もしもミキティが幼なじみの隣の娘だったら 37冊目
1 :
名無し募集中。。。:
2 :
名無し募集中。。。:2005/07/28(木) 01:48:45 0
川VvV)
3 :
名無し募集中。。。:2005/07/28(木) 01:52:49 0
川TvT)
4 :
名無し募集中。。。:2005/07/28(木) 01:54:59 0
川 T v T)
5 :
名無し募集中。。。:2005/07/28(木) 02:04:11 0
6 :
名無し募集中。。。:2005/07/28(木) 02:33:10 O
ほ
8 :
名無し募集中。。。:2005/07/28(木) 04:53:28 O
スレ立て乙!そして作家さん常に募集中。。。
夏は保全が大変だな
誰か昨日の更新分張ってくれm(__)m
昨日の更新分をテキストでお願いします
美貴を抱え、ベッドに横になったまま、俺は眠れずにいた。
美貴もまだ眠ってないみたいだった。
「美貴、寝た?」
「ねた」
「起きてんじゃん。はよ寝ろ」
「ねむれない」
「直った?」
「なにが?」
「直ってないな」
美貴が体を俺の方に向き直し、目を閉じたまま言った。
「ねぇ、○○ちゃん。おはなしして」
「お話?」
「して、おはなし」
「お話ねえ?桃太郎は?」
「ほかの」
「じゃあ、三匹の子豚は?」
「ほかの」
「白雪姫は?」
「しらゆきひめ?」
「美貴は聞いた事、無い?」
「たぶん、ない」
「じゃあ、白雪姫にしよう。──むかしむかし、ある所にお爺さんとお婆さんが、」
「それ、ももたろうだよ。あはは」
「あぁ、そうだったね。──むかしむかし、ある国に、白雪姫というとても美しい少女がいました」
思い出し思い出し、物語を語る俺の言葉を、美貴は目をつむったまま、聞いた。
美貴を直すには、どんなおまじないが必要なんだろうか?
物語りも途中だというのに既に寝息をたてる美貴の、少し広めのオデコにキスをしてみた。
「むにゃむにゃ。○○ちゃん、だいきらい」
美貴は頬を緩ませて寝言を言った。その顔を見ながら自然と微笑む俺も、いつのまにか眠りについていた。
次の日の朝、いつもより少し早めに目を覚ました。
隣では美貴が体を丸めてスヤスヤと寝息を立てている。
こうやって寝姿を見るといつもと変わらないんだけどな、と美貴の頬にかかった茶色の髪を撫でた。
すると、美貴がゆっくりと目を開けて言った。
「おはよー。待ってたよ」
「おう、おはよう。何を待ってたの?」
「○○が起きるの」
「呼び捨てかよ。」
美貴の表情は昨夜よりも少しだけ大人に見えた。
俺の事を呼び捨てにしてた時期が美貴にもあった事をハッと思い出し、美貴に尋ねた。
「美貴、今、何歳だ?」
「何言ってんの?○○と同じ10歳じゃん」
寝ている間に、ほんのちょっとだけ直ったらしい。
起きてベッドの上であぐらをかき、まだ記憶の整理が付かないのか、うつむいたままの美貴に問いかけた。
「戻ったのか?」
「何が?」
「何がって、記憶」
「なんか、変な感じ」
そう言う美貴はベッドの上のタオルケットをじっと見つめてぼんやりとしている。
また、聞いてみた。
「美貴、昨日の事は覚えてるか?」
「昨日──覚えてる。病院に行った。」
「それは覚えてるのか。じゃあ一昨日は?」
そう聞くと、美貴は首を振ってこちらを見つめた。
自分に起きている不調に少し気付いたのか、美貴の瞳は不安でいっぱいだった。
俺は、また美貴を抱きしめた。
美貴を抱きしめたまま、話しかけた。
「今日も、病院に連れて行くから」
「──うん」
「とりあえず、朝メシ食べる?」
「食べる。真希ちゃんと亜弥ちゃんは?」
「あっ、そうだった。えーと、一緒に美貴の家で食べよう」
「うん」
そう頷いたあと、美貴は俺の腕からすり抜けてベッドを立った。
美貴は部屋の入口で立ち止まり、振り返って言った。
「先に行ってるから」
「おう」
そう返事をして、少しきれいな外着に着替えつつ、10歳当時の事を思い出していた。
俺と美貴が10歳の頃っていったら、もう美貴も亜弥も、美貴の家の養女になっていたし、
美貴の長女としての自覚が少しずつ付き始めていた時期だった。
俺の事も呼び捨てにするようになっていたし、4人で遊ぶ時などは、
いつも美貴が先頭に立って指揮をとってた。
今の美貴の状態は、その頃に比べたら覇気が足りないような気がしたけど、
昨日の4歳の状態に比べたら大分いいだろう、と思った。
窓から美貴の家を見ると、美貴に抱きつく真希と亜弥の姿が見えた。
真希と亜弥は、少しだけ目に涙を浮かべているように見えた。
このまま順調に美貴が元に戻ればいいけど。そう思った。
4人で真希の作ってくれた朝食を食べながら、美貴の現状について真希と亜弥に説明した。
真希も亜弥も何とか理解してくれた。しばらく考えて、真希が言った。
「この調子だと、明日か明後日には直りそうじゃない?」
「そうだと良いけど」
亜弥にネギを勧められながらも頑なに拒否している美貴を見ながらそう言った。
真希と亜弥がとっくに食べ終わってた後、ようやく美貴も食べ終わり、手を合わせて言った。
「いただきました!」
「美貴、ごちそうさまでした、だろ?」
「そうとも言う」
そう真顔で言う美貴のおでこを亜弥がペシッと叩いて言った。
「そうとしか言いません」
「おでこを叩くな」
美貴がおでこを抑えながら亜弥を睨んだ。
「「それじゃあ行くから」」
そう言って真希と亜矢は学校に行った。
それを静かに見送った美貴は俺の方を見て言った。
「美貴も行かなきゃ」
「美貴は行かなくて良いんだよ。夏休みだから」
「そっか」
美貴は納得してくれた。
ひとつだけ、気になってた事を美貴に聞いてみた。
「美貴、俺って何歳に見える?」
「えー?んーと、18歳くらい?」
「何かおかしいとは思わない?俺が俺だってわかるのか?」
「わかるよ!○○はどんなになっても○○じゃん」
どんなになってるのは美貴なんだけどな──と思ったが、口には出さなかった。
リーありがとう
「それじゃ、散歩でも行こうか」
「うん」
俺と美貴は着替えをし、家を出て、予定どおり午後の診察までの間、
散歩という名の思い出の場所めぐり(美貴のを元に戻すため)をする事にした。
手をつないで並んで歩く18歳カップル。はたから見ればそうにしか見えないだろう。
それにしても、さっきからすれ違う人は笑いを堪えて口を隠すし、
追い抜いていく人は一度振り返って俺たちを見て、また去っていく。
何がオカシイのか?──それは俺もわかってた。美貴がフリフリの白いワンピースを着てたからだ。
