ジョジョの奇妙な冒険 外伝 十部

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9341 ◆I7CTouCqyo :2005/12/13(火) 04:04:26 0

そんな彼女らの会話に包まれながら、彼は部屋の窓の外から聞こえる
奇妙な声を耳にしていた。
泣き声だろうか?
聴力の優れた彼の耳には、すすり泣いている子供の泣き声が聞こえてくる。

「いたいよー…いたいよー…母さん…」

この泣き声は知っている。
彼の嫌いな動物、カラスのものだ。
以前、カラスには散々な目に合わされたので、あまり関わりたくはない。
そもそも、鳥という生き物自体が嫌いだった。
特にあの何を考えているんだかわからない瞳が嫌いだ。

弱肉強食は自然界の掟さ。バカな奴が死ぬんだ。
無用心な奴が悪いんだ。生き残るためには、一人で強くなんなきゃならねーんだ。
弱い事が罪なんだよ…それが一番、命を粗末にしてる行為なのさ。

彼は、常々そう思っていた。
だが、それなのに彼は部屋の窓を開けたのだ。
カラスのクソガキが土曜の昼間っから何事だ?そんな軽い気持ちだったのだろう。


彼は、人間の生活に慣れすぎてしまっていた。

9351 ◆I7CTouCqyo :2005/12/13(火) 04:05:24 0


「あれれ、レミーちゃん…外行っちゃうよ?」

「ああ、大丈夫なの。お利口さんだからちゃんと帰って来るの。それよりさ、
さっきからちょっとくっつき過ぎなの。離れろなの」

「うへへ…ごめんごめん。ところで小春ちゃんや吉澤さん達、うまくやってるのかなぁ?」

9361 ◆I7CTouCqyo :2005/12/13(火) 04:06:54 0

〜『彼女』の場合〜


「あ、高橋さんじゃないですか。今日も来てたんですね」

土曜の放課後、部室を訪れた彼女を迎えたのは、高等部一年の高橋愛であった。
部活では彼女の先輩にあたる。部活に顔を出すと、必ずいるのがこの高橋愛だ。
彼女が思うに、高橋愛はこの部活でも一、二を争う実力の持ち主であろう。

「おぉー小春ちゃん。生徒総会、だるかったなァー。ネェ?」

生徒総会は本当にだるいものであった。
土曜の朝から中等部から高等部までの生徒をわざわざ寒い体育館に出向かせて…アホらしい。

ハッキリ言って、私には関係のないことだ。

彼女はそう思っていた。
恐らく、彼女の前にいる高橋愛もそう思っているに違いない。
なにが『議題』だ。
人の意見を尊重する、なんて言っておきながら、多数決という言葉一つで、たった一人の
たった一つの意見を踏みにじるではないか。
彼女は『議題』というものにはシナリオが存在するものと考えている。
『ミラクルな大スター』なるものを目指す彼女には、そんなシナリオに付き合っているほど
暇ではなかったのだ。
9371 ◆I7CTouCqyo :2005/12/13(火) 04:08:51 0

彼女は、机の上に置いてある可愛らしいクレヨンを目にした。
わりとまだ新しめである。買ったばかりのものだろうか。

「わあぁ、クレヨンだ。懐かしいなぁ…小春、いつもピンク色だけすぐなくなっちゃって
たんですよ。白だけはいつも長いままでしたけど。コレ、高橋さんのですか?」

彼女の質問に、高橋愛は首を横に振る。

「あっしのじゃあないヨー。それ、ミキティのクレヨンなんよ。ほら、今日の
アンタらの指令、石川さんと代わったジャン?今朝、そこで熱心に紙芝居書いてたよ」

ああ、そういえばそうだった。
彼女の脳裏に必死で画用紙に向かう、先輩の藤本美貴の姿が浮かんだ。
あの人は亀井さんに並んで絵がヘタクソだと聞いている。
きっと四苦八苦したに違いない。

