もしも桃子が年上の従姉だったら…

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「慶太はおまんまんって知ってる?」
桃子姉ちゃんはそう言って僕に微笑んだ。
あれは暑い夏の日だった。

桃子姉ちゃんは色々な事を教えてくれた。
万引き、置き引き、パチンコ玉拾い。
あがりの3割ほど姉ちゃんに渡せばどんな事でも教えてくれた。
「無茶出来るのは若いうちだけだよ」
そう言って我が家のお菓子を食べまくった。
桃子姉ちゃんが少年法の事を言っているのは
まだ子供だった僕にはその時はわからなかった。

金になる事ならなんでも。
逆に言えば金にならない事は教えてくれない桃子姉ちゃんだったけど
ある日、ふと僕に言ったのだ。
「慶太はおまんまんって知ってる?」
僕は知らないと答えた。
桃子姉ちゃんは「そう。知らないの」とつまらなさそうに言った。

桃子姉ちゃんが帰ってから僕は考えた。
おまんまん。甘美な響きだった。

ぞく