振り向く・・・・・・・!!!


「ッ!!!」


田中れいなは、こちらに背を向けて立っていた。
いや、踏ん張っていたのだ・・・・腕には誰かを抱きかかえた状態で!!!
『誰か』とは言うまでもなく亀井絵里なのだが、そこまで高くない位置から
着地したとはいえ人を抱きかかえた状態で着地などと、足にかかる負担は計り知れない。
しかも・・・・・田中れいなはほんの一月弱前に、『後藤真希』によって両足を
砕かれたばかりである。

いくら波紋の効力で足が繋がったのが早かったとしても、まだ完治しては
いないハズなのだッ!!!


ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!!
7501 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 17:57:49.19 0


ミシミシ・・・・・

「げえええええええッ!!!足がッ!!!」

ドッシ〜ン!!!!


両足が悲鳴を上げているのを感じ、田中れいなは思わず尻餅をついてしまう。
その振動で、気を失っていた亀井絵里はようやく目を覚ましたのだった。


「・・・・・・ハッ!!あれ・・・・・僕はローラーコースターに乗っていて・・・・・
地上?どうして僕は地上にいるんだ・・・・いつのまに?」

「え、絵里・・・・・ようやくお目覚めやね・・・・・」

「れいな・・・・な、なんで僕がれいなを下敷きに・・・・・ご、ごめんよッ!!!
でも、いったい何が・・・・・」

「話はあとっちゃ!!今はあそこでせせら笑っているウサギをッ!!!」

田中れいなが指差す先には、あの忌々しいピンク色のウサギが口に手を当てて
笑ったようなポーズを取っている。
持っているスケッチブックにはでかでかと、


  『 おつかれさま 』


と書いてあるようだった。
7511 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 18:00:17.30 0


「そうだ!!あのウサギッ!!!あいつがあのローラーコースターで
僕らを怖い目にーッ!!許さないぞ!!!」

「そうなのだ・・・・亀!!ヤツを許してはならない!!!追いかけるのだ!!
ヤツは逃げようとしているッ!!!」

「よぉしッ!!行こうガキさん!!!」


亀井絵里は立ちあがると、新垣里沙と共に走り出したウサギを追いかけ始める。
田中れいなもそれに続こうとしたが・・・・・足に力が入らない。

「いて・・・・まぁでもこれぐらいなら大丈夫たい・・・・波紋で痛みを和らげて・・・」




「ちょ、ちょっと待つのだ!田中っち!!亀は今誰と話をしていた!!?」


波紋の呼吸を始めたまさにその時、背後から聞きなれた声が聞こえた。
いや、バカな・・・・そんなハズはない。
あの人は今、絵里と共にウサギを追っていったではないか。
後姿だってまだ確認できる。
空耳か・・・・・?そう思いながらも、田中れいなは振り向いた。

「・・・・・ッ!?」


そこには、腕から流れ出ている血をハンカチで拭っている新垣里沙がいたのだ!!
7521 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 18:03:24.21 0


「えッ!?え・・・・なんで!!?」


田中れいなは前方を走りゆく新垣里沙と、自分の後ろで腕の止血をしている
新垣里沙を交互に見比べた。
前方を走っている新垣里沙は、腕にケガをしていないようであるが・・・・


(そういえば・・・あの絶叫マシーンに乗っている時、ガキさんは絵里が飛ばされないよう
腕にスタンドの豆を植えつけてなかったか・・・・・・・??)


だとすれば、無傷は明らかにおかしい。

結論付けるようにして、目の前にいる新垣里沙は額に汗を滲ませて叫んだ。


「あれはわたしじゃあないのだッ!!!」


「な・・・・・なにィーッ!!!じゃあ絵里はいったい誰についていってるんやあああッ!?」



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・・!!!
7531 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 18:05:11.63 0


「こ、これは罠なのだッ!!追いかけねば・・・・・亀を止めなければッ!!!」


新垣里沙は血で濡れたハンカチを放り投げると、遥か先を行く
亀井絵里を追って走り出す。


「待つばいガキさ・・・・・うおぉぉッ!?」



ドシャアアアアアアアッ!!!!!