「アイツ、そのクレヨンと画用紙買って全財産なくしたンだと。そしたら、あっしに
コーヒー代でいいから貸してくれとか言い出したンよ。だから言ってやったのサ。
貯金してねェーアンタが悪い、お貯金しねまッてなァー」

あの人らしいな。
彼女の口元から自然と笑みがこぼれた。
9381 ◆I7CTouCqyo :2005/12/13(火) 04:11:48 0

「でも、うらやましいですね。藤本さん、幼稚園に行ったってことはかったるい
生徒総会に出なくて済んだんですもんね」

いや、それは違うか…彼女はすぐに考え直した。
いつもだるそうにしてるあの人の事だ。仮に指令がなかったとしても、
生徒総会には出てこなかっただろうな、きっと。

指令…指令か。
指令にも、議題と同じで『シナリオ』が存在するんだろうか。
彼女は、ふとそんな事を思ったが、そんな考えはすぐ頭から振り払った。

「そんなわけはないな。そしたら何のための『指令』なんだ…」

「ン、どうした?」

「いえ、なんでもありません。指令、頑張ってきますね。寺田先生から指令を
受けることなんてて滅多にないことなんで」

「そーかァ。そーいや今まで、ほッとんどさゆみんで動いてたもんな、アンタ」

「ハイ。じゃあ、私はこれで」

カバンをロッカーに突っ込むと、彼女は待ち合わせ場所へと向かった。
石川さん…そして吉澤さんはもういるんだろうか?
彼女は一歩一歩進んでゆく。


こうして、彼女もまた深みにはまっていく。


9391 ◆I7CTouCqyo :2005/12/13(火) 04:14:14 0
ここまで!!
てかミスった、文章かなり変かもしれないorz

まぁそこはオナニーってことで俺は気持ちよかったので許して下さい!!(ぉぃ

では…ノシ
940名無し募集中。。。:2005/12/13(火) 04:20:54 0
乙です!!
941名無し募集中。。。:2005/12/13(火) 06:50:36 0
保全
942なんみん:2005/12/13(火) 07:57:07 0
>>前スレさん新展開乙です!!
菅沼は戦った相手と仲良くなるという天然の能力がありますねw
ある意味スポルトマティクよりもそっちの方が強力な武器かも
>>915新展開乙です!!
悪魔の様なスタンドとサブタイにある田中がどう絡むのかが気になります
吉澤に妙に甘えてる感じの藤本…旬ですねw
>>610乙です!!
波紋とD・エレジーズでどうやってアイツに勝つのか…彼女の成長に期待ですね
あと俺オナの『バトル編』で上戸彩借ります!!実は上戸…重要キャラかも
>>1さん新展開乙です!!
藤本の描く紙芝居ってwどんなものか気になります
ボロトレ・03の行方も気になりますが…こちらもあれ以上の設定は無いですよ
それにしても亀井エスカレートしてますね…亀井変身ネタとかはあるんですが…;;

次回の皆さんのオナをwktkしております!!ではノシ
943名無し募集中。。。:2005/12/13(火) 09:44:59 0
保全
944名無し募集中。。。:2005/12/13(火) 10:38:46 0
hozen
945名無し募集中。。。:2005/12/13(火) 11:03:12 0
保全だけを残して去る
946名無し募集中。。。:2005/12/13(火) 13:10:05 0
我々はみな『保全』の奴隷なんだ
947名無し募集中。。。:2005/12/13(火) 13:11:09 O
保全
948名無し募集中。。。:2005/12/13(火) 14:47:46 0
無駄だ!保全は止まらない!
949名無し募集中。。。:2005/12/13(火) 16:09:34 0
このおれの保全が・・・うぬぼれだと!?
950名無し募集中。。。:2005/12/13(火) 16:54:47 0
>>942
げッ!?今気付いたけどさんが抜けてる!!
915さん610さんすみませんでした…
951:2005/12/13(火) 17:53:59 O
>>なんみんさん
亀井変身ネタ見てぇ〜ッすw
ボロトレ03に関してはおいおい決着つけます!