歩きながら美貴に話しかけた。
「なあ、美貴。他に服無かったのか?」
「かわいいでしょ?」
「──かわいいけどさ」
「でしょ?」
そう言って美貴は立ち止まり、スカートの裾を広げてバレエのポーズをした。
俺は少し眺めた後、見た目18歳の美貴を見て言った。
「キツイ」
それを聞いた美貴は軽く泣きながら走って逃げた。
「ちょっと、待って!」
「バカー!」
嘘泣きしながら美貴は全速力で走って逃げた。俺はしょうがなく走って追いかけた。
フリルのブリブリスカートだから走りにくいはずなんだけど、美貴は速かった。
追いかけっこをしばらく続けている間に美貴は笑顔になっていた。
あははははは、と笑いながら俺から逃げていた。
そういえば、小さい頃、美貴はこんな感じだった。
おもしろいよリー
リーはやれば出来る子だな
リー いいよ リー
23 :
名無し募集中。。。:2005/07/28(木) 12:50:10 0
24 :
名無し募集中。。。:2005/07/28(木) 14:16:39 O
リーの発想はすげぇって思うよ
リー成長してるな
リーありがとう
おもしろいよ
27 :
名無し募集中。。。:2005/07/28(木) 16:24:58 0
\\\ /⌒\ , ─ 、
/___ヽ / ヽ\\\
/  ̄  ̄ ヽ. i
\\ /  ̄ ̄ ̄ ̄ \ \ | こ こ れ す !!!
/丶/|::/!!! ミ;= ヽ ヽノ
/r",,ゞィ ヨ ●ヾ ヽ ヽ \\\
|:::::イ●ノ / 、"'ーヘヽ | i
\\|:::::::"" ,.゙・ ・'' ヽ、"" |. |
/⌒ ヽ !:::: il´トェェェイ `li ! !
/ ヽ Y"⌒ヽ ヽ:::::. !l |,r-r-| l / /
l ヽ )!、__/ | \:::: `ニニ´ / /
\_) ̄( ゙'-、 _ニ--、━━━6━━━━━ヽ、
゙'-─ '"'-、, _,) / ___ \ /⌒ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ | .| ヽ ノ i ` ┬′
なんやリーリーゆうとりますがw
更新乙〜
ho
32 :
名無し募集中。。。:2005/07/28(木) 23:20:28 O
ロマンチック
ze
「捕まえた」
「掴まっちゃった」
美貴をようやく捕まえ、散歩を続けた。まずは近くから、保育所、小学校、中学校、あと高校にも行った。
それでも美貴は首を捻るばかりで中々思い出せそうに無い様だった。
神社とか公園とか思い当たる所はすべて行ってみたけど、やはり駄目だった。
流石に二人とも歩き疲れて、いつも下校時に寄る商店でアイスを買った。
商店前の椅子に座り、そのアイスをガジガジかじりながら美貴が言った。
「まだ歩くの?」
「まだ病院の診察には時間あるし、──そうだな、──海行こうか?」
「海!?行く!」
美貴はそう喜んでアイスを急いで食べた。そして食べ終わってアイスの棒を見て、
「はずれた!よし!行こう!」
と言って棒をゴミ箱に投げてから、椅子から立って走り出した。
「ちょっと待てよ」
そう言ってまだ食べ終わらないアイスを咥えながら美貴をまた追いかけた。
すると、10メートル程走った所で、美貴がいきなり立ち止まり、頭を抱えて唸った。
「ううう」
「どうした?美貴。大丈夫か?」
「ううう」
「──もしかして記憶が?戻ってるのか?」
「ううう、頭痛い」
そう言って美貴は両方のこめかみを押さえた。俺はため息をついて言った。
「アイスをあんなに急いで食うからだよ」
「あいたたたた」
こめかみを押さえたまましゃがみ込む美貴を見てから、自分が食べきったアイスの棒を見て言った。
「あたりだ」
しゃがみ込んだままの美貴を残して、ひとまず俺は商店に戻った。
商店から戻った時には美貴の頭痛は既に治まっていて、腕を組んで頬を膨らませていた。
「どこ行ってたの?」
そう聞く美貴に、アイスが当たった事を伝え、商店でもらって来た二本組みのソーダアイスを
二つに割って、一方を美貴に渡した。
「そっちの方が大きい」
と言う美貴に、変わらないよ、と答えたけれど、すぐに交換させられた。
「急いでバカバカ食べるなよ、さっきみたいになるぞ」
「誰がバカやねん」
美貴は俺に軽くつっこんだ。そうそう、美貴がツッコミを覚えたのも多分10歳くらいだった。
そのまましばらく歩いて、松の植えられた防風林を抜け、海に出た。
どこまでも続くような長い砂浜の海岸は快晴でもあって海風も強く、
遠くの海岸線は巻き上げられた潮で白く滲んでいた。
波が高かった事もあって、海水浴客は少なく、波打ち際で砂遊びをする親子が2、3組いただけだった。
海を見てテンションの上がった様子の美貴は声を上げて波打ち際に走って行った。
「海ー!」
「おーい!はしゃいでると、転ぶぞ!」
俺がそう言ってる間に、美貴はやっぱり転んだ。
しかしすぐに起き上がり、服に付いた砂を払って、また走り出した。
美貴はそのまま波打ち際まで向かって、ギリギリまで海水に近付いて、波が来たら逃げる遊びをやり始めた。
「あんな服とミュールじゃ動きにくいだろ」
俺はそんな独り言を言いながら、美貴の方に近付いて行った。
美貴の方を見ると、母親と一緒に遊んでいた幼女が美貴の方に何かを持って近付いた。
その途端、美貴が膝を付いて頭を抱えた。
「美貴!」
そう叫んで美貴の方に走っていく俺の耳に、美貴の叫びが聞こえた。
リー終わりかい?リー
乙!気になるじゃないかリー
連続落ちか
ようやく美貴近くまで来て、美貴の肩を両手で掴み、問いかけた。
「どうした?美貴」
「ごめんなさい。ごめんなさい」
俺の存在に気付かないのか、美貴は泣きながらそう繰り返し言った。
「何がごめんなさいなんだ?」
「私が悪かったの。私が」
不安と恐怖でいっぱいの顔の美貴を、とりあえず抱きしめた。
美貴を気にしながらも、さっき美貴に近付いた幼女を見ると、いくつかの大きな貝殻を持ってポカンとしていた。
すぐに近くにいた母親が、すみませんね、と、泣いている美貴に気付かずに、幼女を脇に抱えて戻って行った。
それを眺めていると、美貴が俺に言った。
「○○ちゃん、助けて!美貴、変な感じ」
「何が変なんだ?それに、○○ちゃんて」
「○○、ねえ、どうにかしてよ、助けてよ、あんた!」
さっきから美貴の中の年齢が戻ったり、進んでたりしているように感じた。
○○ちゃんとか、○○とか、あんたとかの俺の呼び方でわかった。
(直ってきてるのか?でも何で?──はっ!)
