パラダイス?
2 :
名無し募集中。。。:05/02/21 14:35:05 0
ちょっと人数が多いな
3 :
名無し募集中。。。:05/02/21 14:35:43 0
ごっちんはいつも一人プレイか
4 :
名無し募集中。。。:05/02/21 14:41:12 0
4pしてえ
5 :
名無し募集中。。。:05/02/21 14:41:36 0
松浦→大きい胸を武器に迫ってくる
藤本→「亜弥ちゃんには負けないんだから!」と言いながら襲い掛かってくる
後藤→そんな三人を軽蔑しつつ、トイレに隠れてひっそりとオナニー
6 :
名無し募集中。。。:05/02/21 14:45:48 0
「え〜童貞なのぉ?じゃあ私たちが教えてあげる」って展開キボンヌ
7 :
名無し募集中。。。:05/02/21 14:47:57 0
三人いっぺんに同居するというシチュエーション考えんの難しいな
案として
マンションの広い部屋をふとしたきっかけでルームシェアするとか
下宿先が同じとか
9 :
名無し募集中。。。:05/02/21 16:32:47 0
前にもこんなのあったな
復活キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
10 :
名無し募集中。。。:05/02/21 18:47:00 0
一番積極的なのは・・・
11 :
名無し募集中。。。:05/02/21 18:50:41 0
年齢からすれば三人とも大学に行っててもおかしくない訳だ
となると、やはり大学の寮で何かの手違いが起こって・・・というのが妄想しやすいかな
12 :
名無し募集中。。。:05/02/21 18:54:27 0
真希のベッドに忍び込む俺
13 :
名無し募集中。。。:05/02/21 18:56:18 0
2人に気づかれないように息を殺して真希とセックス
14 :
名無し募集中。。。:05/02/21 18:59:40 0
真希が声を出すからリビングのソファに移動してセックス
15 :
名無し募集中。。。:05/02/21 19:00:02 0
あややだけ経験済み
未経験のミキティとごっちんは、この機会を逃すまいとして積極的にアプローチしてくる
16 :
名無し募集中。。。:05/02/21 19:04:24 0
松浦「アハハ!見て、こーんなに硬くしてるよ!」
藤本「ホ・・・ホントだ!アハハ、見られて硬くするなんて変態じゃない?(うっわー・・・男の人のってこんなにおっきくなるんだ・・・)」
後藤「・・・・(ゴクリ)」
17 :
名無し募集中。。。:05/02/21 20:28:08 0
ワロスw
18 :
名無し募集中。。。:05/02/21 20:58:04 0
候補1 田舎から出てきた 大学新入生
俺は北村健太。小中高と野球に没頭し高校の時には甲子園へ出場した。
野球バカの俺には受験勉強はかなり困難な道のりだったが
後期試験で何とか念願のK大に合格を勝ち取ることになった。
今年から東京に出て一人暮らしを始めることになった。
なんだかんだで一番、大変だったのが部屋探し…いろんな人に相談した結果
今はやりのルームシェアをすることにした。親はやや反対気味ではあったが
始めての都会生活では何かと不便だと言うことで1年間のみと言う条件付で許しを得た。
部屋はキャンパス近くのなんと5SLDKだそうだ。そこにはもうすでに3人住んでるらしく
今日初めてあうことになる。ついに俺の輝かしいキャンパスライフが始まろうとしている。
19 :
名無し募集中。。。:05/02/21 21:05:55 0
候補2 社会人浪人
俺は南野秀明。今年大学を卒業して社会に飛び出すニューホープになるはずだった…
しかし受けた会社、全て不合格で社会人浪人になるはめに…今、流行りのNEETになるわけには行かない
とりあえずバイトで生計を立てて一日でも早く社会人の仲間入りを果したい…
それに伴い去年まで親に払ってもらっていた部屋代から何まで自己負担なので
安い金額でいい部屋に住めるルームシェアにすることにした。今日はその同居人との初顔合わせ
ついに俺の新たな浪人生活が始まろうとしている。
がんばれ。
21 :
名無し募集中。。。:05/02/21 21:17:10 0
いいぞ、ものごっちんなのたのむ。
22 :
名無し募集中。。。:05/02/21 21:24:53 0
候補3 マジヲタ
僕は西川弘司。モーヲタNEETうちが裕福だから働かなくてもヲタを続けていられる。
今まではこの広い部屋に一人で暮らしてたけど最近はなんかものさびしいのでルームシェアで
人に貸し出すことにした。取りあえず部屋中にあるグッツやポスターを片付けて
それ専用の部屋をキープ。あと3人は暮らせるスペースを用意する。
今日はシェアする人と始めてあう、女の子が3人らしい…ちょっと楽しみな反面心配だ
ついに僕の新しいルームシェア生活が始まろうろしている。
23 :
名無し募集中。。。:05/02/21 21:28:57 0
24 :
名無し募集中。。。:05/02/21 21:29:54 O
マジヲタでw
25 :
名無し募集中。。。:05/02/21 21:34:24 0
腎虚で死ぬな
26 :
名無し募集中。。。:05/02/21 21:35:26 0
あと候補4で東清三郎って言う妻に先立たれたじいさんね。
とりあえず候補だから、希望多かったのにするんでよろしく
27 :
名無し募集中。。。:05/02/21 21:36:18 0
28 :
名無し募集中。。。:05/02/21 21:36:19 0
どっちも読みたい
29 :
名無し募集中。。。:05/02/21 21:39:12 0
候補1でお願いします
3人は女子高生になるんだろうか
30 :
名無し募集中。。。:05/02/21 21:41:54 0
今夜はドキみき
31 :
名無し募集中。。。:05/02/21 23:36:34 0
新社会人ニートは?
あ、あれだよ看護師寮
男性看護師てまだ少数派っしょ?
いや、やっぱ大学生が一番いいなァー
34 :
名無し募集中。。。:05/02/22 02:30:47 0
お前だれ?
35 :
名無し募集中。。。:05/02/22 04:54:36 0
懐かし素晴らしいスレですな
36 :
名無し募集中。。。:05/02/22 06:00:01 0
大学近くの下宿管理人
38 :
名無し募集中。。。:05/02/22 06:57:30 0
候補1と候補2の五人生活で
3対1だとなんか先が見えちゃってるのでワンダフルな展開キボン
大学生で
40 :
名無し募集中。。。:05/02/22 11:17:38 0
ここか…かなりでかいな。とマンションに到着してその高さに驚いた。
さらにセキュリティー万全のオートロックで夜も安心だ…
とりあえずお世話になる部屋の番号を押して連絡をとろうとしたがどうやら不在らしい…
先に入って待ってるのは失礼かなと思ったが取りあえず気になるので部屋に向かうことにした。
しっかしこんないいところに住めるなんて夢みたいだ。しかし不安がないわけじゃない。
同居人の人と仲良くできるのかな…いい人かな、野球好きだといいな
田舎者だった馬鹿にされないかな、同じ出身地だったらいいなぁ
仲良くしてくれるかな、俺だけはぶられちゃわないか
だいたいルームシェアって部屋を分けるんだよな…飯とかどうすんだ?
一緒?別々?夜遅くなったらどうすればいいんだ?友達とか呼べるのか…
全然分からないよ!やばい…緊張してきた…どんな人なんだぁ
とエレベーターの前で不安にかられ立ち尽くしていると、うしろから女の子の声がした。
「あんた、何ボーっと突っ立てるわけ?あたし通りたいんだけど。」
その子は今時の流行の服装で地元では見たことはない都会的な感じだった。
しかしちょっと不自然にデカイ帽子を深くかぶりサングラスで顔が見えなかった。
さらにボーっと突っ立てると。今度はイライラしたこえで。
「私の言ってること分からない?ジャマ」とはっきり言われてしまった。
「え?あ、すいません…」と慌てて道を空けた。気まずいので何か話そうと思い
「あの、今日からこのマンションに住む北村って言いましてK大に通うんですよ、それで出身地は…」
とお近づきのあいさつをして彼女を見るともうそこにはおらずエレベータの中でこっちをみて一言
「聞いてないから」ドアが閉まって彼女は行ってしまった。
都会の人って冷たいんだな…俺の新生活はまだ始まったばかりだと言うのに
出だしで躓いてしまった…先が思いやられる…
田舎、帰りてぇなぁ〜
41 :
名無し募集中。。。:05/02/22 13:03:52 O
良さ気だなぁ乙!続きコィ
42 :
名無し募集中。。。:05/02/22 14:13:20 0
保守
43 :
名無し募集中。。。:05/02/22 14:22:53 0
(*^ー゚)b グッジョブ!!
44 :
名無し募集中。。。:05/02/22 15:54:37 0
さっきので都会人への偏見と不安がふくらみ、同居人に会うのもおっくうになって来た
手ぶらで聞くのも失礼だと思い、菓子折りの買おうと店に行こうと振り返るとドン
何かにぶつかっって来た。「キャッ!」可愛らしい声。下を見ると女の子が倒れている。
どうやらぶつかってしまったようだ。それにしてもまた女の子だ。ここは女の子が多いのか!
しかしパンツが見えているよぉ。おっちょこちょいかよぉ。ここは謝っとかなきゃかなきゃな。
これをきっかけに発展していくかもなぁ「すいませんでした。大丈夫ですか…」
反応が無い…罵声に続いて無視ですか…
45 :
名無し募集中。。。:05/02/22 16:27:10 0
ワクワク(・∀・)
46 :
名無し募集中。。。:05/02/22 16:27:55 O
ごまっとう三人で あぁ女神さまをやればいいじゃん
47 :
名無し募集中。。。:05/02/22 16:46:34 0
48 :
名無し募集中。。。:05/02/22 16:50:55 0
49 :
名無し募集中。。。:05/02/22 16:51:47 0
50 :
名無し募集中。。。:05/02/22 16:52:21 0
藤本→1個上の大学の先輩(2年)
後藤→同い年の大学の先輩(2年)
松浦→1個下の大学の同級生(1年)
○○→1浪して今年大学に入学
51 :
名無し募集中。。。:05/02/22 17:11:55 0
52 :
名無し募集中。。。:05/02/22 17:56:21 O
普通にまんまでアイドルでいいじゃん
53 :
名無し募集中。。。:05/02/22 18:49:11 0
54 :
名無し募集中。。。:05/02/22 18:52:17 0
おいおいお前ら、ごまっとうって後藤、松浦、安倍の3人だろ?
後松盗のことだよな?
55 :
名無し募集中。。。:05/02/22 19:06:06 O
安倍を関わらせないでほしい
56 :
名無し募集中。。。:05/02/22 19:19:18 0
同意
57 :
名無し募集中。。。:05/02/22 19:21:50 O
俺は、
藤本
安倍
矢口
が同居人であってほしい
58 :
名無し募集中。。。:05/02/22 19:25:25 0
ここはごまっとうスレです
59 :
名無し募集中。。。:05/02/22 19:54:35 O
安倍も矢口もごまっとうに関わらせないでほしい
60 :
名無し募集中。。。:05/02/22 19:55:35 0
同意
俺的にはごまっとう+れいなが最高
62 :
名無し募集中。。。:05/02/22 20:38:59 O
続きが楽しィみ♪
63 :
名無し募集中。。。:05/02/22 21:35:31 0
>>61 飼い猫の名前をれいなにしてもらえばいいんだな
64 :
名無し募集中。。。::05/02/22 23:53:13 0
でもちょっと柔らかくて気持ちよかった。女の子ってこんな感じなんだな。
そのままの体勢で動かないので、もう一回、話し掛けてみる。
「あの本当に大丈夫ですか?」すると彼女もハっと気が付いて俺に気付く…
「あぁ〜ごめんなさい。そのあたしぶつかりましたよね?」
「いや、俺の不注意なんで…」よかった、無視じゃなかったんだな。
今度の子はなんか話しやすいぞ。よしよし!
「あはははぁ〜あたしっておちょこちょいなんですよねぇ〜」
「あ、はい。見れば分かります。」あっ。失言…
「え?」彼女は明らかに不満な顔している。
「いや、そう言うことじゃなくて。だってまだパンツも丸見えだし〜」あっ。失言その2…
「はっキャーっ」と慌てて彼女はスカートで隠して立ち上がった。気まずい…
「ずっと見てたんですか?ずっと見てたんですか!」
「いや、その…すいません。今日、ここに越してきたばかりで…」
とわけの分からない言い訳を口走って、どうしようも出来なかった。とにかく
「どうも、すいませんでした!」そう言って俺はその場から逃げるようにして走り去った。
最悪だ…まだ入居もしていないうちから、同じマンションの住人に2人も嫌われてしまった…
はぁ、俺合ってないのかもなぁ…部屋がどんどん遠くなっていくのを感じた…
同居まで一気に書いた方がいいよ
67 :
名無し募集中。。。:05/02/23 07:19:49 O
これはミキティは娘。、あややゴマキはソロとして書いてますか?
もしそうならミキティに亀井とか呼んでもらいたい
良スレの予感・・・
イイヨイイヨ
乙でした
70 :
名無し募集中。。。:05/02/23 12:08:31 0
おっき
71 :
名無し募集中。。。:05/02/23 15:33:53 0
したのれす
この小説の中でもあやみきまきは芸能人にしてください
73 :
名無し募集中。。。:05/02/23 20:06:17 0
やっぱり「Hな」じゃなきゃダメかなぁ
そのハードルがなければ前にdat落ちしたネタをリメイクして書きたいんだけど
74 :
名無し募集中。。。:05/02/23 20:22:00 O
Hじゃなくてもイイ!
逆にHじゃないほうがイイ!!
>>73 ぜいたくは言いません
書いていただける人に対して
よし、じゃあ今から消してリライトしてくる
しばしお待ちください
78 :
名無し募集中。。。:05/02/23 20:53:17 O
よっしゃぁ!ありがと!
ageてしまってすいませんorz
80 :
名無し募集中。。。:05/02/23 21:14:30 0
期待sage
期待hage
83 :
名無し募集中。。。:05/02/23 23:11:17 0
84 :
名無し募集中。。。:05/02/24 00:40:25 0
ho
85 :
名無し募集中。。。:05/02/24 00:41:02 0
急いで駅前の洋菓子屋に向かう、その店はここらへんでは人気があるらしく
今日もお客でにぎわっていた。なにを買ったらいいか分からないので
クッキーの詰め合わせでも買っていこうと棚を見ると安くても5000円…
正直なやんでしまう値段だが初めが肝心だと思い、奮発して買うことにした。
しかし,いざ買うとなるとなかなかレジまで持っていけない…う〜んどうしたものか
お菓子とにらめっこしているとポンポンと肩を叩かれた。振り返る…すろと
そこにはスラっとした体系でちょっと気の強そうなコがこっちを向いていた。俺はとっさに
「すいません!」と謝ってしまった。すると彼女は笑いながら話し掛けてくる。
「あははっ何で謝ってるの?おっかしい〜」
「ごめんなさい」また謝ってしまった。それを見て彼女の笑は止まらない…
「あはははっえ?なにそれ〜病気?変なの〜」どうやらツボらしい、俺も笑うしかなかった。
そこで彼女がはっと思い出したのか話を切り返してきた。
「ところでさ?そのクッキーおみやげ?」
「ええ、まぁ」
「高いから迷ってるんでしょ?学生さん?お金なさそうだもんね〜」図星だ…だが
「そんなことは無いけど」と見栄を張ってみる。
「ふ〜ん、まぁおみやげにするんだったら、ほらこっちおいでよ。」なにか見透かされてる言い方…
そう言うと彼女は腕を引っ張り俺を店のレジの近くへと連れて行った。
「ほら、これこれ。」と彼女が指差す方向には可愛らしいリボンとオシャレな飾り付けがされている袋の中に
大きさは不ぞろいだがたくさんの小さなクッキー入っている。
値段をみると1200円、これなら十分おみやげにもなる。俺は思わず。
「おぉ!安い!これなら買えるじゃん!」と口に出してしまった。すると間髪入れず彼女は、
「あ〜やっぱり見栄張ってたなぁ〜」とイジワルそうな笑顔で俺をからかって来る。
「あはは、ごめんっっ」俺は素直に謝るしかなかった。
クッキーとシュークリームを2個のお買い上げ、しめて税込み1785円。
シュークリームは彼女に対するお礼と言うことで買わされてシャクなので俺の分も買った。
86 :
名無し募集中。。。:05/02/24 00:42:04 0
シュークリームを頬ばりながら店をでる2人、いままで野球漬けでこんなシュチューション
に出くわしたことも無かった。ずっと憧れていた風景だ。隣りに居る彼女を見て少しドキッとした。
田舎じゃこんな可愛い子はなかなか居なかったな、名前聞いてみようかな…と彼女をじっと見つめる
それに気付いたのか不思議そうにシューを頬張った顔でこっちを見てくる。俺は照れ隠しで
「しかし、しっかりしてるよなぁ〜」と嫌味っぽく言ってみた。
「なんでぇ?私が教えて上げなかったらあの高いクッキー買ってじゃん、それに比べたら安い安い〜」
「それはそうだけどさ〜ところでさ、名前聞いてもいいかな?」
「う〜んどうしよっかなぁ〜」
「おいおい、もったいぶるなよ。そんな大した名前じゃないんだろ?」
「ブ〜ひどいな〜そんなこと言ってると教えてあげないぞ〜まずは、そっちから名乗れぃ」
か、可愛い…いまだかつてこんなに女の子と仲良く話したことがあっただろうか…
「あ、あぁ〜俺は北村健太。K大学に受かって今日からこっちに住むことになったんだ。」
そう言えば今日自己紹介すんの3回目だな、初めてまともに聞いてもらったよ…
「え?北村…ふ〜ん」と驚いた顔をしている、意外な反応だった。
「うん、そんな驚かなくても、別に珍しくはないだろ。はい、今度はそっちの番」
「うん、あたしはねぇ…あっクリームついてるよ。口の横!」
「え?」
と突然のことに慌てて取ろうするが何もついてない。
「おい、騙した…あれ?」
すると近くに彼女はおらず一人けっこう先のほうに立っていた。
「騙したな!」彼女に届くようなるべく声を張った。俺が気付いたのを確認して彼女は
「私の名前を侮辱したし返しだよぉ〜だ。ベー」と言って走り去ろうとした。
「お〜い!名前は?まだ聞いてないぞ!」
「そのうち分かるから〜」と言い残して彼女は人ごみの中に消えていった。
なんだそりゃ!意味わかんねぇ…はぁ〜なんだか疲れてきた…
今日はこれから同居人との初顔合わせも待っている…しんどい!と思いながらも
俺が今日から一年世話になる、住まいへと思い足取りを引きずって行った。
また、彼女にあえるかなぁ…
87 :
名無し募集中。。。:05/02/24 00:49:36 0
gj
88 :
名無し募集中。。。:05/02/24 00:50:48 0
早く続きが読みたいぞ
いいねえ〜
ここにきてなかなかの出来。まだ誰が誰かわからないところが…
91 :
名無し募集中。。。:05/02/24 01:07:19 0
分かるだろw
いや、全然わからん。最初が藤本で次が松浦で今回が後藤?