てか一人称じゃない話書くのって難しい…全然ジョジョになりまへんorz
952名無し募集中。。。:2005/12/13(火) 18:10:12 0
>>1の小説が読めればそれでイイ
953名無し募集中。。。:2005/12/13(火) 19:47:46 0
保全疾走
954915:2005/12/13(火) 20:25:51 0
銀色の永遠 〜田中れいなは地道に努力するB〜

「ハァーッ、ハァーッ、ハァーッ!シュウゥゥゥ!!!」
乱れそうになる呼吸ば無理矢理整える。
どげんときでも呼吸が乱れてはいけんからね。

ここは学校近くの神社。
うち、田中れいなは時間が許せば
いつでもこげんして学校帰りに神社の石段ば使って
トレーニングばしとるんよ。

「あれ、田中さんじゃないですか」
石段ば駆け下りとぅれいなとすれ違った二人組が声ばかけたとよ。
中等部の夏焼雅ちゃんに鈴木愛理ちゃんたい。

「あぁ、雅ちゃんに愛理ちゃん、こんなとこでどげんしたと?」
「パパの怪我が早く治って試合がんばれますようにって
 神様にお願いしようと思って。」
「私はそのつきあいです」
「へぇ〜、愛理ちゃんってパパ思いやねえ。
 れいなはトレーニングしとーっちゃよ」
「田中さんすごいですね!わざわざトレーニングなんて!」
「ん・・・まあ、れいなのは能力が能力やけんね」
「じゃあ邪魔しても悪いし、とりあえず神社行ってきます。
 田中さん、またあとで。雅ちゃん、行こっ!」
「うん、それじゃあ田中さん、邪魔してごめんなさい」
「いや、全然かまわないとよ」
955915:2005/12/13(火) 20:27:16 0
銀色の永遠 〜田中れいなは地道に努力するC〜

二人は石段ば上り始めたのでれいなも再び駆け下りだした。
と、その時・・・・・・・・・

ズバッ!!
ガクン!

れいなの左膝の力が抜けた!
身体が崩れ落ちる・・・・・・・・

「なんや!?」

そのままれいなは石段から転げ落ちる。

ズドドドドド!!!!!!!!!
「うぉぉぉ????」

き・・・・、木の枝たい!!!
れいなはとっさにデュエル・エレジーズを
繰り出して木の枝に捕まった。

ガシッ!!

バキバキバキ!!

れいなはそのまま石段の脇の藪に突っ込んだ。
ふう、木の枝がクッションになって助かったとよ・・・。
956915:2005/12/13(火) 20:27:50 0
銀色の永遠 〜田中れいなは地道に努力するD〜

ムウ・・・
左足のヒザが切れとぅ・・・
木の枝で切ったとよか?・・・い・・・いや
ちがう・・・落ちる前に切れとったッ・・・
やけん石段ばふみはずしたのだ・・・たしかっちゃ・・・

とりあえず止血するっちゃ・・・
そう思いながら波紋を練る。
ある程度なら血液の流れも操れるんよ。

「君、大丈夫?」
目の前に影が出来たのでふと見上げると
同い年か少し上くらいの少しふくよかな女の子がハンカチば差し出しとった。
どこかの高校の制服を着ている。
たしかS市の高校だったような・・・・

「あ、ああ、ありがとう。でん、大丈夫よ」
「血が出てるじゃない、これ使いなよ。」
女の子はそう言ってまたハンカチば差し出してきた。

まあ、あんまり人の好意ばむげに断るもんでもなか。
それに波紋使いって説明も面倒やけん・・・
って、下を向いている間にその女の子は
さっさと石段を下りていったっちゃ。
957915:2005/12/13(火) 20:28:47 0
銀色の永遠 〜田中れいなは地道に努力するE〜

不思議な女の子やね・・・
そう思いながら借りたハンカチで血をぬぐい、
立ち上がろうとしてハンカチば落としたのであわてて拾ったとよ。

「なッ・・・・・・!!」
ハンカチに何か書いてある!
あわてて広げて読んでみたとよ。

「田中れいな 本日中にきさまを殺す わたしの幽波絞で!」
な、何これ????

