【小説】リア消だったら誰に告ってた 第19章【キッズ】

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491須藤さん(仮)
>>490
2学期が始まってからずっと、塾の授業中はこの事を考えていた。
ノートの端っこの方に、どうやったら須藤さんと上手くいくか、
上手くいかなかったらどうなるか、須藤さんだったらどう思うか、
僕はどうしたいか、そんな事を小さくメモを書いていって、
最終的に卒業式まで待とうっていう事で結論が出た。
それまでは隣の席の男子っていう関係で須藤さんと楽しい毎日を過ごしたいと思った。

そんな時、タイミング良く中秋の名月なんていう日が近づいている事に気付いた。
僕の頭の中にある「須藤さんが好きなものメモ」の「お団子」と密接に結びついた行事だ。
天気予報によると、月はほぼ満月で、天気も悪くないらしい。
教室でさりげなく、須藤さんに話題を振ってみると、
日曜日だから家族でお月見しながら食べるっていうことだった。
学校が有れば給食でお団子が出てくるのにって言うのがちょっと悔しかったけど、
嬉しそうにお月見の話をする須藤さんを見ているのは楽しかったし、
中島の天体望遠鏡で月を見る話しにはとても興味をそそられた。
そんな流れで、中島に望遠鏡を持ってきてもらって、
みんなで天体観測してみようかっていう話になった。

(つづく)