さっきの幼女の事を思い出した。年の頃は4、5歳。それにしては小さめの体。
あの、昨日病院で見た、重体の女の子に背格好が良く似ていた。
(それで、記憶がオーバーラップしたのか)
「○○ちゃん、○○ちゃん、○○ちゃん」
何度も俺の名前を呼び、涙を流す美貴はかなり辛そうだった。
(でも、これを乗り越えないと、多分元に戻れない。これはある意味チャンス)
そう決意した俺は、美貴に話し始めた。
「美貴、聞いてな」
美貴が震えながらも何とか頷いたのを確認して、話を続けた。
「美貴はな、一昨日の晩、バイトで人質救出の任務をしてたんだ。
救出はすぐに完了したよ。でも、帰る途中に美貴が脇に抱えてた人質、女の子を谷底に落としちゃったんだ。
美貴も、急いで助けに行ったよ。でも間に合わなかった。女の子はひどい怪我を負ってしまった。
それで、何とか病院まで運んだんだけど、医者からは助かる見込みが無いって言われて──。
美貴はボーっとしたまま、家に帰っていったそうなんだ。
これが昨日、さゆから聞いた話、全部だよ」
俺が話し終わった時、美貴の頭から、チャキーンと言う記憶の戻る音がした気がした。
その後も、しばらく泣いていた美貴が泣き止んでから、抱き付いてた体を離して俺に言った。
「思い出した」
「そうか」
そう言って美貴をまた抱きしめた。
「私が、あの子に酷い事しちゃった」
「バカ、死んでは無いよ。──まだICUに入ってるけど」
「やっぱり」
「──美貴はショックで、あの女の子の歳に戻ってしまってたんだよ」
「そっか」
そう呟いて、また美貴は泣き始めた。
俺のTシャツの肩口は、見る見る内に湿っていった。
潮の香りが強く匂う海岸で、しばらくそうしていた。
「あの子が入院してる病院に行こうか」
美貴もそろそろ泣き止んだと思った俺は、美貴を抱いたまま問いかけた。
その時、一瞬美貴の体が震えて、美貴のあごが俺の肩から持ち上がった。
「マイちゃん」
美貴がそう呟いた。
美貴が俺を突き飛ばして、走り出した。
口に入った砂を吐きながら俺が振り返ると、美貴が小さな女の子を抱きしめていた。
「マイちゃん!ごめんね!ごめんね」
美貴はまた涙を流してその女の子に謝っていた。
「あの子は、たしか──」
「マイちゃんですよ」
俺の後ろから道重が声をかけた。
女の子に抱きついたままの美貴の方を気をかけながら、道重に話しかけた。
「さゆ」
「どうも」
道重は一礼して答えた。また道重に聞いた。
「あの女の子、マイちゃん?もう回復したのか」
「いいえ。まだ全快では無いんですけど、意識が戻った後、藤本さんの事うっかり話しちゃったら、
会いたいって聞かなくって」
「それで、連れて来たのか」
「はい」
美貴の方を見ると、きつく抱きしめる美貴に、マイちゃんがあがいていた。
「こらこら、美貴!死んじゃうぞ」
「あぁ!そうだった。──大丈夫?マイちゃん?」
ようやく美貴の鯖折りから開放されたマイちゃんが、美貴に言った。
「しぬとこでしゅた」
「ごめんね」
美貴が頭を撫でながら、そう返した。マイちゃんが美貴を見つめ直して言った。
「おねえちゃん」
「何?」
「たすけてくれてありがとうでしゅ」
「何を(言って)──」
マイちゃんの言葉を聞いた美貴がまた泣き出した。
「うえぇぇぇん!」
「いいこいいこでしゅ」
泣き続ける美貴の頭を、マイちゃんが撫でた。
「どっちが子供なんだよ、なあ?」
俺は隣の道重に言った。道重は普段見せない美貴の態度に、少しだけ笑っていた。
「あ!美貴ちゃん泣いてる!」
防風林の方からそう叫ぶ亜弥と真希が歩いて来た。
「お前等、課外(授業)は?」
「早退して来た」
そう答える真希に亜弥が突っ込んだ。
「抜け出して来たんだよね」
真希は、にひひっと笑って、美貴の方に近寄って行った。
美貴がそれに気付いて声を上げた。
「真希ちゃん!亜弥ちゃん!」
その言葉に亜弥が美貴に飛び込んで言った。
「美貴ちゃ〜ん!」
熱っちい砂浜の上を転がる美貴(と亜弥)に向かって真希が言った。
「直ったみたいだね」
「うん。ありがとね、真希ちゃん」
美貴がそう言って、ようやく起き上がった。
マイちゃんは既に道重と手をつないで遠巻きに眺めていた。
ようやく、美貴が俺の方に近寄って来て言った。
「ありがとね」
「おう、いいって事よ」
「あんたが美貴の事、直してくれたみたいだね」
「おうよ」
「──所でさ」
「何だ?美貴」
「あんた、誰?」
そう言って美貴が俺を睨んだ。
美貴の言葉を聞いた俺と真希と亜弥と道重の口が、あんぐりと開いた。
どうやら午後の病院の予約は、無駄にならずに済みそうだ。
俺はお決まりのセリフを吐き捨てた。
「だめだこりゃ」
【 あんた誰? 終了 】
リー乙!
