890 :
名無し募集中。。。:2005/08/31(水) 03:15:42 O
これは現代日本じゃないよな
イメージ的には…戦国時代より
中世ヨーロッパあたりかな?
ho
ほ
ぜ
ノノ*^ー^)<ん〜?
ほ
从*・ 。.・)おほほほほっ
ほ
900いっちゃうね
最近保全ばっかりだからな
正直すまん…
次スレははちょっと書きためてから立てます
期待しとるよ
今一番期待してる小説スレだから保全もしたくなる
それはお前らも一緒なんだろうなw
ho
いつの間にか更新キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
毎回楽しみにしております
ほ
ぜ
ん
ze
n
ho
911 :
名無し募集中。。。:2005/09/01(木) 12:00:43 0
ウキ
えりりん
ほい
ほほい
( ´ Д `)んぁ
「これはまた、珍客ですね」
あさ美は開口一番にそう言った。亜弥から見たその顔はどこか青白く、不健康そうだった。あさ美から見た亜弥も、同様に疲れの浮いた顔をしている。
二人がこうして会うのは随分と久しぶりのことだった。あさ美にとって、亜弥の姿は真希とは違った懐かしさがある。
「そんな言い方しないでよ…久しぶりじゃん」
「そうですね、松浦さん…」
二人は王宮を離れ、城下の一角の酒屋に来た。真希同様、亜弥も王宮に入れるわけにはいかない人物だから。
城下には王宮官吏などが住む高級な場所とは別に、ごく貧しい下町がある。公式な立場にないあさ美にとって、過ごす場所は後者である。しかし、そこでのあさ美の力は大きい。
さゆみが表の人気を支えているとするならば、首都圏での「闇」の人気はあさ美が支えている。彼女はもともと、所得の大きな者よりも小さな者、追いやられた者、圧迫された者たちの力が最後には役立つと考えていた。
貧民や難民を省みない政治が先王のやりかたであり、それを崩そうとしたさゆみは、あさ美のそんな部分を奨励していた。
だから城下での王宮人気はほぼ揺ぎ無い。
この店は中でも日陰にある小さな店だが、王宮に入ってからのあさ美が落ち着ける数少ない場所になっていた。
「今日は二人ですか、紺野さん。珍しいですね」
マスターが気さくに声を掛ける。この一帯では紺野の立場は暗黙の了解として知られている。そして皆、王宮の最高実力者の一人でありながらその素性を表にせず、弱者に加担してくれるあさ美に敬意と憧れを抱いていた。
あさ美が亜弥をここに招いたことは、少なからず彼女に気を許しているということでもある。
「あんまり来たことなかったけど、この王宮都市にもいい所があるんだね」
亜弥が落ち着いた店内を見回しながら言うと、あさ美は少し眉を下げて言った。
「まだまだですよ…。この辺りも、少し隔てたところとの格差はまだ大きい。対立も根強くありますからね…」
「そっか…。紺ちゃん、なんだかかっこよくなったね」
「どういうことですか」
「いや、へへへ。ごめんね、忙しいのにわざわざ出て来てもらっちゃって…」
「いえ。私もちょっと気分転換したいと思ってたところです」
店内には穏やかな空気が流れている。あさ美と亜弥は性格も違えば、考え方も全く違う。しかし昔から妙に馬があった。
せっかちな亜弥にとって、あさ美の捉えどころの無い空気や、そのくそ真面目な性格が不思議と心地よかったし、あさ美も亜弥の無駄に明るい雰囲気が嫌いではなかった。
「それで、今日は一体どんな用ですか?」
あさ美がそう切り出すと、亜弥は言葉に詰まった。
様々に思うところがあってここにきたはずだが、考えは纏まらない。短い言葉に纏める術が全く思い当たらない。
「急に紺ちゃんの顔が見たくなった……じゃ、だめ?」
「だめです」
「にゃはは…相変わらずだなぁ…。でも、本当にそれもあるんだよね。何だかいろんな考えが入り乱れて…ふと紺ちゃんの顔を思い出したら会いたくなっちゃった」