93 :
名無し募集中。。。:05/02/24 01:37:52 0
それで良いと思う
みんなそう思うのかちょっと違うと思うな
むしろ全然違ったらどうなるんだろうな冒険だな
2番目は松浦にしたゃ天然気があるのがちょっと違うかも
となると後藤と松浦逆か?
96 :
73:05/02/24 02:02:23 0
リライトするとか言って、いつの間にか寝オチしてました…orz
でも全体の構成は夢の中でなんとなく見えたので、dat落ちした部分まではとりあえずそのままコピペしていきます
・おことわり
もともと藤本、後藤で考えていた話だったので、松浦の登場がだいぶ遅くなりそうです
あやや推しの方、すみません
しかしかなり重要な役回りになると思うんで、我慢して読み進めばきっと良いことが待っていると思います
ちなみに性的描写が含まれることは恐らくないです
スレタイに嘘、偽りがあるといってJ○ROに連絡しないでください
言い訳はここらへんにしてチャッチャと貼っていきます
97 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:03:16 0
98 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:06:26 0
◇
…しまった、すっかり遅くなってしまった。
サークル棟を出ると辺りはすっかり暗くなっていて、空には月がぽっかりと浮かんでいた。
学祭もとうに終わり、とりあえず僕の所属する写真サークルの活動もひと段落ついた事もあって、今日は顔を出すだけにしようと思っていたのだが。
運の悪いことにたまたま居合わせた飯田先輩に捕まって独自の芸術論を展開されてしまった。
初めは構図や露出に関することなど技術的な事を語っていたのだが、いつの間にやら話が捩れていって、しまいにはフクロウが朝飛んだら良い写真は撮れないとか何とか、何が言いたいのかさっぱり分からない事になっていた。
それでも一応相手は先輩であり、それも昨年までサークル長を務めていた方、こちらから話を遮る事はできない。
解放されるきっかけとなったのは、僕の「あのー、ところで卒論のほうは進んでますか?」という何気ない一言だった。
どうやらこの話は禁句だったようで飯田先輩は途端にフリーズしてしまい、僕はその機をみて逃げ出してきたわけである。
飯田先輩、”今年は”果たして卒業できるのだろうか。
まさか六年生になんてことは―――いや、今はそのことは考えないでおこう。
>そこにはスラっとした体系でちょっと気の強そうなコがこっちを向いていた。
なんにせよ、これがヒントだよな。
100 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:12:04 0
101 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:12:31 0
12月も中旬。
ここ数日でぐんと下がった気温に、僕は身を縮こませながら腕時計にふと目を落とす。
『7時頃には帰れると思う』なんて言ってたはずが、左腕で時を刻む針はすでに8時を回ろうとしていた。
部屋で待ちぼうけを食わされているであろう彼女の不機嫌な顔が目に浮かぶようだ。
勝手に人の家に押しかけておいて、勝手に怒ってるなんてあまりにも理不尽な話だけど、その顔は容易に想像できた。
ジロリと睨みつける、刺すような鋭い視線。
…先にメールで謝っといた方がいいかなぁ。
うん、そうだ、そうしよう。
こちらとしても被害は最小限に食いとどめたいし。
不時着すると分かっているなら衝撃はなるべく和らげたい。
そう思って僕は肩にぶら下げたトートバッグの中をごそごそと探った、が。
―――あれっ?
無い。
携帯が無い。
道の真ん中にしゃがみ込んで、テキストだの辞書だのをポイポイと放り出してみたが、どうにもない。
空っぽのバッグを逆さまにしてみても細かな埃がパラパラと舞い落ちるばかり。
落とした?
忘れた?
どこに―――あっ。
今日一日の記憶の糸を辿っていた僕は、…そういえば、とあの出来事を手繰り寄せた。
あれは5限のドイツ語の時だった。
102 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:14:29 0
―――――
―――
―
『今日、家に行くから』
週一で来る、唐突なメール。
僕は内心、またか、と思った。
そのメールが来るのは大抵、彼女が翌日、一限からの時。
僕の暮らす部屋は大学にほど近い。
都心の大学であるにも関わらず、親戚の経営するアパートということもあり家賃もずいぶんオマケしてもらっている。
しかも入居するときそこの物件しか空いてなかったということもあり、無駄に2DKだ。
実際、まるまる一部屋分、部屋を余らせてしまっているわけだが、誰もそこに勝手に寝泊りしていいと許可した覚えは無い。
でもってそこで肉を焼いてよいと許可した覚えは、もっと無い。
彼女曰く、「外で食べる焼肉はお金がかかる」
彼女曰く、「自分ちで焼肉をやると匂いが染み付く」
彼女曰く、「ここからだと10分で大学に着く」
要するにこのメールの意味するところは『今日、焼肉食いにアンタんちに行くから。でもってついでに泊まってって、そっから一限行くけど、何か文句ある?』ということである。
103 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:16:38 0
有無を言わさぬそのメールに対して、僕に選択の余地は無い。
僕は講義を続ける教授の目を盗んでメールの返信をした。
『一応サークルに顔出してくから7時頃に帰ると思う』
週一ペースで焼肉大会in僕の部屋が開催されるようになってから、彼女はいつの間にか僕の部屋の合鍵を作製していた。
その事に関して法的な手段に出て訴えようかどうかは今も迷っているのだが、きっと彼女は今日も今日とて僕の部屋に勝手に上がりこんでいるのだろう。
と、手のひらの中で携帯が再び震えて、僕は届いたメールを開いた。
『なるべく早く』
…実に簡潔な返信が画面に映し出されて僕ががっくりと肩を落とした、瞬間。
「キミ、携帯をしまいたまえっ!」
教授の怒鳴り声が聞こえて、僕は咄嗟に携帯電話を机の中に忍び込ませる。
おそるおそる顔を上げると白髪だらけの教授が僕を睨みつけていた。
「…すいません」
僕がうな垂れて謝ると、教場のあちこちからクスクスと笑い声が漏れた。
教授は「これだから最近の学生は…」とブツブツ文句を言っていた。
その事で教授から目をつけられてしまった僕は、その後翻訳を何度も指されてしまい、その講義はさんざんなものになった。
そんなわけで5限終了のベルが鳴ると、僕はその場から逃げるようにとっとと教場を後にしたのだった。
携帯電話を机の中に入れたまま―――。
104 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:19:45 0
―
―――
―――――
流石にこの時間になると構内の人影もまばらになる。
ましてこんな5階の教場まで登ってくる物好きはそうはいないだろう、……携帯電話を忘れたりしない限り。
今は夜間の授業中のようで、その講義の声は暗がりの廊下に微かに漏れて響いている。
幸い、僕が携帯を忘れたと思われる教場では講義をやっていないようだった。
人気の無い教場の扉を静かに開く。
中は当然真っ暗で僕は窓から差す月明かりを頼りに電気のスイッチを探した。
ひんやりとした空気が僕の肌に触れる。
どうやら窓が開いているらしい。
無用心だなぁ、と、自宅の部屋の合鍵を知らぬ間に作成されていた男が、学校の管理体制に苦言を呈した時だった。
ふと目をやった窓辺で、影が動いた。
105 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:22:37 0
最初、それは幽霊かと思った。
僕はゴクリと唾を飲みこみ、飛び跳ねる鼓動をなんとか落ち着かせていた。
が、よーく目を凝らしてみてみると、それはどうやら実体を伴った人間のようで、しかもその髪型と服装から女の子であるということが判断できた。
月明かりに照らされたその横顔。
窓枠に寄っかかるように体を預け、少し寂しげな視線は大学の構内を見下ろしていた。
茶色の長い髪が冷たい風に柔らかく揺れる。
なんだかとても画になっていた。
僕は吸い込まれるように彼女を見つめ続け、そして今カメラを持っていないことを少し悔やんだ。
写真を撮る人なら、きっと誰もがこの画を切り取りたいはずだ。
そう思わせるのは彼女の放つ圧倒的な存在感と、ふと目を離した隙にどこかへ消えていってしまいそうな、そんな刹那さを彼女が併せ持っているからだろう。
やがて、僕の存在に彼女の方も気がついたようで、視線がバチリとぶつかった。
106 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:27:39 0
「…あ」
彼女は短く声をあげた。
なんだか僕が彼女のことを盗み見していたような気分になってしまい、バツが悪くなった僕は何故だか一礼してしまった。
すると向こうもそれにつられるようにペコリと小さく頭を下げる。
なんとなく気まずい雰囲気が流れたが、僕は携帯電話を探すという当初の目的を思い出した。
暗がりの中で見つけた教場の電気のスイッチをパチリと押して、講義の時に僕が座っていた席の机の中を覗いてみる。
が、そこには演劇サークルの次回公演のチラシが入っているだけで携帯電話はなかった。
…いや、待てよ、もう一つ前の席だったかな。
そう思って前の席の机の中を覗こうとした瞬間、背後から声が聞こえた。
さっきの彼女だった。
107 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:28:33 0
「何か、探し物?」
「え? あ、ええ、携帯をちょっと失くしてしまって…」
「…それって、ひょっとして、コレ?」
そういうと彼女は頭の高さまで手を持ち上げてみせた。
彼女の手の中には流線型のフォルム。
まぎれもない、僕の携帯だった。
「あ、それ!それです!」
「あっそう、コレ、キミのなんだ」
ふーん、と彼女は何かを考えながら僕の顔と僕の携帯を交互に見やった。
その行動に些かの疑問を抱きつつも、携帯が見つかったということに僕はひとまず安堵していた。
「いやぁ、危なく失くしちゃう所でした。どうもありがとうございました」
彼女はニコッと微笑んで僕の携帯をすっと前に差し出した。
僕もそれを受け取ろうと右手を伸ばした―――が。
すかっ。
僕の右手が空を切った。
ひょいっと持ち上げられた携帯は彼女の頭上に位置していた。
108 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:32:20 0
「あ、あのー?」
「お礼してください」
彼女は携帯を頭上に掲げたまま、言った。
顔には微笑を称えたまま。
「えっ? お、お礼はさっき…」
「だってこれはある意味ごとーが保管しといたようなものですよね? だから、そのお礼」
…ごとーって?
この人の名前だろうか。
…それにお礼ってどうすりゃいいんだろう。
金か?
それとも物か?
…ひょっとして僕の体が目当て…って、そんなことはないか。
「あ、あのー、お礼、といいますと…」
「んーと、じゃあ、今晩、泊めてください」
「あ、ああ、それくらいなら……って、ええ!?」
僕が見事なノリツッコミをかましても、彼女は相変わらずニコニコと表情を崩さなかった。
まるで僕がそのお礼をすることがさも当然の事であるかのように。
109 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:33:45 0
「と、泊めるって、キミを? 僕の家に?」
「うん」
「そ、それはちょっと」
「えー、なんで?」
「なんでって言われても……、そ、そう、今、ちょっと家には他の人が来てて」
「あ、ひょっとして彼女さん?」
「え? …あ、ああ、いや、まぁ……」
彼女、ではないわな、決して。
じゃあ僕と彼女の関係を表す言葉はなんだろう。
…奴隷。
―――って、そこまでひどくはないか。
…子分。
なんか時代錯誤っぽい言葉だな。
…舎弟。
うん、ちょっと近くなった…って。
何にしろ情けない言葉しか出てこない。
…僕の事なんか少しも男として見てないだろうなぁ。
そうでもなきゃ、いくら別々の部屋とはいえ男の家に気軽に泊まりになんて来るはず無い。
僕がそんなことを考えて勝手に落ち込んでいると、目の前の彼女は突然何か思い出したように、ぽん、と手のひらを合わせた。
110 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:35:18 0
「あー、じゃあひょっとしてさっきの電話」
「え?」
「電話がね、掛かってきた。 藤本さんって人から」
「ちょっ……それ、もしかして」
「ん? ああ、うん、出ちゃった、あはっ」
その言葉を聞いて、僕の目の前が真っ暗になった。
約束した時間に大幅に遅れたばかりか、見ず知らずの女性を電話に出す始末。
不時着の衝撃を和らげるどころか真ッ逆さまに墜落。
これから起こるであろう惨劇に僕は一人身を震わせた。
そんな僕をよそに、”ごとー”と名乗った彼女は少しも悪びれた素振りも見せず、笑顔をこちらに向けていた。
111 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:44:24 0
112 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:45:50 0
J○RO→JIRO
113 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:47:38 0
114 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:48:57 0
115 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:51:05 0
657 名前:名無し募集中。。。 投稿日:05/02/05 20:55:05 0
気づいたら、牢屋にいた。どうしようもないくらい牢屋だった。
ええっと、あれだ。あたしは確か二人の仲間と共にこの基地を潰しにかかったんだ。
でもやっぱり本拠地だけに、警備は硬くて、穏便に仕事を済ますことができなかった。
仲間の一人、コードネーム「スクランブル」は元々ここ出身で、この基地にトラップに関しては
詳しかったのだが、コードネーム「涙色」がドジって、それをかばったあたしがこうして捕まって
しまったというわけだ。
2人は無事逃げ切れただろうか…
116 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:51:29 0
後藤の「んぁ〜」としたのほほ〜んキャラと大胆な不良チックとういか
そんな感じのキャラとが良く書かれてるね。GJ!!
117 :
名無し募集中。。。:05/02/24 02:56:07 0
118 :
名無し募集中。。。:05/02/24 06:32:28 0
「刹那さ」ってのはわざと?
ほ
121 :
名無し募集中。。。:05/02/24 15:31:16 0
前に3人の描写があったにもかかわらず、学校には後藤
彼女が藤本…ちょっと頭が混乱してまつ
もしかして違う話?
122 :
名無し募集中。。。:05/02/24 15:38:37 0
>>115 それミキティH捕虜のとこに置いてあったやつだろ
全然エロイ描写なかったよな
123 :
名無し募集中。。。:05/02/24 15:43:21 0
違う話なんだろ
職人が充実してるのはいいことだ
混乱しないように、作者ごとにハンドル変えて欲しいっす
難解だな
125 :
名無し募集中。。。:05/02/24 16:12:45 0
なんか面白そうなのが始まりましたね〜2人いると混乱しますね。
僕の方は
>>73さんのが終わるまで書き込みを自粛しますね。
3人がそれぞれ誰かはそれまで皆さんにおまかせします。
いろんなトコ回っていろいろ勉強して皆さんにもっとイイ物を掛けるようになってきます。
126 :
名無し募集中。。。:05/02/24 16:43:25 O
127 :
名無し募集中。。。:05/02/24 17:03:30 0
128 :
名無し募集中。。。:05/02/24 17:07:52 0
>>125 譲り合いの精神は美しいことですが
一人でも職人が自粛されてしまうと、急に過疎化が進んでしまいますので
そんなことおっしゃらずに続けていただきたいと思います
132 :
名無し募集中。。。:05/02/24 19:12:01 O
オレは両方好き!
仲良く二人で書いてくれよ
133 :
名無し募集中。。。:05/02/24 20:08:31 0
仲良く喧嘩してよ
134 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/24 21:41:45 0
135 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/24 21:43:09 0
◇
「ねー、なんでさっきから黙って歩いてんの?」
「…ついてこないで下さい」
「だってお礼してもらわなきゃ」
「…お礼はしません」
「えー、じゃあ携帯返し損じゃん!」
「…人のもの拾ったら、本人に返すのは当たり前の事だと思うけど」
大学からの帰り道を僕は自転車を押して歩いていた。
立ち並ぶ店のネオンはピカピカと夜に散らばっていく。
彼女はずっと僕の側をウロチョロとまとわりついてきていた。
自転車に乗ってしまえば簡単に撒くことができるのだろうが、そういう事ができない性質だからこそ部屋を占領されたりするのだろう。
「届けてもらったら一割お返しするのも当然でしょ?」
「じゃあ」
僕はピタリと足を止めた。
車輪の転がるカラカラという音もピタリと止まる。
「じゃあ、なに? 人に掛かってきた電話にホイホイ出るのも当然の事?」
「それは…、まあ、つい、というか、魔がさした、というか。
ほらっ、習慣ってあるじゃないですか、電話かかってきたらとりあえず取る、みたいな? 怖いねぇ、人間って」
ヘラッと笑って見せた彼女に、僕は深いため息をついた。
正直、家に帰る足取りが重い。
帰った僕を待ち受けているのは果たして拳か、蹴りか。
まさか刺されるなんてことは無いだろうけど。
…無いよな?
136 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/24 21:44:50 0
「で、泊めてくれるんだよね?」
「…見ず知らずの女性を家に連れ込むような事はしません」
「あ、じゃあじゃあ」
と、彼女は僕の前に躍り出た。
「後藤真希、19才です。 …キミは? いくつ?」
「え、ハタチ…だけど」
「そっか、一っこ上かぁ。 ほら、これで見ず知らずではないでしょ?」
「そういうことじゃなくて…」
子供みたいな屁理屈をこねる彼女に僕は半ば呆れ気味だった。
そして別に望んでもいなかった自己紹介によって、”ごとー”というのが彼女の名前であることが確定した。
「えーと、後藤さん?」
「はい」
「今日初めて会った男の家に行くなんて普通怖いと思わない? 何されるか分かったもんじゃないよ?」
「…キミは何かするの?」
「…いや、しないけど」
「ほらっ、じゃあいいじゃん。キミ、そういう風には見えないし」
そういう風には見えないって…。
やっぱり僕は男として見られていないということなんだろうか。
初めて会った人にすらそんな風に思われてしまったことに少なからずショックを覚えた。
137 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/24 21:45:58 0
「…えっと、一応、聞くけどさ、学部はどこなの? サークルとかは?」
「え、私、あの大学の学生じゃないよ?」
「は、じゃあなんであんな所にいたの? …そもそも何で泊まる場所なんて探してるんだ? 家に帰ればいいだろ」
「いやー、それがそういうワケにもいかなくて」
「…ひょっとして家出とか」
「ピンポーン、大正解」
大方、予想がついた。
大分前に夕方のニュースで見た、プチ家出とかいうやつ。
一週間程度の短い家出が流行っているらしいのだ。
気持ちは分からないでもないけど、何でもかんでもプチとかつければいいってもんでもない。
「…それならそれで友達の家とか行きゃいいのに」
「もうね、友達の家は大体回っちゃって。それにそういうところはやっぱり足がつき易いのね」
「はぁ、そういうもんですか…」
「だから今回は思い切って知らない街に行ってみようと思い立ったわけですよ」
「で、泊まる場所が無くて困ってると」
「そういうこと」
なるほど、状況は分かった。
僕としてもこれ以上家出娘の戯言に付き合ってる暇はない。
一刻も早く帰宅してぼーぼーに燃え盛っているであろう怒りの炎の鎮火作業に当たらなければならないのだ。
138 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/24 21:46:49 0
「よし、タダで泊まれるところを紹介してあげよう」
「え、そんなところあるの?」
「あるある、ひょっとしたらご飯までついてくるかもしれない」
「どこどこ、教えて?」
「警察」
「…はぁ?」
「いや、警察に保護してもらった方がいいよ。 さもなくば、家に大人しく帰る」
「やだ、どっちも嫌」
「…我侭だなぁ」
僕がそう呟くと、後藤はキッとこちらを睨みつけた。
「…いいよっ、警察に突き出されるくらいだったら、え、駅前で誰かに声かけてもらうの待つもん」
「ちょ、ちょっと待って、それって…」
「そ、そーだよ、初めからこうすれば良かったんだ。
そうすれば寝場所は確保できるし、お金だってもらえるし―――」
「ばかっ!」
あまりにも非常識な発言に、つい大きな声をあげてしまった。
後藤がビクッと体を強張らせる。
139 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/24 21:47:53 0
「そういうこと簡単に言うなっ」
「だ、だって、仕方ないじゃん。そ、それにね、ごとぉ、そういうの、は、初めてじゃないんだよ?
