1 :
名無し募集中。。。:
2 :
名無し募集中。。。:2006/01/14(土) 17:41:35.54 0
梨華ちゃんありがとう
3 :
名無し募集中。。。:2006/01/14(土) 17:42:32.51 0
乙!
4 :
名無し募集中。。。:2006/01/14(土) 17:43:26.07 0
利華ちゃんのおかげで告白が大成功!!!
5 :
名無し募集中。。。:2006/01/14(土) 17:44:05.66 0
リb*^ー^)ノ|c|*・e・)<落しちゃダメなのだ
6 :
名無し募集中。。。:2006/01/14(土) 17:44:58.31 0
もちつけ
落としたんじゃない、落ちたんだ
7 :
名無し募集中。。。:2006/01/14(土) 17:45:41.67 0
前スレって276までしか見てないんだが
どのくらいまで行ったの?
8 :
名無し募集中。。。:2006/01/14(土) 17:46:28.95 0
>>1 おっつんこ!
作者さん頑張れ!
自分もガキさんと亀ちゃんと頑張る!
9 :
名無し募集中。。。:2006/01/14(土) 17:47:57.03 0
10 :
名無し募集中。。。:2006/01/14(土) 17:51:05.97 0
>>9 そう言えばそうだったねorz アホだね、自分。
新スレ乙です
今日分はこれから書くんだけど、前スレ見れない人のために一応再掲します
###
人は一生の間に三回だけ異様に異性に好かれる時期が訪れるらしい。
いわゆる"モテ期"というやつだ。
実しやかに囁かれるその噂の真偽は定かではないが、かくゆう僕も中学時分、その話を耳にした時にはこう思ったものだった。
"三回なんて贅沢はいわない。一回でいいからモテてモテて仕方ないという状態に陥ってみたい"と。
しかしそうなったらそうなったで案外辛いという事をその時の僕は考えもしなかった。
人の想いは、重いということ。
つまらない駄洒落みたいだけど。
その想いが純粋であればあるほど―――重い。
###
窓際の席からの風景。
晴れ渡る秋空、それをすぱっと真っ二つに切り裂くように伸びるひこうき雲。
風にそよぐ木々の葉はその色を少しずつ秋の装いに変えていた。
なんとも穏やかな光景。
穏やか過ぎてあくびが止まらない。
頬杖をついた僕は壁に掛けられている時計にちらりと目をやり、その針の進みの遅さに落胆させられた。
この授業を乗り切れば昼休みなのだ。
だのに一体誰が考えたか知らないが、なんとも意地の悪い時間割だ。
体育でさんざん体を動かした後に、最も退屈かつ最も僕と相性の悪い古文の授業がでんっと立ちはだかっている。
おそらくほとんどの高校生がそうであるように僕も古文というものにさほど興味がなかったし、何より古文の担当教師が好きになれなかった。
小太りで狐目。どこか怯えたようなその目で人を舐めるように見回す。口癖は「君たちには"わびさび"というものが無いね〜」。
オマエが"わびさび"とかいうなっ、ときっと誰しもが思っているに違いない。
黒板に馬鹿丁寧に書かれる文字も、その文字を書くために費やす膨大な時間も、僕をうんざりさせた。
つまるところ、古文なんか必死に勉強したところでこういう大人になっては何の意味もないと常々僕は思っていたのだ。
今日も今日とて、彼はゆっくりゆっくりと黒板の上に白いチョークの粉をつけていく。
文字を書く、というよりはそういう表現のほうが正しいと思った。
その間、僕の視線は窓の外と時計とを何往復もし、その都度ため息をついた。
やがて僕は怠け者の時計の針に期待することを止めた。
もう半年のお付き合いになるというのに新品同様の古文の教科書をバリケードにして、頬杖をついたままそっと目を閉じた。
"果報は寝て待て"というし。自分に言い聞かせる。
授業終わりのチャイムがきっと目覚ましに代わって僕を起こしてくれるだろう。
耳に響きはじめた古文の朗読は子守唄にしてはずいぶんと人を不快にさせる声だが贅沢は言ってられない。
首の角度が徐々に下がっていって、ようやく夢の世界へのドアノブに手を掛けようとした時だった。
―――背中に何かが当たっているのを感じた。
細長い物体―――おそらくボールペンと思しきものが学生服越しにぐりぐりと押し付けられていた。
はじめ僕は頬杖をついたまま無視を決め込んだが、あまりのしつこさに業を煮やして振り返ろうとした瞬間、ボールペンが背中に当てられたまま横にすっと移動した。
続けざまにその線を等分するように縦に線が引かれる。
ボールペンは背中から離れずに、そのまま反時計回りに楕円を描く。
最後に右上に点。
僕はちょっと考えて、それが平仮名の『お』の字であることに気づいた。
背中に当てられたボールペンは、続いて横に短く線を二本引いた。
その二本の線を上からやや斜めに串刺すようにさらに線が引かれる。
離れたボールペンは左下に移動し、右斜めへと流れるように背中をなぞった。
今度はすぐに分かった。これは『き』だ。
『お』ときて、『き』ときて、僕の頬杖ついて垂れ下がった首から連想される次の文字は―――『ろ』。
しかし続けて行われたボールペンの動きは、僕の予想をまったく裏切るものだった。
比較的じっくりと書かれた今までの二文字とは明らかに異なるスピードでさらさらと複数の文字を書き上げたのである。
僕は背中の感触を思い出しながら、首を傾けてしばし思考した末、ノートをちぎって"酸素でも発生させますか?"と書いて後ろに放った。
後ろから「…ウヘヘ♪」と小さく笑うのが聞こえた。
どうやら残りの文字は『しどーる』で正解だったらしい。
突如にして始まったこの背中文字書きクイズは二問目以降も用意されているらしく、背後に不気味にそびえる出題者は早速次の問題を書き始めた。
僕はこの後三枚のメモを後ろに放ることになった。
"外国の空港とかで特に注意"
"見つかると多額の賠償金、よい子はやっちゃダメだぞ!"