足がもつれて転んだ田中れいなに、彼女は気付かず走っていってしまう。
本当に大丈夫なのか?
あのウサギの逃げ方・・・・・迷いが全く見えない!!
まるでどこかに誘い込もうとしているような・・・

そもそも、どうやってやっているのかは検討もつかないが、新垣里沙の『偽者』を
使っていることが既に怪しい。



「まさか・・・・・ウサギはわざと『追いかけさせている』んじゃあなかとね!!?」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・
7541 ◆I7CTouCqyo :2006/05/30(火) 18:07:00.79 0
ここまで!
ってかうpしてから文中に「そして」って言葉を使いすぎなことに気付くorz

そして(←さっそく)前スレさんの登場に一瞬ビビリましたw

ではまたノシ
755名無し募集中。。。:2006/05/30(火) 18:09:30.20 0
ノシ
756名無し募集中。。。:2006/05/30(火) 18:45:27.22 O
ノシ
757名無し募集中。。。:2006/05/30(火) 19:42:42.05 0
758名無し募集中。。。:2006/05/30(火) 20:12:07.97 0
759915:2006/05/30(火) 20:54:50.42 0
銀色の永遠 〜安倍なつみは巻き添えをくらうC〜




「「え〜!!!!!!!!」」




美貴と麻琴は思わず声をそろえてびっくりした。
「ね!ひどいべ?梨華ちゃん何も言ってくれないから・・・・」
「え〜、そうですか〜?」
梨華ちゃんは不思議そうな顔をしている。

だけど・・・・・・・・、こいつ絶対わざとだ・・・・・・・・・・・・!!!

安倍さんの話はこうだった。
受験が終わって一息ついていたところを
梨華ちゃんに突然、ごっちんへの伝言を頼まれたと言うのだ。

伝言内容は
「演劇部員が偶然S市のライブハウスで市井さんと会った」
ということ。

市井さんが結婚してS市に移り住んだ事までは聞いていた安倍さんは単純に
「あ、紗耶香の居場所わかったからごっつぁんに教えてあげてって事なんだな」
と思って、ごっちんにそのまま伝えてしまったらしい。
760915:2006/05/30(火) 20:55:29.78 0
銀色の永遠 〜安倍なつみは巻き添えをくらうD〜

市井さんを探すなとこんこんと麻琴に警告していたごっちんは当然大激怒。
怒り狂うごっちんを見た安倍さんはそこで初めて、
市井さんと会った事と栄高とのもめ事が結びついて大あわて。

「いや、なっちもアミーゴから電話あったし、
 アンタたちが今、浜崎あゆみとかとやりあってるのは知ってたけどさ、
 その話と紗耶香が関係あるなんて全然言ってくれなかったじゃない!!!
 なんでなっちがごっちんに怒られなきゃいけないのよ〜!!!」
「え〜、そんなつもりなかったんですけど〜」
梨華ちゃんは身体をくねくねさせて言い訳した。

梨華ちゃんの狡猾なところはもう二つある。

一つは、梨華ちゃんの伝言自身に『嘘はない』ということだ。
たしかに美貴とれいなは『偶然S市のライブハウスで市井さんと会った』。
市井さんを探していたけれど、市井さんといきなり会ったのは確かに『偶然』だった。
その意味で、安倍さんにお願いしたごっちんへの伝言は
言葉足らずではあるけれど、たしかに、『嘘はない』事になる。

もう一つは梨華ちゃんは
「『演劇部員が』偶然S市のライブハウスで市井さんと会った」
と安倍さんに言ったこと。その上で、梨華ちゃんは安倍さんには
会ったうちの一人がれいなであったことをそれとなく会話中にばらしておいたのだ。
761915:2006/05/30(火) 20:56:11.33 0
銀色の永遠 〜安倍なつみは巻き添えをくらうE〜

