【小説】リア消だったら誰に告ってた 第19章【キッズ】

このエントリーをはてなブックマークに追加
454ウィードクラウン
>>453
「うん、実のところ、僕が興味を持っているのは熊井さんより君の能力なんだ」
「いやいや、俺はそんな力なんて無いですよ」
「まぁ、そうだね。 『無い』のが力というべきかも」
「は?」
「君が熊井さんが熱を出した時に、お見舞いに行って
 その翌日には元気に学校に出てきたと言ったよね?」
「うん…」
「熊井さんが舞に触れたのは先週の土曜日。 熱が出たのもその日の晩だ。
 熊井さんほどの力なら少なくとも1週間は熱が収まらないはずなのに
 月曜日の夜には熱が下がった。 これは普通ありえないことだ」
「そ、それで…?」
「うん、僕が昨日光太郎君に触れた時、君からは何も伝わって来なかった」
「えー!? やっぱり能力なんて無いんじゃないですか…」
「いや、能力があるのは感じるんだ。 でもそれ以上の物が何も伝わって来ない。
 それに君から聞いた"跳ねる感覚"の発作。 これは間違いなく『アンチ・サイ』の能力だ」
「アンチ・サイ?」
「超能力を打ち消す能力だよ。 君が触れると全ての能力が無になる」
「だから友理奈の炎も消えたんですか?」
「うん。 そしてこの能力が、僕らを助ける能力にも成り得る」

助ける…? どういうことだろう…。