「…あのさ、当事者の僕が言うのもなんだけど、新垣にもちゃんと知らせたほうがいいんじゃないの?
亀井だけが新垣の気持ち知ってるって言うのは不公平のような気がする」
「…不公平っていうなら、ガキさんもずるいよっ!
ガキさん、中学校の時からキミのこと知ってるのに、絵里は高校入ってからなんだよ?」
少し大きめに出された声は、エンジン音のおかげで目立たずに済んだ。
照明に反射した亀井の瞳が少し潤んでいるように見える。
そんな事を言われてしまっては、僕は何も言い返せない。
「……絵里、もう寝る」
亀井は、ふてくされた子供みたいに言って、僕に背を向けるようにしてシートに身を委ねた。
その横では、やっぱり少し眉を歪ませた新垣が瞳を閉じていた。
一人、現の世界に取り残された僕は、新しく知りえた事実を頭の中で整理しようと試みた。
しかしその思考はうまくまとまってくれそうもない。
目を閉じてみても眠れそうになかった。持ってきた文庫も開く気にもならない。
亀井の話し声が無くなった車内には、ただバスの走行音が響いていて。
僕はその音にじっと耳を傾けていた。
899 :
名無し募集中。。。:2006/02/08(水) 01:34:13.52 0
こっちもなんだかいい展開。
作者氏乙。
900 :
名無し募集中。。。:2006/02/08(水) 02:39:23.42 0
ふぉ
作者さんお疲れ様です 相変わらず読みやすいです
>>865 たまに行きますよ
土日がちょっと用事がある事が多いのであまり行けないですが
近くに来た時は行くようにしてます
>>866 一回アノ雰囲気を味あわせてあげたいw
>>867 現場デビューおめ!
次回はどこに行くんですかね?
もしかしたら横アリですれ違ってるかもしれないですね
>>872 地方の辛さはよ〜くわかります
数年前までは自分もハロモニが見れない地域でしたから
>>874 遠征も結構楽しいですよね
まだ数回しかしたことないですけど
>>875-876 自分もほぼ一人ですよ
行き帰りが少し寂しいものがあしますけど
コンサ中はステージに夢中ですからねw
ま〜でも正直ヲタ友欲しいですね
>>877 久しぶりに行ったらハマっちゃうかもですね
自分もその口でした
と、夜中にウザイ位のレス申し訳〜
アナザーストーリーもいい感じですねぇ
続き待ってます!
乙です!
いい感じの出だしですね
>>896でえりりんが言い直した部分が気になりますが、いずれ明らかになるんでしょうね 期待してます
905 :
名無し募集中。。。:2006/02/08(水) 05:27:44.73 0
乙です
906 :
名無し募集中。。。:2006/02/08(水) 07:30:40.52 0
ho
も
げ
910 :
名無し募集中。。。:2006/02/08(水) 14:07:43.66 0
ho
911 :
名無し募集中。。。:2006/02/08(水) 15:18:17.31 0
ze
912 :
名無し募集中。。。:2006/02/08(水) 16:52:12.85 0
n
913 :
名無し募集中。。。:2006/02/08(水) 17:20:12.29 O
フジヤマ編良い!
続きが気になりますねー
作者さん乙です!
ほ
り
え
も
918 :
名無し募集中。。。:2006/02/08(水) 20:03:26.73 0
ん
り
920 :
名無し募集中。。。:2006/02/08(水) 20:21:28.52 0
「…あのさ、当事者の僕が言うのもなんだけど、新垣にもちゃんと知らせたほうがいいんじゃないの?
亀井だけが新垣の気持ち知ってるって言うのは不公平のような気がする」
お化け屋敷編の方をラストまで読んじゃったからかもしれないけど、主人公のこのセリフがなんとなく気に障ったというか
ちょっとショック
亀井編の主人公とは別人って割り切って呼んだほうがいいんですかねやっぱ
って横槍スマソ
続き楽しみにしてます
>>921 言われてみれば確かに告白されて悩んでる人物の発言にしては調子乗り杉かも
三角関係を楽しんでるっぽい印象があるよね
でもこのときの主人公は二人から同時に告られて浮かれモードだったって思えば
大して気にならないんじゃない?
