【小説】リア消だったら誰に告ってた 第22章【キッズ】

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837時代劇(仮)
再会〜焔と吹雪と桃

「どうやらあそこの小屋に宝が隠されているようですね」
全身黒ずくめの装束身を固めた山崎屋が地図を見ながら手下の侍に言う
「そのようですな」
これまた黒ずくめの侍が頷き、山崎屋の指差した小屋に向かった
「気をつけなさい。罠があるかもしれませんからねぇ」
山崎屋がそう言いながら侍の後をついていく
「・・・・・・どうやら罠は無いようです」
「では・・・・・・お宝と対面することにしましょう」
山崎屋はそう言って総勢五人の黒ずくめの侍に小屋の戸を開けるように指示した
小屋には鍵などは無く、侍は難なく戸を開けることができた
「・・・・・・・これは・・・・・・桶ですね」
侍は小屋の中に整然と積まれた桶を指差し、山崎屋の言葉を待った
「桶が宝なんてことはないでしょう。宝は桶の中ですよ」
「はあ。そうでしょうねぇ」
侍がそう言いながら桶の山のてっぺんに積まれた桶に手を伸ばした
だが、侍は手を滑らせ、その桶を地面に落としてしまった
地面に転がる桶からどろっとした液体が流れ出し、悪臭が漂いだした
「な、な、なんですか!?これは!?」
山崎屋が鼻を摘みながら怒りを露にする
「作物を大きく育てる、百姓には欠かせない宝さ」
山崎屋と侍たちの背後から声がした
振り向くと、そこに右手のない義足の少年、そして味方として雇ったはずの野苺組の座長と用心棒、桃と焔がいた


つづく