伝言を聞いた激怒するごっちんは当然、直接警告したこんこんと麻琴が
会ったものだと思って二人の名前を挙げて非難する。
そこでれいなの名前を梨華ちゃんにさりげなくインプットされていた安倍さんは
「え、会ったのは田中っちって聞いたけど・・・」となる。
そうなるとごっちんも当然「あれ?」って戸惑ってしまうし、
安倍さんも『偶然』という言葉に引きずられて、
「たまたまS市のライブハウスに来ていた田中っちが
 偶然紗耶香と会って、栄高と抗争中だから3年前の話が知りたかったところだし、
 ちょうど良いやってことで紗耶香に話を聞いたんだ」
と言うストーリーを脳内で作ってしまう。

普通に考えたらこんこんと麻琴に頼まれたれいなが市井さんを探したという
ストーリーにたどり着いてもおかしくないのだけど・・・・。

完全に思いこんだ安倍さんは先輩という立場上もあって、
梨華ちゃんやこんこん、麻琴、そして市井さんに会ったれいなを
かばってごっちんに弁明するしか選択肢がなくなる。
ついでにいうと、ごっちんと接点の無いれいなの名前しか出さず
美貴の事は言わない事で今後の事実発覚をさらに防ぐ効果もある。

梨華ちゃんは安倍さんに嘘は言っていない。
意図的な言葉足らずで安倍さんに勝手に思いこませて、
その上でごっちんの批判を全部安倍さんに対応させ、
さらに安倍さんの思いこんだストーリーに沿って弁明させたんだ。
762915:2006/05/30(火) 20:56:38.62 0
銀色の永遠 〜安倍なつみは巻き添えをくらうF〜

重ねて、安倍さんも意図的に嘘をついたわけじゃない。
事実と違う事と勝手に思いこんで勝手に弁解しているだけだ。
嘘とわかっている弁解よりも
事実と違ってもそのことを知らない本心からの弁解の方が強いのは当然。

あとで聞いた話だけど、ごっちんと安倍さんって
演劇部の元2大エースって事で
当時から仲が悪そうに見えていたし結構喧嘩もしていたので
周りは仲が悪いと思っていたけれど、意外なことに事実は逆で、
例の矢口さんと3人で遊びに行ったりと、案外仲が良かったらしい。

その事も計算に入れての梨華ちゃんの策略なんだろう。

「で、ごっちんはなんて言ってました?」
梨華ちゃんは安倍さんをなだめながら質問した。

「ん、ん〜っと、とりあえず納得してくれたよ。
 してくれたって言うかなっちがさせたんだけどね!
 ごっつぁん、紗耶香は闘う事が出来ないんだから絶対近づくなって言ってたよ。
 あと、栄高との事に巻き込むなって」
「了解ですよ、安倍さん」
「了解じゃないだべ、まったく・・・・・・・・・・」

梨華ちゃんってホント策士だな・・・。
自分はまったく労力使わずに丸く収めちゃったよ。
763915:2006/05/30(火) 20:57:28.79 0
ここまでっ。なんか今回は説明的でくどい(´・ω・`)
764六部198:2006/05/30(火) 21:33:20.19 0
>>754
乙ッ!
やっぱ1さん来ると自分の気持ちが盛り上がるな
葉っぱグライダーの形は勿論ハート形ですよね?
>>763
乙ッ!
石川め・・・ウマイな
765名無し募集中。。。:2006/05/30(火) 23:02:50.94 O
保全疾走ッ!
766六部198:2006/05/30(火) 23:17:11.54 0
先走りでだします
767六部198:2006/05/30(火) 23:17:54.00 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜35

加速したことにより、当然出血量も増える。
それは誤ってこぼしてしまったワインのように、音を立てて床を打ち付けた。
その音に財前は視線を辻に戻す。
「ん?なにをしているんだね希美君?重傷患者はおとなしく寝ていたまえ」
そう言ったところで、彼女の出血の速さに気づく。
「またかね?もう無駄だ。君は私に敗北したのだよ。
もう少ししたら楽にしてあげるから、我慢していたまえ」
財前は溜め息を吐きながら、辻の肩に手を置いた。

「・・・・・・・」
辻は何かを訴えかけるように口をパクパクさせた。
喉を失っているので、当然のように声は出ない。
「・・・?なにを言っているんだね?ふふ・・・よく聞こえないんだが」
そう言って財前がその口元に耳を近づけると、辻がぎこちなく抱きついてきた。

ガシイィッ!!

