もうすぐプール開きで嫌だ・・・私胸小さいし><

このエントリーをはてなブックマークに追加
141名無し募集中。。。
>>76

「良かった、まだ残ってた」
昼休みの購買前で亀井は、このスレの事を思う作者と同じくらいホッとした。
亀井の大好きな焼きそばパンがひとつだけ残っていたのだ。
そのパンに亀井は、うれしそうにゆっくりと手を伸ばした。
しかし、すんでの所で亀の肩越しに後から伸びてきた手に、そのパンを奪われてしまった。
「ちょっとぉ!ドロボー!」
横取りされた文句を言おうとして、勢い良く振り返った亀井はその手の持ち主にぶつかった。
拍子に胸ポケットにかけていた亀井の眼鏡が床に落ちた。
「あっ、ごめん。──って亀」
眼鏡をかがんで拾う亀井に、その男子は声をかけた。

普段下がっている目尻を吊り上げて、亀井は床にしゃがんだまま、その男子に怒った。
「もう、ひどい!それに亀って呼ぶな!ドロボー!」
「わかったよ、ごめん。このパンは亀に譲るよ、ほら」
そう言ってその男子は、亀井の手を引いて立たせ、手に焼きそばパンを握らせた。
「あっ、当たり前でしょ、バカ」
亀井はなぜか赤面しながらそう吐き捨てて、教室に帰って行った。

購買の見えなくなる廊下の角まで来た亀井は、うしろをそっと振り向いた。
あの男子は替わりにメロンパンと珈琲牛乳を購入していた。
亀井は、その男子が見えなくなるまで目で追った。
強く握り締めた焼きそばパンのパンズからは、焼きそばがにゅるりと出ていた。
142名無し募集中。。。:2005/06/18(土) 12:30:42 0
>>141

自分の教室に戻るまでの間、亀井はニヤニヤしていた。
教室に入って席についても、ニヤニヤしていた。
「エリ、キモイよ、ニヤニヤして」
クラスの友達が声をかけた。
「そーお?」
亀井のニヤニヤは収まらなかった。

しばらくして亀井が正気に戻ると、新垣の姿が見えない事に気付いた。
亀井はクラスの友達に新垣の事を聞いた。
「ねぇ、豆さんは?どこ行った?」
「なんか、急いで教室飛び出していったよ」
新垣と昼食を取るのを日課としていた亀井は、しゅんとした。
その亀井を見て、クラスの友達が声をかけた。
「エリ、こっちで一緒に食べよう」
「うん!」
亀井は、笑顔でそのグループの輪に入って昼食を始めた。

半分ぐちゃぐちゃの焼きそばパンを口に含もうとして、亀井はあの男子の事を思い出した。
──あいつの手が触れてたんだよね、この焼きそばパン。
亀井はまたニヤニヤしはじめた。

ニヤニヤ、モグモグ、ニヤニヤ、モグモグ。
その光景を見て、グループのお局敵存在の女子が言った。
「こりゃ、アホだね。──そうでなきゃ、恋?」
「「「エリが!恋!」」」
グループの残りの女子がビックリして声を揃えて言い、一斉に視線を集めても、
亀井はニヤニヤしながら焼きそばパンを食べ続けていた。
既に亀井の心はそこに無かった
143名無し募集中。。。:2005/06/18(土) 12:56:10 0
>>142

ある日、久しぶりに校庭のいつもの場所で新垣と亀井は昼食をとった。
「久しぶりだね、豆さん」
「そうだね、亀さん」
老夫婦の様な口調でしゃべくり食べ、ふたりは和みあった。

少しの間が空いたあと、亀井が新垣に話しかけた。
「ねぇ、豆さん」
「どうしたぁ」
地面に寝転がったまま新垣が答えた。
「エリさ、恋しちゃったみたい、なの」
「うぇ!」
新垣は地面から跳ね起き、亀井の横に肩を寄せ合い、ぴったりと座った。
「どんな人よ、どんな人よ」
「えとねー」
亀井はその男子について知っている事を名前とクラスを除いて、すべて新垣に話した。

「そっか、亀ちゃんもとうとう女の子になっちゃったか」
「なんでよ!元々、女です!」
新垣のからかいに、亀井は頬っぺたを膨らませて怒った。
「豆さんは?恋、してないの?」
「わ、私は、うぇyヴいおうぇrじょwよりこ。yh」
「わかりやすい」
動揺する新垣を見て、亀井がニヤリと微笑んでつっこんだ。

二人が知る限り、お互いに初めての恋だった。
新垣は亀井に、亀井は新垣に、恋が叶うといいね!と言った。
144名無し募集中。。。:2005/06/18(土) 13:12:47 0
>>143

それからしばらく、亀井は新垣と一緒に昼御飯を食べる事が無くなっていた。
それどころか一緒に下校する事も無くなっていた。
亀井が、一緒に帰ろうって言っても新垣は、用事があるから!といつも亀井を置いてけぼりにした。
亀井と別れる時の新垣には笑顔が満ちてた、これからの用事がすごく楽しみと言った感じで。
新垣のそんな顔をみると、無理に一緒に食べようとか、帰ろうとか言えなくなる亀井だった。

あと亀井は、あの男子の顔を見る事も無くなっていた。
いつもは休み時間とか帰る時とかでも、待ち伏せしてれば会えてたのに。
亀井はひとり、二重の孤独を味わっていた。

その日も学校で暇をつぶした後、亀井はひとりで駅までの道をトボトボと歩いていた。
ふと亀井は、駅前の橋の近くのベンチに見慣れた人影を二つ見た。
何か嫌な感じがした亀井は近くの草陰に隠れて、そっと二つの影を覗いた。
──何で、新垣があいつと一緒にいるの?──
新垣は、亀井が片想いしている男と並んでベンチに座っていた。
亀井は少々パニックになりながらも、二人の行動を凝視していた。

新垣が男の肩に手を置き、顔を近づけた。
二人は瞳を閉じた。

新垣が男の頬にキスをした。



つづきはこちらです↓
もしも新垣がヲタバレを恐れる女子高生だったらU
http://ex10.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1118970458/

= 作者通信枠 =
やっと物語がつながった!みんなありがとう。   >>1すまんかった。