あわてて石段を駆け下りてその女の子に追いつく。
「こ、これなんっちゃ???」
女の子が振り向きざまに言ったとよ。
「ふっ、そのままだよ!」
958915:2005/12/13(火) 20:33:14 0
とりあえずここまでオナ!
今回の更新は思いっきりパロですw

あと、前回更新時に前スレ83。さんの「悪意の種」の前に
設定したいと言っていましたが、そうなると
次作「藤本美貴は独りになりたい(仮題)」において
致命的な矛盾が発生することが判明したので
むしろ「悪意の種」のあとに持ってくることにしました。
現在前スレ83。さんのオナ中の作品の様子を見ながら
おそらくそのあとの設定にもってくる事になりそうです。
959915:2005/12/13(火) 20:34:21 0
あと、今回はれいなが主役なのでネットの博多弁翻訳機能を
使いましたがかえってつらかったです(^^;;;
960名無し募集中。。。:2005/12/13(火) 21:47:37 0
みんな乙
さゆが結構承太郎の事探ってるのがウケたよ
がんばったんだね
961前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2005/12/13(火) 22:19:06 0
や・・やきそばーッ!!保!
>>939
1さん乙!
>>942
これで漸く『菅沼派』が出来ました。これから『岡田三好派』
『後藤派』との三つ巴・・・もしくは四つ巴になる予感!
>>958
915さん乙!
マジデカーーー!?(ハマグチェ風で
非常に楽しみにしてます!
っつか早くオナらんとね!俺も!!
962名無し募集中。。。:2005/12/13(火) 23:00:47 O
四つ巴保全
963前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2005/12/13(火) 23:32:05 0
銀色の永遠   〜ボックスフィッシュ・パラダイスA〜


12月22日 pm9:00

ぶどうヶ丘公園

♪ティゥリトゥリトゥリラー ティゥリトゥリトゥリラー
トゥラーリー ティゥリトゥリトゥリラー ティゥリトゥリトゥリラー
アー ティゥリトゥリトゥリラー ティゥリトゥリトゥリラー
トゥラーリー ティゥリトゥリトゥリラートゥーレリラー♪

調子の外れた鼻歌が公園の静寂に滲み渡る。

「おぉーい。犬ども!帰って来たドー!」
歌い手の菅沼は千鳥足で公園に足を踏み入れる。

「・・・・・・・」

菅沼の呼びかけに答えは返ってこなかった。

「おぉ〜い!お前たちィ?お土産あるんだぞォォ?いらねーのか?」
菅沼は聞こえやすい様に頭を左右に振って声を撒き散らす!
「・・・・・・・・」
音は返ってこず変わりに凄まじい殺気が公園に満ち溢れる!
     ゴクリ!
その凄まじさに菅沼の酔いは覚め思わず唾を飲み込んだ!

「おい・・・これは・・どゆー事だぁ?」
964前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2005/12/13(火) 23:32:48 0
その全てが殺気に満ちて菅沼を射抜く!

「お前等・・・・・」
一呼吸も置かずにに犬歯が闇に煌き、爪は冬の空気を切り裂く!
獣の殺意が菅沼の身体にスコールの様に降り注ぐ!!

「この馬鹿タレどもがァア!」

銀の軌跡が菅沼の周囲に奔る。

菅沼の身体は操り人形の様に縦横に振り動く!
獣の連撃は尽く空を切る・・・・
「ほ!何か・・・事態が飲み込めて来たゼ!」
軽くバックステップで距離を取る。
「全く持っておめー等は手が掛かる・・・」
    スッ・・・
菅沼が腕を広げると『12本』の小ぶりな鋏が宙に浮かぶ!