その言葉にあさ美はどう反応したものか、何となく額を掻いた。
「ねぇ、紺ちゃん…。紺ちゃんが王宮に入ったって聞いたとき、吃驚したよ。でも今は何か合ってるかなぁって思う」
「そうですか」
「真面目だもんね。いつも『完璧』を求めてた。どう?今の仕事は、充実してる?」
「………」
一瞬、暗い思案顔になったあさ美の表情を亜弥は見逃さなかった。しかし、それに気付かないふりをする。すぐにあさ美が取り繕ったのがわかったから。
「『完璧』を求めてたのは……ポーズだったんです。あの頃はそうして自分に言い聞かせないとすぐに自分を見失った。何を目指すべきかわからなくなった…。だから…でも今はそれとはもっと別に大切なものが見つかったから、充実してます…」
「そっか…」
亜弥はその何か決然とした台詞に安心した。
「強くなったね、紺ちゃんは…」
亜弥とあさ美の関係は微妙だ。真希や美貴と共に三強と謳われ、真希のパートナーでもあった亜弥。そしてあさ美は真希の弟子であり、最後まで真希のパートナーとして認められることは無かった。
亜弥はそんなあさ美を、気の置けない妹のように思っていたし、あさ美も、師匠である真希とは違う、親しい気持ちで亜弥を慕っていた。
お互いの立場が変わった今でも、その頃の名残が二人の間にはなおあった。
「松浦さんは…あまり充実していない、という口ぶりですね」
そう言われて亜弥はどきりとした。
あさ美の能力は高く、真希が認めなかっただけで、誰もがその実力を認めていた。殊、情報戦や心理戦でのあさ美の力は当時から抜きん出ていた。
妹のような存在、そうであると同時に頼れる仲間でもあり、時には姉のように思えることもあった。
「なんていうか…紺ちゃんってすごいよ。表情一つ変えずにそういうことが言えちゃうとことか…」
苦笑しながら亜弥が言う。
「今何をしてるんですか?昔の仕事はもうしてないようですが…」
「ふふふ、してたら今頃敵同士だね」
今度はあさ美がどきりとした。もちろん表情には出さなかったが。
『敵同士』と言う言葉に、ある二人の姿が過ぎったのだ。亜弥にそんな意図は全くないことは明白だったが。
「普通に暮らしてる。普通に、人並みに…」
「今の組織は石川さんたちが仕切ってるんだってね。昔と比べれば随分と力は失ったらしいけど…紺ちゃんは今それと戦ってるの?」
「ええ…」
「昔の仲間と戦うのは辛くない?」
「さっきも言いましたが、昔の私には明確な目的は無かったんです。ただ強くなるために組織に…後藤さんの下に身を置いていた。だから仲間という意識なんて無かった」
「……」
「今思えば、それが後藤さんに認めて貰えなかった理由でしょうね。仲間云々はともかく、自分に理由が無くただ口癖のように『完璧』に執着していたことが」
「それが…今は自分の確かを見つけられたんだ。そしてそれが王宮にある…」
「そうです。だから私は戦います…あのお方のために…」
「紺ちゃんらしいっていうか、なんていうか…。でもやっぱり、強くなったんだね」
「どうでしょうね…」
あさ美の中には蟠りがある。それははっきりとした形を見せるほどに大きな物ではない。
しかしS市の夜依頼、その影は確実にある。そしてそれを抱えた今「さゆみの為」と繰り返し口にする自らの姿が、嘗ての『完璧』という雲を追い求めた自分の姿に重なる時がある。
お互いが、相手の心に何かしらを抱えているのを感じていた。しかしそれとなく悩みを打ち明けられた昔とは状況が違う。
「紺ちゃんは…」
亜弥は急に声を潜めて言葉を発した。それが一旦詰まった機会に、今一度辺りを見回す。他に客は居ない。マスターは奥で作業をしている。
「王女さまの為に……王女さまの命令で、ごっちんを雇ったの…?」
その言葉は一瞬、あさ美の表情を変えた。
「……どうしてそれを?」