"あー♪わたーしぃーのこぉーいはー♪"
正解は順に『びき』『いし』『なわ』。
正解をまんま書かないのも、いつの間にかこのゲームのルールになっていた。
気まぐれな出題者は5問目を用意していなかったらしく、しばし間が空いて、手持ちぶさたになった僕は頭の中で青い珊瑚礁を口ずさんで次の出題を待った。
みぃなぁーみのぉー♪ 風に乗ってはしぃーるわぁー―――っと。
ようやく出題された5問目に僕は背中に神経を集中させる。
まずはお決まりとなった恒例の2文字から。
横棒ひいて、縦線引いて、反時計回りに楕円、そして―――って、おい。
出題者は自分の犯したミスに気づいた様子もなく、次の『き』の文字をさらさらと書き終えた。
…たく、平仮名くらいちゃんと書けよな。
『お』の点を書き忘れるなんて小学生じゃないんだから。
そういえば、と僕は昔を思い出した。
国語のテストで今とまったく同じミスをして99点の答案を受け取った時の事を。
その時の何とも言いがたい気持ちがこみ上げてきて、僕は寛大な心をもってこのミスを見逃してやることにした。
昔の思い出に浸りかけていた僕はまた背中に意識を集中させる。
が、その必要はないようだった。
ボールペンの動きがぴたりと止まっていたからだ。
ひょっとしてこれが問題なのだろうか。
『お』と『き』。
導かれる言葉は『沖』か、はたまた『隠岐』か。
ひっかけ問題―――にしては芸がなさすぎると思って、僕はとんとんと机を指で叩いて続きを催促した。
しかし後ろの出題者からは、続きの文字を書く気配がまったく感じられなかった。
痺れを切らした僕は"早く書け"というメモを書いて後ろに放ろうとした、その時。
教壇に立つ狐目と目がばっちり合った。
つかつかと僕の席に近づいてきた狐眼はメモを奪い、それに目を落とすと肩をプルプルと震わせた。
「…これは私の事を言っているのかね」
「…は?」
狐目の言っている意味が分からなくて僕は素で聞き返してしまった。
そんな僕の態度が余計気に障ったらしく、狐目は声を張り上げた。
「知ってるんだよ!キミたちが私の板書の事を笑っているのは!」
…なるほど、そう言うことか。
僕が出題者に対して"早く書け"と催促したのを狐目は自分のことが言われていると勘違いしたのだ。
「どうせキミだっておかしいと思っているんだろ!?」
「…はい。……あ、い、いや、違います」
「あー!オマエ今、はいって言ったな!馬鹿にするのもいい加減にしろ!だいたいなぁ、キミたちは―――」
うっかり口を滑らせてしまった僕は、狐目の説教とも癇癪とも覚つかない罵声をただただうなだれてやり過ごそうと決めた。
言いたいことを好き勝手言わせておけば、そのうち言いたい事もなくなるだろう。怒るのにだってネタと体力は必要なのだ。
すっかりダンマリを決め込んだ僕だったが、この事態を引き起こした元凶のことをはたと思い出した。
うなだれたまま、ちらりと僕の後ろの席に座る人物を見やった。
そもそもの元凶であるクイズマスター―――亀井絵里はニヤニヤと笑みを浮かべて僕を見ているだけだった。
###
屋上に設置されているベンチは、ベンチそれ自体立っていらるのが不思議なくらいオンボロなものだった。
腰掛けるのも申し訳なくなるほどなのだが、今日も今日とてこれから3人分の重さに耐えなければいけない。
しかし今のところ、どうやら僕一人だけの体重で済んでいるようだ。
一人はベンチには座らずに鉄製の柵から身を乗り出すように校庭を見下ろしていて、もう一人は―――まだ来ていない。
僕は独り言のように、しかし目前にいる人物にはしっかりと届くくらいの声で呟いた。
「あー、誰かさんのせいでひどい目にあった」
「ダメだぞー、授業中にメモ交換なんかしてたら」
「…誰のせいだと思ってる?」
僕のツッコミはウヘヘ♪という亀井独特の奇妙な笑みでさらりとかわされた。
狐目の説教らしきものはかれこれ10分ほど続いて、その間僕は教科書に描かれていた清少納言の絵とずっとにらめっこを続けた。
おかげで狐目の言ったことなんかこれっぽっちも覚えていなかったが、頭の上で誰かが怒鳴り続けるというのはそれだけでなかなかの苦行だった。
しかしそれを乗り越えたからこそ、僕はこの昼休みという平穏な時を手にすることができたのである。
この屋上に集まる生徒たちはみな多かれ少なかれそんな苦行を乗り越えてきており、だからこそこの場所は開放感に満ち溢れている。
たとえば柵に斜め懸垂のようにぶらさがってみたり、かと思えば秋にしてはさんさんと輝く太陽に向かって突然手をかざしてみたりと、すっかりはしゃいでいる亀井なんかはその開放感を全身で表現していた。
「それにしても、問題はちゃんとできてから出題するべきだと思う。出題者失格」
「えー、なんの事?」
「さっきの。『お』と『き』書いただけで止まったじゃん。その場で問題考えたりなんかしてるから怒られるハメになった」
「あー、あれね。ふふーん。そっか、あれかー。――――――フヘヘ♪」
亀井はしきりに動かしていた体をぴたりと止めて、柵に体を預けたまま顔だけくるりとこちらに向けてみせた。
意味ありげな笑みを浮かべて、僕の目を覗き込む。
「何ですか、そのキモチワルイ笑みは」
「キモチワルイっていうな」
「じゃあブキミ」
「それもダメ」
「…で、結局何なんだよ」
「ムフッ♪知りたい?」
「…別に」
「知りたいくせに〜♪」
僕は「言いたいくせに〜♪」という言葉が頭に浮かんだが、自分のキャラにそぐわないと判断してそれを飲み込んだ。
しかし実際のところ、そのとおりだったらしい。
誰も頼んでないというのに、亀井は「どうしよっかなー♪」ともったいぶってみせてから、ニヤリ、と笑みを浮かべた。
「よーし、じゃあ教えてあげよう」
偉そうに言って、今度は体ごと僕のほうに向き直る。
ベンチに座る僕が亀井の顔を見上げる格好になった。
先ほどのニヤニヤとした表情とは一変、最近ではあまり見ることのない真剣な表情をしていた。
そのせいだろうか。
僕たちの間にさっきまで流れていた日常の空気が、何か別のものに変化していくように感じたのは。
亀井の短い髪が秋風に少しだけ揺れる。
屋上にいる他の生徒たちの嬌声も、どこか遠くで鳴っているようだった。
亀井はしばらく唇をきゅっと結んだままで、じっと僕の目を見つめた。
やがて何かを決心したように薄く目を閉じると、固く閉ざされていた口がゆっくりと開いて――――――
「………やっぱりやーめた♪」
僕は思わずベンチからずり落ちそうになるのをすんでの所で食い止めた。
亀井はいつの間にやら、いつものへらへらとした表情でフェンスに寄っかかる。。
…そこまで引っ張ってそれかよ。
さっきまで流れていた異質な空気は日常の風にあっさりと吹き飛ばされていた。
ただひとつ、僕の手の平にじっとりとかいた汗だけを残して。
僕はそれをこの強すぎる太陽光線のせいにすることにした。
今日は本当に暖かいのだ。暑いといってもよいくらいだ。
自分に言い聞かせているそばで、亀井は呑気にぶんぶんと手を振りはじめた。
「あー、やっときたー。 おーい、ガキさーん」
僕はベンチに寄っ掛かったまま、首だけぐっと反らして背後を見た。
逆さまの風景には慌ててこちらに駆け寄ってくる人物が見える。
沢山の笑い声が飛び交うこの屋上においてもよく通る、何か叫んでいるような甲高い声。
パタパタと風に舞うスカートが視界に入ったあたりで、頭に血が上り始めた僕はよっこらせと体を起こした。
「ごっめ〜ん!遅くなったぁ!」
血が上って少しクラクラする頭に、今度はキンキンと響くような声。
待ち人―――新垣里沙は、いったいどこから走ってきたのだろう、おでこにうっすらと滲んだ汗を腕でごしごし拭いながらハァハァと息をついていた。
>>12-20 以上前スレ分でした
ほんのちょっと訂正したり
ではまた
22 :
名無し募集中。。。:2006/01/14(土) 19:05:29.34 0
38文字くらいで改行してくれるとお兄さんうれしいぞ
楽しみがまたひとつ増えた、作者乙
トリップつけて
26 :
名無し募集中。。。:2006/01/14(土) 19:58:34.29 O
ほ
27 :
名無し募集中。。。:2006/01/14(土) 20:59:24.63 0
orz
28 :
名無し募集中。。。:2006/01/14(土) 21:38:15.65 O
ほ
29 :
名無し募集中。。。:2006/01/14(土) 22:09:31.56 0
ho
決まった時間、決まったバス、決まった席にいつものように座る
窓枠に肘を乗せなんと無しに外を眺める
駅に向かう反対車線は一向に動こうとしない