なんか急に物語が進行してて手抜き感があるけど
>美貴の頭から、チャキーンと言う記憶の戻る音がした
ここワラタ&失望した
オチがよかっただけに途中の手抜き感が勿体無いよリー
リー乙!!
また来てくれることを祈り
全力で保全するよ!
ほ 是 ん
保 前
リーよかったよリー
またどこかで書いてくれよ楽しみに待ってるよ
乙かリー。かまいたちの夜のギャグエンドみたいだな
感想とかありがとう
もう長いのはダメだぁ
途中で疲れちゃうもの
ω・`)
4レスくらいで終わらすほうが
キレがあっていいような気がする
さゆの包丁のやつみたく
乙
>>49 いいよいいよリー
おまいは発展途上でまだまだ伸びそうだ
リーは人気者だなぁ
ho
ze
n
ya
yo
作家さん募集中。。。
求めすぎ
「ねぇ、はやく、読みたいの」
ho
ze
うわぁぁぁ何ヶ月ぶりにこのスレ見つけた…
リー氏乙!一気読みしました!
ho
久しぶりだな このスレ
エレカシさんが全盛期だったぐらいからだからかなり懐かしい気がする
>>64だがもしミキ29でショート保全書いてからだから約3ヶ月ぶりだw
3時間かけてまとめサイト読んできたんだがもしミキ34以降更新してない…orz
まとめサイトの中の人がんがれ
もけ
川VvV)ノ
74 :
名無し募集中。。。:2005/07/30(土) 13:34:58 O
ほ
ヒトイネから今のうちに美貴独占
即効阻止
おまいら付き合ってんな
いつからだろう?美貴のいない毎日に慣れてしまったのは。
美貴は俺の中に大きく入り込んでポッカリと穴を開けていった。
あいつがいない夏が当たり前の様にやってきた。
セミの声がやけに五月蝿く聞こえた。
高校2年生の夏だった。海やら遊園地やら全ての計画はなぜか有耶無耶になっていた。
美貴に聞いても、不自然にごまかすだけ。
俺にはその先に待ち受けるものが見えていなかった。
いや、むしろ見させてくれなかったと言った方が正しいかもしれない。
今日と同じようにあの日も照りつけるような陽射しと五月蝿いセミの声が印象的だった。
高校の授業終わりに友達と遊びに行こうとした時だった。その時、携帯は一通のメールを受信した。
美貴「―今から体育館にきて欲しいんだけど、来れる?―」
なんだか妙に…普通のメールなんだけど…嫌な予感がした。
俺 「わりぃ。急用できたから先に帰ってて」
友達「はぁ?マジかよ」
俺 「ゴメン、ゴメン。今度、なんか奢るからさ。じゃあ」
別に美貴を優先する必要もなかったが、この時はなぜか断る気になれなかった。
体育館にいくと灯りは点いておらず、窓から差し込む陽射しだけが頼りで
少し薄暗い雰囲気だった。中に入ると、壇上に一人の人影の姿が確認できた。
(´・∞・`)
俺 「よっ」
美貴「よっ!遅いぞ」
あいつの元気な声が体育館に響き渡った。
俺 「5分しか経ってないじゃん。まぁいいや。なんか用?」
美貴「エヘヘ」
美貴は抑えきれないといった感じで笑みを零した。
俺 「なんだよ。気色悪い」
美貴「いやだってさ〜。これ見て♪」
そういうと美貴は一枚の書類を俺に手渡してきた。
その書類にはレッスンとか歌手とか遠い世界のことが書いてあった。
美貴にとっては夢の片道切符といったところだろうか。
俺 「うわ!なんじゃこりゃ」
美貴「ねぇ、すごくない?」
言葉も出なかった。あのおてんば娘がアイドルとか…
想像もつかない
美貴「高校も辞めて、そして東京に行くんだ。」
俺 「マジかよ」
高校も辞めるのか。こりゃ本気だな。
そして東京か―……東京?
俺 「お前…上京すんの?」
美貴「うん。もう決めた。向こうでレッスンして―…」
嬉しそうに夢を語るあいつとは対照的に、俺は呆然としていて
美貴の言葉は耳には入るが、頭の中には入っていなかった。
頭の中は真っ白だった。
美貴「どう思う?」
だからこんなことをこのタイミングで口走ってしまったのかもれしれない。
俺 「俺は…」
美貴「え?」
俺 「俺は…美貴に行って欲しくない。」
美貴「…なんで?」
少し不満そうな顔をした美貴の顔がみえた。
俺 「その幼なじみとか、そういうの抜きにして…」
美貴「抜きに…して…?」
俺 「その…一緒にいたいんだ」
美貴「…どういうこと?」
俺 「めっちゃ…もうめちゃくちゃ気になるんだよ。お前のこと」
美貴は頬を指でかきながら、困ったように下を向いた。
美貴「もうちょっと早く聞きたかったな。その言葉…」
俺 「え…」
俯いていた顔を上げて、あいつの目線はしっかりと俺に向けて、
そしてあいつは答えた
美貴「でもさ、もう決めたんだ」
俺 「…」
美貴「ごめん…」
そう言うと壇上からポンと飛び降りて、スタスタと歩いていった。
心の中では止めたかった。止めようとしていた。でも止められなかった。
体育館を後にする美貴を俺はただ見ていることしかできなかった。
一人取り残された体育館の中で呆然と立ち尽くしていた。
ただ誰もいなくなった壇上を見ていた。
体育館の中まで聞こえてくるセミの声がやけに五月蝿かった。
保全代わりにうpしました
乙
大作の悪寒
続き求ム
イイヨイイヨ〜
途中で変なAA挟んじゃってゴメンヨ〜
藤本が上京する話は久々ですな
そういえば美貴は突然やってくるシリーズを読みたいな
ho
ze
n
ho
ガラガラガラ…
「お邪魔しまぁす」
おぅ。マガジンならベッドの上のカバンの中だぞ。
「へへへw さすが○○わかってるじゃん」
当たり前だ。何年オマエの隣に住んでると思ってんだ?
「そーだよね。じゃ借りまぁす」
「…ねぇ」
ん?
「もう何年ここでマガジン読んでるんだろね?」
何だそれ?んー…オレが読み始めたのが中1くらいだから…
「って7年?そんなに?」
マガジンに訴えられるくらいタダ読みしてんじゃねぇの?w
「なにそれ?w …そっかぁ…そんなにあたし○○んちに来てるんだね…」
…。
「…。」
…なんだよ?