極秘の情報。しかも前線を退いている亜弥が知っているということは、大きな情報漏洩のルートが存在する可能性を示していた。
「それは、知ってるよ…私今ごっちんと一緒に住んでるんだもん…」
「そうだったんですか…」
ひとつ、不安は消えた。しかし次の疑念がすぐに浮かぶ。亜弥の言葉の意図がいまいち読み取れなかった。亜弥と真希の関係はそれとなくは知っていたが、昔からそれは微妙なものだったから。
「後藤さんを雇ったのは……そうですね、じゃあこれも知っているでしょう。今、闇で暗躍している亀井絵里という存在を…組織の、石川さんの最後の切り札を」
「うん、知ってる…」
「彼女は…松浦さん達が居たころにはいなかった。しかし今、王宮にとっては最大の脅威です。
その実力も、まだ計り知れない部分がありますが、あの頃にもしいたら歴史も変わっていたかもしれない。それくらいの人物だから、強い後藤さんの力を借りることにした。ということです」
「ごっちんを利用して、亀井絵里とぶつけることにした…」
「まあ、言い方を変えればそうですね」
「でも……いや、…」
言葉に詰まった亜弥をあさ美は胡乱の眼差しで覗った。
「紺ちゃんはごっちんと最近会ってるよね?どう思った?」
「どう、とは?」
「昔と比べて…」
「……そうですね、昔と同じように、何を考えているのかわかりませんでした。その余裕そうな笑みも、手ごたえの無い目も…昔のままのように感じましたが…」
「違う…」
「え?」
「ごっちんは変わったよ…。昔のごっちんじゃない。昔よりももっと、何か、こう…危ない」
「………」
店内の空気は相変わらず穏やか。しかし二人の間にある空気だけが、張り詰めていた。緩やかに流れる音楽に掻き消えそうなくらい二人の声は小さい。側にいても普通の人になら会話の内容が聞き取れないのではないかと思われるくらい。
「ねえ、紺ちゃん…今からでもいい、ごっちんに仕事をさせないで…。今のごっちんは、何かとんでもないことをやらかしそうな雰囲気があるの…」
「……何か、知ってるんですか?」
亜弥はあさ美の目に、苦しそうに俯いた。
「言えない…。私も全部は知らない。ごっちんは話してくれないだけど…私の知ってることも、やっぱり言えない。紺ちゃんにも…」
「……」
「言えばごっちんを裏切ることになる…。私は…ごっちんを裏切ることだけは出来ない…」
あさ美が一つ、溜息を吐いた。張っていた空気が、ほんの僅かだけ緩む。
「『後藤さんを裏切ることは出来ない』…口癖でしたね。藤本さんが死んでからの…」
亜弥は思わずあさ美の顔を見上げた。あさ美は知らない。美貴が生きていることを。そして当然、真希が美貴と会い、何かをしようとしていることも。
あさ美の言葉は亜弥の内心を激しく掻き乱した。
そもそも始め亜弥の側には美貴がいた。ずっとそこにいると自分自身でもそう信じていた。しかし結果的に見れば亜弥は美貴を裏切り、真希のもとに来た。美貴の死は、亜弥にとってとても大きなものだった。
しかしそれでも真希を選んだのだ。そしてそれは二度と揺るいではいけない、そう誓った。今美貴が生きていたこと、そして真希が変わってしまったことは、云わば二重に、亜弥の眼前にあのときの苦悩を押し付けられたことに他ならない。
それを、あさ美の言葉を聞いたとき、はっきりと知覚してしまったのだ。自分は今揺らいでいる。真希を裏切ろうとする心が擡げている。それは決して、許されざることだ。
あさ美はそんな亜弥の苦悶の表情を見つけていた。亜弥の中にある葛藤の形も、おぼろげながら把握しはじめていた。
「私は…最初の、素直に後藤さんを慕っていた頃ならともかく、認めてもらえない苛立ちから後藤さんに不信感を抱いていました。調度後藤さんの下を離れた頃がそうでした。だから…そうした感情の残滓から後藤さんの変化に気付けなかったのかもしれません」
あさ美は不意に話だした。亜弥に語るような口調で、昔を思い出しながら。