「シザース・スプリッツアッッッ!!!!」

夜という漆黒の布を切り裂く様に鋏は踊る・・・・
965前スレ83 ◆5QP4YFlyRI :2005/12/13(火) 23:38:22 0
今日はここまでおし菅沼!
966名無し募集中。。。:2005/12/13(火) 23:41:16 0

おし菅沼ってなんだよ読めねーよ
967名無し募集中。。。:2005/12/14(水) 01:02:09 0
保全するぜ!
9681 ◆I7CTouCqyo :2005/12/14(水) 01:35:24 0
帰宅ー!!
>>952
ありがたいお言葉!!dです!!!
>>958
乙っす!!
三部のあの話ですね!!!
てか、博多弁翻訳機能なんてあったのか…知らなかったです
>>960
承太郎と知り合いにしたのはいいものの、イカしきれなかったので
こんな形で出してしまいました 汗
>>965
乙彼ッス!!
菅沼の鎌って小さくすればいっぱい出せるのかァーッ!!!
まさに攻撃に秀でたスタンド!!

よし、俺もオナろう!!
こうして安心してオナれるのも保全してくれてる方々のおかげです!!d!!!
969610:2005/12/14(水) 02:36:52 0
みなさん乙です
最近仕事が忙しくてなかなか来れないorz
仕事中に脳内オナしてるからいいんだけど
>>942
おおッ!好きなように使ってやってください、楽しみにしてます!
9701 ◆I7CTouCqyo :2005/12/14(水) 03:48:51 0
チェック中保全!!
>>969
脳内楽しいッスよねw
俺も授業聞きながらよく脳内オナしてます!
9711 ◆I7CTouCqyo :2005/12/14(水) 04:13:13 0

「いいか。石川たちの例もあるし、たかが鳥公だといって舐めてはかかれない。
捕獲用のカゴは小春、お前が持つんだ」

「あ、ハイ」

久住小春は、部長の吉澤ひとみからやや大きめの鳥かごを受け取った。
カラスを捕まえるだけあって、ずいぶんと大きな鳥かごだ。
片手じゃ抱えられない。

「…おいおい、小春。何やってんだ?」

「カゴを持ってます!!」

「そーいうことじゃあねぇ。お前の『ミラクル・ビスケッツ』でしまっておくんだYO!!
そんなもん抱えてたら自由に動けないだろ?」

「あ、そうか」

「しっかりしてくれよ、ミラクルちゃん」

小春は『彼ら』を呼び出すと、抱えていたカゴを一瞬で分解させた。
彼らとは、彼女のスタンド『ミラクル・ビスケッツ』のことである。

『全員一緒ニみらくるミラクル!!』
『ゼーインイッショニミラコーナイッ!!』

騒がしい者達ではあるが、小春はこの7人と共に人生を歩んできたのだ。
彼らは、久住小春の<誇り>だった。
9721 ◆I7CTouCqyo :2005/12/14(水) 04:16:21 0

「しッかし…担当がミキティから石川に代わったのは返って好都合だったな」


吉澤ひとみは、持っていた捕獲用の網を石川梨華に差し出しながら言った。
その言葉を聞いて、石川梨華は満面の笑みになる。


「え、何々?よーやくその気になったの?ねぇ?ねぇねぇ?いやぁ、そう言われると
あたしもよっしぃーのためにリハビリして退院した甲斐があったってもんよ。エヘッ!!」

「エヘッ!!じゃあねぇーッ!!!誰がその気になるんだよアホ。遠距離から
近づけるなーってことだ。ほら、早く持てよ。捕獲はお前の担当だ」

「何よ、何なのよ。持てばいいんでしょ…シクシク」

「泣いて済むなら泣きやがれ」


小春が聞いた話によると、作戦はこうらしい。
目標のカラスを見つけた際、まず石川梨華のスタンド『ザ☆ピース』に網を持たせ、
遠距離から近づいて、まず網で一時的に捕獲する。
だが『腐らせる能力』を持つカラスの前例があるので、それだけでは爪が甘い。
そこで吉澤ひとみのスタンドで弱らす。