こ、高校の時なんか、もうそりゃ毎晩、ま、街に繰り出してたんだから」
そうは言っているものの、言葉が震えているのは気のせいだろうか。
「仕方ないってなぁ、だから家に帰―――」
ぐーきゅるるるー。
僕の声は変な音に遮られた。
後藤が真っ赤な顔をしてお腹を押さえている。
「…ひょっとして食べてないの?」
後藤はコクッと頷いた。
「いつから?」
「…昨日の昼」
「お金は?」
「…無くなっちゃった」
「…今まで夜はどうしてたの?」
「昨日まではお金あったから安いホテルとかカラオケボックスとか。…昨日はコンビニを、転々と」
僕は呆れていた。
彼女のあまりにも無計画な家出プランに。
よくみればなんとなく頬がこけて顔色が悪いようにも見える。
後藤は、現状を僕に話したことによって自分の置かれてる状況を再確認してしまったせいか、すっかり元気をなくして俯いてしまった。
細い体が妙に弱弱しく感じられた。
そして潤んだ瞳からキラリと雫が零れ落ちたのが見えた。
見えてしまった。
140 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/24 21:48:44 0
僕はやっぱり呆れていた。
それは僕がこれから発しようとしている言葉に対して。
自分自身に対して呆れていたのだ。
「…分かったよ」
「え?」
「とりあえずもっと詳しく話し聞くから」
「え、それって」
「行き倒れられたら気分悪いし、事件とかに巻き込まれる危険もあるし―――ほら、行くよ」
しょんぼりと顔を俯かせていた後藤の顔に、みるみるうちに笑顔が戻っていく。
「ほんとに? マジで? ほんとに、いいの?」
「いや、う、うん、って、あれ、泣いてたんじゃ…」
「やったー! サンキュー、ありがとーねー♪」
…ひょっとして騙されたのだろうか。
現金な笑顔を見せる後藤に、僕はそんな事を思わざるを得なかった。
「ほらっ、早く行こうよ」
ぐいぐいと袖を引っ張る後藤に釣られるようにして、自転車の車輪は再びカラカラと音を立て始める。
…なんだかヘンな事に巻き込まれてしまったなぁ。
今日、何度目か分からない僕のため息が初冬の夜空に溶けていった。
141 :
名無し募集中。。。:05/02/24 21:50:31 0
おれだったら松浦を縛りあげて後藤といっしょにいたぶる
で 藤本はYシャツ1枚でセブンイレブンへから揚げ棒を買いに行かせる
142 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/24 21:50:40 0
>>135-140 dat落ち分ここまで
>>125 横入りしてしまったみたいで申し訳ないです…
自分がトリップつけるようにするので、続き書いていただけないでしょうか
僕のが書き終わるまで自粛するとおっしゃってますが、正直自分でもどのくらいの長さになるか見当がついてませんし
143 :
名無し募集中。。。:05/02/24 21:51:43 0
おつううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
144 :
名無し募集中。。。:05/02/24 22:45:02 0
145 :
名無し募集中。。。:05/02/24 23:23:45 0
146 :
名無し募集中。。。:05/02/24 23:32:41 0
おれ?
>>142 (・∀・)イイヨーイイヨー
今後の展開が楽しみだ
149 :
名無し募集中。。。:05/02/25 03:11:33 0
ごまっとう保全
うむ
151 :
名無し募集中。。。:05/02/25 04:37:00 0
ミキティのお仕置きワクワク
いやいや後藤がいるからたぶんあーなってこーなってそーなるんだよ
153 :
名無し募集中。。。:05/02/25 06:47:11 0
そういえばまだ松浦がいないな
154 :
名無し募集中。。。:05/02/25 06:48:18 0
この三人の中でパイズリしてもらうなら誰?
ミキティ以外としか…w
156 :
名無し募集中。。。:05/02/25 08:10:36 0
今じゃ出来るのは松浦だけじゃぁ、、
>>125さん書いて下さいお願いします
俺はもうあなたなしでは生きられない
158 :
名無し募集中。。。:05/02/25 10:07:29 0
あれ?俺が余計なこと言ったから皆さんにいらない気を使わせちゃいましたね
すんません…あんま余計なこと言わないようにします。あしからず…
では書いて下さると?
160 :
名無し募集中。。。:05/02/25 11:51:42 0
歌番組の収録がなんとか終わった
本格的にごまっとうとしてデビューして2ヶ月がたち
なんとか機動に乗りはじめ
やっと僕もマネージャー業が板についてきた。
今日はこの後は
真希ちゃんはラジオ美貴ちゃんは雑誌の取材があり
亜弥ちゃんはフリーだ。
仕事がある2人には代行マネが付く
が代行役とは現地待ち合わせなので
真希ちゃんと美貴ちゃんを仕事場に送り届け
その後、亜弥ちゃんを僕たちが住むマンションまで送る
そう、ごまっとうとして結束力をつけるため
事務所の意向で3人は今一緒に生活している
そして僕もまたその監視役として一緒に住んでいるのだ
僕は3人を車に乗せて現場に急いだ
車の中ではやはり年頃の女の子
キャッキャおしゃべりをしている。
161 :
名無し募集中。。。:05/02/25 11:52:35 0
だが今は実際は2対1の関係である…
皆さんは美貴ちゃんと亜弥ちゃんがソロの頃から
仲良しだと言うことを何かしら聞いて知っていると思う
だが実際は仲良かったのは1年あまり…
その後2人の間に何らかのトラブルが起きて
あまりしゃべらなくなったみたい
いつもは美貴ちゃんが真希ちゃんに話しかけてるみたいだが
しかしそこはハロプロ歴が一番長い真希ちゃん
気を使ってちゃんと亜弥ちゃんにも話をふるのだ
亜弥ちゃんはそのときは笑顔で応対するが
話が終わるとつまらなそうにブすっと
窓の外を見つめている
僕は気を使って美貴ちゃんを先に送り届け
次に真希ちゃんを送り届ける間は
亜弥ちゃんは楽しそうに真希ちゃんとおしゃべりをする
僕はそんな亜弥ちゃんの笑顔を見るのが好きだった
やがて真希ちゃんを仕事場に送り
亜弥ちゃんとマンションに向かった
162 :
名無し募集中。。。:05/02/25 11:53:47 0
先にも言った通りこんな状況が続いているためか
僕は普段、亜弥ちゃんと話す機会が多かったので
2人だけの車内であっても話が途切れることはない
マンションにつき亜弥ちゃんは疲れたのか
ダイニングルームにある一番大きなソファーに
ぐったりと横たわっていた
僕はこの後事務所で仕事があるので
亜弥ちゃんに一言、言って出て行くことにした
「亜弥ちゃん、僕この後事務所に行かなきゃいけないから」
「え〜また1人ですかぁ?」
「文句いわないの、しばらく1人だけどいいね?出かけるときはちゃんと」
「電話する、ですよね?」
「わかってればよろしい、じゃあゴメンね」
「いってらっしゃ〜い」
163 :
名無し募集中。。。:05/02/25 11:54:26 0
美貴ちゃんなら心配だけど亜弥ちゃんは無断外出の心配はないだろう
ちょっと急がないとやばいなとエンジンをかけるが
そこで忘れ物に気付く上司に渡す大事な書類だ
部屋に戻るのが面倒くさいので電話して
亜弥ちゃんに駐車場まで持ってきて貰おうとしたが
マネージャーがタレントを使うわけにもいかないので
急いで部屋に戻ることにした
慌てていたんで亜弥ちゃんに声も掛けずに
ダイニングのドアを開けた…
するとそこには
アイドルとは思えないほどいやらしく体をくねらせ
自慰にふけっている亜弥ちゃんの姿があったとさ
終わり
なかなかいいね
ほ
166 :
名無し募集中。。。:05/02/25 18:01:18 0
本編かかないで余計なもん書いちゃいました。だったら本編書けって感じですよね。
やっぱりスペース空けると読みやすいですかね?でもレスが多くなっちゃいますよねですよね…
初試みでした。筆の遅い作者ですがこれからもよろしくお願いします。
167 :
名無し募集中。。。:05/02/25 18:03:36 0
ほ
168 :
名無し募集中。。。:05/02/25 18:09:24 O
169 :
名無し募集中。。。:05/02/25 18:39:36 0
170 :
名無し募集中。。。:05/02/25 19:06:13 0
ほ
ぜ
173 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/25 22:51:47 0
174 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/25 22:53:43 0
「た、ただいまー…」
弱気な声を上げながら、僕はおそるおそるドアを開いた。
自分の家のドアを開けるのにどうしてこんなにビクビクしなきゃいけないのか、少し疑問に思ったがそれも致し方ない。
暗がりに包まれた玄関に立って、すでに体が記憶している照明のスイッチに手を伸ばしかけた、その時。
「…遅かったねぇ」
「うわぁっ!」
暗闇から突然発せられた声に僕の心臓がドキリと跳ねた。
目を凝らした先に見えたシルエットこそ、この僕をこうまで怯えさせている張本人。
焼肉女王、藤本美貴。
より美味しく、より安く、より良い環境で焼肉を食らうためには手段を選ばない。
その格好の標的とされたのが僕なのだ。
上京したときに実家から持ってきた上質な鉄板、近所の商店街には安いと評判の精肉店、そしてどれだけ焼肉の匂いが染み付こうが構わない部屋。
いや、匂いがついても構わないのは藤本だけで当事者である僕は大いに困っているのだが。
とにかくそれだけの好条件が揃ってしまえば藤本に目をつけられるのは当然の流れだったかもしれない。
焼肉の材料費が折半であるということだけが今ではかすかな救いだ。
175 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/25 22:55:02 0
「…美貴、すっごいお腹空いてるんですけど」
「ご、ごめん、サークルで飯田先輩に捕まっちゃって…」
「ふーん、そんだけ?」
「い、いや、他にも色々と…」
「だよねぇ?」
闇の中に映る2つの瞳が妖しげに細められた。
その冷酷な笑みが、正直いって怖い、怖すぎる。
藤本に肉を目の前にさせておきながらおあずけを喰らわせてしまったという時点で、まず僕は一つ罪を犯している。
でもって今はまだ僕の背中に隠れている二つ目の罪。
「電話の女の子、誰?」
「え、えーと」
「ひょっとしたらさぁ、何かあったのかなぁって思って電話してみたら、…知らない女の子が出たんですけど」
「そ、それは―――」
「それ、あたしっ!」
「えっ、だっ、誰?」
176 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/25 22:57:13 0
さしもの女王もいきなりのカウンターパンチには少々面食らったようだ。
藤本は僕の背後から突然発せられた第三者の声に素っ頓狂な声をあげた。
そこで僕は初めて玄関の照明をつけるタイミングを得た。
暖色の灯りに照らし出されたのは、些か驚いた様子の焼肉女王と僕の背後から突如飛び出てきた謎の家出娘。
いよいよ両雄合間見えんといったところか。
この勝負、どっちにどう転がるか僕にもまったく予想がつかない。
先手を打ったのは家出娘だった。
「えとっ、後藤真希、19才ですっ、ヨロシク」
「よ、ヨロシク……って誰なの、この子?」
「…だから後藤真希さん」
「いや、名前とか聞いてないから。どーいうことか、聞いてんの」
ノー天気な自己紹介で若干リズムを狂わされた感のある女王はその怒りの矛先を僕に向けた。
「えーと、これには深い事情がありまして…」
「そうそう、深い事情」
「…ふーん、深い事情ねぇ、まあ聞かせてもらいましょうか」
がっしりと腕を組んだままジロッと僕を睨みつけてくる藤本。
僕はなるべく下手に出る作戦を選んだ。
というかその作戦しか選択の余地が無い。
177 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/25 22:59:04 0
「えーとまず僕が携帯を失くしてしまいましてですね…」
「うん、なんか教室みたいな所」
「その携帯をこちらの後藤さんに拾っていただいたわけなんです」
「うんうん、机の中に入ってたの」
「そしたら後藤さん、聞いたところによると何かお困りになっていたところだそうで」
「そう、困ってた、困ってた」
「なんでもちょっと家をお忍びで出られてるそうで、お金も無ければ泊まるところも無い、と」
「無いんだよねー、これが」
「事件などに巻き込まれる危険もありますし、何しろ昨日のお昼から何も召し上がられてないとのことで、体調面なども考慮いたしまして―――」
「…で、可哀相になって連れてきちゃったんだ?」
僕と後藤による、まるでベタな漫才コンビのような事情説明は藤本の声であっさりと遮られた。
しかしその声色と表情は思ったより優しい。
ひょっとしたら今日は何か凄くいいことがあって、機嫌がいいのかもしれない。
僕はその微かな希望に願いを託して、藤本にお許しを請うた。
「あのー、それでですね、できましたら一緒に晩御飯だけでも、と思う次第なんですが―――」
178 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/25 23:00:52 0
…が、僕が甘かった。
焼肉女王の前でそんな希望を抱いてはいけなかったのだ。
「…バッカじゃないの?」
先ほどまで女神のようにニッコリと浮かべていた笑みはどこぞへ消えうせ、眉間には見る見るうちに皺が寄っていった。
その御顔たるやまるで鬼神の如く。
「そんなの警察に突き出せばいいじゃん!そもそもねぇ、家出なんてバカな事して親に迷惑かけてんじゃないっての!
だいたい世の中甘く見てるんだよっ、最近の子は!そんな奴、野垂れ死んじゃえばいいじゃん!
親も親だよね、子供に家出されるなんてロクな教育してこなかったんだろうね!
それにアンタもさぁ、こんなことして、これ下手したら犯罪だよ、捕まるよ?」
マシンガンのように捲くし立てる藤本。
『貴方も十分最近の子でしょうが』とか『昔、家出した話をずいぶんと自慢げに語ってましたよね?』とか色々とツッコミ所はあったが僕はあえてそれらは飲み込んで、藤本にこんな提案をしてみた。
「あのー、お怒りはごもっともですが、とりあえず焼肉を食べてからにしましょ? ね、ね?」
ひょっとしたら焼肉さえ食べさせればこの怒りも一緒に消化してしまえるかもしれないと思った。
しかし藤本はさすがにそこまで安直ではなかったようで、むしろ逆に火にガソリンタンクをぶちまけてしまったようだった。
179 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/25 23:02:44 0
「勝手に食べればっ!」
「ぐわっ!」
その声と同時に僕の右脚に強烈な痛みが走る。
ホーストばりのローキック、いや藤本の所属するサークルで例えるならロベルト・カルロスばりか。
あまりの痛みに膝から崩れ落ちて苦痛に耐えていると、僕のすぐ後ろからドアを閉める大きな音が聞こえた。
まるで叩きつけるような爆音。
その風圧は痛みにもがいている僕に届くほどだった。
ドア壊れてないかな…、つーか本職が何も蹴ることねーだろ、蹴ること。
「…あーあ、彼女さん、行っちゃったねー」
「…いいよ、別に。 それに彼女でもなんでもないし」
そうだ、こっちだって迷惑してたんだ。
人の家に勝手に上がりこんで焼肉だなんて不愉快もいいところだ。
家に帰ってきて自分の部屋に焼肉の匂いが残ってた時の気持ちをアイツは考えたことがあるのか?
あー、これであの魔の手から逃れられると思うと清々するよ、ほんと。
…いや、別に焼肉自体は嫌いじゃないんだけどさ。
「追っかけなくていいんすか?」
「…いいから、とりあえず上がって」
「フーン…じゃあ、おじゃましまーす♪」
後藤は何か意味ありげな笑みを浮かべてからロングブーツを脱いだ。
意外だったのはちゃんと靴を揃えてから部屋に上がったこと。
…案外、しっかりした子なんだな。
180 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/25 23:04:20 0
後藤を部屋に案内してから、僕は救急箱を探した。
さっき藤本に蹴られた右脚に湿布を貼るためだ。
救急箱、救急箱っと―――、あ、あった、あった。
引き出し式の棚の一番下の台にそれを見つけた。
普段は絆創膏程度しか使わなくて、上京してきたときに母から持たされたこの救急箱の湿布を使うのはこれが初めてだった。
湿布に使用期限とかあったっけ、なんて事を考えてから、ま、いいやと思い直す。
そしていざ患部に貼ろうと薄い透明なシールを剥がした瞬間、僕はふと気づいた。
…あれ?
…藤本の利き足って確か右だよな。
けど僕が痛いのは右脚って事は―――。
181 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/25 23:06:52 0
「…ごめん、ちょっと外、出てくる」
僕は一旦脱いだ上着をまた着直してから、クッションにちょこんと座っていた後藤に声をかけた。
「あ、やっぱり彼女さん、追っかけに行くの?」
「いや、あの…」
「彼女さん、待ってると思うよ」
「え、なんで分かるの? …つーか彼女じゃ―――」
「ほらっ」
僕の弁明もそこそこに、後藤は部屋に置かれてたある物をひょいっと持ち上げた。
「この女物のバッグ、彼女さんのでしょ?これ置いて帰るって事はさすがに無いよねー」
「…そっか、なるほど。 じゃあ、やっぱりちょっと行ってくるから」
「あ、待って」
玄関に向けて歩を進めていた僕は後藤の声に振り返る。
と、バサッという音と共に宙に舞ったそれを、僕は右手で受け止めた。
「外、すごい寒いからね。それ、彼女さんのでしょ? 持ってってあげなよ」
「…ありがと」
藤本のコートをしっかりと握り締めて僕は玄関を飛び出した。
大丈夫、ドアもかろうじて壊れてはいないみたいだった。
…ドアを閉めるときにギギッと異音が鳴ったことは聞こえなかった事にしておこう。
182 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/02/25 23:08:20 0
乙!
早く続きが読みたい・・・
期待sage
イイヨイイヨー
起きてた甲斐があったよー
夜中起きちまった甲斐があったよー
良スレ保全
つづけ
ここの作者さんは他にも作品書いたことある?
どっかでみたことある作風なんだけど
登場人物といい・・・・・ね
まめお?