フジヤマ編と前回の亀井エンドは完全な別物と割り切った方がいいと思うよ
むしろそうであった方が面白いし
主人公のその発言「新垣にもちゃんと知らせたほうがいいんじゃないの?」の部分が、
実際に知らせたら三角関係をさらに悪化させることになるから
読んでて気になったって意味か
>>921 納得した
別に悪意は無くて、単にこの主人公は鈍感なやつなんだよきっと
>>921 俺は読んでて気にならなかったけど、そう言われてみればそうだな
>>925の通り、主人公が鈍感なんだと思う
>>921 言われてみて、ミスった事に気づいた
新垣と亀井がお互いの気持ちを知らないと主人公が考えた根拠として
一方が相手の気持ちを知りながらアタックをかけるようなことはしないと信じてる点があるんすよ
ようするにどっちも抜け駆けをするような性格ではないと
で、今回亀井が喋った内容がそれに反しているから戒めるという意味での件のセリフだったんだけど
別にこれ、抜け駆けではなかったね
一方的に相手の気持ちを知ってる→抜け駆けじゃー!と何故か思ってしまったのがミスの原因でした
なるべく話の整合性は保とうとはしてるけど、書いてる側もたまに混乱するんで
ひょっとしたら
>>924のように考えてくれたほうがいいかもしれない
とりあえず主人公鈍感解釈で乗り切っていただければ、ありがたいことです
以上、長々と言い訳
928 :
926:2006/02/08(水) 22:06:59.27 O
>>927 ドンマイですよ!!
主人公のこれまでの言動を見れば、かなり鈍感なのは間違いないしw
抜け駆けかどうかはえりりんの
>>896での発言で前フリしてると感じたので、もう少し見守りたいと思います
これからも楽しみにしてますんで、無理せずゆっくりと執筆してくださいね
929 :
名無し募集中。。。:2006/02/08(水) 22:21:40.86 0
ho
ho
主人公は物語の中を生きている
その人の生き様をあーだこーだ言ってもしゃーない
>>931 それを言ってしまったら、小説系スレの存在価値って…
小説スレの存在価値=作者のオナニー
934 :
名無し募集中。。。:2006/02/09(木) 00:28:03.95 0
実は以前「プールの季節」のスレで小説を書いていた者ですが、
今日偶然このスレを発見した時は、何か探していた宝物がようやく見つかったみたいな気分です。
で、2時間くらい時間をかけてじっくりと読まさせていただきました。
193さん、影ながら応援してますんで頑張ってください。
えりりん編のラスト良かったですよ。
ガキさん編も楽しみにしてます。
自分も話のネタはあるんだけど、転職してから書く時間が・・・(^^;
935 :
名無し募集中。。。:2006/02/09(木) 00:38:37.07 0
うぇちょちょちょプールスレの作者キタコレ!!!!111
936 :
名無し募集中。。。:2006/02/09(木) 01:14:42.12 0
>>934 おか絵里なさい。
今は時間がないではなく作品を温める時期では?
氏の作品は最高でした。
いつかまたお願いします。
937 :
名無し募集中。。。:2006/02/09(木) 01:17:18.62 0
934です。
あ、申し忘れましたが、ちなみに「真夜中の校舎」の方です。
おやすミキティ〜
「真夜中の校舎」はまとめスレで読まさせていただきました
たっぷりと青さと痛みを味あわせていただきました
ごちそうさまでした
>>891-897 つづき
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学校生活というのはまるで長い川みたいなものだと思う。
そこに通う生徒たちは、その川の上を行く舟のようで。
舟には、不安だとか悩みだとか、そういった名前の荷物を積んで進む。
時々流れが激しくなったり、障害物があったり、支流に分かれていたりするものの、
基本的には流れにぽかんと乗っかって、漂っていれば海に出る、すなわち卒業だ。
僕はなるべく荷物を積まずに、なるべく穏やかな流れに乗っかってその川を進みたかったのだが、
何の因果か、激しい流れに身を委ねることもしばしばだった。
今、文化祭という激しい流れを乗り越えて、再び僕は穏やかな流れに漂う。
しかし、流れが穏やかになると、途端に、積み込まれていた荷物の重さが気になったりするものだ。
急流に流されている時は気にならなかったその積荷が、急に重みを増す。
―――ところが本日、その積荷が一つ、消え去ることとなった。
それも、すごくあっさりと。
意外な形で。