もう既に一仕事終えたかのようにくたびれた顔をしたサラリーマン
バックミラーを覗き込みアイラインをペンシルで整えるOL風の女性
イラついた表情で窓から顔を出し前方をにらみつける咥えタバコのおっさん
そんな顔がいくつも並んでいた
いつか俺もあんな感じになっちゃうのかね、嫌だ嫌だ
俺の吐くため息に合わせてバスの速度が落ち停留所に止まる
プシュー
扉が開いたので俺は姿勢は変えず目線だけを向ける
乗り込んでくる人達の中に新垣と亀井の姿があった
「おっ○○君、今日も冴えない顔してるねえ」
「うっせ、よけいなお世話だ」
「おはよー○○君、危なかったねえガキさん、間に合わないかと思ったよ」
「いや亀、あんたが家出るの遅いからだから、もー毎日毎日ブツブツ・・・」
「あー隣り空いてるね、座っていーい?」
「っておい聞こうよ人の話を、いやむしろわたしも座りたいから」
見渡すとどうやら空いている席は俺の横しかないらしい
>>30 「やー 絵里が座るう、そのほうが○○君も嬉しいよきっと」
「ちょっ勝手に決めるな、わたしも座りたいんだって
誰のせいでバス停まで走らされたと思ってんの?」
「えー?じゃあ決めてもらおーよ」
「よし、そーしよ、ほれどっっちがいいのさあんたは?」
へっ何で俺?いや人見てんだけど勘弁してくれ
「いやっあの、えーと・・・」
「ねっ絵里でしょ?、ねぇねぇ?」
少し顔を傾けアヒル口の亀井
「なっ、あんたは黙ってて、わたしでしょ?そーでしょ?」
妙にニコニコいてる新垣
俺は仕方無しに二人の後ろにいたお婆さんに声をかける
「え、えと、あっお婆さんここどーぞ」
なんか声裏返った俺・・・orz
「あれ、すまんねえ、おじーさんここ」
うそ?2人だったんだ・・・
作り笑いで席を立つ俺は
「最近の若い子にしては珍しく良い子だのぉ」
そう声をかけられた
−−−−結局、俺を真中に3人並んでつり革に捕まり立っている
「うまく誤魔化したねぇ、まっお年寄に優しくするあんたはなかなかいい奴だ
わたしが見込んだだけあるね、うんうん」
一人で納得して頷く新垣
「へへぇ、これでびょーどー、びょーどー、でも今度はちゃんと選んでよ、いい?」
相変わらずくにゃりと笑う亀井
いや、無理っす・・・選べないっす・・・
でもこの状況悪くないや
乙〜
33 :
名無し募集中。。。:2006/01/14(土) 23:36:46.10 0
GJ上げ
34 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 00:25:57.26 O
保全した方が良いらしいな
トリつけます
前スレのつづき
###
3人並んで座るベンチ。左、亀井。右、僕。真ん中、新垣。
別に決まりごとというわけではないが、この並びでないとどうも落ち着かないような気もする。
「ダメでしょ〜がぁ〜!授業はちゃんと受けなきゃ!」
亀井からさっきの授業の顛末を聞かされた新垣が眉を八の字にまげて、手にした箸で僕の方を指す。
説教をくらうのは狐目だけで十分だと思った僕は、
パックの牛乳のストローを口に咥えて視線をそらし続けた。
「そうだ、そうだー、授業はちゃんと受けろー」と亀井は新垣の言葉に乗っかってはしゃいだが、
その途端新垣の首がくるりと180℃回った。
「カメもでしょ!ちょっかいかけないの!めっ!」
その迫力に気おされた亀井は「はぃぃ…」と小さく洩らして肩を落とした。
ストローから口を離して、僕はぽつりと言った。
「人の事、言えないくせに」
新垣の目がピクリと引きつった。
反対に沈んでいた亀井の瞳にはニヤリと怪しげな光が宿った。
「だーよねー。去年うちらの中で授業中、一番寝てたのってガキさんじゃん」
言いながら、亀井の肘が新垣の脇をうりうりと突付く。
新垣は痛いところをつかれたのを無理やり誤魔化すように声のトーンを上げた。
「あ、あれは仕方ないの!全力を尽くした結果っていうか、倒れるときは前のめりっていうか…
やる気はあるんだよー、やる気は!」
やる気があるのは、知ってた。
新垣は授業前の準備は欠かさなかったし、
授業の序盤はどうにか内容を理解しようと必死に教師の話に耳を傾けていた。
しかし集中力が続かないのもまた事実だった。
結局机に突っ伏してスースーと寝息を立てている新垣の事を、
僕はペン先で指差しては亀井とこっそり笑ったものだった。
―――そう、僕たちは去年同じクラスだったのだ。
もともと僕と新垣が中学時代からの腐れ縁で、高校に入ってそこに亀井が加わった。
入学時、出会った頃の亀井は今からは想像もつかないくらい大人しい女の子だった。
ぽつんと自分の席に座っている姿を見てまるで日本人形のようだと思ったのを覚えている。
日本人形といっても手放しに誉めているわけではない。
髪を切っても切っても伸びてくる類の、
いわば呪われた人形のような陰鬱なオーラが彼女にまとわりついていたのである。
それが今やこんな能天気で奇天烈な娘に変わってしまうのだから人生分からない。
…そのことがいい事かどうかは、僕は判断しかねるが。
と、僕が人の変化というものにしみじみ感心していると、
当の人類変化の可能性の象徴・亀井絵里はいっちょまえに遠い空なんかみつめがらポツリと呟いた。
「…今年は文化祭、一緒にやれないんだよね」
「…まー、そりゃクラスが違うからね。仕方ないじゃん」
「あーあ、またエリザベスやりたかったなぁー」
もしかしてプールスレの人?
去年の文化祭のクラス発表。
僕たちのクラスはオリジナルの演劇をやることになった。
僕はそういったクラスの団結から一歩引いた位置にいたはずなのだが、
ひょんなことから僕がその演劇の脚本を書くことになってしまった。
新垣が僕に脚本を書かせることをクラスに提案し、それがものの見事に可決したのである。
まったく余計なことをしてくれたと思いながら、
僕は半ば悪ふざけでロミオとジュリエットのパロディらしき話を書いた。
で、エリザベスというのはロミジュリでいうところのジュリエット、すなわちお姫様のほう。
フルネームはエリザベス・キャメイと名づけた。
脚本執筆を引き受ける代わりに僕は条件を一つ出した。
それはキャスティングを僕に一任するということ。
僕の書いた台本に登場するお姫様は奇天烈で破天荒な性格だった。
僕はそのお姫様の役に当時クラスでも影の薄い存在だった亀井を指名した。
"エリ"ザベス・キャメイといのは当然のことながら亀井絵里を意識して付けた役名である。
普段大人しい人間がはっちゃけた役をやれば面白いだろうという浅はかな考えによるものだった。
亀井は本番の直前まで「絶対ムリ」とか「文化祭の日は学校休む」とかネガティブ発言を繰り返していたが、
いざ無理やりステージにあげるてみると脚本家の期待を見事に上回るアクトを魅せた。
その言動と行動はあまりにエキセントリックで、舞台のほぼ全てがアドリブで進行し、
僕の書いた脚本は結局無意味なものとなった。
思えば、あの時亀井の中で何かスイッチが入ってしまったのかもしれない。
ステージに上がる前の亀井絵里とステージから降りてきた亀井絵里とでは何かが変わっていたような気がする。
ところで、姫がいるならもちろん王子もいるわけで。
それは当然この僕――――――と、いいたいところなんだけど。
「ガキさんもまたやりたいでしょ?マメ王子」
「うーん、やりたいような、やりたくないような…」
王子役には新垣を指名した。
語尾に必ず「〜〜マメ」とつけて喋らせた。
脚本を僕に押し付けた仕返しだった。
ちなみにマメというのは中学時代の新垣のあだ名で、それをこの高校にも浸透させるのが僕の目的だった。
目論見は見事に成功し、文化祭終了後もマメと呼ばれ続ける新垣の姿を見て僕はこっそりほくそえんでいた。
で、結局僕は何の役をやったかというと…。
「キミもさ、そろそろあの被り物が恋しいんじゃないかい?
で、絵里を背中に乗っけて鳴くの。ヒヒーン♪って」
…馬の役を指名するのを忘れていたのは僕のミスだった。
すべての役割が決定した後にそれが発覚し、
手が空いているのが僕だけと分かったときのショックは思い出したくもない。
と、いろいろあったがなんだかんだで演劇はそこそこの人気を博し、盛況のうちに文化祭は幕を閉じた。
演劇の練習という名目で一緒にいる時間の多かった僕たち三人だったが、
文化祭終了後もなぜだか何かと行動を共にするようになった。
そして進級して新垣とクラスが離れた今でも、こうして時折昼食を共にするのだった。
端的にいうと仲良しトリオ?ということになるんだろうか。
むしろ芸人のトリオの方が近いかもしれない。
僕たちの場合は誰を笑わせるでもなく、お互いを笑いあっているだけだけど。
電光石火の三重殺?