193 :
名無し募集中。。。:05/02/26 11:29:01 0
ho
も
おっと
h
198 :
名無し募集中。。。:05/02/26 21:37:09 0
あげ
良スレハッケソ
200 :
名無し募集中。。。:05/02/27 00:01:48 0
200でミキティのエッチ
201 :
名無し募集中。。。:05/02/27 02:56:16 0
どうもお待たせしました。皆さんには大変迷惑をかけましたが
なんとか続き書きました。よろしくおねがいします。
202 :
名無し募集中。。。:05/02/27 02:57:12 0
彼女が走り去ったあとにその場でニヤつきながら
しばらくは先ほどのデート(俺にとってはそうだった)の余韻に浸っていた
そしてすぐにでもマンションに向かおうとしたが足が勝手に反対に進み(いいわけ)
俺の目が新しい町を見物したいと言っているので(これもいいわけ)
ふらふらと町をぶらついていた…気を紛らわそうとしているのに
時が経てば経つほどに焦燥感に刈られていった。気が付けば単身がもう8時を回っていた
嫌なことを先延ばしに出切るほど起用じゃない(実際は3時間も彷徨っていたが)
延ばせは自分が困るだけだ…俺は腹を決めてマンションに向かった…
今更だが、俺はこれから1年間、一緒に生活する人のなのにまったく知らなかった。
普通は事前に会って打ち合わせとか、人定め…みたいなことをするものだろう
だがなんせ時間が無かった…後期試験が3月初めにあり発表は中盤だった…
急いでさがしてもらい、そのまま入居という形…だからまだ荷物もほとんど届いていない
と言っても家具はほとんど揃っているらしいのでいいのだが
こんな事、考えてるうちにもうマンションのインターフォンまでたどり着いた。
さすがにもうこんな時間だ、いくらなんでも帰ってきているだろう…
第一声が肝心だ…緊張して震えた指で部屋の番号を押す。
・・・・・
反応が無い、もう1度呼び出してみる。
・・・・・
やはり反応が無い、仕方が無いので部屋まで昇っていくことにした。
203 :
名無し募集中。。。:05/02/27 02:58:16 0
部屋はこのマンションの12階さぞかし眺めがいいのだろう目を輝かせていた。
しかしエレベーターの前に来て愕然とした
【故障中】の張り紙、12階まで階段ですかぁ〜しんどいだろ
という事でなんとか部屋までやってきました。部活をやめて半年以上訛りきっていた体。
予想以上にしんどかった…現代人だな、と感じた18の春…
マジマジとドアを眺めこれが俺の未来へ続く扉なんだと…
人はいないであろうと分かっていても、もしかしたらとベルを鳴らす
・・・・・
やはり応答はない…仕方がない前もって貰ってある鍵を使って入ることにした。
「おじゃましま〜す」当然、返事はない。中は電気もついておらず人気もない。
やはり留守なんだと再確認した。でも大体どこに行ったらいいのだろう…
部屋の構造が分からない俺は電気もつけることができなかった。
とりあえずまっすぐ進み、突き当たったところのドアを開く
少し広い空間を感じる部屋に出た、きっと共有スペースのダイニングだと思う。
一歩足を踏み出した瞬間なにかにつまづいた。きっと本か何かだろ
なんでこんなところに…足元に気をつけながらするりするりと進む。
ちょうど部屋の中央についた時に俺は前のめりに倒れてしまったが、
ソファーの上だろうか俺はそこに倒れこみ怪我はなかった。
しかし今度はつまづいて倒れたのではない、明らかに背中から突き飛ばされた感じがした。
俺はすこし混乱していたが…もしかしたら泥棒なのではないかと俺の脳裏を過ぎった…
俺は勇気を出して今まで暗闇の中、自分のいた位置に何があるのか確かめようとした。
だが次の瞬間いきなり電気が付いた、しかし俺の目はくらんで何も見えない。すると
「遅い!なにやってんのよぉ」と俺に語り掛けてくる声がする。ちくしょうやっぱり泥棒だ!
目をくらますなんて卑怯だ…けどぼやけながらも人影が見える…
ここで逃したら漢がすたる。俺は勢いよく飛び掛った。
「おとなしくしろ!」よし捕まえた。もう離さないぞ!
204 :
名無し募集中。。。:05/02/27 02:58:42 0
だが意外な反応が返ってきた。
「キャッ」っと女の子の声がしたのだ。確かに触れた感触はやわらかくて、いい香りがする…
女の子にこんなに触れているのは始めてのことだ…だが泥棒に違いはない…
「離してよ…」だが離すわけにはいかない。彼女も懸命に俺から抜け出そうする
しかし俺も手の位置を変えて、対抗する。だが手の感触が異様にやわらかい…
なんかムニュムニュしている…今まで触ったことがない感触…
俺はこれがなんなのか確認するため、懸命に指先の感覚だけをたよりに探り当てる。
だが逃げようともだえている間に手が下にズレてしまい、慌ててもとの位置に戻す。
するとさっきとは違う感じだたしかに柔らかいが先端だけが違う感触だ、
不思議に思いそこを親指でなぞって見る…すると
「んんっ」と彼女は悶え体が一瞬ビクンと跳ね、動きは先ほどより激しくなってきた。
ついに最後の力を振り絞り、本気で逃げようとしている。
息遣いも荒くなってきた、さすがに女だから体力的に疲れてきたに違いない。
だが今の形はちょうど後ろから抱きつく形になりもうオレから逃げることは出来ない。
だんだん目も慣れてきて俺の勝ちだと思った瞬間に突然でかい声で彼女が
「北村っ!」と叫んだ。
「おわぁ!」それに驚いて俺は手を離してしまった。
その隙を逃さず彼女は俺からスルりと抜け出して立ち上がった。
なんで俺の名前を知っているのか…俺は混乱し、どうしたらいいか分からなかったが
とりあえず相手を…と思い。恐る恐る顔を上げたのだった。
205 :
名無し募集中。。。:05/02/27 03:07:03 0
すいません…
>>204の場面ですがちょっと思い当たるふしがあるんで
ちょっと保留ってことにしてもらっていいですか。勝ってですいませんが。
寸止めかよ
ちょっとトイレ行ってくる_ト ̄|○
パンツ脱いで待ってます
208 :
名無し募集中。。。:05/02/27 09:10:27 O
いつまでも待ちます!乙。
ほ
北村しっかりしろ北村
てか変換ミスしすぎな悪寒…
212 :
名無し募集中。。。:05/02/27 15:42:31 0
私待つわ
从 ‘。‘)<あ、保全するよ。123!
北村もうちょっと句読点使って北村
前回うp分と別人かと思うくらい読み辛・・・
215 :
名無し募集中。。。:05/02/27 17:42:26 0
ところで暗闇の人はまっつーと予想
ミキティじゃオパイやわくないから
216 :
名無し募集中。。。:05/02/27 17:51:56 0
>>214 やっぱりそうっすか?オレ句読点を入れすぎたと思って一生懸命消してました…
変換ミスとかも多かったみたいでほんとスイマセンでした…
なんかいろいろ、至らなくて…以後、気をつけます…
ご意見もっとください…でも程ほどに…凹みやすいんで…
凹まされるのが嫌なら最初から狼で書くなよ
こんな感じで8年がたったな…
>>216 お待ちしておりますので
続きをお願いします
たしかに、句読点は適宜うってほしい
… ←のあとに文章が続くのも
あとは、改行をしてほしい
220 :
名無し募集中。。。:05/02/27 19:24:03 0
221 :
名無し募集中。。。:05/02/27 20:12:09 O
頑張れ!!俺は読めればなんでもいい。
>>217みたいな馬鹿は気にするな!
222 :
名無し募集中。。。:05/02/27 21:13:42 0
読めればなんでもいいってのは励ましになってるのだろうか
223 :
名無し募集中。。。:05/02/27 23:08:58 0
ほ
224 :
名無し募集中。。。:05/02/27 23:42:42 0
周りの意見に耳を傾けすぎて方向性を失った作者と
それに期待という名の愛で答える住人
そして小鳥達にさえずり方を教える俺との三重演奏
今世紀最大にしてロマンチックな螺旋版スレッド
もしもごまっとうがHな同居人だったら・・・
2月21日よりお近くのネット環境で公開
225 :
名無し募集中。。。:05/02/28 01:22:04 0
ほ
ぽ
北村を書いてる作者さん、
わかりにくいので、「名無し募集中」以外の
名前でお願いしたいんですが。
fo
名前欄をタイトルにしてほしい
タイトルなんかないだろ
ほ
232 :
筆の遅い仲達 ◆xhuEl2sY0Q :05/02/28 16:16:36 0
今の形はちょうど後ろから抱きつく形になり
もうオレから逃げることは出来ない。
だんだん目も慣れてきて俺の勝ちを確信して
上に乗り押さえつけようとした。
だが次の瞬間
「いい加減にしろ!」
といいながら泥棒が肘を思いっきり振った。ドズッと鈍い音がする
「ぐはッ…」
腹に激痛が走り、耐えられず腕をほどき俺は腹を抱えこんだ…
その隙を逃さず彼女は俺からスルりと抜け出して立ち上がった。
みぞおちに入ったのか苦しい息が…
俺は混乱し、どうしたらいいか分からなかったが
とりあえず相手を…と思い。恐る恐る顔を上げてみる。
233 :
名無し募集中。。。:05/02/28 18:07:01 O
続き楽しみ♪♪
234 :
筆の遅い仲達 ◆xhuEl2sY0Q :05/02/28 21:22:24 0
だが彼女はどこかに向かって歩き出す
後姿で顔は見えない…
逃がしてなるものかと必死に立ち上がる
すると突然、電気がついて一瞬だが目がくらんだが
今度は何とか必死に目を凝らして見みてみた…
すると向こうを向きながらだが
セーターを脱ぎはじめた女の子が見えてきた。
え?なんで脱いでるの…
そして脱ぎ終わると徐にブラジャーに手を掛け
ズレを直しながら話し掛けてきた。
「いてててぇ〜あんたねぇ、暗闇だからっていい加減にしなさいよ〜
もうブラずれちゃったじゃん!!
なにが”おとなしくしろ”よ。変な男みたいな声出してちょっと驚いたじゃない」
「いや俺は男なんですけど…」
「それそれ、その声よ〜やめてよねぇ、気味悪いなぁ
あぁメンドイ一回外しちゃった方が楽だ〜あんたのせいだよぉ」
「・・・・・」
外すのか…俺が見てるんだぞ、向こうを向いてた方がいいよな…
「大体、あたしの頼んだ杏仁豆腐ちゃんと買って来てくれた?」
「・・・・・」
俺が買ってきたのはクッキーですけど…
すると彼女は返事がないのでイライラしたのか
ブラジャーを外したまま、こっちを振り返った。
「ねぇ聞いてるの?少しは反省しなさ…」
「ども…」
一瞬にして場の空気が氷付いた。
235 :
名無し募集中。。。:05/02/28 22:16:13 0
乙です
236 :
名無し募集中。。。:05/02/28 22:57:42 O
乙!かなりイイ!
237 :
筆の遅い仲達 ◆xhuEl2sY0Q :05/03/01 00:17:23 0
振り向いた彼女は同い年くらいだろうか
田舎では見たこともない程、可愛いくて整っている
昼間会ったコと比べるとちょっと大人っぽさに掛けていたて
少しサルの子供みたいな感じだがそこがまた可愛い…
俺は立ち上がれないまま正座をした形で座り
彼女は現実を受け入れられずに口は開いたままで
混乱したのか胸を隠そうともしないで立ち尽くしている
2人とも顔を見合わせて動けない
正確に言うならば俺の視線はもう少し下にある
彼女の綺麗なむねであった
可愛らしい顔とは不釣合いなくらいにみごとで
形も良くて張りがある感じで…
桃色の乳首が白く透き通るような肌によく映える
・・・・・
と言っても童貞の俺は同年代の女の子の裸を見るのは初めて
顔がみるみるうちに赤くなる
しかしこんな状態がいつまでも続くわけがない…
俺は無実を証明し誤解を解こうとしたが
先に口を開いたのは彼女の方からだった
238 :
名無し募集中。。。:05/03/01 00:40:42 0
乙
239 :
筆の遅い仲達 ◆xhuEl2sY0Q :05/03/01 00:58:52 0
「だって、さっき…真希が…なんで…」
どっかで聞き覚えのある声…だが話が繋がってない…
しかし、こっちもテンぱっている
このままではまずい何とかしなければだが感じなときに
何から話したらまったく整理がつかない
「大体、なんでここに入れんのよ…も、もしかして…泥棒!イヤー」
「それはお前じゃ…」
と反論し始めた時に
「ただいま〜」と玄関のほうから違う女の子の声がした。
やばいこのままでは更にまずいことになる、どうにかしなければ…
「亜弥ちゃ〜ん、杏仁豆腐買ってきたよぉ〜」
しかしどうすることもできない、状況は変わらない
変わったのははこいつの名前が亜弥だというのが分かった事だけ
「真希〜入って来るちゃダメ!泥棒いるから!」
違う違う、俺はどろぼうじゃねぇよ。全部お前の勘違いだよ!
「なに言ってるのぉ〜あはは〜亜弥ちゃん、おもしろ〜い」
「ダメだって!危ないよ!」
しかし無常にもガチャリ、ドアが開いてしまった。
240 :
筆の遅い仲達 ◆xhuEl2sY0Q :05/03/01 00:59:34 0
ヤバイ、俺はどんどん顔が青ざめていく
だが幸いドアは半開きでまだ入ってきてない為に
真希からは俺の姿はまだ見えないようだ
「はい、亜弥ちゃんの好きな奴だよ〜あれぇ?なんで服脱いでるの?」
なんてのん気に話している。
それを言われて亜弥は自分の姿に気付いて青が赤くなり
「キャッ!」
と叫びながら手で胸を覆い、しゃがみこんだ…
「ここお風呂じゃないよぉ、も〜気が早いんだから〜」
と笑いながら真希が部屋に入って来た。
241 :
筆の遅い仲達 ◆xhuEl2sY0Q :05/03/01 01:02:55 0
>>237 3行目
大人っぽさに掛けていたて → 大人っぽさに欠けていたて
>>240 6行目
青が赤くなり → 顔が赤くなり
ドキミキ
なるほど順番に、松浦藤本後藤だったのか
▼ハヽヽ▼
/|\(〜^◇^) <やぐやぐ♪
⌒⌒''(U 保 )
▼〜し'~し'
工エエェェ(´д`)ェェエエ誤爆?
246 :
筆の遅い仲達 ◆xhuEl2sY0Q :05/03/01 08:54:22 0
なんか間違いあったら直してやってください…最近、耄碌してますんで…
乙でした
248 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/01 12:40:30 0
249 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/01 12:43:13 0
僕の家と大学を結ぶアスファルトの道を街灯の青白い光が照らしていた。
何故だか僕にだけやたらと吼えてくる犬のいる家の前を、息を切らして駆けていく。
少し走って大きな通りに出ると、街灯の色は暖かな、しかしどことなく切なげなオレンジの色に変わった。
大学入学を機にこの街へ来て、あと数ヶ月で2年が経とうとしているが、僕はまだここを自分の街だと思うことができないでいた。
やっぱり僕はまだ「お客さん」であり、街と僕の間にはよそよそしい距離感の様なものが存在している。
まあ、地方から出てきて東京に暮らす人は多かれ少なかれそんな思いを抱いているのかもしれないが。
行きつけのレンタルビデオ店のある交差点を渡って、また少し細い路地へ入る。
ここを真っ直ぐ突っ切るのが大学への近道だ。
この道の右手には申し訳程度に作られた小さな公園がある。
基本的な遊具とベンチだけの何の変哲も無い公園。
そこに設置されている赤い色したブランコに、僕は小さな背中を見つけた。
静止したブランコに腰掛けたその背中はどこか寂しげで、時折寒そうに体を震わせていた。
僕は気づかれないようにフェンスを越えて、後ろからそっと藤本にコートをかけた。
藤本はビックリしたように一瞬肩を揺らしたが、こちらに振り返ることはなく、ただ前をじっと見つめていた。
「やっぱりここだった」
「………」
藤本は僕の事を無視するかのように、はたまた何かの照れ隠しのように、ゆっくりとブランコを漕ぎ出した。
僕もその隣のブランコに座って、軽く地面を蹴る。
キコキコと錆びついた音が静かに響いた。
250 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/01 12:44:52 0
「足、すっげー痛い」
「…謝んないよ」
「うん、ごめん」
「…って、なんでアンタが謝んのさ」
「嘘ついた。 実はそこまで痛くない」
「………」
「左足で蹴ったろ? そりゃあ藤本の本気の蹴り食らったら骨の一本や二本…」
「美貴の事、野蛮人みたいに言わないでくれます?」
藤本は相変わらず前を見つめたままで僕の方を見ようとはしなかったが、その横顔にはほんの少し笑みがこぼれていた。
「それにしても、フットサルやってる御方が人を蹴るってのはまずくないかい?」
「…そだね、けど手より先に足の方が動いちゃったんだよ。次からはちゃんと殴るようにする」
「…殴るのも止めてください」
「あははっ」
また、笑った。
正直、藤本の笑った顔は可愛いと思う。
いや、笑ってなくても十分綺麗な顔立ちであるとは思うのだが、素の時の目つきがなにぶん鋭すぎる。
だから藤本の笑った顔を見れるのは単純に嬉しい。
そして藤本の笑顔を初めて見たのがこの公園だった。
「…もう半年以上も前のことなんだねぇ」
藤本も同じ事を考えていたのか、懐かしむようにポツリと呟いた。
251 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/01 12:46:14 0
―――そう、あれは半年以上も前、今年の4月のこと。
僕の所属する写真部が女子フットサルサークルの新人勧誘のポスター作成に協力したことがきっかけで、合同の飲み会を行うことになったんだった。
一見和やかに進行していた飲み会だったが、時が経過するにつれて僕の役回りは次第に大変なものとなっていった。
酒癖の悪い先輩が見事に悪酔いしてしまって、フットサルサークルの女の子に絡み始めてしまったからだ。
その女の子というのがやたらと目つきの悪い女の子で―――そう、言わずもがな、その女の子こそが藤本美貴だった。
僕は先輩と藤本の間に入って、どうにかこうにか場を取り繕っていた。
藤本は藤本でこめかみをピクつかせながらも、先輩のセクハラまがいのトークになんとか耐えていたのだが。
その我慢も先輩の繰り出した最悪すぎる一言であっさりと切れてしまった。
「やっぱりさぁ、その位の大きさの方が胸トラップしやすいの?」
次の瞬間、先輩のメガネは座敷の隅まで吹っ飛んでいた。
僕の目の前で繰り出されたのは鮮やかな右フック。
酒に酔っ払っていた周りの連中がその異変に気づくまでの僅かな間に、藤本はバッグを手に一人でさっさと店を飛び出していた。
僕も慌ててその背中を追って店を出た。
252 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/01 12:49:13 0
「あ、あの!」
「…何?」
こうしてお互い向き合って立ってみると、店内で抱いていた印象より藤本がずっと小さい事に気づいた。
それでもギロリと強い眼差しで見上げるように僕を睨みつけてくる藤本に対して、僕は自分のできる限界まで頭を下げた。
「すいませんでした!」
「…はっ?」
「先輩が失礼なこと言ってしまって、本当にすみませんでした!」
「…アンタ、バッカじゃない?本人が来なきゃどうしようもないでしょ。…それにアンタは美貴のこと助けようとしてくれてたじゃん」
「いや、違うんです。先輩、本当はとてもいい人なんです」
「…は? 何が言いたいのか、ぜんぜん意味分かんないんですけど」
「あ、あの、確かに酒癖に関しては最悪なんですが、こと写真に関しては真摯に取り組んでる人なんです。
僕にカメラの事を教えてくれたのもあの先輩で、それはもう熱心に教えてくれました」
「…なんで美貴にそんな事を話すの?」
「そういう面もあるという事を知ってほしかったんです。今日のことだけで先輩が嫌な奴だと思われるのが嫌だから。
今度、日を改めて本人を連れて謝りに来ます。本当にすいませんでした!」
「………」
僕は何度も何度も謝り続けた。
自分の周りの人が悪い風に思われてしまうのが嫌だったし、その人が他人を傷つけたままでいるのも嫌だったから。
地面にくっつくんじゃないかというくらいに垂れ下がった僕の頭に、しばらくしてポツリと意外な言葉が降りかかった。
「…ビール」
「…え?」
その発せられた言葉の意図が分からなくて僕は思わず顔を上げた。
「それと何か美味しそうなおつまみ買ってきて。なるべく肉類。 … それで、許す」
「え、えーと?」
「どっか場所探して、飲みなおす」
253 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/01 12:52:20 0
―
―――
――――――
それでたどり着いたのがこの公園だったわけだ。
「アンタがあんまり必死で謝るからさ、美貴、可笑しくって」
結局、その後公園で飲んだ際に、僕の家が程近いことや部屋をまるまる一つ遊ばせてしまっていることなどが知られてしまって、今の支配者と被支配者の関係へと繋がっていったのだが。
「それに不思議だった。どうしてこの人は自分以外の人の為にこんなに頭下げれるんだろうって。
美貴には絶対できないなぁって。…ま、あんまり羨ましくはないけど」
ただ僕は別に焼肉が嫌いなわけじゃないので、今のこの焼肉テロをお見舞いされる現状もそんなに悪くはないと思っている。
…それに当然、藤本のことも嫌いなわけじゃないし。
「あの時の事もだし今回のこともそうだけどさぁ、そんなに人に甘いところばっかりみせてたら、いつか絶対痛い目見るよ」
「…以後、気をつけます」
「…で、あの子どうすんのさ?」
「まだ、どうとも。 もっと詳しく話し聞いてみないと」
藤本はハァーっ、と大きなため息をもらしながら苦笑した。
254 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/01 12:53:43 0
「犬とか猫ならまだしも、まっさか人間の女の子拾ってくるとはねー、どこまでお人好しなんだか」
「ごめん」
「だーかーらー、謝んないでよ、それにそういうとこが…」
「ん?」
「……あ、いや、な、何でもない。あー、それにしてもマジでお腹空いたぁ。 そろそろ行こ?」
藤本はそう言って、勢いのついたブランコからぴょんと飛び降りた。
着地も両足揃えてバッチリ決まった。
「おう」
僕もそれに習って勢いよく飛び降りる。
が、着地のバランスが少し崩れて思わず前につんのめってしまった。
「あははっ、ダッサ」
「うっさい」
うん、やっぱり藤本は笑ってる時の方がいい。
255 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/01 12:54:51 0
公園を出た藤本は何故か僕の家とは正反対の方へ足を向けた。
「ちょっと、どこ行くの?」
「…あの子、お腹空いてるんでしょ?」
「あ、うん」
「焼肉の材料、足りないじゃん」
藤本が歩き出した方向には深夜まで営業しているスーパーがある。
「あー、なるほど。 …優しいな、藤本は」
「アンタに言われたくないんですけどっ!」
先ほどまでの笑顔も何処へやら。
何故だかまた怒り出してしまった藤本は、僕を置いてさっさと歩き出してしまった。
「あ、ちょ、ちょっと待ってよ」
僕は慌ててその背中を追った。
何故藤本がいきなり不機嫌になったのかはよく分からなかったのだけど、まぁ殴られなかっただけよしとするか、と僕は思った。
256 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/01 12:57:42 0
>>249-255 ここまで
>>190 おっしゃってるのが僕の方なら、無いといえば嘘になります
高校生活でモーヲタやったり、後浦三姉妹の末っ子やったり楽しい一年でした
作風が変わらないのは力量不足の所為でしょうが、変わらない良さもあると自分に言い訳します
まめおさんのは読んだことない
何処で書いてた人だっけ
257 :
名無し募集中。。。:05/03/01 13:24:36 0
もしも藤本が隣のHなお姉さんだったら、で書いていたしがない作家でした
本人が言うんだから間違いないですよ
完結することなくスレは落ちたりするなどで、未完のまま
今度ネタでも浮かんだらここで書くことがあるやもしれません
258 :
名無し募集中。。。:05/03/01 13:40:29 0
>>256 乙でした
後浦三姉妹読んでたよ
どの作品だい?