バコーン!!
痛ってぇ!!ちょ、おま、マガジン投げんな…
「意気地なし!!何年待たすのよ!!」
ガラガラガラ!ピシャン!
へぇ?
な、なんだそりゃ??
えー…以上、なんだそりゃ保全でした。
>>72 こんなもんで勘弁してくださいOTZ
王道だな
俺は好き
お前、それがいいんだよ、それがさ
いいねーシンプルだねー
よくマガジン出てくるけど週刊?ヤング?
少なくとも月刊では無いとは思うんだが・・・・
マガジン痛そーだなオイ
角10、背8、背に近い側面7、表紙&裏表紙5、背から遠い側面3
102 :
名無し募集中。。。:2005/07/31(日) 02:09:02 0
エロゲーヲタうざすぎ
103 :
名無し募集中。。。:2005/07/31(日) 03:34:18 O
美貴てぃ大好き
ho
ze
俺のほうが好きだ
「やばい、美貴、おでこハゲてきた」
「どら、見せてみそ」
「どう?」
「うーん」
「どうなの?」
「ハゲてないよ」
「うそ・・・・・もうやだ(泣)」
「気にすんな」
「○○は・・・・・美貴がツルッパゲになっても平気?」
「平気」
「何でよ!」
「そん時は俺も丸坊主にするよ、一緒だ、絶対に」
「・・・・・バカ」
だめだこりゃ
108 :
名無し募集中。。。:2005/07/31(日) 13:35:10 O
乙!
109 :
名無し募集中。。。:2005/07/31(日) 14:57:15 O
乙〜
ho
gj
ze
hzn
n
ほ
うむむむむ…
なーんにもアイディアが浮かばない…。
素人小説家のオレにもスランプなんて立派なもんがあるなんて…。
うむむむむ…
…ショート保全は今までたくさんやったし…
…歌ネタはエレカシさんの専売特許だろ…
…エロはセンス無いからなぁ…
うむむむむ…
「何してんの?」
!! うわっ!!…ってなんだ、美貴か。ビックリさせんなよ。
「いっつもパソコンに向かってんだから。たまには外で体動かさんと腐るよw」
…うるさい。オレだっていろいろやることがあるんだよ。
「おー怖い怖いw そんなことばっかり言ってると彼女できないよ?」
ガラガラピシャン!
…ったく。バタバタうるさいヤツ…。
幼なじみなんていればうるさいだけだな。小説みたいにカワイイ子ならよかったのに…。
ガラガラガラ…
「あ、そういえばこの前インターネットで○○の小説読んだよ。」
…え?
「『ショミキ』とかいうやつ。あれ○○でしょ?まったく…勝手に美貴を出さないでよね!
なんだっけ、ちょ、チョハッカイノジンガイ?ってやつ?」
…ええぇ? おまえ…あれ読んだのか!?
「しかも小説とはいえ美貴にあんなことやこんなことまで…」
…えええぇ!? よ、読んだんだな!?なんで…
「…○○…あんなことしたかったの?…そしたら…今度美貴がモデルになってあげても…いいよ。」
…ええええぇ!?み、美貴、オマエ…
…オマエ…
・・・ そ の マ ガ ジ ン ど う す る 気 だ ?
バゴォ!
「ウソだよこのエロガッパ!!バーカ!!」
痛ってぇ!
だ、だめだこりゃorz
マガジンキタ━(゚∀゚)━! 痛さがよくわかるなウン乙
なんか懐かしい感じ
イイネ-
いいよいいよ
乙!イイヨイイヨ
またおまいらはラブラブか
おいらは美貴とラブラブさ(´・ω・`)
127 :
名無し募集中。。。:2005/08/01(月) 14:27:45 0
川VvV) ぼいんぼいん
ho
ze
俺、このスレみたいな生活したことあるんだけど実話に基づいて書いていい?
是非
自分からも是非お願いしたい
うらまやしい生活教えてプリーズ
134 :
名無し募集中。。。:2005/08/01(月) 19:06:09 O
>>132-
>>133 わかった。思い出しつつ近日中に投下するわ
ミキティは出るの?
実話を基にした新作に期待
保全
ho
ミキティに恋をしてしまったかもしれない。
まとめサイト見てたら、「藤本」って書いてあるだけでドキドキするように・・・
なんか、最初はおもしろそうな短編ばっかり読んでたけど
ズッコケさんとかエレカシさんとか飛亡さんとかリーさんとか・・・みたいに
同じ人が書いてる違う話もいいですねぇ〜
最近リーさんグッジョブです。
ズッコケさんは来てないみたいですが、エレカシ&飛亡さんガンガッテクダサイ
次の日、昨日の出来事がまるで嘘だったかのように普通の朝を迎えた。
隣りの美貴の部屋はもうガランとしていた。荷物は全てダンボールに詰め込んであって
引越しって感じだった。現実に押し戻された気がした。
今日は終業式だから多分美貴は今日いなくなるんだろう。
スカスカのカバンを持って、教室に行く。一番最初に見たのは美貴の席だった。
俺 「まだか…」
空席を見て、ポツリと一言零した。
亜弥「わっ」
俺 「うわっ!ビックリした!」
後ろを振り向くと一人の女性が立っていた。
彼女の名前は松浦亜弥。美貴の親友でもあり、俺の友達でもある。
亜弥「なに、萎れちゃってんのさ。」
俺 「別に。」
亜弥「ふふ、美貴タン行っちゃうからねぇ。って…あれ?見送り行かなくていいの?」
俺 「はぁ?なんのこと?」
亜弥「いやだから美貴タンの見送り。」
俺 「へ?だって…学校は?」
亜弥「え!?何も聞いてないの?美貴タンは終業式出ないでそのまま行く…って」
俺 「何時発の電車だって言ってた?」
亜弥「10時のに乗るって…」
パっと時計を見ると、針は9時を過ぎた辺りをさしていた。
俺は気付いたら教室を飛び出して、駅に向かって走り出していた。
亜弥「なに、この青春…」
体育館で俺は自分の気持ちを伝えた。結果はダメだったけど。
ダメならダメであいつを応援してやろうと思った。これが一晩考えて俺の出した結論だった。
それなのにあいつは何も言わずに行こうとしている。
せめて一言伝えたかった。だから俺は必死で走った。
駅のホームに着くと、大きなカバンを持って、電車に乗り込もうとする美貴がいた。
俺 「美貴っ!!」
俺の声に気付いた美貴が驚いたような表情でこちらを見た。
美貴「なんで…?」
俺 「松浦さんから聞いた」
大きく肩上下させながら、話続けた
俺 「何で何も言わず、行こうとするんだよ」