…古いよ。
弁当を食べ終えた亀井はフラフラとフェンスに近づいていき、う〜ん、と一つ伸びをした。
「いや〜、ほんっと今日はあったかいねー。地球温暖化も悪いことばかりじゃないっすねー♪」
「カ〜メ〜、それ、不謹慎だから!」
新垣は亀井の発言に間髪いれずツッコミを入れた。
なんでも今年の文化祭で新垣のクラスは環境をテーマに扱った演劇を行うらしい。
ついこないだ「エコエコレンジャーグリーン、参上!」と自慢げにポーズをとってみせて、僕らの乾いた笑いを誘った。
新垣はぼんやりとした知識で温暖化の及ぼす影響をくどくどと話し、
亀井は、はいはい、ととぼけた様子でそれを聞き流している。
いつもの光景だった。
二人のやりとりも、オンボロのベンチも、屋上から見える景色も。
空は青く晴れ渡っていて、さっきまで見えていたひこうき雲は尻尾のほうから徐々に白い線を消していた。
すべてはこの平凡な僕の学校生活を構成する要素。
しかし。
なんとなく見やった西の空にうっすらと灰色の雲が広がっているのが見えた。
ひょっとしたら午後には雨が降るかもしれないな、と思った。
僕は傘を持ってきておらず、今朝天気予報を見てこなかったことを反省した。
秋の空模様は変わりやすいという。
今はこんなにピーカンでも、数時間先は分からない。
僕たちの学校生活もそれと同じだということを、僕はまだ知らなかった。
43 :
193 ◆XafcAR9bVU :2006/01/15(日) 01:17:08.55 0
>>36-42 以上です
何か説明的…
>>22 あんまり改行うまくいかんかった
句読点以外で改行するのはやりたくない気がする
>>39 プールスレはまとめサイトで読みました
対照的なネタ2つで面白かった
44 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 01:26:39.11 0
中村屋!
45 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 01:31:48.65 0
なんか野ブタ。をプロデュースを彷彿とさせるな おもしろい
46 :
193 ◆XafcAR9bVU :2006/01/15(日) 01:38:09.58 0
乙〜
48 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 02:41:19.20 0
ho
ma
50 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 03:23:46.91 0
ほじぇ
51 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 07:32:04.67 O
ほ
52 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 07:33:35.07 0
誰か前スレの過去ログ頼む
53 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 07:35:49.94 0
54 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 08:48:08.44 0
最初に書いた者ですがなんかすこぶる邪魔しちゃってるんで
もう僕は辞めときます193さんGJです という保全
55 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 08:48:13.19 0
テラワロス
56 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 09:16:28.49 0
ガキさんハァハァ
57 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 10:09:32.39 0
ho
58 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 11:34:37.45 0
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
59 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 12:12:33.31 0
ガキえり充足
60 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 12:26:42.06 0
最高だったな
お化け屋敷とか
61 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 12:26:57.46 0
1年分のがきえりを堪能した
62 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 12:34:06.74 0
リアクション大賞のガキさんをバックから責めつつ
亀ちゃんの巨根でバックから責められたい・・・ハァハァ
63 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 12:41:10.42 0
この二人と遊園地行ったら・・・ヤバイ!やばすぎれおあいhjせらjklsdjふぁぽsk
64 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 13:50:51.33 O
ほ
65 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 14:08:19.43 0
今日のハロモニはたまんなかったな
66 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 14:08:52.37 0
67 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 15:03:00.90 0
ho
68 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 16:14:13.53 O
ze
69 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 17:09:14.25 0
n
70 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 18:24:35.22 0
i
71 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 19:28:20.67 0
i
72 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 20:04:48.32 O
i
73 :
193 ◆XafcAR9bVU :2006/01/15(日) 20:50:39.46 0
74 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 21:08:52.83 O
携帯で見れますか
75 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 22:09:46.49 0
ho
###
午後の授業中に突然降り出した雨は、放課後になってもその勢いを弱めなかった。
雨が小降りになるまでの間、僕は部活をやっていないクラスメイトとトランプをして時間を潰すことにした。
学校行事に熱心なヤツでもいれば文化祭の準備の一つでもはじめるところだろうが、
僕のクラスにそういうタイプの人間はいなかった。
ちなみに僕たちのクラス展示はもはや定番ともいえる喫茶店。
一週間前から適当に準備しても時間が余るくらいだろうし、
だいたい僕はその企画にはノータッチを決め込んでいた。
昼休み、新垣が「今日も放課後練習なんだよー」と妙に張り切っていたのを思い出す。
去年とはまるで大違いだな、と思った。
今日3回目のブラックジャックを決めたところで、僕はカバンを持って立ち上がった。
やむ気配のない雨に見切りをつけて、その中を突っ切って帰る覚悟を決めたからだった。
家まで自転車を飛ばせば10分強。風邪はひかないだろう。
勝ち逃げすんなよー、というクラスメイトのブーイングに背中を向いたまま手を振って応える。
ポケットからはジャラジャラと戦利品が音を立てた。
どんよりとした空模様のせいで廊下の蛍光灯の明かりがいつもより眩しく感じる。
新垣のクラスの前を通ると教室からギャーギャー騒ぐ声が響いた。
教室の中を見なくても新垣の表情が想像できた。
音楽室のほうからは吹奏楽部の合奏。
最近のポップスを合奏用にアレンジした楽曲だった。
多分文化祭用に一般受けする曲を用意したのだろう。
僕はポケットの嬉しい重みもあいまって、似合わない鼻歌なんかを歌いながら昇降口へ歩いた。
開閉式の下駄箱。
履きなれた自分のスニーカーの上に見慣れないものを見つけて、僕は鼻歌を止めた。
それはシンプルな白い便箋だった。
表にはしっかりと僕の名前が記されていた。
僕はまず用心深く周りを見渡してみた。
ひょっとするとさっき僕が勝ち逃げしたことに対するクラスメイトの腹いせかもしれない。
しかし僕のリアクションを楽しもうとする好奇の視線は見つからなかった。
赤いヘルメットとプラカードもでてきそうにない。
悪戯でないことを確認してから、僕はまだ差出人を見ていないことに気づいた。
便箋を裏返してみる。
そこに記されていた名前を見て、呼吸が止まった。
79 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 22:20:51.63 0
『新垣 里沙』
81 :
79:2006/01/15(日) 22:22:24.60 0
スマン
黒のボールペンではっきりとそう書かれていた。
表に返して宛名を確かめる。僕の名前だ。
また裏返す。差出人が変わってるはずもない。
僕は中身を確かめようとおそるおそる便箋の封を切ろうとした。
しかし後方から女生徒たちの騒ぐ声が聞こえて、僕は慌てて手紙を抱えるようにして隠した。
ここで見るのはやはり危険だ。
僕は昇降口の向こうで落下し続ける雫と手紙とを何回か見比べてから、古文の教科書を取り出した。
一番濡れる可能性の低いであろう真ん中らへんに手紙を丁寧にはさんでカバンにしまった。
教科書なんかいくら濡れたってかまわないんだ。
どうせほとんど使わないものだし。
冷たい雨粒さえも弾き飛ばすように僕は全力でペダルを漕いだ。
はじめて役に立った古文の教科書に感謝しながら。
84 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 22:46:24.10 0
乙〜
85 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 22:47:56.82 0
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !! ってあんたら良く見るね
86 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 22:48:57.27 0
過去スレ上げた人GJ
87 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 22:50:42.57 O
>>83 乙です
さっきこのスレの存在思い出して一気に読みました
なんかいいよね〜こういうの…
88 :
名無し募集中。。。:2006/01/15(日) 23:20:10.64 0
i
89 :
名無し募集中。。。:2006/01/16(月) 00:08:42.76 0
>>83 おつです〜〜
文の書き方とか参考になります!
>>54 みんなで妄想を共有しようぜぃっ!
ってことでヨロシクです
何やら良スレの匂いが・・・・
91 :
名無し募集中。。。:2006/01/16(月) 01:18:02.10 O
92 :
名無し募集中。。。:2006/01/16(月) 01:24:29.73 O
凄すぎるぜ
93 :
名無し募集中:2006/01/16(月) 02:03:30.91 O
ほ
94 :
名無し募集中。。。:2006/01/16(月) 02:26:28.81 0
ほ
95 :
名無し募集中。。。:2006/01/16(月) 03:19:45.07 O
ガキ亀
96 :
名無し募集中。。。:2006/01/16(月) 05:07:30.39 0
ho
97 :
nttkyo412146.tkyo.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp:2006/01/16(月) 07:25:12.25 0
h
98 :
コピペ改変:2006/01/16(月) 07:58:43.76 0
「ねえ、あんた」
「ん?」
「絵里の彼氏になってくれない?」
「…は?」
「だから、絵里をあんたの彼女にしてってこと」
「……何で?亀井、熱でもあるんか?」
「絵里は本気だから」
「…と言ってますが、新垣、これ、どうしよう?病院とか」
「亀、駄目だよ」
「何でよ、ガキさん」
「私がこいつの彼女になるんだから」
「はっ?