259 :
名無し募集中。。。:05/03/01 13:41:20 0
しかし主人公は蹴られたり、肘打ちされたり大変だなw
261 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/01 14:01:35 0
>>257 本人さま自らどうもです
今度過去ログ探して読んでみます
>>258 カズくんがどーたらこーたらというヤツです
真希姉編で力尽きました
262 :
名無し募集中。。。:05/03/01 14:22:16 0
おお
あのカズ君はいたって普通の人間のやつだな
このスレでも頑張ってください
263 :
名無し募集中。。。:05/03/01 17:07:10 0
イイヨイイヨー
キタイシテルヨー
がんばってください
自分のいた大学周辺を思い浮かべて読んでるんですけどすごい(・∀・)イイ!!
ミキティ不足なうえ、アンチが横行している今このスレにくることが数少ない楽しみです
保全
266 :
名無し募集中。。。:05/03/01 21:27:10 0
力なき者は、やがて滅する運命…
良スレが英雄を生む時代ではなく、英雄が良スレを産む時代
そんな時代に生まれたのが不運、不運ではなく運命なのかもしれない
今、一寸の迷いなく鮮やかに滅するのみ
268 :
名無し募集中。。。:05/03/02 01:02:11 0
>>259 そうですね、浮気がばれて美貴さんに叱られている場面で終わってしまっていたかと
>>266 復活といってもここで続きするわけにもいかないので、またスレが立つことがあれば
スレ立ててまで続ける気はないってことなのかな
まぁ向こうが復活してこっちが途切れても困るから、適当な頃合いで復活希望
ほ
前俺しか保全しないとかアフォな状態に陥ったからな
273 :
名無し募集中。。。:05/03/02 12:00:52 0
ありしたーーーーーーー
ほ
ぜ
週刊誌みたいになってきた
277 :
内村P(二代目):05/03/02 17:23:54 0
10ぽーーーーんと
278 :
名無し募集中。。。:05/03/02 18:40:49 0
あいつはもう帰ってこないんだろうな
保全
泥沼sage
ho
▼ハヽヽ▼
/|\(〜^◇^) <やぐやぐ♪
⌒⌒''(U 保 )
▼〜し'~し'
ほ
ぜ
ん
保全
287 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/03 14:09:37 0
288 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/03 14:11:22 0
◇
バタバタと忙しく鳴り響く足音で、僕は目を覚ました。
…寒っ。
まだ半分夢の世界でまどろんでいた僕を寒気が襲う。
それに体の節々が妙に痛い。
起き上がろうとして、自分が布団以外の物に包まれていることに初めて気づいた。
…寝袋?
それにここは?
天井の景色がいつもと違う。
背中に当たる感触がやたらと硬いことから、少なくとも僕のベッドではないことは確かである。
そしてなんだかとてもいい匂いが僕の鼻をくすぐっていた。
食欲をそそる、なんとも美味しそうな匂い。
「あ、起きた?」
声のした方を寝ぼけ眼で見てみる。
ダイニングテーブルの脚と備え付けの椅子の脚とに混じって、人間の脚が2本、すらっと伸びていた。
それで僕はようやく昨日のことを思い出した。
もそもそと寝袋から抜け出して、伸びを一つ。
「…おはようございます」
「おはよー」
キッチンの窓から差し込む太陽の光に照らされながら、後藤はニッコリと微笑んだ。
その笑顔はあまりにも違和感なく僕の家のキッチンの景色に溶け込んでいて、まるでもう何年も前から後藤がここにいるような不思議な感覚に僕は陥った。
289 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/03 14:14:50 0
「色々と借りてるよー」
確かに。
まず足元のスリッパ。
身にまとっているナイロンのラインパンツと黒のパーカーも僕のだ。
どちらもサイズが大きすぎてだぶだぶと裾を余らせてしまっている。
頭にはどこから見つけてきたのか白地のハンカチを巻いて、三角巾代わりに使っている。
そしてキッチン用具一式。
フライパンの上では目玉焼きがジュージューと音を立てている。
コトコトと煮だっている鍋の中身は味噌汁だろう。
炊飯器からはちょうどご飯の炊けたアラームが鳴り響いた。
「よーし、炊けた、炊けたっとぉ。 あ、もうちょいで出来るから先に顔とか洗ってくれば?」
「あ、う、うん。…なんか朝ご飯とか作ってもらっちゃって悪いね」
「いやいや、いーんすよ」
「…そういや藤本は?」
「どっか行っちゃったみたいだよ。ごとーが起きたときにはもういなかったもん」
ああ、そうか、今日一限からだっけ。
意外と寝起きがいいんだよな、藤本は。
それに比べて昨日の後藤といったら。
昨日、僕と藤本が帰ったときには僕のベッドですやすやと眠っていて。
一応、起こしてはみたものの、まったく目を覚ます気配がなかった。
ところが僕と藤本が焼肉を始めると、その匂いに釣られるようにしてのそのそと起きだしてきたんだ、半分眠ったまま。
ここ数日、ろくな睡眠をとっていなかったみたいだから仕方ないのかもしれないけれど、目をほとんど閉じたまま焼肉を頬張り、そのまま、またベッドへと戻っていく姿はなかなかに滑稽だった。
…そういえば後藤の家出の理由とか何も聞けなかったな。
…まぁ、いいか。
僕は寝癖のついた頭を掻きながら、洗面所へ向かった。
290 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/03 14:16:30 0
洗面所からキッチンへと戻ると食卓にはずらりと立派な朝食が並んでいた。
朝食というには少し遅すぎる時間だけど。
僕と後藤はちょうど向かい合わせになるように座った。
「…じゃ、いただきます」
「どーぞ、どーぞ」
手始めに味噌汁から。
具材は昨日の残り物の野菜、玉葱とかキャベツとか。
お椀に口をつけて汁を流し込んだ瞬間、僕は驚いた。
こ、これは…。
「…美味い」
「あ、マジで? やーりぃ」
後藤はしてやったりといったような表情を浮かべて、自分もみそ汁を啜った。
「うん、上出来、上出来」
続いて目玉焼きに箸を伸ばす。
箸で切り分けると中からトロッと黄身が溢れ出した。
完璧な半熟。コレも美味い。
「スゴいなぁ、料理できるんだ」
「…ま、図らずしてってヤツですか」
「どういうこと?」
「…いーから、いーから、ほらっ、冷めちゃうよ」
「あ、うん…」
結局、僕は寝起きにも関わらず、ご飯とみそ汁を一杯ずつおかわりした。
291 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/03 14:19:12 0
満腹になった僕たちは場所をキッチンから部屋に移して、食後のお茶を楽しんでいた。
コタツにあたりながら、熱々の緑茶をずずっと啜って、お腹を落ちつける。
窓の向こうに広がる空の青さといい、TV画面が映している時代劇といい、なんともゆったりとした時間が流れていた。
「あー、こんなにちゃんと朝飯食べたの久しぶりだよ」
「あはっ、いちおー一晩泊めてもらった身だから、そのお礼っつーことで」
「…うん? でも、ウチに泊まることになったのって携帯拾ってもらったことのお礼だから、なんか変じゃない?」
「あー、そうだねー、お礼にお礼しちゃったよ、ははっ」
後藤は軽く笑ってみせてから、少し思いついたような顔を浮かべた。
「じゃあさー、またお礼してよ」
「え?」
「ごとーがキミに良い事して、キミがごとーにお礼すんの。それがずっと…」
「続くの?」
「うん。そういう風にしてさ、世の中回ってけば結構いいよねぇ」
ヘンな事を考える子だなぁと思った。
うん、でも、確かにそういう相互扶助の考えは大事だと思う。
まぁ、そううまくはいかないのも世の中なんだろうけど。
292 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/03 14:21:00 0
「…というわけでさ、さっそくさっきの朝ごはんのお礼―――」
「ああっ、しまったっ!」
後藤が何事か言いかけたようだったが、僕は唐突に重大な事を思い出してしまった。
「今日、サークルの定例会議だった!」
「あのー、ちょっとお願いが…」
お茶なんか悠長に飲んでいる場合ではなかった。
会議に欠席すると面倒な仕事を勝手に押し付けられてしまう。
お互いを思いやれるような優しい世の中ばかりではないのだ、やはり。
「ちょっと、ごとーの話、聞いてよっ!」
「ごめんっ、帰ったらゆっくり聞かせてもらうからっ!」
僕は取る物も取らず慌てて玄関を飛び出していった。
こういう時に限って自転車が案の上、無い。
藤本が乗っていったんだ、きっと。
ぱんぱんに膨れたお腹に苦しみながら、僕は大学への道を駆けていった。
293 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/03 14:23:37 0
294 :
名無し募集中。。。:05/03/03 14:34:47 0
おつです
295 :
名無し募集中。。。:05/03/03 15:31:45 0
>73氏
いやいやめっちゃ乙ですよ
これからも頑張ってくださいね〜
次の更新楽しみに待ってます
ageてしまって申し訳無いです
>>293 いいんでない?むしろ、だからこそいい。
ほ
保全します
今日は皆さん保全の程よろしくお願いします
北村がエロいれようとして滑ったみたいなこと言う
あややと慶太は出さなくて良いから保全
味噌汁が懐かしいなぁ…
明日作ってみるかな
続き期待保全
ここにはHがないのか…ざんねん
保
全
308 :
名無し募集中。。。:05/03/04 11:31:52 0
エロはあってもなくてもよし
作者さんの自由でお願いします
3人と同居するのであれば、HなものでなくてもOKです。
ところで、同居と同棲の違いはどの点にあるんだろう。
寝室が同じかどうか?ってとこじゃない?
ho
ho
ze
n
h
o
z
318 :
名無し募集中。。。:05/03/05 02:16:48 0
e
n
h
o
z
323 :
名無し募集中。。。:05/03/05 14:27:06 0
e
324 :
名無し募集中。。。:05/03/05 16:00:08 0
n
325 :
73:05/03/05 16:40:46 O
規制されちゃってるみたいなので、もうしばし保全お願いします
h
oooo
zzzzzzzzzzzzz
規制に負けずにがんばって!!
保全するよ
PCがダメなら携帯で書けばいいじゃない!
samamiro
ええ話やのう・・・
ほ
▼ハヽヽ▼
/|\(〜^◇^) <やぐやぐ♪
⌒⌒''(U 保 )
▼〜し'~し'
そんなこともあるんですね…
早期復帰を祈って待ってます。
337 :
名無し募集中。。。:05/03/06 20:51:44 0
v
339 :
◆nr2udSZYcI :05/03/06 23:48:08 O
340 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/06 23:49:55 O
◇
「―――で、朝ごはんなんか作ってもらっちゃって、そのまま家において出てきちゃったわけ?」
「仕方ないだろ。定例に遅れそうだったんだからさ」
「ってことはあの子、まだ家にいるんだ」
「おそらく」
かろうじて間に合ったサークルの会議を無事終えてから、僕は藤本と一緒の講義に出ていた。
大教場に響く教授のマイクの声に隠れて、僕たちは声をひそめて言葉を交す。
それにしても今日はやはり人が多い。
この時期の講義は冬休みの課題の情報を求めてくる生徒が多いため、普段よりも出席率が格段に上がるのだ。
かくいう僕も毎回この講義に出席していたわけではないので人の事はいえないのだが。
藤本は僕なんかよりもっと要領よくやっている。
「ひょっとしたらこのまま居座っちゃったりして」
「…タチの悪い冗談言うなよ。こっちはもう別の軍に領地を半分占領されつつあるんだから」
「え、何か言いました?」
「…いえ、何も」
冗談めかしてみたものの、そういえば今朝、後藤が何か僕に話したがっていたのを思い出した。
帰ったらゆっくり聞くとか言っちゃったけど…まさか、な。
ふいに嫌な予感が頭を過ぎって、僕は身を震わせた。
341 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/06 23:52:50 O
「にしてもさ、もしあの子がそういう事言い出しても、アンタ、出てけとは言えないでしょ」
「…言えるよ」
「ホントに?」
「…多分」
「頼りないなー」
藤本は疑うように眉をひそめながらこちらを覗きこんでみせた。
そして右手に持っていたペンをくるくるっと回してながら、よしっ、と小さく呟いた。
「じゃあ美貴がついてってあげるよ」
「いいって、別に」
「いいから、いいから。それにあの部屋は半分美貴のみたいなものだし」
「…やっぱり占領してんじゃないかよ」
もし後藤がヘンなことを言い出したら、第二次戦争勃発か。
第一次はなんとか和平交渉が成立したものの、今回戦闘に突入した場合は多少の血が流れるのも覚悟しなければいけないだろう。
…そうならないように、後藤にはなんとか穏便に出て行ってもらわなきゃな。
342 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/07 00:04:46 O
◇
お互いの講義を終えて家路につく頃には、短い冬の日はとうに暮れ、辺りはすでに暗くなっていた。
藤本が乗ってきたはずの自転車は僕が押して帰った。
一応、僕の所有物だし、こんな事は日常茶飯事なので、今さら別に文句を言うつもりもさらさらないけど。
…………
「お帰りー」
玄関のドアを開けた僕たちを後藤が呑気な声で出迎えた。
「…ただいま」
…やっぱりまだいたか。
ひょっとしたら僕が学校に行っている間に帰ってくれてるんじゃないか、という淡い期待もあったのだが、その線は儚くも消えた。
「あ、やっぱり彼女さんも一緒だったのね、良かった、良かった」
…?
何が良かったのかさっぱり分からない。
むしろその逆で藤本の存在は後藤にとって恐らく脅威となるはずだ。
いざとなったら警察に突き出すくらい、訳ないだろう。
と、後藤の頭には今朝と同じく白いハンカチが巻かれているのに僕は気づいた。
キッチンの方からは何かモノの焼けるような音が聞こえる。
「…何か作ってんの?」
「うん、ちょっとねー」
「何?」
「それは出来てからのお楽しみということで♪」
343 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/07 00:05:41 O
◇
お互いの講義を終えて家路につく頃には、短い冬の日はとうに暮れ、辺りはすでに暗くなっていた。
藤本が乗ってきたはずの自転車は僕が押して帰った。
一応、僕の所有物だし、こんな事は日常茶飯事なので、今さら別に文句を言うつもりもさらさらないけど。
…………
「お帰りー」
玄関のドアを開けた僕たちを後藤が呑気な声で出迎えた。
「…ただいま」
…やっぱりまだいたか。
ひょっとしたら僕が学校に行っている間に帰ってくれてるんじゃないか、という淡い期待もあったのだが、その線は儚くも消えた。
「あ、やっぱり彼女さんも一緒だったのね、良かった、良かった」
…?
