もしも新垣がヲタバレを恐れる女子高生だったらU

このエントリーをはてなブックマークに追加
136 ◆acuAAs.52c
>>124

それから何日も新垣は僕を避け、変わりに亀井が僕に付きまとうようになった。

新垣を目にすることが出来るのも、教室の中ぐらいにしか無くなっていた。
休み時間中も前のように屋上へは行かず、教室内で周りのクラスメートと過ごした。
新垣は、やはり僕を避けていた。話しかけても、すぐ終わらすし、たまに目が合っても、
すこし見つめた後、新垣は何かに気付いてすぐに視線を外すんだった。
だから、余計に僕の視線を新垣は集めた。

時折、クラスメートの雑談に新垣がブツブツ言っていた。
「7期は千春だよね」
(小春だよ)
「ゴマキってさ〜」
(ゴマキみうな!)
「モーニング、」
(ビクッ)
「ムーンって名曲だよね、チャゲアスの」
(紛らわしー)
「田ってトゥルトゥルなんだろ?」
(ボーボー!──ハッ!)

新垣はニヤニヤして眺める僕の視線に気付くと、一旦目線を合わせるものの、
僕の背後からの視線を感じ、ハッとしてまた机に突っ伏した。
僕が後を振り向くと、亀井がいつもと違うキツイ表情をしていた。
亀井は僕の視線に気付くと、途端に顔をほころばせ、また──うへへへと微笑んだ。
それを見ていたクラスのお局的存在の女子が亀井に、キモイ、とつぶやいた。