「まぁカラスって丈夫そうだしよ、衝撃の一発や二発当てたところで死にはしないだろ」

と、小春に言っていた。
彼のシュートは正確だ。網に入った瞬間、カラスに一発お見舞いしてくれるに違いない。
あとは小春が分解した鳥かごを再形成して、その中に弱ったカラスを突っ込み
完璧に捕獲する。
それで、任務完了というわけだ。
9731 ◆I7CTouCqyo :2005/12/14(水) 04:17:53 0

だが、小春はこの作戦に軽く不満を持っていた。

これじゃあ私、ただの荷物持ちじゃあないのか?
…まぁ、所詮新参の仕事なんて最初のうちはこんなものなんだろう。
私は『ミラクルな大スター』になる女だ。
そのためなら、なんだってやってやるさ。

小春はそう思うことで、一人納得した。


「つっても状況によっちゃ殺さなきゃなんなくなるかもしれないけど、
その時はサポートよろしくな、二人とも。よし行くぞ」

吉澤ひとみは最後にそう付け足した。

9741 ◆I7CTouCqyo :2005/12/14(水) 04:19:05 0


三人で街中を歩いていると、先頭を歩いていた吉澤ひとみが口を開いた。


「カラス見つからないな」

「「…?」」

「問題は、どうやってそのカラスを見つけるか、なんだよなァー」

「「!!!!?」」


小春と石川梨華の間に衝撃が走る。
この人は、今なんと言ったんだ?
二人は「よし行くぞ」と歩き出した吉澤ひとみについて行っただけなので、
彼の発言には驚いた。
まさか、なんの考えもなく20分も歩いていたというのか?


「ちょっと、よっしぃー。何それ。聞き捨てならないんだけど」

「え?ああ、そーいや石川、前にカラス探し当てたとき、どうしてたんだ?」


尊敬する先輩の一人である部長の吉澤さんでも、ボケたことするんだな。
小春の表情が自然と緩む。
それは中学一年生の顔つきだった。
9751 ◆I7CTouCqyo :2005/12/14(水) 04:20:30 0

だがこの発言には、普段おしとやかを気取っている石川梨華がキレた。

「ど…どうしてたんだ?じゃあねェーッ!!アンタなんの考えもなしに女の子二人を
寒空の下歩かせてたの!?こんなでかい網持たされてるあたしの身にもなってよ!!!
みんなあたしを振り返って見てゆくわッ!!は、恥ずかしい!!!!」

ピリリリリリリリリ…ピリリリリリリリリリリ…

「あ、メールきた」

「なによ!人が真剣に話してるのに!!電源切ってよ!!!」

「ミキティからだ。何々…」

吉澤ひとみの携帯電話に受信したメールには、こう書かれていた。


『絶好調!!誰も美貴をとめることはできない。
あー、でっかい声で叫びたい。幸せのOH!YAH! OH!YAH!!』


「…ぷっ。紙芝居うまくいったのかな?よかったじゃないか石川、
いい仕事してくれたようだぜ」

「ちょッ!!なに!?ミキティとメールしてんの!!?」

「えーと『終わったらすぐ電話する』…ッと」

「質問を無視するなァーッ!!!」
9761 ◆I7CTouCqyo :2005/12/14(水) 04:22:44 0

小春は二人の夫婦漫才を見て、初めて石川梨華という先輩がどんな人物なのか知った。
彼女が演劇部に入った当初から石川梨華は長期入院していたので、顔合わせは
今日が初めてと言っても過言ではない。
どんな人か不安だったが…いらぬ心配だったと、小春は安堵の息をつく。
おもしろい人じゃあないか。
彼女は純粋にそう思ったのだった。