このベンチが3人分の重みに耐えるのは久しぶりのことだった。
新垣が文化祭の演劇練習を昼休みに始めて以来だから、約2週間ほどだろうか。
気づくと、吹く風にも少しずつ冬の香りが混じっているような気がする。
この3人でこうして顔をつき合わせていることの危うさを、僕は改めて噛みしめていた。
それは昨日、バスの車内で交わした亀井との会話がもたらしたものである。
頭の中に描いていた僕らの関係図を少々修正しなけらばならなかった。
今までの関係図は新垣と亀井の気持ちが僕に向いていて、
その二人は友達同士でお互いの気持ちは知らない、といった感じ。
こんなことを自分でいってしまうのも赤面ものだが、俗に言う三角関係というやつである。
基本的にその構図は変わらないものの、修正を加える部分は新垣と亀井の間だ。
新垣は亀井の気持ちを知らず、亀井は新垣にほんのちょっとのライバル意識を持っている。
その違いを知っただけで、こうも緊張感が生まれるとは。
それでもどうにかこうにか僕は普段通りの振る舞いで平静を装っていた。
「そういやさぁ、新垣、また生徒会やるんだな」
今朝、昇降口の掲示板に生徒会役員選挙の公示があった。
新垣が立候補していたことを、僕はそこに書かれていた文字で初めて知ったのだった。
「うん、今、生徒会やってるコに頼まれちゃってね、人数足りないって。
実はまだもう一人分、足りないんだよね。誰かやってくれる人が出てくればいいんだけど」
ふーん、と頷いて、その言葉を聞き流した僕だったが、新垣のやけにあっさりとした態度に、
心のどこかで違和感を感じずにはいられなかった。
今までの新垣からすると、人数が足りていないのであれば僕に声が掛かってもおかしくないところである。
事によると勝手に立候補を申し込まれているケースすら容易に想像できる。
…まあ、新垣もようやく人を巻き込むことの罪というものに気づいたのかもしれない。
そうか、ようやく、僕は晴れて自由の身になったのだ。
ビバ、この支配からの卒業。
ビバ、マイペースな学校生活。
「あ、じゃあガキさんが受かったら生徒会室に遊びに行こう!」
「カ〜メ、生徒会室は遊ぶところじゃないのっ」
「…中学ん時は十分遊んでたけどな」
中学校の生徒会室は、それはひどいものだった。
アイドルのポスターとガンプラが同居している空間。
そこで僕は本を読んでたり、傍らでは女子の役員が編み物をしてたりと、まあやりたい放題だった。
新垣はここの生徒会室にもポスターをベタ貼りするのだろうか。
―――僕の頭に一瞬、風景が浮かんだ。
四方八方ポスターに囲まれた部屋。
それは文化祭のクラス展示の関係で何度か足を踏み入れたことのある、この高校の生徒会室だった。
そこで好きなアイドルの曲の振りまねをしている新垣。
その傍らには―――本を読んでいる僕の姿が見えた。
…いったい何を考えているんだ。
僕はもう新垣の支配からは逃れたんだ。
首をプルプルと振って、その風景をかき消した。
そして僕は話題を変えるために、声高に切り出した。
「あのさ、もうそろそろ屋上に集まるのは厳しくない?」
「あー、そうかもねー」
確実に僕たちをこの場所から追い出そうとしている冷たい風を、
―――目には見えないけれど―――睨みながら亀井が頷いた。
去年は3人ともクラスが同じだったから場所を探すなんていう必要はなかったのだが、今は訳が違う。
僕と亀井は、使えそうな教室をあれこれ思案した。
が、どれも先客がいそうで、なかなか理想の移民先は浮かばなかった。
「やっぱ生徒会室だ!」
「…それはダメだろ、さすがに」
中学校の時、生徒会室はまるで僕たちの部屋だった。
自分の部屋に知らないヤツがずかずかと入り込んできたら、腹が立つだろう。
高校でもそういうものなのかどうかは分からないが、
やっぱりまったくの部外者がのうのうとお昼ご飯を食べていい場所ではない気がする。
と、はじめ、目の前で繰り広げられている僕たちのうだつの上がらない会話をぼんやりと見守っていた新垣だったが、
腕を組んで少し考えた素振りを見せた後、唐突に会話に割って入った。
「ねえ、それよりさ、カメ、私に何か隠してない?」
亀井の肩がギクリと強張った。
>>939-942 書けたとこまで
明日でこのスレ最後か
はたまた次スレになってるのか
とりあえず見つけたスレに書きます
944 :
名無し募集中。。。:2006/02/09(木) 02:29:03.29 0
作者さん乙です
とりあえず保全
次スレの準備はしといたほうがいいな
このスレの小説の保存&うpもよろしく
946 :
名無し募集中。。。:
作者さん乙
ワクテカしながら寝るよ