何が良かったのかさっぱり分からない。
むしろその逆で藤本の存在は後藤にとって恐らく脅威となるはずだ。
いざとなったら警察に突き出すくらい、訳ないだろう。
と、後藤の頭には今朝と同じく白いハンカチが巻かれているのに僕は気づいた。
キッチンの方からは何かモノの焼けるような音が聞こえる。
「…何か作ってんの?」
「うん、ちょっとねー」
「何?」
「それは出来てからのお楽しみということで♪」
344 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/07 00:06:32 O
◇
お互いの講義を終えて家路につく頃には、短い冬の日はとうに暮れ、辺りはすでに暗くなっていた。
藤本が乗ってきたはずの自転車は僕が押して帰った。
一応、僕の所有物だし、こんな事は日常茶飯事なので、今さら別に文句を言うつもりもさらさらないけど。
…………
「お帰りー」
玄関のドアを開けた僕たちを後藤が呑気な声で出迎えた。
「…ただいま」
…やっぱりまだいたか。
ひょっとしたら僕が学校に行っている間に帰ってくれてるんじゃないか、という淡い期待もあったのだが、その線は儚くも消えた。
「あ、やっぱり彼女さんも一緒だったのね、良かった、良かった」
…?
何が良かったのかさっぱり分からない。
むしろその逆で藤本の存在は後藤にとって恐らく脅威となるはずだ。
いざとなったら警察に突き出すくらい、訳ないだろう。
と、後藤の頭には今朝と同じく白いハンカチが巻かれているのに僕は気づいた。
キッチンの方からは何かモノの焼けるような音が聞こえる。
「…何か作ってんの?」
「うん、ちょっとねー」
「何?」
「それは出来てからのお楽しみということで♪」
345 :
从o^◇^)人(´ Д `o从 ◆WDy6epQVD. :05/03/07 00:13:02 0
連投大丈夫かいな?
重かったからなしゃーない
347 :
从;o´◇`)人(´ Д `o;从 ◆WDy6epQVD. :05/03/07 00:40:20 0
んだな、ゴミン。。。
348 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/07 00:40:33 O
やけに楽しげな後藤に対し、藤本は不気味な沈黙を保っている。
僕はその沈黙に押し出されるようにして、子供をなだめる様な口調で後藤に話した。
「よしっ、じゃあそれ食べたら家に帰ろう、な?」
「あのー、そのことについて、ちょーっとお願いがあるんですけど…」
「…何?」
後藤は上目遣いで僕のほうを見つめていた。
感じていた嫌な予感は次第に膨れ上がっていく。
「ちょっとの間でいいからここにいさせてくれないっすか?」
「…ちょっとっていうと?」
「んーと、適当なバイト見つけて、ある程度お金貯まるまで」
…きた。
ほら、きた。
やっぱり僕はこういう運命にあるんだ。
部屋を一つだけ多く持ってしまったのがそもそもの間違いだった。
あの空き部屋さえなければこんな状況にはならなかったのに。
「部屋、一つ余ってるじゃん、ね、いいでしょ、ね?」
「い、いやっ、それは、やっぱり何かとマズい、というか」
予想できていた展開とはいえ、いざそれが現実となるとなかなかうまく対応できないもので。
歯切れの悪い言葉ばかりが宙に浮かんだ。
349 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/07 00:42:54 O
「ごとー、家事やるからさ。料理と洗濯と。あと掃除もやるよ?」
「それはありがたいんだけど…」
「でしょ?」
「って、いや、だから、その、違くて…」
口ごもる僕を見るに見かねてか、藤本がずいと前に歩み出た。
「甘いんじゃない?」
ぴしゃりと叩きつけるような言葉が開戦の合図を告げる。
「美貴、そんなのダメだと思う」
「あ、やっぱり彼女さん的にマズい?」
言っとくけど、と藤本は語気を強めた。
「美貴はコイツの彼女でもなんでもないから、とりあえずそれ誤解しないでくれる?」
「えー、そうなの? …っていうか、だったらますます関係なくないですか?」
「そういう問題じゃなくてさぁ」
「じゃ、どういう問題?」
相変わらず藤本の睨みには他を寄せつけない鋭さがある。
しかし後藤は後藤でそれに臆することなくマイペースを貫いていた。
僕はというとその間に立ってオロオロとうろたえるばかりだった。
「親御さん、心配してるよ。家、黙って出てきたんでしょ?」
「…関係ないよ、それは」
「関係なくないから。そんなに家を出たいんだったらちゃんと両親と話して、正々堂々と一人暮らしするべきだよ!」
「だから、それが無理だから出てきたんじゃん!」
350 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/07 00:46:21 O
ああいえばこういう。
両者譲らず。
どちらももともと芯が強いようで、どちらかが折れるということはなさそうだった。
やがてその戦火は結局また僕に舞い戻ってきたのだった。
「ね、いいでしょ、お願い!」
「ほらっ、アンタもビシッと言わなきゃ!」
二人に押し迫られて僕は思わずたじろいでしまった。
その迫力に押されて僕が一歩下がると、二人は歩を揃えてじりっと一歩迫ってくる。
壁際に追い込まれて、僕はとうとう逃げ場を失くしてしまった。
…やっぱりちゃんと言わなきゃ、ダメだよな。
僕は藤本と目を合わせて軽く頷いてみせた。
それから意を決して後藤の目をまっすぐ見て、僕は言葉を放った。
「…ごめん、やっぱりダメだ。後藤をここにおいてあげることはできない」
後藤の顔に、一瞬悲しそうな表情が浮かんだ。
が、それはやがて冷たい無表情へと変わっていった。
頭に巻いていた白いハンカチをするりと解くと、すたすたと僕の部屋へと入っていく。
やがて自分の服に着替えたが後藤がバッグを抱えて僕たちの前に現れた。
僕と藤本のことを素通りして、無言のままブーツを履く。
ドアノブに手を掛けた時、こちらに背を向けたまま、ポツリと一言だけ呟いた。
「…泊めてもらって、どうもでした」
そしてドアは静かにパタンと閉められた。
351 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/07 00:47:38 O
僕と藤本は後藤が出て行ったドアをしばらく無言のまま見つめていた。
沈黙を先に破ったのは藤本だった。
少し無理に平静を装ったような声。
「けっこうあっさり出てったね。ちょっと拍子抜け」
「…うん」
その時、僕は何故だか今朝の光景を思い出していた。
キッチンに立つ後藤のやけに馴染んだ姿。
太陽の光に照らされた無邪気な笑顔。
「…これで良かったんだよ、やっぱり親に迷惑かけるのは良くないし」
「…うん」
藤本の言ってることが正しいのはよく分かる。
僕もそう思ったからこそ、後藤にああいう風にいったんだ。
…でもこのやり切れない気持ちはなんだろう。
おそらくそれは藤本も感じているのかもしれない。
声のトーンがいつもより少し、低い。
「…そういや、あの子、料理中とかいってたね」
「…うん」
「火、止めないと危ないね」
藤本はその気まずい空気から逃げ出すように、そそくさとキッチンへと向かった。
352 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/07 00:49:21 O
キッチンにはいい香りが漂っていた。
それに流しの所がとても綺麗に片付けられていた。
昨日の焼肉で使った鉄板や朝食で使った食器、僕が溜め込んでしまっていた洗い物まで全て、それはもうピカピカに洗われていた。
さっきまでここで忙しく動き回っていた後藤の姿が目に浮かぶようだった。
火を止めに来たはずの藤本は、何故かコンロの前でフライパンのフタを片手に持ったまま立ち尽くしていた。
コンロの火はまだ点いたままで、フライパンからはジュージューと美味しそうな音が溢れている。
「どしたの?」
声をかけると藤本はフライパンの中を指差した。
「…コレ」
「…あ」
フライパンにのせられていたのは美味しそうなハンバーグ。
その数は―――3つ。
「美貴の分も、最初から用意しててくれたってことだよね…」
藤本は、少しの間、それをじっと見つめてから、やがてそっとコンロの火を消した。
353 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/07 00:58:02 O
354 :
名無し募集中。。。:05/03/07 00:59:01 0
いつも乙です
これが楽しみでなんとか生きていける
355 :
从o^◇^)人(´ Д `o从 ◆WDy6epQVD. :05/03/07 01:15:43 0
乙!!!!
すげー(・∀・)イイ!!
356 :
名無しぃさん:05/03/07 01:23:18 0
次が楽しみなだ(・∀・)
357 :
名無し募集中。。。:05/03/07 01:32:36 0
すごくイイ
358 :
名無し募集中。。。:05/03/07 02:33:36 0
ほ
乙です
ちょっと泣いた
お気に入りスレに昇格しますた
361 :
名無し募集中。。。:05/03/07 03:57:28 O
乙です
読んでてなんだか切なくなった(つД`)
保
全
小説ぽいみきごまスレ他に二つあるのね
いい小説と思うんならちゃんと保全しような
ho
ze
おい、全然Hじゃないじゃないか
スレタイ読めや
じゃあ君は空気を読もうね
このスレ昨日発見したんだけど規制で書けず…
超良スレじゃん。おれもお気に入りにいれますた。
続きが楽しみなスレなんてひさしぶりだよ。
作者がんがれ。
・・・っていう独り言保全。
371 :
名無しぃさん:05/03/07 20:07:08 0
作者超ガンガレ
当然保全。
373 :
名無し募集中。。。:05/03/07 21:48:56 0
ヴぁsd
374 :
名無し募集中。。。:05/03/07 22:56:41 0
保
375 :
名無し募集中。。。:05/03/08 00:00:33 0
全
保
ほ
乙
二人の作者に乾杯
ノ□
383 :
名無し募集中。。。:05/03/08 11:48:26 0
ho
ze
n
h
ho
>>378 俺、書いていいんですか…今日、いきなりってのもなんなんで…はい…
>>389 作者さんは貴重なわけですから
どんどん書いちゃってください
こないだ圧縮されたばかりだし
391 :
名無しぃさん:05/03/08 21:16:11 0
めっちゃ楽しみにしとった
ho
ze
>>389 書いちゃだめなんて事があるわけなかろう。
続きを期待している。
待ってるから保全してるんですよ
んだな
ほ
从 ‘。‘)<まっ
ぽ
ho
ze
▼ハヽヽ▼
/|\(〜^◇^) <やぐやぐ♪
⌒⌒''(U 保 )
▼〜し'~し'
遅かれながら今読んだんだけどすげぇ(・∀・)イイ!!
まさにネ申だなGJ!乙!
続き期待して待ってますよ”
ほ
し
407 :
名無しぃさん:05/03/09 21:59:41 0
い
も
の
410 :
名無しぃさん:05/03/09 23:48:11 0
な
保守だ
ほ
保全部隊
414 :
名無し募集中。。。:05/03/10 03:10:05 0
あ
待つわー
保
( ´ Д `)<ぽ
418 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/10 10:41:24 O
419 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/10 10:44:36 O
◇
藤本はコタツに足を突っ込んだまま、ぼけーっとTVを見ていた。
いや、TVを見ているというよりは、TVという機械を眺めているというほうが正しいだろう。
コタツの板に顎をくっつけて、すっかり気の抜けたような表情を浮かべている。
僕はその傍らで溜め込んでいたフィルムの整理をしていた。
互いに言葉を交わすことはなく、ただTVに映るキャスターだけが殺人事件やらお偉いさんのスキャンダルやら景気の悪いニュースばかりを伝えつづけていた。
フィルムの整理がひと段落ついて、僕は立ち上がって伸びを一つした。
蛍光灯の照らす室内が黒に染まった窓に反射して映る。
と、僕の間抜け面に、水滴がピタリ、とくっついた。
「…あ」
僕は窓を開けて、空を見上げた。
昼間の青空が嘘のように曇った空からは、雨粒が零れ落ちてきていた。
「雨だ」
「…傘、持ってるのかなぁ」
「…さあ」
誰、とは言わなかったがそんなのはお互い分かっていた。
12月の冷たい雨は静かに街に降り注がれていく。
窓を閉めると、冷たい外気は遮断され、僕は冷えた手を擦り合わせながら言った。
「…雪になるかな」
「外、寒いもんね」
窓に増えていく水滴の数から目を逸らすように、僕はカーテンを閉めた。
420 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/10 10:49:31 O
僕もコタツにあたってぼーっとTVを見始めた。
藤本もさっきと同じようにTVを見ていたが、どうやらそのほかにもう一つ見るものが増えたようだ。
藤本は外の様子がどうも気に掛かるようで、時折カーテンの方をチラチラと見ては苛立つように眉間に皺を寄せていた。
やがてTVはスポーツニュースを終え、天気予報が始まった。あまり的中率の高くない天気予報が、この雨は一晩中降り続くでしょう、という見通しを発表した、瞬間。
「…あ゛ーっ、もうっ!」
ばんっ、とコタツの板が持ち上がるほど手を強くたたき付けて、藤本はすくっと立ち上がった。
キッチンの方へドカドカと足音を鳴らして歩いていく藤本を、僕は呆気にとられながら見ていた。
少しして、藤本は白い皿を手に部屋へ戻ってきた。
その皿の上にはキッチンに放置してあった、さっきのハンバーグ。
「コレ、食べちゃおう」
藤本は有無を言わさずフォークを僕に渡すと、ハンバーグを真ん中から二つに分けた。
ハンバーグはすっかり冷え切ってしまっていて、ソースも何もかかっていなくて、けれどそれでも作り手の丁寧さを感じさせるものだった。
口の中に運ばれたハンバーグを噛みしめると、中から肉汁がジュワッと溢れ出す。
僕と藤本はあっという間にペロリとハンバーグを平らげた。
「よし、食べたね」
藤本は僕と、それに自分自身に対して確認するように、言った。
「うん、食べた」
僕も自分に言い聞かせるように答えた。
「これで美貴もあの子に借りができたわけだ」
そう言って藤本はコートをいそいそと着込み始める。
探しに行きたいなら素直にそう言えばいいのに。
が、それができないのが藤本のいい所なのだろう、きっと。
421 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/10 10:51:33 O
◇
「いたか?」
『…ううん、全然』
「そっか…。じゃあ僕は駅の西口の方を探してみるから、藤本は大学前の通りを頼む」
『うん、分かった』
携帯電話のボタンを押して、通話を切る。
僕たちは二手に分かれて後藤の行方を追っていた。
雨は次第に勢いを増し、傘に当たる雨音もその大きさを強めている。
後藤の行きそうなところを考えてみる。
コンビニ、漫画喫茶、カラオケ。
しかしひょっとしたらどれも的外れな考えなのかもしれない。
僕は後藤のことを何も知らないのだと、その時気づいた。
知らないまま、追い出してしまった。
その事を考えると、自分のしたことがとても薄情に思えてきて、胸が締め付けられた。
けれど。
街を行き交う色とりどりの傘を眺めながら思った。
人の多すぎるこの街で、ともすれば他人だらけの街で、僕は知っている。
彼女の声を、彼女の作る料理の味を、そして後藤真希という彼女の名前を。
ただすれ違うだけの人とはすでに違う。
知ってしまった、出会ってしまったんだ。
人と「出会う」ということの重大さを、僕は改めて噛み締めていた。
足元に絡みつく水滴を跳ねて、僕は再び雑踏の中へと走り出した。
422 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/10 10:54:14 O
―
―――
―――――
結局、僕たちは後藤のことを見つけ出せずに、とぼとぼと家路についていた。
いつの間にか雨はすっかりあがっていて、雲の切れ間には星が薄く瞬いている。
まったく外れてしまった天気予報を僕はあざ笑った。
僕の手に握られた2本の傘。
そのうち1本は結局使われることはなかった。
「…大人しく家に帰ったのかもしれないな」
「…うん、だといいんだけどね」
僕たちの希望的な観測は雨上がりの夜空に吸い込まれていく。
本気でそう思っているわけではない。
けど今はそういう風に考えることにした。
「…それにしても昨日、面白かったなぁ」
「ああ、アレ?」
「うん、寝ながら焼肉食べる人なんて初めてみた。さすがの美貴も、そこまではできない」
「いやいや、藤本サンならやるかもよ。こないだ講義中に『う”ーっ、肉ぅ…』って寝言いってたし」
「え、マジで?」
「…嘘」
藤本の持っていた傘が僕の膝を叩いた。
それはなかなかに痛かったけど、とりあえずはこれでいいと思った。
軽口を叩いて、それに怒って。
そうでもしないと僕たちはとても悲しい気持ちに包まれてしまいそうだったから。
僕と藤本はとりとめのない会話を交わしながら、雨に濡れそぼったアスファルトの道路を歩いた。
423 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/10 10:59:54 O
最初に気づいたのは藤本だった。
僕は一階に設置された集合ポストの郵便物を確認していて、藤本より少し遅れて階段を上がった。
ちょうど階段を昇りきった辺りで、藤本がとても驚いた様子で僕の部屋の方を見ていた。
「どうしたの?」と声をかけるまでも無く、僕も藤本の視線の先にあるものに気づいた。
―――いた。
僕の部屋のドアの前。
後藤が膝をかかえてうずくまるようにしゃがみ込んでいた。
僕たちは顔を見合わせてから、後藤の側に歩み寄った。
必死で探していたものが、諦めた瞬間、ふと手のひらの中に転がりこんできたことに僕たちは戸惑いを隠せなかった。
そういえばこんな童話があったな、と僕はぼんやり思っていた。
かける言葉が見つからなくて、散々迷ったあげく、口から出たのはこんな言葉だった。
「…どこにいたの?」
我ながら間抜けな質問だと思った。
「…行くとこなんて、ないもん」
後藤は顔をうずめたまま、まるで子供が拗ねたような口調で言った。
…そうだよな、だから僕の家に来たんだよな。
やはり間抜けな質問をしてしまったということに僕が後悔していると、藤本がぐっとしゃがみ込んで後藤と顔の位置を合わせた。
そして後藤の手を優しくそっと握った。
424 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/10 11:02:21 O
「…ハンバーグ、美味しかったよ」
「…食べたの?」
その言葉に後藤が不意に顔を持ち上げた。
藤本は後藤の目を真っ直ぐに見て、頷いた。
「うん」
「…だってソースまだ作ってなかった」
「それでも美味しかった」
藤本がそう言いきると、後藤はふにゃっと表情を崩した。
泣きそうな顔をしながら笑った。
その顔を見ていたら、言葉は僕の許可を待たずして、勝手に口から飛び出していた。
「ここにいて、いいよ」
「え?」
後藤は真っ赤な目をしてこちらを見上げた。
僕も自分の口から零れ落ちた言葉に自分で少し驚きながら、それでももう一度言った。
「ここにいていいから」
「ほ、ほんと?」
「うん、朝、言ってたじゃん、お礼してもらったらその分お礼で返すって。
朝ごはんとハンバーグのお礼、してなかったし」
「ホントにいいの?」
「…その代わり早くバイト見つけろよ」
僕のその言葉に後藤は、あはっ、と軽く笑った。
照れ隠しのつもりで言った言葉がまるで見透かされていたようで、僕は余計に恥ずかしくなってしまった。
藤本はそんな僕たちのやりとりを見て、やれやれといったような表情を浮かべながら、諦めたように静かに微笑んでいた。
425 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/10 11:04:40 O
◇
数日後。
「そのダンボール、こっちにお願いしまーす」
「……」
「あ、その棚は隅に寄せちゃって」
「…おい」
「衣装ケースはとりあえず収納にいれてくださーい」
「おいってば!」
「…何? 美貴、忙しいんですけど」
引越し業者さんにテキパキと指示を出していた藤本は、ようやく僕の呼びかけに答えてこちらの方を振り向いた。
鋭い眼光に一瞬たじろいだが、僕には言うべきことがある。
「忙しいって…、なんで藤本までここに引っ越してくるんだよっ!」
いきなり送りつけられてきた大量の荷物。
そして続けざまにやってきたその荷物の持ち主が一言、『美貴、今日からここに住むから』。
その宣言に僕は絶句してしまったのだった。
「はぁ? 同じ部屋に若い男女が暮らすなんて倫理的に問題有りでしょ!