「私にとって後藤さんはあまりにも大きかった。始めは素直に憧れていたけど…自分が強くなったと思うたびに後藤さんとの差が開いていくように感じました。だから未熟だった私は後藤さんを憎んでいたのかもしれない…」
「…紺ちゃん?」
あさ美は思った。そういえば真希は変わっていたのかもしれない。昔の真希には無かった、狡猾さが覗えたのも事実だ。そして昔以上の、不気味な雰囲気が確かにあった。
亜弥はそんな真希の変化に酷く戸惑っている。そして苦しんでいるのだ。
「松浦さんの気持ちはわかりました。後藤さんを…救って欲しい、そういうことですね?」
亜弥は一瞬目を見開いた後、静かに頷いた。
「私にとっても後藤さんは大切な人です…。今思えば、私は後藤さんの背中ばかり追いかけていた。出来ることならば私もそうしたい、だけど…」
「私の力であの後藤さんを救うことが出来るとはとても思えません…。それに…わたしにとっては今、後藤さんよりも、誰よりも大切な人がいます…。松浦さんにとって後藤さんがそうであるように…私は陛下をすべてに優先します」
張った空気は溶けた。亜弥があさ美を訪ねた理由をあさ美は了解した。そして一つの答えが出た。亜弥も、あさ美の考えをわかった。あさ美の、言葉の端々に微かに覗く苦しげな部分も、おぼろげにわかった。
亜弥とあさ美は昔から考えが全く違う。しかし、どこか似ている部分があった。今、二人は同時にそれを思い出していた。
「そっか…そうだね。紺ちゃん、ありがと。はっきりと言ってくれて…」
「……」
「少し、楽になった。紺ちゃんはやっぱり、頼りになるね…」
「私は…」
「んふふ、いいの。じゃあ、これは紺ちゃんと、紺ちゃんの大好きな王女さまの為に言うね。『気をつけて』もしかしたらごっちんが、また敵になるかもしれないよ」
「……わかりました」
「もしそうなったら、今度こそ本当に私たち敵同士になるね」
「松浦さん……」
「今、ちょっと実感した。私たちってやっぱちょっと似てるよね」
亜弥は席を立った。
問題は何も解決してはいない。しかしあさ美と、こうして話し合えたことは亜弥の気分を随分楽にした。そしてあさ美に感謝し、またあさ美に申し訳ないとも思った。
あさ美の方での問題は、自分では力になれない。王女のことを亜弥は何も知らないのだから。
「ちょっと届きそうに無い想いを抱えてるとことか」
亜弥がからかい半分に言うと、あさ美は酷く慌てだした。そんなあさ美を見て亜弥は柔らかく微笑む。
「また、会いに来ていいかな?」
「え、ええ…」
「今日のお礼がしたいし…そうだね、今度は何の気苦労も無く、普通に会えたらいいな。お互い」
「そうですね」
「じゃあ、本当にありがとね」
亜弥の背中を見送ったあさ美の中にも、小さな安心感があった。里沙といい、亜弥といい、自分は友人に恵まれているのかもしれない。
その関係は、いつ波に飲まれて消えるか知れない、死の匂いを伴っているとしても。
同時に、亜弥の言葉の中にいた真希の存在が不安の影を落とす。真希を救えるものならばそうしたい。しかし、もし真希がさゆみに危害を及ぼす存在であるとするならば…
敵にしたくはない。真希もそうだが、亜弥も。
希薄な友情。しかし敵になっても、命のやりとりをすることになったとしても、自分は彼女のことを友と思うだろう。
我ながら不器用だと思う。そして、そう思ったとき、何故か「あの二人」の姿が過ぎった。
ふぉー!
読んでて緊張するわ
更新キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
複雑に絡まり合う人間模様にこの作品の奥深さを感じます
GJ!!
誰か死神狂犬コンビを止めてええええええ
やばいもうホント作者さん神すぎるわ
ho
ほ
ze
ワクドキ
ホ
作者って他に何書いた人?
狂犬がぐちゃぐちゃにしてくれたら面白いよな。
ho
从VvV)ぐへへへぇ