【小説】リア消だったら誰に告ってた 第17章【キッズ】

このエントリーをはてなブックマークに追加
748須藤さん(仮)
http://www.geocities.jp/riasyo_matome/sudousan.html
http://ex10.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1116420194/178-180

---------------------
須藤さんは最後の1つの団子を食べ終わると、「捨ててくるね」と言って、
空になったペットボトルと団子の入っていたパックをを捨てに行った。
ゴミを捨てに行く時の仕草がとても自然だったから、お礼を言うのを忘れて、
僕はただ、「うん」としか言う事が出来なかった。
戻ってくると、「そろそろ帰ろっか」と言って微笑んだ。
「そうだね」と言って時計を見ると、もう10時半を回っていた。
「危ないから」と理由をつけて須藤さんの家の前まで送っていくと、須藤さんは
「今日はありがとう。すっごい嬉しかった」
と言って、家の中に入っていこうとした。何か言わなきゃと思いながらも、
僕は気の利いた事を言えずに、ただ、「じゃあ、また明日、学校でね」と言っただけだった。
須藤さんが言った「うん。おやすみ」って言葉には反射的に「おやすみ」と言えたものの、
この日は全く眠れるような気がしなかった。
「ありがとう」っていう言葉を7月7日に7回須藤さんから言われたっていう事を考えて、
ラッキーセブンって本当に有るのかも…なんていう事を思った。
749須藤さん(仮):2005/06/11(土) 04:41:01 0
>>748
翌日、やっぱり夜は殆ど眠れなかったから布団を出たくなかったけど、
須藤さんに会いたいから学校に行きたいっていう意識が勝って、きちんと学校に行った。
僕が教室に入る時には、既に須藤さんは席に居て、徳永とか村上たちと笑いながら話してた。
教室の後ろのロッカーの前を通って自分の席に行く僕に、
須藤さんが「七紙くん、おはよう」って挨拶をしてくれて、
それに合わせて徳永と村上も「おはよう」と声をかけてくれたので、返事をする。
自分の席に着くと、中島が挨拶をしてくる。おはように続けて「良かったね」と言う中島の言葉に、
思わず顔が綻ぶけど、なんとか抑えようとして変な表情のまま「うん」と答える。
そして、校庭に出て朝礼。授業。そんな毎日が戻ってきて、しばらくすると、終業式。
そして夏休みになった。

夏休みでも塾が有るから、あんまり遊んでいられるわけではないけど、
それでも学校が無いっていうだけで嬉しい。
嬉しいけど、無条件に須藤さんに会える機会が無いっていうのはちょっと寂しかった。
須藤さんに教えてもらったメールアドレスだけど、僕からメールを出す事も無かったし、
須藤さんだけ個別に設定した着信音が鳴る事は無かった。
なんとか理由を考えて連絡を取りたいなあと思いながらも7月が終わって8月。
家族旅行とかは無いけど、塾の合宿で山麓の高原に行く事になっているので、
その時にちょっとメールでも送ってみようかなと考えて毎日を過ごしていると、
直ぐにその日はやってきた。
750須藤さん(仮):2005/06/11(土) 04:45:54 0
>>749
とはいえ、勉強が目的だから、須藤さんにメールするのは最終日の前日、
最後の授業が終わった後になってしまった。
近況報告に加えて「おみやげ何がいい?」っていう言葉を、
さらに高原から見える星空を写真に撮って添付して送信する。
晩御飯を食べて風呂から出ると「メールあり」の表示が有って、
願いを込めて携帯を開くと、それは須藤さんからのメールだった。
僕の内容への返信と一緒に、ちょうど今日徳永たちと一緒に行ったっていうお祭りで撮った写真が添付されていた。
須藤さんの浴衣姿を期待して画像を開くと、大きな打ち上げ花火の画像だった。
ちょっとガッカリしたけど、同じ時間に空を見てたんだって思うと、
なんだか少し嬉しくもあったりした。
明後日は休みだから、お土産を渡すついでに会おうっていう約束をしてからメールを止めて、
それからは何も考えずに塾の友達と徹夜で遊んだ。
次の日は朝ホテルでお土産を買って、昼からバスで移動。
渋滞に巻き込まれて夜になるまでずっと車内に閉じ込められた1日だった。
勿論イライラしたりもしたけど、バスの中で須藤さんと明日の待ち合わせの約束をしてからはその事を考えてばっかりで、
バス乗り場に着いた時に見た時計が示してる20:54っていう表示よりも、
感覚としては短い時間しか経ってなかったように思った。

明日須藤さんと会うんだって考えるとやっぱり緊張するけど、
移動の疲れのお陰か、布団に入ると直ぐに眠くなった。

(つづく)