…新垣、何で顔赤いの?なあ、こっち向けよ。
亀井、そうこっちを睨むな。
ふたりとも何言ってるんだよ、さっきから」
「「鈍感!バシッ!」」
「痛ぇ!」
作者さん乙☆
こいつは期待大
保
100 :
名無し募集中。。。:2006/01/16(月) 10:06:50.41 O
ほぜ
作者さん非常に楽しみにしております
102 :
名無し募集中。。。:2006/01/16(月) 12:56:19.47 O
ほ
103 :
名無し募集中。。。:2006/01/16(月) 14:32:22.93 O
ほ
104 :
名無し募集中。。。:2006/01/16(月) 16:31:45.24 0
ze
105 :
名無し募集中。。。:2006/01/16(月) 17:57:39.35 O
んんんー!
うむ
107 :
193 ◆XafcAR9bVU :2006/01/16(月) 19:53:49.59 0
108 :
名無し募集中。。。:2006/01/16(月) 20:37:52.49 0
ho
【痛すぎる亀井信者の特徴】
・実績も無いのに亀井は人気あると力説する。
・各所に亀井マンセースレを乱立
・他メンのスレで聞かれもしないのに亀井の話を持ち出して「さりげなく」自慢
・他メンのスレを亀井の話題で占領。亀井ヲタ主導でスレを仕切り始める
・人気メンバーをいろいろなスレでこき下ろす。とにかく落ち目であることを説明すれば良いと思っている。
板違いスレ違いおかまいなし
・その一方で亀井に否定的な言葉を見過ごすことができない。それがいわゆるアンチスレであってもだ。
・誰もが亀井に興味しんしんだと思っている。興味のない人の存在を慮ることができない。
・亀井が嫌いなのは5期ヲタしかいないと決めつける
・アンチレスをスルーすることができない。とことん粘着して反論しようとする
・都合の悪い書きこみ、気にいらない書きこみは全てアンチの所為にすること自分を安心させる
・本スレのトラブルや諍いも全てアンチの所為にする
・根拠ない自信にあふれている。それが虚勢であることに気付いていない。自分が悪い時もなぜか偉ぶるのが特徴
・時おり部外者のふりをして亀井やそのヲタを持ち上げていくが、
不自然な名乗り方、独特の上からものをいう口調でバレバレ
・物ごとを勝ち負けで考える癖がある。具体性のない勝利宣言を行う
第三者のふりをして「亀井ヲタの勝ち」と繰り返しつぶやくことで、それが事実になると思っているかのようだ
・自分自身を亀井という存在に投影している。亀井ヲタのマナーを咎められても
亀井が人気があるから叩かれたのだと勘違い、反省なし
111 :
名無し募集中。。。:2006/01/16(月) 22:02:03.95 0
112 :
名無し募集中。。。:2006/01/16(月) 22:03:05.76 O
ガキさんと友達になりたい保
113 :
名無し募集中。。。:2006/01/16(月) 22:51:40.96 O
ほ
114 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 00:08:30.19 O
ほ
###
キミのことが好きです。
付き合ってくれませんか?
返事はいつでもいいです。
新垣 里沙
手紙にはたった3行、それと名前が黒いボールペンで丁寧に書かれていた。
見覚えのある文字だった。
どうやら筆跡鑑定の必要はないらしい。
どう見てもラブレターです。
本当にありがとうございました。
…って誰にお礼いってるんだ。
いやいやでも人間感謝の気持ちは大事だよ。
感謝、カンゲキ、雨、嵐!
すまいあげぇーん、ありがとぉー♪
全身ぜんれい 目指してくWAY!
自分を取り戻すために上!……
僕はぶつぶつと念仏のように呟きながら自室をウロウロと歩き回った。
つまるところすっかり気が動転してしまったのである。
ベッドの上で身を丸くしている飼い猫のレイナも、あんたバカじゃなかと?、と言いたげに僕を睨んだ。
何故だか博多弁を伴って感じるその冷たい視線のおかげで少し我に帰った僕は、
心を落ち着けるためにデスクチェアーに深く腰を沈めた。
目を閉じて、考える。
新垣……か。
―――思えば、僕の中学校生活は新垣によって大きくペースを乱された。
中学校入学早々、僕は生意気なガキによくみられる「学校なんてバカらしい病」にかかっていた。
勉強なんて社会の役にほとんど立たないし、クラスメイトの人間関係なんか煩わしいだけ。
今でもその病気が完治したとは言いがたいし、そういった疑問は一生持ち続けるものだと思っているが、
学校の持つ良さというものも大いに認めるようにはなった。
が、その頃は病の真っ只中。特に学校行事なんてのはもってのほかだった。
事の始まりは1年生の秋、体育祭の実行委員を選出するクラス会議をさぼったことに端を発する。
翌日、のこのこと学校に登校した僕は実行委員を押し付けられたことを知って愕然とした。
しかし僕は切り替えの早い人間だったので、
これさえ片付ければいいんだと考え、実行委員の仕事に必死に打ち込んだ。
女子の実行委員だった新垣の要領の悪さも相まって、僕が2人分の仕事をこなすほどだった。
あまりに打ち込みすぎた。
続けて行われた文化祭実行委員に、体育祭実行委員の時の手腕を買われて僕が選ばれてしまったのだ。
推薦者は新垣だった。
その後もなぜだか知らないがクラス委員、修学旅行実行委員会、卒業アルバム制作委員会……etc。
結局、大いに学校行事に参加してしまったのだ。
裏で手を引いていたのはフィクサー・新垣里沙。
その最たる例が生徒会役員就任である。
生徒会などという面倒なものをかってでる人間はそうそういない。
学園生活に規律を求めるべく立ち上がる熱血漢は稀で、
だいたいがクラスでなんとなーくまとめ役になってるヤツがなんとなーくの流れで選ばれる。
ひどいのになると内申書の点数稼ぎが目的で立候補したりする輩もいる。
そんな中で意外と多いのが、人から物事を頼まれると断れないお人好しタイプだ。
無論、新垣はそのタイプだった。
しかもやるとなったらとことんやるという性格のおまけ付き。
最近の若者の無気力化は深刻なようで、それは僕らの中学校も例外ではなかった。
役員の改選時期になっても立候補者が現れず、業を煮やした教師たちは「一クラス、一立候補者」の御触れを出すに至った。
各クラスで醜い押し付け合いの嵐が吹き荒れる中、わがクラスでそのスケープゴートにされたのは新垣だった。
「え、アタシ? 無理無理無理無理っ!無理だってばーっ!」とはじめは断っていたが、
クラスメイトの強い推しと教師の口車に乗せられて、「うーん、じゃあ、新垣やります!」とあっさり腹をくくった。
それも「どうせやるならトップを目指します!」というよく分からない競争意識から、新垣が選んだ役職は生徒会長。
僕はその新垣劇場を見守る観客の一人で、
『新垣里沙 生徒会長立候補宣言』の瞬間などはクラスメイトと共に盛大な拍手を送ったものだった。
が、選挙期間が終わり、ふと気がついてみたら僕は生徒会副会長の肩書きを手にしていた。
無論、その影で新垣が暗躍していたことはいうまでもない。
121 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 00:44:18.78 0
作者さんはどっかで書いてた人?