「なんだね?離したまえ!」
財前はそれを振りほどこうとするも、瀕死とは思えないような強さで掴まれて振りほどけない。
「貴様!なんのつもりだ?!」
(こういうつもりなのれす!)
辻はスタンドの手のひらを財前の顔にピッタリとつけた。

ズッキュウウゥゥゥゥンンンン・・・・

「貴様ああああああ!!!今何をしたあああ???!!!」
嫌な感覚を覚えた財前が、辻を問い詰める。
しかし辻は財前を睨んだまま、それを黙殺した。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
768六部198:2006/05/30(火) 23:18:34.84 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜36

ゾオォォ・・・・

「くそッ・・・なんだこれは?」
言いようもない寒気を感じた財前は力づくで振りほどき、
一度距離を取ろうと2〜3歩下がろうとした。

しかし・・・足が止まらない・・・

「なッ・・・勢いが!くそッ・・・!!」

・・・結局10歩以上下がってしまった。

「これは・・・まさか私を加速させた?」
自分の腕時計をみると、その針が異常な速さで回っている。
「・・・ナゼ?・・・だが・・・」
辻の行動が理解できない財前だが、すぐに気を取り直してアンダー・ザ・ブリッジを構えて突進をする。
「貴様を始末すれば、関係ないの―」

ビタタァァァァン!!!

「―だ・・・?ゴボァッ・・・!」
財前は超高速で冷たい壁に激突して、その衝撃で血を吐いた。
腕時計の針は、既に見えないくらいに高速で回転している。
「ガ・・・さっきよりもさらに・・・!どんどん加速していくだと?
マズイ、これ以上の速さはマズイぞッ!!
F1マシンを素人が操縦できないように対応しきれないッ!!」

(・・・『のんすとっぷいんふぇるの』・・・誰にも教えていない秘密・・・
時代遅れの呪われた吸血鬼・・・お前は『無限に加速する時』に付いていけず、地獄を見るのれす・・・)
769六部198:2006/05/30(火) 23:19:14.83 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜37

「Nuuaaahhahhh!!!」
財前は気を吐き、アンダー・ザ・ブリッジを辻に狙い定めた。
「下手に動くからいけないのだ!
こうして落ち着いてやれば問題はなかろう!!」

そう、怪我の具合と、おびただしい出血で最早ろくに動けない辻を上手に狙えば勝負は決まるのだ。
ましてや今の財前は、常人には捉えきれないスピードにまで加速されている。
彼女を始末することなど、瞬きをするよりも速く出来るのだ!

(・・・マズイのれす・・・このままじゃ、こっちが・・・)

辻の心中を見透かしたかのように、財前は口元を歪めた。
「それとも、このまま君の命が終わるのを待とうか?
その傷では長くはないだろ。もって3分ほど、と言ったところか。
フフ・・・患者の余命はキチンと伝える主義なもんでね」

(くッ・・・)

・・・しかし、財前は気づいていない・・・
この能力の本当の恐ろしさに気づいていない・・・
仮初の永遠を与えられた吸血鬼が忘れてしまったモノに・・・

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・・
770六部198:2006/05/30(火) 23:21:35.47 0
改行エラー出まくりw
ちょっとこの後の描写とか説明が難しいので
もう一回考え直すことにしますわ
771名無し募集中。。。:2006/05/30(火) 23:55:56.27 O
乙ッ!
772名無し募集中。。。:2006/05/31(水) 00:41:42.04 O
おつれす
773六部198:2006/05/31(水) 01:24:16.55 0
セルフ乙
774マイマイ268:2006/05/31(水) 02:38:31.73 0

<辺土名一茶>


バンッ!!!