「うっせーな怒鳴るなよ。そんな眉間に皺寄せてちゃ折角のチャーミングな
お顔が台無しだぜ?」

「…あなたはズルいわ。いつもそうやって女の子を弄んでるんでしょ…あ、いいとこに鏡が」

石川梨華は、塀にくっついていた鏡を見つめてウットリし始めた。
・・・?
なぜ、塀に鏡がくっついているのだろうか?
9771 ◆I7CTouCqyo :2005/12/14(水) 04:25:39 0

「<ひ>めのように可愛いあたし。<つ>まりそれって…<ジ>コ満足よ☆」

(奇妙だ…こんなところに鏡があるなんて)
小春も吉澤ひとみもすぐに気がついた。
いや、気がつかない方がおかしいのだ。

(塀に鏡がくっついている?いや、違う!!塀が一箇所だけ、おかしいくらいに光ってるんだ。
なにかで研磨されたかのようにピカピカだ…でも、この塀はレンガ石で出来ているみたい。
レンガ石をいったいどれだけ磨いたら、人が写るくらいまでにすることができるんだ?
そもそも、一部分だけがこんなに光っているなんて…絶対おかしい!!)

小春の脳裏を色々な考えが過ぎる。そして、ある結論に行き着いた。
これは何か尋常じゃない事態であると。
鏡(?)を見て自分の顔にウットリしてる場合ではないだろう…と。

「石川さ…」

「<ひ>っこんでろっ<つ>ってんだろ!!<ジ>ャマなんだよーッ!!!!!」

小春が言うより先に、吉澤ひとみが石川梨華を鏡から突き飛ばす。
石川梨華は派手に尻餅をついて「いった〜い!!」と言った。
さすがは部長なだけはある、判断が自分より早い。
とにかく、この鏡はやばい。なんかやばいのだ。
…ミラクルエースだと言うのに、私もまだまだだな。
こんなままじゃ、皆を引っ張ることは当分の間は無理だ。
そう思いながら、小春は演劇部の部長を尊敬の眼差しで見つめた。
9781 ◆I7CTouCqyo :2005/12/14(水) 04:28:35 0
ここまで!!
マジやばい、文章マジむずいorz

駄文ですが、こっから頑張って面白くする努力はするので付き合ってくれると嬉しいですッ
ちょっと自信ないけど 汗

では…ノシ
979名無し募集中。。。:2005/12/14(水) 06:39:24 0
いしよし乙彼保全!
980名無し募集中。。。:2005/12/14(水) 07:01:36 0
チッ・・・2日ぶりにこのスレに来てみれば
この更新量異常だぜ!

>>978
乙ッ!
石川攻撃されたみたいだな
981名無し募集中。。。:2005/12/14(水) 08:03:21 0
乙!
そろそろ次スレの用意じゃねえ?
982なんみん:2005/12/14(水) 08:55:20 0
>>915さん乙です!!
上手いな〜と思ったら…『博多弁翻訳機能』って!?なかなか便利ですね
俺のはパロだらけなので分かりますが結構楽しいですよね
>>前スレさん乙です!!
どうでもいい話ですが…クリスマス時期にハサミを振り回す人と言うと
どうしてもジョニー・デップを思い浮かべてしまいますw
>>1さん乙です!!
苦心の様子が目に見えてきますw…でもどこか新鮮ですね
俺は典型的な『監督型』なので俯瞰で文章を書くのが割と得意なんですが
1さんは自身が作品の中に入り込む『俳優型』なんだと思います
いしよしの遠慮の無いやり取りは微笑ましいですねw

ではではノシ
983名無し募集中。。。
保全するだぁー!ゆるさんッ!!