高橋が以前のPK失敗をいまだに根に持ってた件

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14名無し募集中。。。
「もらってきたー!」
ホットプレートの載った台を嬉々として引っ張ってくる彼女を見たとき、
わたしは例えようの無い戦慄を覚えた。なぜ彼女は平気であんなことが出来るんだろう。
わたしたちはゲームに負け、その結果としての漬物を味わっているのだ。
あの焼肉は、スタッフが用意した演出なのだ。わたしたちは悔しそうな顔をし、
スタッフに恨み言の一つも吐けば、それで番組は完成するのだ。
それなのに、なぜ。
わたしたちはその瞬間、無言となった。新垣の嬌声の残響が虚しくスタジオに響く。
彼女が引っ張る台に載ったプレートから、電源コードが伸びている。
見る見るうちにその弛みが無くなり、コードは限界まで張り詰めた。
スタッフが駆け寄る。わたしたちは声にならない叫びをあげる。
がっしゃーん!
プレートはコードに引っ張られる形で見事な弧を描いて床に落ち、
台は慣性の法則に従ってコロコロと動きつづけていた。
彼女は薄ら笑いを浮かべたまま振り返り、そのまま永遠とも思えるような
時間が流れた。だがそれは実際には1秒もなかっただろう。
辻が落胆の絶叫を発した。それが引き金となったかのように、彼女は体を
びくんと震わせ、次の瞬間、床に散らばる肉片に飛びついた。
彼女は素手で一心不乱に肉を掻き集め、多量の埃を帯びた肉を小皿に移している。
わたしたちはその姿を憐憫の眼差しで見つめた。彼女は、必死なのだ。
矢口が声をかける。「高橋、もういいよ・・」
しかし彼女の卍にはもはや誰の声も届いていないようだった。
「もういいって!」矢口は彼女の肩を掴み、こちらを向かせた。
そして、誰もが息を呑んだ。
眼に宿る光、顔つき、歪んだ口元、そのどれもが正常な彼女のそれではなかった。
彼女は、埃まみれの肉が載った小皿を藤本に突き出し、言った。「食べてください」
藤本は恐怖の表情を浮かべ、後ずさりしながら小皿を手で払った。
肉と小皿が宙を舞い、床に落ちる。彼女は「ヒッ」と小さく叫んでから床に崩れ落ちた。
「あっ・・大丈夫?」藤本が彼女に声をかけようと床に膝をついた途端、
彼女は再度体を震わせ、小さく呟きはじめた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・・」