社長室の扉を開け、俺の目に飛び込んできたのは
ニヤついている社長の顔と、そして2人の女。
女の顔は栄高から渡されたリストに載っていた顔だ。
何故この2人がここにいる!? 手紙を読まなかったのか!?
それより何より2人とも…


(アゴなげー…)


…まあ、こういった身体的特徴は本人達も気にしているかもしれないし
言わないでおいたほうがいいだろう。
何故こんな状況になっているのかわからないが
それによってもっとこの状況が悪化するのもマズいだろう。

「おや? 一茶じゃあないか。 どうした? そんなに汗かいて」

社長がくるりと俺のほうを向く。
手にはサイコロを持っているが、まさかスタンドを使ったのか?
775マイマイ268:2006/05/31(水) 02:39:02.62 0

「どうしたもこうしたも…なんです下の有様は!
 警備員が3人もやられている! もしや、その2人の仕業ですか?」
「ああ、どうもそうらしいね。 
 一茶…お前ホントにちゃんと説明したのか?」
「直接会いはしませんでしたが、手紙を渡して…」

手紙は演劇部に渡すように慶太に持たせた。
だからそれで解決するはずだったのだが…?

「手紙なら来たわよ…。 アンタ達の挑戦状でしょ?」

アゴ女の背の高いほうが目だけこちらを向いて言う。
体が動かせない…とすれば社長のスタンドが発動しているのか。

「お前もしかして中を読んでないのか!?
 あれは挑戦状なんかじゃあ…」

ヒュンッ!

「!?」

パシッ

俺の言葉を遮るように、社長がサイコロを放り投げた。

「しゃ…社長…?」
「そのまま振れよ一茶…。 お前でちょうど4人目だ。
 このフランスパン2人組だけじゃあ物足りなかったんでちょうどいい」
776マイマイ268:2006/05/31(水) 02:39:35.35 0

あ…あんたって人はッ!!
何故社長がスタンドを発動させているのかわからないが
俺まで巻き込むつもりか!!
それに、女性に向かってフ…フランスパンはないだろう!
あんたはいつもそうだ、デリカシーが足りない!
…と、口に出して言ってやりたい…。


「だ…誰のアゴが…」
「フランスパンですってえーーーーーーー!!??」


アゴ女2人の怒りは、体は動かせないものの、その表情からよく伺える。
やはり、彼女達はアゴの長さを気にしているのだ。
…こうなったら、逆にゲームに潔く参加したほうが楽かもしれない。

コロッ…

サイコロを床に転がす。 出た目は1。
一茶の『1』だ。 俺のラッキーナンバーでもある。
777マイマイ268:2006/05/31(水) 02:39:57.80 0

「…1です、社長」
「そうか。 じゃあお前が最後だな。
 じゃあゲームを開始するぜ。 お2人さん、相当キテるようだが
 その怒りはゲームの中で思いっきり晴らしてくれよ。
 さーて、今日の舞台はどこかねー」

社長がルーレットを回し始める。
この『ボンバ・ヘッド』はボードゲーム型のスタンドで
参加者を強制的にボードゲームの世界へ連れ込むことが出来る。
そしてその舞台はルーレットによって毎回変わる。
俺も今までなんどこれにつき合わされたかわからない。

「よし、決まったぜェ!
 今回の舞台は『戦国』だァーーー!!!
 『ボンバ・ヘッド』スタートッ!!」


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

778マイマイ268:2006/05/31(水) 02:41:53.32 0
ここまで


janelovelyはまだ対応しないのかな…


おやすみノシ
779名無し募集中。。。:2006/05/31(水) 05:51:34.50 0
ノシ
780名無し募集中。。。:2006/05/31(水) 07:10:35.86 O
ノシ
781364:2006/05/31(水) 07:18:56.62 0
皆様乙ですー!仕事が忙しい…
時系列、ちょこっとだけ修正しました。
782六部198:2006/05/31(水) 07:25:27.68 0
乙ッ!
一茶だったのか
部屋に入ってきたのはてっきり岡田かと思ってた

あと364さん修正ありがとうです
783前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/31(水) 07:57:59.64 0
乙です!
よーやく頭ン中ですべてのピースが組み合わさったと思った矢先
ちと首周辺の筋肉を傷めてしまったよ・・・・トホホ
状況は最悪だが今日はがんがってみたいです
784名無し募集中。。。:2006/05/31(水) 08:57:09.01 O
乙!ホントにこのスレはニスト入れ代わり立ち代わりだな
785六部198:2006/05/31(水) 09:46:40.14 0
朝っぱらからイクよ
786六部198:2006/05/31(水) 09:46:57.18 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜38

財前が今まさにとどめを刺そうとしたとき、『それ』は訪れた。

ボロオォッ・・・!