だから美貴が監視してあげるんだよ。若い二人に過ちが起きないようにさ」
「過ちなんて起きないっつーの。それに2DKに3人は明らかに定員オーバーだろ」
僕がそういうと藤本は無言で寝袋をキッチンの方へ投げつけた。
「アンタがそこで寝れば問題なし」
…鬼だ。
426 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/10 11:08:30 O
「じゃ、じゃあ僕が藤本の家に逆に引っ越せば…」
「残念、もう完全に引き払って来ちゃったよ」
微かに差したかにみえた光明もあっさりと閉ざされてしまった。
藤本はそんな僕を尻目に鼻歌交じりで呟いた。
「…浮いた家賃でどれ位食べれるかなぁ♪」
藤本の瞳にはすでにいい具合の色に焼きあがった肉が浮かんでいた。
監視役とかのたまってみたって、本音はそっちの方だろう。
…悪魔だ。
そして僕は誓った。
いつかこの聖地を取り戻すための戦いを起こすことを。
聖戦だ!ジハードだ!
しかし、一朝一夕でかなう相手ではないのでしばらくは様子見だ。
とりあえず一週間は様子見だ。いや、もっと様子を見る必要があるかもしれない。
2週間……いや、一ヶ月。…それとも、もっと。
…藤本はいつまでいるつもりなのだろうか。
僕の口から思わずため息が漏れた。
427 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/10 11:10:47 O
僕がそんなことを考えて落ち込んでいると、部屋の戸が勢いよく開けられた。
「おまたせーっ!」
後藤がお盆片手に空き部屋、もといすでに藤本に占領されてしまった部屋に入ってきた。
「引越しっていったら、やっぱりコレでしょ♪」
「「おおーっ」」
お盆の上の3つの丼には美味そうな蕎麦。
薬味として刻み葱にほうれん草、その上からはさらにとろろがかけられている。
ズズッと麺を啜ると、案の定、美味い。
3人で顔をつき合わせて、しばし無言で蕎麦を啜った。
と、ふいに後藤が丼を床に置いて、ペコリ、と頭を下げた。
「…というわけで、改めまして、お二人さん、これからヨロシクです」
「うん、よろしく♪」
藤本も蕎麦の味に大満足のようで、機嫌良好といった感じの声で答えた。
「…よろしく」
釈然としないものはあったが、僕も仕方がないのでつられるように頭を下げた。
うーん、後藤の料理にはいつも何かを誤魔化されてしまう気がしないでもない。
…けど、まあ、美味しいからいいか。
428 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/10 11:15:22 O
チュルチュルと蕎麦を啜っていた後藤が、ふと思いついたように顔を上げた。
「あっ、そうだ、キミ、写真やるんでしょ?なんか本格的なカメラあったよねぇ?」
「え?…ああ、一応写真サークルに入ってるけど」
後藤はおもむろに僕の部屋へ行き、そのカメラを持ってきてこう言った。
「写真撮ろうよっ、3人で。記念写真♪」
「はぁ、記念写真?…美貴、恥ずかしいんですけど」
藤本が嫌そうに眉をしかめたが、後藤はそんなのお構い無しにカメラをガチャガチャといじり始めた。
「これタイマーとかどうやんの?」
「ああ、いいから、いいから。僕がやるよ」
壊されたらかなわないと思った僕は、後藤からカメラを受け取ってセルフタイマーの準備を始めた。
どんなものでも綺麗に撮りたいと思ってしまうのは写真を撮る者の端くれとして仕方のないこと。
せっかくだからと、僕は三脚を用意して、ピントを丁寧に合わせた。
ファインダー越しに映るのは、少し照れたようにむくれた顔でレンズから目を逸らしている藤本と、そんな藤本のご機嫌をとるように顔を覗き込んでみたり、肩を寄せてみたりしている後藤の微笑ましい姿。
429 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/10 11:17:20 O
「じゃあ、行くよー」
セットを終えた僕は、床に置きっぱなしの丼をこぼさない様に気をつけながら、カメラの前に回った。
「ほら、入って入って」
後藤が僕の腕を取って、引っ張るようにして二人の間に割り込ませた。
「僕が真ん中?」
「そ、キミはここの主だから」
部屋をのっとられておきながら、主も何もあったもんじゃないと思いながら、僕は正面に立ってカメラのレンズを見据えた。
よく考えると、写真を撮ってばかりで撮られることにはてんで慣れていない僕は、緊張のあまり顔に思わず力が入ってしまう。
後藤はすっかり自然体で手はピースサインなんか作っている。
藤本も憮然とした表情を浮かべつつも結局は観念したのか、視線はカメラの方へ傾けている。
やがてシャッターの落ちる音が部屋に響いた。
―――パシャリ。
こうして、僕たちの奇妙な同居生活が始まった。
430 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/10 11:20:10 O
431 :
名無し募集中。。。:05/03/10 11:22:49 0
リアルタイム更新乙津です
くぁーたまんねーなー・・・
すばらしいです
432 :
名無し募集中。。。:05/03/10 11:38:14 0
いい雰囲気だな〜。今後松浦も入るの?
433 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/10 11:44:24 O
>>432 入れるつもり
そこまでスレタイから逸れるわけにはいかんです
でもまだ先になりそう
434 :
名無し募集中。。。:05/03/10 11:53:07 O
感動しました
ホリエモンが「この作品をフジでやりたいからTOBかけました」というなら賛成します
やべえまじでおもしれー
乙でした
もう一人の作者さんもお願いしますよ
436 :
名無し募集中。。。:05/03/10 11:58:47 0
俺は3人だけでいいかも
437 :
名無し募集中。。。:05/03/10 12:08:58 0
俺も松浦嫌いじゃないけどこの中に松浦入ったらバランスが崩れてしまいそうな気がする
438 :
名無し募集中。。。:05/03/10 12:20:50 O
名作だな
作者さん無理してまでスレタイにこだわる必要ないよ
勿論松浦も始めから出す予定ならいいけど
439 :
名無し募集中。。。:05/03/10 12:47:09 0
440 :
名無しぃさん:05/03/10 14:20:31 0
2DKに4人はどう考えても無理だろ
もし入れるとすればお隣さんとか?まぁ入れなくても全然いいと思うな
一気更新禿乙
これマジでヤバイね
ちょっと実写版をTVで見て(ry
今朝このスレ見つけてじっくり読ませてもらいました!
おもしろい作品が2つも進行中なんて・・・
ちょっとでいいからHな展(ry
ほ
まぁ待て、そう焦るな
スレタイにあるように3人出て欲しいな
作者さんの頭の中にはもう出来あがってそうだし
とりあえず続き期待してる
447 :
名無し募集中。。。:05/03/10 19:11:32 0
少しはキワドイ描写も書けや ボケ!
448 :
名無し募集中。。。:05/03/10 19:17:39 O
じゃあテメーが書け
449 :
名無しぃさん:05/03/10 20:25:42 0
上に同じ
作者さんに文句つける奴は出て毛
450 :
名無し募集中。。。:05/03/10 21:28:56 0
毛が欲しい
451 :
名無し募集中。。。:05/03/10 21:49:43 0
この作者の小説って長いだけだろ?
452 :
名無し募集中。。。:05/03/10 21:56:19 0
戯言は気にせずに次回更新待ち
帰ってキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
やっぱ雰囲気良いな
真希って子が部屋に入ってきた
俺の新生活、いや人生もこれでおわりだ…俺はうつむいて考え始めた。
すべて誤解が生んだこととはいえ最悪の1日だ…無愛想女に、パンちら女
さらにはやっと部屋に入ったと思ったら泥棒扱いこの町はろくなことがない
いやでもいいこともあった昼間のケーキ屋さんで会ったあの子、
名前は聞けなかったけど、俺が生きていた中で最高の時間だった
こんなことにならなかったら、もう一度会いたかった
さよならシュークリームちゃん…そしてありがと…
親には申し訳ないでも男は自分の行動に責任を持たなければ
さぁ煮るなり焼くなりどうにでもしろ!
すると予想し得ない言葉が耳に飛び込んできた
「あ!北村健太!」
「え?」
なんで俺の名前知ってるんだ俺は恐る恐る顔を上げた
そこには昼間ケーキ屋さんで会った子が俺の方を指差していた
「来るの遅いぞ!北村健太!」
まさかこんな所で再会するなんて…全然意味がわからない…
しかし俺以上に驚いている奴が約1名。そう、亜弥だ。
「北村健太!?もしかしてこいつ今日エレベーターのところで
一人でぶつぶつ言いながら突っ立ってた、不審者じゃない!
もしかしてこいつはあの超性格ブスの無愛想女か!
「ちょっと真希、あんた、なんでこの泥棒知ってるの!?」
「泥棒じゃないよ〜今日から一緒に住むんだよ!でしょ?」
そう言うと俺の方を振り向いてニコっと微笑んだ
か、かわいい〜しかし、どう言うことだ…一緒に住む…一緒に…
「い、一緒に住む!?」
俺と亜弥の声が完璧にシンクロした。
亜弥は開いた口がふさがらないって感じだった
「え、ええ〜一緒に住むって、ことは…この泥棒野郎が?」
「そう、この人が前からルームシェアするって言ってた人だよ」
「男なの!聞いてないよ?」
「え〜ウソウソ〜あたし前から何度も何度も言ったよ。
いつも亜弥ちゃん適当に返事して、やっぱり聞いてなかったね、もぅ〜」
と言ってくちびるを尖らせる真希、かなりいやそうな顔をする亜弥
少し考えて亜弥から出てきた一言が
「やだ」
え〜〜俺の寝床は〜?
「ふざけないでよ!だってこいつ泥棒みたいに勝手に家はいるし」
「それはどうせ亜弥ちゃんがめんどくさがりで出なかったんでしょ?いつものこと♪」
「うぅ〜それに暗闇の中で私のこと揉みくちゃにするし」
「それも全部、亜弥ちゃんの早とちりでしょ〜いつものことジャン♪」
と亜弥の文句を退けてくれる真希
「だいたい、私はこいつに裸を見られたんだからね!」
それはお前が勝手に脱いだんだろが!でも大丈夫だ。
この調子なら真希が返り討ちにしてくれるだろ
「それもそうね、だいたいなんで亜弥ちゃん裸になってるの?」
え?予想を反する真希の答え
え、え、えぇぇぇぇぇぇ〜それこそ早とちりだろ!勝手に脱いだんだぞ…
しかしそんな言い訳が通じるのだろうか俺、大ピンチだ
「なんで?亜弥ちゃんが裸なの?」
と真希が俺のほうを向く、なんて答えたらいいか
「それは…」
「それは?」
さらに俺の顔を覗き込んでくるまさに絶体絶命!
ここは正直に言ってみるしかない
「あ、あいつがブラ直すとか言って勝手に…」
「ピンポーン!正解〜」
「え?」
ピンポーンって?なんだ?
「亜弥ちゃんはいつも見え張って大きいブラ付けてる〜」
ドキッっとしたのか亜弥の顔が一瞬こわばる。
「だからちょっとしたことですぐズレてしまう!
しかもいつも面倒くさいからと言っては直すときは
裸になってしまう習性があ〜る。」
え?そうなのか〜俺がわくわくした顔で亜弥の方を見ると
なんだ!と言わんばかりの顔でにらみ返してくる。
「そして今日の場合も同じはずだった!
しかし彼女は大きなミスを犯した!
暗闇の中で誰なの分からないにもかかわらず
あたしか美貴ちゃんのどっちかと勘違いしてそのまま気づかずに
脱いでしまった・・・という訳だよ!北村君〜」
とまるで自分がシャーロック・ホームズにでもなったかのつもりで
この難事件?を解決してみせた。
「おぉ〜」パチパチパチパチ〜
俺が思わず声を漏し拍手をするほどの推理力だった。
「えっへん!これにて一件落着〜ってとこかな^^」
と真希はまた俺の方を向いて微笑んでくれた、、、
457 :
名無しぃさん:05/03/10 23:29:16 0
これを待ってた
ここで面白くないのは亜弥だろう
「そうよ、そうです!私が全部悪いのよ〜」
と未だに服を着ようともせず、その豊満な胸を揺らしながら
亜弥はそっぽを向て、ツンとしてしまった。
それに気づいたのはやっぱり真希だった。
「うん、それはそうなんだけど。寒いでしょ、早く上着れば」
それを真顔で言うので俺はおかしくて笑いを堪えるのを必死だった。
「きゃっ!」
それを聞いて亜弥はまた顔を赤くして胸を手で隠してしゃがみこんだ
「わかったから、着替えるから、そいつを向こう向かせといてよ」
ん〜もったいないと思いつつも
ここはおとなしく引き下がらないとまた問題になる
俺はだまって亜弥の言う通りにした。
後ろを向いた俺を、真希がニヤニヤしながら覗き込んでくる。
「なんだよ」
とぶっきらぼうに言うと真希が
「びっくりした?」
と意味深な問いを投げかけてくる
「あたり前だろ!わかってるならあんな言い方するなよな!」
「ん〜なんのことですか?」
とすっとぼける、しかしそんな真希の顔も愛らしい
俺は思わずドキッとしたが平常心を保ち
「とぼけんなよ〜わかってんだろ」
「あはは〜お昼の仕返しのおまけだよ〜で?どっちの方が驚いた」
どっちと言うのはきっと
「そのうち分かるから〜」と意味深な言葉を言い残して走り去った
のに再びこうして俺の目の前に現れたこと
そして残りの1つは
俺が亜弥の裸を見てしまった理由をわかっていた
にも関わらず陥れようとしたことだろう
正直、驚いたのは当然、前の方である。もう会えないと思っていたのに
真希にもう一度会えた喜びも加わり、さらに驚きを増した
しかしここで前者だと答えれば
俺がまた会えて喜んでいると言っているようなものである
ので俺は真希に対する答えを捻くった。
「あとの方だよ、ひやひやしたぜ!」
どうせ真希のことだ、また俺の答えを聞いてなんか吹っかけてくるに違いない
そうだ今度はやられる前に俺から吹っかけてやろうと構えていた。
すると真希は以外にもあっさりと
「ふ〜ん、そう」
とさっきとは一転つまらないっといった感じの顔をした。
以外な態度に拍子抜けしてしまった。
俺なんか間違ったこと言ったか?それとも変なこと言ったか?
ん〜と悩んでいると
「ただいま〜」
また玄関のほうから声がした。
おざーす!お久しぶりです。
なんか自分の勝手な思い込みで更新ストップしてましたけど
また書かせてもらっちゃいました。
他のスレでも声かけて貰ったりして、つか早く書けーって怒られたんですけどw
なにぶん筆が遅いもんで…
73さんみたいに綺麗な文章ではないのですが
続き書いたんでよかったら読んでみてください。
>>73 いつも楽しく読ませて貰ってとっても勉強になります。
またいっしょに書かせて頂きます。よろしくお願いします。
461 :
名無し募集中。。。:05/03/10 23:58:33 0
乙!
無愛想…後藤
パンチラ…松浦
ケーキ屋…藤本
と思って読んでた俺はまた読み直しだ〜
いいよいいよ〜
保
くおらああぁああああああああああ!!
作者乙。
保全部隊
保全
ほれ
あ
っぼ
>>460 めけてーも早く出せ!(・∀・)ワクワク
保全
474 :
名無し募集中。。。:05/03/11 12:34:12 0
fsd
ほ
ze
ほ
>>462 遅かれながら俺も読み直しだ
でも楽しみだ
>>462 そうすね…ちょっと裏の葛藤があったんでまたお話できたら幸いですw
保全
ドタドタやけに騒がしく入ってくるもんだな
「キャッ!」ドテッバタン
たぶんコケたな…
「おい、なんか来たぞ?大丈夫か?」
「うん、いつもだから」
やっぱりさっきとは違いよそよそしい感じ…
「キャー、いたあ〜い」
ドン、ぱりーん
「うわぁぁ〜」
どどどどどん!
「ひゃぇ〜」
・・・・・・
「これ、いつもなの?」
「…う、うん」
ボズッビロビロビロ〜
「あ〜〜」
ドデ〜ン、
「うぇぇぇん〜〜」
・・・・・
「おい、本当に大丈夫なのか?」
「・・・たぶん・・・」
「ひぇ〜〜ま、ま・・・」
ずどーーん!!!!
「真希ちゃん助けてぇ〜」
「おい、いくらんでもやばいんじゃないか?」
「そうみたい!美貴ちゃ〜ん」
と真希は玄関へと走り出した
「俺もいくぜ!」
と振り向き玄関の方へと行こうとすると
ひゅ〜ドン!俺の顔めがけて小物入れが飛んできた
「痛てぇ!」
「こっち向くなって言ったろ!」
亜弥だ…
「なんだ、おまえまだ付けられないのかよ!」
「うるさいな!あんたらがイチャイチャしてっから
気になって着替えれなかったんだよ!つかじろじろ見ないでよね!」
「だ、だれが、見るかよ!」
そう言いながらも手では隠しきれない
白いく透き通った部分に目はくぎ付けだった
そんな言い争いをしている間に
真希が騒ぎの元を連れ帰ってきた。
「大丈夫?」
「う〜ん、部屋は電気ついてるけど、玄関暗いんだもん」
おいおい、それだけでこんな大騒ぎになるかよ
とんだおっちょこちょいだな
おっちょこちょい?いやな予感だ…
「そっか〜美貴ちゃん、とりあえず怪我はないね?よかったよ。
あたしここ片付けちゃうから、美貴ちゃんはさきに部屋入ってなよ」
「私も手伝おう・・」
「いいよ!いい!うん、あたし1人で大丈夫だから、だからね」
「うん、ありがとう・・・」
きっと手伝うとまた厄介なことになると思ったんだろう
真希はうまく美貴を言いくるめて部屋へとおっぱらった
「亜弥ちゃ〜ん、ごめ〜んまた花瓶をっちゃったよぉ〜」
といいながら女の子が部屋に入ってくる。
しかもこの状況はまたしても、やばい隠れるべきか
速やかにこの場から移動しなければと思ったが
そんな時間があるわけなく無常にも簡単に見つかってしまった…
その子の顔をまだ見てはいないが、悪い予感がする・・・
恐る恐る顔をうかがってみると
その子はやはり昼間、入り口で会ったパンチら娘。だった
やっぱり本当に二度あることは三度あるのである
「お、お、男の・・男の人・・?」
「あの、昼間はどうも。。。」
「え?なんで知らない男の人がいるの?」
おいおい、俺のこと忘れたのか!
