もしも新垣がヲタバレを恐れる女子高生だったらU

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376 ◆acuAAs.52c
>>370

「きまずい」

車の後部座席に、僕を挟んで新垣と亀井が座っている。
お互いに窓の方を向き、口も開かない。──怒っている。

運転しているいとこの兄ちゃんが、バックミラー越しに僕を見ながら言った。
「それはお前が悪いよ」
「そうだよね、女の子にとって、デートのダブルブッキングはちょっとね」
助手席に座る藤本さんも同意した。

「どうすれば良いかな?」
僕はいとこの兄ちゃんに聞いた。
「どうすればつってもなぁ、──おっ、海が見えるぞ」
前の座席の間から見える海は、いい感じに波っていた。
僕はすっかりサーフィンの事で頭がいっぱいになり、新垣と亀井の事を忘れた。
それに気付いた新垣と亀井は、前に身を乗り出す僕の尻を両方からつねった。

そして、海。まだ6月で朝だというのに既に真夏のような暑さ、青い空、入道雲。
「これ着て。水着の上から着ればいいからさ」
「「はい」」
新垣と亀井はいとこの兄ちゃんから、準備してあったサーフスーツ(ハーフ)を受け取った。
いとこの兄ちゃんは、僕を脇に捕まえて、また言った。
「着替えは、車の後の方で美貴を一緒に着替えて。──俺らがその辺で見張っとくから。」
すっかり鼻の下を伸ばしたいとこの兄ちゃんを見て、藤本さんが冷たく言った。
「このエロ親父。──そしてエロ小僧」

気が付くと僕の鼻の下も伸びていた。
その光景を見た新垣と亀井は、僕に睨みをきかした。
僕は血の気が一瞬でうせた。