「ッ?!」
財前は一瞬、自分の目を疑った。構えていた右腕の肉が突然削げ落ちたのだ。
そして、身体の異変に気づく。
「GUAA・・・な、なんだこれは?!」
もう片方の腕も異常に痩せ細っている。
いや、腕だけではない、全身がそうなのだ。胴回りは既に肋骨が浮き出ている。
それは今もなお、もの凄いスピードで進行している。

財前は思わず膝を着いた。
立っているだけで疲労感が高まっていくのだ。
「どういうことだ?なぜ、こんな・・・?」
財前が荒い息を吐きながら辻を睨むと、
彼女は手を突き出し親指をゆっくりと下に向けた。
(説明する義務は、ないのれす)

ドッギャアアアアアアンンンンン!!!!

・・・とはいうものの、ここはやはり説明をしなければなるまい。

『のんすとっぷいんふぇるの』
本体が限界まで加速したときに発動できる、究極の奥義といえよう!
密着状態で対象と向かい合い加速させると、その対象は『無限に』加速されていくのだ!
つまり、速さを手に入れると同時に凄まじいスピードで老いていく(もしくは劣化)ことになる!
そしてそれは吸血鬼とて同じ!それがこの世に生きる『全ての』生物のルール!
不死とは、『養分を取り続けてこその不死』なのだ!
養分を取らなければ代謝は行われない!すなわち、肉体は腐っていくことになる!
787六部198:2006/05/31(水) 09:47:16.03 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜38

「これはマズイ!なんとかしなければ!」
事を察した財前は直接養分を吸収しようと、辻に迫って首筋に指を食い込ませるが・・・

「・・・出来ない!そんな、バカな・・・」
そう、もはや養分を吸い取るパワーすらも残っていないのだ!
彼の顔には無数の醜い皺ができ、その姿はまるでミイラのようであった。

「この財前五郎がああぁぁ・・・貴様のようなちっぽけな小娘にいぃぃいいい!!!」
財前は激高しながら叫ぶが、力尽きたのか床に崩れ落ちた。

バタアァッ・・・!

しばらくは痙攣を起こしたようにヒクヒクと動いていたが、やがてその動きは止まった。
魂を失った肉体はあっという間に液状化し、そこには骨だけが残った。

「・・・」

財前の死を確認した辻は、壁に背を預けて座り込みスタンド能力を解除した。
そして、首に食い込んだままの財前の白骨化した腕を忌々しく払いのける。
床に落ちた彼の腕は、音を立てて崩れていった。

バアアアアァァァンンンンンンンン!!!!!
788六部198:2006/05/31(水) 09:47:32.93 0
銀色の永遠 〜(S)aint〜36

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・

目の前には『時の流れ』で半ば風化した、財前の白骨死体が転がっている。
吸血鬼がそのような状態になるまでに、一体どれほどの時間を要するのかは不明だが、
とにかくこの間に膨大な時が流れたのは確実である。

(・・・やったのれす・・・これでもう、子供扱いされない・・・はず)
辻は傷を庇いながら、窓の外を見上げた。先程雲に隠れた月が、いつの間にか再び顔を覗かせている。
そして、まるでスポットライトのように彼女を照らしている。

(でも、勝手に行動したこと怒ってるだろうな・・・)
加護が腕を組みながら自分に説教をする姿を想像して、辻は思わず身震いをした。
(あ、先にメールで謝っておけば!・・・のん、あったま良いのれす)
辻はポケットから携帯電話を取り出して、電源を入れてメールを打った。

・・・・・・・・・・・

送信を完了すると、安心感と多量の出血で意識が遠くなっていく。
(・・・少し・・・休もう・・・)
そう思って目を閉じたときであった。
階下のほうから、慌ただしい足音と声が近づいてきた。


ダッダッダッダッダッダッダッダッダッ!!!