122 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 00:44:29.18 0
⊂二二二( ^ω^)二二⊃ブーン
しかし、いざなってみると生徒会もそんなに悪いものではなかった。
それは生徒会室を自由に使えたからだった。
学校という閉鎖空間の中で自分の居場所と呼べる所を見つけるのはなかなか難しい。
人によっては教室の自分の席さえ落ち着ける場所でないというケースもある。
そんな中で期せずして手に入れた、自分の居場所。
それが生徒会室だった。
僕は昼休み、放課後問わず、時間があれば何かと生徒会室に入り浸り、
本を読んだり、パソコンでゲームをしたり、窓の外をぼけーっと眺めたりしたものだった。
新垣は新垣で魂を捧げたといっても過言ではないほど崇拝するアイドルグループのポスターをそこら中に貼り付け、
音楽室から拝借してきたCDデッキが奏でるメロディに合わせて振り付けのコピーをしていた。
もしかすると生徒会室があの中学校でもっとも風紀が乱れていた空間だったかもしれない。
しかしやるべき仕事はしっかりとこなしていたため教師からの評判も上々で、
僕たちの生徒会室私物化行為は渋々黙認してくれていた。
毎行事が訪れる度、新垣は制服の裾をまくってテンパりながら学校中を駆けずり回った。
僕は主に生徒会室で文章作成や全体の進行の把握役にまわる。
生徒会になる人間のタイプはさておき、生徒会に必要な能力は頭の良さではなかった。
統率力、交渉力、そして何より行動力。
新垣はそのすべてを兼ね揃えていた。
僕はそれにちょっとの要領の良さを足しただけ。
確かに悪くないコンビだったと思う。
行事が終わるごとに達成感に包まれて満点の笑みを見せる新垣が頭に浮かんだ。
今は前髪を切って下ろしているが、あの頃はまだおでこ全開のツインテール。
―――あの頃から新垣は僕に対して、そういった感情を抱いていたのだろうか。
いつの間にか、僕は携帯電話を手にしていた。
自分の意志とは関係なく、指が勝手にボタンをはじいていく。
画面に新垣の携帯の電話番号が表示された。
息をゴクリと飲み込む。
通話のボタンに指がかかったところでふと我に返った。
…僕はいったい何を話すつもりなんだろう。
今、電話して、新垣が出て、それで、いったい、何を?
突然、手の中の携帯が震えた。
いきなりのことに驚いた僕は思わず携帯を宙に放ってしまい、
それが見事に直撃したレイナはフーッと全身の毛を逆立てて怒りを示した。
ごめん、ごめん、とレイナに謝りながら、僕は携帯を拾い上げ画面を見る。
『 ヤッホー♪ きょうはゴメンね从*^ー^)ノ 』
亀井からのメールだった。
>>116-124 以上
長いので明日に分けました
>>121 ネタ書くのはかなり久々です
以前は狼なり飼育なり、ちょこちょこ
完結率が低いので大きな声ではいえない
引き込まれる展開ですね。次の展開に期待です
最初に書いた者ですが少しアドバイスとか頂けるとあり難いです
>>125 乙です
そろそろ亀ちゃんも本格参戦ですかね?
実は既にアピってるのでは?と勝手に深読み?してますが…
>>126 見易さを考えるといいかもです
改行とか一レスの使い方とかは一応考えてるつもり
文章については自分も自信がないのでなんともいえません
自分は10分番組のミニドラマ感覚で書いてます
129 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 01:55:48.52 0
乙〜
130 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 02:19:01.65 0
>>127 きみは背中文字書きクイズの下りを読み返したほうがいい
131 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 04:47:30.20 O
アントニオ・ホジェリオ
132 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 05:44:41.81 0
ho
133 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 07:28:16.83 0
⊂二二二( *^ー^)二⊃
134 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 07:28:30.31 0
ho
うむ
>>130 やっぱりそうか…
みんな気付いてたんだな
137 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 09:35:35.13 O
通学保全
138 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 11:03:50.05 0
読んでないけどとりあえず保全
139 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 12:33:43.17 0
ニート保全
140 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 12:56:23.09 0
「先輩、絵里ね、先輩のことが好きなの」
「新垣の方が好きですよぉ、先輩のこと」
「いやいや俺の方がお前らのこと好きだ」
「どうぞどうぞ」
「どうぞどうぞ」
141 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 13:48:56.34 0
土蔵土蔵
142 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 15:47:52.92 O
ドウゾ
143 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 16:41:56.92 0
エロスレじゃないのか
144 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 17:58:21.94 O
ほ
145 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 18:12:20.02 0
146 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 19:28:59.40 O
ほじぇむ
147 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 19:43:53.54 0
二人とも断ってつんくとつきあう
148 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 20:58:00.80 0
このスレみて「seeds of love」って曲聴いてたら高校時代思い出した…
『なにげない毎日にすべてがあるさ 君が笑うと僕も笑えるんだ
なにげない横顔に吹き抜ける風 しあわせはもう僕の側にあった♪』
by RAG FAIR
ガキさんが側にいたら…
149 :
& ◆/p9zsLJK2M :2006/01/17(火) 21:05:42.72 0
うp
150 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 22:21:28.90 0
>>128 ありがとうございます
適当に自分で書いて楽しんでるとこです
151 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 22:49:34.55 O
ほ
152 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 22:49:38.47 0
⊂二二二( ^ω^)二二つブーン
ディスプレイに表示された呑気な顔文字は僕の動揺している心を和ませた。
が、肝心の内容の意味が分からなかった。
亀井が僕に何か謝るようなことをしただろうか。
心当たりは…あるといえばありすぎるほどあるが、
それをいちいち謝るような気の使い方をする関係でもなかった。
お互いの迷惑をいちいち謝っていたら、"ゴメン"という言葉がいくらあっても足りないだろう。
ずいぶん図太くなったものだと思う。
去年、演劇をする前の亀井はいつもおどおどしていて、
"すみません"を口癖のように連発していたのだから。
『 何のこと? 』
メールを返信する。
返事はすぐに返ってきた。
『 忘れたの? ほらぁ、古文の授業 』
ああ、と僕は頷いた。
亀井の悪戯で僕が怒られたのだった。
しかし亀井のちょっかいに乗っかった僕も悪いのだし、
そもそも狐目の説教なんかとうの昔に忘れ去っていた。
むしろ自分だけちゃっかり傘を用意していて、
放課後になるとさっさと帰ってしまったことのほうが少し腹立たしい。
もちろん、電車通学の亀井にしてみれば、
駅とは真逆に位置する僕の家経由で下校するというのは土台無理があるのだが。
古文の一件などはそれこそ日常茶飯事で、
わざわざメールで謝ってくるなんて素直すぎて逆に気味が悪い。
僕がメールを見て訝しがっていると、再び携帯が震えた。
今度はメールではなく電話の着信だった。
≪ もしもしぃー? ≫
間延びした声がスピーカーから聞こえる。
その声はいつも以上に明るく感じた。
≪ というわけで、ごめんなさいでしたー♪ ≫
いいよ、ぜんっぜん気にしてないから、と僕は言った。
別に亀井を気遣ったわけでもなく、本当に今の今まで忘れていた些細なことだった。
むしろ僕は警戒心を強めていた。
電話で謝ってくるなんて、これはいよいよ何か裏がある。
とんでもなく面倒くさい頼まれ事の前兆を感じた。
ひょっとしたら金銭の要求……それは無いか。
≪ でね、最後の問題の事なんだけど… ≫
亀井が口にしたのは、面倒な頼み事でも、ましてや金の無心などでもなかった。
それは出題途中に終わっている最終問題のことだった。
昼休み、亀井がやけにもったいぶったあげく、結局種を明かさなかった問題。
僕としては正直どうでもいいことだったが、
無茶苦茶な頼み事をされなかった事にはホッとしていた。
はたして最終問題だけあって得点は倍になるのだろうか。
≪ あの問題はあのまんまでいいんですよ? 正解は2文字です♪ ≫
…となると結局背中に書かれた文字は単純に『お』と『き』ということになる。
手紙の件で動揺しているせいか、気の利いた言葉が出てこなかったので、僕は率直に訊いた。
それは沖縄の『おき』なのか、隠岐諸島の『おき』なのか。
≪ ブー、違いまーす!だって一文字目は『お』じゃないもん! ≫
一文字目は『お』じゃない?