「いや、美貴〜これには色々とわけがあるんだよ、ね?」
「え?え?わ、わけ?」
「美貴、とりあえず落ち着こうか?落ち着こう」
ここは俺もフォローしとかないと
そう思って美貴に近づこうと立ち上がった。
しかしそれを見て美貴は後ろに退き俺に訴えかける
「いや、来ないで!」
俺はまたしても犯罪者級の扱いか…
「美貴、大丈夫だよ。こいつはね〜」
とここでまた美貴が新たな発見をした
「て、てかなんで亜弥ちゃんは、は、は、裸なの?」
「え?キャっ」
としゃがみこむ亜弥
それは入ってきたときに気づけよ…
「亜弥ちゃんが男の人と裸でってその私…」
と顔を真っ赤にした美貴
「え?君、ちょっと変な、、、違うよ?」
俺の言葉なんか届くはずもなく
「ごめんなさーーい!!」
と言い、美貴は半泣きで部屋から飛び出して
玄関の方へと走っていった。
そこにちょうど片付けが終わって真希が戻ってきた。
それにも構わず走り去ろうとする美貴を見て
真希も異変に気づいたのか呼べとめようと声を掛ける
「美貴ちゃん?どうしたの!」
「亜弥ちゃんが亜弥ちゃんが〜」
とだけ言い残して
真希の横をすり抜ける用にして
そのまま玄関から出て行ってしまった。
慌てて真希が部屋に入ってきて俺たちに問いただす
「いったい!何があったのよ?」
しかし俺たちは黙りきったまま何も話そうとはしなかった。
>>420 >素直に言えないのがいい所
こういうふうに思える考えれる人俺は好き
作者さん良い人だ
なんか新鮮でいいぞ
更新乙です。
つまり
乙!
無愛想…松浦
パンチラ…藤本
ケーキ屋…後藤
っていうことだったんですね
僕も
>>462かなと思ってたんですけど、
松浦を性格ブスっていってたから何か変だなと思ってたんだけど、
キャラ設定が今までと違う感じで面白いすね
期待しています
489 :
名無し募集中。。。:05/03/12 01:21:06 0
ケーキ屋は後藤かな、とは思ったけど・・・
前の2つは逆だったなあ
期待保
パンチラはみきちーだったのか・・・
もう一回読みなおそ
>「ごめんなさーーい!!」
>と言い、美貴は半泣きで
ここゴロッキの瞬き我慢するやつ思い出した
名前は○○にしてもらえんだろうか
保全部隊
保全
全
涼スレ発見
自分の中ではおっちょこちょいキャラ=松浦っていう勝手なイメージが
あったんでこの小説は新鮮味があってすんごくいいね
藤本のキャラがリアルとは真逆な感じも好き
ほ
499 :
名無しぃさん:05/03/12 18:18:19 0
ミキティには『美貴スケ』ってイメージが強い俺には・・・
500 :
名無し募集中。。。:05/03/12 18:55:25 0
a
忘れるんだ
もう美貴スケは帰ってこない
ho
今からでも遅くないから抗議してみれば
何度でも蘇るよ
505 :
名無し募集中。。。:05/03/12 21:44:59 0
ほ
もしもスレなんだから、いろいろありでしょ。
抗議どうこうなんて、くだらない。
ho
ごっちん家庭教師スレにズッコケが降臨してるぞ
510 :
名無し募集中。。。:05/03/13 01:00:57 0
んぁ〜510だぽ
☆ チン
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・)< つづきまだー?
\_/⊂ ⊂_)_ \_______
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
|  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|
| .|/
513 :
名無し募集中。。。:05/03/13 01:44:00 0
thx
515 :
名無し募集中。。。:05/03/13 02:45:05 0
516 :
筆の遅い仲達 ◆xhuEl2sY0Q :05/03/13 08:50:02 0
おれは、どうしたらいいんですか?
死ねばいいんじゃない?
>>516 お好きなペースでマターリ更新してくれればいいですよ〜
欠かさず読んでます、頑張って下さい!
ho
520 :
名無し募集中。。。:05/03/13 13:54:33 0
ze
ん
522 :
名無し募集中。。。:05/03/13 16:26:50 0
んぁ
美貴様
オシオキキヴォンヌ
>>516 いい人だね、あなたは。
ここは誹謗中傷が多い2ちゃんねるだからね。
>>517とか
>>503みたいな輩をいちいち気にしてたら
きりがないないでしょ。
あなたの書いたのが面白いと思う人と
つまらないと思う人のどちらが多いのか知らんが、
面白いと言ってる人がいるんだから、
好きに書けばいい。
ほ
ze
ん
ぁ
>>518 >>525 はげましの言葉、本当にありがとうございます。
皆さんによろこんでもらえるように力入れて書かせていただきます。
本当にありがとうございました!
最近厨が多いみたいだから気にしてたらきりが無いよ
これからも更新頑張ってくださいな
作者さん頑張れ〜!
保全
ほ
ぜ
ん
ぁ
保全
539 :
名無し募集中。。。:05/03/14 20:31:33 0
resu
早く更新してくれぇ〜
ほ
543 :
名無し募集中。。。:05/03/14 22:26:52 0
「何だんまりキメ込んでんのよ!亜弥ちゃんまた美貴ちゃんになんかしたの?」
しかし亜弥はしゃがんだままオレを指差して言う。
「こいつが…こいつが…」
オレか?ことの発端はお前がさっさと着替えないからだろ・・・
「亜弥ちゃんに聞いてもダメかな…亜弥ちゃんほら着替えないとダメだよ
こっちの部屋で着替えたらもう休んでていいよ。」
と優しく声を掛け真希は亜弥を奥の部屋へと連れて行った。
帰ってくるなりそうそう真希はオレに問いただしてきた。
「で北村健太!なにがあったの?」
「いや、その…勘違いだから…」
はぁ〜と真希は深くため息をつき
「あ〜ラチがあかないな〜もぅ美貴ちゃんお探しに行く!」
そう言って真希は部屋を飛び出し四月だがまだ肌寒い夜の町へと飛びだして行った!
はずだっただが真希は部屋を出てすぐ引き返して来た
「どうした?忘れもんか?」
「どうしたじゃない!一緒に来る!」
なんで俺が!と口では言えるはずも無いので顔で表してみると
真希が目を細めへの字口の渋い顔をする。
そして急にしゃがんでオレの方を指差して一言
「こいつが〜こいつが〜」
亜弥のマネか…似てないだろ…
オレもはぁ〜とため息をついて
「分かったよ!行けばいんだろ!」
とオレは少し愚痴を溢すような感じでいい
そんなオレに真希はニコっとして
「初めからそういいなさいよ!分かったら直ぐ出かける」
と言い俺の手を取り、オレは引っ張られるような感じで部屋をあとにした。
続きキテルー
546 :
名無し募集中。。。:05/03/15 01:12:30 0
き〜てるぅぅぅ〜〜〜
ほ
更新乙!
いや、俺が書きました。
トリップ付けないと混乱をきたしますね。スイマセン
昨日はボロボロだったので
短いし打ち間違えが多いし(それは毎度のことですが)
とにかくヨロシクお願いします
GJ
乙でした
保守
後藤真希
藤本美貴
ほ
ze
556 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/15 22:18:04 O
557 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/15 22:21:45 O
同居生活一日目
―――大学から家へ帰ると、後藤はベッドに寝転んでどこからか見つけてきた漫画を読んでいた。
同居生活二日目
―――昨日と同じ位の時間に家へ帰る。後藤はまたまたどこからか見つけてきたディズニーのDVDを見ていた。
同居生活三日目
―――今年最後の講義を終え、家へ帰る。後藤は部屋で一人、ゲームをやっていた。
薄暗い部屋をTVの青白い光が照らしていた。
部屋の入り口に立っている僕のことにも気づかないほど後藤は夢中にゲームをしている。
僕は無言でしばしそれを眺めてから、スイッチをパチリと入れて部屋の灯りをつけた。
と、後藤はようやく僕の存在に気づいたようで、パッとこちらを振り返った。
「おっ、おかえりー、帰ってたんだ」
「…ただいま」
僕の呆れたような声にも、後藤はまったく気づく様子がない。
それどころが2P側のコントローラーを僕に差し出してきた。
「一緒にやろうよ。コンピュータ相手にするのもいい加減飽きてきてたんだよねー」
半ば強引に握らされたコントローラー。
僕は仕方なく後藤の隣に座って、キャラクターを適当に選んだ。
3D格闘の定番といえるこのシリーズ、僕はあまりこのゲームが上手くない。
対する後藤はというとかなりの腕前だった。
後藤の使うクマのキャラクターが繰り出す大技に、僕のキャラの体力ゲージはあっという間になくなってしまった。
558 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/15 22:26:36 O
「やりぃ、勝ちぃ♪」
小さくガッツポーズを作って喜んでいる後藤を僕はジロリと睨みつけた。
「あ、悔しいんだ?あはっ♪」
…違う、僕は別に悔しいわけじゃない。
ただ僕は怒っているんだ。呆れてるんだ。
そして2ラウンド目の途中、我慢の限界に達した僕はとうとう事の核心に触れる問いを投げかけた。
「…つーかさ、バイト探してる?」
バイト、という言葉に後藤はギクッと肩をすくめてみせた。
「…ムダ話してるとやられちゃうよ? ほらっ!」
そう言って後藤の操作するクマは連続コンボを繰り出してきた。
画面の端にすっ飛んでいく僕のキャラクター。
が、ゲームなんてどうでもいいんだよ、今は。
「誤魔化すなよ。…ここ3日、僕は後藤の遊んでいる所しか見てない」
「ほ、ほら、集中しないと!」
嵐のように次から次へと攻撃を繋げてくるクマ。
その猛攻にやがて僕のキャラの体力ゲージは尽きた。
試合終了。
559 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/15 22:31:30 O
「あーあ、ほらー、集中してないからだよー」
「だから人の話を…!」
話をまるで聞こうとしない後藤に対して僕がとうとうシビレを切らした時、玄関のドアがギィーッと開いた。
どうもあの日以来、開け閉めをするたびに異音が鳴るのだが、その事は本人には訴えられずにいる。
「うー、さみー」
ドアを壊した犯人―――藤本が寒そうに手を擦り合わせながら部屋に入ってきた。
「ちょうどよかった。藤本からも何か言ってくれよ」
「ん、何の話?」
「後藤がさ、バイト探さないで一日中遊んでるんだよ」
「別に一日中遊んでないよっ、将来について慎重に考えてんの」
「漫画読んで、アニメ観て、ゲームやりながら?」
「うー、それはぁ…」
ふーん、と藤本はさほど興味なさそうな顔で僕たちの話を聞き流していた。
チーン!と豪快に鼻をかんでから、いそいそとコタツの中に足を突っ込む。
この後藤の部屋(旧・僕の部屋)にはコタツがあるので、僕たちはそれに吸い寄せられるようにここに集ってしまう。
「…まあ、別にいいんじゃない?ごっちん、夕食作ってくれてるじゃん。
ほら、こういう家事も労働に含まれるでしょ。シャドーワークってやつ?」
「そうそう、しゃどーわーくだよ!」
藤本に便乗してはみたものの、おそらく後藤はシャドーワークという言葉を知らなかっただろう。
それにしてもこの二人、僕の知らない間にいつのまにか仲が良くなっていた。
というよりは藤本が後藤の作る料理に餌付けされたといったほうがいいかもしれない。
今ではお互いの事を『ごっちん』『ミキティ』なんて呼び合っている。
どちらもサッパリとした性格だから意外とウマが合うのかもしれない。
560 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/15 22:32:56 O
「ちなみにごっちんはどんなバイトがしたいのさ?」
コタツの上のミカンに手を伸ばしながら藤本が訊いた。
「んーとね、やっぱりやってて楽しいのがいいよねー」
「ふんふん」
「でもって、他人にあんまり気を使わなくてー」
「あー、まあ、それも大事かなぁ」
「でね、疲れなくてー」
「…う、うん」
「拘束時間が短くてー」
「………」
「で、時給が高いバイトがいい!」
「そんなの絶対ないから」
藤本がぴしゃりとツッコミを入れると、後藤は、「あーやっぱり?」といってヘラッと笑ってみせた。
僕はそのやりとりを聞いていてため息をこぼさずにいられなかった。
…コイツ、本当に働く気があるのだろうか。
561 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/15 22:39:35 O
「とにかく」
ゲームのコントローラーを床に置いて僕は言った。
「後藤には一刻も早くバイトを見つけてもらわなきゃ」
「…はーい」
「そうだ、まず外へ出よう。家でゲームやってたってバイトなんか見つからないんだし」
「…今の時代、ケータイでも探せるけど」
「そういう精神がダメなんだっ!書を捨てよ、町へ出ようっていうじゃないか。
捜査は足を使えって和久さんも言ってたじゃないか」
「…和久さんって?」
「…そこはとりあえず引っかからなくていいから」
後藤は不思議そうな顔で僕を見ていたが、とりあえずそれを無視して話を続けた。
「で、だ。僕は明日カメラの機材を買いに行くから、後藤も一緒に行こう。
きっと街に出れば何かあるさ。犬も歩けばなんとやらだ。な?」
「…んー、わかった」
本当に分かったのかどうか、後藤は気のない曖昧な返事を僕に返した。
562 :
名無し募集中。。。:05/03/15 22:45:21 0
携帯で乙
563 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/15 22:46:25 O
「でも、その前にお願いがあるんだけど…」
トーンを変えて後藤が唐突に切り出した。
「…何?」
後藤の深刻そうな表情に僕も思わず身構える。
お願いって一体なんだろう…。
表情から察するに、とても重要なことのようだ。
僕の目を後藤の真剣な眼差しが射抜いた。
―――が、その眼差しは途端にふにゃりと細められた。
「もう一試合やろ?」
僕はコタツについた肘をズルッと滑らせながら、差し出されたコントローラを受け取った。
…はぁー、こんな調子で本当に大丈夫かね。
結局、その後藤本も交えつつ夜更けまでゲーム大会が開催されたのだが、僕は一回も後藤に勝つことができなかった。
正直、それはそれでちょっと悔しかった。
564 :
73 ◆nr2udSZYcI :05/03/15 22:51:28 O
旅行中でも更新乙!
566 :
名無し募集中。。。:05/03/15 22:53:42 0
いや、携帯で長文だから大変だろうと思ってね
これからも期待してるのでよろ
旅行を楽しめw
GJ!!
期待保!
>>564 ずっと73さんの作品待ってたんだよ
これからも頑張って!
73さんの超好きがんがってね。
移転後保全
保
全
す
お疲れさまです!ごっちん、みきちーの掛け合い大好きです☆ぴカーン
規制に負けずに更新する、尊敬いたしました!その精神見習いたいです。
・・・できればw
ほ
乙保
ほ
579 :
名無し募集中。。。:05/03/16 14:41:06 0
skがdがsdjvk;gはsdjvgはdsjgskjぁdkv;kぁsvkjhが祖hヴぁしvは;ljvbぁkjhb条亜shぢおはsdぴvじゃslkbd化sl;hぼいsだhbjかshbかdjbぱdjbklはbsblkhsbvlkだbはdhヴぁld
ど
581 :
マイケルJフォックス:05/03/16 19:41:00 O
「ただいま〜」
今日も三人の娘。真希、亜弥、美貴が帰って来た。
「あ〜イイ匂い、もしかしてアップルパイですかぁ?」
「まったく亜弥ちゃんはくいしん坊さんだな」
「もちろん美貴の分もありますよね?」
「当たり前さ〜もう出来上がるよ、出来立てが美味しいからね〜みんなテーブルについて」
「は〜い」
と美貴ちゃんと亜弥ちゃんは素直に席についた。
「あれ真希ちゃんは食べないのかい?」
「あたし出かけるからいらない」
「そっかじゃあお皿にとっとくから」
「気使わなくていいよ、食べないから」
とそっけ無い…
582 :
マイケル:05/03/16 19:51:30 O
「え、でもとっとくから気がむいたら食べてね」
真希はそのまま二階に上がって行ってしまった。
「はは、嫌われちゃったかな」
苦笑いして言った
「おじさま、気にしないで真希ちゃんはひとみしりがあるから」
「ありがとう、亜弥ちゃん」
俺の会社か倒産し家も家族も失い途方にくれていたが、兄貴が亜弥ちゃんを生んですぐこの世をさったお義姉さんの変わりに家事を行うことを条件に同居を許してくれてからはや一ヶ月、亜弥ちゃん美貴ちゃんはすぐに仲良くなったが真希ちゃんには手を焼いていた…
みんな乙
良スレほ
ほ
保ムンク留守
強引な文だな。ドンマイケル
保全部隊
ほ
み
期待保
保
从 ‘。‘)<まっ
とう
ほまっとう
( ` Д ´)<後藤も必要だぽ!
んぁ
むしろ
ほぜん
作者逃亡の予感…
必死な奴がいるな
ほ
も
も
え
ぽ
ho
ポ
保全
ほ
片方出てくると片方下がる法則
( ´ Д `)<安倍なつみちゃん
更新まだー?
614 :
名無し募集中。。。:05/03/19 02:00:27 0
保全
保全
616 :
名無し募集中。。。:05/03/19 03:52:31 0
a
n
k
619 :
名無し募集中。。。:05/03/19 11:23:37 O
l
保全
保守
622 :
名無し募集中。。。:05/03/19 16:39:25 0
gs
623 :
名無し募集中。。。:05/03/19 18:39:25 0
あげる
さげる
625 :
名無し募集中。。。:05/03/19 20:19:52 O
あげる
ほ
ぜ
( ´ Д `)<んぁ
んぇ
ほ
▼ハヽヽ▼
/|\(〜^◇^) <やぐやぐ♪
⌒⌒''(U 保 )
▼〜し'~し'
632 :
名無し募集中。。。:05/03/20 13:31:57 0
633 :
名無し募集中。。。:05/03/20 16:32:20 0
∋oノハヽo∈
(〜^◇^)<やぐやぐ♪
634 :
名無し募集中。。。:05/03/20 18:03:21 0
a
作者がいないと保全も元気なくなるぜ
h
( ´ Д `)<ほぜんぁ
作者さんまだー?ほ
ぜ
从 ‘ 。‘)<ん
ho
( ´ Д `)<曜日が入ったぽ
ぽ
644 :
名無し募集中。。。:2005/03/21(月) 12:42:51 0
642 :名無し募集中。。。:2005/03/21(月) 07:39:11 O
从 ‘。‘)<まっ
从 ‘。‘)<ちゅら
( ´ Д `)<ご
从‘ 。‘)<まっ
650 :
名無し募集中。。。:2005/03/21(月) 23:44:08 0
∋oノハヽo∈
(〜^◇^)<やぐ
ヽ( ` Д ´)ノ<ごまっやぐって意味わからないぽ!
( ` Д ´)<気をとりなおしていくぽ!!
( ´ Д `)<ご
653 :
名無し募集中。。。:2005/03/22(火) 05:30:50 0
( ´ Д `)<とう
654 :
名無し募集中。。。:2005/03/22(火) 06:41:42 O
(´Д`)ジョパー
从VvV)<ほ
656 :
名無し募集中。。。:2005/03/22(火) 13:10:35 0
ヽ( ´ Д `)ノ<ごとうジョパー
(#` Д ´)
ジョッパーって何?