『おい!はやくしろ!こっちだ!』

『そんなん言われなくったって、わかっとるわ!!』
789六部198:2006/05/31(水) 09:48:34.79 0
以上!
やっぱバトルシーンは一気に行かないとテンポ悪いな
790前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2006/05/31(水) 10:38:31.86 0
ののたぁ〜〜〜〜〜んんッッ!!!
とシーザーの末期が脳裏を過ぎりつつ6部さん乙ッ!です!
791なんみん:2006/05/31(水) 11:10:36.71 0
みなさん乙です!!

1さん…ホントうさぎは何がしたいんだろう?迷子の高橋も気になるけどw
915さん…自分はこういうやりとりの描写が意外と好きだったりします
マイマイさん…ゲーム面白そう!しかも戦国かあ…ワクワクしますね
198さん…やったのれす!ようやく藤本きたか(ry…w
前スレさん…最悪なんすか!?さすがにがんがれとは言い難いゼ…

ちょっと出し!
792なんみん:2006/05/31(水) 11:12:03.05 0


『何が起こったのか認識できない内に攻撃を受けている』……という点では、
2月の中頃にあの後藤真希との戦いの際に味わった、
『G・セクシーGUY・レクイエム』に似ている。だが微妙に違う……。
時間や攻撃以外には状況の変化の無い『G・セクシーGUY・レクイエム』に対して、
減少する人数、早く進む時間、腕の傷のカウント…無理解への理解……。
抜け落ちているのは、『時間』では無く『記憶』だった!!


(新手のスタンド使い!!姿は見えないがここにいるはずなんだ……。
 これを川畑さんにも伝えよう……再び記憶が失われる前に……!!
 そして、また記憶が失われたのなら……また思い出せば良い……。
 そうすれば……いつかきっと、道は開けるんだッ!!!!)

「川畑さん!!敵の能力は『記憶を失わせる』能力です!!
 敵の数が減ったのではなく、見えないんです!!記憶が出来ないんです!!」

川畑に向かって叫ぶが、相手もまた瀕死の状態。虚ろな目でこちらを見るだけだった。
これもまた1つの記憶となる。はたして相手に伝える事が出来るのだろうか…?

その一方で…、

(な、何だとォ……!?!?)

松島は驚いた様に紺野を見る。能力を見破られるとは思いもよらなかったのだろう。
793なんみん:2006/05/31(水) 11:13:49.66 0

(こ、この女……何者なんだ!?ヤバい!!何か嫌な予感がする!!
 普通なら能力を知られたくらいでは動揺しないが、この女だけはッ!!)

「川畑さんッ!!良いですか?ですからまず敵を……」


ドガバキグシャボゴォォォォンッ!!!!


「ぐああああああああァッ!!!!」

紺野は『JAIL HOUSE LOCK』のラッシュを受け、フッ飛ぶ!!

(スタンド使いでは無いと思って侮っていた。
 もはや『サバイバー』でなぶり殺しなど悠長な事は言わない…!!)

松島はくわえていたタバコをプッと吐き捨てる。

「このまま一気に葬り去ってやるッ!!」

壁に打ち付けられ、倒れている紺野に追い討ちを掛けるべくダッシュするが……!?

スゥ…

倒れる紺野を庇う様、川畑が間に立ちはだかる。松島をキッとニラんでいる。
794なんみん:2006/05/31(水) 11:14:53.24 0

「川畑副所長……見ているのか!?」


バッキィィィィーーンッ!!!!


川畑は受身もかわす素振りも見せず、モロに殴られ思い切りフッ飛ぶ!!

「なんだ…やはり記憶の外じゃあないか…驚かせやがって……」

川畑は立ち上がる。そして、再び松島をニラみつける。

(なんなんだ…副所長には僕の姿が見えていないハズなのに、
 なぜだか…どういう訳か……その確信が持てないッ!?)

「副所長!!堂珍所長は今どこにいるんだッ!!知っているのかッ!!!!」

川畑はやはり無反応だ。殴られても殴られても、記憶を失っても失っても、
その度に呼び掛けられる(もちろん本人は1回としか認識していないが)紺野の声に、
気を奮わせて立ち上がってくる。目は全く死んでいない。

(た…ただの変わり者だと思っていたが……この気迫ッ!!この凄みッ!!)
795なんみん:2006/05/31(水) 11:17:46.99 0

額から汗が出る。息が荒くなる。ただ立って見ているだけなのに、気圧されている…?