なるほど、そういうタイプの引っ掛けだったのか。
4問続けて最初の2文字を『お』『き』に固定して、最後の問題で変えてくる。
だとすると『お』を書くときに点を打たなかったのもミスではなかったのだ。
ん、点の無い『お』?
≪ あっ、あのね、せ、正解はね――― ≫
亀井の口調がなんだか言葉をためらうように上ずった。
≪ せ、正解は…――― ≫
不意に僕の背中にボールペンの感触が蘇ってきた。
横棒引いて、縦線引いて、半時計回りに―――楕円?
そういえば、あの文字を『お』だとするにはおかしい点がまだあった。
縦線の後の楕円。
あれは楕円というよりはくるっと円を描いて、最後は真下に落ちなかったか?
――――――この文字ってひょっとして。
僕がその文字を解るのと、亀井が言うのとはほぼ同時だった。
≪ …………………『す』 ≫
そしてそれに続く文字は当然。
≪ …………………『き』 ≫
…ひょっとしたら畑を耕す道具の『すき』かも知れないし、気の緩みの『すき』かもしれない。
数寄屋橋の『すき』だってある。
けどそんなことはとても口に出せる雰囲気ではなかった。
亀井は途端に押し黙ってしまい、僕からも喋りだすことができない。
沈黙だけが二人を繋いでいた。
電話越しに亀井の震えるような息遣いが聞こえる。
その緊張感はスピーカーを通して僕の部屋にまで伝わってくるようだった。
僕は携帯電話を耳に押し当てたまま、まるで彫刻のように固まってしまった。
どれくらいそのままでいたのか分からない。
徐々に痺れてきた僕の左腕の痛みだけが時間の流れを教えてくれた。
≪ ――――――あっ、あっ、あのっ! ≫
突如発せられた、素っ頓狂な声が僕の耳をつんざいた。
もはや勢い任せで、亀井は言葉を続けた。
≪ ………すっ、すっ、すっ……スキっ!………なの……。
よ、良かったら、つっ、付き合ってっ!……くれ……ませんかぁ……? ≫
ジェットコースターのようにイントネーションが抑揚した。
繰り返される急激なクレッシェンドとデクレッシェンド。
はじめ勢いだけで言葉を放って、語尾はまるで消え入りそうなほどか細い声だった。
まるで文章の最初と最後とで喋る人が入れ替わっているみたいに。
これが決してふざけた気持ちでないことを僕は分かった。
だからこそ僕は何もリアクションできなかった。
≪ え、えっと、へ、返事はいつでもいいから…う、うんっ。
……って、う゛〜、超キマヅイんですけどぉ… ≫
ようやく普段の亀井らしい言葉を聞けたが、
二人の間に流れる"キマヅイ"空気までは元に戻ることはなかった。
≪ ほんっとに返事は後でいいからっ!じゃっ、じゃあねっ! ≫
僕が一言も喋る前に、逃げるようにして一方的に電話は切られた。
僕は携帯電話を持った手をだらりと力なくぶら下げ、しばし唖然とした。
そして電話のスピーカーと机の上の手紙とを見比べてみる。
やっぱり唖然とした。
呆然とした。
愕然とした。
眩暈がした。
そんな僕を見て、レイナはニャーニャー♪とまるで冷やかしているかのように鳴いた。
162 :
名無し募集中。。。:2006/01/17(火) 23:58:32.32 O
作者さんあんた最高だ
いいよー
164 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 01:28:06.33 O
ほ
165 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 02:31:30.28 O
作者さん乙
166 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 02:33:07.38 0
作者はやはり天才だな
167 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 02:43:39.75 0
乙〜
168 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 02:50:40.55 0
【痛すぎる亀井信者の特徴】
・実績も無いのに亀井は人気あると力説する。
・各所に亀井マンセースレを乱立
・他メンのスレで聞かれもしないのに亀井の話を持ち出して「さりげなく」自慢
・他メンのスレを亀井の話題で占領。亀井ヲタ主導でスレを仕切り始める
・人気メンバーをいろいろなスレでこき下ろす。とにかく落ち目であることを説明すれば良いと思っている。
板違いスレ違いおかまいなし
・その一方で亀井に否定的な言葉を見過ごすことができない。それがいわゆるアンチスレであってもだ。
・誰もが亀井に興味しんしんだと思っている。興味のない人の存在を慮ることができない。
・亀井が嫌いなのは5期ヲタしかいないと決めつける
・アンチレスをスルーすることができない。とことん粘着して反論しようとする
・都合の悪い書きこみ、気にいらない書きこみは全てアンチの所為にすること自分を安心させる
・本スレのトラブルや諍いも全てアンチの所為にする
・根拠ない自信にあふれている。それが虚勢であることに気付いていない。自分が悪い時もなぜか偉ぶるのが特徴
・時おり部外者のふりをして亀井やそのヲタを持ち上げていくが、
不自然な名乗り方、独特の上からものをいう口調でバレバレ
・物ごとを勝ち負けで考える癖がある。具体性のない勝利宣言を行う
第三者のふりをして「亀井ヲタの勝ち」と繰り返しつぶやくことで、それが事実になると思っているかのようだ
・自分自身を亀井という存在に投影している。亀井ヲタのマナーを咎められても
亀井が人気があるから叩かれたのだと勘違い、反省なし
169 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 03:23:52.83 0
>168
ガキさん出てこないな変な小説だな
170 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 04:48:12.96 O
アントニオ・ホジェリオ!
171 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 05:23:59.43 0
ho
172 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 05:24:03.73 0
⊂二二二( ^ω^)二二つブーン
173 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 07:15:11.91 O
朝から保全
作者さん乙です!
今後の展開が楽しみです
175 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 10:49:04.77 0
ホゼニー
176 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 12:41:13.27 0
ほ
177 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 15:14:02.57 0
ぜ
178 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 16:23:53.87 O
ん
179 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 17:56:06.36 O
保
180 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 18:22:33.79 0
田
181 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 19:50:30.13 0
ho
182 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 21:12:00.07 O
ze
183 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 22:15:27.83 0
n
184 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 23:16:23.57 O
保全
185 :
名無し募集中。。。:2006/01/18(水) 23:52:55.90 0
ドリカムのサンキュ聴きながら保
186 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 00:34:34.63 0
今日はこないのかな
葡
187 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 00:39:22.59 0
展開からしてそろそろ終わりなのかな?