美貴「ゴメン…」
俺 「まぁ、いいや。美貴に振り回されるのは慣れっこだしな」
美貴「人のことをまるでオテンバみたいに言わないでよ」
俺 「実際そうじゃん」
美貴「バカ…」
いつものやりとりで、俺と美貴の間にいつもの空気が流れた気がした。
俺 「あのさ、一晩考えた俺の結論聞いて欲しい」
美貴「え…、うん…」
驚いた表情のあとに、あいつは俺の目をみてコクッと頷いた。
俺 「俺、お前のこと応援してるから」
美貴「え…?」
俺 「お前のこと応援してるから、東京で頑張ってこい」
美貴「うん…」
俺 「お前ならやれると思うし。俺が保証するからさ」
美貴「うん…」
俺 「美貴?」
美貴「ちょ…ゴメン…」
そう言うと美貴の目から大きな涙が頬をつたって、それはいつしか止まらなくなり、
美貴はただ頷くことしかできなくなった。
俺 「じゃあな。体には気をつけろよ」
美貴は両手で顔を押さえながら、一回二回と頷いた。
そして別れの時。電車はプシューという音を立てながら二人の間に壁を作った。
電車は静かに動き出し、徐々に美貴の顔が遠ざかっていき、やがて電車の後姿しか見えなくなり、
そして視界から消えていった。高2の夏の出来事だった。
本当は怖かった。一人で東京に行くのがさ。
でも必死な顔したあいつが見送りに来てくれた。
不安で一杯だったのに、あいつの顔見たらなんか安心しちゃってさ。
そしたら、私は堰を切ったように泣き出してしまった。
もしあいつが見送りに来てくれなかったら、体育館での出来事が最後になっていたら、
私は夢を掴めなかったと思う。あの時、私はあいつから一生分の勇気を貰えた。
そんな気がしたんだ。
保全代わりにうpしました
イイヨイイヨいい感じだよ〜
良い感じだとは思うが
これはエロイ系の話につながるのか?
乙
乙です!続き期待してまっす
>>141 おまおれ
このスレでミキティファンになったし
作者さんたちの影響でちょっとだけ書いたし
感動した!
ある意味メンバーに恋をしないと書けない
ほ
まとめサイトみたけど、もうこのスレを2年も見続けてることに気付いた
妄想楽しい 保全
文章にするのがむずいのよね
んだんだ!
ho
>>141 3ヶ月前のオレ乙
はっきりいって美貴はオレが守る
ze
何か3ヶ月周期があるみたいね
V
ho
ze
「暑い…。クーラーつけようよ。っていうかつけろよ」
床にペタンと座り、アイスをなめながらマガジンを読んでいた美貴がダルそうに声を発した。
「ダメ。体に悪いだろ」
俺はベッドの上に寝転びながら答える。もうアイスも食べ切り、棒だけを咥えたまま。
「なんでよ。なんのためにクーラーついてんの?あんたの部屋」
「クーラーは、どうしても寝れない夜にだけつけるんだよ」
「でも…」
「でもって…。お前の部屋にもあるだろ、クーラー。嫌だったら部屋に帰れば?」
「……」
俺がそう言うと、美貴はなんともいえない眼で俺を見る。俺はそれを無視して、アイスの棒をゴミ箱に投げ入れた。
その動作だけで、汗が腕を伝うのがわかった。
部屋の空気をかき回すだけで、扇風機はなんの役目も果たしてはいない。
ただ、ブーンと耳障りな音を立てているだけだった。
「美貴さ…」
「…ん?なに?」
俺のほうに目をやりながら、アイスを一気に食べきった。
「いや…なんでも…」
「なによ、はっきりしなさいよ。気になるじゃない…よ!」
掛け声とともにアイスの棒を俺に投げつける。
「おいっ!やめろよ」
俺はベッドの上に転がる、そのアイスの棒をゴミ箱に入れた。
「あんたがはっきりしないからでしょ。で、なんなのよ」
「だから…」
「だから?」
「だから…。麦わら帽子…だよ」
「はぁ?」
「なに言ってんの、あんた」
「…昔、よくかぶってたじゃんか。大きな麦わら帽子。いまでも、夏休みになると思い出すんだ。麦わら帽子をかぶった美貴」
「何年前の話?いまだにそんなこと言ってんの…」
美貴はまた、マガジンに目を戻す。
俺はまたベッドの上に寝転んで天井を見上げた。
また、扇風機の耳障りな音が聞こえていた。そのまま、目を閉じる…。
「…他には?」
「えっ!?」
突然の声に目を開けると、美貴はマガジンを伏せ俺の方を見ていた。
「他にはないの?夏休みの思い出」
「夏休みの思い出…って言うか、夏休みの美貴は…」
「ミキは?どうだったのよ」
身を乗り出して俺を見つめる。
「だから、麦わら帽子だろ?」
「それは分かってる」
「それから…赤いワンピース」
「ワンピース?赤いの?」
美貴は小首をかしげた。
「昔よく着てた」
「そうだったっけ?」
「うん。麦わら帽子かぶって、赤いワンピース着て。…すいか持ってるんだ」
「すいか?」
「一緒に買いに行って。俺が持つって言ってんのに、お前がどうしても持ちたいって言って聞かなかったんだよ」
「あっ!あぁ…」
美貴の顔色がパッと輝き、そして少し曇った。
「思い出したか?お前そのすいか、落として割っちゃったんだよ」
「思い出した…。その後のことも」
そう言って目を伏せる。
「ん?」
「母さんたちに『落としたのは自分だ』って言ったの。あんた」
「…そうだったっけな?」
俺はトボケて見せた。
すると美貴は突然立ち上がる。
「どうした?突然」
「ちょっと…。ちょっと出かけてくる」
「どこ行くんだ?どうせヒマだし、俺も付き合おうか?」
「いい。…いいから。あんたはここに居なさい」
「でも…」
そう一度「いいから!」と繰り返して、美貴は一目散に部屋から出て行った。
残された部屋には、ブーンという音だけが聞こえていた。
次の日の朝。
「おいっ!起きろ。出かけるぞ!」
窓の外から聞こえてくる、大きな声で目を覚ました。
寝汗でベタベタの体をゆっくりと起こす。
手探りで窓を開けて
「今日も暑いな!」
そう叫んだ俺の体が硬直した。
「なによ…」
はにかんだ美貴の声。俺の耳には届いてなかった。
大きな麦わら帽子。それと、赤いワンピース。
うつむき加減で美貴が立っていた。
「す、すいか。…買いに行こ」
美貴はチラッと俺を見た。
「……今度は落とすなよ」
俺はニヤッと笑った。
乙〜
やべ
ときめいた
初書きなんだけど、ちょっと書いてもいいかな?