(クソッ!!ただの下っ端じゃあないんだ…僕は力を得たんだ……。
 『ホワイトスネイク』によって所長達と同じ様に……スタンド能力をッ!!
 勝ってやるッ!!あんな所長の腰巾着に……負けるものかッ!!)

松島は川畑に向かって走り出す!

「エネスコの一件以来、あんた達は腑抜けになった!!!!
 そんなヤツに!!僕が!!負けるかああああッ!!!!」

不安は消えない。だが、あえてそれを意識しないよう、ごまかすように走る。

「わああああああああああああああああァァァァッ!!!!!!!!
 究極のッ!!究極はッ!!この僕のスタンドだああああッ!!!!」

『モノをみる』とは何も視覚だけによるものではない。
視力を失った者が、常人を超える驚異的な知覚を発揮する事はままある事だし、
霊感や超能力といった五感とはまた別の感覚……。

……スタンド能力もまたそれである。
796なんみん:2006/05/31(水) 11:20:28.15 0


松島が川畑の記憶を奪ったのは失敗だった……。


新しい情報を遮断された事によって、
行き止まりの道を戻る様に、記憶もまた過去へさかのぼる事になる。
川畑の記憶……?川畑……?


(ええと…私は誰だっけかな?……えー、私はっと…川畑クンだな、うん……。
 いやいや待てよ…自分の事を『クン』付けするのはちとオカシいな……。
 それにしても、松島クンは許せんな……この私を殴った事など別にかまわん。
 それよりもだ…私のセリフを勝手に使用した事だ。これはイカン。イカンぞ……)


松島とその他の男達は川畑に向かって突進している。
しかし、松島は大切な事を忘れていた。見過ごしていたのだ。
『ホワイトスネイク』によって、スタンド能力を奪われたはずの二人。
確かに、紺野には『JAIL HOUSE LOCK』は見えていなかった。
だが…川畑には見えていたではないか!?

それは何を意味するのか……!?
797なんみん:2006/05/31(水) 11:23:15.81 0


記憶は遡る……。


(そうだそうだ…すっかり忘れとった。川畑クンであり過ぎたかのう、フムフム。
 正直、今の状況はいまいち把握できんが、まあ良い。私は天才だからな。
 それから、松島クンには今一度教えておく必要があるな……)


ドシュゥゥゥゥーーン!!


川畑の両肩から腕が飛び出す!!
白衣から覗く赤と青の腕!!数式や記号!!掌の波紋!!
その見覚えのある両腕は、周りを取り囲む二人の男の腕を掴む!!
辛うじて掴まれるのを逃れた松島は、驚愕の顔を浮かべている…。

「その腕ッ!!スタンドッ!!お前……いや、あなたはッッ!?!?」

川畑(の顔した男)はニヤリと笑うと、高らかに声を上げる。

「私のォォ!!スタンドこそォォ!!究極のォォ究極ゥゥゥゥッ!!!!
 そォォれェェェェッ!!!!融合ゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!!!!」


パワワワワワワワワ…………チーン!!

798なんみん:2006/05/31(水) 11:26:20.21 0
ここまで!!

364さん…乙です!休み明けで忙しいのってキツいっす!

そして、みなさんではではノシ
799名無し募集中。。。:2006/05/31(水) 11:31:10.64 0
乙ッ!
800名無し募集中。。。:2006/05/31(水) 11:43:45.01 0
あ、すみません
キツいってのは自分がじゃなくて、364さんがお仕事大変ですねって意味です
799さん早速dです!
801名無し募集中。。。:2006/05/31(水) 11:52:20.12 0
800超え久しぶりだな
802名無し募集中。。。:2006/05/31(水) 12:50:07.00 0
803名無し募集中。。。:2006/05/31(水) 14:19:21.40 0
804名無し募集中。。。:2006/05/31(水) 15:10:39.13 0
n
805六部198
いい天気だな
それはさておき乙ッ!
所長キター!!