188 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 01:46:42.84 O
ほ
###
頭がぼーっとする。
僕はふらついた足取りで自転車置き場から昇降口へと歩を進めていた。
雨は今朝方になってようやく上がり、
昨日と同じような空には昨日と同じような太陽が昇っていた。
昨日と同じようにくだらない会話をしながら、
昨日と同じような足取りで学校へと向かう生徒達。
しかし、それは違うのだった。
似たような毎日の中に埋もれているわずかな変化。
その変化が起こす小さな波紋は廻り廻って、
やがて大きな波となって誰かを飲み込んでいく。
そのビッグウェーブの真っ只中に、今、僕はいるのだ。
夕べはほとんど眠ることができなかった。
決して不幸な悩み事ではない。
人が聞けばそれはそれは大そう羨ましがられるような、贅沢な悩みといえるだろう。
ただ僕はこれまでの人生で、人を好きになるということについて深く考えたことがなかった。
そこまで強い感情を他人に対して抱くということがなかったのだ。
僕が他人に対して抱く感情はたいていが"合う"か"合わない"か。
合う人間を好きだと呼ぶには大げさな気がするし、
合わない人間だからといって嫌いなわけでもない。
そう考えるとなんだか自分が薄情な人間に思えてくるのだが、
実際そうなのだから仕方ない。
僕が望むのは平穏でマイペースな暮らし。
誰にへつらうでもなく、かといっておごるのでもなく。
それは多分、意外と難しいことだ。
とにかく"好き"とか"嫌い"とかそういう感情は僕の望んだ生活には強すぎるのだと思う。
…まあ、誰かのせいで、平穏かつマイペースな学校生活など、もともと送れていなかったのだけど。
「おっはよー♪」
突然背中からかけられた声に、僕はわぁ!と飛び上がった。
声の主は僕の学校生活のペースを乱し続けた張本人。
そして今現在、ずいぶんと大きな石を投げ込んでは、
穏やかだった僕の水面をぐらんぐらん揺らしている人。
「ちょっとー、そんなに驚くことないでしょうが!」
新垣は怒ったような口調で、でも顔には笑顔を浮かべて言った。
「…あ、ああ、ごめん。……お、おはよう」
「はい、おはよう♪」
「………あの………ええっと……」
とたんに僕は言葉につまってしまった。
いったい何を話せばいいのだろうか。
考えれば考えるほど頭の中は真っ白になっていく。
そんな僕のことを、新垣はキョトンとした表情で見返した。
「…どーしたの?あたしの顔になんかついてる?」
「…へ?…あ、いや」
僕は内心拍子抜けした。
それは新垣の様子が昨日とまるっきり変わっていないからだ。
まるであの手紙のことなどなかったかのように、僕たちは並んで歩き出した。
上る話題は、昨日の演劇練習でのちょっとしたハプニングや、
中学時代から未だに信仰を続けているアイドルグループの話ばかり。
…あえて手紙のことは意識しないように振舞っているのだろうか。
そういえば手紙には『返事はいつでもいい』と書いてあった。
それまでは今まで通り、気の合う友達という関係を続ける。
そんな新垣なりのメッセージなのかもしれない。
だとすれば、その猶予期間をありがたく頂戴することにしよう。
なにしろこっちには、考えなくてはならないことが山ほどあるのだ。
…しかし新垣がそんな器用なことができるタイプだとも思えないんだけど―――まあ、いいか。
僕は狐につままれた気分で、新垣の話に適当に相槌を打ちながら歩いた。
昇降口の前まで来て、新垣は、ん?と何かに気づいたように眉をひそめた。
校舎の柱から星飛雄馬・姉のごとくチラチラとこちらを覗く人影。
本人は一応隠れているつもりなのだろうが、完全にバレバレである。
「おーい、カメー!何してんのー?」
相手が隠れているということすら気づかなかった新垣が手を振りながら呼ぶ。
すると、柱の影の人影は、それはそれはものすごいスピードで逃げ出していってしまった。
むざむざと一匹で現れては、すぐさま逃げていく"はぐれメタル"のようだった。
誰しもがきっと、オマエはいったい何がしたいんだぁ!と突っ込みを入れたくなる。
「えーっ、ちょっ!なぁーんで、逃げんのさぁー!?」
相手に逃げられてしまって、今となっては間抜けに上がったままの右手をすごすご下ろすと、
新垣は僕に疑惑の視線を向けた。
「…アンタ、カメに何かした?」
「…いえ、別に」
「ほんと?」
「…本当」
「ほんとにほんと?」
「…本当だってば」
嘘はついていない。
僕は"された"側なのだから。
それを言うならばアナタこそ、僕に何か"した"でしょう?
亀井の反応は過剰すぎるとしても、
僕にしてみれば新垣の出来すぎたポーカーフェイスもどこか不思議な感じがした。
いまいち納得のいかない様子の新垣は、ん〜〜?と顔を近づけてみせる。
まっすぐな瞳の追求に耐え切れなくなった僕はつい視線を逸らしてしまった。
「あ〜、目、そらした」
「…顔が近いの」
少しの間、「む〜、怪しいなぁ」といぶかしんでいた新垣だったが、僕がシラをきり続けると、
「ま、いっか」とスタスタ校舎の中へ入っていった。
新垣の諦めの良さに助けられた。
時に、人はそれを"テキトー"と呼ぶこともあるが。
分かったことがある。
それは今回の"犯行"がそれぞれの単独犯であるということだ。
僕はひょっとすると二人が裏で共謀して、
わざと同じ日に想いを打ち明けてきたのではないかと考えていた。
いわゆる早い者勝ちという時間的なアドバンテージを無くすために。
しかし今の様子からすると、少なくとも新垣は昨日の亀井の電話を知らないようだった。
では亀井だけが新垣の手紙を知っているということがあるだろうか。
答えはノーだ。
新垣が亀井に一方的に相談を持ちかけて、亀井が自分の気持ちを黙っているということは考えにくい。
親友が―――自分でいうのもなんだが―――恋心を抱く相手に対して、
まるで不意打ちのように抜け駆けするようなヤツではないはずだ。
つまり昨日のダブルパンチはまったくの偶然の上で起こったことになる。
…まったく何も同じ日に、なぁ。
こちとら盆と正月がいっぺんに来たどころの騒ぎじゃないよ、ほんと。
だいたい学生にとっちゃお盆なんてそんなにめでたい事じゃないっての。
そんな軽口を心の中で叩いた。
そして新垣を追うようにして校舎の中へと入っていった。
自分の下駄箱の前に立ってみて、気づいた。
ここは、昨日手紙の置いてあった場所だ。
新垣はすでに靴を履き替え終えて、僕を待っているようだった。
僕は背中がカッと熱くなるのを感じた。
鼓動が少し早く波打っているような気がする。
―――新垣はどんな表情をしているのだろうか。
一瞬、頭によぎったが、それを見てしまうのは何か怖いような気がして、
僕は新垣に背を向けたまま靴を履き替えた。
なるべく普段どおりに、なるべく自然になるように。
しかし、人間、意識すればするほど普段通りからかけ離れていくものである。
普段は絶対にやらないような戸の閉め方をして、
僕は右手の小指を思いっきり挟んでしまった。
「痛っ!」
「ちょっと!なーにやってんの、大丈夫?」
新垣が慌てて駆け寄ってきた。
僕はジンジンと痺れる小指に息を吹きかけながら、
左手で大丈夫というジェスチャーを送った。
…ほんとに何やってるんだか、僕は。
196 :
193 ◆XafcAR9bVU :2006/01/19(木) 02:59:24.78 0
>>190-195 以上
どういう風に話をもってこうか悩み中
一応どっちにも転ぶように書いてきたつもりだけど
多数決とるわけにもいかないしなぁ
いいよーいいよー
両方書いちゃいなよ
198 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 03:04:27.95 0
作者さん乙です〜
作者さん次第でいいんじゃない?
まあ俺がこの立場なら選べないけどさ
199 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 03:07:07.28 0
作者さん乙ですぅ。
どっちでもいいと思うよ。
初めてリアルタイムで読めて、ちとうれし。
200 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 03:19:26.74 O
おー!起きてて良かったw
作者さん乙です
作者さんもまだどっち選ぶか決めてないの?
う〜ん
亀井を選べばガキさんが悲しみ…
ガキさんを選べば亀井が悲しみ…
201 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 03:20:44.16 0
ガキさんと付き合って亀井と浮気
202 :
127:2006/01/19(木) 03:43:51.11 O
>>196 乙です
自分が主人公の立場ならガキさんにするでしょうが(話の流れとか無関係な単なる推しでスマソ)
この主人公の言動からいけば亀かなぁ…?
ガキさんはそれこそ「マブダチ」って感じだが、亀は野ブタみたいに何か気になる(=恋心)という感じがする
203 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 04:10:37.59 O
>>201 ソレダ!!
しかし不埒過ぎるので無理か
204 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 05:17:28.45 O
逆に二人に断るとかな
何が「逆」かわからんが
俺はガキさんかな?ってかガキさんと主人公がはっきりくっつく小説見たこと無い
206 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 05:31:34.58 0
どっちかとくっついても振られてほうも『好きでいていい?』って流れがいい
207 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 07:44:22.19 O
朝から保
>>205 そういや前あったのはカメとくっつくのとどっちともくっつかないのとれいにゃ選ぶのと
確かにガキさんとはっきりくっつくのはなかったな
209 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 11:09:25.46 0
ヲタばれ女子高生か
210 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 11:32:26.73 0
ガキさんて損な役回りが似合っちゃうタイプなんだよな
211 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 12:22:57.21 O
お昼休み保全
212 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 14:47:43.35 0
ho
>>201 むしろ、逆だろ
亀は隠れて付き合うとかできなさそうだし
ガキさんはいけないと思ってても影でこそこそ付き合っちゃいそう
214 :
名無し募集中。。。:2006/01/19(木) 15:35:44.60 0
ガキさんは情に絆されてなし崩し的に付き合ってくれそう
215 :
名無し募集中。。。:
保全