名前も忘れるなよ
夏の想い出か・・・
今はタイミング被りそうだな
こんな夜中はかぶらないよ
179 :
GD:2005/08/03(水) 02:55:19 O
>>177 なら、また明日にでも投下します。
酉はいらないよね?
あれから4年後。俺は大きなカバンを持って駅のホームに立っていた。
空は抜けるように青く、静かで、陽射しは照りつけるようで、
まるで美貴が上京したあの日を再現しているかのようだった。
亜弥「行っちゃうんだ。良いなぁ〜。私も東京行きたいな」
友達「もう出発だな。元気でやれよ」
俺 「おう!東京に来た時は連絡くれよ」
そして俺は電車に乗り込んだ。静かに電車は動き出し、
俺を乗せた電車はホームから走り出ていった。
亜弥「行っちゃったね。」
友達「みんな、どんどん東京に行っちゃうんだな」
亜弥「みんなって?美貴タン以外に?」
友達「ん?あっそっか。亜弥は高校入ってからの付き合いだもんな」
亜弥「え?じゃあ中学の時の…」
友達「そうそう。あいつが中学の時に―――……」
美貴は上京するとき、どんな気持ちだっただろう。
俺は期待と興奮で胸の中は一杯になっていた。
これから起きること、見るもの、そして美貴に会えること、
全てが期待に満ち溢れていた。宝石箱をひっくり返したかのように
何もかもが輝いて見えた。
東京に着く頃にはすっかり日も暮れていた。
重い荷物を持ちながら、まず最初に向かったのがあいつの所だった。
俺 「これがこうだから、あそこを曲がって―…」
あいつが送ってきた手書きの地図を頼りに歩いていく。
もう2時間近くが歩いたかな。未だにゴールが見えてこない。
なんでやねん!この地図正確なのか?大体あいつ地図書くの下手糞すぎるだろ。
美貴「あれ?何やってんの?」
背後から聞きなれた声がした。思わず振り返った。
俺 「はぁ!?って、うわっ、美貴じゃん」
美貴「何、そのリアクション…。久しぶりに会ったんだからさ、もっと感動とかしてよ。」
俺 「ないない」
美貴「殴るよ?」
俺 「ゴメンナサイ」
本当に久しぶりに美貴の顔を見た。あれからずいぶん時間経ったけど
俺たちは何も変わっていないんだ。この会話で自然と実感できた。
美貴「こんな所で何してるの?」
俺 「まず最初に美貴に会いに行こうと思ったんだけど、道に迷っちゃってさ」
美貴「ふーん。ちなみにあんたの隣りに見えるマンションが美貴ん家だから」
俺 「うそぉ!?」
美貴「あがってく?」
俺 「いや…もう今日は遅くなっちゃったし、また今度来るわ」
美貴「じゃあ駅まで送るよ。」
そう言うと、美貴はマンションの駐輪場からおもむろに自転車を取り出してきた。
そして自転車の後ろの荷台を手で叩き、座れといわばんかりだ。
俺 「いいよ、俺がこぐって」
美貴「いいから、早く早く」
あいつに促されるままに俺は自転車の荷台に乗っかった。
するとあいつは目一杯自転車をこぎだした。
俺 「おいおい、速すぎるだろ」
美貴「まだまだ行くよー」
すると自転車は下り坂に差し掛かった。
美貴のキャーという悲鳴と共に、街の景色は凄い速さで流れていった。
まるでジェットコースターのように速く速く、そして流れ行く街の景色は
綺麗だった。俺は落ちてしまわないように美貴の小さな肩を少しだけ強く握った。
速さのせいなのか、美貴のせいなのか、分からないけど、凄く胸の鼓動は高鳴っていた。
美貴「住む場所決まったの?」
俺 「あぁ、新小岩」
美貴「ここから30分ぐらいかな。じゃあ今度は美貴がそっち行くね」
俺 「おう、待ってる。あっ…終電やばいや。じゃあな」
美貴「うん、バイバイ」
―――中学の時に付き合ってた奴。つまりあいつの元カノ―――
―――ふーん。どこら辺に住んでるの?―――
―――たしか、新小岩とか言ってたかなぁ―――
今日、二度目の迷子だ。
東京は道が複雑すぎるだろ。俺の住むアパートはどこだよ…
そんなんでまたまた俺は真夜中の東京で彷徨っていた。
―――何で別れちゃったの?―――
―――なんかその人にもう一人男がいたとかで―――
―――浮気かぁ―――
―――あっ、でも結局それは勘違いだったって後になって分かったんだけど――
俺 「あっ、すみません」
道に迷って収拾がつかなくなった俺は道を尋ねようと
コンビニから出てきた一人の女性に声をかけた
俺 「すいません、道を聞きたいんですけど…」
その女性はどこか懐かしい雰囲気がして、見覚えるのある髪型をしていて、
―――じゃあ、好きだったのに別れちゃったってこと?―――
―――そうなるかな―――
華奢な体をしていて、聞き覚えのある高め声で
―――名前はなんていうの?――
女性「あれ?もしかして―…」
―――何だっけな。たしか…―――
俺 「あっ…石川…さ…ん…」
―――石川梨華。―――
都会の真ん中で俺は過去に吸い寄せられるかのように彼女と再会した。
美貴は俺の心の中の一番透明な部分に触れてくる。
そんなあいつに俺はいつもドキドキしていた。それは嘘じゃない。
でもまた彼女は、彼女との再会は、俺の心を大きく揺さぶった気がする。
この時から俺の心は濁り始めていたんだ。気付かないうちに少しずつ…少しずつ…。
今となってはそう思う。
一応ここで終わりです。
>>179 ごめんね 先にうpさせてもらいました
186 :
GD:2005/08/03(水) 03:15:50 O
>>185 いえいえ、どうぞどうぞ!
ってか、俺のはそんなにうまく書けないんで、恥晒しのようなもんなんで。
まぁ、とりあえず、投下します。
それは突然だった
今までも何度か見た光景なのに今までのそれとは違った
それを見た瞬間、俺の中の何かが震えた
そして……叫んだ
いつの間にか抱きしめていたんだ…
あいつを…
誰よりも大切で、意地っ張りなあいつを…
187 :
GD:2005/08/03(水) 03:18:11 O
ピピピッ!ピピピッ!
「う〜、もう朝か〜」
いつも通りに7時に鳴る目覚ましに起こされた俺はとりあえず、体を起こしてぼーっとする頭を目覚めさせようとした。
「さて、そろさろ、いつものやるか。どうせ、また寝てんだろうし…。」
そう独り言を言うとベッドを出て、カーテンを開け、向かいに見える窓を見つめた。
「よいしょっと。って、相変わらずだなぁ。」
溜め息混じりにそう言った俺の視線の先に、掛け布団を床に蹴り飛ばし、ベッドの上で気持ちよさそ〜うに寝ている美貴がいた。
大好きなキティちゃんのパジャマに包まれ、涎を垂らしながら幸せそうに笑ってる…。
188 :
GD:2005/08/03(水) 03:30:23 O
「ったく、色気も何もあったもんじゃねぇーなー。」
そう言いながら、さっさと起こそうと美貴に近づいた。
「えへへ〜、もう食べられないよ〜。」
そんな寝言が聞こえるが構わず、起こす。
「おい!美貴、起きろ!遅刻するぞ!」
「んっ、ん〜?あ〜、お早う〜○○。」
「お早う。ほら、さっさと起きろ。遅刻するぞ。」
「もう少しだけ、寝かして〜。おねが〜い。」
甘えるような声で言ってくるから、つい誘惑に乗ってしまいそうになるが俺もまだ準備してないのでそんな暇はない。
「夜更かしするからだろ。早く起きないとほんとに遅刻するぞ。とりあえず、体を−って、うわ!」
どさっ!
急に美貴が腕を引っ張って、俺は美貴の隣に倒れ込んだ。
「んじゃ、○○も一緒に遅刻しよう〜よ〜。…って、どこ触ってんのよ!エッチ!」
バチーン!!
美貴の胸に手を置いてしまっていた俺は朝からきつい一発をもらった。
「いって〜。わざとじゃねぇし、そんな何もない胸触っても嬉しかねぇよ!」
「何ですってぇー。」
地雷を踏んだことに気づかなかった俺は更に強烈な一発を食らった。
そんないつも通りの朝は過ぎていった。
乙 梨華ちゃんか
携帯君もガンバレよ
皆さん乙です
191 :
GD:2005/08/03(水) 05:50:26 O
>>188の続きです。
あっ、改善点など気軽に言って下さい。
「いってきまーす。」準備を終え、玄関から出たら、少し気まずそうな美貴が立っていた。
「さっきはごめん。ちょっと強く叩きすぎちゃった。」
「別にいいよ。俺も言い過ぎたし。んなことより、早く行こうぜ。」
「うん!」
家が隣同士ということもあり、いつの間にかこうして、美貴と一緒に学校に行くのが当たり前になった。
「それにしても、朝の○○の言葉には傷ついたな〜。」
「だから、悪かったって。」
「そりゃあ、美貴も悪かったと思うよ。けど、人が気にしてることを言うなんてさ〜。そういえば、駅前に新しいケーキ屋さんできたって聞いたな〜。」
「う〜、わかったよ。奢るよ。それで許してくれよ。」
「へへへっ。あたしが誘ったんじゃないからね。○○が誘ったんだからね!」
「わかった、わかった。ちくしょー、今月厳しいのに。」
「ごちになりまーす!」
その後も色んな話をしながら、学校へ向かった。
192 :
GD:2005/08/03(水) 05:57:46 O
ガラガラ。
教室のドアを開けると
「おっ。今日も夫婦で登校か〜?いや〜、暑いね〜。」
そんなからかいの声にもいつの間にか、慣れた。
「はいはい。」
美貴はいつまで経っても慣れないようだけど。
「馬鹿言ってんじゃないわよ!何度も言ってるでしょ、○○とあたしは幼なじみだって!」
「美貴、こいつらからかって楽しんでるだけなんだから、反応すんなよ。」
「そんなのわかってるわよ!」
そんなやりとりをしてるといつの間にか、担任の中澤先生が後ろに立っていた。
「はいはい、夫婦喧嘩は帰ってからにしいーや。あてられるこっちはかなわんからなー。」
「中澤先生までそんなこと言わないで下さいよ!」
そんなこんなで朝のホームルームも終わった。
193 :
GD:2005/08/03(水) 06:00:02 O
不意に美貴の席の方を向くと、後ろから女の子が近づいていた。
「美〜貴〜タン!」
「うわっ!なんだ、亜弥ちゃんか〜。驚かさないでよ。」
隣のクラスの松浦さんは高校に入ってからの美貴の友達で男子の人気者だ。
美貴も結構な人気で裏ではその言動と風貌で<女王様>として崇められているらしい。
「ねぇ〜、今日の放課後、暇〜?」
「あぁー、今日はちょっと先約があるの。ごめんね。」
「もしかして、○○君?」
「なっ、何で○○になるのよ!?」
「だって〜、なんか美貴タン、嬉しそうなんだもん。」
「えっ。そうかな?」
「うん。じゃあ〜、また今度、付き合ってね。」
「ん。ごめんね。」
「いいって、いいって。そ・れ・よ・り〜。」
「な、何…?」
「もしかして、デート?」
「ちっ、違うわよ!」
教室中に聞こえる大きな声だったので一瞬シーンとなりみんな、美貴の方を向いて何事かと様子を伺う。
美貴はというと恥ずかしそうに笑ってた。
「で、どうなの?美貴タン。」
「○○にケーキ奢ってもらうだけ。」
「えっ、もしかして、あの駅前の新しくできたとこ?」
「うん。そうだよ。」
「い〜な〜。私も付いて行こうかな〜。」
「えっ!?」
「ふふっ。冗談よ。冗談。美貴タンったら、相変わらず可愛いんだから〜。」
「もうっ!からかわないでよね!」
「あはは〜。あっ、授業始まっちゃう!じゃあ、昼休みは一緒にお弁当食べようね!」
「うん。」
ほ
乙でしたー
みんないいよいいよ
美貴タンタン
皆、乙〜
ho
ze
n